JP2011022438A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜像形成装置(ROS)で形成された潜像の潜像電位(VL)と現像剤保持体(Ga)に印加される現像バイアス電位(Vb)との間の第1の電位差(V1)を制御する電位制御手段(C8)と、電位制御手段(C8)で制御される電位差(V1)の上限値(Va)を設定する制御範囲設定手段(C9)であって、現像剤収容容器(TC)内の現像剤の残量が予め設定された残量基準値(tb−tc)よりも少ないと判別された場合に、残量基準値(tb−tc)が多い場合の上限値(Va1)に比べて、上限値(Va)を小さな値(Va2)に設定する前記制御範囲設定手段(C9)と、を備えた画像形成装置(U)。
【選択図】図10
Description
像保持体と、
前記像保持体表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
トナーとキャリアとを含む現像剤が収容される現像容器と、表面に現像剤を保持して前記像保持体表面に対向し、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像剤保持体とを有する現像装置と、
前記現像容器に補給される少なくともトナーが収容される現像剤収容容器と、
前記現像容器内のトナーの消費量に基づいて、前記現像剤収容容器から前記現像容器に現像剤を補給するよう制御する補給制御手段と、
前記現像剤収容容器から前記現像容器に補給された現像剤の補給量に基づいて、前記現像剤収容容器内の現像剤の残量を予測する残量予測手段と、
前記潜像形成装置で形成された潜像の潜像電位と前記現像剤保持体に印加される現像バイアス電位との間の第1の電位差、および、前記帯電装置による像保持体表面の帯電電位と前記現像バイアス電位との間の第2の電位差、の少なくとも一方を制御する電位制御手段と、
前記電位制御手段で制御される電位差の上限値を設定する制御範囲設定手段であって、前記現像剤収容容器内の現像剤の残量が予め設定された残量基準値よりも少ないと予測された場合に、残量が多い場合の上限値に比べて、上限値を小さな値に設定する前記制御範囲設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記現像剤収容容器内の現像剤の残量が予め設定された残量基準値よりも少ないと予測された場合に、前記電位制御手段で制御される電位差の上限値を、残量が多い場合の上限値に比べて、段階的に小さな値に設定する前記制御範囲設定手段、
を備えたことを特徴とする。
前記残量基準値よりも前記現像剤の残量が少ない場合において、前記残量が、予め設定された1または複数の段階判別値になる度に、前記電位制御手段で制御される電位差の上限値を、直前の上限値に比べて小さい値に設定する前記制御範囲設定手段、
を備えたことを特徴とする。
トナーの補給に関する情報および出力画像に関する情報に基づいて、前記現像剤の補給量を演算する補給量演算手段、
を備えたことを特徴とする。
前記像保持体表面の可視像の濃度に基づいて、前記第1の電位差および前記第2の電位差の少なくとも一方を制御する前記電位制御手段、
を備えたことを特徴とする。
環境および経時劣化に基づいて、前記第1の電位差および前記第2の電位差の少なくとも一方を制御する前記電位制御手段、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、上限値を段階的に小さな値に設定しない場合に比べて、電位差の制御範囲を広くすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、1または複数の段階判別値を使用して、電位差の制御範囲を段階的に小さな値に設定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、現像剤補給装置の駆動時間および形成された潜像に基づいて、現像剤収容容器の残量を予測することができる。
請求項5に記載の発明によれば、可視像の濃度に基づいて、電位差を制御することができる。
請求項6に記載の発明によれば、環境及び経時劣化に基づいて、電位差を制御することができる。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、プリンタ本体U1の上面に第1の媒体排出部の一例としての第1排紙トレイTRh、いわゆるフェイスダウントレTRhが設けられている。前記第1排出トレイTRhの媒体排出方向先端側の上面前部には、利用者が入力操作する操作部UIが設けられており、前記操作部UIには表示部等が設けられている。プリンタUの上部前面には、前開閉部の一例としてのフロントパネルUaが配置されており、フロントパネルUa下端部が左右方向に延びる回転軸により、プリンタU本体に回転可能に支持されている。したがって、現像剤容器の一例としてのトナーカートリッジや、可視像形成ユニットの一例としてのプロセスユニット等を交換する場合、フロントパネルUaを開けて交換できる。
図2において、プリンタUには、画像情報送信装置の一例としてホストコンピュータHCが電気的に接続されており、ホストコンピュータHCから送信された画像情報や制御信号等の電気信号は、プリンタUの制御部の一例としてのコントローラCに入力される。前記コントローラCは、入力される画像情報を一時的に記憶し、前記画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の情報に変換して、潜像形成回路の一例としてのレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された情報に応じて駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。なお、前記操作部UI、レーザ駆動回路DLと、後述の現像ロールGa、転写ロールRtに電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
図2、図3において、前記潜像形成装置ROSの左方には、黒色のトナー像を形成する可視像形成装置の一例としてのトナー像形成装置U2が配置されている。潜像形成装置ROSから出射された潜像形成光の一例としてのレーザビームLは、回転する感光体PRに入射される。
図2、図3において、実施例1のトナー像形成装置U2は、回転軸PRaを中心に矢印方向に回転する像保持体の一例としての感光体PRと、帯電装置の一例としての帯電ロールCRと、現像装置Gと、像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLとを有している。また、前記トナー像形成装置U2はユニット化されており、プロセスユニットとして画像形成装置本体U1に着脱可能に構成されている。前記プロセスユニットU2の着脱は、画像形成装置本体U1の前面に開閉可能に支持されたフロントカバーUaを開放した状態で行われる。
現像装置Gは、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容する現像容器Vを有する。前記現像容器V内には、現像領域Q2で感光体PRと対向し且つ現像電圧が印加される現像剤保持体の一例としての現像ロールGaが回転可能に支持されている。また、現像容器V内には、トナーを現像ロールGaに撹拌しながら搬送するトナー撹拌部材Gb,Gcが回転可能に支持されている。したがって、現像ロールGaの回転に伴って表面に保持されたトナーが現像領域Q2に搬送され、現像領域Q2を通過する感光体PR上の静電潜像が可視像の一例としてのトナー像に現像される。
また、現像領域Q2と転写領域Q3との間には、画像濃度検知部材の一例としての画像濃度センサSN2が感光体PRに対向して配置されており、画像濃度センサSN2は、感光体PR表面に形成されたトナー像の画像濃度を検出する。
図2において、トナーカートリッジ2は、内部にトナーを収容する容器本体の一例としてのカートリッジ本体TC1を有し、前記カートリッジ本体TC1内には容器内搬送部材の一例としてのトナー搬送部材TC2が回転可能に支持されている。したがって、現像装置Gでのトナーの消費に応じて、前記トナー搬送部材TC2が回転駆動してカートリッジ本体TC1内のトナーを、排出口TC3に搬送する。排出口TC3から排出されたトナーは、カートリッジトナー補給装置TH1の補給経路内の図示しない補給用搬送部材により現像装置Gの現像容器Vに搬送される。
前記感光体PR、帯電ロールCR、静電潜像形成装置ROS、現像装置G等により、感光体PR上にトナー像を形成するトナー像形成装置U2が構成されている。
図2において、プリンタUの下部内部には、出入される給紙トレイTR1〜TR4の左右両端部を移動可能に支持する容器案内部材の一例としてのレールRL1,RL1が配置されている。したがって、左右一対のレールRL1,RL1により各給紙トレイTR1〜TR4は前後方向に移動可能に支持されており、前記各給紙トレイTR1〜TR4はプリンタUの前面から出入可能である。
給紙装置KのピックアップロールRpにより取出された記録用のシートSは、さばきロールRsにより1枚ずつ分離されて、本体搬送路SH1に給紙される。給紙されたシートSは、本体搬送路SH1に配置された複数の搬送部材の一例としてのシート搬送ロールRaにより搬送される。シート搬送ロールRaにより搬送されたシートSは、時期調整部材の一例としてのレジロールRrにより、感光体PR表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、前記転写領域Q3に搬送される。
図2において、前記転写領域Q3には転写電圧が印加される転写装置の一例としての転写ロールRtが配置されている。この転写ロールRtは転写領域Q3において前記感光体PRに予め設定された圧力で接触しており、転写領域Q3を通過するシートSに感光体PR上のトナー像を転写する。
感光体クリーナCLにより表面に付着した残留トナーが回収された感光体PRは、前記帯電ロールCRにより再び帯電される。
前記トナー像形成装置U2と、転写ロールRt、定着装置Fにより、シートSに画像を記録する画像記録部材U2+Rt+Fが構成されている。
定着トナー像が形成されたシートSは、媒体案内部材の一例としてのシートガイドに案内されて排出部材の一例としての排紙ロールR1に搬送される。シートSは、前記排紙ロールR1により、媒体排出口の一例としてのシート排出口Haから前記第1排紙トレイTRhに排出される。
前記本体側反転路SH3、オプションシート反転路SH4により、反転路SH3+SH4が構成されている。
図4は図3のIV−IV線断面図である。
図3、図4において、現像装置Gの現像容器Vは、現像容器本体1と、現像容器本体1の上端を覆う現像装置用蓋部材の一例としての現像容器カバー2とを有している。図4において、前記現像容器本体1の前端には前方に突出する前方突出部3が一体成形されている。図3において、前記現像容器カバー2の左端部には、前後方向に延びる層厚規制部材SKが固定支持されている。層厚規制部材SKの先端は、現像ロールGaに対向して配置されており、現像ロールGaに付着したトナー層の厚みを規制する。
図4において、前記第1撹拌室6は、現像容器本体1側の第1主撹拌室6aと、前方突出部3の左部3a側に形成された回収現像剤流入部の一例としての回収トナー補給室6bとを有する。また、前記第2撹拌室7は、現像容器本体1側の第2主撹拌室7aと、前記前方突出部3の右部3b側に形成された新規現像剤流入部の一例としてのカートリッジトナー補給室7bとを有する。
前記第1撹拌室6及び第2撹拌室7とによって、実施例1の循環撹拌室6+7が構成されている。
前記多重撹拌搬送羽根27は、トナーを前側から後側に搬送するために前記カートリッジトナー補給口2bから前側連通部E1にかけて設けられている。そして、多重撹拌搬送羽根27は、第2主搬送羽根28と同様の螺旋が二重に配置された構成を有している。したがって、多重撹拌搬送羽根27によるトナーの搬送速度は、第2主搬送羽根28による搬送速度よりも速くなっている。
