JP2000063636A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2000063636A
JP2000063636A JP10249195A JP24919598A JP2000063636A JP 2000063636 A JP2000063636 A JP 2000063636A JP 10249195 A JP10249195 A JP 10249195A JP 24919598 A JP24919598 A JP 24919598A JP 2000063636 A JP2000063636 A JP 2000063636A
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epoxy resin
silica
inorganic filler
resin composition
linear expansion
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JP10249195A
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Tatsuro Hirano
達郎 平野
Kazutoshi Tomiyoshi
和俊 富吉
Toshio Shiobara
利夫 塩原
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TATSUMORI KK
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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TATSUMORI KK
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (1)エポキシ樹脂及び硬化剤
合計量で100重量部 (2)無機質充填剤
200〜1100重量部 を含有してなるエポキシ樹脂組成物に、無機質充填剤と
してガラス化率が10〜95重量%の部分球状化シリカ
を全無機質充填剤量に対して20重量%以上配合したこ
とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。この
半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された
半導体装置。 【効果】 本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、無機質充填剤の高充填化が可能であり、かつ線膨張
係数が高く、しかも線膨張係数の調整も容易であり、低
吸水率でクラック及びダイパッド発生率の低い硬化物を
与えるもので、高線膨張係数のリードフレーム材料を使
用したものに対しても優れた封止特性を発揮する。従っ
て、本発明組成物は、高い信頼性を有する半導体装置を
与え、各種半導体装置の封止剤として幅広く利用可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質充填剤の高
充填化が可能である上、線膨張係数が高く、低吸水性で
クラック発生率の低い硬化物を与え、表面実装タイプパ
ッケージ用封止剤等として幅広く使用できる半導体封止
用エポキシ樹脂組成物及びこの硬化物で封止された半導
体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
半導体デバイスは樹脂封止型のダイオード、トランジス
ター、IC、LSI、超LSIが主流となっており、一
般にエポキシ樹脂が他の熱硬化性樹脂に比べ成形性、接
着性、電気特性、機械特性、耐湿性等に優れているた
め、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封止することが
多く行われている。
【0003】最近の表面実装タイプパッケージ用封止剤
としては、基板にパッケージを実装する際のクラックを
改善することを目的として、吸水量を低減させるために
低吸水性樹脂を使用したり、球状溶融シリカを高充填化
することが検討されている。上記溶融シリカを高充填化
する方法は、得られる硬化物の線膨張係数も下がるた
め、リードフレーム材に42アロイのような線膨張係数
の小さいフレームを使用した場合には、半田実装時のク
ラック防止に非常に効果がみられ、有効である。
【0004】しかしながら、線膨張係数の大きい銅系材
料をリードフレーム材として使用した場合、リードフレ
ームの膨張係数とエポキシ樹脂組成物の膨張係数とが大
きくかけ離れてしまい、温度サイクルや半田実装時のス
トレスにより容易にパッケージクラックが入ってしまう
といった問題があった。なお、溶融シリカの充填量を減
らすことで、線膨張係数を銅系リードフレームに合わせ
ることはできるものの、この場合は上記したように吸水
率が多くなり、半田実装時のクラックが発生し易くなる
という欠点があった。
【0005】また、膨張係数の大きな無機質充填材を混
合することで膨張係数を調整しようとする試みも行われ
ている。例えば、エポキシ樹脂組成物の充填材として、
溶融シリカに比べて膨張係数の大きな結晶シリカ(石英
粉)を混合したものが数多く提案されている。
【0006】しかし、これらの提案においては、いずれ
も破砕状の結晶シリカが使用されており、このためエポ
キシ樹脂組成物中への充填率を球状溶融シリカ並に向上
させることは非常に困難であり、しかも、破砕結晶シリ
カの角張ったエッジが半導体素子の表面を傷つけ、半導
