JP2007023854A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加工の手間が少ない燃料噴射弁を得る。
【解決手段】 弁座が形成された弁座部材24と、弁座に離着座する弁体6と、弁体6を閉弁方向に付勢するコイルスプリング12と、磁気吸引力を発生させて弁体6を離座させる電磁コイル15と、を備えた燃料噴射弁1において、弁体6の少なくとも一部を樹脂材料で構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 弁座が形成された弁座部材24と、弁座に離着座する弁体6と、弁体6を閉弁方向に付勢するコイルスプリング12と、磁気吸引力を発生させて弁体6を離座させる電磁コイル15と、を備えた燃料噴射弁1において、弁体6の少なくとも一部を樹脂材料で構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関用の燃料噴射弁に関する。
従来より種々の燃料噴射弁が提案されている。特許文献1は、その一例としての燃料噴射弁を開示する。
特許文献1の燃料噴射弁は、弁座が形成された弁座部材と、弁座に離着座する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、磁気吸引力を発生させて弁座を離座させる電磁コイルと、を備えており、電磁コイルを通電して弁体を弁座から離座させたときに燃料が噴射される一方、電磁コイルの通電を解除すると、付勢手段によって弁体が弁座に着座して、燃料噴射が停止するようになっている。通常、この種の燃料噴射弁では、弁座部材および弁体とも金属材料で構成されている。
特開平10−122085号公報
しかしながら、この種の燃料噴射弁では、着座状態(閉弁状態)におけるシール性を確保すべく、弁座部材または弁体の面精度を高くするために研磨処理を施したり、また、弁体の反復動作による弁座部材または弁体の部分摩耗を抑制するために硬化処理を施したりしており、加工の手間がかかるという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加工の手間が少ない燃料噴射弁を得ることにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、燃料噴射弁において、弁体の少なくとも一部を樹脂材料で構成したことを趣旨とする。
また、請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、弁体を、弁座部材側に配置した樹脂材料からなる樹脂部と、他方側に配置した金属材料からなる金属部とを用いて構成したものである。
また、請求項3の発明は、上記請求項1の発明において、樹脂材料を、導電性樹脂材料としたものである。
請求項1の発明によれば、弁体の少なくとも一部を樹脂材料で構成したため、弁体を金属材料のみで構成した場合に比べて、加工の手間を減らすことができる。また、弁体を軽量化できて、開閉弁の応答性を向上することができる。
請求項2の発明によれば、樹脂材料からなる樹脂部を設けたことによるメリットに加えて、金属部を設けたことでより高い吸引力を発生させることができ、開弁の応答性を向上することができる。
請求項3の発明によれば、導電性樹脂材料を用いることで、加工が容易でかつ応答性の高い弁体を、より容易に形成することができる。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下では、内燃機関に用いられる燃料噴射弁について例示する。
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかる燃料噴射弁の縦断面図(軸方向に沿った断面の図)、図2は、燃料噴射弁の先端部を拡大した縦断面図であって、離座状態(開弁状態)を示す図である。
本実施形態にかかる燃料噴射弁1は、燃料配管に設けられたボス部(いずれも図示せず)に接続され、燃料配管内を流れる燃料を内燃機関内(吸気ポートやシリンダ内等)に噴射するものである。
燃料噴射弁1は、本体部として、ケーシング2や、磁性筒体3、コア筒5、ヨーク13、樹脂カバー16等を含んでいる。
このうち、磁性筒体3は、例えば、磁性を有するステンレス材料等の素材に深絞り加工等のプレス加工を施すことにより、段差を有する薄肉の金属管として形成される。本実施形態では、磁性筒体3の軸方向の一端側には大径部3aが、また他端側にはより小径の小径部3bが、それぞれ形成されており、大径部3aの端部が燃料配管のボス部内に挿入された状態で、磁性筒体3が燃料配管に接続されるようになっている。
この磁性筒体3(大径部3a)の入口側の外周面には、磁性筒体3と燃料配管のボス部との間の液密を確保するOリング18が外装される。
