JP2020143218A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐熱性、低熱線膨張係数の硬化膜を形成することができ、感度および銅上での現像残渣の抑制に優れた感光性樹脂組成物が得られるポリアミド樹脂等を提供する。【解決手段】アミン成分とカルボン酸成分との反応物であるポリアミド樹脂であり、前記アミン成分が(A)ジアミン成分および(B)ジヒドロキシジアミン成分であり、前記カルボン酸成分が(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分であり、前記(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分の少なくともいずれか一種がベンゾオキサゾール骨格を有し、反応物として、ベンゾオキサゾール骨格を主鎖骨格に有し、かつ、イミド前駆体構造とベンゾオキサゾール前駆体構造を有することを特徴とするポリアミド樹脂等ある。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂、感光性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品に関する。
ポリベンゾオキサゾールは、耐熱性および電気絶縁性に優れることから、電気材料の表面保護膜や層間絶縁膜、例えば、半導体素子のコーティング膜や、フレキシブルプリント配線板材料、耐熱絶縁性層間材などの電子部品への適用が進められている。
従来、ポリベンゾオキサゾールの微細なパターンを形成するために、ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリヒドロキシアミドとも称す)と感光剤を配合した感光性樹脂組成物が用いられている。このような感光性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、ポリベンゾオキサゾール前駆体と感光性ジアゾキノンとで構成されたポジ型レジスト組成物が記載されている。
特公平1−046862号公報 特開2008−33157号公報
しかしながら、特許文献1に記載の組成物は、硬化物の耐熱性と、フォトリソグラフィにおける感度および解像性との両立が十分ではない場合があった。また、近年は、半導体素子の小型化や高集積化による多層配線化等により、銅配線上に表面保護膜および層間絶縁膜を直接形成する場合が多くなってきているが、銅上で現像すると多量の現像残渣が生じてしまうという課題もある。さらに、クラックを防止するために、また、WLP(ウエハレベルパッケージング)では半導体ウエハの大面積化が進んでおり、ウエハの反りを低減するために、硬化物の熱線膨張係数が低いこと(即ち、低CTE)も求められている。
上記課題を解決するために、それぞれの特性に優れたポリベンゾオキサゾール前駆体やポリイミド前駆体(ポリアミック酸とも称す)を併用することが検討されたが(特許文献2参照)、そのような混合物の場合、安定性が悪く、また、量的比率がかなり限定的であり、アルカリ溶解性や耐熱性の観点において特性が変化しやすいという問題があった。
そこで、本発明の目的は、高耐熱性、低熱線膨張係数の硬化膜を形成することができ、感度および銅上での現像残渣の抑制に優れた感光性樹脂組成物が得られるポリアミド樹脂、該ポリアミド樹脂を含有する感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
本発明者らは上記目的の実現に向け鋭意検討するなかで、ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリヒドロキシアミドとも称す)であるポリアミド樹脂を合成する際に、ベンゾオキサゾール骨格を導入することによって、硬化物の耐熱性を向上し、さらに、低CTE化ができるが、一方で、銅上での現像残渣を抑制することが難しくなる点に着眼し、更に検討を行った。その結果、一分子中にベンゾオキサゾール骨格とベンゾオキサゾール前駆体構造に加えて、アミック酸構造、即ち、イミド前駆体構造を導入したポリアミド樹脂であれば、該ポリアミド樹脂を含む感光性樹脂組成物は、耐熱性と低CTE化を実現しつつ、銅上での現像残渣の抑制に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリアミド樹脂は、アミン成分とカルボン酸成分との反応物であり、
前記アミン成分が(A)ジアミン成分および(B)ジヒドロキシジアミン成分であり、
前記カルボン酸成分が(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分であり、
前記(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分の少なくともいずれか一種がベンゾオキサゾール骨格を有し、
反応物として、ベンゾオキサゾール骨格を主鎖骨格に有し、かつ、イミド前駆体構造とベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂であることを特徴とするものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記ポリアミド樹脂と感光剤とを含有することを特徴とするものである。
本発明のドライフィルムは、前記感光性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記感光性樹脂組成物または前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、高耐熱性、低熱線膨張係数の硬化膜を形成することができ、感度および銅上での現像残渣の抑制に優れた感光性樹脂組成物が得られるポリアミド樹脂、該ポリアミド樹脂を含有する感光性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することができる。
以下、本発明のポリアミド樹脂、および、本発明の感光性樹脂組成物が含有する成分について詳述する。
(ポリアミド樹脂)
本発明のポリアミド樹脂は、アミン成分とカルボン酸成分との反応物であるポリアミド樹脂であり、前記アミン成分が(A)ジアミン成分および(B)ジヒドロキシジアミン成分であり、前記カルボン酸成分が(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分であり、前記(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分の少なくともいずれか一種がベンゾオキサゾール骨格を有し、反応物として、ベンゾオキサゾール骨格を有し、かつ、イミド前駆体構造とベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂であることを特徴とするものである。
アミン成分とカルボン酸成分との反応は、ポリアミド樹脂が得られれば特に限定されるものではなく、アミン成分とカルボン酸成分とが反応してアミド結合を形成するものであればよい。
本発明においては、カルボン酸成分の一つである(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分が、アミン成分との重付加反応によって、イミド前駆体構造を形成する。また、(B)ジヒドロキシジアミンはカルボン酸成分との重縮合反応によって、ベンゾオキサゾール前駆体構造を形成する。即ち、本発明のポリアミド樹脂は、イミド前駆体−ベンゾオキサゾール前駆体−アミド共重付加縮合体である。本発明のポリアミド樹脂は、(A)〜(D)成分をまとめて反応させたランダム共重合体であってもよく、また、(A)〜(D)成分を何れかの順番で逐次的に反応させたブロック共重合体であってもよい。
ベンゾオキサゾール骨格は、ポリアミド樹脂の主鎖骨格に含まれる。ベンゾオキサゾール骨格の導入方法は特に限定されないが、例えば、(A)〜(D)成分の何れかとして、ベンゾオキサゾール骨格を有する化合物を用いて、ポリアミド樹脂を合成すればよい。ポリアミド樹脂のアミド結合の数に対するベンゾオキサゾール骨格の数の割合は、0.1〜20%であることが好ましく、0.1〜10%であることがより好ましい。ポリアミド樹脂中のベンゾオキサゾール骨格が0.1%以上のとき、樹脂の耐熱性が向上し、20%以下であるとアルカリ溶解性が損なわれない。
