JP2011127487A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴霧状態のバラツキを抑制する燃料噴射弁の提供。
【解決手段】弁ボディ11は、内燃機関へ燃料を噴射する噴孔18、並びに噴孔18よりも燃料上流側に設けられる弁座部19を有する。弁部材40は、弁座部19に対する離着座により噴孔18からの燃料噴射を断続する弁部41、並びに弁部41の燃料上流側から径外側へ突出して弁ボディ11により案内される案内部44を有する。燃料が流通する燃料流路46を弁ボディ11との間に形成する案内部44は、当該燃料流路46の燃料下流側において、弁部41との径差を埋める段差面44bにより弁部41と接続される。弁部41には、弁座部19に対して離着座する当接部41a、並びに燃料下流側の当接部41aへ向かって縮径する縮径面48が設けられ、当該縮径面48は、燃料下流側へ向かって縮径率が一定のテーパ面状に形成される。
【選択図】図2
【解決手段】弁ボディ11は、内燃機関へ燃料を噴射する噴孔18、並びに噴孔18よりも燃料上流側に設けられる弁座部19を有する。弁部材40は、弁座部19に対する離着座により噴孔18からの燃料噴射を断続する弁部41、並びに弁部41の燃料上流側から径外側へ突出して弁ボディ11により案内される案内部44を有する。燃料が流通する燃料流路46を弁ボディ11との間に形成する案内部44は、当該燃料流路46の燃料下流側において、弁部41との径差を埋める段差面44bにより弁部41と接続される。弁部41には、弁座部19に対して離着座する当接部41a、並びに燃料下流側の当接部41aへ向かって縮径する縮径面48が設けられ、当該縮径面48は、燃料下流側へ向かって縮径率が一定のテーパ面状に形成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、噴孔から内燃機関へ燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
従来、弁ボディにおいて噴孔よりも燃料上流側に設けられた弁座部に対して、弁部材の弁部を離着座させることにより、噴孔からの燃料噴射を断続するようにした燃料噴射弁が知られている。
こうした燃料噴射弁の一種として特許文献1に開示のものは、弁部の燃料上流側から径外側へ突出して弁ボディにより案内される案内部を弁部材に設け、燃料を流通させる燃料流路を当該案内部と弁ボディとの間に形成している。かかる構成によれば、案内部の案内によって弁座部への弁部の離着座が正確となるだけでなく、当該離着座のうち離座時には、燃料流路を通じて燃料が案内部の上流側から下流側へ確実に流通するので、噴孔からの燃料噴射が案内部によっては妨げられない。
さて、特許文献1に開示の燃料噴射弁の案内部は、弁ボディとの間に形成される燃料流路の燃料下流側にて、弁部との径差を埋める段差面により当該弁部と接続された形となっている。そのため、燃料流路から下流側の弁部へ向かう燃料流れは、案内部の段差面から剥離して渦状の乱流を発生させるおそれがある。しかし、特許文献1に開示の燃料噴射弁において弁部は、弁座部に対して離着座する燃料下流側の当接部へ向かって一定径の円柱状に形成されているため、段差面からの剥離により乱流状態となった燃料流れを整流することができない。その結果、当接部近傍における燃料流れの流速が流通箇所によって不均一となることから、当該当接部よりも下流側となる噴孔からの噴射燃料について、噴霧状態にバラツキを招来するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、噴孔からの噴射燃料について噴霧状態のバラツキを抑制する燃料噴射弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関へ燃料を噴射する噴孔、並びに噴孔よりも燃料上流側に設けられる弁座部、を有する弁ボディと、弁座部に対する離着座により噴孔からの燃料噴射を断続する弁部、並びに弁部の燃料上流側から径外側へ突出して弁ボディにより案内される案内部、を有する弁部材と、を備え、燃料が流通する燃料流路を弁ボディとの間に形成する案内部は、当該燃料流路の燃料下流側において、弁部との径差を埋める段差面により弁部と接続される燃料噴射弁であって、弁部は、弁座部に対して離着座する当接部、並びに燃料下流側の当接部へ向かって縮径する縮径面が、設けられ、縮径面は、燃料下流側へ向かって縮径率が一定のテーパ面状、又は燃料下流側へ向かうほど縮径率が大きな凸形曲面状に形成されることを特徴とする。
