JP2006526704A - 光電子装置用封入剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
光電子装置および光学的構成部品に使用する封入剤は、粒子状に処理され予定時間予定温度に加熱されたガラスから製造された充填材を、該ガラスの屈折率と調和した屈折率を有し予定時間予定温度に加熱されたエポキシと一緒に配合して、該充填材粒子を該エポキシと混合した後該充填材粒子が沈降するのを防止し、それにより該エポキシ内の該粒子の均一な分散を得る。該封入剤は高い光透過率を提供し、その熱膨張係数は、該封入剤の光学的性質を実質的に変えることなく充填材の量を変えることにより、変化させることが出来る。該封入剤内の熱膨張係数変動は、該エポキシ内の充填材粒子の均一な分散により、好ましくは30%未満である。
Description
本発明は、一般的に光電子装置用封入剤に関し、より特定的に優れた光学的性質を示すこのような封入剤に関する。本発明は又、このような封入剤を製造する方法に関する。
LED、光検出器、及び光ファイバ構成部品のような光学的かつ電子工学的(即ち、「光電子」)装置は、一般的に種々の材料を用いて封入されて、振動、湿度、熱、環境悪化、漏電、及び他の悪化要因から該装置を保護する。適切な封入剤は、以下に詳細に説明される多くの特定的特性を有すべきである。
該封入剤は、好ましくは50ppm/℃より低い熱膨張係数(CTE)を有すべきである。又、該CTEの変動は、該封入剤の全体積にわたり±30%より低くなければならない。もしも該CTE及び(又は)その変動がこれらの値より大きいならば、該封入剤は変化する温度に曝されると過度に膨張するか収縮する可能性があり、それにより該装置又はその導線の破損を引起す。
該封入剤は又、好ましくは300nmと800nmとの間の波長で出来るだけ高い光透過率を有すべきである。特に、該封入剤は好ましくは、約1mmの厚さを有する封入剤に対して約650nmで65%より高い光透過率を示すべきである。対照的に、市販の封入剤は度々、実質的により低い透過率を有するので半透明又は不透明でさえある。これは、これらの封入剤が光透過を必要とする光電子装置に使用される場合、困難をもたらす可能性がある。
更に、該封入剤は、好ましくは120℃より高いガラス転移温度(Tg)を有すべきである。光電子装置は通常の周囲温度より実質的に高い温度を受けるので、そのガラス転移温度を超えると、該封入剤が流動して該封入装置の破壊を招く可能性がある。
該封入剤は又、光電子装置に充分な絶縁性を提供するために高い電気抵抗を有すべきである。それは更に、熱および湿度のような悪い環境条件の影響から光電子装置を保護するために、適度な電気絶縁性を提供すべきである。最後に、該封入剤は、安価であって、容易に入手出来る材料を用いて製造するのが容易でなければならない。
約588nmの波長で1.48と1.60との間を変化する屈折率(即ち、25℃におけるnD)を有する透明なエポキシ樹脂組成物は、市販のエポキシ基を含有する化学化合物を硬化させることにより製造することが出来る。これらの安価な市販のエポキシ樹脂は又、高い光透過率、高いTg、高い電気抵抗、及び高い耐熱性を示すことが知られている。しかしながら、これらのエポキシ樹脂は通常、50ppm/℃より高いCTEを有するので、光電子装置用封入剤としての用途に適していない。
低いCTEを有する封入剤は、市販の未硬化エポキシ化合物を無機充填材と混合し、続いてこの混合物を硬化させることにより製造することが出来る。例えば、Hofman等に付与された米国特許第3,547,871号は、エポキシ樹脂および10μmと300μmとの間で変る粒径を有する充填材を含む低CTE封入剤を記載している。この封入剤樹脂は、100℃で20,000cPより下の粘度を有する。該充填材は、シリカ、溶融石英、珪酸アルミニウムベリリウム、珪酸アルミニウムリチウム、又はこれらの混合物から選択される。特許請求された封入剤は50ppm/℃より低いCTEを有する。しかしながら、Hofmanの’871特許は高い光透過率を有する封入剤を開示していない。
低いCTEと高い光透過率の両方を有する封入剤は、以下に説明される特性を有する充填材およびエポキシを配合することにより製造することが出来る。変化する温度における操作の累積する影響から生ずる光電子装置の損傷を防止するために、充填材はエポキシ内に均一に分散されて封入剤の全体積にわたり均一な充填材CTEを提供すべきである。均一な粒子分散を得て均一なCTEを有する封入剤を製造するために、充填材は予定の矛盾しない粒径を有すべきであり、液体エポキシは予定の粘度を有すべきである。もしも充填材粒径が約1μmより小さいならば、該粒子は凝集する傾向があり、不均一な粒子分散を生じ封入剤内に気泡を取込むことになる。これは、封入剤の光透過率を低下させることになる。このような凝集および泡形成は、封入剤内に用いられる充填材の量を減少させることにより避けられるかもしれない。しかしながら、充填材量を減少させると、封入剤のCTEを50ppm/℃より上に増加させる傾向がある。従って、好ましくは凝集は、約1μmより大きな粒径を有する充填材を使用することにより、避けられる。残念なことに、もしも充填材粒径が約1μmより大きいならば、封入剤の製造および注型中に該粒子は重力により封入剤の底に沈降する可能性がある。もしも封入剤層の製造中エポキシの粘度が低過ぎるならば、この沈降が起こり、封入剤内の不均一な分布および不均一なCTEを招くであろう。反対に、もしもエポキシの粘度が高過ぎるならば、光電子装置の全体を覆って封入剤層を形成することが困難となる可能性がある。従って、液体エポキシの粘度は、該材料が封入剤の製造に有用となるためには、特定の範囲内でなければならない。
均一な分散に加えて、高い光透過率を有するために充填材の屈折率は硬化段階においてエポキシ樹脂の屈折率と厳密に一致すべきである。無機充填材は頻繁に、価格を下げるために又は該樹脂の機械的性質を高めるために使用される。しかしながら、それらの使用は又、光透過率の減少および生成した媒体による光の散乱を招く可能性がある。使用される透明な充填材の屈折率を透明な樹脂の屈折率と厳密に一致させることにより、この散乱を減少させ、該媒体の光透過率を増加させることが出来る。これら充填材粒子の屈折率は一般的に充分な精度で直接に測定することが出来ないので、この一致処理は一般的に、必要に応じ充填材又はエポキシを調整しながら、試行錯誤により行わなければならない。
又、充填材には、封入剤の電気抵抗を該装置の温度および湿度条件下で容認できるレベルより下に減少させる可能性のある化学化合物が存在しないことが必要である。これらの化合物のいくつかは本来的に低い電気抵抗を有するが、一方他のものは導電性イオンに分解するか又はそれらを形成する可能性がある。熱および湿度は、該イオンの移動と同様にこの本来的電気抵抗又はこの分解に影響を与える可能性がある。従って、このような化合物から充填材を製造することは避けなければならない。最後に、充填材は容易に且つ安価に製造されなければならない。
SiO2、TiO2、及びZrO2のような無機金属酸化物の単一成分粒子は、蒸着又は溶液沈殿方法を用いて容易に且つ安価に製造されることが知られている。これらの粒子は封入剤における充填材として用いることが出来る。しかしながら、これらの粒子は大きさが1μmより小さいことが度々あるので、一般的に上述の理由により充填材としての用途には適していない。更に、大部分の単一成分粒子は、固定した屈折率を有するので、充填材として用いることが出来ない。例えば、SiO2粒子は1.42の、TiO2(ルチル形)は2.3の、そしてZrO2は1.95の固定屈折率を有する。これらの屈折率は、封入剤を製造するのに使用されるエポキシ樹脂の屈折率と一致するように調整することは出来ない。
多成分ガラス粒子から製造した充填材の屈折率を調整することは可能である。例えば、Asano等に付与された米国特許第5,175,199号は、透明なエポキシに混入すべき多成分ガラス充填材を製造するゾル・ゲル方法を記載しているが、それは光学的半導体装置用の封入剤として使用することが出来る。この方法においては、シリコンアルコキシド及びチタニウムアルコキシドを加水分解し縮合させることによりTiO2-SiO2ゲルが合成される。このゲルは乾燥され、次に粒状物質に粉砕され、続いて緻密なガラスビーズに焼結されるか、又は緻密なガラスに焼結され、続いてガラスビーズに粉砕される。この焼結は、1,050℃〜1,250℃の非常に高い温度範囲で達成される。ここに開示された充填材製造方法は、長い製造時間および高い焼結温度を要するだけでなく複雑で高価であるという短所を有する。従って、これら充填材の製造は費用がかかる。更なる短所には、可能性がある相分離、結晶化、およびこれらの方法を用いて必要な高い焼結温度におけるTiO2の着色が含まれる。相分離および結晶化は、ガラス充填材とエポキシとの間にひどく高い屈折率差を引起し、それにより光透過率を低下させる。TiO2は又、延長された露光の結果として、それが含まれる有機樹脂の黄色化を生ずる可能性があることが知られている。これは、封入剤の光透過率の経時劣化を招く。
Shiobara等に付与された米国特許第5,198,479号は、上述のAsano’199特許に記載された方法を用いており、それは更に、未硬化エポキシ・充填材組成物に有機燐変色防止剤を添加することにより、上述のTiO2-SiO2充填材の変色問題を克服する方法を開示している。この添加は、有効ではあるが、Asano’199特許に記載された方法の使用を更に複雑にするので、得られる充填材はより高価である。
Nakahara等に付与された欧州特許第0 391 447 B1号は、透明な有機樹脂における充填材として用いることが出来る多成分金属酸化物粒子を製造するゾル・ゲル方法を教示している。該Nakahara等の特許は、まず単一成分金属酸化物の種粒子を製造し、次に金属アルコキシドのような加水分解性且つ縮合性有機金属化合物の添加によりこれらの粒子を成長させて、TiO2-SiO2、ZrO2-SiO2、およびAl2O3-SiO2のような多成分粒子を製造する工程を組入れている。この方法は複雑で高価であるので、製造される充填材は高価である。更に、これらの粒子は大きさが1μmより小さいので、エポキシ内におけるこれら粒子の均質な無泡分散体と低いCTEの両方を得ることは困難である。
Pohl等に付与された米国特許第5,618,872号は、SiO2、TiO2、ZrO2、Al2O3、V2O5、及びNb2O5から選択される2種以上の酸化物を含む、光電子装置用の多成分封入剤充填材粒子を製造する方法を開示している。この特許に記載された粒子製造方法は、該Nakahara等の特許に記載されたものと類似しているので、同じ欠点を共有している。従って、それは高透過率封入剤の製造には適していない。
DunlapおよびHoweは、Polymer Composites、12(1)巻、39〜47頁、(1991年)において、樹脂およびガラスのボールミル粉砕により製造した屈折率の一致した充填材を含む注型用組成物を記載している。該充填材粒子の大きさは2μmと100μmとの間で変動する。ボールミル粉砕に続いて、該充填材粒子はガラス歪点より上0℃と10℃との間の温度で少なくとも1時間アニールされて有機汚染物質と同様に応力を除去する。該発明者達はガラス歪点より上の温度における熱処理は透過率を減少させる可能性があることを見出しているので、このような温度は避けるべきである。更に、DunlapおよびHoweは、均一なCTEを有する封入剤及びこの様な封入剤を製造する方法を開示していない。
Yutaka等の日本特許公報第11-074424号は、光半導体に使用する封入剤を製造する方法を議論している。この方法においては、3μmと60μmとの間で変動する粒径を有するPbO又はTiO2を含有するシリカ粉末がエポキシ樹脂組成物用の屈折率が一致した充填材として使用されている。PbO又はTiO2は、これら多成分ガラス充填材の製造中に結晶化を引起し、それにより充填されたエポキシの透過率を減少させる可能性がある。TiO2を充填材材料として用いる上述の欠点に加えて、PbOは健康に危険を及ぼす原因であることが知られているので、封入剤の製造におけるその使用は避けるべきである。
