JP2007078886A - 画像形成装置及びトナー残量検出方法 - Google Patents

画像形成装置及びトナー残量検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 専用のトナー残量検出装置を具備することなく、トナー残量を精度よく検出することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 トナー残量検出部31は、トナー残量の検出を、補給量の安定した所定残量以上では、累積回転時間計測部35に基づくトナー補給量算出部32の算出結果を用い、残量が少なくなって補給量がばらつく領域では、ピクセルカウント部36に基づくトナー消費量算出部33の算出結果を用い、さらにトナー残量が減ったトナー切れ間近の領域では、トナー濃度制御部34によるATCの結果を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナーを使用して画像形成を行う画像形成装置において、トナー切れまで、トナー残量を精度よく検出することのできる技術に関するものである。
トナーを使用して画像を形成するプリンタ、複写機及びファクシミリ装置などの画像形成装置においては、トナー補給などのメンテナンスの都合上、トナー残量を把握する必要がある。従来、トナー残量検出装置を具備しない画像形成装置においては、使用する現像剤が2成分現像剤である場合、トナー濃度制御(ATC)の制御結果を用いてトナー残量を検出している(例えば、特許文献1)。
ATCとは、現像剤の透磁率を測定して、現像剤中のトナー濃度を一定に制御するものである。2成分現像剤は、鉄粉等からなるキャリアに所定濃度(例えば4〜5%)程度でトナーが混合されてなる。したがって、現像剤中のトナーが消費されてキャリアの割合が増加すると、現像剤の透磁率が上昇するため、現像剤の透磁率を検出することで、現像剤中のトナーの割合を把握することができる。
ATCでは、透磁率が上昇して上限値(トナー濃度の下限値に相当)を超えると、補給モータを所定時間(或いは所定回転数)回転させてトナーボトル等のトナー供給源よりトナーを補給する手法や、透磁率の下限値(トナー濃度の上限値に相当)を定めておき、透磁率が上昇して上限値を超えると、上記下限値に到達するまで補給モータを回転させてトナー供給源よりトナーを補給する手法等がある。
何れの手法においても、トナー供給源においてトナーの残量が少なくなると、ATCにてその影響が現れ、制御結果よりこれを検出することができる。つまり、補給モータの所定回転時間あたりの補給量が減るため、前者の場合は、トナー補給が頻繁に繰り返されるようになり、このことから、トナー残量がすくないことを検出することができる。また、後者の場合は、補給モータの所定回転時間あたりの補給量が減るため、補給時間(下限値に到達するまでの所要時間)が長くかかるようになり、このことから、トナー残量がすくないことを検出することができる。そして、補給モータを所定時間(例えば3秒)回転させても、透磁率が戻らない、つまりトナー濃度が上昇しない場合、トナーエンプティ(トナー切れ、トナーエンド)を検出する。
また、ATCを用いることなくトナーの消費量或いは残量を検出する従来技術として、例えば特許文献2〜4がある。
特許文献1には、印刷ドットの形成回数をカウントすると共に、そのカウント値に所定の重み付け係数を乗じた値を積算し、その積算値に基づいてトナー消費量を求めることが開示されている。また、これにおいては、重み付け係数を、トナーの使用履歴に応じて変更設定するとも記載さている。
特許文献2には、画像信号に基づいて印刷ドット数をカウントし、その結果からトナー消費量を算出する一方、パッチ画像形成を伴う濃度制御モードのような動作モードでは、パッチ画像のパターンに応じたトナー消費量を算出することで、トナー残量を求めることが開示されている。
特許文献3には、画像のビデオカウント値をトナー補給時間に換算するトナー補給関数を、形成中の画像のビデオカウント値により重み付けを行いながら補正することにより、トナーの補給量をトナー消費量に見合うようにする技術が開示されている。
特開10−221944号公報(公開日:1998年8月21日) 特開2004−163553号公報(公開日:2004年6月10日) 特開2004−163554号公報(公開日:2004年6月10日) 特開平10−333419号公報(公開日:1998年12月18日) 特開2004−317592号公報(公開日:2004年11月11日)
しかしながら、上記特許文献1に開示されているATCを用いてトナー残量を検出する手法では、満杯からエンプティまでのトナー残量を経過的に検出することができない。そのため、ユーザは、次のトナーを準備するまでの期間を確保することができず、画像形成装置の稼働率が低下するといった問題がある。
つまり、ATCにおいて、トナー補給が頻繁に繰り返されたり、1回あたりのトナー補給時間が長く掛かるようになるのは、トナー残量が十分に少なくなってからであり、用紙のサイズおよび印字率にもよるが、残りの印字可能枚数はわずか50枚〜100枚程度である。そのため、このような状態が検出された時点で、ユーザに対してトナー残量がすくないことを通知しても、次のトナーを準備する前にトナーエンプティ(トナー切れ)に至り、画像形成装置を停止させてしまう惧が多分にある。
一方、特許文献2〜4に開示された従来の技術では、画像信号やパッチ画像のパターン等に基づいて使用されるトナー量を演算にて精度よく求め、これをトナー消費量としている。したがって、このようにして求めたトナー消費量からトナー残量を求めることで、ATCによるよりも早い段階でトナーの残量が少ないことを検出し、ユーザに通知することも可能である。
しかしながら、実際に感光体上に載るトナー量は、環境や装置毎のばらつきにて必ずしも一定量とはならない。そのため、重み付け演算等を行って如何に精度を上げたとしても、演算にて求めた結果のみを用いてトナー残量を判断すると、残りの印字可能枚数として十分な枚数を見込んだ状態でユーザにトナーの残量が少ないことを通知するように設定しても、予定の印字枚数に到達するよりも前にトナーエンプティとなったり、逆に、トナーがまだ残っている状態で、トナーエンプティと判断してしまったりする惧もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、専用のトナー残量検出装置を具備することなく、トナー残量を精度よく検出することができる画像形成装置及びトナー残量検出方法を提供することであり、さらには、検出したトナー残量に応じてより適切なタイミングにてユーザにトナーに関する情報を通知することのできる画像形成装置を提供することにある。
