JP2007030371A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた発色性と画像部の保存性と白紙部の保存性とを兼ね備えた感熱記録材料を提供する。
【解決手段】発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30で含有する感熱発色層を支持体上に設けてなることを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】なし
【解決手段】発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30で含有する感熱発色層を支持体上に設けてなることを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、感熱記録材料に関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた発色性と画像部の保存性と白紙部の保存性とを兼ね備えた感熱記録材料に関する。
加熱などのエネルギーにより発色する感熱発色層を、紙、合成紙、プラスチックフィルムなどの支持体上に設けた感熱記録材料は、各種携帯端末などのサーマルプリンター、医療画像プリンター、航空券、乗車券、POSラベルなどに利用されている。これらの感熱記録材料は、通常、感熱発色層に発色物質として無色又は淡色のロイコ染料と、この発色物質と反応して発色させる顕色物質とを、それぞれを微粉砕により溶媒に分散させ、必要に応じて、発色の効果を高める増感物質を微粉砕した分散液、ワックス、界面活性剤、消泡剤、無機顔料、安定剤などを添加し、水溶性樹脂などの結合剤を加えて、支持体上に塗布し、乾燥することにより製造される。
発色物質を発色させる顕色物質としては、主にフェノール化合物が使用されている。発色の効果を高める増感物質は、主に感熱発色層の熱感度を高めることを目的としており、例えば、パラフィンワックス、アミド類、エステル類、エーテル類などが用いられる。感熱記録材料には、発色性に優れ、低熱量で高濃度に発色すること、得られた画像の保存性に優れることなどのさまざまな特性が要求される。特に、電子レンジ加工食品ラベル、駐車券、配送ラベルなどには、耐熱保存性と耐湿熱保存性が要求される。顕色物質は感熱記録材料の要求特性にとって非常に重要な要素であり、発色物質や増感物質などの性能が著しく優れていても、顕色物質の短所によって、優れた感熱記録材料が得られないことがある。このために、感熱記録材料の顕色物質として、さまざまな化合物が検討されている。
例えば、現像前の紙の地の白色度及び現像後の非顕色部の地の白色度を改良しつつ、画像安定性、特に、顕出した色の耐光性、耐熱性、耐湿性、耐油性、耐可塑剤性、耐水性が増加した熱感受性記録材料として、少なくとも一つの発色化合物と、N,N'−置換グアニジン、N,N'−置換チオ尿素又はN,N'−置換尿素の顕色剤を含む熱感受性記録材料が提案され、顕色剤としてN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素が例示されている(特許文献1)。しかし、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素は、保存性に優れた顕色物質であるが、増感物質を用いても発色感度向上の効果が十分ではなく、発色性の要求性能を満たすまでには至っていない。
また、優れた発色性と画像安定性とを兼ね備え、低い印字エネルギーで発色し、携帯端末の小電流、高速印字にも十分対応することができる感熱記録材料として、発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料が提案されている(特許文献2)。しかし、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンは、高感度の発色性を有する顕色物質であるが、画像部保存性に不十分な点があり、顕色物質としての要求性能が十分に満たされているとは言えない。
特表2002−532441号公報(第2、9、40頁)
特開2004−9593号公報(第2、3頁)
発色物質を発色させる顕色物質としては、主にフェノール化合物が使用されている。発色の効果を高める増感物質は、主に感熱発色層の熱感度を高めることを目的としており、例えば、パラフィンワックス、アミド類、エステル類、エーテル類などが用いられる。感熱記録材料には、発色性に優れ、低熱量で高濃度に発色すること、得られた画像の保存性に優れることなどのさまざまな特性が要求される。特に、電子レンジ加工食品ラベル、駐車券、配送ラベルなどには、耐熱保存性と耐湿熱保存性が要求される。顕色物質は感熱記録材料の要求特性にとって非常に重要な要素であり、発色物質や増感物質などの性能が著しく優れていても、顕色物質の短所によって、優れた感熱記録材料が得られないことがある。このために、感熱記録材料の顕色物質として、さまざまな化合物が検討されている。
例えば、現像前の紙の地の白色度及び現像後の非顕色部の地の白色度を改良しつつ、画像安定性、特に、顕出した色の耐光性、耐熱性、耐湿性、耐油性、耐可塑剤性、耐水性が増加した熱感受性記録材料として、少なくとも一つの発色化合物と、N,N'−置換グアニジン、N,N'−置換チオ尿素又はN,N'−置換尿素の顕色剤を含む熱感受性記録材料が提案され、顕色剤としてN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素が例示されている(特許文献1)。しかし、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素は、保存性に優れた顕色物質であるが、増感物質を用いても発色感度向上の効果が十分ではなく、発色性の要求性能を満たすまでには至っていない。
また、優れた発色性と画像安定性とを兼ね備え、低い印字エネルギーで発色し、携帯端末の小電流、高速印字にも十分対応することができる感熱記録材料として、発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料が提案されている(特許文献2)。しかし、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンは、高感度の発色性を有する顕色物質であるが、画像部保存性に不十分な点があり、顕色物質としての要求性能が十分に満たされているとは言えない。
本発明は、優れた発色性と画像部の保存性と白紙部の保存性とを兼ね備えた感熱記録材料を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを顕色物質として併用することにより、高感度の発色性を維持しながら、画像部の保存性と白紙部の保存性が向上することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30で含有する感熱発色層を支持体上に設けてなることを特徴とする感熱記録材料、
(2)支持体が、アンダーコート層を有する(1)に記載の感熱記録材料、
(3)支持体が、バックコート層を有する(1)又は(2)に記載の感熱記録材料、及び、
(4)感熱発色層が、さらに増感物質を含有する(1)に記載の感熱記録材料、
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30で含有する感熱発色層を支持体上に設けてなることを特徴とする感熱記録材料、
