JPH0791447B2 - 光透過性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents

光透過性エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

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JPH0791447B2
JPH0791447B2 JP22305290A JP22305290A JPH0791447B2 JP H0791447 B2 JPH0791447 B2 JP H0791447B2 JP 22305290 A JP22305290 A JP 22305290A JP 22305290 A JP22305290 A JP 22305290A JP H0791447 B2 JPH0791447 B2 JP H0791447B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、LED、CCD、フォトカプラーなど、光信号の授
受によって機能する光半導体の封止用として好適に用い
られる光透過性エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂
組成物の硬化物で封止された光半導体装置に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、エポキシ樹脂は電気特性、耐湿性、耐熱性などに
優れる樹脂として知られ、特に酸無水物硬化タイプのエ
ポキシ樹脂組成物が透明性に優れていることから光半導
体の封止に繁用されている。
かかる光透過性エポキシ樹脂組成物には、その硬化物が
高温処理される際に、徐々に褐色に変色するのを防ぐた
め、変色防止剤を添加することが行なわれており、この
変色防止剤としては有機リン系、ヒンダードフェノール
系、チオエーテル系などの化合物が知られている。本発
明者は、これらの変色防止剤の中でも有機リン系変色防
止剤が最も効果的であることを知見した。
一方、エポキシ樹脂組成物には線膨張係数を低下させて
低応力化を図る手段としてシリカなどの無機質充填剤を
配合することが一般的に行なわれている。
しかし、このようにシリカ等の無機質充填剤を配合した
エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、エポキシ樹
脂自体が透明で、かつ充填剤も透明であっても、不透明
となってしまう。これは、エポキシ樹脂硬化物の屈折率
(▲n25 D▼)は1.5〜1.7程度であり、充填剤の屈折率
(例えばSiO2の▲n25 D▼≒1.458)との差が光散乱の原
因となるからである。従って、エポキシ樹脂硬化物の屈
折率に近似した屈折率を有する充填剤を配合することに
より、硬化物の透明性が得られることになる。
この点で、本出願人は、無機質充填剤として高屈折率の
シリカ−チタニアガラスが有効であることを知見した。
即ち、従来より種々の屈折率を有する透明ガラスの製造
方法としてゾルゲル法が知られている。このゾルゲル法
は金属の有機及び無機化合物の溶液から出発し、溶液中
での化合物の加水分解・重合によって溶液を金属酸化物
又は水酸化物の微粒子が溶解したゾルとし、更に反応を
進ませてゲル化し、できた多孔質のゲルを加熱して、非
晶質ガラス、多結晶体をつくるものであるが、本出願人
は先にかかるゾルゲル法により高透明性のシリカ−チタ
ニアガラス粒子を製造する方法を提案した(特願平2−
28077号)。この方法はシリコンアルコキシド及びチタ
ンアルコキシドからなる金属アルコキシド、アルコール
及び水よりなる混合溶液から徐々にアルコールを揮発さ
せて、加水分解・重縮合によりまずゾルそして湿潤ゲル
を生じさせ、これを乾燥して乾燥ゲルとした後、粉砕、
焼結してシリカ−チタニアガラス粒子を得るものであ
る。この場合、シリコンアルコキシドとチタンアルコキ
シドの配合比を変えることにより、シリカーチタニア粒
子の屈折率を調節することが可能であり、エポキシ樹脂
硬化物の屈折率に近似した屈折率とすることができる。
従って、かかるシリカ−チタニアガラス粒子をエポキシ
樹脂組成物に充填剤として使用すれば、透明性に優れる
と共に、低線膨張率で低応力のエポキシ樹脂硬化物を得
ることが期待された。
しかしながら、本発明者が実際に高温処理の際の変色防
止に最も有効である有機リン系変色防止剤とシリカ−チ
タニアガラス粒子とを併用してエポキシ樹脂組成物に配
合したところ、これら有機リン系変色防止剤とシリカ−
チタニアガラス粒子との相互作用により黄変現象が生