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、トナーとキャリアとからなる2成分の現像剤を使用し、現像装置内のトナー濃度を一定にすべく現像剤の透磁率に基づいて補給装置から現像装置内へとトナーを補給するトナー濃度制御手段を有する画像形成装置において、補給装置内のトナーの残量を検出するトナー残量検出手段を有しており、該トナー残量検出手段は、回転駆動することで補給装置から現像装置へとトナーを補給する補給モータの累積回転数に基づいて補給されるトナー量を算出するトナー補給量算出手段と、画像情報に基づいて画像を形成することで消費されるトナー量を算出するトナー消費量算出手段と、上記トナー濃度制御手段とを含み、上記補給装置内のトナーの残量が、第1の所定値に達するまでは上記トナー補給量算出手段の算出結果に基づいて検出し、第1の所定値に達すると次に第2の所定値に達するまで上記トナー消費量算出手段の算出結果に基づいて検出し、第2の所定値に達すると上記トナー濃度制御手段による制御結果に基づいて検出することを特徴としている。
これによれば、補給装置内のトナーの残量は、第1の所定値に達するまではトナー補給量算出手段にて算出された補給モータの累積回転数に基づくトナー補給量にて検出され、第1の所定値に達すると次に第2の所定値に達するまで、トナー消費量算出手段にて算出された画像情報に基づくトナー消費量にてトナー残量が検出され、第2の所定値に達した以降は、トナー濃度制御手段による制御結果に基づいて検出される。
つまり、補給装置内のトナー残量が、補給モータの回転数や回転時間に応じて直線的に変化する、補給量の安定した所定残量以上では、精度容易な補給モータの累積回転数でトナー残量を検出し、残量が少なくなって補給量がばらつく領域では、画像情報に基づいて消費されるトナー量を予測してトナー残量を検出し、さらにトナー残量が減った領域では、従来通りのトナー濃度制御手段による制御結果を利用して、現像装置内のトナー量を直接検出してトナー切れを検出する。
したがって、トナー残量に応じた残量検出が可能となり、専用のトナー残量検出装置を具備しなくとも、満杯からエンプティまでトナー残量を精度よく検出することができる。
しかも、ATCのみによる残量検出とは異なり、トナー残量を満杯からエンプティまで経過的に検出することができるので、適切なタイミングにてユーザにトナーに関する情報を通知するといったことを簡単に実現できる。
上記第1の所定値は、補給装置内のトナーの残量が補給モータの累積回転数に応じて直線的に変化する領域内の値に設定することができ、上記第2の所定値は、上記トナー消費量算出手段による算出誤差が生じても、上記トナー濃度制御手段の制御結果に基づくトナーの残量の検出が可能となる値に設定することができる。
本発明の画像形成装置においては、さらに、ユーザが交換用の補給装置を入手するために要する日数分のトナー使用量に応じて第3の所定量が設定されており、トナー残量検出手段によるトナーの残量の検出にて、補給装置内のトナーの残量が上記第3の所定値に達すると、表示部を用いてトナーの準備が必要であることをユーザに通知する通知手段を備える構成とすることもできる。
これによれば、トナー残量が、ユーザが交換用の補給装置を入手するために要する日数分のトナー使用量に応じて設定された第3の所定量に達すると、通知手段が表示部を用いてトナー準備を促すので、ユーザは適切なタイミングで次のトナーを準備することができ、画像形成装置の稼働率の低下を回避できる。
本発明の画像形成装置においては、さらに、補給装置内のトナーの残量が第1の所定値に到達するまでの期間、上記トナー補給量算出手段によるトナー補給量の算出と並行して上記トナー消費量算出手段においてもトナー消費量を算出させ、上記トナー補給量算出手段によるトナー補給量の算出結果に基づいて上記トナー消費量算出手段を補正する補正手段を備える構成とすることもできる。
補給装置内のトナー残量が、補給モータの回転数や回転時間に応じて直線的に変化する残量領域におけるトナー補給量算出手段の算出精度は非常に高い。これを利用して、上記構成では、精度の高いトナー補給量算出手段による算出結果を用いて、トナー消費量算出手段を補正するので、トナー消費量算出手段によるトナー消費量算出の精度を上げることができる。
本発明の画像形成装置においては、上記トナー消費量算出手段を、例えば、画像情報に基づいて印刷ドットの形成回数をカウントしてトナー消費量を算出する構成とすることができる。
また、本発明の画像形成装置においては、上記トナー消費量算出手段を、画像情報に対する画像処理および補正処理をデジタル的に行い、入力される多値画像のピクセルカウントを行ってトナー消費量を算出するものであって、入力された多値画像の入力信号値をピクセルごとにカウントするカウント手段と、前記入力信号値に対応する重み付け係数を格納する重み付け係数テーブルと、前記カウント手段により入力信号値をカウントする際に、入力信号値に対応する重み付け係数を前記重み付け係数テーブルから取得して、ピクセルごとに重み付けを行う重み付け演算手段とを備える構成とすることができる。
これによれば、形成ドットをカウントしてトナー消費量を算出する構成と比べて、画像情報の階調に応じた重み付けが可能となるので、より精度よくトナー消費量を算出することができる。
本発明の画像形成装置においては、さらに、上記第1〜第3の所定値の設定を外部より可能にする入力部を備える構成とすることができる。
上記した第1、第2の所定値は、画像形成装置毎のバラツキを有する値であり、また、補給装置側のバージョン変更などによっても変化する値である。したがって、このように外部より設定可能としておくことで、画像形成装置毎のバラツキや、補給装置側のバージョン変更にも対応できる。また、第3の所定値は、ユーザそれぞれによって異なってくる値であるので、このように入力部を用いて適宜設定し得る構成としておくことで、ユーザ毎に適切なタイミングにてメッセージを通知することができる。
本発明の画像形成装置においては、さらに、上記第3の所定値を演算にて設定する所定値設定手段を供え、上記所定値設定手段は、上記補給装置内のトナーの初期量から第1の所定値を減じた値を、上記補給装置が交換されてからトナーの残量が第1の所定値に至るまでの経過日数にて除して1日当たりのユーザ消費量を算出する消費量/日算出手段と、該消費量/日算出手段にて算出された消費量/日にユーザに応じて設定される入手日数を掛けて第3の所定値を算出する所定値算出手段とを備える構成とすることができる。
これによれば、消費量/日算出部が、1日当たりの消費量を算出し、所定値算出部が、消費量/日算出部にて算出された1日当たりに消費量にユーザに応じて設定される入手日数を掛けて第3の所定値を算出する。したがって、より一層、メッセージの通知時期が適切となり、最近のユーザのトナー使用量を考慮して的確にユーザが希望するタイミング(入手日数を確保)にてトナー準備を促すことができる。