(2)支持体が、アンダーコート層を有する(1)に記載の感熱記録材料、
(3)支持体が、バックコート層を有する(1)又は(2)に記載の感熱記録材料、及び、
(4)感熱発色層が、さらに増感物質を含有する(1)に記載の感熱記録材料、
を提供するものである。
本発明の感熱記録材料は、発色性が良好であり、低い印字エネルギーでも濃色に発色するので、携帯端末の小電流、高速印字などに対応することができる。また、画像部の保存性と白紙部の保存性に優れており、印字後の過酷な条件に耐えて使用することができる。
本発明の感熱記録材料は、発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30で含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料である。
本発明において、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比は、30:70〜65:35であることがより好ましく、40:60〜60:40であることがさらに好ましい。
顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを併用することにより、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンのみを使用した場合に比べて、画像部の保存性を顕著に向上することができるのみならず、高感度の発色性を維持することができる。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30とすることにより、高感度の発色性を雑持し、画像部の保存性と白紙部の保存性をよりいっそう向上させることができる。
4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比が25:75未満で、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンの含有量が少ないと、発色性が低下し、画像部の色濃度が低下するおそれがある。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比が70:30を超えて、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンの含有量が多いと、画像部の保存性が低下するおそれがある。
本発明において、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比は、30:70〜65:35であることがより好ましく、40:60〜60:40であることがさらに好ましい。
顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを併用することにより、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンのみを使用した場合に比べて、画像部の保存性を顕著に向上することができるのみならず、高感度の発色性を維持することができる。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30とすることにより、高感度の発色性を雑持し、画像部の保存性と白紙部の保存性をよりいっそう向上させることができる。
4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比が25:75未満で、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンの含有量が少ないと、発色性が低下し、画像部の色濃度が低下するおそれがある。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比が70:30を超えて、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンの含有量が多いと、画像部の保存性が低下するおそれがある。
本発明に用いる4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンは、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンとアリルハライドを、塩基の存在下に、必要に応じて溶剤を用いて反応させることにより製造することができる。反応温度は、20℃から溶剤の還流温度以下であることが好ましい。用いるアリルハライドとしては、例えば、アリルクロライド、アリルブロマイドなどを挙げることができる。用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。用いる溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、これらの混合溶剤などを挙げることができる。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンには、製造により生成する副生成物、例えば、4,4'−ジアリルオキシジフェニルスルホン、3−アリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3−アリル−4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン、3−アリル−4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホンなどが含まれる場合もある。
本発明に用いるN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素は、例えば、p−トルエンスルホニルイソシアネートと3−p−トルエンスルホニルオキシアニリンとを、又は、p−トルエンスルホンアミドと3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルイソシアネートとを、又は、N−p−トルエンスルホニルエチルカルバメートと3−p−トルエンスルホニルオキシアニリンとを、必要により溶剤を用いて反応させることにより製造することができる。用いる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジオキサンなどの非プロトン性溶剤又はそれらの混合物を挙げることができ、さらに、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコールのような極性プロトン性溶剤を使用することもできる。反応温度は、0℃以上から溶剤の還流温度以下であることが好ましく、反応時間は、1〜12時間であることが好ましい。あるいは、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(m−ヒドロキシフェニル)尿素とp−トルエンスルホニルハライドとを、無機又は有機の塩基の存在下又は非存在下で、必要により溶剤を用いて反応させることができる。用いる溶剤としては、例えば、上記の溶剤、水又はそれらの混合物などを挙げることができる。用いる塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ピリジン、トリエチルアミンなどを挙げることができる。反応温度は、0℃以上から溶剤の還流温度以下であることが好ましく、反応時間は、1〜12時間であることが好ましい。
