JP2007030648A - 自転車用リムブレーキ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 自転車用リムブレーキ装置において、ブレーキシューの位置を簡単な構造で調整できるようにする。
【解決手段】 リムブレーキ装置は、自転車のフロントフォーク９８に装着可能な装置であって、装着部１０と、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２と、ブレーキシュー取付部１３，１４とを備えている。装着部１０は、フロントフォーク９８のフォーク肩９８ａに固定するための固定軸１６が貫通可能でありかつ固定軸１６の軸方向と交差する第１方向の任意の位置に固定軸１６を配置可能な固定部２０を有するものである。第１及び第２ブレーキアーム１１，１２は、装着部１０の周囲で揺動自在に支持されるものである。ブレーキシュー取付部１３，１４は、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２にそれぞれ設けられたたものである。
【選択図】 図３

Description

本発明は、ブレーキ装置、特に、自転車の車輪のリムをブレーキシューで制動する自転車用リムブレーキ装置に関する。

自転車用リムブレーキ装置には、１対のブレーキアームによりリムを挟んで制動するキャリパーブレーキが知られている。キャリパーブレーキでは、ブレーキシューをリムの適切な位置に接触するように、ブレーキシューの位置を上下に調整できるようになっている。従来のキャリパーブレーキ装置では、各ブレーキアームに上下に長い長孔を設け、その長孔にブレーキシューの固定ボルトを挿通させている。このような従来の構成では、１対のブレーキシューの上下位置を個別に調整しなければならないので上下位置の調整作業が煩わしい。

そこで、センタープル式のキャリパーブレーキにおいて、ブレーキアームを揺動自在に支持するフレームの上下位置を調整可能なものが従来知られている（たとえば、特許文献１参照）。従来のブレーキ装置は、ブレーキケーブルのアウターケーシングを係止するアウター係止部と、両ブレーキアームを揺動自在に支持する揺動支持部とを有する固定アームを設け、この固定アームに上下に長い長孔を形成している。この長孔にフレームに固定するための固定ボルトを挿通して、ブレーキをフレームに固定している。ブレーキシューの上下位置の調整は、固定アームの取付位置を調整することによりブレーキ全体を上下に移動させて行う。このようにブレーキアームと別に固定アームを設け、この固定アームによりブレーキシューの上下位置を一括して調整できるので、上下位置の調整作業が容易になる。また、ブレーキアームの揺動中心からブレーキシューまでの位置が変化しないので、ブレーキの制動比も変化しない。
実開昭５５−５６７９５号公報

前記従来の構成では、固定アームを設けブレーキ全体を上下させることでブレーキシューの位置を調整できるので、ブレーキシューの上下位置の変更は容易である。しかし、固定アームは、アウターケーシングを係止するアウター係止部と、ブレーキアームを２つの位置で揺動自在に支持する左右２つの揺動支持部と、上下位置を調整するための長孔とを有する複雑な構造である。前記従来の構成では、上下位置を容易に調整するために、複雑な構造の固定アームを設けなければならないため、ブレーキの構造が複雑になる。

本発明の課題は、自転車用リムブレーキ装置において、ブレーキシューの位置を簡単な構造で調整できるようにすることにある。

発明１に係る自転車用リムブレーキ装置は、自転車のフレームに装着可能な装置であって、少なくとも一つの装着部と、１対のブレーキアームと、ブレーキシュー取付部とを備えている。少なくとも一つの装着部は、フレームに固定するための固定軸が貫通可能でありかつ固定軸の軸方向と交差する第１方向の複数の位置に固定軸を配置可能な固定部を有するものである。１対のブレーキアームは、装着部の周囲で揺動自在に支持されるものである。ブレーキシュー取付部は、ブレーキアームにそれぞれ設けられたたものである。