Landers等に付与された米国特許第6,246,123号は、高透過率、低CTE、及び低Tgを有する封入剤を記載している。該封入剤はポリマー樹脂および屈折率の一致した充填材から製造されている。しかしながら、該充填材はアルカリ亜鉛硼珪酸塩ガラスから成る群から選択される。アルカリイオンの存在は、封入剤の電気抵抗を潜在的に減少させ、高漏洩電流および封入装置に与えられるかもしれない損傷を招くことが知られている。例えば、Shinohara等に付与された米国特許第4,358,552号は、Li+, Na+, K+ のようなアルカリ汚染物質およびClのようなイオン性汚染物質を低レベルで含む封入剤は封入された電子装置の電気絶縁を改良することを説明している。
Journal of Material Science Letters, 18巻、1587〜1589頁、(1999年)において、Naganuma等は、エポキシを26μm又は85μmの平均粒径を有する多成分ガラス、SiO2-Al2O3-B2O3-MgO-CaOから製造された充填材と混合することによる光電子装置用封入剤の製造を記載している。エポキシと充填材との混合物の記載された硬化の間、充填材の分離を防止するために10分毎に該金型を回転させる。しかしながら、これらの封入剤は、50ppm/℃より低いCTEにおいて65%より高い透過率を有さないので、光電子装置の製造における使用には適していない。
前述の記載から、安価な屈折率の一致した充填材およびエポキシ樹脂を含む、全体積にわたり均一な低CTEを有する透明な封入剤の必要が残存することは理解されるべきである。充填材は、熱膨張による損傷を防止する為に、封入剤の全体積にわたり±30%未満のCTE変動で50ppm/℃より低い平均CTEを提供するように均一に分散され得るべきである。封入剤は又、信号損失を最小にするために65%より高い透過率を、そして物理的応力および破壊を減少させるために120℃より高いTgを有し、それにより光電子装置を損傷から防止するべきでる。最後に、封入剤は変化する温度および湿度条件下で高い電気抵抗を示すべきである。本発明は、この必要を満たし更なる利点を提供する。
本発明は、光電子装置または光学的構成部品用の封入剤であって、熱膨張係数および光透過率を特徴とする該封入剤に在る。該封入剤は、1μm〜500μmの範囲の直径を有するガラス粒子であって、本質的にチタニアが存在しないガラスから形成された該ガラス粒子から本質的に成る充填材を含有する。該ガラスは、1.48〜1.60の範囲の値で約0.001未満のばらつきがあるガラス屈折率を特徴とする。該充填材は充填材屈折率を特徴とする。該封入剤は又、エポキシ屈折率を特徴とするエポキシを含有する。該封入剤の熱膨張係数は、50ppm/℃未満の平均値、より好ましくは40ppm/℃未満の平均値を有する。該充填材屈折率および該エポキシ屈折率は、該封入剤の光透過率が300nm〜800nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも65%であるような、充分に類似した値を有する。
本発明の好ましい態様において、該封入剤の熱膨張係数は、好ましくは±30%未満のばらつき、より好ましくは±10%未満のばらつきを有する。該封入剤の光透過率は、300nm〜800nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%である。該封入剤の光透過率は、600nm〜700nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合、少なくとも65%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも80%である。該封入剤の光透過率は、約650nmの波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも80%である。
該封入剤における該ガラス粒子は、好ましくは本質的にアルカリが存在せず、最も好ましくは本質的に硼珪酸塩から成る。本発明の一態様は、このような封入剤に実質的に入れられた光電子装置である。好ましくは、該ガラス屈折率は約1.526の値を有する。該ガラス粒子は、1μm〜250μm、より好ましくは10μm〜250μmの範囲の直径を有する。10μmより小さな直径を有するガラス粒子を含む該充填材は、好ましくは60容量%未満、より好ましくは20容量%未満、最も好ましくは10容量%未満である。
該封入剤の好ましい態様において、該充填材は、封入剤の全容量の5容量%と60容量%との間、より好ましくは10容量%と50容量%との間、最も好ましくは15容量%と40容量%との間を占める。該充填材は、熱処理温度で好ましくは少なくとも約1時間、より好ましくは5時間と50時間との間、最も好ましくは30時間と40時間との間熱処理されている。該熱処理温度は、大体該ガラスの歪点以下、より好ましくは20℃と該ガラスの歪点との間である。好ましい封入剤は、約627℃以下、より好ましくは20℃と627℃との間、最も好ましくは450℃と550℃との間の熱処理温度で熱処理されている。この熱処理は好ましくは、酸素含有雰囲気、好ましくは乾燥空気中で行う。
本発明の好ましい態様において、該充填材は、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びこれらの混合物から成る群から選択されるシランカップリング剤と反応させる。最も好ましいのはアミノプロピルトリエトキシシランである。
該エポキシは、a)ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂、b)脂環式エポキシ樹脂、c)硬化剤、及びd)促進剤を含む組成物から製造される。ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対するビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂の重量比は、好ましくは0.20〜0.54、より好ましくは0.30〜0.50の範囲の値を有する。ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する硬化剤の重量比は、0.30〜0.80、より好ましくは0.50〜0.70の範囲の値を有する。ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する促進剤の重量比は、好ましくは0.001〜0.05、より好ましくは0.005〜0.03の範囲の値を有する。
本発明の好ましい態様は、光電子装置または光学的構成部品用の封入剤において、熱膨張係数および光透過率を特徴とする該封入剤であって、15容量%と40容量%との間の充填材および2)60容量%と85容量%との間のエポキシを含有する該封入剤である。該充填材は、アミノプロピルトリエトキシシランでシリル化されたアルカリの存在しない硼珪酸塩ガラスから形成され、1μm〜250μmの範囲の直径を有するガラス粒子から本質的に成る。10μm未満の直径を有するガラス粒子は10容量%未満であり、該ガラスは約1.526の値で約0.001未満のばらつきがあるガラス屈折率を特徴とする。該充填材は、酸素含有雰囲気中450℃〜550℃の範囲の温度で30時間〜40時間の範囲の継続時間加熱されている。該エポキシは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、硬化剤、及び促進剤を含む組成物から製造される。ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対するビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂の重量比は0.30〜0.50の範囲の値を有し、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する硬化剤の重量比は0.50〜0.70の範囲の値を有し、そしてビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する促進剤の重量比は0.005〜0.03の範囲の値を有する。該封入剤の熱膨張係数は約40ppm/℃未満の平均値で約±10%未満のばらつきがあり、該封入剤の光透過率は650nmの波長で1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも80%である。
本発明は又、以下の諸工程、即ち、1) 1.48〜1.60の範囲で約0.001未満のばらつきがあるガラス屈折率を特徴とするガラスを処理して、該ガラスから1μmと500μmとの間の直径を有し充填材屈折率を特徴とする充填材粒子を形成し、2) 該充填材粒子を酸素含有雰囲気中で加熱し、3) 該充填材屈折率およびエポキシ屈折率は、該封入剤が300nm〜800nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも65%の光透過率を有するように、充分に類似しているような該エポキシ屈折率を特徴とするエポキシを製造し、4) 該エポキシの粘度を該エポキシが予定値以上の沈降速度により特徴付けられるようなレベルまで増加させるのに充分な予定継続時間該エポキシを予定温度に加熱し、5) 該エポキシを該充填材粒子と予定混合継続時間内で混合して封入剤を形成し、6) 該封入剤中のエポキシの粘度を増加させるのに十分な予定温度まで該封入剤を予定冷却継続時間内で冷却し、そして、7) 予定脱泡継続時間内で該封入剤から気泡を除去する諸工程を含む、光電子装置または光学的構成部品用の封入剤を製造する方法に在る。
該方法の好ましい局面には、該ガラスを処理して、10μm未満の直径を有する充填材粒子が60容量%未満、より好ましくは20容量%未満、最も好ましくは10容量%未満となるように、1μmと250μmとの間の直径を有する充填材粒子を形成する工程が含まれる。好ましくは該方法には、該ガラスを処理して10μmと250μmとの間の直径を有する充填材粒子を形成する工程が含まれる。好ましくは該方法には、該充填材粒子を上述の継続時間上述の温度まで、好ましくは乾燥空気中で加熱する工程が含まれる。又好ましくは該方法には、該ガラスを処理する工程の後で、該ガラス粒子をアミノプロピルトリエトキシシランのようなシランカップリング剤と反応させる工程が含まれる。
エポキシを製造する工程は好ましくは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式樹脂、硬化剤、及び促進剤を一緒に混合することを含む。好ましくは該工程は、該封入剤中の充填材粒子の沈降速度が約11mm/分未満、より好ましくは6mm/分未満、最も好ましくは4mm/分未満であるほど充分な粘度を有するようにエポキシを製造することを含む。該方法は、該エポキシを該充填材粒子と混合する工程の前に、該エポキシの粘度を増加させるのに充分な予定継続時間該エポキシを80℃と140℃との間、より好ましくは90℃と110℃との間、最も好ましくは約100℃の温度に加熱することを更に含むことが出来る。
本発明の好ましい局面において、該エポキシを加熱する工程は、該エポキシの粘度を300cP〜40,000cP、より好ましくは500cP〜20,000cP、最も好ましくは750cP〜10,000cPの範囲に増加させるのに充分な継続時間該エポキシを加熱することを含む。該封入剤を冷却する工程は好ましくは、該エポキシの粘度を1,000cP〜40,000cP、より好ましくは5,000cP〜20,000cP、最も好ましくは7,000cP〜12,000cPの範囲の値に増加させるのに充分な温度まで該封入剤を冷却することを含む。好ましくは、混合、冷却、及び気泡の除去の諸工程は、約120分未満、より好ましくは60分未満、最も好ましくは30分未満の総合継続時間を有する。
