JP4570547B2 - 充填剤入りエポキシ樹脂組成物及びその製造法 - Google Patents

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本発明は、一般的に、光電子デバイス用封止剤に関係し、より具体的には優れた光学的、熱機械的、電気的及び環境的品質を示す封入剤に関係するものである。また、本発明は、そのような封止剤の製造法に関係する。
LED、光検出器及び光ファイバー部品などの、光学及び電子(即ち光電子)デバイスは、振動、湿度、熱、環境劣化、漏電及びその他の劣化因子からこの部品を保護するために、通常、多様な材料を用いて封止されている。
ホフマンらの米国特許第3,547,871号は、エポキシ樹脂及び10から300μmの範囲の粒子径をもつ充填剤を含む低熱膨張率(「CTE」)の封止剤を説明している。この封止樹脂は、100℃で20,000cpより低い粘度である。この充填剤は、シリカ、溶融石英、ケイ酸アルミニウムベリリウム、ケイ酸アルミニウムリチウム、及びそれらの混合物から選ばれる。これらの封止剤は、50ppm/℃未満のCTEをもっている。ホフマンの‘871号特許は、封止剤の光透過率を開示していない。
アサノらの米国特許第5,175,199号は、透明エポキシに混合される多成分ガラス充填剤を製造するためのゾル−ゲル法の記載があり、このエポキシは光半導体デバイス用封止剤として用いることができる。この方法では、TiO−SiOゲルが、シリコンアルコキシドとチタンアルコキシドを加水分解し、凝縮することにより合成される。このゲルは、乾燥の後、粒子状物質に粉砕し、続いて密なガラスビーズに焼結されるか、又は密なガラスに焼結し、続いてガラスビーズに粉砕される。この焼結は、1,050から1,250℃の範囲の極めて高い温度で行われる。開示の充填剤製造法は、複雑かつ高価であると共に、長い製造時間及び高焼結温度を必要とする欠点を有する。追加の欠点は、相分離、結晶化、及びこの方法の使用に必要とされる高焼結温度でTiOの着色の恐れがあることである。相分離及び結晶化は、ガラス充填剤とエポキシの間に許容できないほどの高い屈折率の差異を発生させ、透過率を低下させる。また、TiOは、光に長時間暴露された結果として、それを含有する有機樹脂の黄変を引き起こす恐れがある。これは、時間に対して封止剤の透過率の低下をもたらす。
シオバラらの米国特許第5,198,479号は、上述のアサノらの‘199号特許に記載された方法を用い、かつ更に、未硬化エポキシ−充填剤組成物中に有機リン系変色防止剤を添加することにより、上で論じたTiO−SiO充填剤の変色問題を克服する方法を開示している。効果的であるが、この添加はこの方法を更に複雑化する。したがって、得られた充填剤は、製造のために費用がかかる。
ナカハラらの欧州特許0391477B1号は、透明有機樹脂用充填剤として使用できる多成分系金属酸化物粒子を製造するためのゾル−ゲル法を教示している。ナカハラらの方法は、一成分系金属酸化物の種粒子を先ず準備するステップ、及び金属アルコキシドなどの加水分解性、凝縮性有機金属化合物を添加することによりそれらの粒子を成長させるステップを組み合わせて、TiO−SiO、ZrO−SiO、及びAl−SiOなどの多成分系粒子を作成している。この方法は、はなはだしく複雑化され、高価になると考えられる。
ポールらの米国特許第5,618,872号は、SiO、TiO、ZrO、Al、V及びNbから選ばれた2種以上の酸化物を含む、光電子デバイス用の多成分系封止充填粒子の製造方法を説明している。この特許に記載された粒子の製造方法は、ナカハラらの特許に記載された方法に類似しており、同一の欠点を共有している。
Polymer Composites、第12(1)巻、39〜47頁(1991年)で、Dunlap及びHoweは、樹脂及びガラスのボールミリングにより作成した屈折率を整合させた充填剤を含む注入成形組成物を説明している。充填剤粒子径は、2μmから100μmの範囲である。ボールミリングに続いて、応力及び有機汚染物質を除去するために、充填剤粒子は、ガラスひずみ点より0℃から10℃高い温度で少なくとも1時間アニールされる。発明者らは、ガラスひずみ点より高い温度における加熱処理は、透過率を低減させることがあり、それ故このような温度を避けなければならないことに気付いた。
青木豊らの日本公開特許公報11−074424は、光半導体デバイス用の封止剤の製造方法を説明している。この方法では、3μmから60μmの範囲の粒子径をもつ、PbO又はTiO含有シリカ粉末をエポキシ樹脂組成物に対して屈折率整合させた充填剤として用いている。PbO又はTiOは、これらの多成分系ガラス充填剤の製造時に結晶化を引き起こして、充填剤入りエポキシの透過率を低減させる。充填剤としてTiOを用いる前記の欠点に加えて、PbOは健康に有害であると判っているので、封止剤の製造で使用することを避けなければならない。
ランダースらの米国特許第6,246,123号は、高透過率、低CTE、及び低Tgである封止剤を説明している。この封止剤は、ポリマー樹脂、及び屈折率を整合した充填剤から製造される。しかし、この充填剤は、ホウケイ酸アルカリ亜鉛ガラスからなる群から選ばれる。アルカリイオンの存在は、封止剤の電気抵抗を潜在的に低減することが知られていて、高い漏電電流を導き、封止したデバイスを損傷する恐れがある。例えば、シノハラらの米国特許第4,358,552号は、低水準の、Li、Na、Kなどのアルカリ性汚染物質、及びClなどのイオン性汚染物質を混合した封止剤が、封止した電子デバイスの電気絶縁性を改良すると説明している。
Journal of Material Science Letter、第18巻、1587〜1589頁(1999年)で、ナガヌマらは、多成分系ガラス、26μm又は85μmの平均粒子径を有するSiO−Al−B−MgO−CaOから製造された充填剤とエポキシを混合して光電子デバイス用封止剤の製造を説明している。記載されたエポキシ及び充填剤混合物の硬化時に、型は、充填剤の分離を防ぐために10分ごとに反転させる。
山田らの日本公開特許公報2001−261,933は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及びガラス充填剤を含む光半導体デバイス用の封止剤を製造するためのエポキシ樹脂組成物を説明している。NaO、Al、CaO、BaO、ZnO、TiO及びBなどの酸化物を混合して製造した多成分系ガラスを用いて、ガラス充填剤の屈折率をエポキシ樹脂の屈折率に整合するように調節する。
同様に、小森らの日本公開特許公報2002−105,291は、光半導体デバイス用の封止剤を製造するためのエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及びガラス充填剤を含むエポキシ樹脂組成物を説明している。ガラス粉末の屈折率は、SiO、Al及びCaOなどの酸化物を混合して製造した多成分系ガラスを用いて、エポキシ樹脂の屈折率に整合するように調節する。コモリらは、充填剤が球形でなければならず、かつ充填剤の粒子径が5μmから100μmの範囲でなければならないことを具体的に述べている。
上記した封止剤及び製造方法の欠点を回避した、光電子デバイスの製造に適した改良された透明封止剤に対するニーズが残っていることが、上の説明から認識されるべきである。本発明は、このニーズを満足させ、かつ更なる利点を提供するものである。
本発明は、光電子デバイス又は光学製品用の封止剤、及びこのような封止剤に実質的に収納された光電子デバイスを含む組み立て品を具体的に示すものであり、この封止剤は、50ppm/℃未満の平均値を有し、±30%より小さいばらつきをもつ熱膨張係数(CTE)、及び400nmから900nmの範囲の波長で、約1mmの封止剤厚さで測定した時、少なくとも20%の光透過率を与える。この封止剤は、硬化段階でガラス充填剤及びエポキシ樹脂組成物を含有する。このガラス充填剤は、500μm未満の直径をもち、二酸化チタン及び酸化鉛を本質的に含有しないガラスから形成されたガラス粒子から本質的になる。このガラス充填剤は、1.48から1.60の範囲で、約0.001より小さいばらつきをもつガラス屈折率を有し、かつこの充填剤の屈折率は、規定のCTE及びCTEのばらつき、及び光透過率を達成するためのガラスの屈折率に十分に近似している。
本発明のその他のより詳細な特徴では、この封止剤のCTEは、40ppm/℃未満の平均値及び±10%より小さいばらつきを有する。加えて、封止剤の光透過率は、400nmから900nmの範囲の波長で、約1mmの封止剤厚さで測定した時、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%である。
本発明のその他のより詳細な特徴では、ガラス粒子は、本質的にアルカリを含有せず、かつこのガラス粒子は、好ましくは、BaO、CaO、MgO、ZnO、SrO、SiO、ZrO、B、Al及びBiなどからなる群から選ばれた少なくとも2種の酸化物の混合物である。加えて、このガラス粒子は、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウアルミノケイ酸ガラス、ケイ酸カルシウムガラス、アルミノケイ酸カルシウムガラス、アルミノケイ酸マグネシウムガラス、及びそれらの混合物からなる群から選ばれたガラスから製造される。
本発明のその他のより詳細な特徴では、このガラス粒子は、1μmから250μm、より好ましくは1μmから125μmの範囲の直径を有する。加えて、封止剤に占める充填剤の容量パーセントは、好ましくは5から60%、より好ましくは10から50%、最も好ましくは15から40%である。更に、ガラス粒子に占める10μm未満の直径を有する粒子の容量パーセントは、好ましくは60%未満、より好ましくは40%未満、最も好ましくは10%未満である。
本発明のその他の特徴では、ガラス粒子は、ガラスのひずみ点以下の熱処理温度で少なくとも1時間熱処理される。より好ましくは、熱処理温度は、20℃とガラスのひずみ点の間である。熱処理時間は、好ましくは5から50時間、より好ましくは30から40時間である。加えて、ガラス充填剤粒子は、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選ばれたシランカップリング剤と反応させることが好ましい。
更に、硬化段階のエポキシ樹脂組成物が、(1)少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種の硬化剤及び少なくとも1種の硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物を充填剤と混合するステップ、(2)光電子デバイスをこの充填剤入りエポキシ樹脂組成物で封止するステップ、及び(3)光電子デバイスを封止した充填剤入りエポキシ樹脂組成物を硬化させるステップにより製造されることが好ましい。このエポキシ樹脂は、ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、ビスフェノール−Fエポキシ樹脂、ビスフェノール−Sエポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、ジシクロエポキシ樹脂、ナフタレンエポキシ樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選ばれることが好ましい。硬化剤が、酸無水物硬化剤、フェノール硬化剤、及びそれらの混合物からなる群から選ばれることが好ましい。より具体的には、硬化剤は、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルナデイック酸、無水ナデイック酸、無水グルタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、及びフェノールノボラック樹脂硬化剤、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。更に、硬化促進剤が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、第三級アミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、トリフェニルホスファイト、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルホウ酸、テトラ−n−ブチルホスホニウム、O,O−ジエチルホスホロジチオエート、第四級アンモニウム塩、有機金属塩、及びそれらの混合物からなる群から選ばれることが好ましい。