このブレーキ装置では、少なくとも一つの装着部の周囲で１対のブレーキアームが支持され、その装着部の固定部に固定軸を貫通させてブレーキ装置が自転車のフレームに装着される。固定部は、固定軸の軸方向と交差する第１方向の複数位置で固定軸を固定できる。このため、第１方向を上下方向にすると、ブレーキシューの上下位置を調整でき、左右方向にすると、左右位置を調整できる。また、斜めにすると上下位置と左右位置とを同時に調整できる。ここでは、ブレーキアームを周囲で支持する装着部に、第１方向の複数の位置で固定軸を固定可能な固定部を設けたので、ブレーキアームを支持する周囲の内側に固定部が設けられた単純な構造の装着部でブレーキシューの位置を調整できる。このため、ブレーキシューの位置を簡単な構造で調整できるようになる。

発明２に係る自転車用リムブレーキ装置は、発明１に記載の装置において、固定部は、第１方向に並べて配置された複数の貫通孔を有する。この場合には、第１方向に並べて配置された複数の貫通孔のいずれかに固定軸を貫通させることによりブレーキシューの位置を調整できる。ここでは、複数の貫通孔で固定部を構成しているので、固定部を容易に形成できる。また、貫通孔と固定軸との隙間を小さくすることができるので、ブレーキ装置の固定を強固に行える。

発明３に係る自転車用リムブレーキ装置は、発明１に記載の装置において、固定部は、第１方向に長い長孔を有する。この場合には、長孔の任意の位置に固定軸を貫通させることによりブレーキシューの位置を調整できる。ここでは、ブレーキシューの位置を長孔の長さの範囲で任意の位置に調整できる。

発明４に係る自転車用リムブレーキ装置は、発明１から３のいずれかに記載の装置において、第１方向は、自転車の上下方向である。この場合には、ブレーキシューの上下位置を簡単な構造で調整できるようにする。

発明５に係る自転車用リムブレーキ装置は、発明１から４のいずれかに記載の装置において、ブレーキ装置は、サイドプル式のキャリパーブレーキであり、装着部は１つであり、ブレーキアームは、その中間部が装着部に揺動自在に支持され、その一端にブレーキシュー取付部がそれぞれ設けられている。この場合には、ブレーキシューの位置を簡単な構造で調整できるようになるとともに、１つの装着部の周囲で２つのブレーキアームを揺動自在に支持しているので、位置調整のための固定部もひとつとなり、ブレーキシューの位置調整が容易である。

発明６に係る自転車用リムブレーキ装置は、発明１から４のいずれかに記載の装置において、ブレーキ装置は、センタープル式のキャリパーブレーキであり、装着部は１対設けられており、１対のブレーキアームは、その中間部が装着部に各別に支持されており、その一端にブレーキシュー取付部がそれぞれ設けられている。この場合には、２つの装着部にブレーキアームが各別に設けられているので、２箇所でブレーキシューの位置を調整する。ここでも、ブレーキアームを周囲で支持する装着部に、第１方向の複数の位置で固定軸を固定可能な固定部を設けたので、ブレーキアームを支持する周囲の内側に固定部が設けられた単純な構造の装着部でブレーキシューの位置を調整できる。このため、ブレーキシューの位置を簡単な構造で調整できるようになる。

発明７に係る自転車用リムブレーキ装置は、発明１から４のいずれかに記載の装置において、ブレーキ装置は、カンチレバー式のキャリパーブレーキであり、装着部は１対設けられており、ブレーキアームは、その一端が装着部に各別に支持されており、その中間部にブレーキシュー取付部がそれぞれ設けられている。この場合には、２つの装着部にブレーキアームが各別に設けられているので、２箇所でブレーキシューの位置を調整する。ここでも、ブレーキアームを周囲で支持する装着部に、第１方向の複数の位置で固定軸を固定可能な固定部を設けたので、ブレーキアームを支持する周囲の内側に固定部が設けられた単純な構造の装着部でブレーキシューの位置を調整できる。このため、ブレーキシューの位置を簡単な構造で調整できるようになる。

本発明によれば、ブレーキアームを周囲で支持する装着部に、第１方向の複数の位置で固定軸を固定可能な固定部を設けたので、ブレーキアームを支持する周囲の内側に固定部が設けられた単純な構造の装着部でブレーキシューの位置を調整できる。このため、ブレーキシューの位置を簡単な構造で調整できるようになる。