本発明において、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との併用に加えて、発色性、画像部の保存性と白紙部の保存性を損なわない範囲で、さらに他の顕色物質を併用することができる。他の顕色物質としては、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、3,3'−ジアリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニルスルホン酸フェニルエステルなどのヒドロキシフェニルスルホン類、フェニルスルホン酸の誘導体、スルホンアミド尿素化合物などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料において、感熱発色層の顕色物質の含有量は、発色物質100質量部に対して100〜500質量部であることが好ましく、150〜300質量部であることがより好ましい。
本発明の感熱記録材料において、感熱発色層の顕色物質の含有量は、発色物質100質量部に対して100〜500質量部であることが好ましく、150〜300質量部であることがより好ましい。
本発明において、発色物質として用いる無色又は淡色のロイコ染料に特に制限はなく、例えば、フルオラン誘導体、キナゾリン誘導体、フタリド誘導体、トリフェニルメタン誘導体、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。これらのロイコ染料の中で、フルオラン誘導体は、発色性が良好なので特に好適に用いることができる。フルオラン誘導体であるロイコ染料としては、例えば、3−イソアミルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−(4−メチルフェニル)−N−エチル]アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロへキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなどを挙げることができる。これらのロイコ染料は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。感熱発色層に含有させる発色物質の量は、目的とする感熱記録材料の特性に応じて適宜選択することができる。
本発明の感熱記録材料においては、感熱発色層にさらに増感物質を含有させることが好ましい。用いる増感物質に特に制限はないが、その融点が90〜160℃の範囲にあることが好ましい。このような増感物質としては、例えば、ステアリン酸アミド、1,2−ビスフェノキシエタン、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、2−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル、4−アセチルビフェニル、N−フェニルトルエンスルホンアミド、トルエンスルホン酸ナフチルエステル、m−テルフェニル、p−ベンジルビフェニル、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、高級直鎖グリコール類、高級ケトン類、ジフェニルスルホン誘導体、ビスフェノールA誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、フタル酸ジエステル類などを挙げることができる。これらの増感物質は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。感熱発色層の増感物質の含有量は、顕色物質100質量部に対して40〜400質量部であることが好ましく、70〜300質量部であることがより好ましい。感熱発色層に含有させる増感物質の量は、目的とする感熱記録材料の特性に応じて適宜選択することができる。
本発明の感熱記録材料においては、感熱発色層にさらに画像安定化物質を含有させることができる。用いる画像安定化物質に特に制限はなく、例えば、4−ベンジルオキシ−4'−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、4,4'−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロへキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1−[4'−(4''−ベンジルオキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−2,3−エポキシプロパン、ポリヒドロキシ安息香酸などのポリエステル構造を有する成分、ウレアウレタンなどのウレタン構造を有する物質、ポリ(フェニルスルホン)エーテルなどのポリエーテル構造を有する物質などを挙げることができる。これらの画像安定化物質は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の感熱記録材料においては、必要に応じて、感熱発色層に填料を含有させることができる。用いる填料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、クレー、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機充填判や、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、シリコーン樹脂粒子、セルロース粉などの有機充填剤などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料においては、必要に応じて、他の添加剤を感熱発色層に含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば、ステアリン酸エステルワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸亜鉛などの滑剤、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキサールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料においては、必要に応じて、他の添加剤を感熱発色層に含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば、ステアリン酸エステルワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸亜鉛などの滑剤、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキサールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料の製造方法に特に制限はなく、例えば、発色物質、顕色物質、増感物質、画像安定化物質及び必要に応じて添加するその他の成分を、適当な結合剤とともに、水性媒体などの媒体中に分散させて感熱発色層の塗布液を調製し、この塗布液を支持体上に塗布し、乾燥することにより製造することができる。発色物質、顕色物質、増感物質を含有する分散液は、発色物質を含有する分散液、顕色物質を含有する分散液及び増感物賃を含有する分散液をそれぞれ別々に調製したのち、これらの分散液を混合することにより調製することが好ましい。