本発明の範囲内における光電子装置または光学的構成部品用の封入剤を製造する特に好ましい方法は、以下の諸工程、即ち、1) 約588nmの波長で測定した場合約1.526の値で約0.001未満のばらつきがある屈折率を特徴とする硼珪酸塩ガラスを処理して、1μmと250μmとの間の直径を有する硼珪酸塩ガラス粒子を形成し、その際、10μm未満の直径を有する該硼珪酸塩ガラス粒子が60容量%未満となるようにし、2) 該硼珪酸塩ガラス粒子を酸素含有雰囲気中で30時間と40時間との間の継続時間450℃と550℃との間の温度に加熱し、3) 該硼珪酸塩ガラス粒子をアミノプロピルトリエトキシシランと反応させ、4) ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式樹脂、ヘキサヒドロフタル酸無水物硬化剤、及びトリフェニルフォスファイト触媒を混合することによりエポキシを製造し、5) 該エポキシの粘度を750cPと10,000cPとの間に増加させて該エポキシ中の硼珪酸塩ガラス粒子の沈降速度を4mm/分未満にするのに充分な継続時間該エポキシを約100℃に加熱し、6) 該エポキシ及び該硼珪酸塩ガラス粒子を混合し、7) 該液体エポキシの粘度を7,000cPと12,000cPとの間のレベルまで更に増加させるのに充分な温度に該封入剤を冷却し、そして、8) 該封入剤から気泡を除去する諸工程を含む。この好ましい方法における混合、冷却、及び除去の諸工程は、約30分未満の総合継続時間を有する。
〔好ましい態様の詳細な説明〕
本発明は、ガラス充填材およびエポキシを含有する光電子装置用の高度に透明な封入剤、及び該封入剤に実質的に入れられた光電子装置に在る。該封入剤は、LED、光検出器、及び光ファイバ装置のような光電子装置、及びレンズ、プリズム、及び鏡基材のような光学的構成部品に用いるのに適している。該充填材は、該充填材の光学的性質を改良するために予定の条件下で熱処理されている予定の粒径を有する市販のガラス粒子から製造される。該エポキシは、エポキシの屈折率が充填材の屈折率と厳密に一致するので得られる封入剤が高度に透明であるように重量比が選択された従来の材料から製造される。本発明の封入剤は、高い電気抵抗と一緒に、低く均一なCTE及び高い透明性の独特の組合せを提供する。本発明は又、この封入剤を製造する方法にも在る。
本発明は、ガラス充填材およびエポキシを含有する光電子装置用の高度に透明な封入剤、及び該封入剤に実質的に入れられた光電子装置に在る。該封入剤は、LED、光検出器、及び光ファイバ装置のような光電子装置、及びレンズ、プリズム、及び鏡基材のような光学的構成部品に用いるのに適している。該充填材は、該充填材の光学的性質を改良するために予定の条件下で熱処理されている予定の粒径を有する市販のガラス粒子から製造される。該エポキシは、エポキシの屈折率が充填材の屈折率と厳密に一致するので得られる封入剤が高度に透明であるように重量比が選択された従来の材料から製造される。本発明の封入剤は、高い電気抵抗と一緒に、低く均一なCTE及び高い透明性の独特の組合せを提供する。本発明は又、この封入剤を製造する方法にも在る。
該充填材は、TiO2の存在しない市販のガラスを破砕し粉砕することにより製造される。このガラスの屈折率は、約588nmの波長で約25℃の温度で測定した場合、1.48と1.60との間で変動し得る。本発明の封入剤における充填材としての使用に適するために、このガラスは実質的に均質な屈折率を有さなければならない。もしも充填材を製造するのに用いたガラスの屈折率が過度に変動していたら生ずるであろう充填材の屈折率における過度の変動は、エポキシの屈折率と厳密に一貫して一致する充填材を製造することを不可能にするであろう。好ましくは、ガラスの屈折率変動は0.001未満であるべきである。高い電気抵抗は、アルカリイオン又は他の導電性イオンが実質的に存在しないガラスを用いて達成することが出来る。本発明の封入剤に用いられる好ましい充填材は、重量で10%〜50%のSiO2、10%〜50%のBaO、10%〜20%のAl2O3、及び10%〜20%のB2O3の典型的組成を有する市販のアルカリの存在しない硼珪酸塩ガラスから製造される。本発明に使用するのに適した市販のアルカリの存在しない硼珪酸塩ガラスの一例は、New YorkのSchott Corporation of YonkersからAF45の商品名で販売されている。ソーダ石灰ガラスのようなアルカリイオンを含有する他のTiO2の存在しないガラスは、低電気抵抗に耐えることの出来る電子装置又は電気絶縁の要求が存在しないレンズのような光学的構成部品用の封入剤に用いる充填材粒子の製造に使用することが出来る。
該充填材を製造するためには、アルカリが存在せず又チタニアが存在しないガラスを最初に大きさが約5mm以下の粗い不規則な粒子に破砕する。次にこれらの粗い粒子を、従来の方法を用いてより微細な粒子にボールミル粉砕する。これらのより微細な粒子をまず篩にかけてから溶媒で洗浄する。該粒子を最終的に乾燥させ該充填材材料として用いるために取出す。これらの粒子は、好ましくは1μmと500μmとの間、より好ましくは1μmと250μmとの間、最も好ましくは10μmと250μmとの間の大きさを有する。その結果得られた充填材粒子を次に、好ましくは該ガラスの歪点より低い温度で熱処理する。該硼珪酸塩充填材は、好ましくは該硼珪酸塩ガラスの歪点、約627℃より下、より好ましくは20℃と627℃との間、最も好ましくは450℃と550℃との間で熱処理される。該熱処理は、少なくとも1時間、より好ましくは5時間と50時間との間、最も好ましくは30時間と40時間との間の継続時間行われる。該充填材材料に改良された光学的性質を提供するために、この熱処理は、好ましくは酸素含有雰囲気中で、最も好ましくは約21%のO2および約79%のN2から成り湿分が60ppm未満の乾燥空気中で行う。該熱処理の後、該充填材を下記に説明されるように製造されるエポキシ中に混合する。
所望により、充填材粒子とエポキシとの混和性および結合性は、適切なシランカップリング剤を使用することにより増加させることが出来る。当該技術、例えば、Edwin P. PlueddemannによるSilane Coupling Agents (New YorkのPlenum Press、1991年)において周知であるように、これらの薬剤は、エポキシのような有機樹脂とガラスのような無機材料との化学結合を助ける。この結合は、混和性および従って透過率を増加させることにより、ガラスと樹脂との界面における空隙の形成を防止することが出来る。この結合は又、封入剤の防湿性および機械的強度を増加させることが出来る。この様な薬剤の例は、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びグリシドキシプロピルトリメトキシシランである。これらの中では、アミノプロピルトリエトキシシランが最も好ましい。これらの薬剤は、封入剤の製造の異なった段階でその成分と混合することが出来る。例えば、これらの薬剤は、充填材粒子をエポキシと混合する前に充填材粒子と反応させてもよいし、又は、エポキシを充填材と混合する前にエポキシと混合させてもよい。最も好ましい方法においては、充填材粒子をまずミキサー中でアミノプロピルトリエトキシシランと反応させ、次に約100℃で約1時間熱処理し、最後にエポキシ中に分散させる。
該エポキシは、下記の(a)〜(d)と示された、これらのエポキシの製造で一般的に知られた、以下の4成分を含有する組成物から製造される。
(a) ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBPA)樹脂、例えば、Texas州、HoustonのShell Chemical Companyにより販売されているEPON 825又はEPON 3002、
(b) 脂環式エポキシ樹脂、例えば、New York州、TarrytownのCiba Specialty Chemicalsにより販売されているCY 179 MA、又はMichigan州、MidlandのDow Chemical Companyにより販売されているERL-4221E、
(c) 硬化剤、例えば、スイス、BaselのLonza Chemicalsにより販売されているヘキサヒドロフタル酸無水物(HHPA)、及び
(d) 促進剤(触媒)、例えば、West Virginia州、MorgantownのGE Specialty Chemicalsにより販売されているトリフェニルフォスファイト(TPPP)、又はConnecticut州、GreenwichのCrompton Corporationにより販売されているステアリン酸亜鉛。
(a) ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBPA)樹脂、例えば、Texas州、HoustonのShell Chemical Companyにより販売されているEPON 825又はEPON 3002、
(b) 脂環式エポキシ樹脂、例えば、New York州、TarrytownのCiba Specialty Chemicalsにより販売されているCY 179 MA、又はMichigan州、MidlandのDow Chemical Companyにより販売されているERL-4221E、
(c) 硬化剤、例えば、スイス、BaselのLonza Chemicalsにより販売されているヘキサヒドロフタル酸無水物(HHPA)、及び
(d) 促進剤(触媒)、例えば、West Virginia州、MorgantownのGE Specialty Chemicalsにより販売されているトリフェニルフォスファイト(TPPP)、又はConnecticut州、GreenwichのCrompton Corporationにより販売されているステアリン酸亜鉛。
上に列挙した成分(a)〜(d)は、異なる屈折率を有する。それらは特定の割合で組み合わされて上述した充填材の屈折率と厳密に一致する屈折率を有するエポキシを提供する。実際問題として、充填材粒子の屈折率を充分な正確さで直接に測定することは出来ず、この屈折率は充填材が製造されるガラスの屈折率と同一ではないかもしれない。従って、成分(a)〜(d)の割合は、特定のエポキシを特定の充填材と一緒に使用する場合、得られる封入剤が容認される、好ましくは最大の光透過率を提供するように、実験的に決定される。本発明に使用される適切なエポキシを製造するために、以下の三つの比、R(樹脂の比)、H(硬化剤の比)、及びA(促進剤の比)がエポキシに使用される成分(a)、(b)、(c)、及び(d)の重量に対して定義される。
R = a/(a+b)
H = c/(a+b)
A = d/(a+b)
R = a/(a+b)
H = c/(a+b)
A = d/(a+b)
上述のように製造された充填材の屈折率と充分に類似する屈折率を有するエポキシを提供して許容される透過率を生ずるために、好ましくはRは0.20と0.54との間で変動し、Hは0.30と0.8との間で変動し、Aは0.001と0.05との間で変動する。最も好ましくは、Rは0.3と0.5との間で変動し、Hは0.5と0.7との間で変動し、Aは0.005と0.03との間で変動する。
上記に議論した検討の下で充填材を液体エポキシと混合することにより、本発明の封入剤が製造される。次に該液体封入剤は、浸漬塗装、注型封入、注入成形、及びトランスファー成形のような当該技術で知られた種々な方法を用いて、適切な光電子装置の全体に覆うことが出来る。この液体封入剤の結果として生ずる固化および後硬化により、本発明の封入剤に入れられた光電子装置が生成する。
