JP2007006834A - 味噌及び味噌食品の製造方法 - Google Patents

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武博 西田
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Abstract

【課題】味噌の栄養分が多く含まれながら、美味しい味噌食品を提供することを目的とする。
【解決手段】蒸煮大豆、麹及び発酵アルコールを混合して得られた仕込み混合物を、品温40〜70℃で2〜14日間保持して無塩味噌を得、該無塩味噌をホモジナイザー処理することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、味噌及び味噌食品の製造方法に関するものである。
味噌は、大豆を主原料とするため、大豆の成分を豊富に含んでいる。例えば、大豆の成分として、大豆蛋白、ペプチド、イソフラボン等が挙げられるが、これらは生活習慣病予防の効果があることが報告されて注目されている。
そこで近年、味噌の健康維持に有効な成分を積極的に摂取しようという考えから、味噌を食事の調味料としてだけではなく、手軽に味わうことのできる食品の材料として使用することが考えられている。
例えば、味噌を含む飲料として特許文献1記載のものがある。この飲料は、通常の味噌を10〜200倍量の水で希釈し、さらにろ過して得られた水溶性成分を果汁、野菜汁等と混合して製造されるものである。
特開平5−103644号公報
特許文献1に記載のように、味噌は塩分濃度が高いので飲料の材料として使用する場合は高い希釈率で希釈しなければならず、さらに味噌を希釈して得られた液は、沈殿物が生じて味が不均一となるためろ過処理を施さなければならない。よって得られた味噌飲料は、味噌の栄養分がごく少量含まれるだけのものとなってしまう。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、味噌の栄養分が多く含まれながら美味しい味噌食品、及びこれを得るための味噌を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、本発明の味噌の製造方法は、蒸煮大豆、麹及び発酵アルコールを混合して得られた仕込み混合物を、品温40〜70℃で2〜14日間保持して無塩味噌を得、該無塩味噌をホモジナイザー処理することを特徴とする。これによれば、美味しい上に微粒化されて他の材料と混合しやすく、食品の材料として使い易い味噌を得ることができる。この味噌を原料として用いれば、味噌の栄養分が多く含まれた美味しい味噌食品を簡単に製造できる。
また、本発明の味噌食品の製造方法は、前記味噌の製造方法により得られた味噌を、果汁、野菜ジュース、乳飲料、コーヒー飲料、乳酸菌飲料、糖類、酸味料のうちのいずれか1種、或いは2種以上と混合することを特徴とする。
これにより、味が調整されて食しやすい食品を提供できる。
本発明によれば、味噌の栄養分が多く含まれながら美味しい味噌食品を提供することができる。
本発明の味噌食品は、無塩味噌をホモジナイザー処理して得られた味噌を材料として用いる。
無塩味噌は、大豆、麹、発酵アルコールを材料として製造する。大豆は蒸煮して得られる蒸煮大豆を用いる。
麹は、米麹、豆麹、麦麹、醤油麹等があるが、これらのうちの1種或いは2種以上を選択して使用できる。種々ある麹のなかでも米麹はクセがなく好適である。
発酵アルコールは、通常の味噌の原料として使用するものでよい。
これらの配合割合は、蒸煮大豆が50〜70重量%、麹が30〜50重量%、発酵アルコールが3〜6重量%が好適である。
蒸煮大豆、麹及び発酵アルコールを混合して得られた仕込み混合物を所定期間、所定の品温に保持して熟成させ、無塩味噌を得る。
熟成のための品温は40〜70℃(40℃以上70℃以下)が好適である。品温を40〜70℃としたとき、熟成のための期間は2〜14日(2日以上14日以下)が好適である。
通常の味噌の製造方法では、仕込み混合物の品温を30℃に設定して2〜3ヶ月かけて熟成させるが、材料として塩を用いない場合は30℃では酸敗してしまい、美味しい味噌が得られない。そこで、本発明では、材料として発酵アルコールを用いると共に、仕込み混合物の品温を40〜70℃に設定し、短期間で熟成を行うことで酸敗を防いでいる。
これにより、塩分0%の無塩味噌を得ることができる。この無塩味噌は、酸敗はしていないものの、独特の苦みや香りがあり、このままでは味噌食品の材料として使用できない。
そこで、無塩味噌に、ホモジナイザーを用いて破砕し、微粒化するホモジナイザー処理を施す。無塩味噌はホモジナイザー処理によって微粒化されると、風味が改善され、独特の苦みや香りが改善される。その上、無塩味噌は微粒化されることにより、果汁等の他の材料と混合しやすくなる。
ホモジナイザー処理を行うにあたっては、まず、無塩味噌をチョッパーでこし、さらにこれに水を加えて、無塩味噌をホモジナイザー処理するのに適した状態とするとよい。チョッパーの網目は0.9mmが好適である。これにより、効率良く無塩味噌をホモジナイザー処理することができる。
こうして得られた味噌は、食品の材料として使用できる。例えば、味噌を、果汁、野菜ジュース、乳飲料、コーヒー飲料、乳酸菌飲料、糖類、酸味料のうちのいずれか1種、或いは2種以上と混合して、飲料とするとよい。糖類としては砂糖が、酸味料としてはクエン酸が挙げられる。
味噌は、無塩であるので塩分を気にせずに食品の材料として使用でき、食品における配合量を従来に比較して増やすことができる。これにより得られた食品は、味噌の成分を多く含んで、成分を摂取しやすくなる。
また、味噌は、ホモジナイザー処理により風味が改善されて美味しいので食しやすく、多くの人が味噌の成分を摂取しやすくなる。
また、味噌は微粒化されて果汁や野菜ジュース中に分散しやすく、沈殿物が生じ難いので、味が均一化された良好な食品を得ることができる。
蒸煮大豆40.0kg、米麹21.2kg、発酵アルコール3.7kgを混合して仕込み混合物とし、これを品温50℃で4日間保持して発酵、熟成させた。
得られた無塩味噌をチョッパー(網目0.9mm)で漉した後、加水(無塩味噌:調整水=10:3)し、ホモジナイザーにより粒子を破砕処理した。
ホモジナイザー処理して得られた味噌を、果汁、野菜ジュース、乳飲料、コーヒー飲料、乳酸菌飲料でそれぞれ5倍希釈して味噌飲料を得た。
得られた味噌飲料はいずれも沈殿物が生じることなく、味が均一化されて飲み易く美味しいものとなった。

Claims (2)

  1. 蒸煮大豆、麹及び発酵アルコールを混合して得られた仕込み混合物を、品温40〜70℃で2〜14日間保持して無塩味噌を得、該無塩味噌をホモジナイザー処理することを特徴とする味噌の製造方法。
  2. 請求項1記載の味噌の製造方法により得られた味噌を、果汁、野菜ジュース、乳飲料、コーヒー飲料、乳酸菌飲料、糖類、酸味料のうちのいずれか1種、或いは2種以上と混合することを特徴とする味噌食品の製造方法。
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