体特性を低下させることもあった。
【0007】従って、線膨張係数の大きい銅系材料に対
しても優れた封止特性を発揮し得るエポキシ樹脂組成物
の開発が望まれる。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、無機質充填剤の高充填化が可能である上、線膨張係
数が高く、低吸水率でクラック及びダイパッド発生率の
低い硬化物を与え、高線膨張係数のリードフレーム材を
使用しても信頼性の高い半導体装置を与えることができ
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、エポキシ樹脂及び硬化剤を合計量で100重量部、
無機質充填剤を200〜1100重量部含有してなるエ
ポキシ樹脂組成物において、無機質充填剤としてガラス
化率が10〜95重量%であり、好ましくは真円度が
0.65以上である部分球状化シリカを全無機質充填剤
量に対して20重量%以上配合することにより、かかる
無機質充填剤は高充填化が可能であり、低吸水化が達成
できる上、線膨張係数が大きく、高線膨張係数のリード
フレーム材料を使用しても低吸水率でクラック及びダイ
パッド発生のほとんどない硬化物を与えることを見出し
た。更に、本発明組成物は、上記部分球状化シリカに溶
融シリカを併用して配合することにより、線膨張係数を
自由に調整することができるため、硬化物の線膨張係数
を簡単に銅系フレーム材等の線膨張係数に合わせること
も可能であり、封止樹脂として幅広く使用できること、
よって、この硬化物で半導体装置を封止することによ
り、極めて信頼性の高い半導体装置を得ることができる
ことを知見し、本発明を完成させたものである。
【0010】従って、本発明は、 (1)エポキシ樹脂及び硬化剤 合計量で100重量部 (2)無機質充填剤 200〜1100重量部 を含有してなるエポキシ樹脂組成物において、無機質充
填剤としてガラス化率10〜95重量%のシリカを全無
機質充填剤量に対して20重量%以上配合した半導体封
止用エポキシ樹脂組成物及びこの硬化物で封止された半
導体装置を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポ
キシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤を含有するもので、本
発明で使用するエポキシ樹脂としては、従来から公知の
一分子あたり2個以上のエポキシ基を持ったものであれ
ば如何なるものでも使用することができる。例えば、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ト
リフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプ
ロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エ
ポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールア
ラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポ
キシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキ
シ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は
2種以上を使用することができる。これらのエポキシ樹
脂の中では、特にクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ
キシ樹脂が望ましい。下記に例を示す。
【0012】
【化1】
【0013】硬化剤としては、1分子中にフェノール性
の水酸基が2個以上あれば如何なるものでも使用可能で
あり、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、ナフタ
レン環含有フェノール樹脂、フェノールアラルキル型フ
ェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、ビフェニ
ルアラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールメタン
型フェノール樹脂、トリフェノールプロパン型フェノー
ル樹脂等のトリフェノールアルカン型フェノール樹脂、
脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ビス
フェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フ
ェノール樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂等が
挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用する
ことができる。これらの中では、特にフェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラ
ルキル樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、シクロペン
タジエン型フェノール樹脂が好ましい。下記に例を示
す。
【0014】
【化2】
【0015】エポキシ樹脂と硬化剤としてのフェノール
樹脂の混合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1モル
に対してフェノール樹脂中のフェノール性水酸基が0.
