JP2016055619A - 感熱記録塗布液及び感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録塗布液及び感熱記録材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2016055619A
JP2016055619A JP2015064871A JP2015064871A JP2016055619A JP 2016055619 A JP2016055619 A JP 2016055619A JP 2015064871 A JP2015064871 A JP 2015064871A JP 2015064871 A JP2015064871 A JP 2015064871A JP 2016055619 A JP2016055619 A JP 2016055619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
heat
sensitive recording
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015064871A
Other languages
English (en)
Inventor
圭一郎 稲田
Keiichiro Inada
圭一郎 稲田
須賀 守
Mamoru Suga
守 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JP2016055619A publication Critical patent/JP2016055619A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】動的感度と画像の保存安定性に優れる感熱記録材料を提供する。
【解決手段】下記一般式により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体、並びに脂肪酸アミド、メチロール脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体並及びジフェニルスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する感熱記録塗布液。及び、該感熱記録塗布液を支持体の少なくとも片面上に塗布することにより感熱記録層が形成された感熱記録材料。
Figure 2016055619

(アルカンスルホニル基、アルカノイル基、アルキル(チオ)カルバモイル基、炭化水素基で置換されたオキシカルボニル基、ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い芳香族スルホニル基またはベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良いアロイル基を示し、Xはハロゲン原子で置換されていても良い炭化水素基を示し、mは1または2の整数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体と特定の増感剤を含有する感熱記録塗布液及び該塗布液を用いて形成された感熱記録層を有する感熱記録材料に関するものである。
塩基性(電子供与性)ロイコ染料(以下、「ロイコ染料」又は「染料」と言う場合がある)と電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」と言う場合がある)との熱による発色反応を利用して記録画像を得る感熱記録材料は、発色が鮮明である、記録時の騒音が少ない、現像定着が不要である、機器が比較的安価でコンパクトな上にメンテナンスが容易であるなどの利点を有する。このため、感熱記録材料は、ファクシミリやコンピューターのプリンター;自動券売機;計測用レコーダー及び屋外で使用されるハンディターミナルなどのサーマルヘッドを内蔵した印刷機器の出力用紙として使用されている。また、感熱記録材料は、ラベル;チケット;配送伝票;電気、ガス、水道などの屋外計測用携帯端末(ハンディターミナル)に内蔵されたプリンターおよびプロッターの出力媒体などの用途にも利用が急速に拡大されつつある。携帯型プリンター(ハンディターミナル)は、近年、小型化が進み、印字エネルギーや駆動エネルギーが省電力化される傾向にある。このため、より高い発色動的感度を有する感熱記録材料が求められている。そこで、ビスフェノールA、2,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4,4‘−スルホニルビス(2−アリルフェノール)、3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体(特許文献1参照)などの各種顕色剤が開発されている。
また、感熱記録材料の動的感度を高めるための各種増感剤も提案されており、例えば、顕色剤としてビスフェノールAを用いた場合については、2−ナフチルベンジルエーテルや1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンなどを併用することにより、優れた感熱記録材料を得ることができることが知られている(特許文献2〜5参照)。具体的には、特許文献2では、顕色剤としてビスフェノールAを用いた場合において、2−ナフチルベンジルエーテル、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン又はシュウ酸ビス(p―メチルベンジル)を併用する方が、ステアリン酸アミドを併用するより好ましいことが開示されている。また、特許文献3では、顕色剤として2,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた場合において、2−ナフチルベンジルエーテルを併用する方が、シュウ酸ジベンジルを併用するより好ましいことが開示されている。また、特許文献4又は5では、顕色剤として4,4‘−スルホニルビス(2−アリルフェノール)又は4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン用いた場合において、2−ナフチルベンジルエーテルを併用する方が、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンを併用するより好ましいことが開示されている。
感熱記録材料を金券、ラベル又はチケットなどの用途に用いる場合、真夏に屋外で使用したり、プラスチックフィルムなどの包装材料や合成皮革に接した状態で長期間保管されたりすることがあることから、発色部の保存安定性(耐可塑剤性、耐油性、耐熱性)も求められるようになってきている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンのような汎用顕色剤を用いた場合において、増感剤を併用すれば発色部が実用上十分に満足し得るものの、保存安定性を有する感熱記録材料は得られなかった。
また、酸化防止剤の添加(特許文献6参照)も提案されているが、本発明者らの検討に
よれば、発色動的感度との両立は難しいことが判明した。
特開2001−48861号公報 特開平5−318922号公報 特開平5−16531号公報 特開2003−246150号公報 特開2001−54981号公報 特開昭59−2891号公報
このような状況下において、本発明は、支持体の少なくとも片面上に、塩基性ロイコ染料、顕色剤及び増感剤を含有する感熱記録層が積層された感熱記録材料について、動的感度と画像の保存安定性(耐湿性、耐熱性、耐可塑剤性)が共に優れる感熱記録材料を提供することを課題とする。また、該感熱記録材料の感熱記録層を形成させるのに好適な感熱記録塗布液を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。この結果、特定の顕色剤と特定の増感剤を併用することにより、動的感度と画像の保存安定性(耐湿性、耐熱性、耐可塑剤性)が共に優れる感熱記録材料を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明の第1の要旨は、感熱記録材料の感熱記録層を形成するための感熱記録塗布液であって、前記塗布液が下記一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体、並びに炭素数が10〜21の脂肪酸アミド、炭素数が11〜22のメチロール脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体及びジフェニルスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱記録塗布液に存する。
Figure 2016055619
(式中、Rは炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基、炭素数が2〜3のアルカノイル基、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基、炭素数が1〜12の炭化水素基で置換されたオキシカルボニル基、ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜12の芳香族スルホニル基またはベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜7のアロイル基を示し、Xは1個又は2個の遊離原子価を有する炭素数が4〜13のハロゲン原子で置換されていても良い炭化水素基を示し、mは1または2の整数を示す。また、本発明の第2の要旨は、前記一般式(1)における前記Rが、炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基またはアルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基であり、前記Xが芳香族炭化水素基であり、前記mが1である、第1の要旨に記載の感熱記録塗布液に存する。本発明の第3の要旨は、第1又は第2の要旨に記載の感熱記録塗布液であって、更にビスフェノールスルホン系化合物、ビスフェノール系化合物、ウレア系化合物、ノボラック型フェノール系化合物及びフェノールスルホン酸エステル系化合物から
なる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する感熱記録塗布液に存する。