図１において、本発明の一実施形態を採用した自転車１０１は、ロードレーサであり、フロントフォーク９８と、フロントフォーク９８に固定されたハンドル部１０４とを有するダイヤモンド形のフレーム１０２と、チェーン９５やペダルＰＤが装着されたクランク９６や前後のディレーラ９７ｆ，９７ｒや前後のスプロケット群９９ｆ，９９ｒ等からなる駆動部１０５と、フロントフォーク９８及びフレーム１０２後部に装着された前輪及び後輪１０６ｆ，１０６ｒと、前後のリムブレーキ装置１０７ｆ，１０７ｒとを備えている。

ハンドル部１０４は、ハンドルステム１１１と、ハンドルステム１１１の上端で嵌合固定されたハンドルバー１１２とで構成されている。ハンドルステム１１１は、フロントフォーク９８の上部に嵌合固定されている。ハンドルバー１１２は、ドロップハンドル型のものであり、左右１対のブレーキレバー１１３ｆ，１１３ｒを備えている。ブレーキレバー１１３ｆ，１１３ｒは、ハンドルバー１１２の端部にそれぞれ装着される前後のブレーキブラケット１１５ｆ，１１５ｒと、ブレーキブラケット１１５ｆ，１１５ｒに揺動自在に装着される前後のレバー部材１１６ｆ，１１６ｒとを有している。

前後のブレーキレバー１１３ｆ，１１３ｒと前後のリムブレーキ装置１０７ｆ，１０７ｒとは、それぞれボーデン型のブレーキケーブル１１７ｆ，１１７ｒとにより連結されている。ブレーキケーブル１１７ｆ，１１７ｒは、ボーデン形のものであり、図４に示すように、それぞれインナーケーブル１１７ａと、インナーケーブル１１７ａが通過可能なアウターケーシング１１７ｂとを有している。

前後のリムブレーキ装置１０７ｆ，１０７ｒは、後リムブレーキ装置１０７ｆが自転車１０１のフレーム１０２のシートステイ１０２ａに装着される点を除いてほぼ同様な構造なため、以下の説明では前リムブレーキ装置１０７ｆについて説明する。

前リムブレーキ装置１０７ｆは、図２から図５に示すように、揺動中心が一つのサイドプル式のキャリパーブレーキであり、フレーム１０２のフロントフォーク９８のフォーク肩９８ａ（図１）に装着される装着部１０と、装着部１０の周囲で揺動自在に支持される左右１対の第１及び第２ブレーキアーム１１，１２と、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２にそれぞれ設けられた第１及び第２ブレーキシュー取付部１３，１４とを有している。また、前リムブレーキ装置１０７ｆは、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２を制動解除方向に付勢するばね部材１５と、装着部１０を貫通してフォーク肩９８ａに固定される固定軸１６と、第１及び第２ブレーキシュー取付部１３，１４に固定されるブレーキシュー１７，１８とを有している。

装着部１０は、図２及び３に示すように、軸状の部材であり、ブレーキアーム１１，１２を揺動自在に支持する円形の外周面が少なくとも一部に形成されている揺動支持部１０ａと、揺動支持部１０ａより大径の鍔部１０ｂと、ばね部材１５を装着するためのばね装着部１０ｃとを有している。また、装着部１０は、フォーク肩９８ａに固定するための固定軸１６が貫通可能であり、かつ固定軸１６の軸方向と交差する第１方向の任意の位置で固定軸１６を固定可能な長孔２０ａで構成された固定部２０を有している。長孔２０ａは、装着部１０の直径に沿って長く形成され、揺動支持部１０ａ、鍔部１０ｂ及びばね装着部１０ｃを貫通して形成されている。自転車１０１に前リムブレーキ装置１０７ｆを装着する際に、好ましくは、長孔２０ａの第１方向が自転車１０１の上下方向になるように装着部１０を固定する。揺動支持部１０ａの一端（自転車１０１に装着したとき前端）の外周面には、ブレーキアーム１１，１２を装着するために使用する２つのナット３０，３１をねじ込むための雄ねじ部１０ｅが形成されている。