また、磁性筒体3の入口側(上流側)の開口部には、フィルタ21が装着される。フィルタ21は、磁性筒体3の大径部3a内に圧入される筒状の芯金21aと、磁性筒体3よりも軟質な樹脂材料、例えばナイロン、フッ素樹脂等を用いて芯金21aと一体に形成(射出成形)されたフレーム21bと、当該フレーム21bに取付けられて燃料を透過させるメッシュ21cとによって大略構成されている。
そして、磁性筒体3の内側には、コア筒5が嵌挿される。コア筒5は、弁体6の外筒部8、ヨーク13と共に電磁コイル15による閉磁路を形成するとともに、弁体6の開弁位置を規定するものである。コア筒5は、例えば、磁性筒体3の小径部3b内に圧入して取付けられる。
また、磁性筒体3の下流側端部には、筒状の弁座部材24が配設される。この弁座部材24は、略円筒状に形成される周壁部24bと、周壁部24bの下流側端部で内径方向に張り出すフランジ状の底壁部24aとを備える。そして、これら周壁部24bと底壁部24aとで囲まれる凹部24c内に、弁体6の弁部7が収容される。また、底壁部24aの底内面24dは、弁体6の環状底面6dと当接し、これらが当接することで閉弁時のシールが確保されるようになっている。すなわち、本実施形態では、底内面24dが着座面となる。
ここで、本実施形態では、弁座部材24を、耐薬品性および耐摩耗性が高いPI(ポリイミド)や、PEEK(ポリエチルエーテルケトン)、POM(アセタール;ポリオキシメチレン)等の樹脂材料(所謂エンジニアリングプラスチック)で構成している。樹脂材料は成形性に優れるため、従来のように金属材料を用いた場合に比べて、面精度を確保しやすく、また、好適な燃料流れを生じさせる形状等をより容易に形成できるという利点がある。
また、弁座部材24の底壁部24aの底外面に当接するようにして、ノズルプレート9が設けられる。このノズルプレート9には、その表裏(内外)を貫通する貫通孔として複数の噴射孔9fが形成される。この噴射孔9fの噴射方向は、軸方向に対して径方向外側に僅かに傾斜させてある。
コア筒5と弁座部材24との間には、磁性筒体3の小径部3b内で軸方向に変位可能な弁体6が収容される。本実施形態では、弁体6は、磁性金属材料によって形成され、軸方向に延びる筒状に形成された外筒部8と、樹脂材料によって形成され、外筒部8の内側に固着されて弁座部材24の底内面24dに離着座する弁部7と、を備えたものとして構成される。本実施形態では、弁部7が本発明の樹脂部に相当し、外筒部8が本発明の金属部に相当する。なお、本実施形態では、外筒部8の内壁に形成した凹凸部8aと、弁部7の上部の外壁に形成した凹凸部7dとを相互に食いこませて一体化させているが、かかる構成をインサート成形によって得ることができる。
弁部7は、上流側で径方向外側に膨出する上流側膨出部7aと、下流側で径方向外側に膨出する下流側膨出部7cと、より細い径でそれら膨出部7a,7cの間をつなぐ中間部7bとを備える。この中間部7bの周囲は、燃料収容室10となる。
上流側膨出部7aは、端部側に開口する有底円筒状に形成され、その凹部6a内には、コイルスプリング12が収容される。また、上流側膨出部7aの底壁には、凹部6aの内部と燃料収容室10とを連通する貫通孔6bが形成される。さらに、この底壁の中央部には、中間部7bから下流側膨出部7cまで貫通する有底円孔7eが形成され、軽量化ならびに成形性の向上が図られている。
下流側膨出部7cの外周には、燃料収容室10の燃料を噴射孔9f側に供給するための溝状の燃料通路6cが所定のピッチで複数形成される。この燃料通路6cは、軸方向に沿って真っ直ぐ流下するように形成してもよいし、螺旋状に形成して旋回流が形成されるようにしてもよい。なお、下流側膨出部7cにも適宜有底孔7fを形成し、軽量化ならびに成形性の向上を図るのが好適である。
この弁部7も、弁座部材24と同様、耐薬品性および耐摩耗性が高いPI(ポリイミド)や、PEEK(ポリエチルエーテルケトン)、POM(アセタール;ポリオキシメチレン)等の樹脂材料(所謂エンジニアリングプラスチック)で構成するのが好適である。
そして、この弁体6に閉弁方向の付勢力を与える付勢手段として、コイルスプリング12が設けられる。このコイルスプリング12の上端は、コア筒5内に嵌挿された筒状のアジャスタ19の下端に当接する一方、コイルスプリング12の下端部は、弁体6の凹部6a内に挿入されており、軸方向に伸びる方向に弾性力を発生させる。すなわち、このコイルスプリング12は圧縮バネとして用いられ、弁体6に対し、コア筒5から離間する方向、すなわち閉弁方向に付勢力を作用させる。