各分散液中において、発色物質、顕色物質及び増感物質は、微粒子化して分散していることが望ましいので、これらの分散液の調製には、サンドミル、ボールミルなどを用いることが好ましい。使用する結合剤に特に制限はなく、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メトキシセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ゼラチン、カゼイン、デンプン、アルギン酸などの天然高分子類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂などを挙げることができる。これらの結合剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の感熱記録材料に使用する支持体に特に制限はなく、例えば、中性紙や酸性紙などの紙、合成紙、古紙パルプを用いた再生紙、フィルム、不織布、織布などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料に使用する支持体に特に制限はなく、例えば、中性紙や酸性紙などの紙、合成紙、古紙パルプを用いた再生紙、フィルム、不織布、織布などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料においては、支持体上に、さらに、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機充填剤や、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラーなどの有機充填剤などを含むアンダーコート層やバックコート層を設けることが好ましい。アンダーコート層やバックコート層を設けることにより、より発色性を高めることができる。アンダーコート層やバックコート層に使用する結合剤に特に制限はなく、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メトキシセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ゼラチン、カゼイン、デンプン、アルギン酸などの天然高分子類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料においては、さらに必要に応じて、感熱発色層の上に、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール類などの水溶性樹脂や、スチレン/ブタジエン共重合体、テルペン樹脂などの水性エマルジョンや、非水溶性樹脂、それら樹脂に填料、イソシアネート類、不飽和化合物などのモノマーやオリゴマーと架橋剤を加えて、オーバーコート層を形成することができる。
本発明の感熱記録材料は、色調の異なる発色物質をそれぞれ感熱発色層として多層形成した多色感熱記録材料とすることができる。
本発明の感熱記録材料においては、さらに必要に応じて、感熱発色層の上に、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール類などの水溶性樹脂や、スチレン/ブタジエン共重合体、テルペン樹脂などの水性エマルジョンや、非水溶性樹脂、それら樹脂に填料、イソシアネート類、不飽和化合物などのモノマーやオリゴマーと架橋剤を加えて、オーバーコート層を形成することができる。
本発明の感熱記録材料は、色調の異なる発色物質をそれぞれ感熱発色層として多層形成した多色感熱記録材料とすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、作製した感熱記録紙の性能は、次の方法により評価した。色濃度は、反射濃度計[マクベス社、RD−918]を用いて測定した。
(1)発色性
作製した感熱記録紙に、感熱印字装置[(株)大倉電機]を用いて、パルス巾3msで、0.14mJ/dotより0.56mJ/dotまで、0.07mJ/dotごとに印字エネルギーを高めて発色を行い、得られた画像の色濃度を測定した。数値が小さいほど画像が薄く、数値が大きくなるほど画像が濃い。
(2)保存性
作製した感熱記録紙に、感熱印字装置[(株)大倉電機]を用いて、印字電圧20V、パルス巾3msで発色させ、発色させた部分(画像部)と発色させていない部分(白紙部)の色濃度を測定したのち、以下の保存性試験を行った。
1.耐熱性
80℃で24時間放置したのち、画像部の色濃度と白紙部の色濃度を測定し、試験前後の色濃度差を求めた。
2.耐水性
20℃の水に24時間浸漬したのち風乾し、画像部の色濃度を測定し、試験前後の色濃度差を求めた。
3.耐油性
画像部に綿実油を一滴垂らし、20℃、65%RHで24時間静置したのち色濃度を測定し、試験前後の色濃度差を求めた。
なお、実施例及び比較例において、作製した感熱記録紙の性能は、次の方法により評価した。色濃度は、反射濃度計[マクベス社、RD−918]を用いて測定した。
(1)発色性
作製した感熱記録紙に、感熱印字装置[(株)大倉電機]を用いて、パルス巾3msで、0.14mJ/dotより0.56mJ/dotまで、0.07mJ/dotごとに印字エネルギーを高めて発色を行い、得られた画像の色濃度を測定した。数値が小さいほど画像が薄く、数値が大きくなるほど画像が濃い。
(2)保存性
作製した感熱記録紙に、感熱印字装置[(株)大倉電機]を用いて、印字電圧20V、パルス巾3msで発色させ、発色させた部分(画像部)と発色させていない部分(白紙部)の色濃度を測定したのち、以下の保存性試験を行った。
1.耐熱性
80℃で24時間放置したのち、画像部の色濃度と白紙部の色濃度を測定し、試験前後の色濃度差を求めた。
2.耐水性
20℃の水に24時間浸漬したのち風乾し、画像部の色濃度を測定し、試験前後の色濃度差を求めた。
3.耐油性
画像部に綿実油を一滴垂らし、20℃、65%RHで24時間静置したのち色濃度を測定し、試験前後の色濃度差を求めた。
合成例1(4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンの合成)
撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、水1,000質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン250質量部及び水酸化ナトリウム44質量部を仕込み、55℃でアリルクロライド84.2質量部を4時間かけて滴下した。滴下終了後、還流が観察されなくなるまで55〜65℃で撹拌し、その後、55〜65℃で3時間反応を継続した。反応終了後、水酸化ナトリウム40質量部を加えて、80℃に加温し、不溶物をろ別した。80℃のろ液に塩酸を加えてpH9とし、析出した生成物をろ別した。
