JP2019142056A - 顕色剤及び感熱記録材料 - Google Patents

顕色剤及び感熱記録材料 Download PDF

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潤也 河井
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Kazuya Shiratori
和矢 白鳥
久俊 上原
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久俊 上原
耕太郎 原
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耕太郎 原
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Abstract

【課題】発色感度及び保存安定性に優れた感熱記録材料を与えることのできる顕色剤、及び該顕色剤を用いて得られる感熱記録材料を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される化合物及び/又はその互変異性体を含む顕色剤による。(上記式(1)中、R1は分岐構造を有する炭素数5〜18の鎖状炭化水素基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、発色感度及び保存安定性に優れた感熱記録材料を与えることのできる顕色剤、及び該顕色剤を用いて得られる感熱記録材料に関する。
一般に、無色ないし淡色の塩基性(電子供与性)ロイコ染料(以下「染料」と略称することがある)および染料と加熱した時に反応して発色させる電子受容性顕色剤(以下「顕色剤」と略称することがある)を主成分とする感熱記録層を有する感熱記録材料は、広く実用化されている。
このような顕色剤に用いられる化合物の多くは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)等に代表されるフェノール構造を主体とする化合物である。一方、近年、環境負荷の懸念から、顕色剤としてフェノール構造を有さない化合物を用いるための検討がなされている。
例えば、特許文献1には、トリアジン構造を有する特定の化合物を顕色剤として用いた感熱記録体において、高速記録特性及び記録像の保存性に優れ、さらに白紙部の白色度の低下が起こり難いことが開示されている。
特開昭61−254387号公報
本発明者らの検討によれば、上記特許文献1で示されているトリアジン化合物を顕色剤に用いた場合において、十分な発色感度と保存安定性とを両立する感熱記録材料は得られなかった。即ち、本発明の課題は、発色感度及び保存安定性に優れた感熱記録材料を与えることのできる顕色剤、及び該顕色剤を用いて得られる感熱記録材料を提供することにある。
本発明者等が鋭意検討した結果、特定のトリアジン構造を有する化合物を顕色剤に用いることにより上記課題を解決し得ることを見出した。即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]下記式(1)で表される化合物及び/又はその互変異性体を含む顕色剤。
(上記式(1)中、Rは分岐構造を有する炭素数5〜18の鎖状炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基である。)
[2]前記式(1)中、Rが分岐構造を有する炭素数6〜12の鎖状炭化水素基である[1]に記載の顕色剤。
[3]前記式(1)中、Rが水素原子である[1]又は[2]に記載の顕色剤。
[4]支持体及び支持体上に設けられた感熱記録層を有する感熱記録材料であって、該感熱記録層が、[1]乃至[3]のいずれかに記載の顕色剤を含む感熱記録材料。
[5]前記感熱記録層がロイコ染料を含む、[4]に記載の感熱記録材料。
本発明によれば、発色感度及び保存安定性に優れた感熱記録材料を与えることのできる顕色剤、及び該顕色剤を用いて得られる感熱記録材料が提供される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本発明において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
〔顕色剤〕
本発明の顕色剤は、下記式(1)で表される化合物及び/又はその互変異性体を含むものである。なお、本発明において、式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と称することがある。
なお、式(1)で表される化合物は、互変異性することにより、下記式(2)で表されるような−SH基を有する化合物ともなり得る。横山らの報告によれば、結晶状態では式(1)の化学構造を有する化合物に関し、溶液内においては複雑な互変異性体の混合物として存在するとともに、室温下においても互変異性平衡反応が起きていることが示されている(東北工業技術研究所報告、号:30、ページ:1−7、発行年:1997年3月、著者:横山敏郎(東北工業技術研究所』)ら)。そのため、本発明の顕色剤において、式(1)で表される化合物が本発明の顕色剤に含まれる態様として、部分的又は全てにおいて、式(2)で表されるような式(1)の互変異性体となり得ることは排除されない。
上記式(1)中、Rは分岐構造を有する炭素数5〜18の鎖状炭化水素基である。また、Rの炭素数は、好ましくは6以上であり、より好ましくは7以上であり、一方、好ましくは12以下であり、より好ましくは10以下である。Rとして最も好ましいのは炭素数8の鎖状炭化水素基である。
上記式(1)中、Rは水素原子又は分岐構造を有してもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。また、Rは、好ましくは水素原子又は炭素数1〜2の炭化水素基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基であり、最も好ましいのは水素原子である。
式(2)中、R及びRは、上記式(1)中のR及びRのそれぞれに対応する。すなわち、Rの定義及び好ましいものはRと同様であり、Rの定義及び好ましいものはRと同様である。