じ、これは上述した高温処理による硬化物の褐変とは異
なり、室温においても両者が共存すると激しい発色が起
き、硬化物の光透過率を大きく低下させてしまうことが
判明した。
また、エポキシ樹脂組成物の樹脂成分と充填剤の界面に
発生する剥離、空隙の存在に原因する光散乱により、硬
化物に濁りを生じ、光透過率が低下するという問題も生
じた。
従って、単に有機リン系変色防止剤とシリカ−チタニア
ガラス粒子とを組み合わせただけでは、高温処理の際の
変色防止、高透明性及び低線膨張率といった特性を全て
兼ね備えた光透過性エポキシ樹脂を得ることができず、
そのためこのままでは半導体封止用として実用に供しな
いという問題があった。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
このため、本発明者は、上記問題を解決するため更に鋭
意検討を進めた結果、シリカ−チタニアガラス粒子を有
機ケイ素化合物で表面処理し、これを有機リン系変色防
止剤と組み合わせ、1分子中にエポキシ基を2個以上有
する化合物、酸無水物系硬化剤及び硬化促進剤を含有し
てなる光透過性のエポキシ樹脂組成物に配合した場合、
硬化物を高温処理する際の変色を有効に防止できると共
に、シリカ−チタニアガラス粒子と有機リン系変色防止
剤との相互作用による発色を抑えながら、樹脂成分と充
填剤粒子の界面の密着性を向上させ、透明性、低応力性
に優れた硬化物を与える光透過性エポキシ樹脂組成物が
得られ、かかるエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止され
た光半導体装置は従来の光透過性エポキシ樹脂で封止さ
れたものに比較してはるかに機能を有効に発揮すること
を見い出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は (A)1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物、 (B)酸無水物系硬化剤、 (C)有機リン系変色防止剤、 (D)有機ケイ素化合物で表面処理したシリカ−チタニ
アガラス粒子 を含有してなる光透過性エポキシ樹脂組成物、及び該光
透過性エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された光半導
体装置を提供する。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の光透過性エポキシ樹脂組成物を構成する(A)
成分の1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物と
しては、従来より知られている種々のエポキシ樹脂が液
状、固体状を問わず使用できる。具体的にはエピクロル
ヒドリンとビスフェノールをはじめとする各種ノボラッ
ク樹脂から合成されるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂あるいは塩素や臭素原子等のハロゲン原子を導入した
エポキシ樹脂などを挙げることができ、これらの1種を
単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
これらの中では特に着色の少ないビスフェノール型エポ
キシ樹脂が好ましく、例えば具体的な商品としてはエピ
コート828,エピコート1001,エピコート1004(以上、油
化シェルエポキシ社製,商品名)、RE310S,RE304S(以
上、日本化薬社製,商品名)、DER332,DER661,DER664
(以上、ダウケミカル社製,商品名)等を挙げることが
できる。
また、(B)成分の酸無水物系硬化剤としては、通常エ
ポキシ樹脂の硬化に用いられるものならばいずれのもの
も使用でき、例えば無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸等が挙げられるが、中でもヘキ
サヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の
芳香環を含まないものが好適である。
更に、本発明においては、上記した(A)成分のエポキ
シ樹脂と(B)成分の硬化剤との反応を促進させる目的
で硬化促進剤を任意に配合することができる。この硬化
促進剤としては、例えばイミダゾールあるいはその誘導
体として2−エチル−4−メチルイミダゾール,2−フェ
ニルイミダゾール,1−シアノエチル−2−メチルイミダ
ゾールなど、また三級アミン誘導体として、1,8−ジア
ザービシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、ベンジルジメ