充填材を液体エポキシと混合した後この懸濁液が固化する前、充填材粒子は重力により該液体の底に沈降するかもしれない。この沈降は封入剤における充填材粒子の不均一な分布を引起し、それが不均一なCTEを招き、最終的に使用中封入装置に損傷を与える可能性がある。この沈降は、液体エポキシ内における該粒子の沈降速度を低下させることにより、部分的に又は完全に防止することが出来る。液体内における固体粒子の沈降速度は、ストークスの法則、
(式中、utは沈降速度であり、Dpは充填材粒子の特性直径であり、gは重力定数であり、Ppは充填材粒子の密度であり、Pは液体封入剤の密度であり、μは液体封入剤の粘度である)から計算することが出来る。下記の表1は、下記の実施例1で述べる液体エポキシ混合物内における硼珪酸塩粒子の沈降速度をmm/分の単位で示す。実施例1において、硼珪酸塩ガラスは2.72g/cm3の密度を有し、エポキシは1.32g/cm3の密度を有する。表1における沈降速度は、1μmと500μmとの間で変化する粒径および100cPと20,000cPとの間で変化する液体エポキシの粘度に対して計算されている。
(式中、utは沈降速度であり、Dpは充填材粒子の特性直径であり、gは重力定数であり、Ppは充填材粒子の密度であり、Pは液体封入剤の密度であり、μは液体封入剤の粘度である)から計算することが出来る。下記の表1は、下記の実施例1で述べる液体エポキシ混合物内における硼珪酸塩粒子の沈降速度をmm/分の単位で示す。実施例1において、硼珪酸塩ガラスは2.72g/cm3の密度を有し、エポキシは1.32g/cm3の密度を有する。表1における沈降速度は、1μmと500μmとの間で変化する粒径および100cPと20,000cPとの間で変化する液体エポキシの粘度に対して計算されている。
固体封入剤内における充填材粒子の均一な分散を達成するために、沈降速度は好ましくは11mm/分未満、より好ましくは6mm/分未満、最も好ましくは4mm/分未満であるべきである。例えば、表1によれば、このような沈降速度は、好ましくは500μm未満、最も好ましくは250μm未満の大きさを有する硼珪酸塩粒子、および、好ましくは300cPより高い、より好ましくは500cPより高い、最も好ましくは750cPより高い液体エポキシ粘度を用いることにより、達成することが出来る。
非常に小さな充填材粒子の使用は、不均一な粒子分散又は低い透過率を引起す可能性がある粒子凝集又は泡の取込みを防止するために、又避けるべきである。従って、粒径は、好ましくは1μmより大きく、最も好ましくは10μmより大きくなければならない。
非常に高い液体エポキシ粘度は、充填材粒子を液体エポキシと容易に混合するために、そして得られる懸濁液を容易に脱泡するために、避けるべきである。混合中、気泡が封入剤中に取込まれる可能性がある。これらの気泡は、透過率を増加させるために該液体から除去されるべきである。これは、真空における脱泡やヘリウムを用いた泡立ちのような、当該技術で知られた種々な方法を用いて達成される。従って、エポキシ粘度は、エポキシと充填材との容易な混合および該懸濁液からの脱泡のために、好ましくは約40,000cPよりも低く、より好ましくは約20,000cPよりも低く、最も好ましくは約10,000cPよりも低くなければならない。
かくして、封入剤内における充填材の均一な分散を得るために、気泡の取込みを防止するために、そして変動が好ましくは約±30%未満、最も好ましくは約±10%未満である均一な封入剤CTEを達成するために、充填材粒径は好ましくは1μmと500μmとの間、より好ましくは1μmと250μmとの間、最も好ましくは10μmと250μmとの間であるべきであり、液体エポキシ粘度は好ましくは300cPと40,000cPとの間、より好ましくは500cPと20,000cPとの間、最も好ましくは750cPと10,000cPとの間であるべきである。
本発明の封入剤に使用するのに好ましい粘度を有する液体エポキシは、触媒の添加後の液体エポキシを好ましくは80℃〜140℃、より好ましくは90℃〜110℃の範囲、最も好ましくは約100℃の温度で予定時間反応させることにより得られる。一例として、図1は、反応時間、反応温度、と液体エポキシ粘度との間の関係を示す。この例において、充填材粒子の添加前の好ましい液体エポキシを達成するのに必要な分で表した反応時間を表2に示す。
混合する前に、ガラス充填材を、好ましくは20℃と液体エポキシの反応温度との間、より好ましくは50℃と液体エポキシの反応温度との間、最も好ましくは60℃と液体エポキシの反応温度との間の温度に加熱する。混合した後、該液体懸濁液を予定温度に冷却して、液体エポキシの粘度を更に増加させ、それにより充填材粒子の沈降を防止する。これの一例として、冷却温度と液体エポキシの粘度との間の関係を図2に図解する。冷却温度は、液体エポキシの粘度により予め決定される。好ましくは1,000cPと40,000cPとの間、より好ましくは5,000cPと20,000cPとの間、最も好ましくは7,000cPと12,000cPとの間の粘度を生ずる冷却温度は、本発明の範囲内である。次に、該懸濁液をこの予定の冷却温度で脱泡する。該懸濁液は、充填材粒子の沈降を防止するために、冷却および脱泡の間好ましくは攪拌する。
該懸濁液の冷却および脱泡は、液体エポキシ内における充填材粒子の沈降を防止するために、好ましくは約120分以内で、より好ましくは約60分以内で、最も好ましくは約30分以内で完了すべきである。
脱泡の完了後、該液体封入剤は、浸漬塗装、注型封入、注入成形、及びトランスファー成形のような当該技術で知られた種々な方法を用いて、適切な光電子装置の表面上に被覆される。結果として生ずる該懸濁液の固化および後硬化の工程により、封入された光電子装置が生成する。
エポキシの屈折率を充填材の屈折率と一致させることにより、高い透過率を有する封入用材料が得られる。この透過率は、封入剤の約1mm厚のサンプルを横切って測定した場合、好ましくは300nm〜800nmの波長範囲で、より好ましくは600nm〜700nmの波長範囲で、最も好ましくは650nmで、好ましくは約65%より高く、より好ましくは約75%より高く、最も好ましくは約80%より高い。本発明の範囲内で製造された好ましい封入剤の大部分の例は、約85%より高い透過率を示す。
充填材およびエポキシは厳密に一致した屈折率を有するように製造されるので、封入剤における充填材材料の相対的量は、封入剤の光透過率に著しい影響を与えることなく実質的に変化させることが出来る。従って、充填材の相対的量は、得られる封入剤のCTEを好ましくは約50ppm/℃未満に、最も好ましくは約40ppm/℃未満に調整するように変化させることが出来る。封入剤における充填材の相対的量は、好ましくは封入剤の5容量%と60容量%との間、より好ましくは10容量%と50容量%との間、最も好ましくは15容量%と40容量%との間で変動する。
上述の利点に加えて、充填材にアルカリの存在しない硼珪酸塩ガラスを配合している最も好ましい封入剤は、他の考えられるガラスとは対照的に、高い電気抵抗を有する。本方法により製造された封入剤は、多湿環境(即ち、85℃の温度で85%までの相対湿度)に対し高い許容度を有し、それが種々の環境条件下で安定した光学的および物理的性質を生ずる。
本発明の範囲内の封入剤は、低いCTE及び高い透過率の故に、レンズ、プリズム、鏡基材,及び同様な製品のような光学的構成部品の製造にも使用することが出来る。電子装置に使用しない場合、または電気絶縁性が重要でない用途において、このような封入剤は高アルカリガラスを充填材として配合することも出来る。
本発明の範囲内の封入剤を、この説明に役立つ実施例で製造する。
充填材粒子の製造:
充填材粒子の製造方法は、図3に概略的に説明されている。Schott CorporationによりAF45の商品名で販売され、約588nmで約25℃において約1.526の平均屈折率を有し、ガラス内の屈折率変動が約0.001未満である市販のアルカリの存在しない硼珪酸塩ガラス板を粗い粒子に破砕し、次に♯8メッシュ篩を通して篩い分けして直径が約2.36mmより大きな粒子をすべて除去した。これらの篩い分けされた粒子を、20mmの直径を有する3個の粉砕用ボールおよび15mmの直径を有する15個の粉砕用ボールと一緒に、100mlのジルコニア粉砕ジャーの中に入れた。該粒子を次に約200RPMで約30分間遊星形ボールミル粉砕にかけた。ボールミル粉砕の工程後に得られた粒子の粒度分布は、粒径分析器(California州、IrvineのHoriba Incorporatedにより販売されているモデルLA-900)を用いて測定した。図4に示されているように、得られた白い粉末の粒径は1μmと300μmとの間で変動し、約50μmにピークがあった。
充填材粒子の製造方法は、図3に概略的に説明されている。Schott CorporationによりAF45の商品名で販売され、約588nmで約25℃において約1.526の平均屈折率を有し、ガラス内の屈折率変動が約0.001未満である市販のアルカリの存在しない硼珪酸塩ガラス板を粗い粒子に破砕し、次に♯8メッシュ篩を通して篩い分けして直径が約2.36mmより大きな粒子をすべて除去した。これらの篩い分けされた粒子を、20mmの直径を有する3個の粉砕用ボールおよび15mmの直径を有する15個の粉砕用ボールと一緒に、100mlのジルコニア粉砕ジャーの中に入れた。該粒子を次に約200RPMで約30分間遊星形ボールミル粉砕にかけた。ボールミル粉砕の工程後に得られた粒子の粒度分布は、粒径分析器(California州、IrvineのHoriba Incorporatedにより販売されているモデルLA-900)を用いて測定した。図4に示されているように、得られた白い粉末の粒径は1μmと300μmとの間で変動し、約50μmにピークがあった。
次に、直径が約250μmより大きなボールミル粉砕粒子のすべてを篩い分けにより除去した。該充填材における直径が約10μmより小さな粒子の含量は、溶剤洗浄により減少した。この洗浄粉末を約160℃の温度で約12時間乾燥した。溶剤洗浄および乾燥の工程後に得られた粒子の粒度分布を図5に示す。得られた白い粉末の粒径は2μmと250μmとの間で変動し、約50μmにピークがあった。この粉末の6容量%は約10μmより小さな大きさを有する粒子から成っていた。次に、該粒子を乾燥空気中において約500℃の温度で約36時間熱処理した。
熱処理後、該乾燥済充填材粒子をシランカップリング剤で以下のようにシリル化した。該充填材粒子を先ず、約20℃の室温においてKeyence ミキサー(日本、大阪のKeyence Corporationにより販売されているモデル番号HM-501)中でアミノプロピルトリエトキシシランと約2分間混合した。この調製においては、約1gのアミノプロピルトリエトキシシランを約99gの充填材に対して使用した。最後に、該粒子を空気中において約60℃の温度で約1時間熱処理してシリル化の工程を完了した。
エポキシの製造:
液体エポキシの製造方法は図6に概略的に説明されている。このエポキシは、次の成分、即ち、a) EPON 3002樹脂、b) CY 179 MA樹脂、c) HHPA硬化剤、及び d) TPPP触媒を用いて製造した。該エポキシは、閉容器中で約43gのEPON 3002と約64.5gのCY 179 MAを組合せることにより製造した。該容器を約100℃の温度のエチレングリコール浴中に入れ、該二成分を約300RPMで約60分間混合した。次に、約67.5gのHHPAを該溶液に加え、該溶液を約300RPMで約5分間攪拌した。最後に、約1.08gの触媒、TPPPを該溶液に加え、該溶液を約300RPMで約120分間攪拌してエポキシを形成した。先に定義した比に関しては、このエポキシの組成は、約0.40のR、約0.63のH、及び約0.01のAの値を提供した。
