JP2007046475A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料噴射弁において、閉弁状態の弁体と弁座との間から燃料が流出することを抑制する。
【解決手段】 弁座7aが形成された弁座部材7と、弁座7aに離着座する弁体9と、弁体9を閉弁方向に付勢するコイルスプリングと、磁気吸引力を発生させて弁座を離座させる電磁コイルと、を備える燃料噴射弁において、弁座7aに形成された凹凸7cを、有機化合物からなる被覆層31で平滑化した。
【選択図】 図3
【解決手段】 弁座7aが形成された弁座部材7と、弁座7aに離着座する弁体9と、弁体9を閉弁方向に付勢するコイルスプリングと、磁気吸引力を発生させて弁座を離座させる電磁コイルと、を備える燃料噴射弁において、弁座7aに形成された凹凸7cを、有機化合物からなる被覆層31で平滑化した。
【選択図】 図3
Description
本発明は、燃料噴射弁に関する。
従来、弁座が形成された弁座部材と、弁座に着座する弁体とを備え、弁体を弁座に離座させて開状態とすることにより燃料を内燃機関内に噴射する一方、燃料噴射を停止するときには弁体を弁座に着座させて閉弁状態とする燃料噴射弁がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−311168号公報
しかしながら、弁座部材や弁体は、金属製であり、機械加工によって表面仕上げが施されているため、加工精度のばらつきによっては、それら弁座部材、弁体の表面粗さが大きくなってしまい、閉弁状態において、弁体と弁座との間の油密性が低くなり弁体と弁座との間から燃料が流出してしまうという問題がある。
本発明の目的は、燃料噴射弁において、閉弁状態の弁体と弁座との間から燃料が流出することを抑制することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、弁座が形成された弁座部材と、前記弁座に離着座する弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、磁気吸引力を発生させて前記弁座を離座させる電磁コイルと、を備える燃料噴射弁において、前記弁座の表面に形成された凹凸と前記弁体の表面に形成された凹凸とのうちの少なくとも一方を、有機化合物からなる被覆層によって平滑化したことを特徴とする。
したがって、被覆層によって、閉弁状態の弁体と弁座との間の油密性が向上するので、閉弁状態の弁体と弁座との間から燃料が流出することを抑制することができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記弁座の表面に形成された凹凸を前記被覆層によって平滑化した。
したがって、弁座の表面に形成された凹凸が被覆層によって平滑化されていることから、閉弁状態の弁体と弁座との間の油密性が向上するので、閉弁状態の弁体と弁座との間から燃料が流出することを抑制することができる。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記被覆層の厚さをtとしたとき、0.1μm≦t≦1.5μmとしたことを特徴とする。
したがって、閉弁状態の弁体と弁座との間から燃料が流出することを抑制することができるとともに、被覆層が弁座や弁体から剥離することを抑制することができる。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、内燃機関に用いられる燃料噴射弁を例示する。図1は、本実施形態にかかる燃料噴射弁を示す断面図(軸方向に沿った断面の図)、図2は、燃料噴射弁の弁体付近を拡大して示す断面図、図3は(a)は、被覆層が弁座の弁体着座領域のみに設けられた場合の弁座付近を拡大して示す断面図、図3(b)は、被覆層が弁座において弁体着座領域を含みその弁体着座領域よりも広い領域に設けられた場合の弁座付近を示す断面図である。なお、図3は、図2における領域Aの部位を示している。
本実施形態にかかる燃料噴射弁1は、燃料配管に設けられたボス部(いずれも図示せず)に接続され、燃料配管内を流れる燃料を内燃機関内(吸気ポートやシリンダ内等)に噴射するものである。
図1に示すように、燃料噴射弁1は、本体部として、ケーシング2や、磁性筒体3、コア筒5、ヨーク13、樹脂カバー16等を含んで構成されている。
このうち、磁性筒体3は、例えば、磁性を有するステンレス材料等の素材に深絞り加工等のプレス加工を施すことにより、段差を有する薄肉の金属管として形成される。本実施形態では、磁性筒体3の軸方向の一端側には大径部3aが、また他端側にはより小径の小径部3bが、それぞれ形成されており、大径部3aの端部が燃料配管のボス部内に挿入された状態で、磁性筒体3が燃料配管に接続されるようになっている。
磁性筒体3(大径部3a)の入口側の外周面には、磁性筒体3と燃料配管のボス部との間の液密を確保するOリング18が外装される。
磁性筒体3の入口側(上流側)の開口部には、フィルタ21が装着される。フィルタ21は、磁性筒体3の大径部3a内に圧入される筒状の芯金21aと、磁性筒体3よりも軟質な樹脂材料、例えばナイロン、フッ素樹脂等を用いて芯金21aと一体に形成(射出成形)されたフレーム21bと、当該フレーム21bに取付けられて燃料を透過させるメッシュ21cとによって大略構成されている。
磁性筒体3の内側には、コア筒5が嵌挿される。コア筒5は、弁体9のアンカ部10、ヨーク13と共に電磁コイル15による閉磁路を形成するとともに、弁体9の開弁位置を規定するものである。本実施形態では、コア筒5は、磁性筒体3の小径部3b内に圧入して取付けられ、その先端面は弁体9を構成するアンカ部10の端面に小さな隙間δをもって対面する構成となっている。