本発明の画像形成装置においては、さらに、上記補給装置が、内部にトナーを収容し、水平に配置される円筒状をなす容器本体を有しており、該容器本体が容器本体の軸線を回転軸として回転駆動されることで、円筒面に設けられた開口部よりトナーを現像装置への補給するようになっている構成とすることもできる。
このような回転タイプの補給装置は、1回転あたりのトナー補給量が安定しているので、上記した補給モータの累積回転数を基に補給量を求めてトナー残量を検出する構成と組み合わせることで、より高精度なトナー残量の検出が可能となる。
本発明のトナー残量検出方法は、トナーとキャリアとからなる2成分の現像剤を使用し、現像装置内のトナー濃度を一定にすべく現像剤の透磁率に基づいて補給装置から現像装置内へとトナーを補給するトナー濃度制御手段を有する画像形成装置に用いられる補給装置内のトナーの残量を検出するトナー残量検出方法であって、補給装置から現像装置へとトナーを補給する補給モータの累積回転数に応じて補給装置内のトナーの残量が直線的に変化する残量の多い領域では、上記補給モータの累積回転数に基づいて残量を検出し、補給モータの累積回転数に応じてトナーの残量が直線的に変化しない残量の少ない領域では、画像情報に基づいて画像を形成することで消費されるトナー量に基づいて残量を検出し、残量がゼロに近い領域では、上記トナー濃度制御手段の制御結果に基づいて残量を検出することを特徴としている。
既に、画像形成装置において説明したように、このようなトナー残量検出方法では、トナー残量に応じた残量検出が可能となり、専用のトナー残量検出装置を具備しなくとも、満杯からエンプティまでトナー残量を精度よく検出することができ、また、適切なタイミングにてユーザにトナーに関する情報を通知するといったことが簡単に実施できる。
なお、本発明はコンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを、上記した本発明の画像形成装置が具備する各手段として機能させるトナー残量検出プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の画像形成装置は、以上のように、トナーとキャリアとからなる2成分の現像剤を使用し、現像装置内のトナー濃度を一定にすべく現像剤の透磁率に基づいて補給装置から現像装置内へとトナーを補給するトナー濃度制御手段を有する画像形成装置において、補給装置内のトナーの残量を検出するトナー残量検出手段を有しており、該トナー残量検出手段は、回転駆動することで補給装置から現像装置へとトナーを補給する補給モータの累積回転数に基づいて補給されるトナー量を算出するトナー補給量算出手段と、画像情報に基づいて画像を形成することで消費されるトナー量を算出するトナー消費量算出手段と、上記トナー濃度制御手段とを含み、上記補給装置内のトナーの残量が、第1の所定値に達するまでは上記トナー補給量算出手段の算出結果に基づいて検出し、第1の所定値に達すると次に第2の所定値に達するまで上記トナー消費量算出手段の算出結果に基づいて検出し、第2の所定値に達すると上記トナー濃度制御手段による制御結果に基づいて検出することを特徴としている。
本発明のトナー残量検出方法は、トナーとキャリアとからなる2成分の現像剤を使用し、現像装置内のトナー濃度を一定にすべく現像剤の透磁率に基づいて補給装置から現像装置内へとトナーを補給するトナー濃度制御手段を有する画像形成装置に用いられる補給装置内のトナーの残量を検出するトナー残量検出方法であって、補給装置から現像装置へとトナーを補給する補給モータの累積回転数に応じて補給装置内のトナーの残量が直線的に変化する残量の多い領域では、上記補給モータの累積回転数に基づいて残量を検出し、補給モータの累積回転数に応じてトナーの残量が直線的に変化しない残量の少ない領域では、画像情報に基づいて画像を形成することで消費されるトナー量に基づいて残量を検出し、残量がゼロに近い領域では、上記トナー濃度制御手段の制御結果に基づいて残量を検出することを特徴としている。
これにより、トナー残量に応じた残量検出が可能となり、専用のトナー残量検出装置を具備しなくとも、満杯からエンプティまでトナー残量を精度よく検出することができ、また、適切なタイミングにてユーザにトナーに関する情報を通知するといったことが簡単に実施できる。
本発明の一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。
図2に、本実施の形態の画像形成装置の縦断面図を示す。図2に示すように、画像形成装置1は、CCD(Charge Coupled Device)等にて原稿を読み取って画像信号を出力する画像読取装置(スキャナ)2と、上記画像信号に基づいて用紙上に画像を形成(印刷)するプリンタ部3と、プリンタ部3に順次用紙を供給する給紙デスク装置4とを含む構成である。
プリンタ部3には、マゼンタ、シアン、イエローに対応した3つのカラー用感光体ドラム10a…と、カラー用感光体ドラム10aよりも大きいブラック用感光体ドラム10bが備えられている。これら各感光体ドラム10への静電潜像の書き込みは、光学ユニット(LSU)12にて行われ、書き込みがデジタル制御される。
各感光体ドラム10の周囲には、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのうちの対応する現像剤を収容し、感光体ドラム10上の静電潜像を現像する現像装置13が個々に配置されている。本発明においては、現像剤は、鉄粉等からなるキャリアに所定濃度(例えば4〜5%)程度でトナーが混合されてなる2成分現像剤である。
感光体ドラム10の周囲には、その他、帯電装置やクリーニング装置、転写装置(感光体ドラム10から転写ベルト14への転写用)等のカールソンプロセスにおける周知部材が個々に配置されている。
図2の構成では、転写ベルト14が各感光体ドラム10と接触可能に設けられている。各感光体ドラム10上にそれぞれ形成されたトナー像(可視像)は、該転写ベルト14に転写されることで順次重ね合わされ、その後、2次転写ユニット15にて、複数の給紙カセット20…を備えた給紙デスク装置4より供給されてきた用紙に転写される。2次転写ユニット15を通過した用紙の搬送方向前方には、定着ローラ16を備えた定着装置が配置されており、用紙上に転写されたトナー像は該定着装置を通過することで用紙上に固定される。
トナー像が固定された用紙は、その後、画像読取装置2とプリンタ部3との間に設けられた空間に排出されるか、スイッチバック搬送されて、再度、2次転写ユニット15へと搬送される。