さらに、撹拌機と冷却管を備えた容器に、生成物、水420質量部及びイソプロパノール140質量部を仕込んで1時間加熱還流したのち、室温に冷却して析出した精製物をろ別し、乾燥して、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン112質量部を得た。得られた4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンの組成を、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン98.0質量%、4,4,−ジヒドロキシジフェニルスルホン1.0質量%、3−アリル−4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン0.4質量%、3−アリル−4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホン0.3質量%、3−アリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン0.3質量%であった。
撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、水1,000質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン250質量部及び水酸化ナトリウム44質量部を仕込み、55℃でアリルクロライド84.2質量部を4時間かけて滴下した。滴下終了後、還流が観察されなくなるまで55〜65℃で撹拌し、その後、55〜65℃で3時間反応を継続した。反応終了後、水酸化ナトリウム40質量部を加えて、80℃に加温し、不溶物をろ別した。80℃のろ液に塩酸を加えてpH9とし、析出した生成物をろ別した。
さらに、撹拌機と冷却管を備えた容器に、生成物、水420質量部及びイソプロパノール140質量部を仕込んで1時間加熱還流したのち、室温に冷却して析出した精製物をろ別し、乾燥して、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン112質量部を得た。得られた4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンの組成を、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン98.0質量%、4,4,−ジヒドロキシジフェニルスルホン1.0質量%、3−アリル−4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン0.4質量%、3−アリル−4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホン0.3質量%、3−アリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン0.3質量%であった。
合成例2(N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の合成)
撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、水172質量部、m−アミノフェノール54.6質量部及び水酸化ナトリウム22質量部を仕込み、65℃でp−トルエンスルホニルクロライド95.4質量部を3時間かけて添加した。添加終了後、65℃で3時間反応を継続した。反応終了後、不溶物をろ別し、水で洗浄したのち、乾燥して3−p−トルエンスルホニルオキシアニリン67.1質量部を得た。
次に、撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、ジメチルホルムアミド132質量部、3−p−トルエンスルホニルオキシアニリン53質量部を仕込み、25℃でトルエンスルホニルイソシアネート33.4質量部を添加した。添加終了後、25℃で3時間反応させ、さらにトルエンスルホニルイソシアネート6質量部を添加して、1時間反応を継続した。反応終了後、反応混合物に、水及びメタノールを添加し、生成物を白色の固体として沈殿させ、ろ別し、メタノールで洗浄した。80℃で真空乾燥して、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素74.6質量部を得た。得られたN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の融点は、155〜159℃であった。
撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、水172質量部、m−アミノフェノール54.6質量部及び水酸化ナトリウム22質量部を仕込み、65℃でp−トルエンスルホニルクロライド95.4質量部を3時間かけて添加した。添加終了後、65℃で3時間反応を継続した。反応終了後、不溶物をろ別し、水で洗浄したのち、乾燥して3−p−トルエンスルホニルオキシアニリン67.1質量部を得た。
次に、撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、ジメチルホルムアミド132質量部、3−p−トルエンスルホニルオキシアニリン53質量部を仕込み、25℃でトルエンスルホニルイソシアネート33.4質量部を添加した。添加終了後、25℃で3時間反応させ、さらにトルエンスルホニルイソシアネート6質量部を添加して、1時間反応を継続した。反応終了後、反応混合物に、水及びメタノールを添加し、生成物を白色の固体として沈殿させ、ろ別し、メタノールで洗浄した。80℃で真空乾燥して、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素74.6質量部を得た。得られたN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の融点は、155〜159℃であった。
実施例1
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン40質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液80質量部及び水40質量部を、サンドミルを用いて4時間微粉砕して分散させることにより、発色物質分散液(A液)を調製した。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50の混合物である顕色物質28質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液120質量部及び水52質量部を、サンドミルを用いて4時間微粉砕して分散させることにより、顕色物質分散液(B液)を調製した。1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン28質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液120質量部及び水52質量部を、サンドミルを用いて4時間微粉砕して分散させることにより、増感物質分散液(C液)を調製した。その後、B液60質量部、C液60質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液16質量部及びカオリン12.2質量部を、ディスパーを用いて撹拌混合し、D液を調製した。次いで、A液11.3質量部及びD液100質量部を混合して、感熱発色層の塗布液を調製し、坪量65g/m2の上質紙に、乾燥塗布量が約5g/m2となるように塗布したのち、風乾し、カレンダー処理して感熱記録紙を得た。