図1及び図2に示すように、磁性筒体3の下流側端部には、筒状の弁座部材7が配設される。この弁座部材7には、燃料通路4内の燃料を噴射する噴射口7bと、後述する弁体9の弁部11を着座させるとともに開弁時には当該弁部11を取り囲んで環状の燃料流路を形成する弁座7aとが形成される。本実施形態では、小径部3b内に圧入した磁性筒体3の外周側を当該小径部3bに全周に亘って溶接することで、弁座部材7が当該磁性筒体3の端部に固定されている。
弁座部材7は、金属によって構成されると共に、機械加工によって表面仕上げ加工がなされたものである。ここで、このように表面仕上げ加工を施しても弁座7aを含む弁座部材7の表面は、図3に示すように、微小な凹凸7cが形成された状態となってしまう。なお、図3では、説明の為に凹凸7cを誇張して示している。そこで、本実施形態では、弁座7aに形成された凹凸7cを、有機化合物からなる被覆層31で平滑化している。このように、弁座7aに形成された凹凸7cを被覆層31で平滑化することで、弁座7aの見かけ上の表面粗さを小さくしている。この被覆層31は、例えば、弁座7aに有機化合物を塗布することによって形成される。被覆層31を構成する有機化合物としては、例えば、パーフルオロポリエーテル化合物が耐熱性と異物の非付着性とが高く好適である。
この被覆層31は、凹凸7c全体を覆うように設けられていても良いし、凹凸7cのうち凹部の一部だけを埋めるように設けられていてもよい。また、通常、弁座7aの凹凸7cの高低差は、0.5μm〜1.0μmの範囲内であることから、被覆層31の厚さをtとしたとき、0.1μm≦t≦1.5μmであることが好適である。
また、被覆層31は、図3(a)に示すように、弁座7aのうち弁体9の弁部11が着座する弁体着座領域Bのみに形成されていても良いし、図3(b)に示すように、弁座7aにおいて弁体着座領域Bを含みその弁体着座領域Bよりも広い領域に形成されていても良い。弁体着座領域Bを含みその弁体着座領域Bよりも広い領域に被覆層31を形成した場合には、被覆層31の形成領域に自由度があるので被覆層31の形成が容易化され、被覆層31を弁座7aの弁体着座領域Bのみに形成した場合には、被覆層31の使用量が抑制される。
図1及び図2に示すように、この弁座部材7の先端面の噴射口7bを覆う位置には、ノズルプレート8が例えば溶接によって固定されており、このノズルプレート8に設けられた噴射孔(図示せず)から所定の位置あるいは方向に燃料を噴出できるようにしてある。
コア筒5と弁座部材7との間には、磁性筒体3の小径部3b内で軸方向に変位可能な弁体9が収容される。本実施形態では、弁体9は、磁性金属材料により軸方向に延びる段付筒状に形成されたアンカ部10と、アンカ部10の先端部に固着されて弁座部材7の弁座7aに離着座する球状の弁部11とを備えている。
この弁体9に閉弁方向の付勢力を与える付勢手段として、コイルスプリング12が設けられる。このコイルスプリング12の上端は、コア筒5内に嵌挿された筒状のアジャスタ19の下端に当接する一方、コイルスプリング12の下端部は、弁体9のアンカ部10の上部に形成された凹部10aに挿入されており、軸方向に伸びる方向に弾性力を発生させる。すなわち、このコイルスプリング12は圧縮バネとして用いられ、弁体9に対し、コア筒5から離間する方向、すなわち閉弁方向に付勢力を作用させる。
一方、磁性筒体3の外周側には、段付筒状に形成されたヨーク13が設けられている。本実施形態では、ヨーク13は、磁性筒体3の小径部3bの外周側に圧入して固着されている。また、ヨーク13と磁性筒体3の小径部3bとの間は、連結コア14が設けられている。本実施形態では、連結コア14は、小径部3bの外周側を取囲む略C字状の磁性体として形成されている。
そして、磁性筒体3とヨーク13との間には、電磁コイル15が設けられる。本実施形態では、電磁コイル15は、樹脂材料により形成された筒状のコイルボビン15aと、該コイルボビン15aに巻装されたコイル15bとを備えており、コイルボビン15aが磁性筒体3の小径部3bに外装されている。なお、電磁コイル15は、コネクタ17のピン20および樹脂カバー16内に形成される導電経路を介して通電される。
樹脂カバー16は、磁性筒体3の外周側に設けられる。この樹脂カバー16は、例えば、磁性筒体3の外周側に、ヨーク13や、連結コア14、電磁コイル15等を組付けた状態で、射出成形することによって形成することができる。なお、樹脂カバー16とコネクタ17は一体成形されている。
以上の構成を備える燃料噴射弁1において、弁体9にはコイルスプリング12から閉弁方向の付勢力が作用しており、電磁コイル15が通電されない状態では、弁部11が弁座7aに着座した状態が維持される(閉弁状態)。このとき、アンカ部10とコア筒5との間には、軸方向の隙間δが形成される。
一方、電磁コイル15が通電されると、コア筒5、アンカ部10、およびヨーク13等によって閉磁路が形成され、これにより、アンカ部10にはコア筒5に近接する方向の磁力が作用する。ここで、この磁力(吸着力)は、コイルスプリング12の付勢力より大きくなるように設定してあるため、電磁コイル15が通電されると、弁体9がコア筒5に引き寄せられ、弁部11が弁座7aから離座する(開弁状態)。
