従来、画像形成装置に使用される現像装置としては、現像剤としてトナーとキャリアを含む二成分現像剤を使用した2成分現像方式と並んで、最近は構成のシンプルな、例えば磁性トナーのような一成分現像剤を使用した1成分現像方式の現像装置も増えてきた。また、長寿命やランニングコスト低減の観点から、1成分現像方式でトナー補給する1成分補給方式も数多く提案されている。
1成分補給方式は、現像容器内のトナー量が多いので、2成分方式ほど厳密なトナー補給制御を必要としない点において有利である。
このような補給形式の現像装置では、画像形成により消費したトナーをトナー補給手段によって補給することによって、現像容器内のトナー量を略一定に保つような制御が行われている。現像容器内のトナー量を一定に保つ手段としては、現像容器内に弁などを設けて足りなくなった量のトナーを機械的に落とす方法、現像容器内にトナーレベルセンサーを設けて検知結果に基づいて補給する方法、などが提案されている。
また、例えば、特許文献1、2になどに記載されるように、ビデオカウントを利用したトナー補給方式も実用化されている。これは、画素毎のディジタル画像信号の出力レベルを積算して出力画像の印字比率を求め、消費されるトナー量を計算して補給するものである。
図18に、従来の画像形成装置の概略構成を示す。
本例にて、画像形成装置100は、その概略中心部に、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)51が矢印方向に回転可能に支持されている。画像形成動作が開始すると、感光ドラム51の表面を帯電手段52が一様に帯電させ、露光手段として例えばレーザー照射手段53が画像情報に対応した露光を行い、感光ドラム51表面に静電潜像が形成される。
この静電潜像は、その後、現像装置4により可視化され、トナー像が形成される。次いで、このトナー像は、転写手段としての、例えば転写ローラ56によって感光ドラム51と転写ローラ56との間に形成される転写電界により静電的に記録材P上に転写される。その後、記録材P上の未定着トナー像は、定着装置58によって熱及び圧力によって記録材P上に永久定着される。
また、トナー像の転写を終了した感光ドラム51の表面に残留する転写残トナーなどは、例えば、ブレード状のクリーニング部材を備えるクリーニング装置57により除去され、感光ドラム51は引き続き画像形成を行える状態となる。
現像装置4は、現像剤を収納する現像容器10と、現像剤担持体である現像ローラ11と、現像ローラ11に現像剤を供給する供給ローラ13と、現像ローラ11上の現像剤量を規制する現像剤規制部材14と、現像容器内の現像剤を攪拌する攪拌部材15とを有する。現像容器10の上部には現像剤補給装置5が設けられており、現像容器10内のトナーが少なくなると補給装置5から必要量のトナーを補給して、現像容器10内のトナー量を常に一定に保つ構成となっている。
次に、図15、図16、図17を用いて、ビデオカウント数計測によるトナー補給方法に関して説明する。図15はビデオカウント数を取得する装置構成のブロック図、図16はビデオカウント数取得時の説明図、図17はトナー補給動作を説明するフローチャートである。
図18の画像形成装置にて、露光装置53は、レーザスキャナー装置であって、不図示の半導体レーザと回転多面鏡(ポリゴンミラー)やレンズなどを有する。半導体レーザから放射されたレーザ光は回転多面鏡によって掃引され、f/θレンズ等のレンズ及びレーザ光を像担持体たる感光ドラム51方向に指向させる固定ミラーによって感光ドラム51上にスポット結像される。かくして、レーザ光は感光ドラム51の回転軸とほぼ平行な方向(主走査方向)にドラムを走査し、静電潜像を形成することになる。
図15を参照すると、静電潜像となる画像は、パソコンや画像入力スキャナーなどから画像信号処理回路31を介してパルス幅変調回路32に入り、入力される画素画像信号毎にそのレベルに対応した幅(時間長)のレーザ駆動パルスを形成して露光装置53に出力される。すなわち、図16の(a)に示すように、高濃度の画素画像信号に対してはより幅の広い駆動パルスWを、低濃度の画素画像信号に対してはより幅の狭い駆動パルスSを、中濃度の画素画像信号に対しては中間の幅の駆動パルスIをそれぞれ形成する。