そして、本発明の第4の要旨は、支持体の少なくとも片面上に、塩基性ロイコ染料、顕色剤及び増感剤を含有する感熱記録層が積層された感熱記録材料であって、前記顕色剤が、上記一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体を少なくとも1種以上含有し、前記増感剤が、炭素数が10〜21の脂肪酸アミド、炭素数が11〜22のメチロール脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体及びジフェニルスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱記録材料に存する。また、本発明の第5の要旨は、前記一般式(1)における前記Rが、炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基またはアルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基であり、前記Xが芳香族炭化水素基であり、前記mが1である、第4の要旨に記載の感熱記録材料に存する。
本発明によれば、動的感度と画像の保存安定性(耐湿性、耐熱性、耐可塑剤性)が共に優れる感熱記録材料を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
<感熱記録材料>
本発明の感熱記録材料は、支持体の少なくとも片面上に感熱記録層(以下、「本発明に係る感熱記録層」と言う場合がある)が積層されている。感熱記録層には、塩基性ロイコ染料、ロイコ染料を発色させるための顕色剤及び増感剤が含有されている。 ここで、後述するとおり、本発明に係る感熱記録層には、特定の種類の顕色剤と増感剤が含有されている。なお、本発明に係る感熱記録層には、安定剤、バインダー、架橋剤、顔料、滑剤、その他添加剤などが含有されていても良い。
以下、感熱記録層に含有される各成分について説明する。
<顕色剤>
本発明に係る感熱記録層に含有される顕色剤は、下記一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体(以下、「本発明に係る顕色剤」と言う場合がある)を少なくとも1種以上含有する。
Figure 2016055619
(式中、Rは炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基、炭素数が2〜3のアルカノイル基、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基、炭素数が1〜12の炭化水素基で置換されたオキシカルボニル基、ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜12の芳香族スルホニル基またはベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜7のアロイル基を示し、Xは1個又は2個の遊離原子価を有する炭素数が4〜13のハロゲン原子で置換されていても良い炭化水素基を示し、mは1または2の整数を示す。)
Rに含まれる炭素数は、本発明に係る顕色剤の融点が低くなりやすい点では少ないことが
好ましい。そこで、上記アルカンスルホニル基は、メタンスルホニル基およびエタンスルホニル基などの炭素数が1〜2のアルカンスルホニル基が好ましい。また、上記アルカノイル基は、本発明に係る顕色剤の融点が低くなりやすい点では、アセチル基が好ましい。上記アルキル(チオ)カルバモイル基としては、メチル(チオ)カルバモイル基、t−ブチル(チオ)カルバモイル基などが好ましい。
上記炭化水素基で置換されたオキシカルボニル基(以下、「置換オキシカルボニル基」と言う場合がある)において、「置換」とは、カルボニル基の炭素に酸素を介して炭化水素基が結合していることを意味する。該炭化水素基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基およびアラルキル基などが挙げられる。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびブチル基などの炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基などが好ましく、アラルキル基としては、ベンジル基が好ましい。そこで、上記置換オキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが好ましい。
上記「ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜12の芳香族スルホニル基」及び「ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数6〜7のアロイル基」における置換基としてのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。これらの内、塩素が好ましい。但し、安全性の観点からは、無置換の芳香族スルホニル基又は無置換のアロイル基が好ましい。
また、上記芳香族スルホニル基としては、本発明に係る顕色剤の融点が低くなりやすい点ではことからベンゼンスルホニル基、クロロベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基などが好ましい。上記アロイル基としては、ベンゾイル基、クロロベンゾイル基、トルオイル基などが好ましい。
これらのうち、動的感度と画像の保存安定性に優れる感熱記録材料を得やすいことから、Rとしては、炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基又はアルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基が特に好ましい。
上記Xで示される「1個又は2個の遊離原子価を有する炭素数が4〜13のハロゲン原子で置換されていても良い炭化水素基」(以下、「Xで示される炭化水素基」と言う場合がある)における炭化水素基は、脂肪族でも芳香族でも構わない。脂肪族炭化水素基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基などのアルキル基及びテトラメチレン、ヘプタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレンなどの炭素数が4〜8のアルキレン基などが好ましい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基などの1価のアリール基;フェニレン、トリレンなどの2価のアリーレン基及びジフェニルメチル基などのアラルキル基などが好ましい。なお、「Xで示される炭化水素基」がハロゲン原子で置換されている場合のハロゲン原子は、上記「ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜12の芳香族スルホニル基」及び「ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜7のアロイル基」における置換基としてのハロゲン原子と同様であることが好ましい。また、「Xで示される炭化水素基」には、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィド及びジフェニルエーテルのように、芳香族炭化水素基同士が硫黄原子、酸素原子又はスルホニル基を介して架橋した2価の芳香族炭化水素基も含まれる。これらのうち、「Xで示される炭化水素基」としては、特に、フェニル基、トリル基及びジフェニルメチル基が好ましい。なお、本発明において、遊離原子価とは、有機化学・生化学命名法(上)(改定第2版、南江堂、1992年発行)に記載のとおり、他の遊離原子価と結合を形成できるものを言う。
上記mは、動的感度が高くなりやすいことから1が好ましい。
上記一般式(1)で表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体としては、以下の具体例を挙げることができる。
1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(エタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(p−トリルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(m−トリルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(p−クロロフェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1,6−ビス{〔3’−(メタンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ヘキサン、1,6−ビス{〔3’−(エタンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ヘキサン、4,4’−ビス{〔3’’−(メタンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタンなどのアルカンスルホニル基を有する化合物;1−(アセチルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(プロピオニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(アセチルアミノ)−3−(p−トリルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(アセチルアミノ)−3−(p−クロロフェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(プロピオニルアミノ)−3−(p−クロロフェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(アセチルアミノ)−3−(β−ナフチルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1,6−ビス{〔3’−(アセチルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ヘキサン、1,6−ビス{〔3’−(プロピオニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ヘキサン、4,4’−ビス{〔3’’−(アセチルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタンなどのアルカノイル基を有する化合物;1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(t−ブチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(p−クロロフェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(t−ブチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(p−クロロフェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(m−トリルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(p−トリルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(ナフチルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1,6−ビス{〔3’−(メチルチオカルバモイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ヘキサン、1,6−ビス{〔3’−(t−ブチルチオカルバモイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ヘキサン、4,4’−ビス{〔3’’−(メチルチオカルバモイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタン、4,4’−ビス{〔3’’−(t−ブチルチオカルバモイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタン、1,4−ビス{〔3’−(メチルチオカルバモイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ベンゼン、1−メチル−2,4−ビス{〔3’−(メチルチオカルバモイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ベンゼンなどのアルキル(チオ)カルバモイル基を有する化合物;1−(メトキシカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(エトキシカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(フェニルオキシカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、4,4’−ビス{〔3’’−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタンなどの置換オキシカルボニル基を有する化合物;1,6−ビス{〔3’−(
p−トルエンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ヘキサン、4,4’−ビス{〔3’’−(ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタン、4,4’−ビス{〔3’’−(p−トルエンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタン、1,4−ビス{〔3’−(ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ベンゼン、1−メチル−2,4−ビス{〔3’−(p−トルエンスルホニルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ベンゼン、1−(ベンゼンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(p−トルエンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(p−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(ナフタレンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(ベンゼンスルホニルアミノ)−3−(p−トリルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(m−トリルスルホニルアミノ)−3−(p−クロロフェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンなどの芳香族スルホニル基を有する化合物;1−(ベンゾイルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(クロロベンゾイルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(m−トルオイルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−メチル−2,4−ビス{〔3’−(ベンゾイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ベンゼン、4,4’−ビス{〔3’’−(p−トルオイルアミノ)フェニル〕スルホニルアミノカルボニルアミノ}ジフェニルメタンなどのアロイル基を有する化合物などが挙げられる。
これらのうち、保存安定性と動的感度に優れることから、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン、1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンが好ましい。
上記一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体は、特開2001−48861号公報に記載された方法により合成することができる。
本発明に係る感熱記録層に含有される一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体の含有量は、ロイコ染料1重量部に対して、通常0.5重量部以上、好ましくは0.6重量部以上であり、また、一方で、通常10重量部以下、好ましくは8重量部以下である。本発明に係る感熱記録層には、2種以上の一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体が含有されていても良く、その場合の含有量は、合計量が上記となるようにすることが好ましい。
本発明に係る感熱記録層には、一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体を含有することによる効果が阻害されない範囲であれば、これら以外の従来公知の顕色剤(以下、「その他の顕色剤」と言う場合がある)などが含有されていても良い。このような従来公知の顕色剤としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
<ビスフェノールスルホン系化合物>
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンとビス(2−クロ
ロエチル)エーテルの重縮合物(特開平10−29969号公報に記載のビスフェノール
スルホン架橋型化合物)及び1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタン(特開2003−212841号公報に記載のビスフェノールスルホン誘導体)。
<ビスフェノール系化合物>
4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(国際公開WO2008/010526号公報に記載)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)及び2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)。
<ウレア系化合物>
4,4’−ビス(3−(フェノキシカルボニルアミノ)メチルフェニルウレイド)ジフェニルスルホン、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレアおよびその誘導体(国際公開WO2000/035679号公報に記載)及び4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフ
ェニルメタン。
<ノボラック型フェノール系化合物>
フェノール−ホルマリン縮合物(国際公開WO2002/098674号に記載)。
<フェノールスルホン酸エステル系化合物>
フェノールスルホン酸エステル系化合物(国際公開WO2012/036267号及び国際公開WO2013/065704号に記載)。
<その他の化合物>
活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質;ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、アミノベンゼンスルホンアミド誘導体(特開平8−59603号に記載)、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジフェニルスルホン系化合物(国際公開第02/081229号または特開2002−301873号に記載)、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレアなどのチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、及び4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸などの芳香族カルボン酸、更にこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケルなどの多価金属塩との塩、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体およびテレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩などが挙げられる。特開平10−258577号に記載の高級脂肪酸金属複塩および多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート錯体などが挙げられる。
本発明に係る感熱記録層にその他の顕色剤が含まれる場合、動的感度と画像の耐可塑剤性や耐油性が共に優れる感熱記録材料を得やすい点では、ビスフェノールスルホン系化合物、ビスフェノール系化合物、ウレア系化合物、ノボラック型フェノール系化合物及びフ
ェノールスルホン酸エステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。また、ビスフェノールスルホン系化合物及びビスフェノール系化合物を含有することが更に好ましく、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン及び4,4’−イソプロピリデンジフェノールが特に好ましい。