上記転写ベルト14の上方には、マゼンタ、シアン、及びイエローの各トナーを収容したカラー用トナーボトル17…と、カラー用トナーボトル17に比して1回り大きいブラックのトナーを収容したトナーボトル17bが2つ配置されている。これらトナーボトル(補給装置)17は、個々に対応する現像装置13に内部に収容したトナーを補給するものである。各トナーボトル17には、図示しないトナーモータ(補給モータ)の駆動力が個々に伝達されることで回転され、回転に伴ってトナーを補給する。
また、トナーボトル17は、画像形成装置1に対して着脱自在に設けられ、内部のトナーが消費されると、順次新しいトナーボックスへと交換可能となっている。本画像形成装置1では、トナーボトルとして、図11に示すような円筒型の回転ボトルタイプを搭載しており、例えば特許文献5に開示されているものを用いることができる。
トナーボトル17は、トナーを収容するボトル本体50とこれを回転自在に支持する支持部材51とを有する。ボトル本体50は、図において矢印Rにて示すように、ボトル本体50の軸線L51を回転軸として回転駆動される。ボトル本体50の外周面には、傾斜状の溝52が形成されている。この該溝52は、ボトル本体50の内周面では凸部となり、ボトル本体50が回転されると、内部のトナーは、溝52に案内されるように、供給口へと集まる構成である。このような回転ボトルタイプのトナーボトル17は、1回転あたりのトナー補給量が安定している。
次に、図1に基づいて、本実施の形態の画像形成装置1におけるトナー残量を検出し、検出結果に基づいてユーザに対して残量に関する情報を通知する処理について詳細に説明する。図1は、本画像形成装置1における要部の制御ブロック図である。
図1に示すように、本画像形成装置1は、トナー残量検出部(トナー残量検出手段)31、透磁率センサ37、所定値設定部(所定値設定手段)39、補正部(補正手段)40、入力部38、残量情報通知部(通知手段)41、表示部42、及びマシン停止部43を備えている。
トナー残量検出部31は、トナーボトル17内のトナーの残量を検出するもので、トナー補給量算出部(トナー補給量算出手段)32、トナー消費量算出部(トナー消費量算出手段)33、トナー濃度制御部(トナー濃度制御手段)34、累積回転時間計測部(トナー補給量算出手段)35、ピクセルカウント部(トナー消費量算出手段)26とを含む。
そして、トナー残量検出部31は、トナー残量の検出を、第1の所定値に達するまではトナー補給量算出部32の算出結果に基づいて行い、第1の所定値に達すると、次に後述する第2の所定値に達するまでは、トナー消費量算出部33の算出結果に基づいて行い、第2の所定値に達すると、トナー濃度制御部34の制御結果に基づいて行う。
トナー補給量算出部32は、トナーボトル17から現像装置13へとトナーを補給されるトナー量を、累積回転時間計測部35が計測するトナーモータの累積回転数に基づいて算出するものである。ここで、図3に、トナーボトル17内のトナー残量と現像装置13へのトナー落下量(トナー補給量に相当)との関係を調べた結果を示す。図3に示すように、トナーの残量が、満杯の初期残量360gから100gまでは、トナー落下量は安定している。そして、100gを超えると、変化は直線的でなくなる。これは、残量が少なくなり、トナーに含まれる空気量が増加しなりして、補給量が安定しなくなるためである。
また、図4に、トナーモータの回転時間と、トナーボトル17内のトナー残量との関係を調べた結果を示す。これにおいても、トナーボトル17内のトナーの残量は、満杯の360gから100gまでは、トナーモータの回転時間に応じて直線的に変化するが、100gを超えると、変化は直線的でなくなる。
したがって、図3、図4の例では、残量100gまでは、トナーモータの回転させた時間を累積する(換言すればトナーモータの回転数を累積する)ことで、トナーボトル17から現像装置13へと補給されたトナー量を算出することができる。そして、このようなトナーモータの累積回転時間による補給されたトナー量の算出は、容易でありながら精度が高い。
トナー消費量算出部33は、画像情報に基づいて画像を形成することで消費されるトナー量を算出するものである。ここでは、ピクセルカウント部36によるピクセルカウント結果に基づいて、トナー消費量を算出する。ピクセルカウント部36は、中間調補正処理等が施された後の画像信号に対して、ピクセル単位でCMYK信号ごとに重み付け係数を掛け合わせながらピクセルカウントを行うものである。ピクセルカウント部36とトナー消費量算出部33とによる消費トナー量の算出については後述する。
トナー濃度制御部34は、透磁率センサ37にて検出された現像装置13内の現像剤の透磁率に基づいて、現像剤中のトナー濃度を一定に制御するものである。既に説明したように、従来より2成分現像剤を用いる画像形成装置では、現像装置13内の現像剤の透磁率に基づいて、トナーボトル17から現像装置13へとトナーを補給して、現像装置13内のトナー濃度を一定にする制御(以下、ATC)が行われている。
ここでは、トナー濃度制御部34は、透磁率が上昇してトナー濃度が下限値以下となると、トナーモータを所定時間T回転させてトナーボトル17よりトナーを補給する。なお、トナー濃度の上限値も定めておき、トナー濃度が下限値を超えると、トナー濃度の上限値に到達するまでトナーモータを回転させてトナーボトル17よりトナーを補給する構成であってもよい。
トナー残量検出部31は、トナー濃度制御部34がATCを実行してトナーモータを所定時間回転しても、その後、短い期間で再度トナー濃度が下限値以下となってATCを実行するといった処理が繰り返されると、トナー切れが間近いニアエンドと検出する。
また、トナー残量検出部31は、トナー濃度制御部34がATCを実行してトナーモータを所定時間回転しても、トナー濃度が下限値以下のままであり、所定時間T(例えば5秒)経過しても下限値以下の状態であれば、トナー切れと検出する。
トナー残量の検出手法を、トナー補給量算出部32の算出結果に基づくものからトナー消費量算出部33の算出結果に基づくものへと切り換える際のポイントとなる第1の所定値は、トナーボトル17内のトナーの残量がトナーモータの累積回転時間(累積回転数)に応じて直線的に変化する領域内の値であり、好ましくはその領域の下限値に設定することである。前述の図3、図4の例であれば、第1の所定値は100gとすればよい。
また、トナー残量の検出手法を、トナー残量算出部33の算出結果に基づくものからトナー濃度制御部34による制御結果に基づくものへと切り換える際のポイントとなる第2の所定値は、トナー消費量算出部33による算出誤差が生じても、トナー濃度制御部34の制御結果に基づくトナーの残量の検出が可能となる値であればよい。本実施の形態では、この第2の所定値を、ユーザにトナー準備を促すメッセージを表示するタイミングを決める後述する限界量W(第3の所定値)と同じ値としている。