このように、請求項1に記載の発明の弁部材によると、弁部の燃料上流側から径外側へ突出する案内部は、それを案内する弁ボディとの間に形成の燃料流路の燃料下流側において、当該弁部との径差を埋める段差面により当該弁部と接続されている。そのため、燃料流路から下流側の弁部へ向かう燃料流れは、案内部の段差面から剥離して渦状の乱流を発生させるおそれがある。
そこで、請求項1に記載の発明の弁部材によると、弁部には、弁ボディの弁座部に対して離着座する燃料下流側の当接部へ向かって縮径するように、縮径面が設けられる。これによれば、段差面からの剥離によって乱流状態となった燃料は、下流側へ向かって縮径する縮径面に沿いながら当該下流側へと流通することで、流速が低下して昇圧される。かかる昇圧の結果、乱流状態の燃料は整流されて下流側の当接部近傍まで達するので、当該近傍における燃料流れの流速は、流通箇所によって不均一になり難い。しかも、請求項1に記載の発明によると、燃料下流側へ向かって縮径率が一定のテーパ面状、又は当該下流側へ向かうほど縮径率が大きな凸形曲面状の縮径面には、当該下流側へ流通する燃料を確実に沿わせることができるので、整流作用の発揮が確固たるものとなる。以上のことから、当接部よりも下流側となる噴孔からの噴射燃料について、噴霧状態のバラツキを抑制することが可能となるのである。
請求項2に記載の発明によると、段差面は、弁ボディと案内部との間の燃料流路に対して径内側に拡がる。このように、弁ボディと案内部との間の燃料流路に対して径内側に拡がる段差面からは、当該燃料流路から燃料下流側の弁部へと向かう燃料流れが剥離し易い。しかし、上述の如き縮径面が設けられることによれば、段差面からの剥離によって乱流状態となった燃料に整流作用を及ぼして、噴霧状態のバラツキ抑制に貢献することができるのである。
請求項3に記載の発明によると、弁部は、燃料下流側の当接部へ向かって縮径面を複数形成することにより複数段に縮径され、各縮径面の形状は、テーパ面状及び凸形曲面状のうち、それぞれに予め定められた一方である。これによれば、燃料下流側の当接部へ向かって弁部材の弁部を複数段に縮径してなる各縮径面に沿うようにして、乱流状態の燃料が流れることで、当接部近傍に達するまでの間の当該燃料には、整流作用が繰り返し及ぼされ得る。故に、当接部近傍での燃料流速の不均一さを十分に解消して、噴霧状態のバラツキ抑制に貢献することができるのである。
請求項4に記載の発明によると、燃料下流側の弁部へ向かって縮径する段差面は、燃料下流側へ向かって縮径率が一定のテーパ面状、又は燃料下流側へ向かうほど縮径率が大きな凸形曲面状に形成される。このように案内部において、燃料下流側の弁部へ向かって縮径する縮径率が当該下流側へ向かって一定のテーパ面状、又は縮径率が当該下流側ほど大きな凸形曲面状に形成の段差面には、燃料上流側の燃料流路から弁部へ向かう燃料流れが沿い易くなる。これによれば、燃料流速の不均一さを招く乱流の発生自体を低減して、噴霧状態のバラツキ抑制に貢献することができるのである。
尚、「縮径率」とは、燃料下流側へ向かうに従って縮小する径につき、当該下流側へ向かう方向の単位距離に対する径変化量を意味している。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による燃料噴射弁10を示している。燃料噴射弁10は、内燃機関としてのガソリンエンジンに設置され、当該ガソリンエンジンの燃焼室(図示しない)へ燃料を噴射する。尚、かかる適用形態以外にも、例えば燃料噴射弁10は、ガソリンエンジンの燃焼室に連通する吸気通路へ燃料を噴射するものであってもよいし、内燃機関としてのディーゼルエンジンの燃焼室へ燃料を噴射するものであってもよい。
図1は、本発明の第一実施形態による燃料噴射弁10を示している。燃料噴射弁10は、内燃機関としてのガソリンエンジンに設置され、当該ガソリンエンジンの燃焼室(図示しない)へ燃料を噴射する。尚、かかる適用形態以外にも、例えば燃料噴射弁10は、ガソリンエンジンの燃焼室に連通する吸気通路へ燃料を噴射するものであってもよいし、内燃機関としてのディーゼルエンジンの燃焼室へ燃料を噴射するものであってもよい。
(基本部分)
以下、燃料噴射弁10の基本部分について、詳細に説明する。燃料噴射弁10は、弁ボディ11、固定コア20、可動コア30、弁部材40、弾性部材50、並びに駆動部60を備えている。
以下、燃料噴射弁10の基本部分について、詳細に説明する。燃料噴射弁10は、弁ボディ11、固定コア20、可動コア30、弁部材40、弾性部材50、並びに駆動部60を備えている。