チルアミンなど、ホスフィン系誘導体としてトリフェニ
ルホスフィン,ノニル・ジフェニルホスフィンなどを挙
げることができる。なお、これら(B)成分としての酸
無水物系硬化剤や任意成分としての硬化促進剤の配合量
は通常用いられる量とすればよいが、(B)成分につい
ては好ましくは(A)成分100部(重量部、以下同様)
に対して10〜100部とすることができ、一方任意の硬化
促進剤については(A),(B)両成分の合計100部に
対して10部以下、特に0.1〜10部とすることが好適であ
る。
本発明の光透過性エポキシ樹脂組成物は上述した(A)
成分、(B)成分及び必要に応じて任意に配合される硬
化促進剤を含有する光透過性のエポキシ樹脂組成物に、
更に(C)成分として有機リン系変色防止剤及び(D)
成分として有機ケイ素化合物で表面処理したシリカ−チ
タニアガラス粒子を配合するもので、これにより高透明
性を安定に保持すると共に低応力性に優れた硬化物を得
ることができる。
この(C)成分の有機リン系変色防止剤としては、例え
ば亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン
酸ジフェニルモノデシル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−
デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナンスレン等が挙げられ、これらの1種を単独で
又は2種以上を併用して使用することができる。この有
機リン系変色防止剤の配合量は上述した樹脂成分
〔(A)成分と(B)成分の合計量〕100部に対して0.1
〜10部、好ましくは1〜6部とすることができる。
一方、(D)成分として用いる有機ケイ素化合物で表面
処理したシリカ−チタニアガラス粒子において、シリカ
−チタニアガラス粒子としては、下記直線透過率測定方
法Aによる900nmから600nmの波長範囲で直線透過率が70
%以上、特に80%以上のものを好適に使用することがで
きる。
A:下記の一般式(1)で示されるビスフェノール型エポ
キシ樹脂又は下記の一般式(2)で示されるノボラック
型エポキシ樹脂とフェニルグリシジルエーテルとを混合
し、シリカ−チタニアガラス粒子との屈折率差が±0.00
2以内になる溶液を調製する。この溶液と平均粒径が5
〜30μmに粉砕されたシリカ−チタニアガラス粒子とを
重量比で1:1に混合し、その混合物について1mmの光路長
で直線透過率を測定する。
(但し、nは0〜10の整数である。) (但し、nは0〜10の整数である。) このような高透明性のシリカ−チタニアガラス粒子を製
造する方法は、先に本出願人が提案した特願平2−0280
77号記載のゾルゲル法に準じて行なうことができる。
即ち、まず出発原料として、Si(OCH34,Si(OC2H5
などのようなシリコンアルコキシドとTi(OC3H74,T
i(OC4H9などのようなチタンアルコキシドとを用い
る。
この場合、TiO2をSiO2とTiO2との合計に対して10〜18モ
ル%となるような量でシリコンアルコキシドとチタンア
ルコキシドとを用いることが好ましい。TiO2の含有量が
10モル%に達しないと得られるシリカ−チタニアガラス
粒子の屈折率がエポキシ樹脂の充填剤として好ましいと
される1.53以上とすることができない場合があり、一方
18モル%を超えると、このようなシリカ−チタニアガラ
ス粒子の屈折率に等しい透明なエポキシ樹脂を得るもの
が困難となる場合がある。
これらの原料からゾル、ゲルを得る方法としては、上記
シリコンアルコキシドとチタンアルコキシドとを希釈用
の溶媒としてのメタノール、エタノール、プロパノール
などのようなアルコールに溶解し、これに水を加えて加
水分解させてシリカ−チタニアゾルを作ったのち、この
ゾルをゲル化用の容器に移し、密閉状態にしてから恒温
乾燥器中に静置させてゲル化させる方法が好適に採用さ
れる。この場合、このゲル化温度およびゲル化後の熟成
温度については、これを60℃より低くするとアルコキシ
ドの加水分解が不完全なものとなる場合があり、後記す
る焼結工程で着色の原因となる3価のTiイオンが発生し
易くなるので、このゲル化及び熟成の温度は60℃以上と
することが好ましい。なお、熟成は、この加水分解を完
全なものとする点から1時間以上、好ましくは5時間以
上とすることがよい。
次に、上記ゲル化、熟成の終了した湿式ゲルの乾燥方法
としては特に制限されないが、例えばゲルを熟成するこ
とに用いた密閉容器の蓋を取り、そのまま恒温乾燥器中
に放置して乾燥し、乾燥ゲルを得る方法を採用すること
ができる。