ベンゾオキサゾール骨格は特に限定されず、ベンゾビスオキサゾール骨格でもよい。また、ベンゾオキサゾール骨格として、後述する一般式(1−1)〜(1−3)に示されるような、ベンゼン環が結合したベンゾオキサゾール骨格も好適に用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂が有するイミド前駆体構造(即ち、アミック酸構造)の割合は、カルボン酸成分中の(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分の割合で調整することが可能である。カルボン酸成分100モル%あたり、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分の割合は、1〜30モル%であることが好ましく、1〜15モル%であることがより好ましい。(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分から誘導されるポリアミド樹脂としてのカルボキシル基当量が1,000以上であることが好ましく、2,000〜5,000であることがより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂が有する、ベンゾオキサゾール前駆体構造の割合は、アミン成分中の(B)ジヒドロキシジアミン成分の割合で調整することが可能である。アミン成分100モル%あたり、(B)ジヒドロキシジアミン成分の割合は、70〜99モル%であることが好ましく、80〜99モル%であることがより好ましい。また、(B)ジヒドロキシジアミン成分が有するヒドロキシ基はフェノール性水酸基であることが好ましく、(B)ジヒドロキシジアミン成分は2つのヒドロキシ基と2つのアミノ基がオルト位に芳香環上に位置した構造を有することがより好ましい。このような(B)ジヒドロキシジアミン成分から誘導されるポリアミド樹脂としてのフェノール性水酸基当量が600以下であることが好ましく、100〜300であることがより好ましい。
本発明において、(A)ジアミン成分が、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンを含むことが好ましく、ベンゾオキサゾール骨格を有することで耐熱性がより向上する。前記ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンと前記(B)ジヒドロキシジアミン成分のモル比は、0.1:99.9〜30:70であることが好ましく、0.1:99.9〜15:85であることがより好ましい。また、前記(A)ジアミンがベンゾオキサゾール骨格を有する場合、前記(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および前記(D)ジカルボン酸成分のモル比が0.1:99.9〜30:70であることが好ましく、0.1:99.9〜20:80であることがより好ましい。
前記(A)ジアミン成分としては、特に限定されないが、本発明においては、「(A)ジアミン成分」には、「(B)ジヒドロキシジアミン成分」を含まないものとする。芳香族基である場合のジアミンの例としては、パラフェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを挙げることができる。また、脂肪族基である場合のジアミンの例としては、1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミンを挙げることができる。
前記(A)ジアミン成分がベンゾオキサゾール骨格を有する場合、(A)ジアミン成分としては、6−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンゾオキサゾール等の後述する一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)に対応するジアミン(即ち、下記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)が有する2つの「一般式(2)中の窒素原子との直接結合」をアミノ基に変更したジアミン)が挙げられる。
前記(A)ジアミン成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、前記(A)ジアミン成分として、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンと、ベンゾオキサゾール骨格を有しないジアミンとを併用してもよい。
前記(B)ジヒドロキシジアミン成分としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。中でも、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンが好ましい。前記(B)ジヒドロキシジアミン成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分としては、トリカルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物や核水添トリメリット酸無水物などが挙げられる。テトラカルボン酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’”,4,4’”−クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3””,4,4””−キンクフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物(即ち、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物)、ジフルオロメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−エチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1,3−トリメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−1,4−テトラメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,5−ペンタメチレン−4,4’−ジフタル酸二無水物、チオ−4,4’−ジフタル酸二無水物、スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルシロキサン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,3−ビス〔2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔2−(3,4−ジカルボキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン二無水物、ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタン二無水物、ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタンニ無水物、2,2−ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、メチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,2−エチレン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1−エチニリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロピリデン−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、オキシ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、チオ−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、スルホニル−4,4’−ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸)二無水物、3,3’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロスルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニル−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−2,2−パーフルオロプロピリデン−4,4’−ジフタル酸二無水物、9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ〔2,2,2〕オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、9,9−ビス〔4−(2,3−ジカルボキシ)フェニル〕フルオレン二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)などが挙げられる。前記(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(D)ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等の芳香環を有するジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の脂肪族系ジカルボン酸、それらのジカルボン酸ジハライド、それらのジカルボン酸エステル等が挙げられる。中でも、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル(即ち、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸)およびそのジハライドが好ましい。前記(D)ジカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリアミド樹脂のポリマー末端構造は特に限定されず、アミン成分の残基、カルボン酸成分の残基、不飽和二重結合、水酸基、チオール基等が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂は、アミン成分とカルボン酸成分とがアミド結合してなる下記一般式(1)で表される繰り返し構造を有するポリアミド樹脂であることが好ましい。