弁ボディ11は、コアハウジング12、入口部材13、ノズルホルダ14及びノズルボディ15等から構成されている。コアハウジング12は円筒状に形成されており、軸方向の一端部側から他端部側へ向かって順に第一磁性部12a、非磁性部12b及び第二磁性部12cを有している。磁性からなる各磁性部12a,12cと、非磁性材からなる非磁性部12bとは、レーザ溶接等によって結合されている。かかる結合構造によって非磁性部12bは、第一磁性部12aと第二磁性部12cの間において磁束が短絡するのを防止している。
第二磁性部12cにおいて非磁性部12bとは反対側の軸方向端部には、円筒状の入口部材13が固定されている。入口部材13は、燃料ポンプ(図示しない)から燃料が供給される燃料入口13aを形成している。燃料入口13aへの供給燃料を濾過して下流側のコアハウジング12内へ導くために本実施形態では、入口部材13の内周側に燃料フィルタ16が固定されている。
第一磁性部12aにおいて非磁性部12bとは反対側の軸方向端部には、磁性材にyって円筒状に形成されたノズルホルダ14を介して、ノズルボディ15が固定されている。ノズルボディ15は有底円筒状に形成されており、コアハウジング12及びノズルホルダ14と共同して燃料空間17を内周側に形成している。
ノズルボディ15は、噴孔18及び弁座部19を有している。図2,3に示すように噴孔18は、ノズルボディ15の中心軸線15a周りに等間隔をあけて複数設けられ、それぞれ円筒孔状に形成されている。各噴孔18は、中心軸線15a周りの同一仮想円15b上に燃料入口側が位置し、且つ燃料出口側(燃料下流側)へ向かうに従ってノズルボディ15の外周側に傾斜している。尚、噴孔18の形成形態、例えば形成数や形状、傾斜角度等については、図2,3に示すもの以外にも適宜設定可能である。
図2に示すように弁座部19は、各噴孔18に対して燃料上流側に設けられている。弁座部19は、軸方向のうち燃料下流側へ向かうに従って一定の縮径率で縮径するテーパ面状の内周面により、弁座面19aを形成している。
図1に示すように固定コア20は、磁性材によって円筒状に形成されており、コアハウジング12のうち非磁性部12b及び第二磁性部12cの内周面に同軸上に固定されている。固定コア20には、その中央部を軸方向に貫通する貫通孔20aが設けられている。燃料入口13aから燃料フィルタ16を経て貫通孔20aへ流入する燃料は、その下流側となる可動コア30側へ向かって当該貫通孔20aから流出することとなる。
可動コア30は、磁性材によって段付円筒状に形成されており、コアハウジング12の内周側に同軸上に配置されて燃料上流側の固定コア20と軸方向に対向している。可動コア30は、コアハウジング12のうち非磁性部12bの内周壁によって案内されることで、軸方向両側への正確な往復移動が可能となっている。可動コア30には、その中央部を軸方向に貫通する第一貫通孔30aと、軸方向中間部を径内側から径外側へ貫通して第一貫通孔30aに連通する第二貫通孔30bとが、設けられている。固定コア20の貫通孔20aから流出した燃料は、その下流側において可動コア30の第一貫通孔30aへ流入し、第二貫通孔30bからコアハウジング12内の燃料空間17へ流出することになる。
弁部材40は、非磁性材によって横断面が円形のニードル状に形成されており、弁ボディ11のうち要素12,14,15が内周側に形成する燃料空間17内に同軸上に配置されている。弁部材40において燃料上流側の軸方向端部は、可動コア30の第一貫通孔30aの内周面に同軸上に固定されている。
弁部材40は、その軸方向において、燃料下流側の端部に弁部41を有し、当該弁部41よりも燃料上流側に案内部44を有している。図2に示すように弁部41は、軸方向のうち燃料下流側へ向かうに従って縮径する当接部41aを形成しており、弁座面19aに対して当該当接部41aを当接可能に対向させている。弁部材40が当接部41aを弁座面19aから離座させる開弁作動時には、燃料空間17の燃料が各噴孔18から燃焼室へ噴射される。また一方、弁部材40が当接部41aを弁座面19aに着座させる閉弁作動時には、各噴孔18から燃焼室への燃料噴射が遮断されるのである。
図2,4に示すように案内部44は、弁部41のうち当接部41aとは反対側の軸方向端部から径外側へ鍔状に突出しており、その突出縁を形成する外周面44aをノズルボディ15の内周面15cに接触させている。かかる接触構造によって案内部44は、外周面44aをノズルボディ15の内周面15cによって摺動案内されることで、軸方向に正確に往復移動可能となっている。