5〜1.6モル、特に0.6〜1.4モルとなる範囲の
量が好適である。フェノール性水酸基が0.5モル未満
の量では、水酸基が不足し、エポキシ基の単独重合の割
合が多くなり、ガラス転移温度が低くなる場合があり、
1.6モルを超えるとフェノール性水酸基の比率が高く
なり、反応性が低下するほか架橋密度が低く十分な強度
が得られないものとなる場合がある。
【0016】本発明では、無機質充填剤としてガラス化
率が10〜95重量%の部分球状化シリカを配合する。
この部分球状化シリカは、表面に近い部分が溶融してガ
ラス化し、シリカ内部に進むにつれて結晶質が残ってい
る状態のシリカである。このような部分球状化シリカの
特徴は、結晶質と非晶質が共存しているため、非晶質シ
リカに比べて膨張係数が大きく、また熱伝導率が高い。
また、球形度が高いために高充填化が可能であり、低吸
水率を達成できる上、組成物製造時の摩耗、半導体部品
を成形する際の金型摩耗、及び半導体素子の表面にダメ
ージを与えないといった特徴も有している。内部に残る
結晶質としては、トリジマイトあるいはクリスタバライ
ト等を含むものである。
【0017】上記部分球状化シリカのガラス化率は10
〜95%(重量%、以下同様)、好ましくは20〜80
%、より好ましくは20〜65%である。ガラス化率が
10%未満であると表面の球形度が十分でないため高充
填化が困難であり、95%を超えると熱伝導率が低下
し、線膨張係数も小さくなる。なお、ガラス化率は、X
線解析装置を使って回折線積分強度比を測定することに
より定量分析ができる。
【0018】また、上記特定のガラス化率を有する部分
球状化シリカは、球形度の指標となる真円度が0.65
以上、特に0.70以上であることが望ましい。真円度
が0.65未満であると、球形度が不足し、高充填化が
困難となったり、流動性が悪くなり、パッドシフト、ワ
イヤー流れ等の成形不良を起こしやすくなる場合があ
る。
【0019】なお、真円度は、シリカを光学顕微鏡で観
察し、画像解析装置を併用することにより、以下の式
(1)を用いて算出することができる。
【0020】
【数1】
【0021】ここで、Aは粒子の投影面積であり、PM
は粒子の投影像の周囲長を表わす。シリカが完全な真円
(真球度)である場合には、式(1)により真円度は1
である。一方、粒子形状が真円からずれていくにつれ、
即ち、粒子投影像が凸凹になるにつれ、この真円度は1
より低い値になっていく。従って、この真円度とは0〜
1の値をとるものである。
【0022】本発明に使用される部分球状化シリカの平
均粒径は、0.3〜50μm、特に3〜30μm、更に
望ましくは3〜20μmで、最大粒径が150μm以
下、望ましくは100μm以下、更に望ましくは75μ
m以下であることが好ましい。平均粒径が50μmを超
えると、粒径が粗く成りすぎてゲートずまりや金型摩耗
を引き起こしやすくなる場合があり、平均粒径が0.3
μm未満では粒子が細かくなりすぎて多量に充填するこ
とができなくなる場合がある。最大粒径が150μmを
超えると、粒径が粗くなりすぎてゲートづまりや金型摩
耗を引き起こしやすくなる場合がある。なお、ここでの
平均粒径は、レーザー光回折法による重量平均(メジア
ン径)の値である。
【0023】上記部分球状化シリカは、BET吸着法に
よる比表面積が0.2〜2.0m2/g、特に0.5〜
1.5m2/g、真比重は2.30〜2.65、特に
2.35〜2.60の範囲であることが望ましい。
【0024】このような部分球状化シリカは、従来から
行なわれている火炎溶融法等で製造することができる。
【0025】例えばシリカ原料を可燃性ガスと酸素との
燃焼により火炎溶融して溶融球状シリカを製造する際、
火炎の温度を下記範囲に下げることにより製造できる。
この場合、火炎の温度は、1600〜1900℃、特に
1650〜1850℃、とりわけ1800℃付近が好適
である。温度が1600℃より低いと、シリカの表面部
分が満足に溶融せず、真円度が低くなってしまう場合が
あり、1900℃より上げ過ぎると、表面が完全にツル
ツルになるまで溶融され、流動性は向上するものの、結
晶質が少なく、非晶質になるため、線膨張係数が小さく
なってしまう場合がある。
【0026】上記部分球状化シリカは、予めシランカッ
プリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系
カップリング剤などのカップリング剤で表面を処理して
使用しても良い。
【0027】本発明では、無機質充填剤として上記部分
球状化シリカ以外に他の無機質充填剤を配合することが
できる。具体的には、ボールミルなどで粉砕した溶融シ
リカや火炎溶融することで得られる球状のシリカ、ゾル
ゲル法などで製造される球状シリカ、結晶シリカ、アル
ミナ、ボロンナイトライド、チッカアルミ、チッ化珪
素、マグネシア、マグネシウムシリケートなどが例示さ
れる。
【0028】なお、本発明では、上記部分球状化シリカ
に溶融シリカを併用して配合することにより、線膨張係
数を自由に調整して、硬化物の線膨張係数を銅系フレー
ム材等の線膨張係数に合わせることができる。
【0029】本発明において上記部分球状化シリカの配
合量は、全無機質充填剤量の20%以上(即ち、20〜
100%)、望ましくは50〜100%、より望ましく