前記逆搬送羽根29は、後側流入部E2に対応して設けられており、トナーを第2主搬送羽根28の搬送方向の逆方向に搬送することによって、トナーを第2撹拌室7から第1撹拌室6に流入させている。前記第2回転軸26は前側接続部3の右部3bの前面壁と現像容器本体1の後面壁によって回転自由に支持され、後端部には第2撹拌部材用の歯車の一例としてのギアG2が固定支持されている。
前記第1撹拌部材Gb及び第2撹拌部材Gcによってトナー循環部材Gb+Gcが構成されている。
前記現像容器V、現像ロールGa、第1撹拌部材Gbおよび第2撹拌部材Gc等によって現像装置Gが構成されている。
図5は本発明の実施例1の画像形成装置の制御部分が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
図5において、実施例1の画像形成装置UのコントローラCは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行うI/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶されたROM、必要なデータを一時的に記憶するためのRAMや、HDD、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記コントローラCには、操作部UI、トナー濃度センサSN1、画像濃度センサSN2、環境センサSN3等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
前記操作部UIは、プリンタUの電源のオン、オフをする電源釦UI1、表示部UI2、方向入力釦の一例としての矢印キー等の各種の入力釦UI3等を有する。
トナー濃度センサSN1は、現像容器V内のトナー濃度を検出する。
画像濃度センサSN2は、感光体PR表面のトナー像の画像濃度を検出する。
環境センサSN3は、プリンタU内の温度や湿度等の環境を検出する。
コントローラCは、次の被制御要素DL,D1,D2,Eの制御信号を出力している。
DL:レーザ駆動回路
レーザ駆動回路DLは、潜像形成装置ROSを制御して、感光体PR表面に潜像を形成する。
D1:メインモータ駆動回路
主駆動源駆動回路の一例としてのメインモータ駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、感光体PR等を回転駆動する。
D2:補給制御回路
補給制御回路D2は、補給駆動源の一例としての補給モータM2を駆動することにより、カートリッジトナー補給装置THを作動させる。
電源回路Eは、現像用電源回路Ea、帯電用電源回路Eb、転写用電源回路Ec、定着用電源回路Ed等を有している。
Ea:現像用電源回路
現像用電源回路Eaは、現像装置Gの現像ロールGaに現像電圧を印加する。
Eb:帯電用電源回路
帯電用電源Ebは、帯電ロールCRに感光体PR表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Ec:転写用電源回路
転写用電源回路Ecは、転写ロールRtに転写電圧を印加する。
Ed:定着用電源回路
定着用電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電源を供給する。
前記コントローラCは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、コントローラCは次の機能を有している。
C1:ジョブ制御手段
画像形成制御手段の一例としてのジョブ制御手段C1は、受信した画像の情報に応じて、前記帯電ロールCR、転写ロールRt、定着装置F等の動作を制御して画像形成動作の一例としてのジョブを実行する。
主駆動源制御手段の一例としてのメインモータ制御手段C2は、メインモータ駆動回路D1を介して前記メインモータM1の駆動を制御して、現像装置G、定着装置Fの加熱ロールFh、排出ロールRh等の駆動を制御する。
C3:電源制御手段
電源制御手段C3は、現像電圧制御手段C3Aと、帯電電圧制御手段C3Bと、転写電圧制御手段C3Cと、定着電源制御手段C3Dとを有し、電源回路Eの作動を制御して、各部材への電圧や電源供給を制御する。
C3A:現像電圧制御手段
現像電圧制御手段C3Aは、現像用電源回路Eaを制御して現像器Gの現像ロールGaへの現像電圧Vbの印加を制御する。
C3B:帯電電圧制御手段
帯電電圧制御手段C3Bは、帯電用電源回路Ebを制御して、帯電ロールCRへの帯電電圧VHの印加を制御する。
C3C:転写電圧制御手段
転写電圧制御手段C3Cは、転写用電源回路Ecを制御して、転写ロールRtに印加する転写電圧Vtを制御する。
定着電源制御手段C3Dは、定着用電源回路Edを制御して、定着装置Fのオン、オフを制御して、定着温度の制御を行う。
C4:潜像形成制御手段
潜像形成制御手段C4は、前記レーザ駆動回路DLを介して潜像形成装置ROSを制御し、感光体PR表面に静電潜像を形成する。なお、実施例1の潜像形成制御手段C4は、潜像形成装置ROSの発光素子の一例としてのレーザーダイオードの出力を制御して、レーザビームLの強度を制御する。したがって、レーザビームLが照射された感光体PR表面の画像部電位VLを制御する。
補給量演算手段C5は、画素計数手段の一例としてのピクセルカウント手段C5Aと、補給判別画素数の記憶手段の一例としての補給ピクセル値記憶手段C5Bと、トナー濃度検知手段C5Cと、目標濃度記憶手段C5Dと、補給時間算出手段C5Eとを有し、トナーカートリッジTCから現像装置Gに補給される現像剤の補給量、すなわち、現像容器Vにおけるトナーの消費量を演算、算出する。実施例1の補給量演算手段C5は、カートリッジトナー補給装置THの駆動時間や潜像形成装置ROSで形成された潜像に基づいて、補給量を演算する。
ピクセルカウント手段C5Aは、潜像形成装置ROSで形成された潜像の画素数、すなわちピクセル値p1を、累積ピクセル値paに加算することで、累積の画素数を計数する。