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.72となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.90となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.98、耐水性試験後0.88、耐油性試験後0.86であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン40質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液80質量部及び水40質量部を、サンドミルを用いて4時間微粉砕して分散させることにより、発色物質分散液(A液)を調製した。4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50の混合物である顕色物質28質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液120質量部及び水52質量部を、サンドミルを用いて4時間微粉砕して分散させることにより、顕色物質分散液(B液)を調製した。1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン28質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液120質量部及び水52質量部を、サンドミルを用いて4時間微粉砕して分散させることにより、増感物質分散液(C液)を調製した。その後、B液60質量部、C液60質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液16質量部及びカオリン12.2質量部を、ディスパーを用いて撹拌混合し、D液を調製した。次いで、A液11.3質量部及びD液100質量部を混合して、感熱発色層の塗布液を調製し、坪量65g/m2の上質紙に、乾燥塗布量が約5g/m2となるように塗布したのち、風乾し、カレンダー処理して感熱記録紙を得た。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.72となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.90となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.98、耐水性試験後0.88、耐油性試験後0.86であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例2
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4,−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比40:60である顕色物質を使用した以外は、実満例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.71となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.88となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.99、耐水性試験後0.87、耐油性試験後0.85であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例3
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比60:40である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.75となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.92となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.97、耐水性試験後0.87、耐油性試験後0.85であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例4
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比30:70である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.65となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.81となった。画像部の色濃度は、試験前1.04、耐熱性試験後1.00、耐水性試験後0.85、耐油性試験後0.84であり、白紙邸の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4,−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比40:60である顕色物質を使用した以外は、実満例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.71となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.88となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.99、耐水性試験後0.87、耐油性試験後0.85であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例3
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比60:40である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.75となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.92となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.97、耐水性試験後0.87、耐油性試験後0.85であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例4
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比30:70である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.65となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.81となった。画像部の色濃度は、試験前1.04、耐熱性試験後1.00、耐水性試験後0.85、耐油性試験後0.84であり、白紙邸の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例5
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比70:30である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.77となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.91となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.94、耐水性試験後0.83、耐油性試験後0.82であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例6