Figure 2020143218
(一般式(1)中、Xはアミン成分の残基であり、Yはカルボン酸成分の残基であり、前記アミン成分が、(A)ジアミン成分および(B)ジヒドロキシジアミン成分であり、前記カルボン酸成分が、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分と(D)ジカルボン酸成分であり、前記(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分の少なくともいずれか一種がベンゾオキサゾール骨格を有する。)
一般式(1)中、Xおよびその両側の2つの窒素原子はアミン成分に由来する構造であり、Yおよびその両側の2つのカルボニル基はカルボン酸成分由来する構造である。一般式(1)中、(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分、および、(D)ジカルボン酸成分はそれぞれ上述のとおりである。
前記ベンゾオキサゾール骨格は、下記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)のいずれかのベンゾオキサゾール構造であることが好ましい。
Figure 2020143218
(一般式(1−1)中、R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、または、一般式(1)中の窒素原子もしくはカルボニル基との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、または、一般式(1)中の窒素原子もしくはカルボニル基との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R〜Rのうちいずれか一つ、および、R〜Rのうちいずれか一つは共に、一般式(1)中の窒素原子との直接結合であるか、一般式(1)中のカルボニル基との直接結合である。)
Figure 2020143218
(一般式(1−2)中、R10〜R14は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、または、一般式(1)中の窒素原子もしくはカルボニル基との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R15〜R19は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、または、一般式(1)中の窒素原子もしくはカルボニル基との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R10〜R14のうちいずれか一つ、および、R15〜R19のうちいずれか一つは共に、一般式(1)中の窒素原子との直接結合であるか、一般式(1)中のカルボニル基との直接結合である。R20、R21はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2020143218
(一般式(1−3)中、R22〜R26は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、または、一般式(1)中の窒素原子もしくはカルボニル基との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。R27〜R31は水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基、または、一般式(1)中の窒素原子もしくはカルボニル基との直接結合のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、R22〜R26のうちいずれか一つ、および、R27〜R31のうちいずれか一つは共に、一般式(1)中の窒素原子との直接結合であるか、一般式(1)中のカルボニル基との直接結合である。R32、R33はそれぞれ水素原子、有機基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルホニル基、アミノ基のいずれかであり、同一であっても異なっていてもよい。)
前記一般式(1−1)におけるR〜R、R〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R14、R15〜R19、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R26、R27〜R31は、水素原子または一般式(1)中の窒素原子との直接結合であることが好ましい。
前記一般式(1−1)におけるR〜R、R〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R14、R15〜R19、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R26、R27〜R31がとりうる有機基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、アリル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
前記一般式(1−2)におけるR20、R21、および、前記一般式(1−3)におけるR32、R33がとりうる有機基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、アリル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
前記一般式(1−1)におけるR〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R21、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R33がとりうるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素が挙げられる。中でもポリマーの透過率の関係からフッ素が好ましい。
前記一般式(1−1)におけるR〜R、前記一般式(1−2)におけるR10〜R21、および、前記一般式(1−3)におけるR22〜R33、がとりうるスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、デシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等の炭素数1〜10のアルキルスルホニル基が挙げられる。
一般式(1)中、(A)ジアミン成分由来のXおよびその両側の2つの窒素原子は、下記一般式(2)で表される構造となる。
Figure 2020143218
(一般式(2)中、Zは(A)ジアミン成分の残基であり、2価の有機基である。)
前記一般式(2)中、Zが示す2価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましい。前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。
前記一般式(2)中、Zが示す2価の有機基は、上記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)のいずれかのベンゾオキサゾール構造(ただし、R〜R、R〜R、R10〜R14、R15〜R19、R22〜R26、および、R27〜R31はいずれも、一般式(1)中のカルボニル基との直接結合ではない)を有する2価の基であることが好ましい。