は60〜95%の範囲である。部分球状化シリカの配合
量が20%に満たないと、所定の熱伝導率、線膨張係数
を得ることができない。
【0030】本発明組成物の無機質充填剤の配合量は、
エポキシ樹脂と硬化剤との総量100重量部に対して2
00〜1100重量部、望ましくは300〜1000重
量部、更に望ましくは600〜1000重量部である。
配合量が200重量部未満では、吸水率が多くなり半田
リフローの際の温度でパッケージにクラックが入ってし
まい、1100重量部を超えると粘度が高くなりすぎ、
成形できなくなってしまう。
【0031】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
その他の任意成分として従来から公知のシリコーンゴム
やゲルなどの粉末、シリコーン変性エポキシ樹脂やシリ
コーン変性フェノール樹脂、メタクリル酸メチル−ブタ
ジエン−スチレンよりなる熱可塑性樹脂などを低応力化
材として添加してもよい。
【0032】更に、硬化促進剤としてリン系化合物、イ
ミダゾール誘導体、シクロアミジン系誘導体などを使用
することができる。具体的には、トリフェニルホスフィ
ン、4級ホスフィン化合物のボロン塩、2−フェニルイ
ミダゾール、DBU等が例示される。硬化促進剤の添加
量は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量100重
量部に対し、0.01〜10重量部が好適である。
【0033】更に、本発明組成物には、シランカップリ
ング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カッ
プリング剤等のカップリング剤、カーボンブラック等の
着色剤、天然ワックス等の離型剤、フッ素系界面活性
剤、シリコーンオイル等の濡れ向上剤なども場合によっ
ては添加することができる。なお、これら任意成分の添
加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とするこ
とができる。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した
諸原料を高速混合機などを用い、均一に混合した後、二
本ロールや連続混練装置などで十分混練することにより
製造することができる。二本ロールの場合、混練温度は
50〜120℃、混練時間は2〜10分が望ましい。混
練後、薄くシート化し冷却、粉砕することで、エポキシ
樹脂組成物を製造することができる。
【0035】このようにして得られる本発明の半導体封
止用エポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置、特にI
C、LSI或いはトランジスター等の封止剤に有効に利
用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては、
低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明
の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の成形条件は150
〜180℃で30〜180秒、後硬化は150〜180
℃で2〜16時間行うことが望ましい。
【0036】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、無機質充填剤の高充填化が可能であり、かつ線膨
張係数が高く、しかも線膨張係数の調整も容易であり、
低吸水率でクラック及びダイパッド発生率の低い硬化物
を与えるもので、高線膨張係数のリードフレーム材料を
使用したものに対しても優れた封止特性を発揮する。従
って、本発明組成物は、高い信頼性を有する半導体装置
を与え、各種半導体装置の封止剤として幅広く利用可能
である。
【0037】
【実施例】以下、調製例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限
されるものではない。
【0038】〔調製例1〕下記粒度分布を有する破砕結
晶形シリカを原料とし、これを1800℃で加熱溶融
し、部分的に球状化されたシリカを得た。得られたシリ
カをX線回折により解析した結果、ガラス化率は64%
であり、粒度分布等の物性は表1の通りであった。な
お、得られた部分的に球状化されたシリカの電子顕微鏡
写真を図1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】〔調製例2〕調製例1で使用した原料の破
砕結晶形シリカを表2で示される製造条件で溶融し、部
分球状化シリカを得た。得られたシリカの粒度分布等の
物性は、表2の通りであった。
【0041】
【表2】
【0042】〔実施例、比較例〕表3に示す配合でエポ
キシ樹脂組成物を連続押し出し機で調製し、次の項目に
ついて評価を行った。結果を表4に示す。 スパイラルフロー:成形温度175℃、成形圧力70k
g/cm2でトランスファー成形機で成形した。 ゲル化時間:175℃の熱板でエポキシ樹脂組成物がゲ
ル化するまでの時間を測定した。 溶融粘度:高化式フローテスターを用い、10kgの加
圧下、直径1mmのノズルを用い温度175℃で粘度を
測定した。 熱伝導率:昭和電工社製のShothermQTM−D
