JP5066023B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
このような感熱記録材料は、比較的簡易な装置で記録が得られ、保守が容易であること、騒音の発生が少ないことなどの利点があり、各種携帯端末などのサーマルプリンター、超音波エコーなどに付属する医療画像プリンター、心電図や分析機器などのサーモペンレコーダー、航空券、乗車券、商品のPOSラベルなどに利用されている。
例えば、高感度で地肌のかぶりが少なく、記録像の保存性、とりわけ、耐水性、耐可塑剤性に優れた感熱記録材料が得られる顕色剤として、α,α'−ビス[4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−p−キシレン、α,α'−ビス[4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−m−キシレン若しくはα,α'−ビス[4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−o−キシレンを含有する感熱記録材料が提案されている(特許文献3)。また、発色画像の保存安定性、特に、耐可塑剤性、耐油性、耐光性、耐湿熱性に優れた感熱記録材料の顕色剤として、ジヒドロキシジフェニルスルホンとアルキレンジクロライドやα,α'−ジクロロキシレンなどとの反応物であるジフェニルスルホン架橋型化合物が例示されている(特許文献4)。しかし、これらの感熱記録材料は、未発色部の耐熱性が不十分であり、また、顕色剤の高保存性という要求が十分に満たされているとは言えない。
すなわち、本発明は、
無色又は淡色のロイコ染料からなる発色物質と顕色剤とを含有する感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料において、前記顕色剤として、(A)4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び/又は2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと、(B)一般式(1)
で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とを、質量比85:15〜35:65の割合で混合して用いることを特徴とする感熱記録材料、
を提供するものである。
[顕色剤]
本発明においては、顕色剤として(A)4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び/又は2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと、(B)一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とを併用することにより、前記(A)成分のジヒドロキシジフェニルスルホンのみを使用したときに比べて、画像部の保存性を顕著に向上させることができる。また、(B)成分の一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物のみを使用した場合に比べて、画像部の発色濃度を顕著に向上させることができる。
前記(A)成分のジヒドロキシジフェニルスルホンと(B)成分の一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の質量比は、85:15〜35:65の範囲で選定される。(B)成分の一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の含有割合がこの範囲より少なくなると、画像部の保存性が低下するおそれがあり、一方、(A)成分のジヒドロキシジフェニルスルホンの含有割合がこの範囲より少なくなると、画像部の発色濃度が低下するおそれがある。(A)成分と(B)成分の好ましい含有割合は、80:20〜40:60であり、より好ましい含有割合は70:30〜50:50である。
本発明に用いる4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンは公知の製造方法、例えば、特開昭61−36253号公報、特開昭63−48261号公報、特開昭64−50855号公報、特開平3−101654号公報、特開平6−107622号公報、特開2003−212839号公報等で開示された製造方法にて得ることができ、市販されている4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン「BPS−P(T)」[日華化学(株)製]、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン「BPS−24C」[日華化学(株)製]を使用することもできる。4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンはそれぞれ高純度品を用いる必要はなく、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンと2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンの混合物であっても良い。
(B)成分として用いる前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、例えば、ジヒドロキシジフェニルスルホンと、4,4'−ビス(クロロメチル)−1,1'−ビフェニル又は4,4'−ビス(ブロモメチル)−1,1'−ビフェニルとを、塩基性物質の存在下、溶剤を用いて反応させることにより製造することができる。反応温度としては50℃以上、溶剤の還流温度以下であることが好ましい。用いるジヒドロキシジフェニルスルホンとしては、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、又はこれらの混合物を挙げることができる。用いる塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類;グリコール類のモノアルキルエーテル類;グリコール類のジアルキルエーテル類;アセトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン等のエステル類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、これらの混合溶剤などを挙げることができる。
本発明において、感熱発色層に含有させる発色物質として用いる無色又は淡色のロイコ染料に特に制限はなく、例えば、フルオラン誘導体、キナゾリン誘導体、フタリド誘導体、トリフェニルメタン誘導体、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。これらのロイコ染料の中で、フルオラン誘導体は、発色性が良好なので特に好適に用いることができる。フルオラン誘導体であるロイコ染料としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2',4'−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(4−メチルフェニル)]アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロへキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−ペンチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−へキシル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル−N−ブチルアミノ−7−(2'−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−クロロフルオラン、3−ピロジリル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2'−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2'−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ブチルアミノ−7−(2'−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオランなどを挙げることができる。
これらのロイコ染料は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また感熱発色層に含有させる発色物質の量は、目的とする感熱記録材料の特性に応じて適宜選択することができる。