前記一般式(2)中、Zが示すジアミン成分としては、上記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)に対応するジアミン(即ち、上記一般式(1−1)、(1−2)および(1−3)が有する2つの「一般式(1)中の窒素原子との直接結合」をアミノ基に変更したジアミン)が挙げられる。
ポリアミド樹脂のアミン成分由来の構造100モル%あたり、上記一般式(2)で表される構造の数の割合は、1〜40モル%であることが好ましく、1〜30モル%であることがより好ましい。
一般式(1)中、(B)ジヒドロキシジアミン成分由来のXおよびその両側の2つの窒素原子は、下記一般式(3)で表される構造となる。
Figure 2020143218
(一般式(3)中、Wは(B)ジヒドロキシジアミン成分の残基であり、4価の有機基である。)
前記一般式(3)中、Wが示す4価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、2つのヒドロキシ基と2つのアミノ基がオルト位に芳香環上に位置することがより好ましい。前記4価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。前記4価の芳香族基の具体例としては下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれうる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
Figure 2020143218
前記4価の芳香族基は、前記芳香族基の中でも下記の基であることが好ましい。
Figure 2020143218
ポリアミド樹脂のアミン成分由来の構造100モル%あたり、上記一般式(3)で表される構造の数の割合は、60〜99モル%であることが好ましく、70〜99モル%であることがより好ましい。
一般式(1)中、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分由来のYおよびその両側の2つのカルボニル基は、下記一般式(4)で表される構造となる。
Figure 2020143218
(一般式(4)中、Pは(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分の残基であり、3価または4価の有機基である。jは1または2である。)
前記一般式(4)中、Pが示す3価または4価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、芳香環上で前記一般式(4)中のカルボニルと結合していることがより好ましい。前記3価または4価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。前記3価または4価の芳香族基の具体例としては下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、イミド前駆体に含まれる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
Figure 2020143218
(式中、Aは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−NHCO−、−C(CF−、−C(CH−からなる群から選択される2価の基を表す。)
前記3価または4価の有機基は、前記芳香族基の中でも下記の基であることが好ましい。
Figure 2020143218
ポリアミド樹脂のカルボン酸成分由来の構造100モル%あたり、上記一般式(4)で表される構造の数の割合は、1〜50モル%であることが好ましく、1〜15モル%であることがより好ましい。
一般式(1)中、(D)ジカルボン酸成分由来のYおよびその両側の2つのカルボニル基は、下記一般式(5)で表される構造となる。
Figure 2020143218
(一般式(5)中、Qは(D)ジカルボン酸成分の残基であり、2価の有機基である。)
前記一般式(5)中、Qが示す2価の有機基は脂肪族基でも芳香族基でもよいが、芳香族基であることが好ましく、芳香環上で前記一般式(5)中のカルボニルと結合していることがより好ましい。前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。前記2価の芳香族基の具体例としては下記の基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ポリベンゾオキサゾール前駆体に含まれる公知の芳香族基を用途に応じて選択すればよい。
Figure 2020143218
(式中、Aは単結合、−CH−、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−NHCO−、−C(CF−、−C(CH−からなる群から選択される2価の基を表す。)
前記2価の有機基は、前記芳香族基の中でも下記の基であることが好ましい。
Figure 2020143218
ポリアミド樹脂のカルボン酸成分由来の構造100モル%あたり、上記一般式(5)で表される構造の数の割合は、50〜99モル%であることが好ましく、85〜99モル%であることがより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂が有するアミド構造の繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(6)〜(9)で表される構造単位が挙げられる。
下記一般式(6)で表される構造単位は、(A)ジアミン成分と(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分に由来する構造単位である。
Figure 2020143218
(一般式(6)中、Zは一般式(2)と同様であり、Pおよびjは一般式(4)と同様である。)
一般式(6)で表される構造単位の具体例としては、例えば(A)ジアミン成分が、6−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールであり、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分が、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物である下記の構造単位が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2020143218
(右側の4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)由来の構造において、アミド結合およびカルボキシル基はメタ位またはパラ位である。)
下記一般式(7)で表される構造単位は、(A)ジアミン成分と(D)ジカルボン酸成分に由来する構造単位である。
Figure 2020143218
(一般式(7)中、Zは一般式(2)と同様であり、Qは一般式(5)と同様である。)
一般式(7)で表される構造単位の具体例としては、例えば(A)ジアミン成分が、6−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールであり、(D)ジカルボン酸成分が、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドである下記の構造単位が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2020143218
下記一般式(8)で表される構造単位は、(B)ジヒドロキシジアミン成分と(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分に由来する構造単位である。
Figure 2020143218
(一般式(8)中、Wは一般式(3)と同様であり、Pおよびjは一般式(4)と同様である。)
一般式(8)で表される構造単位の具体例としては、例えば、(B)ジヒドロキシジアミン成分が、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシアミドフェニル)ヘキサフルオロプロパンであり、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分が、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物である下記の構造単位が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2020143218
(右側の4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)由来の構造において、アミド結合およびカルボキシル基はメタ位またはパラ位である。)