本発明に係る感熱記録層に含有される顕色剤の量は、ロイコ染料1重量部に対して、0.5重量部以上であることが好ましく、0.6重量部以上であることが更に好ましく、また、一方で、10重量部以下であることが好ましく、8重量部以下であることが更に好ましい。
本発明に係る感熱記録層がその他の顕色剤を含有する場合、本発明に係る感熱記録層に含有される顕色剤は、動的感度と画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を得やすい点では本発明に係る顕色剤が多いことが好ましく、また、一方で、その他の顕色剤の併用効果が発現しやすい点ではその他の顕色剤の含有量が多いことが好ましい。そこで、具体的には、本発明に係る顕色剤は、本発明に係る感熱記録層に含有される顕色剤の2重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることが更に好ましく、15重量%以上であることが最も好ましい。なお、上限は、100重量%である。
<増感剤>
本発明に係る感熱記録層に含有される増感剤は、炭素数が10〜21の脂肪酸アミド、炭素数が11〜22のメチロール脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体及びジフェニルスルホンからなる群(以下、「本発明に係る増感剤」と言う場合がある)より選ばれる少なくとも1種を含有する。
炭素数が10〜21の脂肪酸アミドとしては、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどが好ましい。
炭素数が11〜22のメチロール脂肪酸アミドとしては、例えば、メチロールステアリン酸アミド、メチロールパルミチン酸アミドなどが好ましい。
スルホンアミド誘導体としては、芳香族スルホンアミドなどが好ましい。具体的には、例えば、ベンゼンスルホンアミド;m−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドなどのトルエンスルホンアミド;2−エチルベンゼンスルホンアミド、3−エチルベンゼンスルホンアミド、4−エチルベンゼンスルホンアミドなどのエチルベンゼンスルホンアミド;2−プロピルベンゼンスルホンアミド、3−プロピルベンゼンスルホンアミド、4−プロピルベンゼンスルホンアミド、2−イソプロピルベンゼンスルホンアミド、3−イソプロピルベンゼンスルホンアミド、4−イソプロピルベンゼンスルホンアミドなどのプロピルベンゼンスルホンアミド;2−クロロベンゼンスルホンアミド、3−クロロベンゼンスルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、2−ブロモベンゼンスルホンアミド、3−ブロモベンゼンスルホンアミド、4−ブロモベンゼンスルホンアミド、2,3−ジクロロベンゼンスルホンアミド、3,4−ジクロロベンゼンスルホンアミド、2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミドなどのハロゲン化ベンゼンスルホンアミド;2−メトキシベンゼンスルホンアミド、3−メトキシベンゼンスルホンアミド、4−メトキシベンゼンスルホンアミド、2−エトキシベンゼンスルホンアミド、3−エトキシベンゼンスルホンアミド、4−エトキシベンゼンスルホンアミドなどのアルコキシベンゼンスルホンアミドおよび4−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホンアミド、5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホンアミドなどが挙げられる。これらのうち、画像の保存安定性に優れる感熱記録材料を得やすいことから、トルエンスルホンアミドが好ましく、p−トルエンスルホンアミドが更に好ましい。
これらの内、画像の保存安定性に優れる感熱記録材料を得やすいことから、本発明に係る増感剤としては、炭素数が10〜21の脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体、ジフェニルスルホン及び炭素数が11〜22のメチロール脂肪酸アミドが好ましく、炭素数が10〜21の脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体及びジフェニルスルホンが更に好ましい。
本発明に係る感熱記録層に含有される本発明に係る増感剤の含有量は、ロイコ染料1重量部に対して、通常0.5〜10重量部である。本発明に係る増感剤は、本発明に係る感熱記録層に任意の組み合わせと比率で2種以上含有されていても良く、その場合の含有量は、合計量が上記となるようにすることが好ましい。
本発明に係る感熱記録層には、上記の本発明に係る増感剤を含有することによる効果が阻害されない範囲であれば、これら以外の従来公知の増感剤(以下、「その他の増感剤」と言う場合がある)などが含有されていても良い。このような従来公知の増感剤としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
すなわち、1,2−ジ−(フェノキシ)エタン、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、β−ベンジルオキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、ジベンゾイルオキシメタン、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、p−ニトロ安息香酸メチル、4,4’−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、エチレンビスアミド、p−トルエンスルホン酸フェニル、p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、モンタン酸ワックス及びポリエチレンワックスなどが挙げられる。
これらの内、β−ベンジルオキシナフタレン、1,2−ジ−(フェノキシ)エタン、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンなどを併用することが好ましい。
本発明に係る感熱記録層がその他の増感剤を含有する場合、本発明に係る感熱記録層に含有される増感剤は、動的感度と画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を得やすい点では本発明に係る増感剤が多いことが好ましく、また、一方で、その他の増感剤の併用効果が発現しやすい点ではその他の増感剤の含有量が多いことが好ましい。そこで、具体的には、本発明に係る増感剤は、本発明に係る感熱記録層に含有される増感剤の5重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることが更に好ましい。なお、上限は、100重量%である。
<ロイコ染料>
本発明に係る感熱記録層に含有される塩基性ロイコ染料(以下、単に「ロイコ染料」と言う場合がある)は、従来、感圧または感熱記録紙分野で公知の塩基性ロイコ染料を使用することができる。ロイコ染料は、通常、無色又は淡色である。以下に、本発明に係る感熱記録層に含有されていても良い塩基性ロイコ染料の代表例を示す。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[別名クリスタルバイオレットラクトン]および3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド[別名マラカイトグリーンラクトン]などが挙げられる。
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニリノ]フルオランなどが挙げられる。
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド]及び3,6,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド]などが挙げられる。
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス[2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス[2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリドなどが挙げられる。
<その他のロイコ染料>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス[2’,2’,2”,2”−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス[2’,2’,2”,2”−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス[2’,2’,2”,2”−テトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル]−2,2−ジアセチルエタン、ビス[2,2,2’,2’−テトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル]−メチルマロン酸ジメチルエステルなどが挙げられる。
これらのうち、本発明に係る感熱記録層に含有されるロイコ染料は、トリフェニルメタン系ロイコ染料、フルオラン系ロイコ染料、フルオレン系ロイコ染料及びジビニル系ロイコ染料などが好ましい。なお、ロイコ染料は、1種のみを使用しても、2種以上を任意の組み合わせと比率で併用しても良い。
<安定剤>
本発明に係る感熱記録層には、画像の保存安定性を向上させるための安定剤が含有されていても良い。安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアゾール系化合物などが挙げられる。安定剤は、1種のみを使用しても、2種以上を任意の組み合わせと比率で併用しても良い。安定剤を使用する場合の使用量は、ロイコ染料1重量部に対して、0.001〜4重量部とすることが好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物は、ヒドロキシフェニル基を有する化合物である。ヒンダードフェノール系化合物は、通常、酸化防止機能などを付与する。ヒンダードフェノール系化合物が1分子中に有するヒドロキシフェニル基の数は、通常1個以上、好ましくは2個以上であり、また、一方、通常15個以下、好ましくは6個以下である。ヒンダードフェノール系化合物の分子量は、通常200以上、好ましくは250以上、更に好ましくは300以上であり、また、一方、通常2000以下、好ましくは1800以下、更に好ましくは1500以下である。ヒンダードフェノール系化合物の融点は、好ましくは100℃以上、300℃以下である。