一つの好ましい形態では、エポキシ樹脂組成物は、少なくとも1種の硬化剤、少なくとも1種の硬化促進剤、並びにビスフェノール−Aエポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂を含む2成分エポキシ混合物を含む。2成分エポキシ樹脂の総モル量に対するビスフェノール−Aエポキシ樹脂のモル量の比が、0.001から0.900の範囲であることが好ましく、0.10から0.25の範囲であることがより好ましい。更に、2成分エポキシ混合物の総モル量に対する硬化剤のモル量の比が、0.100から0.177の範囲であるであることが好ましく、0.500から0.900の範囲であることがより好ましい。最後に、2成分エポキシ混合物の総モル量に対する硬化促進剤のモル量の比が、0.0005から0.0400の範囲であることが好ましく、0.0030から0.0250の範囲であることがより好ましい。
代替の好ましい形態では、エポキシ樹脂組成物は、少なくとも1種の硬化剤、少なくとも1種の硬化促進剤、並びにビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂を含む3成分エポキシ混合物を含む。3成分エポキシ混合物の総モル量に対するビスフェノール−Aエポキシ樹脂のモル量の比が、0.05から0.6の範囲であることが好ましく、0.15から0.40の範囲であることがより好ましい。加えて、3成分エポキシ混合物の総モル量に対する脂環式エポキシ樹脂のモル量の比が、0.05から0.70の範囲であることが好ましく、0.10から0.55の範囲であることがより好ましい。更に、3成分エポキシ混合物の総モル量に対するトリグリシジルイソシアヌレート樹脂のモル量の比が、0.05から0.70の範囲であることが好ましく、0.20から0.65の範囲であることがより好ましい。更に、3成分エポキシ混合物の総モル量に対する硬化剤のモル量の比が、0.50から1.20の範囲であることが好ましく、0.70から1.00の範囲であることがより好ましい。最後に、3成分エポキシ混合物の総モル量に対する硬化促進剤のモル量の比が、0.001から0.050の範囲であることが好ましく、0.004から0.030の範囲であることがより好ましい。
また、本発明は、上記の種類の封止剤の製造方法に属する。この方法は、(1)1μmから500μmの直径をもち、かつ充填剤の屈折率を特徴とする充填剤粒子を形成するために、約0.001より小さいばらつきで、1.48から1.60の範囲のガラスの屈折率を特徴とするガラスを処理するステップ、(2)硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率を特徴とするエポキシ樹脂組成物であって、封止剤が、400nmから900nmの波長範囲で約1mmの封止剤厚さで測定した時に、少なくとも20%の光透過率を有するように、充填剤の屈折率及び硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率が十分に近似するエポキシ樹脂組成物を調製するステップ、(3)エポキシ樹脂組成物と充填剤粒子を混合して充填剤入りエポキシ樹脂組成物を形成するステップ、(4)光電子デバイスを充填剤入りエポキシ樹脂組成物で封入するステップ、及び(5)光電子デバイスを封入した充填剤入りエポキシ樹脂組成物を硬化させるステップを含む。
本発明の方法のより詳細な特徴として、ガラスを処理するステップが、1μmから250μmの直径を有する充填剤粒子を形成するためのガラス処理を含む。10μm未満の直径を有する充填剤粒子の容量パーセントは、60%未満であることが好ましく、20%未満であることがより好ましく、10%未満であることが最も好ましい。ガラス充填剤粒子の全てが、10から250μmの直径を有することが最も好ましい。
本発明のその他のより詳細な特徴として、この方法は、充填剤粒子形成するためにガラスを処理するステップの後に、充填剤粒子を酸素含有雰囲気中で加熱するステップを更に含む。このような加熱は、ガラスのひずみ点以下の温度で行われることが好ましく、20℃とガラスのひずみ点の間の温度で行われることがより好ましい。この加熱の時間は、好ましくは約1時間、より好ましくは5から50時間、最も好ましくは30時間から40時間である。この加熱は乾燥空気中で行われることが好ましい。本発明の別のより詳細な特徴として、この方法は、充填剤粒子を形成するためにガラスを処理するステップの後に、ガラス粒子をシランカップリング剤と反応させるステップを更に含む。
本発明のその他のより詳細な特徴として、エポキシ樹脂組成物を調製するステップは、少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種の硬化剤、及び少なくとも1種の硬化促進剤を一緒に混合することを含む。エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物中で充填剤粒子の沈降速度が、好ましくは約11mm/分未満、より好ましくは約6mm/分未満、最も好ましくは約4mm/分未満になるような十分な粘性を有するように調製される。
本発明の別の特徴として、この方法は、所定の値以上の沈降速度を特徴とするようなレベルにエポキシ樹脂組成物の粘度を高めるために十分な時間、所定の温度に、エポキシ樹脂組成物を加熱する予備的ステップを含む。加熱温度は、好ましくは80℃から140℃の範囲、より好ましくは90℃から110℃の範囲、最も好ましくは約100℃の温度である。この加熱は、好ましくは300cpから40,000cpの範囲、より好ましくは500cpから20,000cpの範囲、最も好ましくは750cpから10,000cpの範囲になるようにエポキシ樹脂組成物の粘度を高めるために十分な時間行われる。
本発明の更なる特徴として、この方法は、エポキシ樹脂組成物と充填剤粒子を混合するステップの後に、所定の範囲内の値にエポキシ樹脂組成物の粘度を高めるために十分な所定の温度に、充填剤入りエポキシ樹脂組成物を冷却するステップを更に含む。このような冷却は、好ましくは1,000cpから40,000cpの範囲、より好ましくは5,000cpから20,000cpの範囲、最も好ましくは7,000cpから12,000cpの範囲の値にエポキシ樹脂組成物の粘度を高めるために十分な温度まで行われる。更に、この方法は、光電子デバイスを充填剤入りエポキシ樹脂組成物で封止する前に、30分以内で充填剤入りエポキシ樹脂組成物から空気の気泡を除去するステップを含む。
本発明のその他の特徴及び利点は、付属の図面とともに、本発明の原理を例示して証明する好ましい実施形態及び方法に関する、以下の説明から明白になるであろう。
図1は、硬化促進剤を添加後の3種の液状エポキシ樹脂組成物の反応時間、反応温度と粘度の関係を示すグラフである。この3種のエポキシ樹脂組成物は、温度及び時間の異なる組み合わせで反応させ、実施例1に記載と同様な手法で製造する。
図2は、硬化促進剤を添加後に100℃で約120分間反応させ、実施例1に記載と同様な手法で製造した液状エポキシ樹脂組成物の冷却温度と粘度の間の関係を示すグラフである。
図3は、実施例1に記載のホウケイ酸ガラス充填剤の製造方法の連続ステップを説明する概略のフローチャートである。
図4は、本発明の範囲で製造された、ボールミリングステップ後の充填剤粒子の粒径分布を示すグラフである。
図5は、本発明の範囲で製造された、篩い分け及び溶媒洗浄後の充填剤粒子の粒径分布を示すグラフである。
図6は、実施例1に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法の連続ステップを説明する概略のフローチャートである。
図7は、実施例1に記載の封止剤の製造方法の連続ステップを説明する概略のフローチャートである。
図8は、溶媒洗浄のステップで洗浄に用いた溶媒をろ過することにより得られた、本発明の範囲で製造された充填剤粒子の粒径分布を示すグラフである。
図9は、実施例10に記載の封止剤の製造方法の連続ステップを説明する概略のフローチャートである。
本発明は、光電子デバイス用透明封止剤で具体化され、この封止剤は、ガラス充填剤及び硬化段階のエポキシ樹脂組成物を組み入れ、更に本発明は、このような封止剤に実質的に収納された光電子デバイスで具体化される。この封止剤は、LED、光検出器などの光電子デバイス、及びレンズ、プリズム及びミラー基板などの光学部品用に適している。
ガラス充填剤は、充填剤の光学特性を改良するために、所定の条件下で任意選択的に熱処理された所定の粒子径を有する市販のガラス粒子から製造される。エポキシ樹脂組成物は、得られた封止剤が高い透明性をもち、かつ硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率が、充填剤の屈折率に厳密に整合するように選択されたモル比の市販の材料から製造される。本発明の封止剤は、低くかつ均一な熱膨張係数(「CTE」)及び高い透明性、並びに高い電気抵抗及び環境耐久性の独特な組み合わせを提供する。また、本発明は、この封止剤の製造方法に属する。この透明封止剤は、以下に詳細に述べるような多くの特殊な特性を有している。
この封止剤は、好ましくは50ppm/℃未満のCTEを有する。また、CTEのばらつきは、封止剤の全容積にわたり±30%未満である。CTE及び/又はそのばらつきがこれらの値より大きい場合、封止剤は、さまざまな温度に暴露された時に、過剰に膨張又は収縮し、それにより封止されたデバイス又はリード線を破壊する。
加えて、封止剤は、400nmから900nmの範囲の波長、約1mmの厚みで少なくとも20%の光透過率をもつことが好ましい。また、封止剤は、好ましくは120℃超のガラス転位温度(「Tg」)を有する。通常、光電子デバイスは普通の環境温度より高い温度に曝されるので、このような温度がそのガラス転位温度に接近するか又は超える時に、封止剤が変形して封止したデバイスを破壊する恐れがある。
また、封止剤は、高い電気抵抗をもち、熱及び湿度などの悪環境条件の影響から光電子デバイスを保護するために十分な絶縁性を提供する。最終的に、この封止剤は、容易に入手可能な材料を用いることにより安価かつ製造容易になる。
約588nmの波長で、1.48と1.60の間で変動する屈折率(即ち、25℃におけるn)をもつ封止剤は、市販のエポキシ基含有樹脂を硬化することにより製造できる。また、これらの安価な未充填の封止剤は、高い光透過率、高Tg、高い電気抵抗、高い熱抵抗を示すことが知られている。しかし、これらの未充填の封止剤は、通常は50ppm/℃超のCTEをもち、それ故、作動中に実質的にさまざまな温度に曝される光電子デバイス用封止剤としての用途に適さない。
低CTEをもつ封止剤は、市販の未硬化エポキシ樹脂組成物と無機充填剤を混合し、この混合物を硬化することにより製造できる。本発明に係るこのような充填剤及びエポキシ樹脂は、以下に述べる特性を有する。