揺動支持部１０ａには、鍔部１０ｂ側から順に鍔付きブッシュ３２、第１ブレーキアーム１１、ワッシャ３３、スラスト軸受３４、ワッシャ３５、第２ブレーキアーム１２、鍔付きブッシュ３６，及びナット３１，３０がこの順に装着されている。好ましくは、鍔付きブッシュ３２，３６は予め第１及び第２ブレーキアーム１１，１２に圧入されている。なお、図３に破線で示しように、軽量化のために揺動支持部１０ａの長孔２０ａの両側を面取りしてもよい。

鍔部１０ｂは、ブレーキアーム１１，１２を位置決めして揺動支持部１０ａに装着するために設けられている。ばね装着部１０ｃは、弾性を有する板材を折り曲げて形成されたばね部材１５を固定するために設けられている。ばね装着部１０ｃには、ばね部材１５を固定するための突起部１０ｄが１対設けられている。鍔付きブッシュ３２，３６は、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２を装着部１０で揺動自在に支持するための軸受である。スラスト軸受３４は、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２を滑らかに揺動させるために用いられている。ワッシャ３３，３５は、ナット３０，３１を締め付けたときに、第１，第２ブレーキアーム１１，１２に圧痕が生じないようにするために設けられている。ナット３０，３１は、たとえば８角形の外形を有するものであり、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２を装着部１０に装着するために設けられている。ここでは、ダブルナットにより回り止めするために２つのナット３０，３１が設けられている。

第１ブレーキアーム１１は、自転車１０１に装着された状態で後方から見て右側に配置されるブレーキアームである。第１ブレーキアーム１１は、中心に位置し装着部１０の外周面に鍔付きブッシュ３２を介して装着される筒状の揺動装着部１１ａと、揺動装着部１１ａから前輪１０６ｆを避けるように湾曲して形成され下端にブレーキシュー取付部１３が一体形成された第１アーム部１１ｂと、揺動装着部１１ａから第１アーム部１１ｂと同方向で斜め上方に延びるアウター係止アーム１１ｃとを有している。アウター係止アーム１１ｃの先端には、アウターケーシング１１７ｂが内部に軸方向の移動が規制された状態で係止されるアウター係止部４０がねじ込まれている。

第２ブレーキアーム１２は、自転車１０１に装着された状態で後方から見て左側に配置されるブレーキアームである。第２ブレーキアーム１２は、中心に位置し装着部１０の外周面に鍔付きブッシュ３６を介して装着される筒状の揺動装着部１２ａと、揺動装着部１２ａから前輪１０６ｆを避けるように湾曲して形成され下端にブレーキシュー取付部１４が一体形成された第２アーム部１２ｂと、揺動装着部１１ａから第２アーム部１２ｂと逆方向で斜め下方に延びるインナー係止アーム１２ｃとを有している。インナー係止アーム１２ｃの先端には、インナーケーブル１１７ａが固定されるインナー固定部４１が設けられている。インナー固定部４１は、アウター係止部４０の下方に位置するように設けられている。

ブレーキシュー取付部１３，１４は、ブレーキシュー１７，１８を固定するためのシュー固定ボルト１７ａ，１８ａが貫通可能な円形の貫通孔を有している。

ばね部材１５は、折り曲げられた弾性板材で構成されており、ばね装着部１０ｃに固定される固定部分１５ａと、固定部分の両端から第１及び第２ブレーキアーム１１，１２に向けて斜め下方に延びるばね部１５ｂ，１５ｃとを有している。第１及び第２ブレーキアーム１１，１２の第１及び第２アーム部１１ｂ，１１ｃの途中には、ばね部材１５のばね部１５ｂ，１５ｃを引っ掛けるためのばね係止部４２，４３が、たとえば、ねじ止め固定されている。なお、ばね係止部４３とばね部１５ｃとの間には合成樹脂製の摩耗防止部材４４が介装されている。

固定軸１６は、フランジ状の頭部を有するボルトであり、装着部１０及びフォーク肩９８ａ（図１）を貫通し貫通側でナットにより固定される。なお、装着部１０とフォーク肩９８ａとの間には、図３及び図５に示すように、ワッシャ３７及び前リムブレーキ装置１０７ｆの軸方向位置を調整するためのスペーサ３８が固定軸１６に装着されている。