この開弁状態において、燃料は、磁性筒体3およびコア筒5内の燃料通路4を流下した後、弁体9のアンカ部10の凹部10a内に流入し、さらにその奥のアンカ部10の側壁に形成された開口窓部9aを経由して弁体9の背圧室6に流入する。さらに、燃料は、背圧室6から、開弁時に弁部11と弁座部材7の弁座7aとの間に形成される隙間を経由して、噴射口7bに至り、ノズルプレート8の噴射孔から噴射される。
以上の本実施形態によれば、弁座7aに形成された凹凸7cが、有機化合物からなる被覆層31で平滑化されていることにより、閉弁状態の弁体9と弁座7aとの間の油密性が向上するので、閉弁状態の弁体9と弁座7aとの間から燃料が流出することを抑制することができる。
また、被覆層31を弁座7aの弁体着座領域Bのみに形成した場合には、被覆層31の使用量が抑制されるので、燃料噴射弁1のコストの増大を抑制することができる。一方、弁座7aにおいて弁体着座領域Bを含みその弁体着座領域Bよりも広い領域に被覆層31を形成した場合には、被覆層31の形成領域に自由度があるので、被覆層31の形成を容易化することができる。
また、被覆層31の厚さをtとしたとき、0.1μm≦t≦1.5μmとすることにより、閉弁状態の弁体9と弁座7aとの間から燃料が流出することを抑制することができると共に、被覆層31の高さが高すぎることがないので、被覆層31が燃料の流れなどから受ける外力によって弁座7aから剥離することを抑制することができる。
また、本実施の形態では、被覆層31を構成する有機化合物がパーフルオロポリエーテル化合物であることにより、パーフルオロポリエーテル化合物は耐熱性と異物の非付着性とが比較的高いので、耐熱性と異物の非付着性とが高い被覆層31を実現することができる。また、このように、被覆層31の異物の非付着性が高いことにより、弁座7aに異物が滞留することを防止することができる。
なお、本発明は、次のような別の実施形態に具現化することができる。以下の別の実施形態でも上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、被覆層31を構成する有機化合物として、例えば、パーフルオロポリエーテル化合物を例に説明したが、これ以外の有機化合物によって被覆層31を構成してもよい。
(2)また、上記実施形態では、弁座7aに形成された凹凸7cを、有機化合物からなる被覆層31で平滑化した例を説明したが、弁座7aではなく弁体9の表面に形成された凹凸を有機化合物からなる被覆層によって平滑化しても良いし、さらには、弁座7aに形成された凹凸7cと弁体9の表面に形成された凹凸との両方を有機化合物からなる被覆層31によって平滑化しても良い。
また、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1に記載の燃料噴射弁では、前記有機化合物は、パーフルオロポリエーテル化合物とするのが好適である。
こうすれば、耐熱性と異物の非付着性とが高い被覆層を実現することができる。
1 燃料噴射弁
7 弁座部材
7a 弁座
9 弁体
12 コイルスプリング(付勢手段)
15 電磁コイル
31 被覆層
7 弁座部材
7a 弁座
9 弁体
12 コイルスプリング(付勢手段)
15 電磁コイル
31 被覆層
Claims (3)
- 弁座が形成された弁座部材と、
前記弁座に離着座する弁体と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、
磁気吸引力を発生させて前記弁座を離座させる電磁コイルと、
を備える燃料噴射弁において、
前記弁座の表面に形成された凹凸と前記弁体の表面に形成された凹凸とのうちの少なくとも一方を、有機化合物からなる被覆層によって平滑化したことを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記弁座の表面に形成された凹凸を前記被覆層によって平滑化したことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記被覆層の厚さをtとしたとき、0.1μm≦t≦1.5μmとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005228862A JP2007046475A (ja) | 2005-08-05 | 2005-08-05 | 燃料噴射弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005228862A JP2007046475A (ja) | 2005-08-05 | 2005-08-05 | 燃料噴射弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007046475A true JP2007046475A (ja) | 2007-02-22 |
Family
ID=37849516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005228862A Abandoned JP2007046475A (ja) | 2005-08-05 | 2005-08-05 | 燃料噴射弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007046475A (ja) |
-
2005
- 2005-08-05 JP JP2005228862A patent/JP2007046475A/ja not_active Abandoned
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20081215 |