液体エポキシの製造方法は図6に概略的に説明されている。このエポキシは、次の成分、即ち、a) EPON 3002樹脂、b) CY 179 MA樹脂、c) HHPA硬化剤、及び d) TPPP触媒を用いて製造した。該エポキシは、閉容器中で約43gのEPON 3002と約64.5gのCY 179 MAを組合せることにより製造した。該容器を約100℃の温度のエチレングリコール浴中に入れ、該二成分を約300RPMで約60分間混合した。次に、約67.5gのHHPAを該溶液に加え、該溶液を約300RPMで約5分間攪拌した。最後に、約1.08gの触媒、TPPPを該溶液に加え、該溶液を約300RPMで約120分間攪拌してエポキシを形成した。先に定義した比に関しては、このエポキシの組成は、約0.40のR、約0.63のH、及び約0.01のAの値を提供した。
上述の製造に加えて、同じようにして3種のエポキシを更に製造した。触媒の添加後、これらのエポキシを約90℃で約255分間、約100℃で約182分間、そして約110℃で103.5分間、それぞれ反応させた。これらの液体エポキシの粘度に及ぼす反応時間および反応温度の影響を図1に説明する。エポキシの粘度は、Massachusetts州、StaughtonのBrookfield Engineering Labs Incorporatedによりすべて製造された粘度計(モデル番号、LVDV-II+)、スピンドル(モデル番号、SC4-18)、及びチャンバー(モデル番号SC4-13RPY)を用いて測定した。触媒の混合後、該液体エポキシの各々を、反応温度に加熱された粘度計のチャンバーの中に入れた。約900cPより下の粘度を測定するのに約2.0sec-1のせん断速度を適用し、900cP〜2,000cPの範囲で変動する粘度を測定するのに約0.8sec-1を適用し、そして約2,000cPより上の粘度を測定するのに約0.4sec-1を適用した。
封入剤を製造するための充填材とエポキシの混合:
充填材粒子と液体エポキシを混合する方法は、図7に概略的に説明されている。このエポキシは、触媒の添加後約100℃で約120分間反応させた。約100℃で測定したこのエポキシの粘度は、約0.8sec-1のせん断速度で約1,020cPであることが分った。このエポキシの約30gを約20gの充填材と組み合わせた。得られた液体懸濁液は約16容量%の充填材含量を有していた。該液体懸濁液をkeyenceミキサー中で約2分間混合し、続いて冷却し、約80℃の温度のオーブン中で約20分間真空脱泡した。該液体懸濁液は、冷却および脱泡の工程中攪拌した。別個の実験において、同じ組成を有する液体エポキシを粘度計のチャンバー中で約100℃において約120分間反応させ、次に約100℃から約50℃の温度に冷却した。この冷却の間、該エポキシの粘度を上述のようにして測定した。該エポキシ(充填材なし)の粘度は、約0.4sec-1のせん断速度で約80℃において約8,750cPであった。得られた約80℃の熱い粘ちゅうな懸濁液を、約20℃の室温に維持しておいたサンプル金型に注入成形した。最後に、該封入剤を約70℃の温度で約2時間部分的に後硬化し、次に約165℃の温度で約4時間完全に後硬化した。それにより得られた封入剤は、約13mmの直径および約14mmの長さの大きさを有していた。
充填材粒子と液体エポキシを混合する方法は、図7に概略的に説明されている。このエポキシは、触媒の添加後約100℃で約120分間反応させた。約100℃で測定したこのエポキシの粘度は、約0.8sec-1のせん断速度で約1,020cPであることが分った。このエポキシの約30gを約20gの充填材と組み合わせた。得られた液体懸濁液は約16容量%の充填材含量を有していた。該液体懸濁液をkeyenceミキサー中で約2分間混合し、続いて冷却し、約80℃の温度のオーブン中で約20分間真空脱泡した。該液体懸濁液は、冷却および脱泡の工程中攪拌した。別個の実験において、同じ組成を有する液体エポキシを粘度計のチャンバー中で約100℃において約120分間反応させ、次に約100℃から約50℃の温度に冷却した。この冷却の間、該エポキシの粘度を上述のようにして測定した。該エポキシ(充填材なし)の粘度は、約0.4sec-1のせん断速度で約80℃において約8,750cPであった。得られた約80℃の熱い粘ちゅうな懸濁液を、約20℃の室温に維持しておいたサンプル金型に注入成形した。最後に、該封入剤を約70℃の温度で約2時間部分的に後硬化し、次に約165℃の温度で約4時間完全に後硬化した。それにより得られた封入剤は、約13mmの直径および約14mmの長さの大きさを有していた。
約1mmの厚さを有する3個のサンプルを、この封入剤の頂上、中間、及び底部から各々1個づつ切断した。これら3個のサンプルのCTEを、Connecticut州、SheltonのPerkin Elmer Analytical Instrumentsにより両方とも製造された動的機械分析器、モデル番号DMA 7e、及び2mm石英侵入探針を用いて測定した。該サンプルは、約3℃/分の加熱速度で30℃と190℃との間の温度に加熱した。該測定の間、約220ミリニュートンの力を該探針に適用した。30℃〜100℃の温度範囲における温度対線熱膨張データに対する最善の適合により得られる直線の傾斜により該封入剤のCTE値が得られた。CTEは、封入剤の頂上部において約39.2ppm/℃、中間部において約38.7ppm/℃、そして底部において約38.4ppm/℃であった。この封入剤の平均CTE値は約38.8ppm/℃で、CTE変動は全体積にわたり約±1%未満であった。このCTE測定により、充填材粒子は封入剤に一般的に均一に分散されていることが確認された。同じ動的機械分析器測定を用いて、該封入剤サンプルのTgが約164℃であることを測定した。完全に後硬化したサンプルの透過率を、可視光線分光計(オーストラリア、Victoria州、MulgraveのVarian Inc.により販売されているCary 500 Scan)を用いて約20℃の室温で測定した。約1mmの厚さを有する封入剤のサンプルは、約650nmの波長で測定した場合約85%、そして約450nmの波長で測定した場合約72%の透過率を有していた。
〔比較例1〕:低粘度
TPPPの添加後該溶液を約100℃で、約120分の代りに、約25分間攪拌した以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。得られたエポキシの粘度は、約2.0sec-1のせん断速度において約100℃で約151cPであった。この比較例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。CTEは、封入剤の頂上部において約62.0ppm/℃、中間部において約35.0ppm/℃、そして底部において約7.5ppm/℃であった。この封入剤の平均CTE値は約34.8ppm/℃で、変動は全体積にわたり約±78%であった。この例の結果により、充填材粒子はエポキシが固化する前にその底に沈降したことが示された。このエポキシは充填材と混合される前に低い粘度を有していたので、充填材粒子の急速な重力沈降、および封入剤における充填材粒子の不均一な分布を招いた。従ってCTEの変動は、光電子装置を封入するには容認できない程高かった。
TPPPの添加後該溶液を約100℃で、約120分の代りに、約25分間攪拌した以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。得られたエポキシの粘度は、約2.0sec-1のせん断速度において約100℃で約151cPであった。この比較例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。CTEは、封入剤の頂上部において約62.0ppm/℃、中間部において約35.0ppm/℃、そして底部において約7.5ppm/℃であった。この封入剤の平均CTE値は約34.8ppm/℃で、変動は全体積にわたり約±78%であった。この例の結果により、充填材粒子はエポキシが固化する前にその底に沈降したことが示された。このエポキシは充填材と混合される前に低い粘度を有していたので、充填材粒子の急速な重力沈降、および封入剤における充填材粒子の不均一な分布を招いた。従ってCTEの変動は、光電子装置を封入するには容認できない程高かった。
〔比較例2〕:250μmより大きな充填材径
実施例1においてボールミル粉砕および篩い分けの工程後に除去された粒子をこの比較例で充填材として用いた以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この充填材は、約250μmより大きな大きさを有する粒子を含んでいた。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。CTEは、封入剤の頂上部において約62.0ppm/℃、中間部において約37.0ppm/℃、そして底部において約15.0ppm/℃であった。平均CTEは約38.5ppm/℃で、CTE変動は封入剤の全体積にわたり約±61%であった。この変動は、充填材をエポキシと混合した後に生じた約250μmより大きな粒子の重力沈降により引起された。この沈降が封入剤における充填材粒子の不均一な分布を招き、封入剤における不均一なCTEを生じたのである。この封入剤は、不均一なCTEを有していたので、光電子装置の封入には適していなかった。
実施例1においてボールミル粉砕および篩い分けの工程後に除去された粒子をこの比較例で充填材として用いた以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この充填材は、約250μmより大きな大きさを有する粒子を含んでいた。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。CTEは、封入剤の頂上部において約62.0ppm/℃、中間部において約37.0ppm/℃、そして底部において約15.0ppm/℃であった。平均CTEは約38.5ppm/℃で、CTE変動は封入剤の全体積にわたり約±61%であった。この変動は、充填材をエポキシと混合した後に生じた約250μmより大きな粒子の重力沈降により引起された。この沈降が封入剤における充填材粒子の不均一な分布を招き、封入剤における不均一なCTEを生じたのである。この封入剤は、不均一なCTEを有していたので、光電子装置の封入には適していなかった。
〔比較例3〕:1μmと100μmとの間の充填材径
溶剤洗浄の工程で使用した溶剤に残留している充填材粒子を充填材として用いた以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。これらの粒子は溶剤の濾過および乾燥により回収した。図8に示されているように、これらの粒子の大きさは、粒径分析器により測定した場合、1μmと100μmとの間で変動し、約10μmにピークがあった。この粉末の60容量%は、約10μmより小さな大きさを有する粒子から成っていた。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。得られた封入剤の透過率は約48%であった。この比較例からの結果により、約10μmより小さな粒子が封入剤内で凝集し、それが透過率の減少を招いたことが示された。
溶剤洗浄の工程で使用した溶剤に残留している充填材粒子を充填材として用いた以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。これらの粒子は溶剤の濾過および乾燥により回収した。図8に示されているように、これらの粒子の大きさは、粒径分析器により測定した場合、1μmと100μmとの間で変動し、約10μmにピークがあった。この粉末の60容量%は、約10μmより小さな大きさを有する粒子から成っていた。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。得られた封入剤の透過率は約48%であった。この比較例からの結果により、約10μmより小さな粒子が封入剤内で凝集し、それが透過率の減少を招いたことが示された。