案内部44は、軸方向に貫通する燃料孔45を形成している。燃料孔45は、案内部44の周方向に等間隔をあけて設けられ、それぞれ案内部44の外周面44a及び軸方向端面44b,44cに開口している。かかる開口形態によって各燃料孔45は、燃料空間17のうち案内部44よりも上流側から下流側へ向かって燃料を流通させる燃料流路46を、案内部44とノズルボディ15との間に形成している。それと共に、案内部44において弁部41と接続されている側の軸方向端面44bは、各燃料流路46の燃料下流側において弁部41との径差を埋める段差面44bを形成しており、それら燃料流路46に対して径内側に拡がっている。
図1に示すように、弾性部材50は金属製の圧縮コイルスプリングからなり、固定コア20に設けられた貫通孔20aの内周側に同軸上に収容されている。弾性部材50の一端部は、貫通孔20aの内周面に固定されたアジャスティングパイプ22の軸方向端部に係止されている。弾性部材50の他端部は、可動コア30のうち第一貫通孔30aの内面に係止されている。かかる係止構造によって弾性部材50は、それを挟む要素22,30間にて圧縮されることによって弾性変形する。したがって、弾性部材50が弾性変形によって発生する復原力は、弁部材40と共に可動コア30を燃料下流側へ付勢する付勢力となる。尚、弾性部材50のセット荷重は、貫通孔20aへのアジャスティングパイプ22の圧入量に応じて調整されている。
駆動部60は、コイル61、樹脂ボビン62、磁性ヨーク63、コネクタ64等から構成されている。コイル61は、樹脂ボビン62に金属線材を巻回してなり、その外周側に磁性ヨーク63が配置されている。コイル61は、コアハウジング12のうち固定コア20の外周側となる非磁性部12b及び第二磁性部12cの外周面に、樹脂ボビン62を介して同軸上に固定されている。コイル61は、コネクタ64に設けられたターミナル64aを介して外部の制御回路(図示しない)と電気接続されており、当該制御回路によって通電制御されるようになっている。
ここで、コイル61が通電によって励磁するときには、磁性ヨーク63、ノズルホルダ14、第一磁性部12a、可動コア30、固定コア20及び第二磁性部12cが共同して形成する磁気回路に、磁束が流れる。その結果、可動コア30と固定コア20との間に、可動コア30を燃料上流側の固定コア20へ向かって吸引する磁気吸引力が発生する。また一方、通電の停止によってコイル61が消磁するときには、上述の磁気回路に磁束が流れなくなるため、可動コア30と固定コア20との間において磁気吸引力が消失するのである。
このように構成された燃料噴射弁10の開弁作動では、コイル61への通電が開始されることで、磁気吸引力が可動コア30に作用する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50の復原力に抗して固定コア20側へと移動することで、当該固定コア20と当接して停止する。その結果、弁座面19aから当接部41aが離座した状態となるので、各噴孔18から燃料が噴射されることとなる。
こうした開弁作動後における燃料噴射弁10の閉弁作動では、コイル61への通電が停止されることで、可動コア30に作用する磁気吸引力が消失する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50の復原力による付勢側へと移動することで、当該弁部材40を弁座部19と当接させて停止する。その結果、弁座面19aに当接部41aが着座した状態となるので、各噴孔18からの燃料噴射が停止することとなる。
(特徴部分)
以下、燃料噴射弁10の弁部41及び案内部44につき、図2に示す特徴部分を説明する。
以下、燃料噴射弁10の弁部41及び案内部44につき、図2に示す特徴部分を説明する。
図2,5に示すように弁部41は、尖端側の当接部41aと案内部44の段差面44bとの間において外周面41bが当接部41aへ向かって一段縮径されることで、縮径面48を軸方向の一箇所に形成している。縮径面48は、軸方向のうち当接部41a側となる燃料下流側へ向かうに従って縮径し且つ縮径率が当該下流側へ向かって一定のテーパ面状に形成されている。さらに本実施形態では、かかる縮径面48に準じて案内部44の段差面44bは、軸方向のうち弁部41側となる燃料下流側へ向かうに従って縮径し且つ縮径率が当該下流側へ向かって一定のテーパ面状に形成されている。