ベンゾフェノン系化合物及びトリアゾール系化合物は、通常、紫外線吸収機能などを付与する。
<バインダー>
本発明に係る感熱記録層には、バインダーが含有されていることが好ましい。バインダーとしては、例えば、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系バインダー;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系バインダー;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン共重合体;エチルセルロールおよびアセチルセルロースなどのセルロース誘導体;酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉などの澱粉系バインダー;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂などの樹脂系バインダー;カゼイン及びアラビヤゴムなどが挙げられる。バインダーは、一般的に、溶液、乳濁液、分散液、ペーストまたはこれらの組合せの状態で用いられる。溶液、乳濁液または分散液の溶媒、或いはペーストの媒体としては、例えば、水、アルコール、ケトン類、エステル類及び炭化水素などが挙げられる。バインダーは、1種のみを使用しても、2種以上を任意の組み合わせと比率で併用しても良い。バインダーを使用する場合の使用量は、感熱記録層の固形分に対して5〜25重量%とすることが好ましい。
<架橋剤>
本発明に係る感熱記録層には、架橋剤が含有されていても良い。架橋剤としては、例えば、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどが挙げられる。架橋剤は、1種のみを使用しても、2種以上を任意の組み合わせと比率で併用しても良い。架橋剤を使用する場合の使用量は、ロイコ染料1重量部に対して、0.01〜10重量部とすることが好ましい。
<顔料>
本発明に係る感熱記録層には、顔料が含有されていても良い。顔料としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカを除く)、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機顔料などが挙げられる。顔料は、1種のみを使用しても、2種以上を任意の組み合わせと比率で併用しても良い。顔料を使用する場合、その使用量は、ロイコ染料1重量部に対して、0.5〜20重量部とすることが好ましい。
<滑剤>
本発明に係る感熱記録層には、滑剤が含有されていても良い。滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;ワックス類およびシリコーン樹脂類などが挙げられる。滑剤は、1種のみを使用しても、2種以上を任意の組み合わせと比率で併用しても良い。顔料を使用する場合、その使用量は、ロイコ染料1重量部に対して、0.01〜10重量部とすることが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明に係る感熱記録層には、分散剤、消泡剤、蛍光染料などのその他の添加剤が含有されていても良い。その他の添加剤を使用する場合、その各使用量は、ロイコ染料1重量部に対して、0.01〜10重量部とすることが好ましい。
<感熱記録塗布液>
本発明の感熱記録塗布液は、感熱記録材料の感熱記録層を形成するための塗布液であって、上記の本発明に係る顕色剤及び本発明に係る増感剤を含有している。本発明の感熱記録塗布液は、更にロイコ染料を含有していても良い。また、その他の顕色剤、その他の増感剤、安定剤、バインダー、架橋剤、顔料、滑剤、その他添加剤などの上述の本発明に係る感熱記録層に含有されていても良い成分が含有されていても良い。本発明の感熱記録塗布液に含有されている各成分の量は、本発明に係る感熱記録層に含有されている各成分の量と同様である。
本発明の感熱記録塗布液は、通常、ロイコ染料、本発明に係る顕色剤及び本発明に係る増感剤などの各成分を数ミクロン以下の粒子径に微粒化させ後、バインダーなどを加えることにより調製することができる。微粉化は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機または乳化装置などを用いて行う。溶媒としては、水およびアルコールなどを用いることができる。塗液中の固形分濃度は、通常、20〜40重量%程度である。
<感熱記録材料の製造方法>
本発明の感熱記録材料は、ロイコ染料、本発明に係る顕色剤及び本発明に係る増感剤などを含有する塗液を、支持体の少なくとも片面上に塗布した後に乾燥させることにより感熱記録層を形成させることによって製造することができる。塗液は、本発明の感熱記録塗布液にロイコ染料が含有されている場合は、これをそのまま用いることができる。また、本発明の感熱記録塗布液にロイコ染料が含有されていない場合などには、本発明の感熱記録塗布液とロイコ染料などを混ぜることにより調製することができる。
塗液の塗布は、公知の塗布法により行うことができる。具体的には、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなどの各種コーターを備えたオフマシン塗工機またはオンマシン塗工機などを用いて塗布することができる。
塗液の塗布量は、塗液の組成や感熱記録材料の用途などにより応じて適宜選択すれば良い。具体的には、乾燥状態で、1g・m―2以上となるように塗布することが好ましく、2g・m―2以上となるように塗布することが更に好ましく、また、一方で、20g・m
―2以下となるように塗布することが好ましく、12g・m―2以下となるように塗布することが更に好ましい。すなわち、本発明に係る感熱記録層の厚みは、1g・m―2であることが好ましく、2g・m―2以上であることが更に好ましく、また、一方で、20g・m―2以下であることが好ましく、12g・m―2以下であることが更に好ましい。
本発明に係る感熱記録層は、本発明に係る顕色剤と本発明に係る増感剤を含有しているため、本発明の感熱記録材料は、動的感度と画像の保存安定性(耐湿性、耐熱性、耐可塑剤性)が共に優れる。また、本発明に係る顕色剤はフェノール骨格を有さないことから、本発明の感熱記録材料は、環境面や人体に対する安全性などの面からも優れている。
本発明の感熱記録材料にその他の層を設ける場合、上述した感熱記録層の形成方法と同様の方法により、塗液を塗布した後に乾燥させることによって形成することができる。また、その他の層は、蒸着法などの乾式法により形成させても良い。
本発明の感熱記録材料が有する各層には、スーパーカレンダーによる平滑化処理などの公知の表面処理を施しても良い。
<支持体>
本発明の感熱記録材料で使用する支持体の形状、構造、大きさ、厚み、材質などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。支持体の形状は、シート状、ロール状、平板状などが挙げられる。支持体の構造は、単層構造であっても、積層構造であっても良い。支持体の大きさと厚みは、目的とする感熱記録材料の用途などに応じて適宜選択することができる。支持体の厚みは、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることが更に好ましく、また、一方で、2,000μm以下であることが好ましく、1,000μmであることが更に好ましい。支持体の材質は、再生紙、合成紙などの紙;プラスチックフィルム(発泡プラスチックフィルムでも良い);不織布;金属箔などが挙げられる。また、これらの材質を組み合わせた複合シートを用いても良い。
<その他の層>
本発明の感熱記録材料は、更に保護層、アンダー層、バック層、中間層などを有していても良い。また、本発明の感熱記録材料は、感熱記録層が多層になっていても良く、本発明に係る感熱記録層以外の感熱記録層を有していても良い。ここで、本発明に係る感熱記録層に含まれていても良い成分として前述したバインダー、架橋剤および顔料などの成分は、これらのその他の層に含有されていても良い。
<保護層>
本発明の感熱記録材料は、感熱記録層の上に保護層が設けられていても良い。保護層作製に用いられる成分の種類と量は、従来公知の保護層作製に用いられる成分などから所望の性能に応じて適宜選択すれば良い。一般的に、保護層を設けると、画像の保存安定性は向上するが、動的感度は低下してしまう。しかしながら、本発明に係る感熱記録層は、本発明に係る顕色剤と本発明に係る増感剤を含有することにより動的感度と画像の保存安定性に優れるため、感熱記録層上に保護層を設けても十分な動的感度を発現することができる。
<アンダー層、バック層及び中間層>
本発明の感熱記録材料は、支持体と感熱記録層との間にアンダー層が設けられていても良い。アンダー層は、通常、主に顔料とバインダーから構成される層で、動的感度を更に高めるなどの目的で設けられる。また、本発明の感熱記録材料は、支持体の感熱記録層とは反対側の面にバック層が設けられていても良い。バック層は、通常、印字前や印字後における支持体の収縮による感熱記録材料の反りが起こり難くするなどの目的で設けられる。本発明の感熱記録材料は、更に、保護層と感熱記録層との間、感熱記録層とアンダー層との間、アンダー層と支持体との間、支持体とバック層との間などに中間層が設けられて
いても良い。
以下、実施例および比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特段の記載がない限り、各々「重量部」および「重量%」を示す。
<原料及び試薬>
(無色の塩基性ロイコ染料)
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランは、山本化成株式会社製「ODB−2」を用いた。
(顕色剤)
・4−[[4−[4−[[4−(1−メチルエトキシ)フェニル]フェノキシ]ブトキシ]
フェニル]スルホニル]フェノールは、株式会社エーピーアイコーポレーション製「トミラック214」を用いた。
・4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンとビス(2−クロロエチル)エーテルの重縮合物は、日本曹達株式会社製「D−90」を用いた。
・4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンは、日本曹達株式会社製「D−8」を用いた。