残量情報通知部41は、トナー残量検出部31によるトナーの残量の検出に結果に基づいて、トナーボトル17内のトナーの残量に関する情報を表示部42を用いて通知するものである。ここでは、検出されたトナー残量に応じて、交換用のトナーボトル17を準備する時期であること、トナーボトル17の交換時期であること、及びトナーエンプティとなったことの3つの情報を通知する。
残量情報通知部41は、トナー残量検出部31にて検出されたトナー残量が、限界量W(第3の所定値)に達すると、表示部42に『予備トナーを準備して下さい』といったメッセージを表示させる。限界量Wは、ユーザごとに設定することが好ましい値であり、ユーザの1日あたりのトナー消費量に、該ユーザの交換用のトナーボトル17を入手するために必要な日数を掛けて得られる値に設定することで、的確なタイミングで該メッセージを表示できる。
また、残量情報通知部41は、トナー残量検出部31がニアエンドを検出すると、表示部42に『トナーボトルを交換して下さい』といったメッセージを表示させる。
また、残量情報通知部41は、トナー残量検出部31がトナー切れを検出すると、表示部42に『トナーエンプティ』といったメッセージを表示させる。
マシン停止部43は、トナー残量検出部31がトナー切れを検出すると、画像形成装置1を停止させるものである。
入力部38は、上記した第1、第2の所定値、限界量W、第2限界量W等の設定を外部より可能にするものである。第1、第2の所定値は、画像形成装置毎のバラツキを有する値であり、また、トナーボトル側のバージョン変更などによっても変化する値である。したがって、このように外部より設定可能としておくことで、画像形成装置毎のバラツキや、トナーボトル側のバージョン変更にも対応できる。また、限界量W、第2限界量Wは、ユーザそれぞれによって異なってくる値であるので、サービスマン等が入力部38を用いて適宜設定し得る構成としておくことで、より一層適切なタイミングにてメッセージを通知することができる。
所定値設定部39は、第3の所定値である限界量Wを演算にて設定するものである。所定値設定部39は、詳細には、消費量/日算出部(消費量/日算出手段)と、所定値算出部(所定値算出手段)とからなる。消費量/日算出部は、トナーボトル17内のトナーの初期量から第1の所定値を減じた値を、トナーボトル17が交換されてからトナーの残量が第1の所定値に至るまでの経過日数にて除して1日当たりの消費量を算出するものである。所定値算出部は、消費量/日算出部にて算出された消費量/日にユーザに応じて設定される入手日数を掛けて限界量Wを算出するものである。
ここで用いる入手日数とは、ユーザが交換用のトナーボトル17を準備するために必要な日数であり、上記したトナーの初期量と共に、入力部38を用いて入力することができる。一方、上記経過日数は、当該トナーボトル17の交換日を図示しないメモリ等に格納しておくことで、第1の所定値に至った日との差で検出することができる。
このような所定値設定部39を搭載させておくことで、より一層、メッセージの通知時期が適切となり、最近のユーザのトナー使用量を考慮して的確にユーザが希望するタイミング(入手日数を確保)にてトナー準備を促すことができる。
補正部40は、トナー消費量算出部33にて求められるトナー消費量の算出値を補正するものである。補正部40は、トナーの残量が第1の所定値に到達するまでの期間においても、ピクセルカウント部36及びトナー補給量算出部32によるトナー補給量の算出に並行してトナー消費量算出部33においてもトナー消費量を算出させ、トナー補給量算出部32によるトナー補給量の算出結果に基づいてトナー消費量算出部33(或いはピクセルカウント部36、或いは両方)を補正する。
例えば、トナー補給量算出部32によるトナー補給量の算出結果が250gであるのに対し、トナー消費量算出部33によるトナー消費量の算出結果が260gである場合は、トナー消費量の算出結果が、トナー補給量の算出結果と同じ250gとなるように補正する。
図5に、トナー残量検出部31におけるトナー残量の検出手法の切り換わりと、残量情報通知部41におけるトナー残量とトナー残量に関する情報の表示タイミングを模式的に示す。図5では、縦軸にトナー残量をとり、横軸に時間をとっている。
図5に示すように、満杯状態から第1の所定値である残量100gまでは、トナー補給量算出部32に基づいてトナー残量が検出され、残量100gを超えるとトナー消費量算出部33に基づく検出に切り換えられる。その後、残量がさらに減少し、第3の所定値である限界量Wに達すると、ATCに基づく検出へと切り換えられると共に、予備トナーの準備を促すメッセージが表示される(NNE)。その後、トナー残量検出部31にて、ニアエンドが検出されるとトナーの交換を促すメッセージが表示され(NE)、さらに、トナー切れが検出されるとトナーエンプティのメッセージが表示される。
ここで、トナー消費量算出部33によるピクセルカウント結果に基づくトナー消費量の算出について、図6について説明する。
図6は、本画像形成装置1における画像処理の制御ブロック図である。ここでは、入力信号処理部110、領域分離処理部120、色補正・黒生成処理部130、ズーム変倍処理部140、空間フィルタ処理部150、中間調補正処理部160、ピクセルカウント部36、トナー消費量算出部33から構成されている。
画像処理について簡単に説明すると、スキャナ等で読み込まれた原稿のデジタル入力画像信号は、入力信号処理部110に入力され、それ以降の画像処理に対する前処理や、画像調整における入力ガンマ補正、変換等が行われる。次に、この画像信号は、領域分離処理部120に入力されて、文字領域、網点写真領域等の領域判定が行われ、領域ごとにそれを示す識別信号(領域分離識別信号)が付加される。この領域分離識別信号は、以降の処理である空間フィルタ処理部150や中間調補正処理部160において、各領域別に異なった処理、例えば、網点領域であれば平滑フィルタ処理をその領域に対して行い、また、文字領域であればエッジ強調フィルタ処理を行ったり、中間調のガンマ特性を濃淡差のよりはっきりした特性に変更したりする場合に用いられる。
次の色補正・黒生成処理部130で行われる色補正・黒生成処理は、装置がカラーである場合に必要となる処理で、領域分離処理部120から送られてきたRGBの画像信号に対して、最終的な出力方法であるCMYK(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像信号に変換する処理である。
