JP3835518B2 - 光透過性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体用の封止材料として好適に用いられ、特に硬化物が様々な温度環境下で高い透明性を維持する無機質充填剤含有型の光透過性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物にて封止された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年の高度情報化に伴い、膨大な情報を円滑に伝送・処理するために、従来の電気配線による信号伝送に替わって、光信号の持つ高速・低損失・無誘導等の特性を生かした半導体装置やこれに用いられる実装技術が検討されている。
【0003】
従来の光機能デバイスの多くは樹脂層の透明性を確保するために無機質充填剤を含まないエポキシ樹脂で封止されていた。しかしこの場合、硬化物の耐熱性・耐湿性・低応力性等を考慮すると決して十分なものとは言えず、無機質充填剤を含有する透明封止材の開発が待たれていた。
【0004】
本発明は、上記要望に応えるために行われたものであり、光半導体の封止材料として好適に用いられ、特に硬化物が様々な温度環境下で高い透明性を維持する無機質充填剤含有型の光透過性エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂、硬化促進剤、無機質充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、下記式(1)及び(2)の両方を満たすエポキシ樹脂組成物を用いることにより、その硬化物が様々な温度環境下で高い透明性を維持することを見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
従って、本発明は、
(A)下記一般式(6)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂を25〜100重量%含有するエポキシ樹脂、
【化7】
(式中、nは0〜5の整数である。)
(B)硬化促進剤、
(C)アルコキシシランとアルコキシチタンとをモル比99:1〜50:50で用いてゾル・ゲル法により得られた非晶質のシリカ・チタニア混融体を50〜100重量%含有する無機充填剤
を必須成分とし、下記式(1)及び(2)の両方を満たすことを特徴とする光透過性エポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物の硬化物にて封止された半導体装置を提供する。
[{2(nA 2+nC 2)−(nA+nC)2}/2]1/2<3.0×10-3 (1)
[{2(fA 2+fC 2)−(fA+fC)2}/2]1/2<1.0×10-5 (2)
(但し、nA:T1℃での(C)成分を除いた組成物の硬化物の屈折率
nC:T1℃での(C)成分の屈折率
fA:(C)成分を除いた組成物の硬化物の屈折率の温度変化係数
fC:(C)成分の屈折率の温度変化係数
を示し、温度変化係数は、
f={n(T2)/n(T1)−1}/(T2−T1) (3)
(n(T1)はT1℃の屈折率、n(T2)はT2℃の屈折率であり、T1<T2である。)
【0007】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の光透過性エポキシ樹脂組成物は、上述したように、エポキシ樹脂、硬化促進剤、無機質充填剤を必須成分とし、更に必要により硬化剤その他の成分を含有するものであるが、これらの成分の種類、配合量等を選定することにより、下記式(1)(即ち、無機質充填剤の屈折率を基準とした、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填剤を除く硬化物の屈折率との標準偏差値が3.0×10-3未満であること)及び式(2)(即ち、無機質充填剤の屈折率の温度変化係数を基準とした、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填剤を除く硬化物の屈折率の温度変化係数との標準偏差値が1.0×10-5未満であること)を同時に満足したものである。
[{2(nA 2+nC 2)−(nA+nC)2}/2]1/2<3.0×10-3 (1)
[{2(fA 2+fC 2)−(fA+fC)2}/2]1/2<1.0×10-5 (2)
【0008】
上記式(1)において、nAは温度T1℃でのエポキシ樹脂組成物中の無機質充填剤を除く硬化物の屈折率、nCは温度T1℃での無機質充填剤の屈折率である。
【0009】
また、上記式(2)において、fAはエポキシ樹脂組成物中の無機質充填剤を除く硬化物の屈折率の温度変化係数であり、fCは無機質充填剤の屈折率の温度変化係数である。なお、温度変化係数fA及びfCは下記式(3)により求めることができる。但し、T1<T2である。
【0010】
f={n(T2)/n(T1)−1}/(T2−T1) (3)
(但し、n(T1),n(T2)はそれぞれT1℃,T2℃におけるエポキシ樹脂組成物中の無機質充填剤を除く硬化物又は無機質充填剤の屈折率である。)
【0011】