本発明の感熱記録材料においては、感熱発色層にさらに増感剤を含有させることができる。用いる増感剤に特に制限はないが、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(3−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(4−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、2−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、4−アセチルベンジル、N−フェニルトルエンスルホンアミド、トルエンスルホン酸ナフチル、p−ベンジルビフェニル、m−テルフェニル、4,4'−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4'−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4'−ジアリルオキシジフェニルスルホン、2,4'−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4'−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4'−ジアリルオキシジフェニルスルホン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、テレフタル酸ベンジルなどを挙げることができる。これらの増感剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の感熱記録材料においては、感熱発色層にさらに画像安定化剤を含有させることができる。用いる画像安定化剤に特に制限はなく、例えば、4−ベンジルオキシ−4'−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4'−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロへキシルフェニル)ブタン、ポリヒドロキシ安息香酸などのポリエステル構造を有する化合物、ウレアウレタンなどのウレタン構造を有する物質、ポリ(フェニルスルホン)エーテルなどのポリエーテル構造を有する物質などを挙げることができる。これらの画像安定化剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の感熱記録材料においては、必要に応じて、感熱発色層に填料を含有させることができる。用いる填料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、クレー、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理されたシリカなどの無機填料や、ポリスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、シリコーン樹脂粒子、セルロース粉、スチレン/メタクリル酸共重合体粒子、塩化ビニリデン系樹脂粒子、スチレン/アクリル共重合体粒子、プラスチック球状中空微粒子などの有機填料などを挙げることができる。これらの填料は1種を単独で用いることができ、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の感熱記録材料においては、必要に応じて、他の添加剤を感熱発色層に含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば、ステアリン酸エステルワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸亜鉛などの滑剤、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料の製造方法に特に制限がなく、例えば、発色物質、顕色剤、及び必要に応じて添加する増感剤、画像安定化剤、その他の成分を適当な結合剤とともに、水媒体などの媒体中に分散させて感熱発色層の塗布液を調製し、この塗布液を支持体上に塗布し、乾燥することにより製造することができる。発色物質、顕色剤、増感剤を含有する分散液は、発色物質を含有する分散液、顕色剤を含有する分散液及び増感剤を含有する分散液をそれぞれ個別に調製したのち、これらの分散液を混合することにより調製することが好ましい。
各分散液中において、発色物質、顕色剤及び増感剤は、微粒子化して分散していることが望ましいので、これらの分散液の調製には、サンドミル、ボールミルなどを用いることが好ましい。
使用する結合剤に特に制限はなく、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メトキシセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類;ゼラチン、カゼイン、澱粉、アルギン酸などの天然高分子類;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、ポリビニルピロリドン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂などを挙げることができる。これらの結合剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の感熱記録材料に使用する支持体には特に制限はなく、例えば、中性紙や酸性紙などの紙、合成紙、古紙パルプを用いた再生紙、フィルム、不織布、織布などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料においては、支持体上に、さらに、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、クレー、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理されたシリカなどの無機填料や、ポリスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、シリコーン樹脂粒子、セルロース粉、スチレン/メタクリル酸共重合体粒子、塩化ビニリデン系樹脂粒子、スチレン/アクリル共重合体粒子、プラスチック球状中空微粒子などの有機填料などを含むアンダーコート層やバックコート層を設けることが好ましい。アンダーコート層やバックコート層を設けることにより、断熱層として作用し、サーマルヘッド等からの熱エネルギーの効率的活用による感度向上をもたらすことができる。特に、プラスチック球状中空微粒子を含むアンダーコート層やバックコート層は、熱感度を効果的に向上させることができるので好適に用いられる。
中空率(%)=[(中空微粒子の内径)/(中空微粒子の外径)]×100
プラスチック球状中空微粒子は、前記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、該樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエンあるいはそれらの共重合体樹脂などが挙げられる。これらの中でも、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
本発明の感熱記録材料は、色調の異なる発色物質をそれぞれ感熱発色層として多層形成した多色感熱記録材料とすることができる。
なお、実施例及び比較例において、作製した感熱記録材料の性能は、次の方法により評価した。
(1)耐可塑剤性
作製した感熱記録材料に、感熱印字装置[(株)大倉電気製]を用いて、印字電圧20V、パルス巾3msで発色させ、発色させた部分(画像部)の色濃度を反射濃度計[マクベス社製、「RD−918」]を用いて測定する。次に、画像部に塩ビラップを3枚重ね、さらに一般紙10枚を重ね、約1.96N/cm2となるように重りをのせたものを、20℃環境下24時間放置したのち色濃度を測定した。
(2)耐水性
作製した感熱記録材料に、感熱印字装置[(株)大倉電気製]を用いて、印字電圧20V、パルス巾3msで発色させ、発色させた部分(画像部)の色濃度を反射濃度計[マクベス社製、「RD−918」]を用いて測定する。次に、20℃の蒸留水中で24時間浸漬させ、1時間風乾させた後の色濃度を測定した。
(3)耐熱性
作製した感熱記録材料の、発色させていない部分(未発色部)の色濃度を反射濃度計[マクベス社製、「RD−918」]を用いて測定する。次に、80℃又は90℃で24時間放置したのち、色濃度を測定した。
撹拌機、還流冷却管、温度計を備えた4ツ口フラスコに、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン(純度99.8質量%)35g(0.14モル)、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン(純度96.5質量%)15g(0.06モル)、ジメチルホルムアミド200gを仕込み、溶解させた。次に、水酸化ナトリウム14g(0.35モル)を加え、70℃に加熱し、4,4'−ビス(クロロメチル)−1,1'−ビフェニル38g(0.15モル)をジメチルホルムアミド120gに溶解させた液を0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃に加熱してさらに5時間反応した。反応終了後、反応物を、0.1質量%塩酸水溶液2000g中に30℃で0.5時間かけて徐々に添加したのち、さらに2時間撹拌した。析出した結晶をろ別し、水洗した。次に、反応容器に得られた結晶と20質量%メタノール水溶液500gを仕込み、70℃で2時間加熱したのち、25℃に冷却して析出した結晶をろ別し、水洗、乾燥したところ、反応生成物70gが得られた。得られた反応生成物を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[東ソー社製](但し、移動層はジメチルホルムアミド(DMF)である。)で分析したところ、前記一般式(1)においてnが1〜9である次のような組成であった。