更に、このようにして得られた乾燥ゲルを粉砕した後に
焼結する。
ここで、粉砕方法は特に制限されず、また粒径も適宜選
定され、用途に応じた適当な粉砕方法、粒径を採用し得
るが、平均粒径1〜100μm、特に5〜30μmとするこ
とが好ましい。
最後に粉砕した乾燥ゲルを焼結ガラス化するが、この焼
結温度を1050〜1250℃の範囲で行なうことが好ましい。
焼結温度が1050℃未満では粒子が完全に均一に緻密化せ
ず、従ってこのシリカ−チタニアガラス粒子の透過率を
測定した場合、粒子内部に入射した光は、シリカ−チタ
ニアガラス構成粒子とその構成粒子間隙の空孔との間の
屈折率差により散乱されるため、その結果として低い透
過率値しか得ることができない場合がある。また、焼結
温度が1250℃よりも高い温度では、TiO2の結晶相の1つ
であるAnatase相の析出が起こるため、この温度範囲で
も同様に光透過性に優れるシリカ−チタニアガラス粒子
は得られない場合がある。
なお、この焼結方法は、上記温度範囲内であればよく、
特に制限されないが、電気炉等の一定温度に保つ焼結炉
を使用し、炉中に空気、酸素ガスまたは酸素と空気との
混合ガスを送入して炉内を酸化性雰囲気とすることが着
色の原因となる3価のTiイオン発生を防止する上で好ま
しい。また、所定の温度に達するまでの昇温速度は通常
10〜500℃/時とすることが好ましい。なお、焼結時間
は上記温度範囲で通常10〜300分である。
なお、このシリカ−チタニアガラス粒子は、エポキシ樹
脂に配合した場合の光散乱を最小限にするため、樹脂成
分の硬化物の屈折率に近似していければならない。具体
的には屈折率差が±0.01以内、好ましくは±0.005以
内、更に好ましくは±0.002以内とすることが望まし
い。
本発明においては、このようなシリカ−チタニアガラス
粒子を有機ケイ素化合物で表面処理したものを使用する
ものである。
ここで、有機ケイ素化合物としては、次式に示されるよ
うなシランカップリング剤、シラン類、及びオルガノポ
リシロキサンを代表的なものとして挙げることができ、
これらの1種を単独で又は2種以上を併用して表面処理
を行なうことができる。
Si(OCH34,Si(OCH2CH34,CH3Si(OCH33, CH3(CH2nCH2Si(OCH3 (n=1〜10の整数), HSCH2CH2CH2Si(OCH33, HSCH2CH2CH2Si(OCH33, NH2CH2CH2CH2Si(OCH33, NH2CH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH33, なお、有機ケイ素化合物としては、シリカ−チタニアガ
ラス粒子に近似する屈折率を有するものが、硬化物の透
明性を更に向上させることができるので好適である。
この有機ケイ素化合物によるシリカ−チタニアガラス粒
子の表面処理方法としては、乾式法又は湿式法によって
行なうことができる。
乾式法としては公知の手段を採用し得、例えば高速回転
でせん断力が大きく加温装置を有する高速ミキサーに充
填剤を入れ、溶剤で希釈した有機ケイ素化合物をスプレ
ーなどにより添加して混合攪拌を行なう工業的に一般化
している方法を採用し得る。
一方、湿式法としても、充填剤、有機ケイ素化合物及び
溶剤を混合攪拌した後、溶剤を除去する常法手法が採用
できる。
この場合、溶剤の種類については特に限定されないが、
有機ケイ素化合物の充填剤への吸着性に違いが現われる
ため、適宜選定することが望ましいが、具体的にはトル
エン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
を好適に用いることができる。
また、溶剤除去後、100〜600℃で加熱することも有効で
ある。
なお、有機ケイ素化合物のシリカ−チタニアガラス粒子
に対する配合量(付着量)としては、有機ケイ素化合物
の通常の充填剤に対する配合量が、下記式 最小被覆面積: 有機ケイ素化合物が単位重量当り、充填剤表面を理論的
に被覆できる面積であり、最小被覆面積(cm2/g)とし
てはトリアルコキシのCFシランの場合、1分子中のアル
コキシ基が全て加水分解を受けてフィラー表面に結合す
るとして、その3ケの結合点を通る円の面積を示し、ジ
アルコキシの場合には、同様に2ケの結合点間を直径と
する円の面積を示し、各CFシラン1gが被覆できるこの円
の面積の総和(cm2)をいう。この場合、各CFシランに
よって分子量が異なるため、最小被覆面積は独自の値を
とる。
を目安にして決められるので、これに準じて決定でき
る。具体的にはシリカ−チタニアガラス粒子100部に対
して有機ケイ素化合物を0.1〜2部、好ましくは0.6〜1.