パルス幅変調回路32から出力されたレーザ駆動パルスは露光装置53に供給され、パルス幅に対応する時間だけ半導体レーザを発光させる。したがって、半導体レーザは高濃度画素に対してはより長い時間駆動され、低濃度画素に対してはより短い時間駆動されることになる。それゆえ、感光ドラム51は、高濃度画素に対しては主走査方向により長い範囲が露光され、低濃度画素に対しては主走査方向により短い範囲が露光される。つまり、画素の濃度に対応して静電潜像のドットサイズが異なる。従って、当然のことながら、高濃度画素に対するトナー消費量は低濃度画素に対するそれよりも大である。なお、図16の(b)の低、中、高濃度画素の静電潜像をそれぞれL、M、Hで示した。
前記パルス幅変調回路32の出力信号がANDゲート34の一方の入力に供給され、このANDゲート34の他方の入力にはクロックパルス発振器35からのクロックパルス(図16の(c)に示すパルス)が供給される。従って、ANDゲート34からは図16の(a)に示すようにレーザ駆動パルスS、I、Wの各々のパルス幅に対応した数のクロックパルス、即ち、各画素の濃度に対応した数のクロックパルスが出力される。クロックパルス数は各画像毎にカウンタ36によって積算されてCPU37に供給されてビデオカウント数が算出される。ビデオカウント数、即ち、露光面積から、画像印字比率(露光面積/紙面積)が算出される。画像形成時に消費されるトナー量は、画像印字比率とほぼ直線的な関係を示すので、画像印字比率から消費されたと思われるトナー量を予想して、補給駆動装置38を必要時間駆動してトナー補給を行う。
図17にて、従来の画像形成装置のトナー補給動作の流れを説明する。
画像形成装置100の装置本体100Aの電源をONとした後(S1)、所定の立ち上げ準備が終了するとスタンバイ状態になる(S2)。スタンバイ状態でプリント信号を受けると、プリント動作を開始し(S3)、感光ドラム、帯電装置、現像装置などが順次起動する(S4)。各装置が落ち着く時間を見計らって、露光装置が作動して潜像を形成し、同時にビデオ(ピクセル)カウントデータの取得が開始される。潜像形成が終わると露光装置が停止し、同時にビデオカウント積算が終了してビデオカウント値が取得される(S5〜S7)。
画像形成装置の作動を制御するCPU37は、画像形成毎にビデオカウント値を元に、消費された、即ち、補給すべきトナー補給量を算出し、トナー補給を行う(S8、S9)。
そして、ジョブが終了したかどうかを判断し(S10)、まだ終了しておらずに連続して行うプリントがあれば、ステップ5(S5)に戻り、画像形成装置は再び次のサイクルに入って露光装置を作動させる。ジョブの残り枚数がなければ各装置を順に停止して画像形成動作を終え(S10)、ステップ2(S2)に戻り、スタンバイ状態となる。
図12は、画像印字比率と消費トナー量の関係を示したグラフである。画像印字比率と消費トナー量は、ほぼ比例関係にある。現像容器内のトナー量を一定に保つためには、補給するトナー量を消費トナー量と同じにすれば良い。図13の直線は、画像印字比率と補給すべきトナー量の関係を示したグラフである。
上記の直線関係を用いることによって、ビデオカウント数から補給すべきトナー量を算出できる。
ビデオカウント数が小であれば消費トナー量も少ないのでトナー補給機構を短時間駆動して少量のトナー補給を行い、ビデオカウント数が大であれば消費トナー量が多いのでトナー補給機構の駆動時間をより長い時間として多くのトナーを補給する。
このような構成をとることで、消費されたトナー量に見合ったトナー量が適切なタイミングで補給されることになり、現像容器内のトナー量を常に一定に保つことが可能となる。
特開平5−88554号公報
特開平8−146736号公報
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1に、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、先に図18を参照して説明した画像形成装置100と同様の構成とされるので、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、先の説明を援用し、詳しい説明は省略する。