・4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、小西化学工業株式会社製品を用いた。・4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホンは、合成した。
・4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンは、三菱化学株式会社製「TOMILAC KN」を用いた。
・4,4’−イソプロピリデンジフェノールは、三菱化学株式会社製品を用いた。
(増感剤)
・p−トルエンスルホン酸アミドは、和光純薬工業株式会社品を用いた。
・p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルは、和光純薬工業株式会社品を用いた。
・ジフェニルスルホン。
・ステアリン酸アミド。
・2−ベンジルオキシナフタレン。
・シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)。
・シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)。
・1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン。
・メチロールステアリン酸アミドは、日本化成株式会社製品を用いた。
・1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンは、三光株式会社製「KS−232」を用いた。
(バインダー)
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスは、固形分が50%のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを用いた。
(顔料)
・焼成カオリンは、BASF社製「アンシレックス90」を用いた。
・シリカは、水澤化学工業株式会社製「P537」(25%分散液)を用いた。
(支持体)
・上質紙(47g・m−2の基紙)を用いた。
<分析方法>
各成分の平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した体積基準分布での平均径とした。
感熱記録材料の平滑度は、JIS P8119で規定された方法により測定したベック平滑度とした。ベック平滑度は、表面が平滑であるほど値が高くなる。
<試験方法>
大倉電機株式会社製感熱プリンター「TH−M2/PX」を用いて、感熱記録材料を印加エネルギー0.35mJ・dot−1で市松模様(べた印字部の一辺が0.8cm)に印字した。マクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)を用いて、この印字部分の画像濃度を測定した。
(動的感度)
印字直後の画像濃度により評価した。
(画像の保存安定性)
印字直後の画像濃度、および印字後に以下条件で24時間放置後の画像濃度を各々測定し、下式に則り画像残存率を算出した。耐熱性は、印字後の24時間放置を60℃で行った。耐可塑剤性は、印字後の24時間放置を、20℃で感熱記録材料に三菱樹脂株式会社製「ダイアラップ」を接触させた状態で行った。耐油性は、印字後の24時間放置を、感熱記録材料にサラダオイルを1滴垂らし、20℃で行った。
画像残存率(%)=100×(24時間放置後の画像濃度)/(印字直後の画像濃度)
[合成例1]
<1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンの合成>
撹拌機、冷却器及び温度計を備えた500cmの4口フラスコに、3−アミノベンゼンスルホンアミド17.2g及びアセトニトリル200cmを仕込み、撹拌しながら液温を80℃に加熱することにより溶解させた。次に、液温を80℃に保持したまま、アセトニトリル50cmに溶解させたメチルチオイソシアネート8.3gを、1時間かけて滴下した。その後、反応を8時間継続させた。
反応終了後に、アセトニトリルを減圧留去し、更に真空ポンプを用いてフラスコ内を減圧することにより反応液を濃縮した。この濃縮物に、50cmのアセトンを加え溶解させた後、トルエンを加え結晶を析出させ、濾過することによりこれを取得した。取得した結晶をアセトニトリル50cmに溶解させた後、この溶液に10%水酸化ナトリウム40gを加え、20℃に保った状態で、更にフェニルイソシアネート11.9gを滴下した。6時間撹拌した後、アセトニトリルを減圧留去し、酢酸エチル100cmと水100cmを加え、未反応物を有機層に抽出し、水層を分液した。得られた水溶液(水層)を塩酸を用いて酸析することにより、白色の結晶を析出させた。濾過することにより結晶を取得し、アセトンとトルエンの混合溶媒を用いて再結晶させることにより、融点167〜170℃の白色結晶を26.1g得た。
赤外分光分析、質量分析及び元素分析を行い、この白色結晶が1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンであることを確認した。
[合成例2]
<1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンの合成>
撹拌機、冷却器及び温度計を備えた500cmの4口フラスコに、3−アミノベンゼンスルホンアミド17.2g、アセトニトリル200cm及びピリジン9.6gを仕込
み、液温を20℃に保持した状態で撹拌することにより溶解させた。次に、液温を20℃に保持したまま、トルエン50cmに溶解させたメタンスルホニルクロライド12.6gを、1時間かけて滴下した。反応中に結晶が析出したが、そのまま反応を8時間継続させた。
反応終了後に、濾過することにより結晶を取得し、3回水洗した。水洗した結晶をアセトニトリル50cmに溶解させた後、この溶液に10%水酸化ナトリウム40gを加え、20℃に保った状態で、更にフェニルイソシアネート11.9gを滴下した。6時間撹拌した後、アセトニトリルを減圧留去し、酢酸エチル100cmと水100cmを加え、未反応物を有機層に抽出し、水層を分液した。得られた水溶液(水層)を塩酸を用いて酸析することにより、白色の結晶を析出させた。濾過することにより結晶を取得し、アセトンとトルエンの混合溶媒を用いて再結晶させることにより、融点157〜159℃の白色結晶を31.1g得た。
赤外分光分析、質量分析及び元素分析を行い、この白色結晶が1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)−ベンゼンであることを確認した。
(1)溶液の調製
<アンダー層用塗液の調製>
焼成カオリン100.0部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス30.0部および水170.0部を混合し攪拌することにより、アンダー層塗液を調製した。
<顕色剤、ロイコ染料および増感剤の分散液の調製>
以下のA〜D液を調製した。各液は、各成分を混合した後に、各成分の平均粒子径が0.5μmになるまでサンドグラインダーで湿式磨砕を行うことにより調製した。
(A液(顕色剤の分散液))
・1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン(合成例1で合成):6.0部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液):18.8部
・水:11.2部
(B液(ロイコ染料の分散液))
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン:2.0部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液):4.6部
・水:2.6部
(C液(増感剤の分散液))
・ステアリン酸アミド:6.0部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液):18.8部
・水:11.2部
(D液(その他の顕色剤の分散液))
・4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン:6.0部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液):18.8部
・水:11.2部
(2)感熱記録材料の製造
[実施例1]
各分散液を以下の割合で混合することにより、感熱記録層塗液を調製した。
A液(顕色剤の分散液):36.0部
B液(ロイコ染料の分散液):18.0部
C液(増感剤の分散液):36.0部
シリカ(25%分散液):40.0部
ポリビニルアルコール(10%水溶液):25.0部
次いで、支持体の片面に、アンダー層の乾燥重量が10g・m−2になるように、アンダー層用塗液をマイヤーバーで塗布した後に、乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)させることにより、アンダー層を形成した。このアンダー層上に、感熱記録層の乾燥重量が3.5g・m−2になるように、感熱記録層塗液をマイヤーバーで塗布した後に、乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)させることにより、感熱記録層を形成した。この後、表面にアンダー層と感熱記録層が積層された支持体を、スーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理することにより、感熱記録材料を得た。
[実施例2]
実施例1において、C液中のステアリン酸アミドをジフェニルスルホンに変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例3]
実施例1において、C液中のステアリン酸アミドをp−トルエンスルホンアミドに変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例1]
実施例1において、C液を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例2〜6]
実施例1において、C液中のステアリン酸アミドを、各々、2−ベンジルオキシナフタレン(比較例2)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)(比較例3)、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)(比較例4)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(比較例5)及び1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(比較例6)に変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例4]