実施例1、比較例2、及び比較例3の結果を総合すると、充填材粒子の好ましい粒径範囲は1μmと500μmとの間であることが示された。より好ましい粒径は1μmと250μmとの間であり、最も好ましい粒径は10μmと250μmとの間である。これらの例により更に、充填材は10μmより小さな大きさを有する粒子を含有することが出来、得られる封入剤は容認できるCTEおよび透過率を提供することが示された。しかしながら、充填材における約10μmより小さな粒子の量は、好ましくは充填材の約60容量%未満、より好ましくは約20容量%未満、最も好ましくは約10容量%未満であるべきである。
〔比較例4〕:充填材粒子を全く含有しない封入剤
充填材粒子を得られる封入剤に全く配合しなかったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約91%であった。しかしながら、平均CTEは非常に高く、約62.0ppm/℃であった。
充填材粒子を得られる封入剤に全く配合しなかったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約91%であった。しかしながら、平均CTEは非常に高く、約62.0ppm/℃であった。
〔比較例5〕:比較的低い充填材量
封入剤中の充填材量が約16容量%の代りに約5容量%であったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約89.6%であった。平均CTEは約55.6ppm/℃で、CTE変動は約±1%であった。
封入剤中の充填材量が約16容量%の代りに約5容量%であったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約89.6%であった。平均CTEは約55.6ppm/℃で、CTE変動は約±1%であった。
〔比較的高い充填材量〕
封入剤中の充填材量が約16容量%の代りに約46容量%であったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約79.2%であった。平均CTEは約14.4ppm/℃で、CTE変動は約±1%未満であった。
封入剤中の充填材量が約16容量%の代りに約46容量%であったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約79.2%であった。平均CTEは約14.4ppm/℃で、CTE変動は約±1%未満であった。
実施例1および実施例2を総合すると、高い透過率を維持し、それにより透過率とCTEの調整を可能にして変化する要求を満たしながら、広い範囲の充填材量を封入剤に配合出来ることが示された。実施例1、実施例2、比較例4、および比較例5を総合すると、本発明の範囲内で低いCTEと高い透過率の両方を得るためには、封入剤中の充填材含量は好ましくは5容量%と60容量%との間、より好ましくは10容量%と50容量%との間、最も好ましくは15容量%と40容量%との間であるべきであることが示された。
〔熱処理なし〕
充填材を熱処理しなかったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この充填材は、エポキシと組み合わせる前に、約20℃の温度の大気中に約1時間保持した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約69.0%であった。
充填材を熱処理しなかったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この充填材は、エポキシと組み合わせる前に、約20℃の温度の大気中に約1時間保持した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約69.0%であった。
〔350℃における熱処理〕
充填材を約500℃約36時間の代りに約350℃約36時間で熱処理したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約69.0%であった。
充填材を約500℃約36時間の代りに約350℃約36時間で熱処理したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は約69.0%であった。
〔比較例6〕:650℃における熱処理
充填材粒子を約500℃約36時間の代りに約650℃の温度約36時間で熱処理したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造した。この熱処理温度はこのガラスの歪点、約627℃より上であった。得られた封入剤は約60.5%の減少した透過率を有していた。この結果により、熱処理温度はガラスの歪点より低くなければならないことが示された。
充填材粒子を約500℃約36時間の代りに約650℃の温度約36時間で熱処理したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造した。この熱処理温度はこのガラスの歪点、約627℃より上であった。得られた封入剤は約60.5%の減少した透過率を有していた。この結果により、熱処理温度はガラスの歪点より低くなければならないことが示された。
〔比較例7〕:750℃における熱処理
充填材粒子を約500℃約36時間の代りに約750℃の温度約36時間で熱処理したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造した。この熱処理温度はこのガラスの歪点、約627℃より上で、約883℃のガラス軟化温度に近づいていた。この熱処理は充填材粒子の目に見える凝集を引起した。かなりの穏やかな粉砕をして充填材粒子を分離させてから、実施例1に説明されているように封入剤を製造した。得られた封入剤は約46%の非常に低い透過率を有していた。この比較的低い透過率は、凝集粒子間におけるエアポケットの形成により引起されたのである。
充填材粒子を約500℃約36時間の代りに約750℃の温度約36時間で熱処理したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造した。この熱処理温度はこのガラスの歪点、約627℃より上で、約883℃のガラス軟化温度に近づいていた。この熱処理は充填材粒子の目に見える凝集を引起した。かなりの穏やかな粉砕をして充填材粒子を分離させてから、実施例1に説明されているように封入剤を製造した。得られた封入剤は約46%の非常に低い透過率を有していた。この比較的低い透過率は、凝集粒子間におけるエアポケットの形成により引起されたのである。
実施例1、実施例3、及び実施例4を総合すると、封入剤の透過率は充填材粒子の熱処理により最大に出来ることが示された。比較例6および比較例7を総合すると、封入剤に使用される充填材粒子に対する好ましい最大熱処理温度は充填材のガラス歪点よりも低くなければならないことが示された。得られる封入剤の透過率を最大にするために最も好ましい熱処理温度範囲は450℃と550℃との間である。
〔Rの減少させた値〕
Rの値が約0.40の代りに約0.35となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。Rの減少はエポキシの屈折率を変え、約76.5%の透過率を有する封入剤を生じた。
Rの値が約0.40の代りに約0.35となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。Rの減少はエポキシの屈折率を変え、約76.5%の透過率を有する封入剤を生じた。
〔Rの増加させた値〕
Rの値が約0.40の代りに約0.45となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。Rの増加はエポキシの屈折率に影響を与え、約78.1%の透過率を有する封入剤を生じた。
Rの値が約0.40の代りに約0.45となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。Rの増加はエポキシの屈折率に影響を与え、約78.1%の透過率を有する封入剤を生じた。
〔比較例8〕:Rの増加させた値
Rの値が約0.40の代りに約0.55となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。Rの増加はエポキシの屈折率に影響を与え、約64.1%の透過率を有する封入剤を生じた。
Rの値が約0.40の代りに約0.55となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。Rの増加はエポキシの屈折率に影響を与え、約64.1%の透過率を有する封入剤を生じた。
〔比較例9〕:Rの減少させた値
Rの値が約0.40の代りに約0.05となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は非常に低く、具体的に約25.0%の値であった。
Rの値が約0.40の代りに約0.05となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は非常に低く、具体的に約25.0%の値であった。
〔比較例10〕:Rの増加させた値
Rの値が約0.40の代りに約0.95であったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は非常に低く、具体的に約22.0%の値であった。
Rの値が約0.40の代りに約0.95であったこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この封入剤の透過率は非常に低く、具体的に約22.0%の値であった。
実施例1、実施例5、実施例6、比較例8、比較例9、及び比較例10を総合すると、65%より高い透過率を有する封入剤を得るためには、Rは好ましくは0.20と0.54との間、最も好ましくは0.30と0.50との間であるべきであることが示された。
〔Hの減少させた値〕
Hの値が約0.63の代りに約0.47となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この調整はエポキシの屈折率に影響を与え、約73.8%の透過率を有する封入剤を生じた。
Hの値が約0.63の代りに約0.47となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この調整はエポキシの屈折率に影響を与え、約73.8%の透過率を有する封入剤を生じた。
〔Hの増加させた値〕
Hの値が約0.63の代りに約0.70となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この調整はエポキシの屈折率に影響を与え、約82.2%の透過率を有する封入剤を生じた。
Hの値が約0.63の代りに約0.70となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この調整はエポキシの屈折率に影響を与え、約82.2%の透過率を有する封入剤を生じた。
〔比較例11〕:Hの減少させた値
Hの値が約0.63の代りに約0.05となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この比較例では、エポキシと充填材の混合物は固体の封入剤に硬化しなかった。この実施例の結果により、Hの値が本発明の好ましい範囲より低い場合、固体の封入剤を容易に製造することは出来ないことが示された。
Hの値が約0.63の代りに約0.05となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。この比較例では、エポキシと充填材の混合物は固体の封入剤に硬化しなかった。この実施例の結果により、Hの値が本発明の好ましい範囲より低い場合、固体の封入剤を容易に製造することは出来ないことが示された。
〔比較例12〕:Hの増加させた値