また、本発明の顕色剤は、発色感度及び保存安定性に優れるという顕著な効果を奏する。本発明がこのような優れた効果を奏するのは、次の理由によるものと推定される。即ち、窒素原子上に適切な種類及び大きさの置換基R及びRを導入したことにより、感熱記録材料としてロイコ染料と組み合わせた際に、このロイコ染料に対して分子サイズレベルでの混ざり合いが良くなることで発色感度が向上するためと考えられる。また、会合性及び/又は結晶性が適度に抑制されることで、融解に要するエネルギーを下げ過ぎることなくアモルファス安定性を効果的に高めることができ、準安定状態である発色状態の保存安定性が高まるためと考えられる。また、主にN−H基に起因する極性部位と主に窒素原子に結合する鎖状炭化水素基に起因する脂溶部位との間のバランスが最適化されており、様々な保存条件下における保存安定性が同時に高まるためと考えられる。
〔感熱記録材料〕
本発明の感熱記録材料は、支持体及び支持体上に設けられた感熱記録層を有する感熱記録材料であって、該感熱記録層が、本発明の顕色剤を含むものである。なお、本発明において、「感熱記録材料」とは支持体の上に感熱記録層を有するものであれば、その形態は紙、フィルム、合成紙、カード等のいずれであってもよい。また、本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層を有するものであるが、後述するように必要に応じて保護層やアンダー層・バック層・中間層等を有していてもよい。ここで「支持体上」とは、支持体の少なくとも一方の面の上をいい、通常は片面である。また、「支持体上に有する」とは支持体の少なくとも一部に当該層が存在すればよい。
[感熱記録層]
本発明の感熱記録材料は、感熱記録層を有し、該感熱記録層において本発明の顕色剤を含むものである。感熱記録層は本発明の顕色剤に加え、ロイコ染料、他の顕色剤、増感剤、安定剤、バインダー、架橋剤、顔料、滑剤、その他の添加剤)等を含んでいてもよい。
<ロイコ染料>
本発明において、感熱記録層はロイコ染料を含むことが好ましい。ロイコ染料は通常、塩基性であり、従来、感圧又は感熱記録紙分野で公知のもの全て使用することができる。ロイコ染料として、具体的には、トリフェニルメタン系ロイコ染料、フルオラン系ロイコ染料、フルオレン系ロイコ染料、ジビニル系ロイコ染料等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらのロイコ染料(ロイコ染料前駆体)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ロイコ染料は化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対し、10〜200重量部で使用することが好ましく、より好ましくは15〜150重量部であり、さらに好ましくは20〜100重量部である。
トリフェニルメタン系ロイコ染料としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[別名クリスタルバイオレットラクトン];3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド[別名マラカイトグリーンラクトン]等が挙げられる。
フルオラン系ロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−オクチルアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−オクチルアミノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン;3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジ−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ジ−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジ−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジ−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−ジ−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3
−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン;2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニリノ]フルオラン等が挙げられる。
フルオレン系ロイコ染料としては、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド];3,6,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド]等が挙げられる。
ジビニル系ロイコ染料としては、3,3−ビス[2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド;3,3−ビス[2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド;3,3−ビス[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド;3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等が挙げられる。
その他のロイコ染料としては、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド;3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム;3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム;1,1−ビス[2’,2’,2”,2”−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,2−ジニトリルエタン;1,1−ビス[2’,2’,2”,2”−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−β−ナフトイルエタン;1,1−ビス[2’,2’,2”,2”−テトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル]−2,2−ジアセチルエタン;ビス[2,2,2’,2’−テトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル]−メチルマロン酸ジメチルエステル等が挙げられる。