封止剤の全容積にわたり均一なCTEを提供するために、充填剤はエポキシ樹脂中に均一に分散される。これは、さまざまな温度での作動の累積的作用から光電子デバイスの起こりうる損傷を保護する。均一な粒子分散体を得るため、及び均一なCTEを有する封止剤を製造するためには、充填剤は、所定の調和した粒子径をもち、液状エポキシ樹脂組成物は、この組成物に充填剤を混合する前に、所定の粘度を有する。充填剤粒子径が約10μm未満、特に約1μm未満の場合には、液状エポキシ樹脂組成物と混合した時に、粒子が凝集し、その結果として不均一な粒子分散体となり、低光透過率の封止剤となる。このような凝集は、封止剤に用いる充填剤量を減少させることにより回避できるかもしれない。しかし、充填剤量の減少は、封止剤のCTEを50ppm/℃超に増大する傾向になる。
それ故、約1μm超の粒子径を有する充填剤を用いて凝集を回避することが好ましい。残念ながら、充填剤粒子径が約1μm超である場合にも、充填剤入りエポキシ樹脂組成物の製造及び/又は光電子デバイスの封止時に、粒子が重力に基因して液状エポキシ樹脂組成物の底部に沈降する場合がある。この沈降は、充填剤入りエポキシ樹脂組成物の製造及び/又はデバイスの封止時にエポキシ樹脂組成物の粘度が低すぎる場合に、発生して、封止剤中で不均一な充填剤分布及び不均一なCTEとなる。これに反して、粘度が高すぎる場合には、光電子デバイス上に封止剤層の形成が難しくなる場合がある。それ故、材料が封止剤の製造に有用であるためには、液状エポキシ樹脂組成物の粘度が、特定範囲内であることが好ましい。
均一分散に加えて、十分な光透過率を与えるためには、充填剤の屈折率は、硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率に厳密に整合させる。無機充填剤は、しばしばコスト低減のために用いられ、又は樹脂の機械的特性を高めるために用いられる。しかし、この使用は、光透過率の低減及び製造された媒体による光散乱に導かれることがある。透明充填剤の屈折率を硬化段階の透明エポキシ樹脂組成物の屈折率に厳密に整合させることにより、この散乱を減少させることができ、かつ媒体の光透過率を上昇させることができる。これらの充填剤粒子の屈折率は、一般的に、十分な精度をもって直接的に測定できないので、この整合は、一般的に、必要に応じて、充填剤及び/又はエポキシ樹脂組成物の屈折率を調節しながら試行錯誤により実施しなければならない。
また、充填剤は、デバイスの温度及び湿度条件下で許容可能なレベル以下に封止剤の電気抵抗を低下させる恐れがある化学物質を含有しない。これらの化学物質の一部は本来低電気抵抗であり、他のものは導電性イオンに分解するか、又は導電性イオンを生成することがある。熱及び湿度は、この固有の電気抵抗又はこの分解、並びにイオンの移行に影響を与えることがある。それ故、このような化学物質から充填剤を製造することを避ける。究極的には、充填剤は容易かつ安価に製造される。
SiO、TiO及びZrOなどの無機金属酸化物の一成分粒子が、蒸着法又は溶液沈殿法を用いて容易、かつ安価に製造されることが知られている。これらの粒子は、封止剤中で充填剤として使用することができる。しかし、これらの粒子は、しばしば1μm未満の粒子径であり、それ故一般的には上記の理由で充填剤としての利用に不適である。更に、多くの一成分粒子は、典型的なエポキシ樹脂組成物の屈折率と一致しない屈折率を有するので、充填剤として使用できないかもしれない。例えば、SiO粒子の一定した屈折率は、1.46、TiO(ルチル型)のそれは2.3、ZrOのそれは1.95である。
本発明では、好適な充填剤は、約588nmの波長、約25℃の温度で測定した時、1.48から1.60の範囲の屈折率をもつ一成分又は多成分バルクガラスを破砕及び粉砕することにより製造される。これらのガラスは、充填剤粒子の製造に適した実質的に均一な屈折率を保有しなければならない。充填剤屈折率の過剰なばらつきは、硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率に厳密かつ一貫して整合する充填剤を製造することを不可能にする。好ましくは、バルクガラス内の屈折率のばらつきは、0.001未満である。
更に、このガラスは、エポキシ樹脂組成物を黄色化する原因となるTiOを含有しない。酸化鉛は毒性がある故、多成分ガラス中の酸化鉛の存在は避ける。また、高い電気抵抗をもつ封止剤を得るために、このガラスは、Li、Na、Kなどのアルカリ性イオン、又はその他の導電性イオンを実質的に含有しない。しかし、ソーダライムガラスなどの、アルカリ性イオンを含有するがTiO及び酸化鉛を含有しないガラスは、低電気抵抗を許容できる、又はレンズなどの光学部品向けであって電気絶縁性が必要でない、電子デバイス用封止剤を目的とする充填剤粒子の製造のために用いることができる。
好適なガラスは、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウアルミノケイ酸ガラス、ケイ酸カルシウムガラス、アルミノケイ酸カルシウムガラス、アルミノケイ酸マグネシウムガラス、及びそれらの混合物などの、BaO、CaO、MgO、ZnO、SrO、SiO、ZrO、B、Al、及びBiからなる群から選ばれた2種以上の酸化物を含む多成分ガラスである。ニューヨーク州、ヤンカズ市のSchott社が登録商標D263及びAF45で販売しているホウケイ酸ガラス、日本、東京都のホヤ社が登録商標NA−35及びNA−40で販売しているアルミノケイ酸ガラス、ニューヨーク州、コーニング市のコーニング社が登録商標イーグル2000、コーニング1737、及びコーニング7059で販売しているホウアルミノケイ酸ガラスが、特に好適なガラスである。重量で10%から50%のSiO、10%から50%のBaO、10%から20%のAl、及び10%から20%のBiの典型的組成を有する市販の、アルカリを含有しないホウケイ酸ガラスが、充填剤材料用として特に適している。
充填剤を製造するために、チタニア及び酸化鉛を含有しないガラスが、先ず約5mm以下の粒子径を有する粗い不規則な粒子に破砕される。次に、これらの粗い粒子が、従来の手段を用いて微細粒子にボールミルされる。これらの微細粒子は、先ず篩い分けされ、次に溶媒洗浄される。この微細粒子は、最後に乾燥され、充填剤材料用に利用される。これらの粒子は、好ましくは約500μm未満の、より好ましくは約250μm未満の、最も好ましくは約125μm未満の粒子径を有する。10μm未満の、特に1μm未満の粒子は、エポキシ樹脂組成物と混合した時に、容易に凝集し及び/又は気泡を取り込むことがある。これは、散乱に原因する光透過の低下、及び封止剤中の不均一な粒子径分布に起因するCTEの劣化を導く恐れがある。それ故に、充填剤に占める約10μm未満の粒子の量は、充填剤の好ましくは約60容量%未満、より好ましくは約20容量%未満、最も好ましくは約10容量%未満である。充填剤粒子は、約1μm未満の粒子を含有しないことが好ましい。
次に、充填剤粒子は、任意選択で、好ましくはガラスのひずみ点未満の温度で熱処理される。例えば、ホウケイ酸粒子を含有する充填剤は、任意選択で、ホウケイ酸ガラスのひずみ点、即ち約627℃未満の温度、好ましくは20℃と627℃の間の温度、最も好ましくは450℃と550℃の間の温度で熱処理される。この任意選択の熱処理は、少なくとも1時間、より好ましくは5時間から50時間、最も好ましくは30時間から40時間行われる。充填剤材料の光学特性の改良を実現するために、この任意選択的熱処理は、好ましくは酸素含有雰囲気中で、最も好ましくは約21%のO及び79%のNからなり、60ppm未満の水分含有量の乾燥空気中で行われる。
適切なシランカップリング剤を用いることにより、充填剤粒子とエポキシ樹脂組成物の混和及び結合が改良できる。当業界でよく知られているように、例えば、Edwin P.Plucddemannによる「シランカップリング剤」(Plenum Press、ニューヨーク、1991年)で、これらのカップリング剤は、エポキシなどの有機樹脂とガラスなどの無機材料の化学結合を助ける。子の結合は、混和性の改良によりガラス/樹脂界面で空隙の生成を防ぎ、それにより透過率を高める。また、この結合は、封止剤の耐湿性及び機械的強度を向上することができ、それにより耐久性を改良する。このようなシランカップリング剤の例は、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。これらの中で、アミノプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。これらのカップリング剤は、製造の異なる段階で封止剤の成分と混合できる。例えば、これらのカップリング剤を充填剤粒子と反応させた後に、これをエポキシ樹脂組成物と混合するか、又はこれらのカップリング剤をエポキシ樹脂組成物と混合した後に、この樹脂と充填剤を混合することができる。最も好ましい方法では、先ずミキサー中で充填剤粒子をシランカップリング剤と反応させ、続いて約100℃で約1時間熱処理を行い、最後にエポキシ樹脂組成物に分散させる。
このエポキシ樹脂組成物は、下記の3成分を含む:(a)少なくとも1種のエポキシ樹脂、(b)少なくとも1種の硬化剤、及び(c)少なくとも1種の硬化促進剤(触媒)。
好適なエポキシ樹脂の例は、ビスフェノールAエポキシ樹脂;ビスフェノールFエポキシ樹脂;ビスフェノールSエポキシ樹脂;水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂及びクレゾールノボラックエポキシ樹脂などのノボラックエポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート及びヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素エポキシ樹脂;脂肪族エポキシ樹脂;グリシジルエーテルエポキシ樹脂;ビフェニルエポキシ樹脂;ジシクロエポキシ樹脂;ナフタレンエポキシ樹脂;及びそれらの混合物である。より好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート及びそれらの混合物である。ビスフェノール−Aエポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂の2成分混合物、ビスフェノール−Aエポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレートの2成分混合物、及びビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレートの3成分混合物が、最も好ましいエポキシ樹脂である。ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル(DGEBPA)などのビスフェノール−A樹脂は、テキサス州、ヒューストン市のResolution Performance Products社からエポン825、エポン3002(E3002)の商品名で販売されている。CY179MA(CY179)などの脂環式エポキシ樹脂は、ニューヨーク州、タリタウン市のCiba Specialty Chemicals社から発売され、又はERL−4221Eが、ミシガン州、ミッドランド市のDow Chemical Companyから発売されている。トリグリシジルイソシアヌレート(TIC)は、米国、ウイスコンシン州、ミルオーキー市のAldrich社からカタログ番号37,950−6で入手できる。