磁性筒体3の外周側には、段付筒状に形成されたヨーク13が設けられている。本実施形態では、ヨーク13を、磁性筒体3の小径部3bの外周側に圧入して固着している。また、ヨーク13と磁性筒体3の小径部3bとの間は、連結コア14が設けられている。本実施形態では、連結コア14を、小径部3bの外周側を取囲む略C字状の磁性体として形成している。また、ヨーク13の先端側には、Oリング23の溝を形成する樹脂キャップ11が取り付けられる。
磁性筒体3とヨーク13との間には、電磁コイル15が設けられる。本実施形態では、電磁コイル15を、樹脂材料により形成された筒状のコイルボビン15aと、該コイルボビン15aに巻装されたコイル15bとを有するものとし、コイルボビン15aを磁性筒体3の小径部3bに外装させている。なお、電磁コイル15は、コネクタ17のピン20および樹脂カバー16内に形成される導線22を介して通電される。
樹脂カバー16は、磁性筒体3の外周側に設けられる。この樹脂カバー16は、例えば、磁性筒体3の外周側に、ヨーク13や、連結コア14、電磁コイル15等を組付けた状態で射出成形することによって形成することができる。なお、樹脂カバー16とコネクタ17は一体成形されている。
以上の構成を備える燃料噴射弁1において、弁体6には付勢手段としてのコイルスプリング12から閉弁方向の付勢力が作用しており、電磁コイル15が通電されない状態では、弁体6が弁座部材24上に着座し、弁体6の環状底面6dと弁座部材24の底内面24dとが当接する状態が維持される。この着座状態(閉弁状態)では、環状底面6dと底内面24dとが面接触し、環状のシール領域が形成される。なお、この状態では、弁体6の環状底面6dより内側の内側底面6fとノズルプレート9の上面9eとが当接しないように構成されている。
一方、電磁コイル15が通電されると、コア筒5、外筒部8、およびヨーク13等によって閉磁路が形成され、これにより、外筒部8にはコア筒5に近接する方向の磁力が作用する。ここで、この磁力(吸着力)は、コイルスプリング12の付勢力より大きくなるように設定してあるため、電磁コイル15が通電されると、弁体6がコア筒5に引き寄せられ、弁体6が弁座部材24から離座し、弁体6の環状底面6dと底内面24dとが離間する(開弁状態;図2)。
この開弁状態において、燃料は、磁性筒体3およびコア筒5内の燃料通路4を流下した後、アジャスタ19およびコア筒5の筒内、弁体6上部の凹部6a内、および貫通孔6bを経由して燃料収容室10に流入する。さらに、燃料は、燃料収容室10から、下流側膨出部7cの外周に形成された燃料通路6c、弁体6の環状底面6dと弁座部材24の底内面24dとの隙間、および弁体の内側底面6fとノズルプレート9の上面9eとの隙間を経由して、噴射孔9fから噴射される。
ここで、上記構成により、本実施形態では、燃料通路6cでの燃料の流れと、環状底面6dと底内面24dとの隙間での燃料の流れとの間で、流れの方向が略直角あるいは鋭角的に大きく変化し、また、内側底面6fと上面9eとの隙間での燃料の流れと、噴射孔9f内での燃料の流れとの間でも、流れの方向が略直角あるいは鋭角的に大きく変化することになる。かかる流通方向の変化により、燃料の壁面からの剥離や乱流が生じ、この結果、噴射孔9fから噴出される燃料の流れにも乱れが生じて空気との攪拌が進み、燃料噴霧の微粒化が促進される。
以上の本実施形態によれば、弁体6の少なくとも一部、すなわち弁部7を樹脂材料で構成したため、弁体6を金属材料のみで構成した場合に比べて、加工の手間を減らすことができる。また、燃料の流量や噴霧粒径等に応じて適宜に形状を調整して、より好適な燃料流れを生じる形状を得やすくなる。また、弁体6を軽量化できて、開閉弁の応答性を向上することができる上、金属材料を弁座部材24に当接させる場合に比べて、着座音の音圧レベルを低くすることができるという利点もある。
また、本実施形態によれば、樹脂材料からなる樹脂部としての弁部7を設けたことによるメリットに加えて、金属材料からなる金属部としての外筒部8を設けたことでより高い吸引力を発生させることができ、開弁の応答性を向上することができる。
また、本実施形態によれば、弁座部材24も樹脂材料で構成したため、弁体と弁座部材とが対向する部分の形状を適宜に調整して、より一層好適な燃料流れを生じる形状を得やすくなるとともに、着座音の音圧レベルをより一層低くすることができる。
さらに、本実施形態によれば、弁座部材24に凹部24cを形成して、当該凹部24c内に弁体6(弁部7)を挿入するようにしたため、相互に対向する凹部24cの内面と弁部7の外面との間の形状によって、弁座に向かう燃料の流れの方向をより容易に調整することができる。