実施例1において、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを、合成例2で合成した1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンに変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例5]
実施例4において、C液中のステアリン酸アミドをジフェニルスルホンに変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例6]
実施例4において、C液中のステアリン酸アミドをp−トルエンスルホンアミドに変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例7]
実施例1において、C液中のステアリン酸アミドをメチロールステアリン酸アミドに変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例8]
実施例4において、C液中のステアリン酸アミドをメチロールステアリン酸アミドに変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例7]
実施例4において、C液を用いなかった以外は、実施例4と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例8〜12]
実施例4において、C液中のステアリン酸アミドを、各々、2−ベンジルオキシナフタレン(比較例8)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)(比較例9)、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)(比較例10)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(比較例11)及び1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(比較例12)に変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例13〜20]
実施例1〜3又は比較例2〜6において、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンに変えた以外は、実施例1〜3又は比較例2〜6と同様にして、感熱記録材料を製造した。すなわち、増感剤が各々、ステアリン酸アミド(比較例13)、ジフェニルスルホン(比較例14)、p−トルエンスルホンアミド(比較例15)、2−ベンジルオキシナフタレン(比較例16)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)(比較例17)、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)(比較例18)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(比較例19)及び1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(比較例20)である感熱記録材料を製造した。
[比較例21〜28]
実施例1〜3又は比較例2〜6において、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを4−[[4−[4−[[4−(1−メチルエトキシ)フェニル]フェノキシ]ブトキシ]フェニル]スルホニル]フェノールに変えた以外は、実施例1〜3又は比較例2〜6と同様にして、感熱記録
材料を製造した。すなわち、増感剤が各々、ステアリン酸アミド(比較例21)、ジフェニルスルホン(比較例22)、p−トルエンスルホンアミド(比較例23)、2−ベンジルオキシナフタレン(比較例24)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)(比較例25)、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)(比較例26)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(比較例27)及び1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(比較例28)である感熱記録材料を製造した。
[比較例29]
実施例1において、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンとビス(2−クロロエチル)エーテルの重縮合物に変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例9]
実施例2において、各分散液の割合を以下のように変えた以外は、実施例2と同様にして、感熱記録材料を製造した。
A液(顕色剤の分散液):7.2部
B液(ロイコ染料の分散液):18.0部
C液(増感剤の分散液):18.0部
D液(その他の顕色剤の分散液):36.0部
シリカ(25%分散液):40.0部
ポリビニルアルコール(10%水溶液):25.0部
[実施例10〜13]
実施例9において、D液中の4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを、各々、4
−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンまたは4,4’−イソプロピリデンジフェノールに変更したこと以外は実施例9と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例30〜32]
実施例10〜12において、C液中のジフェニルスルホンを1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンに変更したこと以外は、各々実施例10〜12と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例14〜18]
実施例9〜13において、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンに変更したこと以外は、各々実施例9〜13と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例33〜36]
実施例15〜18において、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンに変更し、C液中のジフェニルスルホンを1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンに変更したこと以外は、各々実施例15〜18と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例37〜40]
比較例33〜36において、C液中のジフェニルスルホンを1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンに変更し、A液を用いなかったこと以外は、各々比較例33〜36と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例41]
実施例13において、C液中のジフェニルスルホンを1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンに変更し、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを4−[[4−[4−[[4−(1−メチルエトキシ)フェニル]フェノキシ]ブトキシ]フェニル]スルホニル]フェノールに変
更したこと以外は、実施例13と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例42]
実施例13において、C液中のジフェニルスルホンを1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンに変更し、A液中の1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンを4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンとビス(2−クロロエチル)エーテルの重縮合物に変更したこと以外は、実施例13と同様にして、感熱記録材料を製造した。
(3)感熱記録材料の評価
実施例1〜6および比較例1〜29の感熱記録材料について、動的感度と画像の保存安定性を評価した。結果を表1〜4に示す。
Figure 2016055619
表1より、本発明に係る顕色剤と本発明に係る増感剤との併用により動的感度が向上することがわかった。具体的には、顕色剤が4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(比較例13〜20)又は4−[[4−[4−[[4−(1−メチルエトキシ)フェニル]フェノキシ]ブトキシ]フェニル]スルホニル]フェノール(比較例21〜2
8)である場合、「本発明に係る増感剤」を併用した場合と「その他の増感剤」を併用し
た場合とで動的感度に大幅な違いは認められなかった。また、特に、4−[[4−[4−[[4−(1−メチルエトキシ)フェニル]フェノキシ]ブトキシ]フェニル]スルホニル]
フェノールとステアリン酸アミドを併用した場合の動的感度は、ステアリン酸アミド以外の増感剤よりも低くなっていた(比較例21)。これに対し、顕色剤が1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン(実施例1〜3、比較例2〜6)又は1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン(実施例4〜6、比較例8〜12)である場合、ステアリン酸アミド、ジフェニルスルホン又はp−トルエンスルホンアミドの併用(実施例1〜3、実施例4〜6)により、これら以外の増感剤の併用(比較例2〜6、比較例8〜12)に比べ、動的感度が大幅に向上していた。
Figure 2016055619
表2より、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン又は1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンに、ステアリン酸アミド、ジフェニルスルホン又はp−トルエンスルホンアミドを併用した場合の耐熱性が何れも高いことがわかった(
実施例1〜3、実施例4〜6)。