ここで、屈折率の測定方法を説明すると、nAはエポキシ樹脂組成物中の無機質充填剤を除いたものを通常のエポキシ樹脂組成物と同様の条件で硬化させたものであり、例えば図1に示すような測定用試料として測定を行う。また、無機質充填剤の屈折率の測定方法としては、無機質充填剤を無機質充填剤/混合溶剤=50/50(重量比)の割合で、ジメチルスルホキシド(nD=1.4783(25℃))と1−クロロナフタレン(nD=1.6305(25℃))との混合溶剤中に分散させ、1600nm、900nm、600nmの各波長において、99.9%以上の光透過率が得られる場合の該混合溶剤の屈折率を無機質充填剤の屈折率として測定するものである。
【0012】
また、屈折率の温度変化係数fA及びfCは、温度T1及びT2において上述する屈折率測定で得られたnA及びnCにより算出するものである。この場合、T1及びT2は、T1を10〜50℃、特に20〜40℃、T2を60〜120℃、特に80〜100℃とすることが好ましい。
【0013】
上記した屈折率に関する標準偏差値[{2(nA 2+nC 2)−(nA+nC)2}/2]1/2の値は、3.0×10-3未満であり、通常、0〜2.5×10-3であり、好ましくは0〜2.2×10-3であり、より好ましくは0〜1.5×10-3、特に好ましくは0〜0.8×10-3である。この値が3.0×10-3以上では、硬化物の光透過率が低下し、本発明の目的が達成されない。
【0014】
また、上記した屈折率の温度変化係数に関する標準偏差値[{2(fA 2+fC 2)−(fA+fC)2}/2]1/2の値は、1.0×10-5未満であり、好ましくは0〜0.9×10-5であり、より好ましくは0〜0.5×10-5、特に好ましくは0〜0.2×10-5である。この値が1.0×10-5以上では、ある特定の温度において透明な硬化物であっても、温度変化に伴って硬化物の光透過率が低下するため同様に本発明の目的を達成し得ない。
【0015】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(A)成分のエポキシ樹脂は、その分子構造、分子量等は特に制限されないが、無機質充填剤を除くエポキシ樹脂組成物の硬化物と無機質充填剤の屈折率及びその温度変化係数について、上記式(1)及び(2)の条件を考慮すると、屈折率の温度変化係数が小さいものが好ましい。
【0016】
エポキシ樹脂として具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中でもナフタレン環を1分子中に1個以上有するエポキシ樹脂が望ましく、下記式(4)及び(5)の混合物であるナフタレン型エポキシ樹脂が望ましい。組成物の粘度を考慮すると、全てのナフタレン型エポキシ樹脂中での式(5)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂の配合割合が好ましくは90重量%以上(90〜100重量%)、特に好ましくは95重量%以上(95〜100重量%)であることが望ましく、残余の10重量%以下(0〜10重量%)、特に5重量%(0〜5重量%)は、式(4)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0017】
【化3】
【0018】
特に下記式(6)のナフタレン型エポキシ樹脂が望ましい。
【化4】
(式中、nは0以上の整数、望ましくは0〜5の整数、より望ましくは0又は1である。)
【0019】
ここで用いられるエポキシ樹脂の配合比は特に限定されないが、屈折率の温度変化係数を小さくすることを考慮すると、ナフタレン型エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中で10重量%以上、より好ましくは25〜100重量%、更に好ましくは60〜100重量%とすることが望ましい。ナフタレン型エポキシ樹脂の配合量がこの範囲にない場合は、温度によって硬化物が不透明になるおそれがある。
【0020】
本発明に用いられる(B)成分の硬化促進剤は、その種類が特に限定されないが、硬化剤の有無、あるいは硬化剤の種類により選択することが望ましい。エポキシ樹脂を単独で硬化させる場合(エポキシ自己重合型)はイミダゾール化合物等の比較的に塩基性が強いものが望ましく、酸無水物やフェノール樹脂用の硬化剤を用いる場合(酸無水物硬化型あるいはフェノール硬化型)はイミダゾール化合物に加えて有機リン化合物などの比較的に塩基性の弱いものでも使用可能である。イミダゾール化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。また、有機リン化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(p−トルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等のトリオルガノホスフィン化合物やテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の4級ホスホニウム塩などのオルガノホスフィン類及びその誘導体が挙げられる。これらの中でも硬化物の透明性を考慮すると、酸無水物硬化剤とイミダゾール化合物あるいは有機リン化合物の組み合わせが望ましい。
【0021】
硬化促進剤の添加量は、特に制限されないが、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜40重量部であり、特にエポキシ樹脂を単独で硬化させる場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して硬化促進剤を1〜40重量部、酸無水物やフェノール樹脂等の硬化剤を用いる場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して硬化促進剤を0.1〜20重量部添加することが望ましい。硬化促進剤の添加量が上記範囲よりも少ない場合は硬化不良により耐湿性・耐熱性の低下を招くおそれがあり、また上記範囲よりも多い場合は未硬化物の保存安定性の低下を招くおそれがある。