このような弁部41及び案内部44を備えた燃料噴射弁10の開弁作動において、弁部材40の周囲を囲む燃料空間17の燃料は、案内部44の上流側から各燃料流路46を通じて下流側へと流動する。このとき、案内部44の外周面44aと弁部41の外周面41bとの径差を各燃料流路46の径内側にて埋める段差面44bからは、各燃料流路46から下流側の弁部41へ向かう燃料流れが剥離することで、渦状の乱流を発生させる事態が懸念される。
しかし、本実施形態の案内部44において段差面44bは、燃料下流側へ向かって縮径する縮径率が一定となるようにテーパ面状に形成されているので、当該段差面44bには、各燃料流路46から弁部41へと向かう燃料流れが沿い易くなる。またそれに加えて、本実施形態の弁部41には、燃料下流側へ向かって縮径する縮径率が一定となるようなテーパ面状の縮径面48が形成されているので、当該縮径面48には、段差面44b側から燃料下流側の当接部41aへと向かう燃料流れが沿い易くなる。このとき、段差面44bからの剥離によって乱流状態となった燃料は、下流側へ向かって縮径する縮径面48に沿いつつ当該下流側へ流通することで、流速が低下して昇圧されることになる。かかる昇圧の結果、乱流状態の燃料は整流されて下流側の当接部41aの近傍に到達するので、当該近傍における燃料流れの流速は、流通箇所によって不均一になり難い。したがって、当接部41aよりも下流側となる噴孔18からの噴射燃料につき、噴霧状態のバラツキを抑制することが可能となるのである。
(第二実施形態)
図6は、本発明の第一実施形態の変形例である第二実施形態の燃料噴射弁210について、その要部を拡大して示している。燃料噴射弁210の弁部材240において弁部241に一段設けられる縮径面248は、径外側(外周側)へ膨らむ凸形曲面状に縮径されている。したがって、かかる縮径面248の縮径率は、当接部41a側となる軸方向の燃料下流側へ向かうほど大きくなるように、設定されている。
図6は、本発明の第一実施形態の変形例である第二実施形態の燃料噴射弁210について、その要部を拡大して示している。燃料噴射弁210の弁部材240において弁部241に一段設けられる縮径面248は、径外側(外周側)へ膨らむ凸形曲面状に縮径されている。したがって、かかる縮径面248の縮径率は、当接部41a側となる軸方向の燃料下流側へ向かうほど大きくなるように、設定されている。
このような第二実施形態の縮径面248によっても、燃料噴射弁210の開弁作動において、案内部44の段差面44b側から燃料下流側の当接部41aへと向かう燃料流れが沿い易くなる。これによれば、段差面44bからの剥離により乱流状態となった燃料流れであっても、当接部41aの近傍に達するまでの間に整流され得るので、当該当接部41aよりも下流側の噴孔18から噴射される燃料につき、噴霧状態のバラツキ抑制が可能となるのである。
(第三及び第四実施形態)
図7は、本発明の第一実施形態の変形例である第三実施形態の燃料噴射弁310について、その要部を拡大して示し、また図8は、本発明の第二実施形態の変形例である第四実施形態の燃料噴射弁410について、その要部を拡大して示している。燃料噴射弁310,410の弁部材340,440において、それぞれ案内部344,444と弁部41,241との径差を各燃料流路46の径内側にて埋める段差面344b,444bは、径外側(外周側)へ膨らむ凸形曲面状に縮径されている。したがって、かかる段差面344b,444bの縮径率は、それぞれ弁部41,241側となる軸方向の燃料下流側へ向かうほど大きくなるように、設定されている。
図7は、本発明の第一実施形態の変形例である第三実施形態の燃料噴射弁310について、その要部を拡大して示し、また図8は、本発明の第二実施形態の変形例である第四実施形態の燃料噴射弁410について、その要部を拡大して示している。燃料噴射弁310,410の弁部材340,440において、それぞれ案内部344,444と弁部41,241との径差を各燃料流路46の径内側にて埋める段差面344b,444bは、径外側(外周側)へ膨らむ凸形曲面状に縮径されている。したがって、かかる段差面344b,444bの縮径率は、それぞれ弁部41,241側となる軸方向の燃料下流側へ向かうほど大きくなるように、設定されている。
このような第三及び第四実施形態の段差面344b,444bも、燃料噴射弁310,410の開弁作動において、各燃料流路46から燃料下流側の弁部41,241へと向かう燃料流れが沿い易くなる。これによれば、段差面344b,444bからの燃料剥離に起因した乱流の発生自体が低減され得るので、それら段差面344b,444bよりも下流側となる噴孔18からの噴射燃料につき、噴霧状態のバラツキ抑制が可能となるのである。
(第五実施形態)