<その他の顕色剤>
感熱記録層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、本発明の化合物(1)及び/又はその互変異性体を含む顕色剤以外の顕色剤(以降「その他の顕色剤」とも記す。)を含有し
ていてもよい。その他の顕色剤としては、従来の感圧又は感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが好ましくは電子受容性顕色剤である。その他の顕色剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。その他の顕色剤を使用する場合、その使用量は、化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対して、好ましくは、1〜5000重量部、より好ましくは、5〜1000重量部、さらに好ましくは、10〜500重量部である。
その他の顕色剤を使用することにより、高い発色感度を維持すると共に、耐熱性、耐湿性、耐水性の画像保存性がさらに向上した優れた感熱記録材料とすることができる。
本発明のその他の顕色剤としては、従来の感圧又は感熱記録紙の分野で公知のものは全て使用可能であり、特に限定されない。その他の顕色剤としては、ビスフェノール系化合物、ウレア系化合物及びノボラック型フェノール系化合物が好ましい。
ビスフェノール系化合物としては、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、特許第3913820号に記載のビスフェノールスルホン架橋型化合物、特許第4004289号に記載のビスフェノールスルホン誘導体等が挙げられる。
ウレア系化合物としては、4,4’−ビス(3−(フェノキシカルボニルアミノ)メチルフェニルウレイド)ジフェニルスルホン、特許第4601174号に記載のN−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、特開2011−105638号公報に記載の4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、特開2016−165835号公報に記載のN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、特開2017−165091号公報に記載のN−[2−(アセトキシ)フェニル]−N’−フェニルウレア、N−[3−(アセトキシ)フェニル]−N’−フェニルウレア、N−[2−(ベンゾイルオキシ)フェニル]−N’−フェニルウレア、N−[3−(ベンゾイルオキシ)フェニル]−N’−フェニルウレア、国際公開2017/047572号に記載のN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(p−トルエンスルホニル)−フェニルアラニン、N−(ベンジルオキシカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−システイン−S−ベンジル、N−(m−トリルアミノカルボニル)−β−アラニン、N−フェニルアミノチオカルボニル−グリシルグリシン、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−メチルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)−β−アラニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(フェニルアミノカルボニル)−メチオニンなどのアミノ酸誘導体等が挙げられる。
ノボラック型フェノール系化合物としては、国際公開第02/098674号に記載のフェノール−ホルマリン縮合物等が挙げられる。
以上に挙げた化合物の他に、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、特開平8−59603号公報に記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、国際公開第02/081229号、特開2002−301873号公報に記載の化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。特開平10−258577号公報に記載の高級脂肪酸金属複塩および多価ヒドロキシ芳香族化合物等の金属キレート錯体等が挙げられる。
上述のその他の顕色剤の中で、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、特許第3913820号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物、特許第4004289号に記載のジフェニルスルホン誘導体、国際公開第02/098674号に記載のフェノール−ホルマリン縮合物、4,4’−ビス(3−(フェノキシカルボニルアミノ)メチルフェニルウレイド)ジフェニルスルホン、特許第4601174号に記載のN−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、特開2011−105638号公報に記載の4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、特開2016−165835号公報に記載のN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、国際公開2017/047572号に記載のN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンが好ましく、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、特許第3913820号に記載のビスフェノールスルホン架橋型化合物、特許第4004289号に記載のビスフェノールスルホン誘導体、特許第4601174号に記載のN−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、特開2011−105638号公報に記載の4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、特開2016−165835号公報に記載のN−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドがより好ましい。これらを使用することにより、感熱記録材料の発色感度を維持しつつ、画像保存性(耐熱性、耐可塑剤性、耐湿性、耐水性、耐グリース性)等を向上させることができる。