つまり、本実施例にて、画像形成装置100は、矢印方向に回転自在とされる像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム51を備えている。画像形成動作が開始すると、感光ドラム51の表面を帯電手段52が一様に帯電させ、露光手段として例えばレーザー照射手段53が画像情報に対応した露光を行い、感光ドラム51表面に静電潜像が形成される。画像信号処理手段によるビデオカウント数取得構成は、図15、図16で説明した従来の画像形成装置が有する画像信号処理手段と同様の構成とされる。従って、本実施例における画像信号処理手段によるビデオカウント数取得構成についての説明は、先の説明を援用し、ここでの再度の説明を省略する。
感光ドラム51上の静電潜像は、現像装置4により可視化されて、可視像、即ち、トナー像とされ、このトナー像は、転写手段としての、例えば転写ローラ56によって記録材P上に転写される。その後、記録材P上の未定着トナー像は、定着装置58によって熱及び圧力によって記録材P上に永久定着される。
また、トナー像の転写を終了した感光ドラム51の表面に残留する転写残トナーは、例えば、ブレード状のクリーニング部材を備えるクリーニング装置57により除去され、感光ドラム51は引き続き画像形成を行える状態となる。
現像装置4は、現像剤Dを収納する現像容器10と、現像剤担持体である現像ローラ11と、現像ローラ11に現像剤を供給する供給ローラ13と、現像ローラ11上の現像剤量を規制する現像剤規制部材14と、現像容器内の現像剤を攪拌する攪拌部材15とを有する。本実施例にて用いられる現像剤Dは、負帯電性の非磁性一成分現像剤(以下、「トナー」という。)である。
現像容器10の上部には現像剤補給装置5が設けられており、現像容器10内のトナーが少なくなると補給装置5から必要量のトナーを補給して、現像容器10内のトナー量を常に一定に保つ構成とされる。
次に、本実施例による現像装置4の概略構成とその近傍の構成について、更に詳しく説明する。
本実施例によると、現像容器10は、感光ドラム51と対向する側の一部が開口しており、この開口部から一部露出するように現像剤担持体としての現像ローラ11が矢印方向に回転可能に現像容器10に支持されて、所定の当接圧にて感光ドラム51に当接している。現像ローラ11は、カーボンなどの導電剤を分散させた体積抵抗率が102Ωcm〜1010Ωcmのシリコーン、ウレタンなどの低硬度のゴム材或は発泡体、及びその組み合わせにより構成された外径16mmの半導電性弾性体ローラである。
現像剤供給及び回収手段としての供給ローラ13はスポンジからなる外径16mmの弾性ローラであり、現像ローラ11に当接して配置される。
現像容器10の開口部と反対側の奥部に現像剤攪拌及び搬送手段としての攪拌パドル15が矢印方向に回転可能に設けられ、現像容器10内のトナーを攪拌すると共に現像ローラ11と後述の供給ローラ13との当接部近傍の領域へとトナーを搬送している。搬送されたトナーは、供給ローラ13の矢印方向の回転に伴い、当接する現像ローラ11との摺擦に伴う摩擦帯電により、トナーに電荷が付与される。電荷を付与された現像剤は、帯電電荷によって現像ローラ11からの鏡映力を受けて現像ローラ11上へと供給される。
現像容器10には、現像ローラ11に加圧するように現像剤層厚規制部材としてのブレード14が設けられている。ブレード14はSUSで作製される板ばねであり、弾性範囲内で曲がった状態で所定の当接圧にて現像ローラ11と当接する。現像ローラ11上に供給されたトナーは、このブレード14によって層厚規制と電荷付与されて、現像ローラ11上にトナーの薄層が形成され、現像領域へと供給される。
現像には寄与せず、現像ローラ11上に更に担持されたままのトナーは、供給ローラ13による摺擦で現像ローラ11上から剥ぎ取られ、その一部は新たに供給ローラ13上に供給されたトナーと共に再び供給ローラ13によって現像ローラ11上へと供給され、残りは現像容器10内へと戻される。
尚、本実施例では、供給ローラ13は現像剤供給及び回収手段として2つの機能を兼ねているが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像剤供給手段と現像剤回収手段とを別個に設けることも可能である。
現像剤補給手段としての補給装置5は、画像形成装置100の装置本体100Aに対して着脱自在に構成され、内部には補給用のトナーを収めており、補給装置5を随時交換することによって、画像形成装置にトナーを供給する仕組みである。