下記一般式(9)で表される構造単位は、(B)ジヒドロキシジアミン成分と(D)ジカルボン酸成分に由来する構造単位である。
Figure 2020143218
(一般式(9)中、Wは一般式(3)と同様であり、Qは一般式(5)と同様である。)
一般式(9)で表される構造単位の具体例としては、例えば、(B)ジヒドロキシジアミン成分が、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシアミドフェニル)ヘキサフルオロプロパンであり、(D)ジカルボン酸成分が、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドである下記の構造単位が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2020143218
本発明のポリアミド樹脂の数平均分子量(Mn)は、3,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜50,000であることがより好ましい。ここで数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。また、本発明のポリアミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は6,000〜200,000であることが好ましく、15,000〜100,000であることがより好ましい。ここで重量平均分子量は、GPCで測定し、標準ポリスチレンで換算した数値である。Mw/Mnは1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法は、アミン成分とカルボン酸成分とを反応させてポリアミド樹脂を合成する工程を備えるイミド前駆体を有するポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリアミド樹脂の製造方法であって、
前記アミン成分が(A)ジアミン成分および(B)ジヒドロキシジアミン成分であり、
前記カルボン酸成分が(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分であり、
前記(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分の少なくともいずれか一種がベンゾオキサゾール骨格を有することを特徴とするものである。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法において、(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分、および、(D)ジカルボン酸成分はそれぞれ上述のとおりである。
前記アミン成分と前記カルボン酸成分とを反応させる方法は特に限定されず、公知の方法で合成すればよい。例えば、(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分をN−メチルピロリドンなどの溶液中で攪拌し、5℃以下の低温、具体的な例としては0℃で(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分、(D)ジカルボン酸成分を少しずつ加えていき、カルボン酸成分が溶解した後、室温で6時間以上反応させた後、再沈殿法などを用い固体として取り出す方法がある。
(感光性樹脂組成物)
本発明のポリアミド樹脂は、他の成分と混合して樹脂組成物として用いてもよい。また、感光剤と組み合わせて、感光性樹脂組成物とすることで、感度および銅上での現像残渣の抑制に優れ、高耐熱性、低熱線膨張係数の硬化膜を形成することができる。本発明のポリアミド樹脂の配合量は、感光性樹脂組成物中の不揮発分中、60〜95質量%含まれることが好ましい。
(感光剤)
感光剤としては、特に制限はなく、光酸発生剤や光塩基発生剤を用いることができる。光酸発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により酸を発生する化合物であり、光塩基発生剤は、同様の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。本発明においては、感光剤として、光酸発生剤を好適に用いることができる。
光酸発生剤としては、ナフトキノンジアジド化合物、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアゾスルホン酸エステル等を挙げることができる。光酸発生剤は、溶解阻害剤であることが好ましい。中でもナフトキノンジアジド化合物であることが好ましい。
ナフトキノンジアジド化合物としては、具体的には例えば、トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTS533,TS567,TS583,TS593)や、テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のBS550,BS570,BS599)や、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノールのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTKF−428,TKF−528)等を使用することができる。
また、光塩基発生剤としては、イオン型光塩基発生剤でもよく、非イオン型光塩基発生剤でもよいが、イオン型光塩基発生剤の方が組成物の感度が高く、パターン膜の形成に有利になるので好ましい。塩基性物質としては、例えば、2級アミン、3級アミンが挙げられる。
イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、芳香族成分含有カルボン酸と3級アミンとの塩や、和光純薬社製イオン型PBGのWPBG−082、WPBG−167、WPBG−168、WPBG−266、WPBG−300等を用いることができる。
非イオン型の光塩基発生剤としては、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。その他の光塩基発生剤として、和光純薬社製のWPBG−018(商品名:9−anthrylmethyl N,N’−diethylcarbamate)、WPBG−027(商品名:(E)−1−[3−(2−hydroxyphe
nyl)−2−propenoyl]piperidine)、WPBG−140(商品名:1−(anthraquinon−2−yl)ethyl imidazolecarboxylate)、WPBG−165等を使用することもできる。
感光剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。感光剤の配合量は、組成物の固形分全量基準で3〜30質量%であることが好ましく5〜20質量%であることがより好ましい。
(架橋剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を添加することで低温硬化した際の硬化膜の強度が上がる。架橋剤は、特に限定されず、公知慣用の架橋剤を含有してもよい。架橋剤は、本発明のポリアミド樹脂のフェノール性水酸基またはカルボキシル基と反応し、架橋構造を形成する化合物であることが好ましい。架橋剤としては、エポキシ基などの環状エーテル基を有する架橋剤、エピスルフィド基などの環状チオエーテル基を有する架橋剤、フェノール性水酸基を有する架橋剤、メチロール基などの炭素数1〜12のアルキレン基にヒドロキシル基が結合したアルコール性水酸基を有する架橋剤、トリアジン環構造を有する架橋剤、尿素系架橋剤が挙げられる。架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
((メタ)アクリル化合物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(メタ)アクリル化合物を含有してもよい。(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されないが、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を2つ有する化合物が好ましく、中でも、ジオールの(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどの)アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートや2官能のポリエステル(メタ)アクリレートが好ましく、2官能のポリエステル(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル化合物とは、アクリル化合物、メタクリル化合物およびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
ジオールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートとしては、具体的にはジオールをアルキレンオキシド変性した後に末端に(メタ)アクリレートを付加させたものが好ましく、ジオールに芳香環を有するものがさらに好ましい。例えば、ビスフェノールAEO(エチレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールA PO(プロピレンオキサイド)付加物ジアクリレートなどが挙げられる。ジオールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートの具体的な構造を下記に示すがこれに限定されるものではない。
Figure 2020143218
(式中、m+nは2以上であり、2〜40であることが好ましく、3.5〜25であることがより好ましい。)
2官能のポリエステル(メタ)アクリレートとしては、M−6200、M−6250、M−6500(東亞合成社製の商品名)が好ましい。
(増感剤、密着剤、その他の成分)
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に光感度を向上させるために公知の増感剤や、基材との接着性向上のためシランカップリング剤などの公知の密着剤などを配合することもできる。更に、本発明の感光性樹脂組成物に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合してもよい。例えば、界面活性剤、レベリング剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、シリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子が含まれる。また、本発明の感光性樹脂組成物に各種着色剤、繊維、可塑剤、熱酸発生剤等を配合してもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリアミド樹脂以外の樹脂成分を含んでもよい。
(溶剤)
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる溶剤は、本発明のポリアミド樹脂、感光剤、および、他の添加剤を溶解させるものであれば特に限定されない。一例としては、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもかまわない。使用する溶剤の量は、塗布膜厚や粘度に応じて適宜に定めることができる。例えば、本発明のポリアミド樹脂100質量部に対し、50〜9,000質量部の範囲で用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型でもネガ型でもよい。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、本発明の感光性樹脂組成物を塗布後、乾燥して得られる樹脂層を有する。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム(支持フィルム)に本発明の感光性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等を用いた適宜の方法により均一に塗布し、乾燥して、前記した樹脂層を形成し、好ましくはその上にカバーフィルム(保護フィルム)を積層することにより、製造することができる。カバーフィルムとキャリアフィルムは同一のフィルム材料であっても、異なるフィルムを用いてもよい。
本発明のドライフィルムにおいて、キャリアフィルムおよびカバーフィルムのフィルム材料は、ドライフィルムに用いられるものとして公知のものをいずれも使用することができる。
キャリアフィルムとしては、例えば、2〜150μmの厚さのポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
本発明のドライフィルム上の樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5〜50μmの範囲がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて、その硬化物であるパターン膜は、公知慣用の製法で製造すればよく、例えば、感光剤としての光酸発生剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物の場合、次の各ステップにより製造する。
まず、ステップ1として、感光性樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥することにより、或いはドライフィルムから樹脂層を基材上に転写(ラミネート)することにより塗膜を得る。感光性樹脂組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性樹脂組成物中の本発明のポリアミド樹脂の閉環が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、自然乾燥、送風乾燥、あるいは加熱乾燥を、70〜140℃で1〜30分の条件で行うことができる。好ましくは、ホットプレート上で1〜20分乾燥を行う。また、真空乾燥も可能であり、この場合は、室温で20分〜1時間の条件で行うことができる。
感光性樹脂組成物の塗膜が形成される基材については、特に制限はなく、シリコンウェハー等の半導体基材、配線基板、各種樹脂や金属などからなる基材に広く適用できる。
次に、ステップ2として、上記塗膜を、パターンを有するフォトマスクを介して、あるいは直接的に、露光する。露光光線は、感光剤としての光酸発生剤を活性化させ、酸を発生させることができる波長のものを用いる。具体的には、露光光線は、最大波長が350〜410nmの範囲にあるものが好ましい。上述したように、増感剤を適宜に配合することにより、光感度を調整することができる。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等を用いることができる。
続いて、ステップ3として、加熱し、未露光部のポリアミド樹脂の一部を環化してもよい。ここで、環化率は、30%程度である。加熱時間および加熱温度は、ポリアミド樹脂、塗布膜厚および感光剤としての光酸発生剤の種類によって、適宜変更する。
次いで、ステップ4として、塗膜を現像液で処理する。これにより、塗膜中の露光部分を除去して、本発明の感光性樹脂組成物のパターン膜を形成することができる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。現像液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩類等の水溶液を挙げることができる。また、必要に応じて、これらにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加してもよい。その後、必要に応じて塗膜をリンス液により洗浄してパターン膜を得る。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を単独または組み合わせて用いることができる。また、現像液として上記溶媒を使用してもよい。
その後、ステップ5として、パターン膜を加熱して硬化塗膜(硬化物)を得る。このとき、ベンゾオキサゾール前駆体構造とイミド前駆体構造を環化し、ベンゾオキサゾール骨格とイミド骨格を得る。加熱温度は、感光性樹脂組成物のパターン膜を硬化可能なように適宜設定する。例えば、不活性ガス中で、150℃以上350℃未満で5〜120分程度の加熱を行う。加熱温度のより好ましい範囲は、180〜320℃である。加熱は、例えば、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行う。このときの雰囲気(気体)としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の用途は特に限定されず、例えば、塗料、印刷インキ、または接着剤、あるいは、表示装置、半導体装置、電子部品、光学部品、または建築材料の形成材料として好適に用いられる。具体的には、表示装置の形成材料としては、層形成材料や画像形成材料として、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等に用いることができる。また、半導体装置の形成材料としては、レジスト材料、バッファーコート膜のような層形成材料等に用いることができる。さらに、電子部品の形成材料としては、封止材料や層形成材料として、プリント配線板、層間絶縁膜、配線被覆膜等に用いることができる。さらにまた、光学部品の形成材料としては、光学材料や層形成材料として、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等に用いることができる。さらにまた、建築材料としては、塗料、コーティング剤等に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、主にパターン形成材料として用いられ、それによって形成されたパターン膜は、例えば、ベンゾオキサゾール骨格とイミド骨格を有するポリマーからなる永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能することから、特に半導体装置、表示体装置および発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、受動部品用絶縁材料、ソルダーレジストやカバーレイ膜などのプリント配線板の保護膜、ならびに液晶配向膜等として好適に利用できる。特に、銅配線やアルミニウム配線と接する絶縁膜等に用いて好適である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、すべて質量基準である。