酸無水物硬化剤及びフェノール硬化剤が、好適な硬化剤である。このような硬化剤の例は、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルナデイック酸、無水ナデイック酸、無水グルタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、フェノールノボラック樹脂硬化剤、及びそれらの混合物である。より好適な硬化剤は、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、フェノールノボラック樹脂硬化剤、及びそれらの混合物である。最も好適な硬化剤は、無水ヘキサヒドロフタル酸(HHPA)であり、スイス国、バーゼル市のLonza Chemical社から販売されている。
好ましい硬化促進剤は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールなどの第三級アミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体、トリフェニルホスファイト、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルホウ酸、テトラ−n−ブチルホスホニウム、O,O−ジエチルホスホロジチオエートなどのリン化合物、第四級アンモニウム塩、ステアリン酸亜鉛などの有機金属塩、及びそれらの混合物である。より好ましい硬化促進剤は、第三級アミン、イミダゾール誘導体、リン化合物及びそれらの混合物である。最も好ましい硬化促進剤は、トリフェニルホスファイト(TPPP)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4M)、及びそれらの混合物である。TPPPは、ウエストバージニア州、モーガンタウン市のGE Specialty Chemicalsから市販されている。2E4Mは、ウイスコンシン州、ミルオーキー市のAldrich社からカタログ番号E3,665−2で入手できる。
上に記載したエポキシ樹脂の成分(a)から(c)は、異なる屈折率を有する。これらは、特定の比率で組み合わされ、上記充填剤の屈折率に厳密に整合した屈折率を有する硬化段階のエポキシ樹脂組成物を提供する。現実問題として、十分な精度で充填剤粒子の屈折率を直接測定することが不可能であり、かつこの屈折率は、充填剤が作成されるガラスの屈折率と同一にならないことがある。それ故、成分(a)から(c)の比率が実験的に決定される。それ故、特定のエポキシ樹脂組成物が特定の充填剤とともに用いられた時に、得られた封止剤は、許容できる、好ましくは最大の光透過率を与える。
上で検討された考察の下で行われたガラス充填剤と液状エポキシ樹脂組成物の混合は、本発明の充填剤入りエポキシ樹脂組成物を与える。次に、充填剤入りエポキシ樹脂組成物は、トランスファー成形、注入成形、ポッテイング、及び浸漬コーテイングなどの業界で知られた種々の方法を用いて、適切な光電子デバイスを覆って配置される。充填剤入りエポキシ樹脂組成物の最終的固化及び硬化は、本発明の封止剤に収納された光電子デバイスを作り出す。
トランスファー成形を用いることにより生産速度が向上される。それ故、トランスファー成形は、光電子デバイス製造用の一層適切な封止法である。トランスファー成形による封止は、先ず密閉槽中で部分硬化した充填剤入りエポキシ樹脂組成物を溶融させ、続いて得られた粘性がある液体を加圧して囲まれた導管を経由して密閉された型に流し込み、型内の光電子デバイスを粘性がある液体で封止し、最終的に液状の填剤入りエポキシ樹脂組成物を硬化させて、封止されたデバイスを型から取り出すことにより達成される。高い生産速度を実現するためには、溶融槽、導管、及び成形空間(即ち、ランナー及びキャビテイ領域)に残渣として残された封止剤量を最小量にして、封止工程後の洗浄のために費やされる時間を減少させなければならない。また、この粘性がある液体は、加圧プランジャー周辺に漏れることがあってはならない。さもなければ、液体封止剤が、プランジャー周辺で固化して、トランスファー成形装置を損傷させる。また、最も重要なことは、粘性がある液体の流入を原因とするデバイスの損傷が、防止されなければならない。
成形工程後、封止剤は、更なる損傷を防止するために、取り扱いできる十分な固さにしなければならない。ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレートの3成分混合物は、トランスファー成形法に適した填剤入りエポキシ樹脂組成物製造用のより好適なエポキシ樹脂組成物であることが判明した。ビスフェノール−Aエポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂の2成分混合物、及びビスフェノール−Aエポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレートの2成分混合物は、生産速度を低下させることなく、二者択一的にトランスファー成形用封止剤の製造に用いることができる。これらの2成分エポキシ樹脂混合物及び3成分エポキシ樹脂混合物の両者とも、注入成形及び浸漬コーテイングに適した填剤入りエポキシ樹脂組成物の製造に使用できる。
本発明用の適切なエポキシ樹脂組成物を製造するために、2成分エポキシ樹脂混合物又は3成分エポキシ樹脂混合物を製造するための下記の組成モル比率が用いられる。
ビスフェノール−A樹脂と脂環式エポキシ樹脂の総モル量に対するビスフェノール−A樹脂のモル量の比率は、好ましくは0.001から0.900の範囲の値、より好ましくは0.10から0.25の範囲の値である。ビスフェノール−A樹脂と脂環式エポキシ樹脂の総モル量に対する硬化剤のモル量の比率は、好ましくは0.100から1.177の範囲の値、より好ましくは0.500から0.900の範囲の値である。ビスフェノール−A樹脂と脂環式エポキシ樹脂の総モル量に対する硬化促進剤のモル量の比率は、好ましくは0.0005から0.0400の範囲の値、より好ましくは0.0030から0.0250の範囲の値である。
ビスフェノール−A樹脂、脂環式エポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するビスフェノール−A樹脂のモル量の比率は、好ましくは0.05から0.6の範囲、より好ましくは0.15から0.40の範囲である。更に、ビスフェノール−A樹脂、脂環式エポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する脂環式エポキシ樹脂のモル量の比率は、好ましくは0.05から0.7の範囲、より好ましくは0.10から0.55の範囲である。更に、ビスフェノール−A樹脂、脂環式エポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するトリグリシジルイソシアヌレート樹脂のモル量の比率は、好ましくは0.05から0.7の範囲、より好ましくは0.20から0.65の範囲である。更に、ビスフェノール−A樹脂、脂環式エポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化剤のモル量の比率は、好ましくは0.50から1.20の範囲、より好ましくは0.70から1.00の範囲である。最後に、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式エポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化促進剤のモル量の比率は、好ましくは0.001から0.050の範囲、より好ましくは0.004から0.030の範囲である。
ガラス充填剤と液状エポキシ樹脂組成物を混合後、及びこの懸濁液が固化する前に、充填剤粒子が重力によって液体の底部に沈降する恐れがある。この沈降は、封止剤中で充填剤粒子の不均一分布を引き起こし、これが不均一なCTEをもたらし、かつ究極的には使用中に封止デバイスを損傷する恐れがある。この沈降は、液状エポキシ樹脂組成物中で粒子の沈降速度を落とすことにより部分的に又は完全に防止できる。液体中の固体粒子沈降速度は、ストークスの法則から計算することができる:
Figure 0004570547

式中、
Figure 0004570547

は沈降速度であり、
は充填剤粒子の特徴的な直径、
gは重力定数、
ρは充填剤粒子の密度、
ρは液状封止剤の密度、及び
μは液状封止剤の粘度である。
下記の表1は、実施例1で以下に説明する液状エポキシ樹脂組成物中のホウケイ酸粒子の沈降速度を、mm/分の単位で提供する。実施例1で、ホウケイ酸ガラスは約2.72g/cmの密度を有し、エポキシ樹脂組成物は約1.32g/cmの密度を有する。表1の沈降速度は、1μmから500μmの間で変動する粒子径に対して、かつ100cPから20,000cPの間で変動する液状エポキシ樹脂組成物の粘度に対して計算されている。
Figure 0004570547
固体封止剤中に充填剤粒子を均一に分散させるためには、沈降速度は、好ましくは11mm/分未満、より好ましくは6mm/分未満、最も好ましくは4mm/分未満である。例えば、表1によれば、このような沈降速度は、好ましくは500μm未満、最も好ましくは250μm未満の粒子径を有するホウケイ酸粒子、及び好ましくは300cP超の、より好ましくは500cP超の、最も好ましくは750cP超の液状エポキシ粘度を用いることにより達成できる。
極めて小さい充填剤粒子の使用を避けて、不均一な粒子分散又は低透過率の原因になる可能性がある粒子の凝集又は気泡の取り込みを防止する。それ故、粒子径は、好ましくは1μm超、最も好ましくは10μm超である。
充填剤粒子と液状エポキシ樹脂組成物との混合を容易にするために、かつ混合時に、空気の泡が充填剤入りエポキシ樹脂組成物に取り込まれる場合、得られた懸濁液の脱泡を容易にするために、極めて高い粘度を有する液状樹脂組成物を避けている。場合によっては、これらの気泡は、透過率を高めるために液体から除かれる。これは、真空脱泡及びヘリウムによる泡立てなどの、業界で知られた種々の手段を用いて達成される。それ故、エポキシ樹脂組成物の粘度は、約40,000cP未満、より好ましくは約20,000cP未満、最も好ましくは約10,000cP未満である。
したがって、封止剤中で充填剤を均一分散するために、空気気泡の取り込みを防ぐために、かつ好ましくは約±30%未満、最も好ましくは約±10%未満のばらつきを有する均一な封止剤CTEを達成するために、充填剤粒子径は、好ましくは500μm未満、より好ましくは250μm未満、最も好ましくは125μm未満であり、かつ液状エポキシ粘度は、好ましくは300cpから40,000cp、より好ましくは500cpから20,000cp、最も好ましくは750cpから10,000cpである。
好適な粘度を有する液状エポキシ樹脂組成物は、成分を直接混合することにより、しばしば簡単に得られる。しかし、より典型的には、好適な粘度を有する液状エポキシ樹脂組成物は、液状エポキシ樹脂組成物と硬化促進剤とを、好ましくは80℃から140℃の範囲の温度、より好ましくは90℃から110℃の範囲の温度、最も好ましくは約100℃の温度で、所定の時間反応させることにより得られる。一例として、図1は、3種の異なる反応温度における反応時間と液状エポキシ樹脂組成物の粘度の関係を示す。これらの3つの例で、充填剤粒子を添加する前に、好適な液状エポキシ樹脂組成物を得るために必要な反応時間(分)が表2に示される。
Figure 0004570547