補給装置5の内部には、トナーを解すための攪拌部材6と、補給装置5から現像装置4にトナーを補給するための補給ローラ7が配置されている。また、補給装置5には、補給駆動装置38からの補給指令により、所定駆動時間当たり一定量のトナーを現像装置4に補給できる構成とされている。
本実施例の画像形成装置100にて、プロセススピード、即ち、感光ドラム51の周速は150mm/secであり、これに対する現像ローラ11の周速は225mm/secである。
トナー補給制御は、基本的にはビデオカウントに基づく方法を用いるのだが、現像容器10内にはトナー量を直接検知する手段も設けられており、万が一にビデオカウントに基づくトナー補給の計算が合わずに、現像容器内がトナーで溢れそうになったり、不足して画像が出なくなってしまう事態を事前に回避できるようにしている。
現像装置4の現像容器10内には攪拌部材15が矢印方向に回転可能に設けられ、現像容器10内のトナーと補給装置5から補給されるトナーを攪拌する攪拌領域を形成している。
また、攪拌領域を挟んだ現像容器10及びその外側には、攪拌領域のトナー面の高さを検知するための光学方式のトナー面検知手段16が配置されている。トナー面検知手段16は、発光素子16a、光が透過する窓16b、受光素子16cを備え、攪拌部材15の回転に伴って現像容器内のトナー面Dsが変化するときの光の透過時間の割合を測定し、攪拌領域におけるトナー面Dsの高さ情報を得ている。直接検知手段16として、本実施例では光検知方式を使用したが、ピエゾセンサーなどによる方式でも良い。
次に、本実施例におけるトナー補給制御について詳しく説明する。
本実施例のトナー補給制御は、ビデオカウントが算出した、消費された、即ち、補給すべきトナー量(t1)を直接的に補給せずに、一旦積算値(t2)として、例えば装置本体100Aに設けられた制御手段であるCPU37が有する記憶手段(図示せず)などに蓄える。さらに、トナー補給装置が一回の動作で補給する量を補給閾値(t3)として設定し、補給すべきトナー量の積算値(t2)が補給閾値(t3)を超えた時にトナー補給装置を1回動作させ、積算値(t2)から補給閾値(t3)を減算して、残りは継続して積算を続けるようにしたことを特徴とする。
先ず、図2のフローチャートを用いてトナー補給動作の流れを説明する。
画像形成装置100の本体100Aの電源をONとした後(S1)、所定の立ち上げ準備が終了するとスタンバイ状態になる(S2)。スタンバイ状態でプリント信号を受けると、プリント動作を開始し(S3)、感光ドラム、帯電装置、現像装置などが順次起動する。各装置が落ち着く時間を見計らって、露光装置が作動して潜像を形成し、同時にビデオ(ピクセル)カウントデータの取得が開始される。潜像形成が終わると露光装置が停止し、同時にビデオカウント積算が終了してビデオカウント値が取得される(S4〜S6)。
画像形成装置の作動を制御するCPU37は、画像形成毎にビデオカウント値を元に、消費された、即ち、補給すべきトナー補給量t1算出し、このトナー補給量t1が積算された補給すべきトナー補給量である補給積算値t2を計算する(S7、S8)。
次いで、補給積算値t2と補給閾値t3の比較を行う(S9)。補給積算値t2≦補給閾値t3であれば、補給は行わない。補給積算値t2>補給閾値t3であれば、補給閾値t3に相当する量のトナー補給を一回行い、補給積算値t2から補給した量である補給閾値t3を減算する(S10、S11)。
そして、ジョブが終了したかどうかを判断し(S12)、まだ終了しておらずに連続して行うプリントがあれば、ステップ4(S4)に戻り、画像形成装置は再び次のサイクルに入って露光装置を作動させる。ジョブの残り枚数がなければ各装置を順に停止して画像形成動作を終え(S13)、ステップ2(S2)に戻り、スタンバイ状態となる。
次に、本実施例の動作例をより具体的に説明する。
・A:感光ドラム上に現像されたトナー量 0.6mg/cm2
・S:紙の面積(A4紙サイズ) 21.0*29.7cm
・R:ビデオカウントより算出される画像印字比率 0〜100%
・t1:紙1枚当り補給すべきトナー量(=紙1枚当りで消費されたトナー量)
t1=A*S*R
であり、t1が取りうる範囲は0〜374mg
・t1max:印字比率Rが最大時の消費トナー量 374mg
・t2:積算トナー量
・t3:補給閾値(=トナー補給装置が一回の作動で補給するトナー量)