(ポリアミド樹脂の合成)
ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリアミド樹脂A−1〜A−5、R−1、および、ポリイミド前駆体であるポリアミド樹脂R−2を下記のように合成した。尚、各ポリアミド樹脂の、アミン成分とカルボン酸成分、および、これらのモル%を後述する表1中に並べて記載した。
(実施例1−1:ポリアミド樹脂A−1の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン70g仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)8.50g(23.2mmol)と6−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(O−BO)0.581g(2.58mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)1.25g(2.81mmol)を固体のまま10分間かけて加え、氷浴中で15分間撹拌した。続いて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド(DEDC)7.46g(25.3mmol)を固体のまま加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を400mLのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥して、下記の繰り返し構造を有する10%部分ベンゾオキサゾール化10%イミド前駆体―ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリアミド樹脂(A−1)を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量(Mw)は31,400であった。また、数平均分子量(Mn)は9,900、Mw/Mnは3.17であった。
Figure 2020143218
(右側の4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)由来の構造において、アミド結合およびカルボキシル基はメタ位またはパラ位である。)
Figure 2020143218
(右側の4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)由来の構造において、アミド結合およびカルボキシル基はメタ位またはパラ位である。)

Figure 2020143218
(実施例1−2:ポリアミド樹脂A−2の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン130g仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)8.50g(23.2mmol)と6−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(O−BO)2.24g(10.0mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)3.75g(8.4mmol)を固体のまま10分間かけて加え、氷浴中で15分間撹拌した。続いて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド(DEDC)12.44g(42.2mmol)を固体のまま加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を400mLのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥して50%部分ベンゾオキサゾール化50%イミド前駆体―ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリアミド樹脂(A−2)を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は19,400であった。また、数平均分子量(Mn)は7,600、Mw/Mnは2,55であった。
(実施例1−3:ポリアミド樹脂A−3の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン70g仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)8.50g(23.2mmol)と6−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(O−BO)0.581g(2.58mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)0.8719g(2.81mmol)を固体のまま10分間かけて加え、氷浴中で15分間撹拌した。続いて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド(DEDC)7.46g(25.3mmol)を固体のまま加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を400mLのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥して10%部分ベンゾオキサゾール化10%イミド前駆体―ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリアミド樹脂(A−3)を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は27,300であった。また、数平均分子量(Mn)は10,600、Mw/Mnは2.58であった。
(実施例1−4:ポリアミド樹脂A−4の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン70g仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)8.50g(23.2mmol)と6−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(O−BO)0.581g(2.58mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物(BPDA)0.8719g(2.81mmol)を固体のまま10分間かけて加え、氷浴中で15分間撹拌した。続いて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド(DEDC)7.46g(25.3mmol)を固体のまま加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を400mLのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥して10%部分ベンゾオキサゾール化10%イミド前駆体―ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリアミド樹脂(A−4)を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は30,200であった。また、数平均分子量(Mn)は11,400、Mw/Mnは2.65であった。