2部とすることができる。
このように有機ケイ素化合物で表面処理したシリカ−チ
タニアガラス粒子の配合量は、上記樹脂成分100部に対
し10〜600部、特に50〜300部とすることが好ましい。10
部未満の配合量では低収縮率、低膨張性付与効果が十分
現われない場合があり、一方600部を超えて配合すると
組成物の粘度が高くなりすぎてしまう場合がある。
本発明組成物には上述した(A)〜(D)の必須成分の
ほか、必要に応じて透明性を即なわない範囲で各種の硬
化促進剤、低応力化剤、離型剤、可視光カット剤、難燃
剤などを適宜配合することができる。
本発明の光透過性エポキシ樹脂組成物を製造する場合、
上述した成分の所定量を均一に攪拌、混合して得ること
ができるが、この際、各種のミキサー、ニーダー、ロー
ル、エクストルーダーなどを使用して行なうことができ
る。なお、成分の配合順序に特に制限はない。
本発明の組成物は、樹脂成分の性状にかかわらず光半導
体の封止用として好適に使用でき、室温で液状ならばポ
ッティング法、キャスティング法などの成形方法、室温
で固形ならばトランスファー成形、インジェクション成
形を採用することができる。この場合、成形温度は80〜
160℃、ポストキュアーは140〜160℃で2〜16時間行な
うことが好ましい。なお、本発明組成物の使用に際し、
高透明性を発揮させるために、エポキシ樹脂組成物の一
部又は全部が固形であるときは、必要とする全成分又は
その一部と予め加熱溶融してから混合することが効果的
であり、あるいは溶媒中に溶解してから均一に混合し、
次いで溶剤をストリップする方法も採用し得る。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の光透過性エポキシ樹脂組
成物は、光透過性のエポキシ樹脂組成物に有機リン系変
色防止剤及び有機ケイ素化合物で表面処理したシリカ−
チタニアガラス粒子を充填剤として配合したことによ
り、変色防止剤と充填剤との間に生じる相互作用による
発色を有効に防止し得ると共に、硬化物の熱処理に伴う
酸化劣化による変色をも効果的に防止でき、しかも充填
剤を配合しているにもかかわらず透明性が高く、その上
低収縮率、低膨張率で低応力性であるため、光機能性及
び信頼性に優れ、光半導体封止用に好適に使用できるも
のであり、また、本発明の光透過性エポキシ樹脂組成物
で封止された光半導体装置は光機能性を有効に発揮する
と共に、信頼性に優れたものである。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に
示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。なお、以下の例において部はいずれも重量部であ
る。
まず、実施例、比較例で使用した有機ケイ素化合物によ
る表面処理シリカ−チタニアガラス粒子の製造例を示
す。
〔製造例〕
リフラックスコンデンサー、温度計、攪拌機、エステル
アダプター及び滴下ロートを具備した内容積1の四ッ
口フラスコに、特願平2−28077号の実施例記載の方法
に準じて製造した平均粒径1μmのシリカ−チタニアガ
ラス粒子200gとトルエン500gを入れ、還流温度で攪拌し
ながら1時間共沸脱水を行ない、これに有機ケイ素化合
物(KBM403,KBM103,KBM04の3種をそれぞれ単独で使
用)2g、DBU0.02g及びトルエン20gの混合物を滴下時間
5分にて滴下し、更に還流温度で4時間攪拌を続け、次
いで、下記の処理a〜dを行なった。
(処理a) 反応混合液中の溶剤を減圧下に留去し、有機ケイ素化合
物で表面処理されたシリカ−チタニアガラス粒子aを得
た。
(処理b) 反応混合液を過して余剰の溶液を取り除いた後、温度
120℃で乾燥させて、有機ケイ素化合物で表面処理され
たシリカ−チタニアガラス粒子bを得た。
(処理c) 処理aで得られたシリカ−チタニアガラス粒子aを更に
600℃の電気炉中が1時間放置して、有機ケイ素化合物
で表面処理されたシリカ−チタニアガラス粒子cを得
た。
(処理d) 処理bで得られたシリカ−チタニアガラス粒子bを更に
処理cと同様に加熱処理をして、有機ケイ素化合物で表
面処理されたシリカ−チタニアガラス粒子dを得た。
なお、KBM403は下記式 で示されるγ−グリシドキシプロピル−トリメトキシシ