C5B:補給ピクセル値記憶手段
補給ピクセル値記憶手段C5Bは、累積ピクセル値paに基づいて、補給を実行するか否かを判別するための閾値である補給判別画素数の一例としての補給ピクセル値pbを記憶する。前記補給ピクセル値pbは、設計や仕様等に応じて任意の値に設定可能であるが、例えば、100[画素]に設定することが可能である。
トナー濃度検知手段C5Cは、トナー濃度センサSN1の検知信号に基づいて、現像容器V内のトナー濃度N1を検知する。
C5D:目標濃度記憶手段
目標濃度記憶手段C5Dは、トナー濃度N1に基づいて、補給を実行するか否かを判別するための閾値である目標濃度Naを記憶する。目標濃度Naは、設計や仕様等に応じて任意の値に設定可能であるが、例えば、10[%]に設定することが可能である。
補給時間算出手段C5Eは、現像容器V内のトナーの消費量に基づいて、補給時間の一例としてのカートリッジトナー補給装置THの駆動時間t3を算出する。実施例1の補給時間算出手段C5Eは、印刷される画像の画素数paや、目標濃度Naと検知されたトナー濃度N1との差に対応する補給量と、予め設定されたカートリッジトナー補給装置THの単位時間当たりの現像剤の補給量、いわゆる補給レートと、に基づいて、駆動時間t3を算出する。
C6:補給制御手段
補給制御手段C6は、補給制御回路D2を介して、カートリッジトナー補給装置THの作動を制御し、トナーカートリッジTCから現像装置Gへの現像剤の補給を制御する。実施例1の補給制御手段C6は、補給時間演算手段C5で演算された駆動時間t3に基づいて、カートリッジトナー補給装置THを駆動して、現像剤の補給を制御する。
残量予測手段C7は、累積補給時間計時手段C7Aと、残量基準値記憶手段C7Bと、空判別手段C7Cとを有し、トナーカートリッジTCから現像容器Vに補給された現像剤の補給量に基づいて、トナーカートリッジTC内の現像剤の残量を予測する。実施例1の残量予測手段C7は、カートリッジトナー補給装置THの駆動時間である駆動時間t3に基づいて、トナーカートリッジTCの残量を予測する。したがって、実施例1では、トナーカートリッジTCの現像剤の有無を検知するための検知部材、センサは設けられていない。
C7A:累積補給時間計時手段
累積補給時間計時手段C7Aは、カートリッジトナー補給装置THが駆動した時間である駆動時間t3の累積値である累積補給時間taを計時する。
残量基準値記憶手段C7Bは、空判別時間記憶手段C7B1と、補正値記憶手段C7B2とを有し、トナーカートリッジTC内の現像剤の残量が空になったか否かを判別するための残量基準値を記憶する。
C7B1:空判別時間記憶手段
空判別時間記憶手段C7B1は、トナーカートリッジTCが空になったと判別するための空判別値の一例としての空判別時間tbを記憶する。実施例1の空判別時間tbは、実験や統計的な情報から、トナーカートリッジTCのトナーが空になると予測される累積補給時間taの値が予め設定されている。
補正値記憶手段C7B2は、カートリッジトナー補給装置THの個体差やトナーカートリッジTC内の現像剤の初期収容量等のばらつきに応じて発生する空判別時間tbと実際の累積補正時間taとのズレに応じたばらつき補正値tcを記憶する。したがって、実施例1の残量基準値は、空判別時間tbからばらつき補正値tcを減算した値、すなわちtb−tcが設定されている。
C7C:空判別手段
空判別手段C7Cは、トナーカートリッジTC内の現像剤の残量が残量基準値よりも少ないか否かを判別する。すなわち、累積補給時間taが、残量基準値tb−tcよりも小さいか否かを判別することで、トナーカートリッジTC内の現像剤が空になったか否かを予測する。なお、トナーカートリッジTC内の現像剤の残量[%]は、(1−ta/tb)×100を演算することで求められる。
電位制御手段C8は、調整時期判別手段C8Aと、基準画像形成手段の一例としてのパッチ形成手段C8Bと、画像濃度検知手段C8Cと、第1の電位差制御手段の一例としての現像コントラスト電位制御手段C8Dと、第2の電位差制御手段の一例としてのクリーニング電位制御手段C8Eとを有する。そして、前記電位制御手段C8は、潜像形成装置ROSで形成された潜像の潜像電位である画像部電位VLと現像ロールGaに印加される現像バイアス電位である現像電圧Vbとの間の第1の電位差である現像コントラスト電位V1、および、帯電ロールCRによる感光体PR表面の帯電電位である帯電電圧VHと現像バイアス電位Vbとの間の第2の電位差である背景電位:クリーニング電位V2、の少なくとも一方を制御する。なお、実施例1では、現像電圧Vbおよび帯電電圧VHを固定値とし、潜像形成装置ROSによる画像部電位VLを制御することで、現像コントラスト電位V1のみを制御している。実施例1では、初期値として、帯電電圧VH=−700[V]、現像電圧Vb=−560[V]、画像部電位VL=−300[V]に設定されている。したがって、現像コントラスト電位V1の初期値はV1=260[V]であり、クリーニング電位V2の初期値はV2=140[V]に設定されている。
調整時期判別手段C8Aは、環境検知手段C8A1と、経時劣化判別手段C8A2と、を有し、電位を調整、制御する時期になったか否かを判別する。実施例1の調整時期判別手段C8Aは、電源オン時や、温度、湿度等の環境の変化があった場合、予め設定された枚数の印刷が実行されて感光体PR表面の摩耗等の経時的な劣化があった場合に、電位を制御する時期になったと判別する。
C8A1:環境検知手段
環境検知手段C8A1は、環境センサSN3の検知信号に基づいて環境を検知する。
C8A2:経時劣化判別手段
経時劣化判別手段C8A2は、経時的な劣化が発生する時期になったか否かを判別する。実施例1の経時劣化判別手段C8A2は、画像形成動作時の印刷枚数の累積値が予め設定された枚数の整数倍になったか否かを判別することで、経時的な劣化が発生する時期になったか否かを判別する。
パッチ形成手段C8Bは、感光体PR表面に予め設定された目標画像濃度の画像である基準画像、いわゆるトナーパッチを形成する。実施例1のパッチ形成手段C8Bは、調整時期判別手段C8Aで電位を調整する時期になったと判別された場合に、トナーパッチを形成する。