図9,10は、本発明の第一実施形態の変形例である第五実施形態の燃料噴射弁510について、その要部を拡大して示している。燃料噴射弁510において弁部材540の弁部541は、尖端側の当接部41aと案内部44の段差面44bとの間にて外周面541bが当接部41aへ向かって複数段に縮径されることで、第一実施形態に準じた形状の縮径面48を軸方向の複数個所(図9,10では、二箇所)に形成している。したがって、各縮径面48のうち燃料下流側のものほど、小径となっている。
図9,10は、本発明の第一実施形態の変形例である第五実施形態の燃料噴射弁510について、その要部を拡大して示している。燃料噴射弁510において弁部材540の弁部541は、尖端側の当接部41aと案内部44の段差面44bとの間にて外周面541bが当接部41aへ向かって複数段に縮径されることで、第一実施形態に準じた形状の縮径面48を軸方向の複数個所(図9,10では、二箇所)に形成している。したがって、各縮径面48のうち燃料下流側のものほど、小径となっている。
このように、複数の縮径面48の形成によって弁部541を複数段に縮径してなる第五実施形態の開弁作動においては、案内部44の段差面44b側から燃料下流側の当接部41aへと向かう燃料流れが、それら縮径面48に順次沿うようにして流れることとなる。これによれば、段差面44bからの剥離により乱流状態となった燃料流れであっても、当接部41aの近傍に達するまでの間に整流作用が繰り返し及ぼされ得る。故に、当接部41aよりも下流側の噴孔18から噴射される燃料につき、噴霧状態のバラツキ抑制が可能となるのである。
尚、第五実施形態の変形例を図11に示すように、少なくとも一方の縮径面48(図11では、燃料下流側の縮径面48のみ)に代わる縮径面として、第二実施形態に準じた形状の縮径面248が予め定められていてもよい。また、第五実施形態の別の変形例を図12に示すように、段差面44bに代わる段差面として、第三実施形態に準じた形状の段差面344bが予め定められていてもよい。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができるのである。
10,210,310,410,510 燃料噴射弁、11 弁ボディ、15 ノズルボディ、15c 内周面、17 燃料空間、18 噴孔、19 弁座部、19a 弁座面、20 固定コア、30 可動コア、40,240,340,440,540 弁部材、41,241,541 弁部、41a 当接部、41b,541b 外周面、44,344,444 案内部、44a 外周面、44b,344b,444b 段差面、45 燃料孔、46 燃料流路、48,248 縮径面、50 弾性部材、60 駆動部
Claims (4)
- 内燃機関へ燃料を噴射する噴孔、並びに前記噴孔よりも燃料上流側に設けられる弁座部、を有する弁ボディと、
前記弁座部に対する離着座により前記噴孔からの燃料噴射を断続する弁部、並びに前記弁部の燃料上流側から径外側へ突出して前記弁ボディにより案内される案内部、を有する弁部材と、
を備え、燃料が流通する燃料流路を前記弁ボディとの間に形成する前記案内部は、当該燃料流路の燃料下流側において、前記弁部との径差を埋める段差面により前記弁部と接続される燃料噴射弁であって、
前記弁部には、前記弁座部に対して離着座する当接部、並びに燃料下流側の前記当接部へ向かって縮径する縮径面が、設けられ、
前記縮径面は、燃料下流側へ向かって縮径率が一定のテーパ面状、又は燃料下流側へ向かうほど縮径率が大きな凸形曲面状に形成されることを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記段差面は、前記弁ボディと前記案内部との間の前記燃料流路に対して径内側に拡がることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁部は、燃料下流側の前記当接部へ向かって前記縮径面を複数形成することにより複数段に縮径され、
各前記縮径面の形状は、前記テーパ面状及び前記凸形曲面状のうち、それぞれに予め定められた一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。 - 燃料下流側の前記弁部へ向かって縮径する前記段差面は、燃料下流側へ向かって縮径率が一定のテーパ面状、又は燃料下流側へ向かうほど縮径率が大きな凸形曲面状に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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