Hの値が約0.63の代りに約0.95となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。得られた封入剤の透過率は非常に低く、具体的に約21.8%であった。この例の結果により、Hの値が本発明の好ましい範囲より高いならば、封入剤の透過率は最適値とならないであろうことが示された。
Hの値が約0.63の代りに約0.95となるように封入剤の成分量を調整したこと以外は、実施例1と同じようにして封入剤を製造し分析した。この例で製造した封入剤、充填材、及びエポキシの性質を表3に示す。得られた封入剤の透過率は非常に低く、具体的に約21.8%であった。この例の結果により、Hの値が本発明の好ましい範囲より高いならば、封入剤の透過率は最適値とならないであろうことが示された。
実施例1、実施例7、実施例8、比較例11、及び比較例12を総合すると、65%より高い透過率を有する封入剤を得るためには、Hの値は好ましくは0.30と0.80との間、最も好ましくは0.50と0.70との間であるべきであることが示された。
〔アルカリイオンを含有する充填材ガラスの使用〕
この実施例においては、本発明の硼珪酸塩ガラスに加えて、多数の考えられるガラス充填材材料を使用した。使用したガラスは、Schott CorporationによりK5の商品名で販売されているソーダ石灰ガラス、及びCorning Incorporatedにより0211の製品番号で販売されているZnO-TiO2ガラスである。本発明の好ましい局面で使用した硼珪酸塩ガラスはアルカリが存在しない。ZnO-TiO2ガラスのアルカリ含量は0.3重量%より低いが、ソーダ石灰ガラスのアルカリ含量は非常に高く、13重量%と17重量%との間で変動する。これら3種のガラスの各々を用いて、充填材粒子を実施例1に説明した通りに製造した。製造したエポキシ組成物は実施例1で説明したものと同一であり、それら充填材の各々を約40重量%含有する3種の封入剤を製造した。
この実施例においては、本発明の硼珪酸塩ガラスに加えて、多数の考えられるガラス充填材材料を使用した。使用したガラスは、Schott CorporationによりK5の商品名で販売されているソーダ石灰ガラス、及びCorning Incorporatedにより0211の製品番号で販売されているZnO-TiO2ガラスである。本発明の好ましい局面で使用した硼珪酸塩ガラスはアルカリが存在しない。ZnO-TiO2ガラスのアルカリ含量は0.3重量%より低いが、ソーダ石灰ガラスのアルカリ含量は非常に高く、13重量%と17重量%との間で変動する。これら3種のガラスの各々を用いて、充填材粒子を実施例1に説明した通りに製造した。製造したエポキシ組成物は実施例1で説明したものと同一であり、それら充填材の各々を約40重量%含有する3種の封入剤を製造した。
これらの封入剤の透過率を、それらが後硬化された直後に試験し、又それらを約85℃の温度で約85%の相対湿度において約100時間保持した後、その時点においても試験し、そして更に約1,000時間保持した後、その時点においても再試験した。具体的には、後硬化工程の前に、3個の光電子装置をこれらの封入剤で封入した。後硬化工程の後で、これら装置の各々の漏洩電流を測定して該封入剤の電気抵抗度を決定した。高い漏洩電流は該封入剤が低い電気抵抗を有していたことを示唆し、逆もまた同様である。これらの測定は、該光電子装置を試験装置(Hewlett Packard Instruments Inc. により製造されたモデルHP 16442A)に取り付け、約10ボルトの電位差を該装置にかけ、そして精密半導体分析器(Hewlett Packard Instruments Inc. により製造されたモデルHP 4156A)を用いて漏洩電流を測定することにより行われた。
それら3個の光電子装置の漏洩電流は、それら封入剤の後硬化直後に、そして又それら封入装置を約85℃の温度で約85%の相対湿度において約100時間および約1,000時間保持した後でも測定した。それら封入装置のこの熱及び湿度処理の間、約5.25ボルトの電位差をそれらの装置にかけた。該透過率測定および該漏洩電流試験の結果を表4に示す。
これらの結果により説明されているように、後硬化された段階では3種の充填材材料のすべてにより匹敵する低漏洩電流および高封入剤透過率を有する封入装置が生成したけれども、高温度および高湿度に延長された時間曝された場合にこれらの優れた性質を維持したのはアルカリが存在しない硼珪酸塩ガラスだけである。ナトリウム又はカリウムのようなアルカリイオンを含有する充填材を封入剤に使用すると、高湿度および高温度の環境に延長して曝された後で、該封入剤の電気絶縁性および透過率の低下を招くと思われる。
この実施例では、アルカリが存在しないガラス及びチタニアが存在しないガラスは、両方とも最初に高い電気抵抗並びに高い透過率を提供しその後もそれらを維持するので、本発明の範囲内で光電子装置用封入剤に使用するのに最も好ましいガラスであることが示されている。ソーダ石灰ガラスのような他のチタニアが存在しないガラスは又、低電気抵抗に耐えることの出来る電子装置用封入剤の充填材として、又は電気絶縁性を必要としないレンズのような非電子用途用エポキシの充填材として用いることも出来る。
本発明は、現在好ましい封入剤および製造方法だけに関して説明してきたけれども、当業者は、本発明から離れることなく種々の変更を行うことが出来ることを理解するであろう。従って、本発明は別紙の特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
Claims (75)
- 光電子装置または光学的構成部品用の封入剤において、熱膨張係数および光透過率を特徴とする該封入剤であって、該封入剤が
1) 1μm〜500μmの範囲の直径を有するガラス粒子であって、本質的にチタニアが存在しないガラスから形成され1.48〜1.60の範囲の値で約0.001未満のばらつきがあるガラス屈折率を特徴とする該ガラス粒子から本質的に成る充填材であって、充填材屈折率を特徴とする該充填材、及び
2) エポキシ屈折率を特徴とするエポキシ
を含み、該封入剤の熱膨張係数が50ppm/℃未満の平均値で±30%未満のばらつきがあり、該充填材屈折率および該エポキシ屈折率は、該封入剤の光透過率が300nm〜800nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも65%であるような、充分に類似した値を有することを特徴とする前記の封入剤。 - 該封入剤の熱膨張係数が40ppm/℃未満の平均値を有する、請求項1に定義された封入剤。
- 該封入剤の熱膨張係数が±10%未満のばらつきを有する、請求項1に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が300nm〜800nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも75%である、請求項1に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が300nm〜800nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも80%である、請求項4に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が600nm〜700nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも65%である、請求項1に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が600nm〜700nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも75%である、請求項6に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が600nm〜700nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも80%である、請求項7に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が約650nmの波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも65%である、請求項1に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が約650nmの波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも75%である、請求項9に定義された封入剤。
- 該封入剤の光透過率が約650nmの波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも80%である、請求項9に定義された封入剤。
- 該ガラス粒子は本質的にアルカリが存在しない、請求項1に定義された封入剤。
- 該ガラス粒子が本質的に硼珪酸塩から成る、請求項1に定義された封入剤。
- 請求項13に定義された封入剤に実質的に入れられた光電子装置。
- 該ガラス屈折率が約1.526の値を有する、請求項13に定義された封入剤。
- 該ガラス粒子が1μm〜250μmの範囲の直径を有する、請求項1に定義された封入剤。
- 該ガラス粒子が10μm〜250μmの範囲の直径を有する、請求項16に定義された封入剤。
- 10μmより小さな直径を有するガラス粒子を含む該充填材が60容量%未満である、請求項1に定義された封入剤。
- 10μmより小さな直径を有するガラス粒子を含む該充填材が20容量%未満である、請求項18に定義された封入剤。
- 10μmより小さな直径を有するガラス粒子を含む該充填材が10容量%未満である、請求項19に定義された封入剤。
- 該充填材が封入剤の全容量の5容量%と60容量%との間を占める、請求項1に定義された封入剤。
- 該充填材が封入剤の全容量の10容量%と50容量%との間を占める、請求項21に定義された封入剤。
- 該充填材が封入剤の全容量の15容量%と40容量%との間を占める、請求項22に定義された封入剤。
- 該充填材が熱処理温度で少なくとも約1時間熱処理されており、該熱処理温度が大体該ガラスの歪点以下である、請求項1に定義された封入剤。
- 該熱処理温度が20℃と該ガラスの歪点との間である、請求項24に定義された封入剤。
- 該充填材が熱処理温度で少なくとも約1時間熱処理されており、該熱処理温度が約627℃以下である、請求項14に定義された封入剤。
- 該熱処理温度が20℃と627℃との間である、請求項26に定義された封入剤。
- 該熱処理温度が450℃と550℃との間である、請求項27に定義された封入剤。
- 該充填材が熱処理温度で5時間と50時間との間熱処理されている、請求項24に定義された封入剤。
- 該充填材が熱処理温度で30時間と40時間との間熱処理されている、請求項29に定義された封入剤。
- 該充填材が酸素含有雰囲気中で熱処理されている、請求項24に定義された封入剤。
- 該酸素含有雰囲気が乾燥空気である、請求項31に定義された封入剤。
- 該充填材がアミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びそれらの混合物から成る群から選択されるシランカップリング剤と反応させられている、請求項1に定義された封入剤。
- 該シランカップリング剤がアミノプロピルトリエトキシシランである、請求項33に定義された封入剤。
- 該エポキシが、
a) ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、
b) 脂環式エポキシ樹脂、
c) 硬化剤、及び
d) 促進剤