混合する前に、ガラス充填剤は、好ましくは20℃と液状エポキシ樹脂組成物の反応温度との間の温度、より好ましくは50℃とこのような反応温度との間の温度、最も好ましくは60℃とこのような反応温度との間の温度に加熱される。混合した後、組成物の粘度を更に高めるため、かつそれにより充填剤粒子の沈降防止のために、液状懸濁物が所定の温度に冷却される。一例として、冷却温度と液状エポキシ樹脂組成物の粘度との間の関係が図2に示される。冷却温度は、液状エポキシ樹脂組成物の粘度に従って予め決められる。好ましくは1,000cpから40,000cp、より好ましくは5,000cpから20,000cp、最も好ましくは7,000cpから12,000cpの間の粘度を生む冷却温度は、本発明の範囲である。次いで、この懸濁液は、任意選択で、所定の冷却温度で脱泡される。好ましくは、この懸濁液は、冷却する間及び任意選択で行われる脱泡の間に攪拌して、充填剤粒子の沈降を防止する。
懸濁液の冷却及び任意選択的脱泡は、好ましくは約120分以内、より好ましくは約60分以内、最も好ましくは約30分以内で完了し、液状エポキシ樹脂組成物中で充填剤粒子の沈降を防止する。
トランスファー成形、注入成形、ポッテイング、及び浸漬コーテイングなどの業界で知られた種々の封止手法を用いて、充填剤入りエポキシ樹脂組成物が適切な光電子デバイス上に配置される。トランスファー成形の場合、好ましくは、液状充填剤入りエポキシ樹脂組成物が、型内に注型され、室温に冷却され、それにより固化されてペレットを形成する。注型後、場合により、このペレットは約45℃で部分硬化される。後に、デバイスのトランスファー成形に際し、これらのペレットは溶融されて液状化され、続いてデバイス上に配置される。光電子デバイスの封止後、充填剤入りエポキシ樹脂組成物は、部分硬化段階である。液状充填剤入りエポキシ樹脂組成物の最終的固化及び硬化ステップが、封止された光電子デバイスを作り出す。
ガラス充填剤の屈折率に対する硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率の整合が、高い透過率を有する封止材料を生み出す。この透過率は、400nmから900nmの範囲の波長で約1mm厚さの封止剤試料を横断して測定した時に、好ましくは約20%より高く、より好ましくは約40%より高く、最も好ましくは約60%より高い。
充填剤及び硬化段階のエポキシ樹脂組成物が、厳密に整合した屈折率をもつように製造されるので、封止剤中の充填剤材料の相対量は、封止剤の光透過率に実質的影響を与えることなく変動できる。それ故、充填剤の相対量は、得られた封止剤のCTEを好ましくは約50ppm/℃未満に、最も好ましくは約40ppm/℃未満に調節するために変動できる。封止剤中の充填剤の相対量は、好ましくは封止剤の5容量%から60容量%、より好ましくは10容量%から50容量%、最も好ましくは15容量%から40容量%の範囲である。
上記の利点に加えて、最も好適な封止剤は、充填剤中にアルカリを含有しないホウケイ酸ガラスを取り込み、このガラスはその他の可能なガラスに対比して高い電気抵抗を与える。この方法に従って製造された封止剤は、高温度及び高湿度環境に対して耐性があり、これが種々の環境条件下で安定な光学的、物理的特性を生む。
本発明の範囲の封止剤は、低CTE及び高透過率を有するために、レンズ、プリズム、ミラー基板、及び類似製品などの光学部品の製造に用いることができる。電子デバイスに用いない場合、又は電気絶縁性が重要でない用途に用いる場合、このような封止剤は充填剤として高アルカリガラスを取り込んでもよい。
以下の実施例において、モル比は、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル樹脂(E3002)の分子量について555g/モル、脂環式エポキシ樹脂(CY179)について133g/モル、トリグリシジルイソシアヌレート(TIC)について100g/モル、無水ヘキサヒドロフタル酸(HHPA)について154g/モル、トリフェニルホスファイト(TPPP)について262g/モル、及び2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4M)について110g/モルを用いて概算する。
(実施例1−2成分エポキシ樹脂から製造した封止剤)
本発明の範囲の2成分エポキシ樹脂から製造した封止剤が、説明のための実施例で製造される。
(充填剤粒子の製造)
ガラス充填剤粒子の製造方法を、図3に示したフローチャートにより概略説明する。スコット社がAF45の登録商標の下で市場において販売する、約588nm、約25℃で測定して約1.526の平均屈折率、及び約0.001未満のガラス内屈折率のばらつきを有し、アルカリを含有しないホウケイ酸ガラス板を粗い粒子に破砕し、8メッシュの篩を用いて篩わけを行ない、直径約2.36mm超の全ての粒子を除去した。この篩い分けした粒子を、直径20mmの3個のミリングボール及び直径15mmの15個のミリングボールとともに、100mlのジルコニア製ミリングジャーに配置した。次に、この粒子を約200rpmで約30分間遊星ボールミルした。ボールミルステップ後に得られた粒子の粒子径分布を、粒子径分析器(カルフォルニア州、アービン市のホリバ社製、型式LA−900)を用いて測定した。図4に示したように、得られた白色粉末の粒子径は、約50μmにピークをもつ、1μmから300μmの範囲である。
次に、篩を用いて直径約250μm超の粉砕粒子を全て除去する。充填剤中の直径10μm未満の粒子量は、溶媒洗浄により減少させる。洗浄粒子は、約160℃で約12時間乾燥する。溶媒洗浄及び乾燥ステップ後に得られた粒子の粒子径分布を表5に示す。得られた白色粉末の粒子径は、約50μmにピークをもち、2μmから250μmの範囲であった。この粉末の6容量%は、約10μm未満の径をもつ粒子から成っている。その後、この粒子は、任意選択で、乾燥空気中で、約500℃の温度で約36時間熱処理する。
熱処理後、下記のように、乾燥された充填剤粒子を、シランカップリング剤を用いてシリル化する。先ず、充填剤粒子をハイブリッド型ミキサー(日本、東京都のThinky社製の型式番号AR−250)中でアミノプロピルトリエトキシシランと約2分間、約20℃の温度で混合した。この製造では、約99gの充填剤に対して、約1gのアミノプロピルトリエトキシシランを用いた。最後に、この粒子を、空気中、約60℃の温度で約1時間熱処理する。
(2成分エポキシ樹脂組成物の製造)
液状2成分エポキシ樹脂組成物の製造法を概略で図6に示す。このエポキシ樹脂組成物を下記の成分を用いて製造する:ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル樹脂(E3002)、脂環式エポキシ樹脂(CY179)、トリグリシジルイソシアヌレート(TIC)、硬化剤(HHPA)、及び硬化促進剤(TPPP)。このエポキシ樹脂は、密閉容器中で、約43gのE3002及び約64.5gのCY179を組み合わせて製造する。この容器を約100℃の温度のエチレングリコール浴に配置し、2成分を約300rpmで約60分間混合する。次に、この溶液に約67.5gのHHPAを加え、溶液を約300rpmで約5分間攪拌する。最後に、溶液に約1.08gのTPPPを加え、溶液を約300rpmで約120分間攪拌してエポキシ樹脂組成物を作成する。このエポキシ樹脂組成物のモル比は、E3002について約0.139、CY179について約0.861、HHPAについて約0.781、TPPPについて約0.0073である。
上記の製造に加えて、同様な方法で、3種の追加のエポキシ樹脂組成物を製造する。硬化促進剤の添加後、これらのエポキシ樹脂組成物を、それぞれ約90℃で約255分間、約100℃で約182分間、約110℃で約103.5分間反応させる。これらの液状エポキシ樹脂の粘度に及ぼす、反応時間及び反応温度の影響を図1に示す。マサチューセッツ州、ミドルボロー市のブルックフィールドエンジニアリングラボ社製の粘度計(型式番号LVDV−II+)、スピンドル(型式番号SC4−18)、及びチャンバー(型式番号SC4−13RPY)を用いてエポキシ樹脂組成物の粘度を測定する。硬化促進剤を混合後、液状エポキシ樹脂組成物のそれぞれを、反応温度に予め加熱された粘度計のチャンバー内に配置する。約900cP未満の粘度を測定するために約2.0s−1のずり速度を、900cPから2,000cPの範囲で変動する粘度を測定するために約0.8s−1のずり速度を、かつ2,000cP超の粘度を測定するために約0.4s−1のずり速度を適用する。
(充填剤入りエポキシ樹脂組成物を製造するための充填剤及びエポキシ樹脂の混合)
充填剤粒子及び液状エポキシ樹脂組成物を混合するプロセスを図7に概略示す。硬化促進剤を添加後、このエポキシ樹脂組成物を約100℃で約120分間反応させる。約100℃で測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は、約0.8s−1のずり速度で約1,020cPであると判明する。このエポキシ樹脂組成物の約30gと充填剤の約20gを組み合わせた。得られた液状懸濁物は、約16容量%の充填剤含有量であった。液状懸濁物をハイブリッドミキサー中で約2分間混合し、続いて冷却し、約80℃の温度で、約20分間オーブン中で真空脱泡する。液状懸濁物は、冷却及び脱泡ステップの間攪拌する。別の実験で、同一の組成をもつ液状エポキシ樹脂組成物を粘度計のチャンバー内で、約100℃で約120分間反応させ、次に約100℃から約50℃の温度まで冷却する。この冷却期間中、エポキシ樹脂組成物の粘度を上記の手法で測定する。エポキシ樹脂組成物(充填剤なし)の粘度は、約0.4s−1のずり速度で、約80℃で約8,750cPである。得られた80℃の高粘度懸濁物を、約20℃の室温に保持された試料型に注入する。最後に、充填剤入りエポキシ樹脂組成物を約70℃の温度で約2時間部分硬化させ、続いて約165℃の温度で約4時間硬化させる。これにより得られた封止剤は、約13mmの直径、約14mmの長さの寸法である。
この封止剤から、上部、中間部及び底部からそれぞれ1個、約1mmの厚みをもつ3個の試料を切り出す。コネチカット州、シェルトン市のPerkin Elmer Analytical Instrument社製の動的機械分析器、型式番号DMA7e及び2mmの石英圧入プローブを用いて、これら3個の試料のCTEを測定する。試料を、約3℃/分の加熱速度で、約30℃から約190℃まで加熱する。測定期間中、プローブに約220ミリニュートンの力をかける。約30℃から約100℃の温度範囲で温度対線熱膨張データにベストフィットさせて得られた直線の勾配が、封止剤のCTE値を与える。このCTEは、封止剤の上部で約39.2ppm/℃、中間部で約38.7ppm/℃、底部で約38.4ppm/℃である。この封止剤に対する平均CTE値は、約38.8ppm/℃であり、その全容積にわたり約±1%以内のCTEのばらつきを有している。このCTE測定は、充填剤粒子が概して封止剤中に不均一に分散していることを立証した。同じ動的機械分析器の測定を用い、封止剤のTgが約164℃であることを測定した。可視光分光計(カルフォルニア州、パロウアルト市のVarian社製Cary500Scan)を用いて、約20℃の温度で封止剤の透過率を測定する。約1mmの厚みをもつ封止剤試料は、約650nmの波長で測定した時、約85%の透過率であり、約450nmの波長で測定した時、約72%の透過率である。
(比較例1−低粘度)