今回の検討では、7水準(100、150、200、250、300、350、400mg)とした。
トナーの乗り量Aや紙の面積Sは、画像形成装置の紙サイズ検知やトナーパッチ濃度検知によって随時修正される性格の数値であるが、本実施例による検討では影響因子を少なくするために固定値とした。
上記条件において、以下の表のように100枚ごとに印字比率を変化させて、1000枚のプリント試験を行い、トナー補給に伴うかぶりと現像容器内のトナー量変化を検討した。
また、現像容器内のトナー量狙い値は150gとし、130gで光センサーによりトナーレベルLow警告、170gでトナーレベルHI警告を出して、トナー量復帰シーケンスを実行するようにした。
図3は、1000枚プリント時のトナー補給量を示す図で、一つのプロットが縦軸のトナー量でトナー補給を一回行なったことを示している。
図4は、現像容器内のトナー量の推移を示したグラフである。
本実施例のトナー補給は補給すべきトナー量を積算し、補給閾値を超えたときに補給装置を一回駆動する構成にしたので、図3からわかるように補給動作は間欠的である。また、補給閾値t3が大きいほど一回の補給量が多いので、補給回数自体は減っていることがわかる。
かぶり:
×:紙上かぶりが問題となるレベル
△:紙上では問題とならないが、感光ドラム上にかぶりトナーが存在するレベル
○:紙上かぶりが問題とならないレベル
トナー量Low:
×:現像容器内のトナー量が、下限と設定した130gを下回ってしまったレベル
補給閾値t3を最も大きく設定した400mgでは、補給閾値t3がt1max(印字比率Rが最大時の消費トナー量)を超えているので、高印字耐久時でもトナー供給量不足になる兆候は全く無く、現像容器内のトナー量が減少することは無かった。しかしながら、従来の例1と同様に、高印字時の補給量が多すぎてかぶりが発生してしまった。
高印字時の補給に伴うかぶりは、t3を300mgまで小さくすることでほぼ許容できるレベルになった。
補給閾値t3を小さめに設定した100、150mgは、高印字時でもトナー補給量が少ないため、かぶりは発生しなかった。しかしながら、高印字時の現像容器内のトナー減少が顕著で、印字比率100%画像(ベタ黒印字)をプリント中に、現像容器内のトナー量がトナーLow警告の130g以下に達してしまった。
補給閾値t3が、これらの中間である200〜300mgの領域において、かぶりもトナーLow警告も発生しない好適な領域があった。
このように、補給閾値t3をt1maxよりも小さく設定することによって、高印字時の補給量を少なくすることができるため、補給トナーが一度に大量に足されて攪拌及び帯電不足によるかぶりなどを防止することが可能となる。従って、
t3<t1max(印字比率Rが最大時の消費トナー量)
の関係に設定することが、必須の構成となる。
また、補給閾値t3をあまりにも小さくしてしまうと、攪拌及び帯電不足によるかぶりなどには有利なものの、高印字時に補給し切れなくなる量が増えてしまう。その結果、現像容器内のトナー量が減ってしまい、トナー量復帰シーケンスなどを行わなくてはならなくなってプリンターのパフォーマンスが低下してしまう。
これら本実施例の結果より、補給閾値t3の範囲は、
t1max*0.5<t3<t1max*0.8
であることが好ましい。
この範囲は、本実施例において好適な結果の得られたt3=200〜300mgの範囲に相当する。
しかしながら、t3の好適な範囲は現像装置の構成やその他のパラメータによって変わってくるため、本実施例の結果のみに制限されるものではない。特に、t3設定値の下限は、高印字時に補給し切れなくなることに起因する現像容器内のトナー量減少を懸念して決定される性格のものであるが、画像形成装置の市場での実際の使用状況は印字率20%以下であることや、現像容器内のトナー量減少は高印字プリントを数百枚連続で印字して初めて起こる現象であり現実には希少な使い方であることなどを考慮すると、補給閾値t3設定値の下限はさらに低く設定することも可能である。
従って、補給閾値t3の好適な設定範囲は、
t1max*0.2<t3<t1max*0.9
である。