を含む組成物から製造される、請求項1に定義された封入剤。 - ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対するビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂の重量比が0.20〜0.54の範囲の値を有する、請求項35に定義された封入剤。
- ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対するビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂の重量比が0.30〜0.50の範囲の値を有する、請求項36に定義された封入剤。
- ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する硬化剤の重量比が0.30〜0.80の範囲の値を有する、請求項35に定義された封入剤。
- ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する硬化剤の重量比が0.50〜0.70の範囲の値を有する、請求項38に定義された封入剤。
- ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する促進剤の重量比が0.001〜0.05の範囲の値を有する、請求項35に定義された封入剤。
- ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する促進剤の重量比が0.005〜0.03の範囲の値を有する、請求項40に定義された封入剤。
- 光電子装置または光学的構成部品用の封入剤において、熱膨張係数および光透過率を特徴とする該封入剤であって、該封入剤が
1) アミノプロピルトリエトキシシランでシリル化されたアルカリの存在しない硼珪酸塩ガラスから形成され、1μm〜250μmの範囲の直径を有し、その10容量%未満が10μm未満の直径を有するガラス粒子であって、約1.526の値で約0.001未満のばらつきがあるガラス屈折率を特徴とする該ガラス粒子から本質的に成る15容量%と40容量%との間の充填材であって、酸素含有雰囲気中450℃〜550℃の範囲の温度で30時間〜40時間の範囲の継続時間加熱された該充填材、及び
2) ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、硬化剤、及び促進剤を含む組成物から製造される60容量%と85容量%との間のエポキシであって、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対するビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂の重量比が0.30〜0.50の範囲の値を有し、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する硬化剤の重量比が0.50〜0.70の範囲の値を有し、そしてビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂と脂環式エポキシ樹脂との総合重量に対する促進剤の重量比が0.005〜0.03の範囲の値を有する該エポキシ
を含み、該封入剤の熱膨張係数が約40ppm/℃未満の平均値で約±10%未満のばらつきがあり、該封入剤の光透過率が650nmの波長で1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも80%であることを特徴とする前記の封入剤。 - 光電子装置または光学的構成部品用の封入剤を製造する方法において、
1.48〜1.60の範囲の値で約0.001未満のばらつきがあるガラス屈折率を特徴とするガラスを処理して、該ガラスから1μmと500μmとの間の直径を有し充填材屈折率を特徴とする充填材粒子を形成し、
該充填材粒子を酸素含有雰囲気中で加熱し、
エポキシ屈折率を特徴とするエポキシを製造し、その際、該充填材屈折率および該エポキシ屈折率は、該封入剤が300nm〜800nmの範囲の波長で約1mmの封入剤厚で測定した場合少なくとも65%の光透過率を有するように、充分に類似しているものとし、
該エポキシの粘度を該エポキシが予定値以上の沈降速度により特徴付けられるようなレベルまで増加させるのに充分な予定継続時間該エポキシを予定温度に加熱し、
該エポキシを該充填材粒子と予定混合継続時間内で混合して該封入剤を形成し、
該封入剤中のエポキシの粘度を増加させるのに十分な予定温度まで該封入剤を予定冷却継続時間内で冷却し、そして
予定脱泡継続時間内で該封入剤から気泡を除去する
ことを特徴とする前記方法。 - ガラスを処理する工程が、該ガラスを処理して1μmと250μmとの間の直径を有する充填材粒子を形成することを特徴とする、請求項43に定義された方法。
- ガラスを処理する工程が、該ガラスを処理して10μm未満の直径を有する充填材粒子が60容量%未満であるような充填材粒子を形成することを特徴とする、請求項44に定義された方法。
- ガラスを処理する工程が、該ガラスを処理して10μm未満の直径を有する充填材粒子が20容量%未満であるような充填材粒子を形成することを特徴とする、請求項45に定義された方法。
- ガラスを処理する工程が、該ガラスを処理して10μm未満の直径を有する充填材粒子が10容量%未満であるような充填材粒子を形成することを特徴とする、請求項46に定義された方法。
- ガラスを処理する工程が、該ガラスを処理して10μmと250μmとの間の直径を有する充填材粒子を形成することを特徴とする、請求項47に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を大体該ガラスの歪点以下の温度に加熱することを特徴とする、請求項43に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を20℃と該ガラスの歪点との間の温度に加熱することを特徴とする、請求項49に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を20℃と627℃との間の温度に加熱することを特徴とする、請求項49に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を450℃と550℃との間の温度に加熱することを特徴とする、請求項51に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を少なくとも約1時間の継続時間加熱することを特徴とする、請求項49に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を5時間と50時間との間の継続時間加熱することを特徴とする、請求項53に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を30時間と40時間との間の継続時間加熱することを特徴とする、請求項54に定義された方法。
- 該充填材粒子を加熱する工程が、該充填材粒子を乾燥空気中で加熱することを特徴とする、請求項43に定義された方法。
- 該ガラスを処理する工程の後で該ガラス粒子をシランカップリング剤と反応させる工程を更に含む、請求項43に定義された方法。
- 該シランカップリング剤がアミノプロピルトリエトキシシランである、請求項57に定義された方法。
- エポキシを製造する工程が、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式樹脂、硬化剤、及び促進剤を一緒に混合することを特徴とする、請求項43に定義された方法。
- エポキシを製造する工程が、該封入剤中の充填材粒子の沈降速度が約11mm/分未満であるほど充分な粘度を有するように該エポキシを製造することを特徴とする、請求項43に定義された方法。
- 該エポキシを充分な粘度を有するように製造する工程が、該封入剤中の充填材粒子の沈降速度が約6mm/分未満であるように該エポキシを製造することを特徴とする、請求項60に定義された方法。
- 該エポキシを充分な粘度を有するように製造する工程が、該封入剤中の充填材粒子の沈降速度が約4mm/分未満であるように該エポキシを製造することを特徴とする、請求項61に定義された方法。
- 該エポキシを該充填材粒子と混合する工程の前に、該エポキシの粘度を増加させるのに充分な予定継続時間該エポキシを80℃と140℃との間の温度に加熱することを更に含む、請求項43に定義された方法。
- 該エポキシを加熱する工程が、該エポキシを90℃と110℃との間の温度に加熱することを特徴とする、請求項63に定義された方法。
- 該エポキシを加熱する工程が、該エポキシを約100℃の温度に加熱することを特徴とする、請求項64に定義された方法。
- 該エポキシを加熱する工程が、該エポキシの粘度を300cP〜40,000cPの範囲に増加させるのに充分な継続時間該エポキシを加熱することを特徴とする、請求項65に定義された方法。
- 該エポキシを加熱する工程が、該エポキシの粘度を500cP〜20,000cPの範囲に増加させるのに充分な継続時間該エポキシを加熱することを特徴とする、請求項66に定義された方法。
- 該エポキシを加熱する工程が、該エポキシの粘度を750cP〜10,000cPの範囲に増加させるのに充分な継続時間該エポキシを加熱することを特徴とする、請求項67に定義された方法。
- 該封入剤を冷却する工程が、該エポキシの粘度を1,000cP〜40,000cPの範囲の値に増加させるのに充分な温度まで該封入剤を冷却することを特徴とする、請求項43に定義された方法。
- 該封入剤を冷却する工程が、該エポキシの粘度を5,000cP〜20,000cPの範囲の値に増加させるのに充分な温度まで該封入剤を冷却することを特徴とする、請求項69に定義された方法。
- 該封入剤を冷却する工程が、該エポキシの粘度を7,000cP〜12,000cPの範囲の値に増加させるのに充分な温度まで該封入剤を冷却することを特徴とする、請求項70に定義された方法。
- 混合、冷却、及び気泡の除去の諸工程が約120分未満の総合継続時間を有する、請求項43に定義された方法。
- 混合、冷却、及び気泡の除去の諸工程が約60分未満の総合継続時間を有する、請求項72に定義された方法。
- 混合、冷却、及び気泡の除去の諸工程が約30分未満の総合継続時間を有する、請求項73に定義された方法。
- 光電子装置または光学的構成部品用の封入剤を製造する方法において、
約588nmの波長で測定した場合約1.526の値で約0.001未満のばらつきがある屈折率を特徴とする硼珪酸塩ガラスを処理して、1μmと250μmとの間の直径を有する硼珪酸塩ガラス粒子を形成し、その際、10μm未満の直径を有する該硼珪酸塩ガラス粒子が60容量%未満となるようにし、
該硼珪酸塩ガラス粒子を酸素含有雰囲気中で30時間と40時間との間の継続時間450℃と550℃との間の温度に加熱し、
該硼珪酸塩ガラス粒子をアミノプロピルトリエトキシシランと反応させ、
a) ビスフェノールAのジグリシジルエーテル樹脂、
b) 脂環式樹脂、
c) ヘキサヒドロフタル酸無水物硬化剤、及び
d) トリフェニルフォスファイト触媒
を混合することによりエポキシを製造し、
該エポキシの粘度を750cPと10,000cPとの間に増加させて該エポキシ中の硼珪酸塩ガラス粒子の沈降速度を4mm/分未満にするのに充分な継続時間該エポキシを約100℃に加熱し、
該エポキシ及び該硼珪酸塩ガラス粒子を混合し、
該液体エポキシの粘度を7,000cPと12,000cPとの間のレベルまで更に増加させるのに充分な温度に該封入剤を冷却し、そして
該封入剤から気泡を除去し、
その際、混合、冷却、及び除去の諸工程が約30分未満の総合継続時間を有するようにすることを特徴とする前記の方法。
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