C8C:画像濃度検知手段
画像濃度検知手段C8Cは、画像濃度センサSN2の検知信号に基づいて、感光体PR表面の画像の濃度を検知する。実施例1の画像濃度検知手段C8Cは、形成されたトナーパッチの読み取り濃度を検知する。
現像コントラスト電位制御手段C8Dは、画像濃度検知手段C8Cで検知したトナーパッチの読み取り濃度と、目標画像濃度とに基づいて、現像コントラスト電位V1を制御する。実施例1の現像コントラスト電位制御手段C8Dは、読み取り濃度が目標画像濃度に対して濃度不足の場合には、潜像形成装置ROSのレーザビームLの強度を高めて画像部電位VLの絶対値を低下させて、現像コントラスト電位V1を大きくすると共に、濃度過多の場合には、潜像形成装置ROSのレーザビームLの強度を弱めて画像部電位VLの絶対値を上昇させて、現像コントラスト電位V1を小さくするように制御する。一例として、読み取り濃度と目標濃度との濃度差がある場合に、濃度差5%毎にレーザビームLの強度を1段階変更し、VL=10[V]分変化させるといった制御を行うことが可能である。
C8E:クリーニング電位制御手段
クリーニング電位制御手段C8Eは、クリーニング電位V2を制御する。実施例1のクリーニング電位制御手段C8Eは、クリーニング電位V2を初期値に保持するように制御する。
制御範囲設定手段C9は、上限値記憶手段C9Aと、下限値記憶手段C9Bとを有し、前記各電位差V1,V2の制御が行われる範囲の上限値Vaを設定する。実施例1の制御範囲設定手段C9は、トナーカートリッジTC内の現像剤の残量が残量基準値tb−tcよりも少ないと予測された場合に、残量基準値tb−tcが多い場合の上限値Va1に比べて、上限値Vaを小さな値Va2に設定する。実施例1では、トナーカートリッジTCが空になったと予測された場合に、現像コントラスト電位V1の上限値を小さな値に変更する。また、実施例1の制御範囲設定手段C9は、制御が行われる範囲の下限値Va3も設定している。
C9A:上限値記憶手段
上限値記憶手段C9Aは、画像部上限電位記憶手段C9A1を有し、制御範囲設定手段C9で制御される電位差V1,V2の上限値を記憶する。
画像部上限電位記憶手段C9A1は、画像部上限電位の一例として、現像コントラスト電位V1の上限値Vaを記憶する。実施例1の画像部上限電位記憶手段C9A1は、トナーカートリッジTCの残量がある場合に設定される上限値である通常上限値Va1と、トナーカートリッジTCが空と予測された場合に設定され且つ通常上限値Va1よりも絶対値が小さな上限値であるカートリッジ空用の上限値Va2と、を記憶する。実施例1では、各上限値Va1,Va2は、形成される画像部分にキャリアが付着して白抜けになる現象、いわゆる「像中BCO」が発生する下限の現像コントラスト電位からマージンを取った電圧Va1,Va2に設定されている。実施例1では、前記各上限値Va1,Va2の一例として、Va1=350[V]、Va2=300[V]が記憶されている。
下限値記憶手段C9Bは、制御範囲設定手段C9で制御される電位差V1,V2の下限値を記憶する。実施例1の下限値記憶手段C9Bは、現像コントラスト電位V1の下限値Va3を記憶しており、実施例1では、前記下限値Va3の一例として、Va3=200[V]が記憶されている。
次に、実施例1の画像形成装置Uの処理の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(トナー補給制御処理のフローチャートの説明)
図7は実施例1のトナー補給制御処理のフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST:ステップの処理は、プリンタUのコントローラCのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図7に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
ST2において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST3に進む。
(1)印刷される画像のピクセル値p1をカウントする。
(2)トナー濃度N1を測定する。
ST3において、トナー濃度N1と目標濃度Naとの差であるΔトナー濃度に基づく補給時間t1と、ピクセル値p1に基づく補給時間t2とを求める。そして、ST4に進む。
ST5において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST6に進む。
(1)駆動時間t3だけカートリッジトナー補給装置THを駆動して、現像装置Gに現像剤を補給する。
(2)累積補給時間taに、駆動時間t3を加算する演算を行う。すなわち、ta=ta+t3とする。
ST6において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST2に戻り、イエス(Y)の場合はST1に戻る。
図8は実施例1の現像コントラスト電位制御処理のフローチャートである。
図8のフローチャートの各ST:ステップの処理は、プリンタUのコントローラCのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図8に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
ST12において、トナーパッチを作成し、画像濃度センサSN2で読み取る。そして、ST13に進む。
ST13において、読み取り濃度と目標画像濃度との差に基づいて、現像コントラスト電位V1を設定する。そして、ST14に進む。
ST14において、現像コントラスト電位V1が上限値Va以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST15に進み、ノー(N)の場合はST16に進む。