本実施例の方式では、ビデオカウントが算出した補給すべきトナー量t1を、すぐに補給しないで一旦補給積算値t2として蓄え、トナー補給装置が一回に補給する量を補給閾値t3として、補給すべきトナー量の積算値t2が補給閾値t3を超えたときにのみトナー補給装置を一回動作させるようにしたことで、補給閾値t3をt1maxよりも小さく設定すれば高印字耐久時の補給量を少なめに制限することができ、補給トナーが一度に大量に足されて攪拌&帯電不足によるかぶりなどを防止することが可能となった。
また、高印字時に本来補給すべきであった補給量は、一度に補給してしまわないだけで積算値として記憶しているため、高印字が終わって低印字になった時に残りの補給量を確実に補給することができ、現像容器内のトナー量が減少してしまうようなことも無い。
また、これらの動作を、複雑な補給テーブルや補給量補正を行う必要も無く、きわめてシンプルな装置構成及びロジックで実現することができるため、簡易構成で高い信頼性を発揮することができる。
また、トナー補給装置が一回に補給する量を固定にしたことは、補給装置としては毎回同量のトナーを排出するようにだけ注意して設計すれば良いので、従来の装置のように補給装置の駆動時間と排出量の高い直線関係を求められるようなことも無く、補給装置の簡略化にも貢献する。
なお、本実施例は、現像剤としてトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を使用した場合にも適用し得るものであるが、本発明の原理を従来の二成分現像剤を使用した現像装置における現像剤補給方式に応用した場合には、そもそも二成分現像剤を使用した現像装置内にあるトナー量が少ないので、補給すべきトナーは直ちに補給しないと、すぐに濃度低下を起こしたり、チャージアップしたりしてしまうことが予想される。
従って、本実施例は、現像容器内にある程度のトナー量があり、高印字画像形成時に現像容器内のトナー量が一時的に減少しても、少し遅れて補給してやることで通算の収支が合えば大丈夫という一成分現像剤を使用した現像装置における現像剤補給方式の特性を利用しているため、1成分補給方式の現像装置に用いることが望ましい。
以上説明したように、本実施例によれば、高印字時に大量のトナーが足されることによって充分な攪拌及び帯電が出来なくなってしまう問題と、必要とされるトナー量を正確に足すことによって現像容器内のトナー量を常に一定に保つ要求を同時に解決することが可能となった。
実施例2
本実施例は、画像形成装置に対して、少なくとも現像装置を含む画像形成のためのプロセス手段を一体化して着脱可能なカートリッジとして構成し、カートリッジには、記憶手段として不揮発性メモリを取り付け、この不揮発性メモリに、積算値t2の情報を記憶させるようにした、ことが特徴である。カートリッジの不揮発性メモリには、必要により、補給閾値t3の情報をも格納させることができる。
本実施例の画像形成装置の概略構成や、基本動作は実施例1と同様であるので、実施例1の説明を援用し、重複する説明は省略する。以下に、本実施例の特徴部を構成するカートリッジについて説明する。
図5は、本実施例で使用するカートリッジの概略構成を示す。
本実施例にて、カートリッジ30は、実施例1で説明した、感光ドラム51と、更には、画像形成のために感光ドラム51に作用するプロセス手段としての、帯電ローラ52と、現像装置4と、クリーニング装置17と、を一体化してカートリッジとして形成し、画像形成装置本体100Aに対して着脱自在に構成した。勿論、現像装置のみをカートリッジとして、画像形成装置に着脱可能とすることも可能である。特に、カートリッジとしては、感光ドラム51と、少なくとも上記プロセス手段としての現像装置4とが一体化されたカートリッジ、所謂、プロセスカートリッジが広く使用されている。
本実施例によると、カートリッジ30には、不揮発性メモリのような記憶手段39が設けられる。
図6は、本実施例の画像形成装置100の構成をブロック図で示す。ビデオカウントを取得する画像信号処理手段の構成は、実施例1の構成と、つまり、図15、図16で説明した従来の画像形成装置が有する画像信号処理手段の構成と同様である。
ただ、図6に示すように、本実施例では、CPU37がトナー補給量積算値t2を算出する際に、カートリッジ30の不揮発性メモリ39に収納されている積算値を読み出したのちに演算を行うこと、また新たに算出した積算値t2は随時不揮発性メモリ39に上書き収納することを特徴とする。