TPPPの添加後に、溶液を約120分間に代わり、100℃で約25分間攪拌することを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。得られたエポキシ樹脂組成物の粘度は、約100℃、約2.0s−1のずり速度で、約151cPである。この比較例で製造した封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。そのCTEは、封止剤の上部で約62.0ppm/℃、中間部で約35.0ppm/℃、底部で約7.5ppm/℃である。この封止剤に対する平均CTE値は、約34.8ppm/℃であり、その全容積にわたり約±78%のばらつきを有している。この比較例の結果は、固化する前に、充填剤粒子がエポキシ樹脂組成物の底部に沈降することを示唆する。このエポキシ樹脂組成物は、充填剤と混合する前は低粘度であり、このことが粒子の急速な重力沈降、及び封止剤中で充填剤粒子の不均一分散をもたらす。したがって、CTEのばらつきは、光電子デバイス収納のためには許容不能な大きさである。
(比較例2−250μm超の充填剤径)
実施例1においてボールミリング及び篩い分けステップ後に除去した粒子を、この比較例では充填剤として用いたことを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。この充填剤は、約250μm超の径を有する粒子を含有する。この例で製造した封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。そのCTEは、封止剤の上部で約62.0ppm/℃、中間部で約37.0ppm/℃、底部で約15.0ppm/℃である。平均CTEは、約38.5ppm/℃であり、封止剤の全容積にわたり約±61%のCTEのばらつきを有している。このばらつきは、約250μm超の粒子の重力沈降が原因であり、この沈降は充填剤とエポキシ樹脂組成物を混合した後に起きる。沈降は、封止剤中で充填剤粒子の不均一分散をもたらし、封止剤の不均一なCTEを生む。この封止剤は、不均一なCTEを有するために、光電子デバイスの収納に適さない。
(実施例2−1μmから100μmの充填剤径)
溶媒洗浄ステップで用いた溶媒中に残留する充填剤粒子を充填剤として用いることを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。これらの粒子は、ろ過及び溶媒の乾燥により回収する。図8に示すように、粒子径分析器で測定した時、これらの粒子径は、1μmから100μmの範囲であり、約10μmにピークを有する。この粉末の約60容量%は、約10μm未満の径をもつ粒子から成り立つ。この例で製造した封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。得られた封止剤の透過率は、約48%であり、本発明の範囲である。この実施例から得た結果は、約10μm未満の粒子が封止剤中で凝集し、これが透過率の低減をもたらすことを示している。
まとめて考察すると、実施例1及び2、比較例2の結果は、充填剤粒子として好適な粒子径範囲は、直径で約1μmから500μmであり、最も好ましい粒子径範囲は、約10μmから250μmである。これらの実施例は、充填剤が10μm未満の径をもつ粒子を含有することができ、得られた封止剤が許容できるCTE及び透過率特性を与えることを更に証明する。しかし、充填剤中で約10μm未満の径をもつ粒子量は、好ましくは充填剤の約60容量%未満、より好ましくは約20容量%未満、最も好ましくは約10容量%未満であるべきである。
(比較例3−充填剤粒子を含有しない封止剤)
得られた封止剤中に充填剤粒子を含有しないことを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。この例で製造した封止剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。この封止剤の透過率は約91%である。しかし、平均CTEは、非常に高く、約62.0ppm/℃である。
(比較例4−低充填剤量)
封止剤中の充填剤量が、約16容量%である代わりに、約5容量%であることを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。この例で製造される封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。この封止剤の透過率は約89.6%である。平均CTEは、約55.6ppm/℃であり、約±1%のCTEばらつきを有する。
(実施例3−高充填剤量)
封止剤中の充填剤量が、約16容量%である代わりに、約46容量%であることを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。この実施例で製造される封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。この封止剤の透過率は約79.2%である。平均CTEは、約14.4ppm/℃であり、約±1%未満のCTEばらつきを有する。
まとめて考察すると、実施例1及び3は、高透過率を維持しながら、封止剤に広範囲の充填剤使用量を取り込むことができるので、透過率とCTEを調節して種々の要求を充足できるようになる。まとめて考察すると、実施例1及び3、並びに比較例3及び4は、本発明の範囲の低CTE及び高透過率をともに達成するために、封止剤の充填剤量が、好ましくは5容量%から60容量%、より好ましくは10容量%から50容量%、最も好ましくは15容量%から40容量%でなければならないことを証明する。
(実施例4−熱処理なし)
充填剤を熱処理しないことを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。充填剤を雰囲気の空気中、約20℃の温度で約1時間保持した後、エポキシ樹脂組成物と組み合わせる。この実施例で製造される封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。この封止剤の透過率は約69.0%である。
(実施例5−350℃で熱処理)
充填剤を、約500℃で熱処理する代わりに、約350℃で約36時間熱処理することを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。この実施例で製造される封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。この封止剤の透過率は約69.0%である。
(実施例6−650℃で熱処理)
充填剤粒子を、約500℃で熱処理する代わりに、約650℃の温度で36時間熱処理することを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造する。この熱処理温度は、このガラスのひずみ点、約627℃を越える。得られた封止剤は、約60.5%という低減された透過率を有する。
(実施例7−750℃で熱処理)
充填剤粒子を、約500℃で熱処理する代わりに、約750℃の温度で36時間熱処理することを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造する。この熱処理温度は、このガラスのひずみ点の約627℃を越え、ガラス軟化温度の約883℃に近づく。この熱処理は、充填剤粒子の目に見える凝集を引き起こす。充填剤粒子を分離するためにやや軽い粉砕後に、封止剤を実施例1に記載したように製造する。得られた封止剤は、約46%の低減された透過率を有する。この低透過率は、凝集粒子間にエアーポケットの生成が原因である。この結果は、好ましくは熱処理温度がガラスのひずみ点未満であるべきであることを示唆する。
まとめて考察すると、実施例1,4及び5は、充填剤粒子の熱処理が封止剤の透過率を最大にできることを証明する。まとめて考察すると、実施例6及び7は、封止剤で用いられる充填剤粒子のための好適な最大の熱処理温度は、充填剤のガラス軟化点未満でなければならないことを証明する。得られた封止剤の透過率を最大にするために、最も好ましい熱処理温度範囲は、450℃から550℃である。
(実施例8〜12−種々のモル比のエポキシ樹脂、E3002)
E3002のモル比を約0.001と約0.821の間で変動させることを除いて、実施例1と同様な手法で5種の封止剤を製造する。この実施例で製造される封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。E3002のモル比の変動は、硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率を変え、その結果、22.0%から78.1%の範囲で変わる透過率をもつ封止剤をもたらす。
まとめて考察すると、実施例1及び8〜12は、E3002エポキシ樹脂のモル比が、好ましくは0.001と約0.900の間でなければならないことを証明する。60%超の透過率をもつ封止剤を得るためには、E3002エポキシ樹脂のモル比は、最も好ましくは0.10と0.25の間でなければならない。
(比較例5−硬化剤HHPAのモル比の低減)
HHPAのモル比が、約0.781に代わり、約0.062となるようにエポキシ樹脂組成物の成分のモル量を調節することを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造する。この実施例で製造される封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。この比較例では、エポキシ樹脂組成物および充填剤の混合物は、固体封止剤に硬化しない。この実施例の結果は、硬化剤のモル比が本発明の好適な範囲より低い時、個体封止剤が容易に製造できないことを証明する。
(実施例13〜15−硬化剤HHPAのモル比の変動)
硬化剤HHPAのモル比が、0.583から1.177の範囲で変動することを除いて、実施例1と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。この実施例で製造される封止剤、充填剤、及びエポキシ樹脂組成物の特性を表3に示す。この調節は、硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率に影響を及ぼし、その結果、21.8%から73.8%の範囲で変動する屈折率をもつ封止剤をもたらす。
まとめて考察すると、実施例1及び13〜15、及び比較例5は、硬化剤のモル比が好ましくは0.100と1.177でなければならないことを立証する。60%超の透過率をもつ封止剤を得るためには、最も好ましい硬化剤のモル比は、0.5から0.9である。
Figure 0004570547
(実施例16−アルカリイオンを含有する充填剤ガラスの使用)
この実施例で、数種のガラス充填剤材料を用いる。これらのガラスは、Schott社がK5の登録商標で販売するソーダライムガラス、及びCorning社が製品番号0211として販売するZnO−TiOを含む。本発明の好ましい観点で使用されるホウケイ酸ガラスは、アルカリを含有しない。ZnO−TiOガラスのアルカリ含有量は、0.3重量%未満であり、一方、ソーダライムガラスのアルカリ含有量は、非常に高く、13重量%から17重量%の範囲である。これら3種のガラスのそれぞれの充填剤粒子を、実施例1に記載のように製造する。製造されるエポキシ樹脂組成物は、実施例1に記載のものと同一であり、それぞれの充填剤の約40重量%を含有する3種の封止剤を製造する。個別の光電子デバイスを3種のそれぞれの封止剤内に収納し、封止剤を硬化させる。
これらの3種のそれぞれの封止剤の光透過率を、3つの異なる時間に対して測定する:(1)硬化ステップ直後、(2)封止剤を、約85の相対湿度、約85℃の温度で約100時間保持後、及び(3)これらの条件で約1,000時間保持後。また、これらの3種のそれぞれの封止剤の電気抵抗を、電気抵抗に逆比例する漏れ電流を測定することにより、それらと同じ3つの時間に対して測定する。後者の測定は、試験装置(Hewlett Packard Instruments社製の型式HP16442A)に光電子デバイスを取り付け、デバイスに約10ボルトの電位差を適用し、かつ精密半導体分析器(Hewlett Packard Instruments社製の型式HP4156A)を用いて漏れ電流を測定することにより行った。