次に、リムブレーキ装置１０７ｆ，１０７ｒの制動動作について説明する。

制動解除状態で走行中にブレーキレバー１１３ｆ，１１３ｒのいずれかを操作すると、インナーケーブル１１７ａが引っ張られて、インナーケーブル１１７ａが係止された第２ブレーキアーム１２が引っ張られてばね部材１５の付勢力に抗して制動方向に揺動するとともにアウターケーシング１１７ｂが係止された第１ブレーキアーム１１もそれに応じて制動方向に揺動する。このとき、２つのブレーキアーム１１，１２には、同じように力が作用するため、２つのブレーキアーム１１，１２は、左右対称に徐々制動方向に揺動する。そして、前輪１０６ｆのリム１０６ｓにブレーキシュー１７，１８が接触すると操作力に応じてリム１０６ｓを強く挟持して前輪１０６ｆを制動する。

また、リム１０６ｓに対するブレーキシュー１７，１８の上下位置を調整する際には、固定軸１６を緩めて、長孔２０ａの長さ範囲で装着部１０を上下方向のいずれかに移動させる。そして、リム１０６ｓの形状に応じた適宜の位置で固定軸１６を締め付けてブレーキ装置１０７ｆを固定する。これにより、ブレーキシュー１７，１８の位置を調整する。

ここでは、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２を周囲で支持する装着部１０に、第１方向の任意の位置で固定軸１６を固定可能な長孔２０ａを有する固定部２０を設けたので、第１及び第２ブレーキアーム１１，１２を支持する周囲の内側に固定部２０が設けられた単純な構造の装着部でブレーキシュー１７，１８の上下位置を調整できる。このため、ブレーキシュー１７，１８の位置を簡単な構造で調整できるようになる。

また、直接固定軸の周囲でブレーキアームを揺動自在に支持する従来の構造と比べて、本発明のブレーキ装置１０７ｆ，１０７ｒでは、ブレーキアーム１１，１２とのより大きな接触面積を提供し得る装着部１０を介してブレーキアーム１１，１２を揺動自在に支持する構造であるため、特に制動動作時に固定軸の軸方向においてブレーキアーム１１，１２の揺動装着部１１ａ，１２ａに及ぼされる負荷に対する剛性を向上させることが可能となる。

更に、本発明のブレーキ装置１０７ｆ，１０７ｒでは、ブレーキシュー取付部１３，１４まわりの構造を簡素化できるため、特にサイドプル式のキャリパーブレーキ装置の場合に、従来のブレーキ装置と比してインナー係止アーム１２ｃの位置を下げることが可能となり、ブレーキ装置１０７ｆ，１０７ｒの取付位置、及び、ブレーキケーブル１１７ｆ，１１７ｒの配索の自由度が増し、幅広いデザイン設計が実現できる。

なお、この明細書で記載されている上下方向は、自転車の上下方向である。また左右方向は、自転車を後方から見た時の左右方向である。

〔他の実施形態〕
（ａ） 前記実施形態では、サイドプル式のキャリパーブレーキ装置を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、図６に示すカンチレバー式のキャリパーブレーキ装置や、図７に示すセンタープル式のキャリパーブレーキ装置など２つのブレーキアームを有しリムを制動する全ての自転車用リムブレーキ装置に適用できる。

図６にカンチレバー式のキャリパーブレーキ装置２０７ｆに本発明を適用した例を示す。図６において、第１及び第２装着部２１０ａ，２１０ｂは、自転車のフロントフォーク２９８の１対のフォーク足２９８ｂ，２９８ｂに各別に立設された軸状の１対のブレーキ台座（固定軸の一例）２９８ｃに装着される。この実施形態では、フロントフォーク２９８は、サスペンションフォークである。