<増感剤>
本発明では、公知の増感剤を使用してもよい。増感剤には、特に限定は無いが、例えば、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ベンジルオキシナフタレン、炭素数10〜21の脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等)、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、p−ベンジルビフェニル、ジフェニルスルホン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4’−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニル等を使用することができる。これらの中でも、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、炭素数10〜21の脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等)、2−ベンジルオキシナフタレン、ジフェニルスルホン、p−トルエンスルホンアミド及びシュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステルが好ましく、低エネルギーでも高い発色感度を示す1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタンが特に好ましい。これらの増感剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。増感剤を使用する場合、その使用量は、化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対して、好ましくは25〜250重量部であり、より好ましくは50〜150重量部である。
<安定剤>
本発明において感熱記録材料の画像保存性を向上させるために、感熱記録層に安定剤を使用してもよい。安定剤とは、画像の保存性を向上させる効果があるものをいう。安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾフェノン系化合物、トリアゾール系化合物)、酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でもヒンダードフェノール系化合物が、記録部の画像保存性(耐熱性、耐湿性、耐水性、耐可塑剤性等)を向上させる点で好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物は、1分子中に、通常1個以上、15個以下、好ましくは2個以上、6個以下のヒドロキシフェニル基を有する化合物である。ヒンダードフェノール系化合物の分子量は、通常200以上、2000以下、好ましくは250以上、1800以下、より好ましくは300以上、1500以下である。ヒンダードフェノール系化合物の融点は、好ましくは100℃以上、300℃以下である。
さらに、ヒンダードフェノール系化合物に含まれるヒドロキシフェニル基の少なくとも1個において、フェノール性水酸基の位置を1位とした場合、2位又は6位のいずれかの炭素原子が水素原子と結合しているもの(即ち、2位又は6位に置換基が存在しないこと)が好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物として具体的には、特公昭39−4469号公報又は特開昭56−40629号公報に記載されているトリス(ヒドロキシフェニル)アルカン、1,1,3−トリス置換ブタン系化合物等が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒンダードフェノール系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して
もよい。本発明の感熱記録材料においてヒンダードフェノール系化合物を使用する場合、その含有量は、化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対し、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは1〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。ヒンダードフェノール系化合物の含有量がかかる範囲より少ない場合は、記録部の耐湿性、耐水性、耐熱性が低下する可能性があり、また加熱による白紙部の発色を抑制できない可能性がある。またかかる範囲よりも多い場合は、発色感度の低下、記録部の耐可塑剤性が低下する可能性がある。
<バインダー>
感熱記録層を形成するために、バインダーを使用することが好ましい。バインダーとしては、例えば、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン共重合体、エチルセルロールおよびアセチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂等が挙げられる。バインダーの使用量は、感熱記録層の固形分中、5〜25重量%程度が適当である。
バインダーは、一般に、溶液、乳濁液、分散液、ペースト又はこれらの組合せとして使用される。溶液、乳濁液又は分散液の溶媒、或いはペーストの媒体としては、例えば、水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素等が挙げられる。
<架橋剤>
架橋剤としては、例えば、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウム等が挙げられる。架橋剤を使用する場合、その使用量は、化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対して、好ましくは0.5〜500重量部である。
<顔料>
顔料としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカを除く)、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム等の無機又は有機顔料等が挙げられる。顔料を使用する場合、その使用量は、化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対して、好ましくは25〜1000重量部である。