ランであり、KBM103は、下記式 で示されるフェニルトリメトキシシランであり、KBM04
は下記式 Si(OCH3 で示されるテトラメトキシシランである。
ここで、シリカ−チタニアガラス粒子としては、後述す
る実施例、比較例における液状組成物及び固形組成物の
樹脂成分の屈折率と±0.0005の範囲となるように互にTi
O2含有率の異なる液状組成物用シリカ−チタニアガラス
粒子−I(▲n25 D▼=1.5430)、固形組成物用シリカ
−チタニアラス粒子−II(▲n25 D▼=1.5706)をそれ
ぞれ用いた。
なお、これら2種のシリカ−チタニア粒子−I,IIの屈折
率、光透過率及び平均粒径の測定結果を第1表に示す。
この場合、屈折率、光透過率及び平均粒径は下記の方法
により測定した。
屈折率の測定方法 アタゴ社製アッベ屈折計3Tにて測定した。
光透過率の測定方法 平均粒径5〜30μmのTiO2−SiO2粒子を、TiO2の含有量
から計算される屈折率に±0.002の範囲になるように混
合比を調整したエピコート828(油化シェルエポキシ社
製エポキシ樹脂)とフェニルグリシジルエーテルとの混
合液(浸液)に、重量比で1:1になるように混合する。
十分に粒子を分散させた後、目視で泡が観察されなくな
るまで減圧脱気を行なう。この混合物を1mmの光路長を
有するセルに入れ、分光光度計を用いて900nmから400nm
の波長範囲で透過率スペクトルを測定する。この場合、
レファランスはブランクである。
なお、シリカ−チタニアガラス粒子−I及びIIに対して
はそれぞれ屈折率▲n25 D▼=1.5428と1.5705の混合液
を調整し、浸液として測定に使用した。
粒度分布の測定方法 試料の分散媒としてヘキサメタリン酸ソーダの0.2重量
%の水溶液を使用し、島津製遠心沈降式粒度分布測定装
置SA−CP3Lにて測定した。
〔実施例1,2、比較例1〕 ビスフェノールA型エポキシ樹脂−I(商品名エピコー
ト828,エポキシ当量190,室温で液状,油化シェルエポキ
シ社製)53.1部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商
品名リカシッドMH−700,室温で液状,新日本理化社製)
46.9部、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化
成工業社製)1部、亜リン酸トリフェニル(和光純薬工
業社製)2部、KBM403(信越化学工業社製)0.6部から
なる樹脂成分に、KBM403及びKBM04でそれぞれ表面処理
した又は無処理のシリカ−チタニアガラス粒子−I 100
部を配合し、ミキサーを使用して減圧脱気を行ないなが
ら室温で30分間攪拌混合し、室温で液状の3種の光透過
性エポキシ樹脂組成物を作成した。
〔実施例3,4、比較例2〕 ビスフェノールA型エポキシ樹脂−II(エピコート100
1,エポキシ当量475,軟化点64℃,油化シェルエポキシ社
製)75.5部、ヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドH
H,融点36℃,新日本理化社製)24.5部、亜リン酸トリフ
ェニル2部及びKBM403 0.6部からなる樹脂成分に、KBM
403及びKBM04でそれぞれ表面処理した又は無処理のシリ
カ−チタニアガラス粒子−II 100部を配合し、ミキサー
を使用して減圧脱気を行ないつつ70℃で15分間溶融混合
した後、2−エチル−4−メチルイミダゾール1部を加
え、再び減圧下70℃で5分間混合して、室温で固形の3
種の光透過性エポキシ樹脂組成物を作成した。
〔比較例3〕 亜リン酸トリフェニル2部を配合しない以外は実施例3
と同様の配合、製法で室温で固形の光透過性エポキシ樹
脂組成物を作成した。
〔比較例4〕 シリカ−チタニアガラス粒子−II 100部を配合しない以
外は実施例3と同様の配合、製法で室温で固形の光透過
性エポキシ樹脂組成物を作成した。
次に、これらのエポキシ樹脂組成物について、第2表に
示す成形条件、アフターキュアー条件により試験片を作
成し、下記の試験を行なった。
ガラス転移温度、線膨張係数 5×5×15mmの試験片を作製し、ディラトメーターによ
り毎分5℃の速さで昇温させて測定した。