さらに、噴射孔9fによる噴射方向を、内側底面6fまたは上面9eに対して略直角かあるいは鋭角的に設定したため、内側底面6fと上面9eとの間における燃料の流れと、噴射孔9fにおける燃料の流れとの間で、流れの方向を略直角あるいは鋭角的に変化させることができるため、流れの壁面からの剥離や乱流を誘起して、噴射孔9fから噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
さらに、本実施形態によれば、弁座部材24の凹部24c内に弁体6(弁部7)を挿入した構成として、燃料通路6cにおける燃料の流れと、底内面24dと環状底面6dとの間における燃料の流れとの間で、流れの方向を略直角あるいは鋭角的に大きく変化させることができるため、この部分でも流れの壁面からの剥離や乱流を誘起して、噴射孔9fから噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
(第2実施形態)図3は、本実施形態にかかる燃料噴射弁の先端部を拡大して示す縦断面図であって、離座状態(開弁状態)を示す図である。なお、本実施形態にかかる燃料噴射弁は、上記実施形態にかかる燃料噴射弁と同様の構成を備える。よって、それら同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかる燃料噴射弁1Aでは、弁座部材24Aの底内面24dを環状の傾斜面として構成するとともに、弁体6A(弁部7A)の底部周縁側の環状底面6dをテーパ状の傾斜面として構成し、これら底内面24dと環状底面6dとの面接触により、着座時(閉弁時)により確実に燃料をシールするようにしている。本実施形態によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)図4は、本実施形態にかかる燃料噴射弁の先端部を拡大して示す縦断面図であって、離座状態(開弁状態)を示す図である。なお、本実施形態にかかる燃料噴射弁は、上記実施形態にかかる燃料噴射弁と同様の構成を備える。よって、それら同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかる燃料噴射弁1Bでは、弁体6B(弁部7B)の底部に環状の突起6eを形成し、この突起6eの底面としての環状底面6dとノズルプレート9Bの上面9eとを当接させることで、着座時(閉弁時)により確実に燃料をシールするようにしている。本実施形態によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、弁体6B(弁部7B)の内側底面6fを軸心側が僅かに窪むように傾斜する凹形状とする一方、ノズルプレート9Bを、当該内側底面6fに沿って、軸心側が僅かに弁体6B側に突出する凸形状としている。こうすることで、離座時(開弁時)における上面9eと内側底面6fとの間における燃料の流れと、噴射孔9fにおける燃料の流れとの間で、流れの方向をより鋭角的に変化させることができるため、流れの壁面からの剥離や乱流を誘起して、噴射孔9fから噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
また、燃料通路6cにおける燃料の流れと、上面9eと内側底面6fとの間における燃料の流れとの間でも、流れの方向をより鋭角的に大きく変化させることができるため、この部分でも流れの壁面からの剥離や乱流を誘起して、噴射孔9fから噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
(第4実施形態)図5は、本実施形態にかかる燃料噴射弁の先端部を拡大して示す縦断面図であって、離座状態(開弁状態)を示す図である。なお、本実施形態にかかる燃料噴射弁は、上記実施形態にかかる燃料噴射弁と同様の構成を備える。よって、それら同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかる燃料噴射弁1Cでは、弁体6Cを、樹脂材料に導電性フィラーをバインドした導電性樹脂材料によって成形している。これにより、金属材料と樹脂材料とを用いて弁体を形成する場合に比べて、製造の手間を減らし、製造コストを削減することができる。また、金属材料を含まない分、弁体6Cを軽量化することができ、弁体6Cの開閉弁時の応答性をさらに向上することができる。
また、本実施形態では、燃料通路6cを螺旋状の溝とし、凹部24cの内面に沿った燃料の旋回流を形成するようにしている。こうすることで、燃料流れの剥離や乱流を誘起して、噴射孔9fから噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
さらに、本実施形態では、有底円孔7eを燃料通路として利用し、さらに、この有底円孔7eから中間部7bの側壁に設けた貫通孔6bを介して燃料収容室10に燃料が流入するようにしている。かかる構成により、燃料の流れの向きが変わる箇所が増やすことができるため、燃料流れの剥離や乱流がさらに誘起され、噴射孔9fから噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