<滑剤>
滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類等が挙げられる。滑剤を使用する場合、その使用量は、化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対して、好ましくは0.5〜500重量部である。
<その他の添加剤>
その他の添加剤としては、例えば、分散剤、消泡剤、蛍光染料等が挙げられる。その他
の添加剤を使用する場合、その使用量は、化合物(1)及び/又はその互変異性体100重量部に対して、好ましくは0.5〜500重量部である。
[支持体]
本発明の感熱記録材料で使用する支持体の形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。支持体の形状としては、シート状、ロール状、平板状等が挙げられる。支持体は、単層構造であっても、積層構造であってもよい。支持体の大きさは、目的とする感熱記録材料の用途等に応じて適宜選択することができる。支持体の材料としては、例えば、プラスチックフィルム、合成紙、上質紙、古紙パルプ、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、剥離紙等が挙げられる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
支持体の厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、30〜2,000μmが好ましく、50〜1,000μmがより好ましい。
[保護層]
本発明の感熱記録材料において、感熱記録層上に、保護層を設けてもよい。一般に、感熱記録層上に保護層を設けて、感熱記録材料の画像保存性を向上させると、発色感度が低下する。しかしながら、本発明の感熱記録材料では、感度が良好な化合物(1)及び/又はその互変異性体を顕色剤として使用するため、感熱記録層上に保護層を設けても、感熱紙として必要な感度を維持することができる。保護層に使用する各種成分の種類および量は、要求される性能および記録適性に従って決定され、特に限定されるものではない。
[アンダー層・バック層・中間層]
本発明の感熱記録材料においては、発色感度をさらに高める目的で、主に顔料およびバインダーから構成されるアンダー層を、支持体と感熱記録層との間に設けることもできる。また本発明の感熱記録材料のカールの矯正を図るために、支持体の感熱記録層が存する面とは反対側の面に、バック層を設けてもよい。本発明の感熱記録材料における各層の一態様として、保護層/感熱記録層/アンダー層/支持体/バック層の順に積層された態様が挙げられるが、これに限定されない。
さらに、支持体と前記アンダー層との間、前記アンダー層と感熱記録層との間、感熱記録層と前記保護層との間、及び/又は支持体と前記バック層との間に、中間層を形成してもよい。
[感熱記録材料の製造方法]
本発明の感熱記録材料は、塩基性ロイコ染料および化合物(1)及び/又はその互変異性体、並びに必要に応じてその他の顕色剤、ヒンダードフェノール系化合物、増感剤等を含有する塗液を支持体の少なくとも片面上の、少なくとも一部に塗布および乾燥して感熱記録層を形成することによって、製造することができる。この塗液は、周知慣用技術に従って塗布することができる。塗布手段に特に限定はなく、例えば、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター等の各種コーターを備えたオフマシン塗工機又はオンマシン塗工機を使用することができる。
感熱記録層を形成するための塗液は、例えば、化合物(1)及び/又はその互変異性体及び必要に応じてロイコ染料、その他の顕色剤、ヒンダードフェノール系化合物、増感剤等を配合し、ボールミル、アトライター、サンドグライダー等の粉砕機又は適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化した後、それらにバインダー等を加えて形成することができる。この塗液に用いる溶媒としては、水、アルコール等を用いる
ことができる。塗液の固形分は、通常、20〜40重量%である。
感熱記録層の塗布量は、その組成や感熱記録材料の用途等により適宜選択することができるが、通常、乾燥重量で1〜20g/m、好ましくは2〜12g/mの範囲である。
また、保護層、アンダー層、バック層および中間層も、上述した感熱記録層と同様に、その構成成分を含む塗液を塗布および乾燥することによって形成することができる。さらに、各層を形成した本発明の感熱記録材料に、本分野において公知の処理(例えば、スーパーカレンダー等による平滑化処理)を施してもよい。
[感熱記録材料の用途]
本発明の感熱記録材料は、紙、フィルム、ICカード、フリクションボールペン等の用途に好適に使用することができる。
以下の実施例および比較例において、支持体の片面にアンダー層を設けた紙を使用し、該アンダー層上に感熱記録層(感熱発色層)を形成した。なお以下の実施例および比較例における「部」および「%」は、特段の記載が無い限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
<合成例1>
6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオンの合成
300−mL四口フラスコに、窒素雰囲気下、塩化シアヌル(東京化成社製、3.0g)、炭酸カリウム(4.5g)、テトラヒドロフラン(60mL)を入れて、氷冷下、撹拌した。ここに、2−エチルヘキシルアミン(東京化成社製、2.74mL)を滴下した。そのまま氷冷下で2.5時間撹拌した後、水と酢酸エチルを加えて分液した。有機層を分取し、水で洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。続いて、イソプロパノール(26mL)を加えて撹拌し、ここに、30%水硫化ソーダ水溶液(11.5g)を加え、60℃で1.5時間撹拌した。10%硫酸水溶液(21mL)を加えて、析出した固体をろ取し、水洗、次いでヘキサンで洗浄後、60℃で減圧乾燥することにより、目的物を無色固体として4.10g得た。
DMSO−d6溶媒中で測定したプロトンNMRスペクトル(400MHz)におけるケミカルシフト(δppm)は下記の通りであった。