つまり、図7に、本実施例のフローチャートを示すが、実施例1で説明した図2に示すフローチャートと同様であり、ただ、実施例1では、ステップ7及びステップ8において、画像形成装置の作動を制御するCPU37が、画像形成毎にビデオカウント値を元に補給すべきトナー補給量t1算出し、このトナー補給量t1が積算された補給すべきトナー補給量である補給積算値t2を計算し(S7、S8)、次いで、補給積算値t2と補給閾値t3の比較を行う(S9)、構成とされていた。補給閾値t3は、CPU37の記憶手段か、又は、カートリッジ30の不揮発性メモリ39に格納しておくことができる。
図8はカートリッジ30の不揮発性メモリ39の記憶状態を示している。不揮発性メモリ39に対しては画像形成装置100のCPU37によって情報の書込み及び読み出しが行われる。不揮発性メモリ39には記憶領域が設けられており、本実施例の場合は補給積算値情報(t2)を記憶する記憶領域39a、補給閾値情報(t3)を記憶する記憶領域39bが設けられている。
これに対して、本実施例では、図示するように、ステップ7、ステップ8−1、ステップ8−2、ステップ8−3を備え、CPU37は、実施例1と同様に、画像形成毎にビデオカウント値を元に、消費された、即ち、補給すべきトナー補給量t1算出する(S7)、と共に、トナー補給量積算値t2を算出する際に、先ず、カートリッジ30の不揮発性メモリ39に収納されている前回の画像形成までの既に積算されている積算値t2を読み出し(S8−1)、そして、新しい補給積算値t2を計算する(S8−2)。次いで、この新しい最新の補給積算値t2と補給閾値t3の比較を行う(S9)。また、この新たに算出した積算値t2は不揮発性メモリ39に上書き収納する(S8−3)。
図7に示す、本実施例のフローチャートに示すトナー補給動作の流れは、上記ステップ8−1、ステップ8−2、ステップ8−3の動作を除けば、実施例1にて図2を参照して説明したフローチャート及びトナー補給動作と同じであるので、同じステップには同じ参照番号を付し、実施例1の説明を援用し、ここでの再度の説明を省略する。
本実施例によると、補給積算値t2とは、その現像容器に足されるべきトナー量の一時的な不足分と考えられるのだが、上記構成とすることで、積算値t2が必ず現像容器と共に付いて回ることになり、例えば高印字画像形成中で積算値が大きく貯まっている最中に、画像形成装置から現像装置が取り出されてしまうようなことがあっても、その現像容器は不揮発性メモリと共に足されるべきトナー量を記憶しているので、再び画像形成装置にセットされた時に、足されるべきトナー量の一時的な不足分を取り返すことができ、現像容器内のトナー量が減少したり、おかしくなってしまうようなことが無くなる。
こうして、実施例1で説明した補給制御を、現像装置が着脱された場合においても、確実に行うことが可能となる。
また、このようなカートリッジ形態をとることで、構成部品の交換を容易に行うことができるようになり、画像形成装置のメンテナンス性が格段に向上する。また、カートリッジを交換することで、電子写真の重要な構成部品が新品に交換されるため、常に高品質な画像を保つことができる。
実施例3
本実施例は、複数のプロセスカートリッジを搭載したカラー画像形成装置に、上記実施例2で説明した動作を搭載し、さらに、プロセスカートリッジの不揮発性メモリに補給閾値t3をも記憶させるようにしたことが特徴である。
図9に、本実施例のタンデム型中間転写方式のカラー画像形成装置の一例を示す。本実施例にて、画像形成装置100は、画像形成装置本体100A内に4つの画像形成部、即ち、画像形成ステーションP(PY、PM、PC、PBk)が画像送り方向に直列に並置されている。各画像形成ステーションP(PY、PM、PC、PBk)は、それぞれ像担持体であるドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム51(51Y、51M、51C、51Bk)、帯電手段としての帯電ローラとされる帯電装置52(52Y、52M、52C、52Bk)、露光手段としてのレーザービームスキャナユニットとされる露光装置53(53Y、53M、53C、53Bk)、現像手段としての現像装置4(4Y、4M、4C、4Bk)、クリーニング手段としてのクリーニングブレードなどを有したクリーニング装置57(57Y、57M、57C、57Bk)、及び1次転写手段としての転写ローラとされる1次転写装置56(56Y、56M、56C、56Bk)を備えている。