封止デバイスをこの熱湿度処理する間、デバイスに約5.25ボルトの電位差を適用した。透過率測定及び漏れ電流測定の結果を表4に示す。
Figure 0004570547
これらの結果は、全ての3種の充填剤材料が、硬化段階直後には比較的低漏れ電流及び高透過率を有する封止剤を生成したが、アルカリを含有しないホウケイ酸ガラスだけが、高温度及び高湿度に長時間暴露した時でも優れた特性を保持したことを示す。ナトリウム又はカリウムなどのアルカリイオンを含有する充填剤を封止剤に使用することは、高湿度及び高温度環境に長時間暴露した後に、封止剤の電気絶縁性及び透過率を低下させることを表わしている。
この実施例は、アルカリを含有しない、及びチタニアを含有しないガラスが、本発明の範囲内の光電子デバイス用封止剤として最も好ましいガラスであることを示す。このようなガラスは、両者ともに、硬化後、並びに高湿度及び高温度環境に長時間暴露後のいずれにおいても、高電気抵抗及び高透過率を与える。また、ソーダライムガラスなどのその他のチタニアを含有しないガラスは、低電気抵抗を許容することができる種類の電子デバイス用封止剤の充填剤として、又はレンズなどの電気絶縁性を必要としない用途向きのエポキシの充填剤として使用できる。
(実施例17−3成分エポキシ混合物から製造される封止剤)
この実施例では、本発明の範囲内の3成分エポキシ組成物から封止剤を製造する。封止剤の製造方法は、図9で概略説明する。
(充填剤粒子の製造)
Schott社が登録商標AF45で販売する、約588nm、約25℃で約1.526の平均屈折率、及び約0.001未満のガラス内の屈折率ばらつきをもつ、アルカリを含有しない市販のホウケイ酸ガラス板を粉砕して粗粒子を作成し、続いて8メッシュの篩に通して篩い分けして直径が2.36mm超の粒子を全て除去する。この篩い分けした粒子を、直径20mmの3個のミリングボール及び直径15mmの15個のミリングボールとともに、100mlのジルコニア製ミリングジャーに配置した。次に、この粒子を約200rpmで約30分間、遊星ボールミル(ドイツ国、Retsch GmbH社製、型式PM400)を用いて粉砕する。次に、直径が約125μm超の粉砕粒子の全てを篩により除去する。任意選択で、溶媒洗浄を行ない、充填剤中の直径が10μm未満の粒子量を減少させる。この洗浄粒子を約160℃の温度で約12時間乾燥する。
この乾燥された充填剤粒子を、シランカップリング剤を用いて、以下のようにシリル化する。先ず、充填剤粒子と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMOS)とをハイブリッドミキサー(日本、東京都のThinky社製の型式番号AR−250)中で約20℃の室温で約2分間混合する。この製造で、約99.25gの充填剤について約0.75gのGPTMOSを用いる。最後に、粒子を空気中で、約75℃の温度で約1時間加熱処理し、シリル化のステップを完了する。
(封止剤の製造)
約0.333標準(normal)モルのビスフェノール−Aのジグリシジルエーテルエポキシ樹脂(E3002)、0.367標準モルの脂環式エポキシ樹脂(CY179)、及び約0.300標準モルのトリグリシジルイソシアヌレート樹脂(TIC)を複式(double)遊星ミキサー(ニューヨーク州、Hauppauge、Charles Ross&Son社製、型式DPM−4)中で混合して、第一溶液を製造する。この第一溶液を、約150rpm、約100℃の温度で約45分間混合する。約0.825標準モルのHHPAを約45℃で溶融させ、続いてこの溶融物を第一溶液に加えることにより、第二溶液を製造する。この第二溶液を、約300rpm、約100℃の温度で約5分間攪拌する。
充填剤粒子を第二溶液に加えることにより、第三溶液を作成して、約40重量%の封止剤を構成する。添加ステップ前に、充填剤粒子を約75℃に維持する。この第三溶液を約300rpm、約100℃の温度で約5分間攪拌する。約45℃で、約0.0072標準モルのTPPP、約0.00553標準モルの2E4M及び約0.015標準モルのHHPAを組み合わせて、第四溶液を作成する。この第四溶液を約100rpmで少なくとも10分間混合する。この第四溶液を第三溶液に加えることにより第五溶液を作成する。この第五溶液を約300rpm、約100℃で約11分間混合する。
得られた約100℃の熱い粘性溶液を、約75℃の温度に維持された試料型に注入する。次に、この型を約45℃に冷却し、この温度で最終溶液を約23時間部分硬化させる。これにより得られた固体ペレットは、約20℃の室温で、約13mmの直径、及び約14mmの長さの寸法を有する。
次に、この固体ペレット及び光電子デバイスを、トランスファー成形機(日本、Takara Tool&Die社製、型式番号TTM−MS,MS−011)内に配置する。充填剤入りエポキシ樹脂組成物を約150℃に加熱し、かつ約120Kg/cmの圧力をかけることにより、光電子デバイスを3分以内に封止する。成形後、トランスファー成形機及び光電子デバイスを目視で検査する。プランジャーと成形型の間に充填剤入りエポキシ樹脂組成物の残存物は存在しない。また、型のランナー及びキャビテイ領域に、充填剤入りエポキシ樹脂組成物の残存物は存在しない。触手検査は、部分硬化した充填剤入りエポキシ樹脂組成物が、十分に硬質であり取り扱いに際し支障がないことを証明する。更に、デバイスの配線及びその他の部品は、損傷を受けていない。
最後に、封止されたデバイスを、約150℃の温度で約3時間加熱し、充填剤入りエポキシ樹脂組成物を硬化させる。封止剤から約1mmの厚さの試料を切り出し、物理特性を測定する。コネチカット州、シェルトン市のPerkin Elmer Analytical Instrument社製の動的機械分析器、型式番号DMA7e及び2mmの石英圧入プローブを用いて、封止剤のCTEを測定する。試料を、約3℃/分の加熱速度で、約30℃から約190℃まで加熱する。測定期間中、プローブに約110ミリニュートンの静的負荷をかける。約40℃から約80℃の温度範囲で温度対線熱膨張データにベストフィットさせて得られた直線の勾配が、封止剤のCTE値を与える。
この実施例で製造された封止剤試料の平均CTEは、約40.0ppm/℃であり、全容積にわたり約±1%未満のばらつきを有する。封止剤試料のTgは、同様な動的機械分析器を用いて測定される。測定期間中、約±100ミリニュートンの巾及び約1Hzの周波数をもつ約110ミリニュートンの動的負荷を用いる。この実施例で製造された封止剤試料のTgは、約150℃である。この試料の透過率は、可視光分光計(カルフォルニア州、パロウアルト市のVarian社製Cary500Scan)を用いて、約20℃の室温で測定する。試料は、約650nmの波長で測定した時、約20%の透過率を有する。
また、封止されたデバイスの環境耐久性を試験する。最初の試験では、この実施例に記載した方法で製造した10個の封止デバイスを、約100℃で約3,000時間保持する。2番目の試験では、同様な手法で製造した別の10個の封止デバイスを、80℃、85%相対湿度で約3,000時間保持する。3番目の試験では、同様な手法で製造した別の10個の封止デバイスを、約125℃への加熱、続いて約−40℃への冷却を3,000サイクル反復する。3番目の試験で、それぞれのサイクルは、(1)デバイスを約30分以内に約−40℃から約125℃へ加熱すること、(2)約125℃で約15分間保持すること、(3)約30分以内に約125℃から約−40℃へ冷却すること、及び(4)約−40℃で約15分間保持することを含む。それぞれの環境試験の前後に、封止されたデバイスの性能を測定する。上記の試験がこれらのデバイスの性能に影響を及ぼさないことが判明する。
実施例17の結果は、E3002、CY179及びTICの3成分エポキシ組成物から製造されたペレットが、トランスファー成形による光電子デバイスの封止に適することを示唆する。これらの結果は、この実施例に記載された方法で製造された封止剤が優れた環境耐久性をデバイスに与えることを更に示唆する。
(実施例18〜24−3成分エポキシ混合物から製造した封止剤)
3成分エポキシ組成物を表5に示すように変更することを除いて、実施例17と同様な手法で、7種の封止剤を製造し、分析する。それぞれの組成物を成形後、トランスファー成形機及び光電子デバイスを肉眼で検査する。プランジャーと成形型の間に充填剤入りエポキシ樹脂組成物の残存物は存在しない。また、型のランナー及びキャビテイ領域に、充填剤入りエポキシ樹脂組成物の残存物は存在しない。触手検査は、部分硬化した充填剤入りエポキシ樹脂組成物が、十分に硬質であり取り扱いに際し支障がないことを証明する。更に、デバイスの配線及びその他の部品は、損傷を受けていない。
まとめて考察すると、実施例17〜24の結果は、E3002、CY179及びTICの3成分エポキシ組成物から製造された封止剤がトランスファー成形による光電子デバイスの封止に適すること、及び更に、3成分エポキシ組成を変更することにより、封止剤のTg及び透過率を変更できることを示唆する。
(実施例25−2成分エポキシ混合物を用いて製造した封止剤)
樹脂組成物にTICを組み込まないことを除いて、実施例17と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。成形後、トランスファー成形機及び光電子デバイスを肉眼で検査する。プランジャーと成形型の間に充填剤入りエポキシ樹脂組成物の残存物が見つかる。配線又はチップコンデンサーなどのデバイスの部品は、2成分エポキシ組成物から製造した封止剤を用いて製造したデバイスの8%超の割合で損傷を受けている。
実施例25の結果は、E3002及びCY179の2成分エポキシ混合物から製造されたペレットが、3成分エポキシ組成物から製造されたペレットに比べて、トランスファー成形による光電子デバイスの封止に適していないことを示唆する。
(実施例26−2成分エポキシ混合物を用いて製造した封止剤)
樹脂組成物にCY179を組み込まないことを除いて、実施例17と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。成形後、トランスファー成形機と光電子デバイスを肉眼で検査する。型のランナーとキャビテイ領域に封止剤の残存物は見つからない。触手検査すると、封止剤が柔らかくハンドリング困難であることが判る。
実施例26の結果は、E3002及びTICの2成分エポキシ組成物から製造されたペレットが、3成分エポキシ組成物から製造されたペレットに比べて、トランスファー成形による光電子デバイスの封止に適していないことを示唆する。
(比較例6−充填剤粒子を組み込まない封止剤)
樹脂組成物に充填剤粒子を組み込まないことを除いて、実施例17と同様な手法で封止剤を製造し、分析する。この実施例で製造された封止剤及びエポキシ樹脂組成物の特性を表5に示す。この封止剤の透過率は約93%である。しかし、平均CTEは、非常に高く、約65.0ppm/℃である。
Figure 0004570547
現在好ましい封止剤及び製造法を単に参照して本発明を詳細に説明したが、業界の通常の技術を有する者は、本発明から離れることなく種々の変性が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