CMYKに変換された画像信号は、ズーム変倍処理部140での変倍処理の後、空間フィルタ部150に入力される。空間フィルタ処理部150では、上記の領域分離識別信号や画像モードの設定状態等に応じた空間フィルタを空間フィルタテーブルから選び、CMYKに変換された画像信号に対して空間フィルタ処理が行われる。なお、空間フィルタテーブルは、空間フィルタ処理を行う際に参照するフィルタ係数のテーブル群であり、状況に応じて任意のテーブル群を選択できるようになっている。次の中間調補正処理部160では、エンジン部での出力特性を補正するために、中間調ガンマ特性の補正が行われる。
さらに、中間調補正処理後の画像信号は、ピクセルカウント部36に入力され、ピクセル単位でCMYK信号ごとに重み付けを行いながらカウンタで積算される。そして、LSUやLEDのエンジン出力側へ出力画像信号が流れる。トナー消費量算出部33では、ピクセルカウント部36で積算されたピクセルカウントの積算値から各色のトナー消費量を算出する。
次に、上述したトナー消費量の算出について、詳しく説明する。なお、以下に述べる処理は、CMYK各色について(入力されるCMYK信号ごとに)、それぞれ行われるものとする。
ピクセルカウント部36は、入力された多値画像に対して、後述するようなピクセルカウントを行う。ピクセルカウント部36は、図6に示すように、カウン部171と、重み付け演算部172と、重み付け係数テーブル173と、積算部174とを備えている。
カウント部(カウント手段)171は、入力された多値画像(例えば、16階調、256階調等の多階調の画像)をピクセルごとにカウントする。つまり、多値画像を構成するピクセルごとの入力値(階調)、例えば、0〜15(入力信号値が0〜15の値をとる16階調の場合)のような入力信号値をカウントする。
重み付け演算部(重み付け演算手段)172は、カウント部171によりピクセルをカウントする際にピクセルごとに重み付けを行う。具体的には、重み付け演算部172は、ピクセルごとの入力信号値に対応する重み付け係数を重み付け係数テーブル173から取得して、入力信号値に取得した重み付け係数を掛け合わせる。重み付け係数テーブル173には、重み付け演算部172により重み付けを行う際にピクセル入力値ごとに対応する重み付け係数が格納されている。このように、ピクセルカウント部36では、カウント部171、重み付け演算部172、重み付け係数テーブル173によりピクセルごとのピクセルカウントを行っている。
そして、ピクセルごとに行われたピクセルカウントの積算が積算部(積算手段)174により行われる。つまり、積算部174は、重み付け演算部172による入力信号値に重み付け係数を掛け合わせたピクセルごとの演算値を、入力された多値画像の全てのピクセルについて積算する。このように、ピクセルカウント部36で算出されたピクセルカウントの積算値に基づいて、トナー消費量算出部33は、出力画像のトナー消費量を算出するようにしている。
図7に、上記の重み付け係数テーブル173に格納されている重み付け係数の一例を示す。入力信号値が0〜15の値をとる16値である場合の例である。図7の場合、トナー消費量の違う入力信号値に対応して4つのエリア(エリア1〜エリア4)に分けられ、エリアごとに重み付け係数が定められている。ピクセルカウントの際には、4つのエリアに分けられた重み付け係数が、0〜15の値をとるそれぞれの入力信号値に対応して決定され、重み付けが行われる。
図8は、図7に示す4つのエリアに分けられた重み付け係数テーブルの信号入力値とそれに対応する重み付け係数との関係を示している。図8に示すように、矩形部分の面積の総和がトナー消費量特性を示す曲線の面積と略一致しているため、重み付け後のピクセルカウントの積算値からトナー消費量を予測計算することができる。
なお、図7の例では、重み付け係数テーブル173に格納されている重み付け係数は固定値であったが、トナー消費量算出部33にて算出されるトナー消費量が、実際のトナー消費量と合うように、重み付け係数を変更するようにしてもよい。
また、ピクセルカウント部36に代えて、画像情報に基づいて印刷ドットの形成回数をカウントするドットカウント部を備え、トナー消費量算出部33は、ドットカウント部のカウント結果に基づいてトナー消費量を算出するものであってもよい。ドット数をカウントする際も、所定の重み付け係数を乗じるが、その重み付け係数を、例えば特許文献2,3に開示されているように、トナーの使用履歴に応じて変更設定したり、或いは、孤立ドット、2連続ドット、3連続ドットに分類し、分類毎に重み付け係数を変更したりすることで、トナー消費量の算出精度を上げることができる。
図9、図10のフローチャートに基づいて、本画像形成装置1におけるトナー残量を検出し、検出結果に基づいてユーザに対して残量に関する情報を通知する処理手順を説明する。ここでは、所定値設定部39が、限界量Wを設定する場合を例示する。
トナー残量検出部31及び所定値設定部39は、トナーボトル17が新品であるかどうかを判断する(S1)。トナーボトル17が新品であれば、それぞれ初期設定を行う(S2)。所定値設定部39は、トナーボトル17の交換日として現日時を図示しないメモリに格納すると共に、所定値設定の有無を示すフラグ(FLAG)を、所定値が設定されていないことを示す「0」とする。また、トナー残量検出部31は、累積回転時間計測部35の累積回転時間(ΣTime)を「0」にする。
次に、トナー残量検出部31は、トナー補給量算出部32にてトナー補給量を算出する。累積回転時間計測部35は、トナー濃度制御部34によるATC(S3、S4)にて、トナーモータが所定時間(T秒)回転する毎に、累積回転時間(ΣTime)をTずつアップさせる(S5)。トナー残量検出部31は、累積回転時間計測部35にて計測される該累積回転時間が上限に達したかどうかを判断する(S6)。
S6における累積回転時間(ΣTime)の上限は、トナーボトル17内のトナー残量が第1の所定値となる量のトナー像を補給した累積回転時間に相当する。例えば、トナーボトル17の初期トナー量が360gであり、第1の所定値が100gである場合は、360−100=260gのトナーを補給する回転時間である。
累積回転時間(ΣTime)が上限に達したと判断すると、トナー残量検出部31は、トナー残量の検出を、トナー補給量算出部32による検出から、トナー消費量算出部33による検出に切り換えると共に、所定値設定部39にこれを通知する。なお、累積回転時間(ΣTime)が上限に達していない場合はS3に戻る。
所定値設定部39は、トナー残量検出部31にて累積回転時間が上限に達したと判断されると、上記フラグ(FLAG)が「0」であるか否かを判断し、「0」である場合は、S8に進んで演算による所定値設定を行う。フラグ(FLAG)が「0」でない場合は、既に演算による所定値設定は行われているので、S8の演算による初期値設定は行わない。