δ:0.83−0.9(m,6H),1.2−1.32(m,8H),1.47−1.56(m,1H),3.25−3.3(m,2H),7.06(brs,1H),12.0
5(brs,1H),12.92(s,1H)
<比較合成例1>
6−(イソブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオンの合成
合成例1において、2−エチルヘキシルアミンの代わりにイソブチルアミン(東京化成社製)を同じモル比で使用した以外は合成例1と同様の操作により、目的物を得た。
<比較合成例2>
6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオンの合成
合成例1において、2−エチルヘキシルアミンの代わりにアニリン(和光純薬工業社製)を同じモル比で使用した以外は合成例1と同様の操作により、目的物を得た。
<比較合成例3>
6−(ベンジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオンの合成
合成例1において、2−エチルヘキシルアミンの代わりにベンジルアミン(和光純薬工業社製)を同じモル比で使用した以外は合成例1と同様の操作により、目的物を得た。
<比較合成例4>
6−(n−オクチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオンの合成
合成例1において、2−エチルヘキシルアミンの代わりにn−オクチルアミン(東京化成社製)を同じモル比で使用した以外は合成例1と同様の操作により、目的物を得た。
<感熱記録層の塗液>
下記のA液〜F液を、それぞれ準備した。なお、A液〜C液においては、各成分の平均粒子径が0.5μmになるまで、広島メタル&マシナリー社製ビーズミル/UAM−015で湿式磨砕を行った。なお、ここでの平均粒子径は、体積基準分布での平均径であり、日機装社製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(Microtrac MT3000II)で測定した。
<A液>
・6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン
:40.0部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液) :50.0部
・水 :10.0部
<B液>
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製、商品名「ODB−2」) :36.5部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液) :60.0部
・水 :3.5部
<C液>
・2−ベンジルオキシナフタレン :40.0部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液) :50.0部
・水 :10.0部
<D液>
・60%固形分の炭酸カルシウム分散液(奥多摩工業社製、商品名「タマパールTP−123CS」)
<E液>
・36%ステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂社製、商品名「ハイドリンZ−8−36」)
<F液>
・10%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成社製、商品名「ゴーセノールNH−18」の10%水溶液)
[実施例1−1]
下記の割合で各液を混合して、感熱記録層の塗液を調製した。
A液 :18.88部
B液 :10.00部
C液 : 9.44部
D液 :29.75部
E液 : 9.95部
F液 :32.64部
次いで、支持体である上質紙の片面にアンダー層を設け、該アンダー層の上に、感熱記録層の乾燥重量が3g/mになるように、感熱記録層の塗液を塗布および乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)して、感熱記録層を形成した。ついでアンダー層及び感熱記録層を形成した支持体を、スーパーカレンダーでこれをスーパーカレンダーで1kgf/cmの圧力をかけ平滑にし、感熱記録材料を得た。
[比較例1−1]
A液の6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(合成例1)を6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(東京化成社製)に変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例1−2]
A液の6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(合成例1)を6−(イソブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(比較合成例1)に変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例1−3]
A液の6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(合成例1)を6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(比較合成例2)に変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例1−4]
A液の6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(合成例1)を6−(ベンジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(比較合成例3)に変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[実施例2−1]
C液の2−ベンジルオキシナフタレンをステアリン酸アミドに変更し、D液の60%固形分の炭酸カルシウム分散液(奥多摩工業社製、商品名「タマパールTP−123CS」)を焼成カオリンに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例2−1]
A液の6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(合成例1)を6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(東京化成社製)に変更したこと以外は実施例2−1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