Figure 2016055619
表3より、本発明に係る顕色剤と本発明に係る増感剤との併用により耐可塑剤性が向上することがわかった。具体的には、顕色剤が4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンである場合は、何れの増感剤を用いても耐可塑剤性が低かった(比較例1
3〜20)。これに対し、顕色剤が1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン(実施例1〜3、比較例2〜6)又は1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン(実施例4〜6、比較例8〜12)である場合は、ステアリン酸アミド、ジフェニルスルホン又はp−トルエンスルホンアミドの併用により(実施例1〜3、実施例4〜6)、耐可塑剤性が向上していた。
Figure 2016055619
表4において、顕色剤が4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンである場合は、何れの増感剤を用いても耐油性が非常に低かった(比較例13〜20)。これに対し、1−(メチルアミノチオカルボニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼン又は1−(メタンスルホニルアミノ)−3−(フェニルアミノカルボニルスルファモイル)ベンゼンに、ステアリン酸アミド、ジフェニルスルホン又
はp−トルエンスルホンアミドを併用した場合の耐油性は、何れも高かった(実施例1〜3、実施例4〜6)。
上述のとおり、一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体と特定の増感剤を併用することにより、動的感度と画像の保存安定性(耐湿性、耐熱性、耐可塑剤性)が共に優れる感熱記録材料が得られることが裏付けられた。
次に、実施例9〜21および比較例30〜42の感熱記録材料について、すなわち、本発明に係る顕色剤と共にその他の顕色剤を併用した場合について、動的感度と画像の保存安定性(耐可塑剤性、耐油性)を評価した。結果を表5〜7に示す。
Figure 2016055619
表5より、本発明に係る顕色剤と共にその他の顕色剤を併用した場合においても、本発明に係る増感剤を併用することにより動的感度が向上することがわかった。具体的には、増感剤が1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンである場合(比較例30〜38)に比べ、増感剤がジフェニルスルホンである場合において(実施例9〜18)、動的感度が高くなっていた。
Figure 2016055619
表6より、本発明に係る顕色剤と共にその他の顕色剤を併用した場合においても、本発明に係る増感剤を併用することにより耐可塑剤性が向上することがわかった。具体的には、増感剤が1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンである場合(比較例30〜38)に比べ、増感剤がジフェニルスルホンである場合においても(実施例9〜18)、耐可塑剤性が向上していた。
Figure 2016055619
表7より、本発明に係る顕色剤と共にその他の顕色剤を併用した場合においても、本発明に係る増感剤を併用することにより耐可塑剤性が向上することがわかった。具体的には、増感剤が1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンである場合(比較例30〜38)に比べ、増感剤がジフェニルスルホンである場合において(実施例9〜16)、耐油性も向上していた。
上述のとおり、一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体と共にその他の顕色剤を用いた場合においても、特定の増感剤を併用することにより、動的感度と画像の保存安定性が共に優れる感熱記録材料が得られることが裏付けられた。

Claims (5)

  1. 感熱記録材料の感熱記録層を形成するための感熱記録塗布液であって、前記塗布液が下記一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体、並びに炭素数が10〜21の脂肪酸アミド、炭素数が11〜22のメチロール脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体及びジフェニルスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱記録塗布液。
    Figure 2016055619
    (式中、Rは炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基、炭素数が2〜3のアルカノイル基、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基、炭素数が1〜12の炭化水素基で置換されたオキシカルボニル基、ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜12の芳香族スルホニル基またはベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜7のアロイル基を示し、Xは1個又は2個の遊離原子価を有する炭素数が4〜13のハロゲン原子で置換されていても良い炭化水素基を示し、mは1または2の整数を示す。)
  2. 前記一般式(1)における前記Rが、炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基またはアルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基であり、前記Xが芳香族炭化水素基であり、前記mが1である、請求項1に記載の感熱記録塗布液。
  3. 請求項1又は2に記載の感熱記録塗布液であって、更にビスフェノールスルホン系化合物、ビスフェノール系化合物、ウレア系化合物、ノボラック型フェノール系化合物及びフェノールスルホン酸エステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する感熱記録塗布液。
  4. 支持体の少なくとも片面上に、塩基性ロイコ染料、顕色剤及び増感剤を含有する感熱記録層が積層された感熱記録材料であって、
    前記顕色剤が、下記一般式(1)により表される3−アミノベンゼンスルホンアミド誘導体を少なくとも1種以上含有し、
    Figure 2016055619
    (式中、Rは炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基、炭素数が2〜3のアルカノイル基、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基、炭素数が1〜12の炭化水素基で置換されたオキシカルボニル基、ベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜12の芳香族スルホニル基またはベンゼン環の少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数が6〜7のアロイル基を示し、Xは1個又は2個の遊離原子価を有する炭素数が4〜13のハロゲン原子で置換されていても良い炭化水素基を示し、mは1または2の整数を示す。)
    前記増感剤が、炭素数が10〜21の脂肪酸アミド、炭素数が11〜22のメチロール脂肪酸アミド、スルホンアミド誘導体及びジフェニルスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする感熱記録材料。
  5. 前記一般式(1)における前記Rが、炭素数が1〜4のアルカンスルホニル基またはアルキル基の炭素数が1〜4のアルキル(チオ)カルバモイル基であり、前記Xが芳香族炭化水素基であり、前記mが1である、請求項4に記載の感熱記録材料。
JP2015064871A 2014-09-11 2015-03-26 感熱記録塗布液及び感熱記録材料 Pending JP2016055619A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014185509 2014-09-11
JP2014185509 2014-09-11

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016055619A true JP2016055619A (ja) 2016-04-21

Family

ID=55757115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015064871A Pending JP2016055619A (ja) 2014-09-11 2015-03-26 感熱記録塗布液及び感熱記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016055619A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6184325B2 (ja) フェノールスルホン酸アリールエステル、顕色剤および感熱記録材料
KR101548182B1 (ko) 신규 페놀술폰산 아릴 에스테르 유도체 및 그것을 사용한 감열 기록 재료
JP6142103B1 (ja) 感熱記録体
KR102618091B1 (ko) 감열 기록 재료 및 적층체
JP5808279B2 (ja) 感熱記録材料
JP2019142056A (ja) 顕色剤及び感熱記録材料
JP2007203580A (ja) 感熱記録体
JP5676960B2 (ja) 感熱記録材料
JP2016055619A (ja) 感熱記録塗布液及び感熱記録材料
JP2022183803A (ja) 顕色剤及び感熱記録材料
WO2023167332A1 (ja) 感熱記録材料
JP2022183802A (ja) 顕色剤及び感熱記録材料
WO2021107037A1 (ja) 顕色剤及び感熱記録材料
JP2023020654A (ja) 感熱記録材料
JP6024509B2 (ja) 感熱記録体
JP3666303B2 (ja) 感熱記録シート
WO2019031526A1 (ja) 感熱記録材料及び積層体
JP2004195747A (ja) 感熱記録材料
JP2012076300A (ja) 感熱記録材料
JP2005271526A (ja) 感熱記録体

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170424