S8では、消費量/日算出部が、現日時と交換日との差より、トナー残量が第1の所定値となるまでに掛かった日数ΣDayを計算し、トナー補給量を掛かった日数で除して、1日あたりの消費量(消費量/日)を求める。次に、所定値算出部が、算出された消費量/日にユーザに応じて設定される入手日数を掛けて、第3の所定値である限界量Wを定める。所定設定値の設定が完了すると、所定値設定部39はフラグ(FLAG)を「1」とする。
次に、トナー残量検出部31は、トナー消費量算出部33にてトナー消費量dwを算出し(S9)、トナー消費量dwをトナー残量W(第1の所定値に等しい)より減じ(S10)、トナー残量Wが限界量Wに達したかどうかを判断する(S11)。達していない場合はS9に戻る。
一方、トナー残量Wが限界量Wに達している場合、トナー残量検出部31は、残量情報通知部41に限界量Wに達したことを通知し、残量情報通知部41は、予備トナーの準備を促すメッセージを表示させる(S12)。また、トナー残量Wが限界量Wに達している場合、トナー残量検出部31は、トナー残量の検出を、トナー消費量算出部33による検出からトナー濃度制御部34によるニアエンド及びトナー切れの検出へと切り換える(S13)。
トナー残量検出部31は、ニアエンドであるか否かを判断し(S14)、ニアエンドであると判断するまで、該処理を繰り返す。一方、ニアエンドと判断した場合は、トナー残量検出部31は、残量情報通知部41にニアエンドの検出を通知し、残量情報通知部41は、トナーボトル17の交換を促すメッセージを表示させる(S15)。
その後、トナー濃度制御部34は、トナー切れであるか否かを判断し(S16)、トナー切れであると判断するまで、該処理を繰り返す。ここでは、所定時間(T)以上連続してトナー濃度が下限値を超えたままであるか否かを判断するようになっており、所定時間(T)以上連続してトナー濃度が下限値を超えたままであれば、トナー残量検出部31は、トナー切れであると判断する。トナー切れと判断した場合は、トナー残量検出部31は、残量情報通知部41とマシン停止部43にトナー切れの検出を通知する。
残量情報通知部41は、トナー残量検出部31にてトナー切れに達したと判断されると、トナー切れを知らせるメッセージを表示させ、マシン停止部43は、画像形成装置1を停止させる(S17)。
以上のように、本画像形成装置1では、トナー残量検出部31は、トナー残量の検出を、補給装置内のトナー残量が、補給モータの回転数や回転時間に応じて直線的に変化する、補給量の安定した所定残量以上(第1の所定値に達するまで)では、トナーモータの累積回転時間に基づくトナー補給量算出部32の算出結果を用い、残量が少なくなって補給量がばらつく領域(第1の所定値〜第2の所定値までの領域)では、ピクセルカウントによるトナー消費量算出部33の算出結果を用い、さらにトナー残量が減った、トナー切れ間近の領域では、トナー濃度制御部34によるATC結果を用いるようになっている。
したがって、トナー残量に応じた残量検出が可能となり、専用のトナー残量検出装置を具備しなくとも、満杯からエンプティまでトナー残量を精度よく検出することができる。しかも、ATCのみによる残量検出とは異なり、トナー残量を満杯からエンプティまで経過的に検出することができるので、残量情報通知部41等により、簡単に、適切なタイミングにてユーザにトナーに関する情報を通知することができる。
また、本実施の形態では、トナー残量の検出手法を、トナー残量算出部33の算出結果に基づくものからトナー濃度制御部34による制御結果に基づくものへと切り換える第2の所定値を、ユーザにトナー準備を促すメッセージを表示するタイミングを決める後述する限界量W(第3の所定値)と同じ値としたが、第2限界量Wとして、ユーザごとに設定する構成としてもよい。第2限界量Wは、例えば、残りの画像形成枚数が50枚を確保し得る値に設定すればよい。
第2限界量Wとして設定する場合は、上記した入力部38からの入力設定を可能にすると共に、所定値設定部39にて、第2限界量Wも演算にて設定可能な構成とすることが好ましい。つまり、トナーボックス17を交換した後の累積枚数も計測しておき、トナーボトル17内のトナーの初期量から第1の所定値を減じた値を、累積枚数で除して、1枚あたりの消費量(消費量/枚)を算出する。そして、算出された消費量/枚に、ユーザに応じて設定される限界枚数を掛けて、第2限界量Wを算出する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した各実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上記実施形態の画像形成装置1に含まれる各部(入力部と表示部を除く)は、CPU(Central Processing Unit)などの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段(入力部)、ディスプレイなどの出力手段(表示部)、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現される機能ブロックである。
したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の画像形成装置1の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明の実施形態を示すものであり、画像形成装置における要部構成を示す機能ブロック図である。 上記画像形成装置の縦断面図である。 トナーボトル内のトナー残量とトナーボトルからの落下量との関係を調べた結果を示すグラフである。 トナーモータの回転時間とボトル内のトナー残量との関係を調べた結果を示すグラフである。 上記画像形成装置に搭載されたトナー残量検出部におけるトナー残量の検出手法の切り換わりと、残量情報通知部におけるトナー残量とトナー残量に関する情報の表示タイミングとを模式的に示す図面である。 上記画像形成装置における画像処理を示す制御ブロック図である。 重み付け係数テーブルの内容を示す図面である。 信号入力値とトナー消費量との関係、信号入力値と重み付け係数との関係を示したグラフである。 上記画像形成装置におけるトナー残量を検出し、検出結果に基づいてユーザに対して残量に関する情報を通知する処理手順を示すフローチャートである。 上記画像形成装置におけるトナー残量を検出し、検出結果に基づいてユーザに対して残量に関する情報を通知する処理手順を示すフローチャートであり、図9の続きである。 上記画像形成装置に搭載されたトナーボトルの斜視図である。
符号の説明
1 画像形成装置
13 現像装置
17 トナーボトル(補給装置)
31 トナー残量検出部(トナー残量検出手段)