(第5実施形態)図6は、本実施形態にかかる燃料噴射弁の先端部を拡大して示す縦断面図であって、着座状態(閉弁状態)を示す図である。なお、本実施形態にかかる燃料噴射弁は、上記実施形態にかかる燃料噴射弁と同様の構成を備える。よって、それら同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかる燃料噴射弁1Dは、上記第1実施形態と同様に、弁体6Dの弁部7Dを樹脂材料で構成する一方、外筒部8Dを金属材料で構成し、外筒部8Dの内壁に形成した凹凸部8aと、弁部7Dの上部の外壁に形成した凹凸部7dとを相互に食いこませて一体化させている。
ただし、公知の一般的な燃料噴射弁と同様に、弁座部材24Dを、断面略円形の凹部24cとすり鉢状の底内面24dとを備える筒状の金属材料から構成し、その下流側の底面にノズルプレート9を接合し、弁座部材24D(およびノズルプレート9)をコア筒3の内側に溶接して取り付けている。そして、弁部7Dの下流側端部を、略球体の側面を複数箇所平面で(例えば略六角形状に)カットした形状として、凹部24c内に挿入している。
本実施形態によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、次のような別の実施形態に具現化することができる。以下の別の実施形態でも上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(1)弁体の樹脂部と、金属部との結合構成は、上記実施形態には限定されず、例えば、圧入したり、相互に係着するなどしてそれらを一体化させてもよいし、所定の締結具等を用いて結合するようにしてもよい。具体的には、弁体の金属部としての外筒部と樹脂部としての上流側膨出部とを相互に係着する係合機構としてスナップフィット機構を設けたり、ネジやピン等の締結具を用いて一体化させたり、あるいは適宜それらを組み合わせて一体化させてもよい。
(2)また、弁座部材を有底筒状に形成して、当該有底筒の底壁に貫通孔としての噴射孔を形成して、上記弁座部材とノズルプレートとを一体化(すなわち、弁座部材と別体としてのノズルプレートを廃止)するようにしてもよい。
(3)弁体と弁座部材との間でシール領域を形成する突起は、弁体および弁座部材のうち少なくともいずれか一方に設けるようにすればよいが、双方に設けてもよい。
(4)燃料の流れ方向を決定付ける突起や溝は、弁座部材および弁体のうち少なくともいずれか一方に設けるようにすればよいが、双方に設けてもよい。また、弁座部材の底内面のシール領域より内側の部分や弁体の底面のシール領域より内側の部分に突起や溝を設けてもよい。
(5)本発明は燃圧に応じたスペックで実現可能である。
また、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1または2に記載の燃料噴射弁では、弁体が弁座部材に対向する側を樹脂部とするのが好適である。
こうすれば、シールを確保するための形状や面精度を比較的容易に得ることができる上、弁座部材に対向または当接する部分の形状を適宜に調整して、より一層好適な燃料流れを生じる形状を得やすくなるとともに、着座音の音圧レベルをより一層低くすることができる。
(ロ)請求項1、2または上記(イ)に記載の燃料噴射弁では、樹脂部と金属部とをインサート成形によって一体成形するのが好適である。
こうすれば、樹脂部と金属部とを備える弁体を、より容易に構成することができる。
(ハ)請求項1、2または上記(イ)に記載の燃料噴射弁では、樹脂部と金属部とを相互に係着させて一体化するのが好適である。
かかる構成によっても、樹脂部と金属部とを備える弁体を、より容易に得ることができる。
(ニ)請求項1〜3または上記(イ)〜(ハ)に記載の燃料噴射弁では、弁座部材に凹部を形成して、当該凹部内に弁体を挿入するように構成するのが好適である。
こうすれば、相互に対向する凹部の内面と弁体の外面との間の形状によって、弁座に向けて流れる燃料の方向をより容易に調整することができる。また、かかる構成によれば、凹部に挿入された弁部の外周と当該凹部の内周との間における燃料の流れと、ノズルプレート(または弁座部材)の上面と弁体の底面との間における燃料の流れとの間で、流れの方向を略直角あるいは鋭角的に大きく変化させることができるため、流れの剥離や乱れを誘起して、噴射孔から噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