【0022】
本発明に用いられる(C)成分の無機質充填剤は、その種類が特に限定されず、結晶性あるいは非結晶性シリカ、タルク、マイカ、窒化ケイ素、ボロンナイトライド、アルミナ等が用いられるが、無機質充填剤を除くエポキシ樹脂組成物の硬化物と無機質充填剤の屈折率及びその温度変化係数について、式(1)及び(2)の関係を満たす必要性から、比較的屈折率が大きく、かつ屈折率の温度変化係数が小さいものが望ましく、この点で非結晶性のシリカ・チタニア混融体(いわゆる、シリカ・チタニアガラス)を用いることが望ましい。
【0023】
この非結晶性のシリカ・チタニア混融体の製造方法は、通常のゾル・ゲル法により得られ、原料のアルコキシシランとアルコキシチタンの配合比により無機質充填剤の屈折率を調整することができる。ここで原料の配合比(モル比)は、アルコキシシラン/アルコキシチタン=99/1〜50/50、特に90/10〜70/30とすることが望ましい。原料の配合比が上記範囲にない場合は無機質充填剤を除く組成物の硬化物と無機質充填剤の屈折率のずれが大きくなり、硬化物が不透明になるおそれがある。
【0024】
この非結晶性のシリカ・チタニア混融体の形状・粒径は特に制限されず、用途に応じて任意に選択される。例えばフリップチップ型半導体装置用のアンダーフィル材として用いる場合は、形状は鋭角的な角がない無定型、球形のものが好ましく、また平均粒径はチップ・基板のギャップの1/10以下、最大粒径は1/2以下に設定することが望ましい。平均粒径としては、通常10μm以下、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmであることが望ましく、また最大粒径は、通常50μm以下、好ましくは25μm以下、より好ましくは12μm以下であることが望ましい。なお、この平均粒径は、例えばレーザー光回折法による重量平均値(又はメジアン径)等として求めることができる。
【0025】
この非結晶性のシリカ・チタニア混融体の配合量は、特に制限されないが、式(1)及び(2)の条件を考慮すると、全無機質充填剤中で10重量%以上(10〜100重量%)、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%とすることが望ましい。非結晶性のシリカ・チタニア混融体の配合量がこの範囲にない場合は温度によって硬化物が不透明になるおそれがある。またこの非結晶性のシリカ・チタニア混融体を含めた全無機質充填剤の添加量は、これ以外の成分の総量を100重量部とする場合、50〜1000重量部、特に100〜500重量部とすることが望ましい。無機質充填剤の添加量が上記範囲よりも少ない場合は硬化物の耐熱性・耐湿性・低応力性等の低下を招くおそれがあり、また上記範囲よりも多い場合は未硬化物の粘度が著しく増大し、作業性の低下を招くおそれがある。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に(D)成分として硬化剤を添加することができる。硬化剤の具体例としては、酸無水物、フェノール樹脂、アミン化合物等が挙げられるが、硬化物の透明性を考慮すると酸無水物が望ましい。この酸無水物の種類は特に限定されないが、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸無水物等の脂環式酸無水物等を用いることが望ましい。
【0027】
この酸無水物の配合量は、特に制限されないが、当量比でエポキシ樹脂/酸無水物=100/50〜100/200、特に100/80〜100/125とすることが望ましい。酸無水物がこの範囲にない場合は、硬化不良により耐湿性・耐熱性の低下を招くおそれがある。
【0028】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で難燃化剤、カップリング剤、熱可塑性樹脂その他の添加剤を配合することが可能である。
【0029】
本発明のエポキシ樹脂組成物を製造する場合において、各成分の配合順序は特に制限されない。また混合方法についても特に制限されず、例えば予め配合した各成分を2軸ロール、3軸ロール、ニーダー、各種のミキサー等により混合し、また必要に応じて加熱混合してもよい。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、固形あるいは液状の形態で得られる。固形の場合は顆粒状、タブレット状、あるいはフィルム状で使用され、また液状の場合はシリンジ等の容器に充填された形態で使用される。なお、エポキシ樹脂組成物の硬化条件は、通常、100〜150℃で1〜6時間程度でよい。