ST15において、現像コントラスト電位V1を上限値Vaに設定し、ST11に戻る。
ST16において、現像コントラスト電位V1が下限値Va3未満であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST17に進み、ノー(N)の場合はST11に戻る。
ST17において、現像コントラスト電位V1を下限値Va3に設定し、ST11に戻る。
図9は実施例1の上限値設定処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST:ステップの処理は、プリンタUのコントローラCのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図9に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
ST22において、累積補給時間taが残量基準値以上であるか否か、すなわち、累積補給時間ta≧空判別時間tb−ばらつき補正値tcであるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST23に進み、イエス(Y)の場合はST24に進む。
ST23において、現像コントラスト電位V1の上限値Vaを通常上限値Va1に設定する。そして、ST25に進む。
ST24において、現像コントラスト電位V1の上限値Vaをカートリッジ空用の上限値Va2に設定する。そして、ST25に進む。
ST25において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST22に戻り、イエス(Y)の場合はST21に戻る。
図10は実施例1の一例のタイムチャートであり、図10Aは横軸に印刷枚数を取り縦軸に現像コントラスト電位を取ったグラフ、図10Bは横軸に印刷枚数を取り縦軸に現像装置内のトナー濃度を取ったグラフ、図10Cは横軸に印刷枚数を取り縦軸にトナーカートリッジの残量を取ったグラフである。
図11は実施例1の帯電電圧、現像電圧、画像部電位の説明図である。
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、図10A、図11に示すように、画像部電位VLと現像電圧Vbとの電位差である現像コントラスト電位V1が、環境や経時変化に応じて調整されて画像形成が行われると共に、現像コントラスト電位V1が像中BCOが発生する電位Vzに対してマージンを取って低い値の上限値Va1以下の範囲で制御される。図10Bにおいて、このとき、現像容器V内のトナー濃度も目標濃度Na近傍に保持される。そして、図10Cにおいて、画像形成に伴って、印刷枚数、すなわちPV:プリントボリュームが増大し、トナーが消費されると、トナーカートリッジTCから補給されて、トナーカートリッジTC内の現像剤が減少していく。
そして、図10A、図10Bにおいて、現像容器V内のトナー濃度が低下し始めると、形成されるトナーパッチの濃度が不足しやすくなり、トナーパッチの濃度に応じて制御される現像コントラスト電位V1が上昇する。また、トナー濃度が低下すると、現像ロールGa表面に保持される現像剤中のキャリアの濃度が上昇し、感光体PRに付着しやすくなり、像中BCOが発生する電位Vzが低下する。このとき、図10A、図11に示すように、実施例1のプリンタUでは、現像容器V内のトナー濃度が低下した状態における画像形成は、低い上限値Va2以下の範囲で行われ、像中BCOの発生が防止されている。そして、現像容器V内のトナー濃度が、予め設定された画像形成を禁止する濃度まで低下すると、画像形成動作を禁止して、利用者に対してトナーカートリッジTCを交換するように促す表示が、操作部UIの表示部にされる。
また、トナー濃度が低下した状態で、上限値を像中BCO発生電位に応じて減少させると、トナーパッチを形成して調整した現像コントラスト電位が、上限値の低下に応じて低下してしまい、再びトナーパッチを形成して調整する必要が出てくる。したがって、上限値をトナー濃度に応じて減少させる従来の技術では、形成される画像の濃度や階調性に影響が発生し、頻繁にトナーパッチを形成して濃度の検知を行って調整をする必要があり、濃度検知を行って調整をする間に画像形成が実行されず、著しく生産性が低下する恐れがある。
また、特許文献2記載の技術のように直接トナーカートリッジの空を検知する場合には、直接残量を検知するセンサが必要となり、コストが上昇する問題がある。また、直接残量を検知する構成では、残量の予測を行う必要が無く、空を検知すれば、トナー濃度が低下した状態で画像形成を継続せず、トナーカートリッジを交換すればよく、そもそも現像コントラスト電位の上限を制御する必要性が低い。
また、実施例1のプリンタUでは、現像容器V内のトナー濃度が十分な状態では、上限値Vaが通常上限値Va1に設定されており、像中BCOの発生を確実に防止しつつ、現像コントラスト電位V1を制御可能な範囲が広くなっている。現像コントラスト電位を制御可能な範囲が広がると、自由度が増し、他の要因でコントスト電位を変更したい場合に、対応可能な領域が広がる。
さらに、実施例1では、トナーカートリッジTCの空を検知するセンサを設けておらず、このようなセンサを設ける場合に比べて、コストが低減されている。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図12は実施例2の画像形成装置の制御部分が備えている各機能を機能ブロック図で示した図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図12において、実施例2のコントローラCでは、実施例1の上限値記憶手段C9Aに替えて、上限値記憶手段C9A′を有する以外は、同様である。
C9A′:上限値記憶手段
上限値記憶手段C9A′は、画像部上限電位記憶手段C9A1′を有し、制御範囲設定手段C9で制御される電位差V1,V2の上限値を記憶する。