第１及び第２装着部２１０ａ，２１０ｂは、軸状の部材であり、ブレーキ台座２９８ｃが貫通する長孔２２０ａで構成された固定部２２０を有している。第１及び第２装着部２１０ａ，２１０ｂは、ブレーキ台座２９８ｃにねじ込まれる、好ましくは六角穴付き固定ボルト２４４によりフォーク足２９８ｂに固定される。第１装着部２１０ａの外周面には第１ブレーキアーム２１１が揺動自在に装着され、第２装着部２１０ｂの外周面には、第２ブレーキアーム２１２が揺動自在に装着されている。第１及び第２ブレーキアーム２１１，２１２は、下端部に第１及び第２装着部２１０ａ，２１０ｂに揺動自在に支持される筒状の揺動装着部２１１ａ，２１２ａを有している。また、第１及び第２ブレーキアーム２１１，２１２は、揺動装着部２１１ａ，２１２ａから上方に各別に延びる第１及び第２アーム部２１１ｂ，２１２ｂを有している。第１及び第２アーム部２１１ｂ，２１２ｂの途中にはブレーキシュー２１７，２１８が取り付けられるブレーキシュー取付部２１３，２１４が設けられている。第１アーム部２１１ｂの先端には、アウター係止部２４０が装着される装着リンク２４３が揺動自在に連結されている。アウター係止部２４０にはブレーキケーブル１１７ｆのアウターケーシング１１７ｂが係止されている。第２アーム部２１２ｂの上端には、インナーケーブル１１７ａを固定するインナー固定部２４２がボルトの形態で設けられている。第１及び第２ブレーキアーム２１１，２１２は、装着部２１０ａ．２１０ｂに各別にねじ込まれたナット２３０，２３１により装着部２１０ａ，２１０ｂに装着されている。

図７にセンタープル式のキャリパーブレーキ装置３０７ｆに本発明を適用した例を示す。図７において、第１及び第２装着部３１０ａ，３１０ｂは、自転車のフロントフォークフォーク肩９８ａに固定されるアームブリッジ３０９の両側に設けられた１対の取付座３０９ａ，３０９ｂに、好ましくは六角穴付きボルトの形態の固定軸３１６ａ，３１６ｂにより固定される。アームブリッジ３０９は、左右に長いアーチ形状であり、中心に装着されフォーク肩９８ａを貫通する固定ボルト３０８によりフォーク肩９８ａに固定される。

第１装着部３１０ａの外周面には第１ブレーキアーム３１１が揺動自在に装着され、第２装着部３１０ｂの外周面には、第２ブレーキアーム３１２が揺動自在に装着されている。第１及び第２装着部３１０ａ，３１０ｂは、軸状の部材であり、固定軸３１６ａ，３１６ｂが貫通する長孔３２０ａで構成された固定部３２０を有している。第１及び第２ブレーキアーム３１１，３１２は、第１及び第２装着部３１０ａ，３１０ｂの外周面に揺動自在に支持される揺動装着部３１１ａ，３１２ａと、揺動装着部３１１ａ，３１２ａから下方に延びる第１及び第２アーム部３１１ｂ，３１２ｂと、揺動装着部３１１ａ，３１２ａからそれぞれ内側に延びる互いに交差する第１及び第２インナー係止アーム３１１ｃ，３１２ｃとを有している。第１及び第２アーム部３１１ｂ，３１２ｂの下端にブレーキシュー３１７，３１８が取り付けられるブレーキシュー取付部３１３，３１４が設けられている。第１及び第２インナー係止アーム３１１ｃ，３１２ｃには、インナーケーブル１１７ａの先端が固定されたセンターワイヤー１１７ｃの両端部が係止されている。第１及び第２ブレーキアーム３１１，３１２は、第１及び第２装着部３１０ａ，３１０ｂに各別にねじ込まれたナット３３０，３３１により装着部３１０ａ，３１０ｂに装着されている。
なお、センタープル式のブレーキ装置では、アウターケーシングは、自転車のフレームに係止される。

このような、カンチレバー式のキャリパーブレーキ装置２０７ｆ，２０７ｒやセンタープル式のキャリパーブレーキ装置３０７ｆ，３０７ｒに本発明を適用しても前記実施形態と同様な効果を得ることができる。

（ｂ） 前記実施形態では、固定部２０で装着部１０の上下位置を調整するようにしたが、本発明の調整位置はこれに限定されない。たとえば、固定部２０の長孔２０ａが左右に配置されるようにし、装着部１０の左右位置を調整できるようにしてもよいし、長孔２０ａが斜めに配置されるようにし、装着部１０の斜め位置を調整できるようにしてもよい。