【0031】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化物が高い透明性を有し、またそれを様々な温度環境において維持することから、特に光半導体装置に好適に用いられる。具体的には発光素子、受光素子の封止材用途、光通信型IC・LSIの界面接着剤用途等が挙げられる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化物が様々な温度環境下において高い透明性を維持し、かつ耐熱性・耐湿性・低応力性に優れる。またこれを光半導体封止用、具体的には発光素子、受光素子の封止材用途、光通信型IC・LSIの界面接着剤用途として用いることにより様々な温度環境下において有効に機能する。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0034】
[実施例1〜3、比較例1,2]
エポキシ樹脂A,B、硬化促進剤(2E4MZ 2−エチル−4−メチルイミダゾール)、表1に示す無機質充填剤(ゾル−ゲル法により得られた非結晶性のシリカ・チタニア混融体)A乃至D、硬化剤(4MTHPA 4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸)を表2に示すように各原料を配合、均一混合した。
【0035】
このエポキシ樹脂組成物を10mm×50mm×0.1mm(光路長)の大きさで100℃/1時間+150℃/4時間の条件で硬化し、測定用試料(図1)を作成した。
【0036】
また、エポキシ樹脂組成物を10mm×10mm×0.1mmの大きさでBT基板上に塗布し、これにSiチップ(10mm×10mm×0.3mm)をのせ、100℃/1時間+150℃/4時間の条件で硬化することにより半導体装置(図2)を作成した。
【0037】
これらのエポキシ樹脂組成物について以下の(a)乃至(d)に示す試験を行った。結果を表2に併記する。
【0038】
(a)屈折率と温度変化係数
無機質充填剤を除くエポキシ樹脂組成物の硬化物は、上記に示すエポキシ樹脂組成物の硬化物と同様の条件にて図1に示すような測定用試料を作成し、屈折率nAの測定を行った。無機質充填剤はジメチルスルホキシド(nD=1.4783/25℃)と1−クロロナフタレン(nD=1.6305/25℃)の混合溶剤中に(無機質充填剤/混合溶剤)=50/50(重量比)の割合で浸し、1600nm、900nm、600nmの各波長において99.9%以上の光透過率が得られる場合の混合試料の屈折率nCを測定した。屈折率測定はいずれも25℃(=T1)と100℃(=T2)において行い、下記式(3)により温度変化係数fA及びfCを算出した。なお、混合溶剤における各溶剤の混合比は1点ではなく、多種類の混合比率の混合溶剤を準備し、その中に無機質充填剤を分散させ、透明な系が得られた場合の該混合溶剤の屈折率を無機質充填剤の屈折率とした。
f={n(T2)/n(T1)−1}/(T2−T1) (3)
【0039】
(b)光透過率
図1の測定用試料について25℃、100℃の温度条件、1600nm、900nm、600nmの波長で光透過率を測定した。
【0040】
(c)吸湿耐半田クラック性
図2の半導体装置を121℃/100%RH/2atm雰囲気中に24時間放置した。これを240℃の半田浴に10秒間浸漬し、クラック発生装置数/総装置数を測定した。
【0041】
(d)耐温度サイクル性
図2の半導体装置を240℃の半田浴に10秒間浸漬し、次に液体窒素に10秒間浸漬した。これを10回繰り返した後にクラック発生装置数/総装置数を測定した。
【0042】
【化5】
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
* 式(1):[{2(nA 2+nC 2)−(nA+nC)2}/2]1/2
** 式(2):[{2(fA 2+fC 2)−(fA+fC)2}/2]1/2
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例における屈折率及び光透過率測定の概略図である。
【図2】本発明の実施例及び比較例における半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1 BT基板
2 エポキシ樹脂組成物
3 ICチップ
Claims (3)
- (A)下記一般式(6)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂を25〜100重量%含有するエポキシ樹脂、
(B)硬化促進剤、
(C)アルコキシシランとアルコキシチタンとをモル比99:1〜50:50で用いてゾル・ゲル法により得られた非晶質のシリカ・チタニア混融体を50〜100重量%含有する無機充填剤
を必須成分とし、下記式(1)及び(2)の両方を満たすことを特徴とする光透過性エポキシ樹脂組成物。
[{2(nA 2+nC 2)−(nA+nC)2}/2]1/2<3.0×10-3 (1)
[{2(fA 2+fC 2)−(fA+fC)2}/2]1/2<1.0×10-5 (2)
(但し、nA:T1℃での(C)成分を除いた組成物の硬化物の屈折率
nC:T1℃での(C)成分の屈折率
fA:(C)成分を除いた組成物の硬化物の屈折率の温度変化係数
fC:(C)成分の屈折率の温度変化係数
を示し、温度変化係数は、
f={n(T2)/n(T1)−1}/(T2−T1) (3)
(n(T1)はT1℃の屈折率、n(T2)はT2℃の屈折率であり、T1<T2である。) - 更に(D)成分として酸無水物硬化剤を含有する請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物にて封止された半導体装置。
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