画像部上限電位記憶手段C9A1′は、画像部上限電位の一例として、現像コントラスト電位V1の上限値Vaを記憶する。実施例2の画像部上限電位記憶手段C9A1は、トナーカートリッジTCの残量がある場合に設定される上限値である通常上限値Va1と、トナーカートリッジTCが空と予測された場合に設定され且つ通常上限値Va1よりも絶対値が小さな上限値であるカートリッジ空用の第2上限値Va2′と、トナーカートリッジTCが空と予測された場合、すなわち累積補給時間taが空判別時間tb以上になったと判別された場合に設定され且つカートリッジ空用の第2上限値Va2′よりも絶対値が小さな上限値であるカートリッジ空用の上限値Va2と、を記憶する。
次に、実施例2のプリンタUの処理の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(実施例2の上限値設定処理のフローチャートの説明)
図13は実施例2の上限値設定処理のフローチャートであり、実施例1の図9に対応する図である。
図13において、実施例2の上限値設定処理では、実施例1のST22とST24の間に、次の処理ST31,ST32が実行される。
図13のST31において、累積補給時間taが、段階判別値の一例としての空判別時間tb以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST24に進み、ノー(N)の場合はST32に進む。
ST32において、現像コントラスト電位V1の上限値Vaを、カートリッジ空用の第2上限値Va2′に設定する。そして、ST25に進む。
図14は実施例2の一例のタイムチャートであり、実施例1の図10Aに対応するグラフである。
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、図14に示すように、トナーカートリッジTCの残量がばらついて、最も早い場合には空になると予測される、すなわち、ta=tb−tcであると判別されると、ST31、ST32の処理がされて、カートリッジ空用の上限値Va2と通常上限値Va1の間の値であるカートリッジ空用の第2上限値Va2′に設定される。
そして、さらに補給が実行されて、トナーカートリッジTCの残量が空になっている可能性が最も高いと予測されると、すなわち、ta=tbであると判別されると、ST31、ST24の処理がされて、カートリッジ空用の上限値Va2が設定される。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図15は実施例3の画像形成装置の制御部分が備えている各機能を機能ブロック図で示した図であり、実施例1の図5に対応する図である。
図15において、実施例3のコントローラCでは、実施例1のクリーニング電位制御手段C8E、上限値記憶手段C9A、下限値記憶手段C9Bに替えて、クリーニング電位制御手段C8E″、上限値記憶手段C9A″、下限値記憶手段C9B″を有する以外は、同様である。
実施例3のクリーニング電位制御手段C8E″は、画像濃度検知手段C8Cで検知したトナーパッチの読み取り濃度と、目標画像濃度とに基づいて、クリーニング電位V2を制御する。実施例3のクリーニング電位制御手段C8E″は、読み取り濃度が目標画像濃度に対して濃度不足の場合には、帯電電圧VHの絶対値を低下させて、連動する画像部電位VLを低下させる。すなわち、クリーニング電位V1を低下させ且つ現像コントラスト電位V1を大きくする。一方、濃度過多の場合には、帯電電圧VHの絶対値を増大させて、連動する画像部電位VLの絶対値を上昇させ、現像コントラスト電位V1を小さくし且つクリーニング電位V2を大きくするように制御する。一例として、読み取り濃度と目標濃度との濃度差がある場合に、濃度差5%毎にクリーニング電位V2を10[V]分変化させるといった制御を行うことが可能である。
上限値記憶手段C9A″は、実施例1と同様の画像部上限電位記憶手段C9A1と、背景上限電位記憶手段C9A2とを有し、制御範囲設定手段C9で制御される電位差V1,V2の上限値を記憶する。
背景上限電位記憶手段C9A2は、背景上限電位の一例として、クリーニング電位V2の上限値Vcを記憶する。実施例3の背景上限電位記憶手段C9A2は、トナーカートリッジTCの残量がある場合に設定される上限値である背景通常上限値Vc1と、トナーカートリッジTCが空と予測された場合に設定され且つ背景通常上限値Vc1よりも絶対値が小さな上限値であるカートリッジ空用の背景上限値Vc2と、を記憶する。実施例3では、各上限値Vc1,Vc2は、非画像部分、いわゆる背景部分にキャリアが付着して点状の画像欠陥が発生する現象、いわゆる「バックグラウンドBCO」が発生する下限のバックグラウンドBCO発生電位Vz′からマージンを取った電圧Vc1,Vc2に設定されている。実施例1では、前記各上限値Vc1,Vc2の一例として、Vc1=250[V]、Vc2=200[V]が記憶されている。
実施例3の下限値記憶手段C9B″は、制御範囲設定手段C9で制御される電位差V1,V2の下限値を記憶する。実施例3の下限値記憶手段C9B″は、現像コントラスト電位V1の下限値Va3と、クリーニング電位V2の下限値Vc3とを記憶しており、実施例3では、前記下限値Va3,Vc3の一例として、Va3=200[V]、Vc3=100[V]が記憶されている。
次に、実施例3のプリンタUの処理の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(実施例3の上限値設定処理のフローチャートの説明)
図16は実施例3の上限値設定処理のフローチャートであり、実施例1の図9に対応する図である。
図16において、実施例3の上限値設定処理では、実施例1のST23とST24に替えて、次の処理ST23″,ST24″が実行される。
(1)現像コントラスト電位V1の上限値Vaを通常上限値Va1に設定する。
(2)クリーニング電位V2の上限値Vcを背景通常上限値Vc1に設定する。
ST24″において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST25に進む。