実施例1で使用した上質紙の代わりに、アンダーコート剤(焼成カオリン35質量部、50質量%スチレン/ブタジエンラテックス8質量部、ポリビニルアルコール2質量部、水55質量部の分散液)を用いて、乾燥塗布量が約7g/m2となるよう塗布した上質紙を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.88となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度1.01となった。画像部の色濃度は、試験前1.12、耐熱性試験後1.05、耐水性試験後0.87、耐油性試験後0.85であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例7
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比25:75である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.58となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.70となった。画像部の色濃度は、試験前1.03、耐熱性試験後1.00、耐水性試験後0.83、耐油性試験後0.82であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.11であった。
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比70:30である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.77となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.91となった。画像部の色濃度は、試験前1.05、耐熱性試験後0.94、耐水性試験後0.83、耐油性試験後0.82であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例6
実施例1で使用した上質紙の代わりに、アンダーコート剤(焼成カオリン35質量部、50質量%スチレン/ブタジエンラテックス8質量部、ポリビニルアルコール2質量部、水55質量部の分散液)を用いて、乾燥塗布量が約7g/m2となるよう塗布した上質紙を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.88となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度1.01となった。画像部の色濃度は、試験前1.12、耐熱性試験後1.05、耐水性試験後0.87、耐油性試験後0.85であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.12であった。
実施例7
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比25:75である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.58となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.70となった。画像部の色濃度は、試験前1.03、耐熱性試験後1.00、耐水性試験後0.83、耐油性試験後0.82であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.11であった。
比較例1
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比50:50である顕色物質の代わりに、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素のみからなる顕色物質28質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.46となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.52となった。画像部の色濃度は、試験前1.03、耐熱性試験後1.01、耐水性試験後0.79、耐油性試験後0.80であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.11であった。
比較例2
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンのみからなる顕色物質28質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
得られた感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.80となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.90となった。画像部の色濃度は、試験前1.06、耐熱性試験後0.74、耐水性試験後0.50、耐油性試験後0.24であり、白紙部の色濃度は、試験前0.07、耐熱性試験後0.13であった。
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比50:50である顕色物質の代わりに、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素のみからなる顕色物質28質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.46となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.52となった。画像部の色濃度は、試験前1.03、耐熱性試験後1.01、耐水性試験後0.79、耐油性試験後0.80であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.11であった。
比較例2
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンのみからなる顕色物質28質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
得られた感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.80となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.90となった。画像部の色濃度は、試験前1.06、耐熱性試験後0.74、耐水性試験後0.50、耐油性試験後0.24であり、白紙部の色濃度は、試験前0.07、耐熱性試験後0.13であった。
比較例3
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比75:25である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.78となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.90となった。画像部の色濃度は、試験前1.06、耐熱性試験後0.89、耐水性試験後0.76、耐油性試験後0.72であり、白紙部の色濃度は、試験前0.07、耐熱性試験後0.13であった。