硬化促進剤を添加後の3種の液状エポキシ樹脂組成物の反応時間、反応温度と粘度の関係をグラフにした説明図である。 硬化促進剤を添加後に100℃で約120分間反応させ、実施例1に記載と同様な手法で製造した液状エポキシ樹脂組成物の冷却温度と粘度の間の関係をグラフにした説明図である。 ホウケイ酸ガラス充填剤製造法の連続ステップを概略フローチャートにした説明図である。 ボールミリング後の充填剤粒子の粒径分布をグラフにした説明図である。 篩い分け及び溶媒洗浄後の充填剤粒子の粒径分布をグラフにした説明図である。 エポキシ樹脂組成物製造法の連続ステップを概略フローチャートにした説明図である。 封止剤製造法の連続ステップを概略フローチャートにした説明図である。 洗浄用溶媒をろ過して得た充填剤の粒径分布をグラフにした説明図である。 封止剤製造法の連続ステップを概略フローチャートにした説明図である。

Claims (36)

  1. 光電子デバイス又は光学部品用の封止剤であって、熱膨張係数及び光透過率を特徴とする封止剤であって、
    250μm未満の直径をもつガラス粒子から本質的になり、ガラス粒子1.48から1.60の範囲の値のガラス屈折率をもち、ホウケイ酸から本質的になり、かつ封止剤の全容積の10容量%から50容量%を構成することを特徴とする充填剤と、
    硬化段階のエポキシ組成物の屈折率を特徴とする、硬化段階のエポキシ樹脂組成物を含む封止剤であって、
    その際、封止剤の熱膨張係数が、50ppm/℃未満の平均値を有し、±30%未満のばらつきであり
    ガラスの屈折率及び硬化段階のエポキシ樹脂組成物の屈折率が、封止剤の光透過率が400nmから900nmの範囲の波長で約1mmの封止剤厚さで測定した時に少なくとも20%になるように、十分に近似した値を有し、かつ
    封止剤がエポキシ樹脂組成物を充填剤と混合して調製され、混合前のエポキシ樹脂組成物の粘度が300cPから40000cPの範囲の値を有し、かつエポキシ樹脂組成物が少なくとも1種の硬化剤、少なくとも1種の硬化促進剤、及びビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート樹脂からなる三元エポキシ混合物を含有する封止剤。
  2. 封止剤の熱膨張係数が、±10%より小さいばらつきである請求項1に記載の封止剤。
  3. 封止剤の熱膨張係数が、40ppm/℃未満の平均値を有する請求項1に記載の封止剤。
  4. 封止剤の光透過率が、400nmから900nmの範囲の波長で約1mmの封止剤厚さで測定した時に少なくとも40%である請求項1に記載の封止剤。
  5. 封止剤の光透過率が、400nmから900nmの範囲の波長で約1mmの封止剤厚さで測定した時に少なくとも60%である請求項1に記載の封止剤。
  6. ガラス粒子が本質的にアルカリを含有しない請求項1に記載の封止剤。
  7. ガラス粒子が1μmから250μmの範囲の直径をもつ請求項1に記載の封止剤。
  8. ガラス粒子が1μmから125μmの範囲の直径をもつ請求項1に記載の封止剤。
  9. 60容量%未満の充填剤が、10μm未満の直径をもつガラス粒子を含む請求項1に記載の封止剤。
  10. 20容量%未満の充填剤が、10μm未満の直径をもつガラス粒子を含む請求項1に記載の封止剤。
  11. 10容量%未満の充填剤が、10μm未満の直径をもつガラス粒子を含む請求項1に記載の封止剤。
  12. 充填剤が、封止剤の全容積の15から40容量%を構成する請求項1に記載の封止剤。
  13. 充填剤が、熱処理温度で少なくとも約1時間熱処理されたガラス粒子を更に含み、熱処理温度がガラス粒子のひずみ点以下である請求項1に記載の封止剤。
  14. 熱処理温度が、20℃とガラス粒子のひずみ点の間である請求項13に記載の封止剤。
  15. ガラス粒子が、熱処理温度で5時間から50時間、熱処理される請求項13に記載の封止剤。
  16. ガラス粒子が、熱処理温度で30時間から40時間、熱処理される請求項13に記載の封止剤。
  17. 充填剤が、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選ばれたシランカップリング剤と反応させたガラス粒子を更に含む請求項1に記載の封止剤。
  18. シランカップリング剤が、アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項17に記載の封止剤。
  19. 硬化剤が、酸無水物硬化剤、フェノール硬化剤、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項に記載の封止剤。
  20. 硬化剤が、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルナデイック酸、無水ナデイック酸、無水グルタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、及びフェノールノボラック樹脂硬化剤、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項に記載の封止剤。
  21. 硬化剤が、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、フェノールノボラック樹脂硬化剤、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項に記載の封止剤。
  22. 硬化剤が、無水ヘキサヒドロフタル酸である請求項に記載の封止剤。
  23. 硬化促進剤が、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、第三級アミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、トリフェニルホスファイト、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルホウ酸、テトラ−n−ブチルホスホニウム、O,O−ヂエチルホスホロジチオエート、第四級アンモニウム塩、有機金属塩、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項に記載の封止剤。
  24. 硬化促進剤が、トリフェニルホスファイト、2−エチル−4−メチルイミダゾール、及びそれらの混合物なる群から選ばれる請求項に記載の封止剤。
  25. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するビスフェノール−Aエポキシ樹脂のモル量の比が、0.05から0.6の範囲である請求項に記載の封止剤。
  26. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するビスフェノール−Aエポキシ樹脂のモル量の比が、0.15から0.40の範囲である請求項に記載の封止剤。
  27. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する脂環式エポキシ樹脂のモル量の比が、0.05から0.70の範囲である請求項に記載の封止剤。
  28. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する脂環式エポキシ樹脂のモル量の比が、0.10から0.55の範囲である請求項に記載の封止剤。
  29. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するトリグリシジルイソシアヌレート樹脂のモル量の比が、0.05から0.70の範囲である請求項に記載の封止剤。
  30. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するトリグリシジルイソシアヌレート樹脂のモル量の比が、0.20から0.65の範囲である請求項に記載の封止剤。
  31. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化剤のモル量の比が、0.50から1.20の範囲である請求項に記載の封止剤。
  32. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化剤のモル量の比が、0.70から1.00の範囲である請求項に記載の封止剤。
  33. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化促進剤のモル量の比が、0.001から0.050の範囲である請求項に記載の封止剤。
  34. ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化促進剤のモル量の比が、0.004から0.030の範囲である請求項に記載の封止剤。
  35. 請求項1に記載の封止剤に実質的に収納された光電子デバイスを含む組立品。
  36. 光電子デバイス又は光学部品用の封止剤であって、熱膨張係数及び光透過率を特徴とする封止剤であって、
    (1)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランでシリル化され、アルカリを含有しないホウケイ酸ガラスから形成されたガラス粒子から本質的になる、15容量%から40重量%の充填剤であって、この粒子が1μmから250μmの範囲の直径を有し、その10容量%未満の粒子が10μm未満の直径を有し、このガラスが約1.526の値及び約0.001未満のばらつきのガラス屈折率を特徴とする充填剤、及び
    (2)60容量%から85容量%の硬化段階のエポキシ樹脂組成物であって、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート樹脂、硬化剤、及び硬化促進剤を含む組成物から製造されたエポキシ樹脂組成物であって、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル樹脂のモル量の比が、0.15から0.40の範囲の値を有し、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテルエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する脂環式エポキシ樹脂のモル量の比が、0.10から0.55であり、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテルエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対するトリグリシジルイソシアヌレート樹脂のモル量の比が、0.20から0.65であり、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテルエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化剤のモル量の比が0.70から1.00であり、ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテルエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びトリグリシジルイソシアヌレート樹脂の総モル量に対する硬化促進剤のモル量の比が0.004から0.030である硬化段階のエポキシ樹脂組成物を含む封止剤であって、
    その際、封止剤の熱膨張係数が、約40ppm/℃未満の平均値及び約±10%未満のばらつきであり、かつ封止剤の光透過率が、400nmから900nmの波長範囲で1mmの封止剤厚さで測定した時に、少なくとも20%であって、
    充填剤がエポキシ樹脂組成物内に分散され、かつ
    充填剤のエポキシ樹脂組成物内への分散前のエポキシ樹脂組成物の粘度が300cPから40000cPの範囲の値を有する封止剤。
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