(1)現像コントラスト電位V1の上限値Vaを、カートリッジ空用の上限値Va2に設定する。
(2)クリーニング電位V2の上限値Vcを、カートリッジ空用の背景上限値Vc2に設定する。
図17は実施例3の一例のタイムチャートであり、図17Aは実施例1の図10Aに対応するグラフ、図17Bは横軸に印刷枚数を取り縦軸にクリーニング電位を取ったグラフである。
図18は実施例3の帯電電圧、現像電圧、画像部電位の説明図である。
前記構成を備えた実施例3のプリンタUでは、図17、図18に示すように、トナーカートリッジTCの残量が十分な状態では、現像電圧Vbが固定され、トナーパッチの読取り濃度に基づいて、現像コントラスト電位V1が通常上限値Va1以下且つクリーニング電位V2が背景通常上限値Vc1以下の範囲で、帯電電位VHと画像部電位VLと現像電圧Vbが調整される。
さらに、実施例3のプリンタUでは、実施例1と同様に。トナーカートリッジTCの空を検知するセンサを設けておらず、このようなセンサを設ける場合に比べて、コストが低減されている。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色現像の画像形成装置に限定されず、多色、いわゆるカラーの画像形成装置により構成することも可能である。
(H03)前記実施例において、現像コントラスト電位V1のみまたは、現像コントラスト電位V1とクリーニング電位V2の両方を制御する構成を例示したが、画像形成装置の構成によりバックグラウンドBCOの発生を特に抑えたい場合には、クリーニング電位V2のみを制御する構成とすることも可能である。
(H05)前記実施例において、例示した具体的な数値等は、設計や仕様等に応じて、適宜変更可能である。
(H07)前記実施例において、トナーカートリッジTCが空になることの予測は、カートリッジトナー補給装置THの累積駆動時間taに基づいて予測する構成を例示したが、この構成に限定されず、トナーカートリッジTCのトナーの消費量、補給量に連動するパラメータ、例えば、カートリッジトナー補給装置THの駆動回転数、駆動パルス幅等のトナーの補給に関する情報や、印刷枚数や感光体PRの回転数、あるいは、トナーカートリッジTCが装着されてからの累積の画素数や潜像形成装置ROSのLEDの発光時間、画像信号等の出力画像に関する情報、等の任意のパラメータを使用可能である。
G…現像装置、
Ga…現像剤保持体、
C5…補給量演算手段、
C6…補給制御手段、
C7…残量予測手段、
C8…電位制御手段、
C9…制御範囲設定手段、
PR…像保持体、
ROS…潜像形成装置、
ta…駆動時間、
tb−tc…残量基準値、
TC…現像剤収容容器、
U…画像形成装置、
V…現像容器、
VL…潜像電位、
Vb…現像バイアス電位、
V1…第1の電位差、
VH…帯電電位、
V2…第2の電位差、
Va,Va1,Va2,Va2′,Vc,Vc1,Vc2…上限値。
Claims (6)
- 像保持体と、
前記像保持体表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
トナーとキャリアとを含む現像剤が収容される現像容器と、表面に現像剤を保持して前記像保持体表面に対向し、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像剤保持体とを有する現像装置と、
前記現像容器に補給される少なくともトナーが収容される現像剤収容容器と、
前記現像容器内のトナーの消費量に基づいて、前記現像剤収容容器から前記現像容器に現像剤を補給するよう制御する補給制御手段と、
前記現像剤収容容器から前記現像容器に補給された現像剤の補給量に基づいて、前記現像剤収容容器内の現像剤の残量を予測する残量予測手段と、
前記潜像形成装置で形成された潜像の潜像電位と前記現像剤保持体に印加される現像バイアス電位との間の第1の電位差、および、前記帯電装置による像保持体表面の帯電電位と前記現像バイアス電位との間の第2の電位差、の少なくとも一方を制御する電位制御手段と、
前記電位制御手段で制御される電位差の上限値を設定する制御範囲設定手段であって、前記現像剤収容容器内の現像剤の残量が予め設定された残量基準値よりも少ないと予測された場合に、残量が多い場合の上限値に比べて、上限値を小さな値に設定する前記制御範囲設定手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像剤収容容器内の現像剤の残量が予め設定された残量基準値よりも少ないと予測された場合に、前記電位制御手段で制御される電位差の上限値を、残量が多い場合の上限値に比べて、段階的に小さな値に設定する前記制御範囲設定手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記残量基準値よりも前記現像剤の残量が少ない場合において、前記残量が、予め設定された1または複数の段階判別値になる度に、前記電位制御手段で制御される電位差の上限値を、直前の上限値に比べて小さい値に設定する前記制御範囲設定手段、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - トナーの補給に関する情報および出力画像に関する情報に基づいて、前記現像剤の補給量を演算する補給量演算手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記像保持体表面の可視像の濃度に基づいて、前記第1の電位差および前記第2の電位差の少なくとも一方を制御する前記電位制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。 - 環境および経時劣化に基づいて、前記第1の電位差および前記第2の電位差の少なくとも一方を制御する前記電位制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
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