n=0 :保持時間 12.9分:面積% 4.9
n=1 :保持時間 12.0分:面積% 23.2
n=2 :保持時間 11.2分:面積% 23.7
n=3 :保持時間 10.7分:面積% 19.1
n=4 :保持時間 10.4分:面積% 12.7
n=5 :保持時間 10.0分:面積% 7.3
n=6 :保持時間 9.7分:面積% 3.3
n=7 :保持時間 9.4分:面積% 1.2
n=8 :保持時間 9.2分:面積% 0.3
n=9 :保持時間 8.9分:面積% 0.1
水酸化ナトリウム14g(0.35モル)の代わりに9.2g(0.23モル)を、4,4'−ビス(クロロメチル)−1,1'−ビフェニル38g(0.15モル)の代わりに25.3g(0.1モル)を使用した以外は合成例1と同様にして反応生成物52gが得られた。得られた生成物は次のような組成であった。
n=0:8.9%、n=1:39.8%、n=2:26.8%、n=3:12.1%、n=4:5.0%、n=5:2.1%、n=6:0.5%、n=7:0.3%、n=8:0.2%、なお、%は面積%である。
合成例3
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン(純度99.8質量%)35g(0.14モル)の代わりに50g(0.2モル)を使用し、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用しなかった以外は合成例1と同様にして反応生成物69gが得られた。得られた生成物は次のような組成であった。
n=0:4.7%、n=1:24.1%、n=2:23.1%、n=3:18.8%、n=4:12.5%、n=5:7.2%、n=6:3.5%、n=7:1.5%、n=8:0.4%、n=9:0.2%、なお、%は面積%である。
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液10質量部、水30質量部を、サンドミルを用いて4時間微粉砕して分散させることにより、発色物質分散液(A液)を調製した。合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液10質量部、水30質量部を、サンドミルを用いて3時間微粉砕して分散させることにより、顕色剤分散液(B液)を調製した。シリカ[「ミズカシル(登録商標)P527」、水沢化学(株)製]10質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液10質量部、水30質量部を、サンドミルを用いて3時間微粉砕して分散させることにより、シリカゲル分散液(C液)を調製した。ステアリン酸亜鉛10質量部、10質量%ポリビニルアルコール水溶液10質量部、水30質量部を、サンドミルを用いて3時間微粉砕して分散させることにより、ステアリン酸亜鉛分散液(D液)を調製した。非発泡性プラスチック微小中空粒子(固形分24質量%、平均粒径3μm、中空度90%)40質量部、スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス[「Nipol(登録商標)LX438C」、日本ゼオン(株)製]10質量部、水50質量部を、ディスパーを用いて撹拌混合させることにより、樹脂液(E液)を調製した。次に、A液5質量部、B液20質量部、C液20質量部及びD液2.5質量部を、ディスパーを用いて撹拌混合し発色層の塗布液を調製した。また、C液5質量部及びE液10質量部を、ディスパーを用いて撹拌混合しアンダーコート層の塗布液を調製した。坪量60g/m2の上質紙に、アンダーコート層の塗布液を乾燥塗布量が3g/m2となるように塗布し、乾燥してアンダーコート塗布紙を得た。このアンダーコート層上に、発色層の塗布液を乾燥塗布量が5g/m2となるように塗布し、乾燥し、1MPaの圧力でカレンダー処理して本発明の感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンの代わりに2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例3
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン2質量部と4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン5質量部を用いて頭色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例4
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン5質量部と4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン2質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例5
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例1で得られた化合物2質量部及び4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン8質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例1で得られた化合物5質量部及び4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン5質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例7
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例1で得られた化合物6質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン4質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例8
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例2で得られた化合物4質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン6質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例9
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例3で得られた化合物4質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン6質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例1で得られた化合物10質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
比較例2
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン10質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
比較例3
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン10質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例1で得られた化合物1質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン9質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
比較例5
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例1で得られた化合物7質量部及び4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン3質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
比較例6
合成例1で得られた化合物3質量部、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン7質量部の代わりに、合成例1で得られた化合物3質量部及び4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン[日本曹達(株)製、「D−8」]7質量部を用いて顕色剤分散液(B液)を調製した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し、評価を行った。結果を第1表に示す。
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