(実施例1−5:ポリアミド樹脂A−5の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン70g仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)8.50g(23.2mmol)と2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンゾオキサゾール(N−BO)0.581g(2.58mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)1.25g(2.81mmol)を固体のまま10分間かけて加え、氷浴中で15分間撹拌した。続いて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド(DEDC)7.46g(25.3mmol)を固体のまま加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を400mLのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥して10%部分ベンゾオキサゾール化10%イミド前駆体―ポリベンゾオキサゾール前駆体であるポリアミド樹脂(A−5)を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は29,700であった。また、数平均分子量(Mn)は11,800、Mw/Mnは2.52であった。
(参考例1−1:ポリアミド樹脂R−1の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン212gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP)60.52g(165.22mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド(DEDC)53.02g(179.65mmol)を固体のまま5gずつ30分間かけて加え、氷浴中で30分間撹拌した。その後、室温で5時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を1Lのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥してカルボキシル基末端の下記の繰り返し構造を有するポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体であるポリアミド樹脂(R−1)を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は重量平均分子量(Mw)は32,100であった。また、数平均分子量(Mn)は13,100、Mw/Mnは2.45であった。
Figure 2020143218
(参考例1−2:ポリアミド樹脂R−2の合成)
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にN−メチルピロリドン212gを仕込み、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)9.29g(46.4mmol)を撹拌溶解した。その後、フラスコを氷浴に浸し、フラスコ内を0〜5℃に保ちながら、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)24.8g(50.6mmol)を加え、室温で18時間撹拌を続けた。撹拌した溶液を400mLのイオン交換水(比抵抗値18.2MΩ・cm)に投入し、析出物を回収した。その後、得られた固体をアセトン420mLに溶解させ、1Lのイオン交換水に投入した。析出した固体を回収後、減圧乾燥してカルボキシル基末端の下記の繰り返し構造を有するポリイミド(PI)前駆体であるポリアミド樹脂(R−2)を得た。GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は31,400であった。また、数平均分子量(Mn)は12.500、Mw/Mnは2.5であった。
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
Figure 2020143218
(感光性樹脂組成物の調製)
下記表2に示す割合(質量部)で各成分を加え、γ−ブチロラクトンをポリアミド樹脂に対し30質量%になるように加え、完全に溶解させワニスとした。
(感度評価、現像残渣評価、および、未露光部残膜率測定)
上記で調整したワニスを、スピンコーターを用いて銅スパッタシリコン基板上に塗布し、ホットプレートで110℃3分乾燥させ、感光性樹脂組成物の厚さ12μmの乾燥膜を得た。乾燥膜に露光量0〜1000mJ/cmのi線を照射した。露光後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で80秒間現像し、水でリンスし、ポジ型パターンを得た。
・感度評価
スパッタ銅基板面まで現像できた露光量を表に記載した。
・現像残渣評価
上記パターンで残渣なく現像できたものを○、残渣があったものを×とした。
・未露光部残膜率測定
上記パターンの未露光部膜厚を現像前と現像後で比較し残膜率を算出した。
Figure 2020143218
(Tg,CTEの評価)
上記で調整したワニスを、シリコンウェハー上にスピンコートして、110℃で3分間加熱した。その後、イナートガスオーブン(光洋サーモシステム(株)製CLH−21CD−S)中、窒素雰囲気下、110℃で10分加熱した後、150℃で30分間保持、320℃で60分加熱して膜厚40μmの硬化膜を得た。次に、PCT装置を用いて、121℃、100%RH、60分の条件下で硬化膜を剥離した後、TMA Q400(TAインスツルメント)を用いCTEとTgを測定した。
Figure 2020143218
※膨潤により測定不可
<感光剤>
ナフトキノンジアジド化合物(三宝化学研究所社製TKF−428)
Figure 2020143218
<架橋剤>
MW390(三和ケミカル社製)
Figure 2020143218
HP4032D(DIC社製)
Figure 2020143218
TM−BIP−A(旭有機材工業社製)
Figure 2020143218
<アクリル化合物>
アロニックスM−6250(2官能ポリエステルアクリレート、東亞合成社製)
上記表2中に示す結果から、本発明のポリアミド樹脂を用いることによって、高耐熱性、低線熱膨張係数の硬化膜を形成することができ、感度および銅基板上での現像残渣の抑制に優れた感光性樹脂組成物が得られることが分かる。
(低温硬化で得られた硬化膜のTg,CTEの評価)
実施例2−6〜2−9について、上記で調整したワニスを、シリコンウェハー上にスピンコートして、110℃で3分間加熱した。その後、イナートガスオーブン(光洋サーモシステム(株)製CLH−21CD−S)中、窒素雰囲気下、110℃で10分加熱した後、150℃で30分間保持、220℃で60分加熱して膜厚40μmの硬化膜を得た。次に、PCT装置を用いて、121℃、100%RH、60分の条件下で硬化膜を剥離した後、TMA Q400(TAインスツルメント)を用いCTEとTgを測定した。
Figure 2020143218
上記表3中に示す結果から、本発明のポリアミド樹脂を用いることによって、低温で硬化した場合であっても、高耐熱性、低線熱膨張係数の硬化膜を形成することができことが分かる。

Claims (5)

  1. アミン成分とカルボン酸成分との反応物であるポリアミド樹脂であり、
    前記アミン成分が(A)ジアミン成分および(B)ジヒドロキシジアミン成分であり、
    前記カルボン酸成分が(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分であり、
    前記(A)ジアミン成分、(B)ジヒドロキシジアミン成分、(C)トリまたはテトラカルボン酸無水物成分および(D)ジカルボン酸成分の少なくともいずれか一種がベンゾオキサゾール骨格を有し、
    反応物として、ベンゾオキサゾール骨格を主鎖骨格に有し、かつ、イミド前駆体構造とベンゾオキサゾール前駆体構造を有することを特徴とするポリアミド樹脂。
  2. 請求項1記載のポリアミド樹脂と感光剤とを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  3. 請求項2記載の感光性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  4. 請求項2記載の感光性樹脂組成物または請求項3記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  5. 請求項4記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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