光透過率 10×50×1mmの試験片を作製し、吸光光度計を用いて589
nmの光透過率を測定した。
組成物の着色、変色性 エポキシ樹脂組成物の硬化前の外観(組成物の着色)と
硬化物のアフターキュアー後の外観(変色性)を下記の
3段階で評価した。
A:無 色 B:黄 色 C:褐 色 耐クラック性 9.0×4.5×0.5mmの大きさのシリコンチップを14PIN−IC
フレーム(42アロイ)に接着し、これをエポキシ樹脂組
成物で第2表に示した成形条件、アフターキュアー条件
で封止した後、−50℃×30分〜150℃×30分の熱サイク
ルを繰り返して加え、200サイクル後の樹脂クラック発
生率を測定した。
以上の結果を第3表に示す。
〔実施例5〜14〕 第4表に示す有機ケイ素化合物で表面処理したシリカ−
チタニアガラス粒子−IIを用いた以外は実施例3と同様
の配合、製法で常温で固形の光透過性エポキシ樹脂組成
物を作製し、同様に成形、アフターキュアーし、試験を
行なった。
結果を第4表に併記する。
第3,4表の結果より、有機ケイ素化合物で表面処理しな
いシリカ−チタニアガラス粒子を有機リン系変色防止剤
(亜リン酸トリフェニル)を含有するエポキシ樹脂組成
物に配合した場合(比較例1,2)は、耐クラック性は良
好であるものの、組成物の着色が起きる上、樹脂成分と
シリカ−チタニアガラス粒子との界面のぬれ性が悪いた
め、光透過率が低い。
また、亜リン酸トリフェニルを配合しない場合(比較例
3)、硬化物のアフターキュアー後の変色性が悪く、光
透過率も低い。
更に、シリカ−チタニアガラス粒子を配合しない場合
(比較例4)、光透過率、変色性も良好で、組成物の着
色もないものの、耐クラック性が悪い。
これらに対し、本発明の光透過性エポキシ樹脂組成物
は、樹脂成分とシリカ−チタニアガラス粒子との界面の
ぬれ性が良好なため光透過率が高く、かつ有機リン系変
色防止剤とシリカ−チタニアガラス粒子との相互作用が
抑制されているため組成物の着色がなく、変色性にも優
れていと共に、充填剤が配合されているので、硬化物の
線膨張係数が低く、耐クラック性が良好であった。
〔実施例15〕 実施例3と比較例2の光透過性エポキシ樹脂を用いてフ
ォトカプラーを組み立て、光結合効率を測定した。
第1図はそのフォトカプラーの縦断面図であり、1は発
光素子(ガリウム・ヒ素発光ダイオード)、2は受光素
子(シリコン・フォトランジスタ)、3はインナー樹脂
で、エポキシ樹脂をモールド成形した透光性の樹脂、4
はアウター樹脂で、カーボン含有のモールド成形した遮
光性の樹脂、5はリード線である。
この結果、インナー樹脂が実施例3の組成物の硬化物で
ある場合、比較例2の組成物の硬化物の場合と比較して
光結合効率を1.5倍にすることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例で使用したフォトカプラーの縦断面図で
ある。 1……発光素子、2……受光素子 3……インナー樹脂、4……アウター樹脂 5……リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 9/06 C08L 63/00 NKX H01L 23/29 23/31 (72)発明者 新井 一弘 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (56)参考文献 特開 平2−124922(JP,A) 特開 平2−124923(JP,A) 特開 平2−124924(JP,A) 特開 平2−124925(JP,A) 特開 平4−85365(JP,A) 特開 平3−259948(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有
    する化合物、 (B)酸無水物系硬化剤、 (C)有機リン系変色防止剤、 (D)有機ケイ素化合物で表面処理したシリカ−チタニ
    アガラス粒子 を含有してなる光透過性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光透過性エポキシ樹脂組成
    物の硬化物で封止された光半導体装置。
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