各画像形成ステーションP(PY、PM、PC、PBk)を構成する、感光ドラム51(51Y、51M、51C、51Bk)、帯電装置52(52Y、52M、52C、52Bk)、現像装置4(4Y、4M、4C、4Bk)、及び、クリーニング装置57(57Y、57M、57C、57Bk)、は一体化されカートリッジ30(30Y、30M、30C、30Bk)を構成している。本実施例におけるカートリッジ30は、図5を参照して実施例2で説明したカートリッジ30と同じ構成とされる。
また、実施例1と同様の補給装置5(5Y、5M、5C、5Bk)が画像形成装置に交換可能に配されている。また、各プロセスカートリッジ30内の感光ドラム51、現像装置4、帯電装置52等の構成、動作等は実施例1、2と同じ構成及び機能を有している。従って、実施例1、2で行ったカートリッジ30及びトナー補給装置5と同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例1、2の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
また、ビデオカウントを取得する画像信号処理手段の構成は、実施例1で説明した、即ち、図15、図16で説明した従来の画像形成装置が有する画像信号処理手段、並びに、図6で説明した実施例2と同様の構成とされるので、実施例1、2の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
本実施例の画像形成装置では、各画像形成ステーションP(PY、PM、PC、PBk)の感光ドラム51(51Y、51M、51C、51Bk)と1次転写装置52(52Y、52M、52C、52Bk)との間を通るように、ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト61が支持ローラ62a、62b、63cにて巻回張設されて矢印方向に移動可能に配置されている。
本実施例においても、画像形成装置本体100Aの上方部には、露光装置53を構成する光源装置及びポリゴンミラーなどが設置されており、感光ドラム51(51Y、51M、51C、51Bk)上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。
現像装置4(4Y、4M、4C、4Bk)には、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの非磁性トナーからなる一成分現像剤が所定量充填されており、現像ローラ11(11Y、11M、11C、11Bk)にて感光ドラム1上の潜像を順次各色のトナーで現像してトナー像を形成し、中間転写ベルト61上に1次転写される。
さらに、転写材カセット(図示せず)に収容された転写材Pが2次転写手段である2次転写装置としての2次転写ローラ63へ搬送され、中間転写ベルト61上に担持されたトナー像は転写材Pへ2次転写される。トナー像が転写された転写材Pは、定着装置(図示せず)にて加熱及び加圧によりトナー像を定着した後、フルカラー画像として装置外に排出される。
また、転写材Pへの2次転写位置から中間転写ベルト進行方向下流には中間転写ベルト61表面に付着したかぶりトナーや2次転写残トナー等をクリーニングするために中間転写ベルトクリーニング装置64が配置されている。
一方、感光ドラム51(51Y、51M、51C、51Bk)上に残留した1次転写残トナー等は、感光ドラムクリーニング装置57(57Y、57M、57C、57Bk)により清掃される。
このようなフルカラー画像形成装置においては、多色の画像が一枚の紙に重なるため、かぶりに対して、モノクロ機種よりもはるかに高いレベルが要求されるのであるが、本実施例のトナー補給方法は、このようなフルカラー画像形成装置にも、より好適に用いることが出来る。
さらに、補給閾値t3を各プロセスカートリッジ30(30Y、30M、30C、30Bk)の不揮発性メモリ39(39Y、39M、39C、39Bk)に収納したことで、各現像装置に固有の補給閾値t3を持たせることが可能となった。
従って、本実施例では、カートリッジ製造状況に応じて最適なt3を個別に設けたり、トナーの色ごとに異なる補給閾値t3を設けたりすることが可能となり、常に最適な補給閾値にて画像形成装置を運用することが可能となる。