11迅速熱伝導計を使用し、直径50mm×7mmの大
きさの円板状の硬化物を非定熱線法により測定した。 線膨張係数:15×15×5mmの成形物を175℃/
120秒で成形し、180℃/6時間ポストキュアーを
行った。この成形物を用い、ディラトメーターにより毎
分5℃の昇温で測定した。α1は50〜100℃の範囲
で、α2は190〜240℃の範囲でそれぞれ算出し
た。 吸水量:50φmm×4mmの成形物を175℃/12
0秒で成形し、180℃/6時間ポストキュアーを行っ
た。この成形物を用い、85℃/85%RHの条件で1
68時間後の吸水量を測定した。 ダイパッド変形:QFPパッケージを用い、成形温度1
75℃/成形圧力70kg/mm2でトランスファー成
形した後、パッケージを切断し、ダイパッドの変形状態
を観察した。 パッケージサイズ=14×20×2.2mm チップサイズ=7×9mm ダイパッドサイズ=8×10mm クラック性:QFPパッケージを用い、成形温度175
℃/成形圧力70kg/mm2でトランスファー成形
し、180℃/5時間ポストキュアーを行った。パッケ
ージを150℃で30分と−50℃で30分の温度サイ
クルを500回繰り返したときのパッケージクラックを
観察した。 パッケージサイズ=14×20×2.2mm チップサイズ=7×9mm ダイパッドサイズ=8×10mm
【0043】
【表3】 *)結晶シリカ:結晶系シリカ 平均粒子径25μmの破砕状結晶シリカ 溶融シリカ:球状溶融シリカ 平均粒子径10μm/最大粒子径45μm 微細シリカ:平均粒子径0.5μmの球状シリカ (アドマテックス社製、SO25H) エポキシ樹脂1:ビフェニル型エポキシ樹脂 油化シェル社製 YX4000HK エポキシ当量190 エポキシ樹脂2:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 日本化薬社製 EOCN−4400 エポキシ当量190 エポキシ樹脂3:臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 日本化薬社製 BREN−105 エポキシ当量283 硬化剤1:フェノールノボラック型フェノール樹脂 明和化成社製 DL−92 フェノール当量107 硬化剤2:フェノールアラルキル型フェノール樹脂 三井東圧社製 XL−225−3L フェノール当量168 シリコーン変性剤(シリコーン変性エポキシ樹脂): シロキサン分34% エポキシ当量310 TPP:トリフェニルフォスフィン シランカップリング剤:信越化学工業社製 KBM573:N−フェニル− γ−アミノプルピルトリメトキシシラン
【0044】
【表4】
【0045】表4の結果より、本発明のエポキシ樹脂組
成物は、低吸水性を維持しながら高熱伝導性、高線膨張
係数であり、銅フレームでの信頼性に優れていることが
わかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例1で得られた部分的に球状化されたシリ
カの電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 (72)発明者 富吉 和俊 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 塩原 利夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 CC032 CC042 CC052 CC062 CD021 CD031 CD041 CD051 CD061 CD071 DJ016 FA086 FD016 FD142 GQ05 4M109 AA01 BA01 CA21 EA02 EB02 EB04 EB06 EB13 EB15 EB16 EB19 EC01 EC03 EC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エポキシ樹脂及び硬化剤 合計量で100重量部 (2)無機質充填剤 200〜1100重量部 を含有してなるエポキシ樹脂組成物において、無機質充
    填剤としてガラス化率が10〜95重量%の部分球状化
    シリカを全無機質充填剤量に対して20重量%以上配合
    したことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 部分球状化シリカの真円度が0.65以
    上である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 部分球状化シリカが、原料シリカを16
    00〜1900℃で溶融することにより得られるもので
    ある請求項1又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の半導体封止用
    エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
JP10249195A 1998-08-19 1998-08-19 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Pending JP2000063636A (ja)

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