（ｃ） 前記実施形態では、長孔２０ａにより固定部２０を構成したが、図８に示すように、第１方向に並べて配置された複数（たとえば３つ）の貫通孔１２０ａ，１２０ｂ，１２０ｃにより固定部１２０を構成してもよい。なお、図８に示す実施形態では、中心位置の場合に、左右位置も調整できるように、貫通孔１２０ｄ，１２０ｅが中心に形成された貫通孔１２０ａの左右に形成されている。この貫通孔１２０ｄ，１２０ｅに代えて長孔を形成してもよい。

（ｄ） 前記実施形態では、ブレーキケーブルにより動作するリムブレーキ装置を例に本発明を説明したが、油圧や空圧により動作するリムブレーキ装置にも本発明を適用できる。

（ｅ） 前記実施形態では、装着部に対して回り止めてしていないが、装着部を回り止めし、ブレーキ装置を自転車に装着したときに固定部の長孔形成方向や貫通孔の配列方向が所定の方向（たとえば上下方向）に向くようにしてもよい。

本発明の一実施形態によるリムブレーキ装置が採用された自転車の側面図。 その前リムブレーキ装置の斜視図。 その前リムブレーキ装置の分解斜視図。 その前リムブレーキ装置の正面図。 図４のＶ−Ｖ断面図。 他の実施形態の図４に相当する図。 さらに他の実施形態の図４に相当する図。 さらに他の実施形態の図４に相当する図。

符号の説明

１０，２１０，３１０ 装着部
１１，１２：２１１，２１２：３１１，３１２ 第１及び第２ブレーキアーム
１３，１３：２１３，２１４：３１３，３１４ ブレーキシュー取付部
２０，１２０，２２０，３２０ 固定部
２０ａ，２２０ａ，３２０ａ 長孔
９８，２９８ フロントフォーク
１０１ 自転車
１０２ フレーム
１０７ｆ，１０７ｒ：２０７ｆ，２０７ｒ：３０７ｆ，３０７ｒ リムブレーキ装置
１２０ａ，１２０ｂ，１２０ｃ 貫通孔

Claims (7)

1. 自転車のフレームに装着可能な自転車用リムブレーキ装置であって、
   前記フレームに固定するための固定軸が貫通可能でありかつ前記固定軸の軸方向と交差する第１方向の複数の位置に前記固定軸を配置可能な固定部を有する少なくとも一つの装着部と、
   前記装着部の周囲で揺動自在に支持される１対のブレーキアームと、
   前記ブレーキアームにそれぞれ設けられたブレーキシュー取付部と、
   を備えた自転車用リムブレーキ装置。
2. 前記固定部は、前記第１方向に並べて配置された複数の貫通孔を有する、請求項１に記載の自転車用リムブレーキ装置。
3. 前記固定部は、前記第１方向に長い長孔を有する、請求項１に記載の自転車用リムブレーキ装置。
4. 前記第１方向は、前記自転車の上下方向である、請求項１から３のいずれか１項に記載の自転車用リムブレーキ装置。
5. 前記ブレーキ装置は、サイドプル式のキャリパーブレーキであり、
   前記装着部は１つであり、
   前記ブレーキアームは、その中間部が前記装着部に揺動自在に支持され、その一端に前記ブレーキシュー取付部がそれぞれ設けられている、請求項１から４のいずれか１項に記載の自転車用リムブレーキ装置。
6. 前記ブレーキ装置は、センタープル式のキャリパーブレーキであり、
   前記装着部は１対設けられており、
   前記ブレーキアームは、その中間部が前記装着部に各別に支持されており、その一端に前記ブレーキシュー取付部がそれぞれ設けられている、請求項１から４のいずれか１項に記載の自転車用リムブレーキ装置。
7. 前記ブレーキ装置は、カンチレバー式のキャリパーブレーキであり、
   前記装着部は１対設けられており、
   前記ブレーキアームは、その一端が前記装着部に各別に支持されており、その中間部に前記ブレーキシュー取付部がそれぞれ設けられている、請求項１から４のいずれか１項に記載の自転車用リムブレーキ装置。

Images