(ホ)請求項1〜3または上記(イ)〜(ニ)に記載の燃料噴射弁では、噴射孔の軸方向を、弁座部材の底内面または弁体の底面に対して略直角かあるいは鋭角的に設定するのが好適である。
こうすれば、ノズルプレート(または弁座部材)の上面と弁体の底面との間における燃料の流れと、噴射孔における燃料の流れとの間で、流れの方向を略直角にあるいは鋭角的に大きく変化させることができるため、流れの剥離や乱れを誘起して、噴射孔から噴出する流れが空気と攪拌されるのを促進させ、ひいては、燃料噴霧の微粒化を促進することができる。
(ヘ)請求項1〜3または上記(イ)〜(ホ)に記載の燃料噴射弁では、弁座部材の上面および弁体の底面のうち少なくともいずれか一方に環状の突起を形成して、当該突起が他方と面接触した領域によってシールを確保するのが好適である。
こうすれば、突起によって、シール領域をより容易にかつより確実に確保できるようになる上、突起を設けた分、開弁時における弁体の底面と弁座部材の上面との間隙における燃料の流れの乱れが大きくなるため、燃料噴霧の霧化性能が向上するという利点がある。また、シール領域の内側に、加圧領域と隔離された領域を比較的広くとって、当該隔離された領域の形状や、噴射孔のレイアウトの自由度を高めることができ、より好適な噴射特性が得やすくなるという利点もある。
1,1A,1B,1C,1D 燃料噴射弁
3 磁性筒体
6,6A,6B,6C,6D 弁体
7,7A,7B,7C,7D 弁部(樹脂部)
8,8D 外筒部(金属部)
12 コイルスプリング(付勢手段)
15 電磁コイル
24,24A,24B,24D 弁座部材
3 磁性筒体
6,6A,6B,6C,6D 弁体
7,7A,7B,7C,7D 弁部(樹脂部)
8,8D 外筒部(金属部)
12 コイルスプリング(付勢手段)
15 電磁コイル
24,24A,24B,24D 弁座部材
Claims (3)
- 弁座が形成された弁座部材と、
前記弁座に離着座する弁体と、
前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、
磁気吸引力を発生させて前記弁体を離座させる電磁コイルと、
を備えた燃料噴射弁において、
前記弁体の少なくとも一部を樹脂材料で構成したことを特徴とする燃料噴射弁。 - 前記弁体を、弁座部材側に配置した樹脂材料からなる樹脂部と、他方側に配置した金属材料からなる金属部とを用いて構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 前記樹脂材料として、導電性樹脂材料を用いたことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
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JP2005205417A Pending JP2007023854A (ja) | 2005-07-14 | 2005-07-14 | 燃料噴射弁 |
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JP (1) | JP2007023854A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009174423A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Hitachi Ltd | 燃料噴射弁 |
JP2015135116A (ja) * | 2009-08-27 | 2015-07-27 | マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー | 燃料噴射器及び燃料噴射器を作動させる方法 |
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2005
- 2005-07-14 JP JP2005205417A patent/JP2007023854A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009174423A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Hitachi Ltd | 燃料噴射弁 |
JP2015135116A (ja) * | 2009-08-27 | 2015-07-27 | マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー | 燃料噴射器及び燃料噴射器を作動させる方法 |
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