[比較例2−2]
A液の6−[(2−エチルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(合成例1)を6−(n−オクチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジチオン(比較合成例4)に変更したこと以外は実施例2−1と同様にして、感熱記録材料を製造した。
実施例および比較例で得られた感熱記録材料について、次のような評価を行った。
<発色感度>
大倉電機社製の感熱プリンター(TH−M2/PS)を使用して階調パターンの印字を行ない、印加エネルギー0.26mJ/dot及び0.36mJ/dotでの画像濃度と、印可エネルギーを与えていない白紙部濃度をX−Rite社製(eXact濃度計)で測定した。結果を表1に示す。なお、本試験の画像濃度はその値が大きいほど発色感度が良好であることを示し、白紙部濃度はその値が小さいほど地肌部が白く良好であることを示す。
<地肌かぶり>
大倉電機社製の感熱プリンター(TH−M2/PS)を使用して印加エネルギー0.36mJ/dotで市松模様に印字した感熱記録材料を、60℃で24時間放置した後、白紙部濃度をX−Rite社製(eXact濃度計)で測定した。結果を表2に示す。なお、本試験の結果はその値が小さいほど地肌部のかぶりがなく良好であることを示す。
<耐可塑剤性>
大倉電機社製の感熱プリンター(TH−M2/PS)を使用して印加エネルギー0.36mJ/dotで市松模様に印字した感熱記録材料の表裏に、三菱樹脂製のダイアラップを接触させて20℃で24時間放置した後、画像濃度をX−Rite社製(eXact濃度計)で測定した。表2には画像濃度より下記式にて算出した画像残存率を示す。
画像残存率(%)=100×(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)
<耐湿性>
大倉電機社製の感熱プリンター(TH−M2/PS)を使用して印加エネルギー0.36mJ/dotで市松模様に印字した感熱記録材料を、温度40℃および湿度90%の環境下で24時間放置した後、画像濃度をX−Rite社製(eXact濃度計)で測定した。表2には画像濃度より下記式にて算出した画像残存率を示す。
画像残存率(%)=100×(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)
<耐アルコール性>
大倉電機社製の感熱プリンター(TH−M2/PS)を使用して印加エネルギー0.36mJ/dotで市松模様に印字した感熱記録材料を、25%エタノール水に20分浸し、取り出して室温で24時間放置した後、画像濃度をX−Rite社製(eXact濃度計)で測定した。表2には画像濃度より下記式にて算出した画像残存率を示す。
画像残存率(%)=100×(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)
<耐油性>
大倉電機社製の感熱プリンター(TH−M2/PS)を使用して印加エネルギー0.36mJ/dotで市松模様に印字した感熱記録材料の印字部に、植物性油(日清オイリオグループ株式会社製)を一滴垂らし、軽く拭きあげて20℃で24時間放置した後、印字部の印字濃度をX−Rite社製(eXact濃度計)で測定した。表2には画像濃度より下記式にて算出した画像残存率を示す。
画像残存率(%)=100×(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)
<耐グリース性>
大倉電機社製の感熱プリンター(TH−M2/PS)を使用して印加エネルギー0.36mJ/dotで市松模様に印字した感熱記録材料の印字部に、スキンミルク(ニベア花王株式会社製)を一滴垂らし、軽く拭きあげて20℃で24時間放置した後、印字部の印字濃度をX−Rite社製(eXact濃度計)で測定した。表2には画像濃度より下記
式にて算出した画像残存率を示す。
画像残存率(%)=100×(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)
表1の結果から明らかなように、顕色剤として本発明の化合物を用いた実施例1−1は、従来の顕色剤を用いた比較例1−1〜1−4に比べて、白色部濃度を損なうことなく、発色感度が向上した。
表2の結果から明らかなように、顕色剤として本発明の化合物を用いた実施例2−1は、耐可塑剤性、耐湿性、耐アルコール性、耐油性及び耐グリース性の試験において、従来の顕色剤を用いた比較例2−1、2−2に比べて画像残存率が高く、優れた画像保存性を示した。また、顕色剤として本発明の化合物を用いた実施例2−1は、従来の顕色剤を用いた比較例2−2に比べて地肌かぶりが良好であり、白紙部と記録部とのコントラストが明瞭であった。
以上のように、式(1)で表される化合物及び/又はその互変異性体を含む顕色剤を用いることにより、発色感度および画像保存性(耐可塑剤性、耐湿性、耐アルコール性、耐油性、耐グリース性)のバランスに優れた感熱記録材料を提供することができる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される化合物及び/又はその互変異性体を含む顕色剤。
    (上記式(1)中、Rは分岐構造を有する炭素数5〜18の鎖状炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基である。)
  2. 前記式(1)中、Rが分岐構造を有する炭素数6〜12の鎖状炭化水素基である請求項1に記載の顕色剤。
  3. 前記式(1)中、Rが水素原子である請求項1又は2に記載の顕色剤。
  4. 支持体及び支持体上に設けられた感熱記録層を有する感熱記録材料であって、該感熱記録層が、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の顕色剤を含む感熱記録材料。
  5. 前記感熱記録層がロイコ染料を含む、請求項4に記載の感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7177569B1 (ja) * 2020-12-28 2022-11-24 三光株式会社 顕色剤、感熱記録材料及び感熱記録層用塗料

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