32 トナー補給量算出部(トナー補給量算出手段)
33 トナー消費量算出部(トナー消費量算出手段)
34 トナー濃度制御部(トナー濃度制御手段)
35 累積回転時間計測部トナー補給量算出手段)
36 ピクセルカウント部(トナー消費量算出手段)
38 入力部
39 所定値設定部(所定値設定手段)
40 補正部(補正手段)
41 残量情報通知部(通知手段)

Claims (13)

  1. トナーとキャリアとからなる2成分の現像剤を使用し、現像装置内のトナー濃度を一定にすべく現像剤の透磁率に基づいて補給装置から現像装置内へとトナーを補給するトナー濃度制御手段を有する画像形成装置において、
    補給装置内のトナーの残量を検出するトナー残量検出手段を有しており、
    該トナー残量検出手段は、
    回転駆動することで補給装置から現像装置へとトナーを補給する補給モータの累積回転数に基づいて補給されるトナー量を算出するトナー補給量算出手段と、
    画像情報に基づいて画像を形成することで消費されるトナー量を算出するトナー消費量算出手段と、
    上記トナー濃度制御手段とを含み、
    上記補給装置内のトナーの残量が、第1の所定値に達するまでは上記トナー補給量算出手段の算出結果に基づいて検出し、第1の所定値に達すると次に第2の所定値に達するまで上記トナー消費量算出手段の算出結果に基づいて検出し、第2の所定値に達すると上記トナー濃度制御手段による制御結果に基づいて検出することを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記第1の所定値は、補給装置内のトナーの残量が補給モータの累積回転数に応じて直線的に変化する領域内の値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 上記第2の所定値は、上記トナー消費量算出手段による算出誤差が生じても、上記トナー濃度制御手段の制御結果に基づくトナーの残量の検出が可能となる値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. ユーザが交換用の補給装置を入手するために要する日数分のトナー使用量に応じて第3の所定量が設定されており、トナー残量検出手段によるトナーの残量の検出にて、補給装置内のトナーの残量が上記第3の所定値に達すると、表示部を用いてトナーの準備が必要であることをユーザに通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 補給装置内のトナーの残量が第1の所定値に到達するまでの期間、上記トナー補給量算出手段によるトナー補給量の算出と並行して上記トナー消費量算出手段においてもトナー消費量を算出させ、上記トナー補給量算出手段によるトナー補給量の算出結果に基づいて上記トナー消費量算出手段を補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 上記トナー消費量算出手段が、画像情報に基づいて印刷ドットの形成回数をカウントしてトナー消費量を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 上記トナー消費量算出手段は、画像情報に対する画像処理および補正処理をデジタル的に行い、入力される多値画像のピクセルカウントを行ってトナー消費量を算出するものであり、
    入力された多値画像の入力信号値をピクセルごとにカウントするカウント手段と、
    前記入力信号値に対応する重み付け係数を格納する重み付け係数テーブルと、
    前記カウント手段により入力信号値をカウントする際に、入力信号値に対応する重み付け係数を前記重み付け係数テーブルから取得して、ピクセルごとに重み付けを行う重み付け演算手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のトナー残量検出装置。
  8. 上記第1〜第3の所定値の設定を外部より可能にする入力部を備えることを特徴とする請求項1又は3に記載のトナー残量検出装置。
  9. 上記第3の所定値を演算にて設定する所定値設定手段を供え、
    上記所定値設定手段は、
    上記補給装置内のトナーの初期量から第1の所定値を減じた値を、上記補給装置が交換されてからトナーの残量が第1の所定値に至るまでの経過日数にて除して1日当たりのユーザ消費量を算出する消費量/日算出手段と、
    該消費量/日算出手段にて算出された消費量/日にユーザに応じて設定される入手日数を掛けて第3の所定値を算出する所定値算出手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  10. 上記補給装置が、内部にトナーを収容し、水平に配置される円筒状をなす容器本体を有しており、該容器本体が容器本体の軸線を回転軸として回転駆動されることで、円筒面に設けられた開口部よりトナーを現像装置への補給するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  11. トナーとキャリアとからなる2成分の現像剤を使用し、現像装置内のトナー濃度を一定にすべく現像剤の透磁率に基づいて補給装置から現像装置内へとトナーを補給するトナー濃度制御手段を有する画像形成装置に適用される、補給装置内のトナーの残量を検出するトナー残量検出プログラムであって、
    コンピュータを、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置が具備する各手段として機能させるトナー残量検出プログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. トナーとキャリアとからなる2成分の現像剤を使用し、現像装置内のトナー濃度を一定にすべく現像剤の透磁率に基づいて補給装置から現像装置内へとトナーを補給するトナー濃度制御手段を有する画像形成装置に用いられる補給装置内のトナーの残量を検出するトナー残量検出方法であって、
    補給装置から現像装置へとトナーを補給する補給モータの累積回転数に応じて補給装置内のトナーの残量が直線的に変化する残量の多い領域では、上記補給モータの累積回転数に基づいて残量を検出し、
    補給モータの累積回転数に応じてトナーの残量が直線的に変化しない残量の少ない領域では、画像情報に基づいて画像を形成することで消費されるトナー量に基づいて残量を検出し、
    残量がゼロに近い領域では、上記トナー濃度制御手段の制御結果に基づいて残量を検出することを特徴とするトナー残量検出方法。
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