比較例4
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比20:80である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.52となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.62となった。画像部の色濃度は、試験前1.03、耐熱性試験後1.01、耐水性試験後0.82、耐油性試験後0.82であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.11であった。
実施例1〜7と比較例1〜4について、発色性試験の結果を第1表に、保存性試験の結果を第2表に示す。
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比75:25である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.78となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.90となった。画像部の色濃度は、試験前1.06、耐熱性試験後0.89、耐水性試験後0.76、耐油性試験後0.72であり、白紙部の色濃度は、試験前0.07、耐熱性試験後0.13であった。
比較例4
実施例1におけるB液の4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素との質量比50:50である顕色物質の代わりに、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素の質量比20:80である顕色物質を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
この感熱記録紙は、発色性試験において印字エネルギー0.42mJ/dotのとき色濃度0.52となり、印字エネルギー0.49mJ/dotのとき色濃度0.62となった。画像部の色濃度は、試験前1.03、耐熱性試験後1.01、耐水性試験後0.82、耐油性試験後0.82であり、白紙部の色濃度は、試験前0.08、耐熱性試験後0.11であった。
実施例1〜7と比較例1〜4について、発色性試験の結果を第1表に、保存性試験の結果を第2表に示す。
第1表に見られるように、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素のみを顕色物質とする比較例1の感熱記録紙に比べて、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素の質量比が25:75〜70:30の混合物を顕色物質とする実施例1〜7の感熱記録紙は、すべて優れた発色性を示している。また、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンのみを顕色物質とする比較例2の感熱記録紙に比べて、実施例1、実施例2、実施例3、実施例5及び実施例6の感熱記録紙は、ほぼ同等の発色性を示している。さらに、顕色物質が同じであるが、アンダーコート層のない実施例1の感熱記録紙と、アンダーコート層を有する実施例6の感熱記録紙を比較すると、アンダーコート層を有する実施例6の感熱記録紙の方が発色性が良好である。
第2表に見られるように、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンのみを顕色物質とする比較例2の感熱記録紙は、耐熱性試験、耐水性試験、耐油性試験において色濃度が大きく減少し、耐熱性、耐水性、耐油性が不良である。N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素を顕色物質とする比較例1の感熱記録紙は、耐熱性試験、耐水性試験、耐油性試験において色濃度の変化が少なく、耐熱性、耐水性、耐油性が良好である。これに対して、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素の質量比が25:75〜70:30の混合物を顕色物質とする実施例1〜7の感熱記録紙は、比較例1の感熱記録紙に比べて同等又はそれ以上の耐熱性、耐水性、耐油性を示し、特に、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び実施例7の感熱記録紙は、耐水性、耐油性が良好である。
4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素の質量比が25:75〜70:30の混合物を顕色物質とすることにより、高感度の発色性を推持し、かつ、画像部の保存性と白紙部の保存性も優れた感熱記録紙を得ることができる。
第2表に見られるように、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンのみを顕色物質とする比較例2の感熱記録紙は、耐熱性試験、耐水性試験、耐油性試験において色濃度が大きく減少し、耐熱性、耐水性、耐油性が不良である。N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素を顕色物質とする比較例1の感熱記録紙は、耐熱性試験、耐水性試験、耐油性試験において色濃度の変化が少なく、耐熱性、耐水性、耐油性が良好である。これに対して、4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素の質量比が25:75〜70:30の混合物を顕色物質とする実施例1〜7の感熱記録紙は、比較例1の感熱記録紙に比べて同等又はそれ以上の耐熱性、耐水性、耐油性を示し、特に、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び実施例7の感熱記録紙は、耐水性、耐油性が良好である。
4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素の質量比が25:75〜70:30の混合物を顕色物質とすることにより、高感度の発色性を推持し、かつ、画像部の保存性と白紙部の保存性も優れた感熱記録紙を得ることができる。
本発明の感熱記録材料は、発色性が良好であり、低い印字エネルギーでも濃色に発色するので、携帯端末の小電流、高速印字などに対応することができる。また、画像部の保存性と白紙部の保存性に優れており、印字後の過酷な条件に耐えて使用することができる。
Claims (4)
- 発色物質として無色又は淡色のロイコ染料を含有し、顕色物質として4−アリルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンとN−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素とを、質量比が25:75〜70:30で含有する感熱発色層を支持体上に設けてなることを特徴とする感熱記録材料。
- 支持体が、アンダーコート層を有する請求項1に記載の感熱記録材料。
- 支持体が、バックコート層を有する請求項1又は請求項2に記載の感熱記録材料。
- 感熱発色層が、さらに増感物質を含有する請求項1に記載の感熱記録材料。
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