JPH0741544A - エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

Info

Publication number
JPH0741544A
JPH0741544A JP19124893A JP19124893A JPH0741544A JP H0741544 A JPH0741544 A JP H0741544A JP 19124893 A JP19124893 A JP 19124893A JP 19124893 A JP19124893 A JP 19124893A JP H0741544 A JPH0741544 A JP H0741544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
particles
silica
based oxide
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19124893A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kato
寛 加藤
Satoshi Fuchigami
智 渕上
Namihiro Okabayashi
南洋 岡林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP19124893A priority Critical patent/JPH0741544A/ja
Publication of JPH0741544A publication Critical patent/JPH0741544A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)硬化性エポキシ樹脂および硬化剤から
なる硬化性成分80〜10重量部、ならびに(B)ジル
コニアを1〜30モル%含む非晶質シリカ系酸化物粒子
20〜90重量部を含有してなり、硬化性成分の硬化体
と非晶質シリカ系酸化物粒子との屈折率の差が±0.0
2以内であることを特徴とする光透過性材料用エポキシ
樹脂組成物、ならびに光半導体が該エポキシ樹脂組成物
の硬化体で封止された光半導体装置である。 【効果】 本発明の光透過材料用エポキシ樹脂組成物の
硬化体は、従来の無機充填材を含有した光透過材料用エ
ポキシ樹脂組成物の硬化体に比べて耐湿性に優れてい
る。そのため、本発明によってなされる光半導体を封止
した光半導体装置は、従来に比べて吸水による装置の劣
化を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光透過性材料、特に光透
過性の封止材に好適なエポキシ樹脂組成物と該組成物の
硬化体で封止した光半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体の封止材としてエポキ
シ樹脂が用いられ、これらには樹脂の物性改良のため、
シリカ粒子などの充填材が混合される場合が多い。特
に、高集積メモリ素子用の封止材には、α線の発生を避
けるために純度の高いシリカ粒子が用いられる。例え
ば、特開昭62ー235362には、封止材の充填材に
含まれるジルコニウム化合物及び鉄化合物の含有率が1
00ppm以下であることを特徴とする封止材が開示さ
れている。
【0003】一方、ジルコニウム化合物を積極的に封止
材の充填材として用いようとする場合もあり、例えば、
特開平2ー140224には、ケイ酸ジルコニウムを含
有することを特徴とする高熱放散性のエポキシ樹脂成形
組成物が記載されている。この場合、ケイ酸ジルコニウ
ムを充填材とすることによって、高集積メモリより発生
する熱を効率よく放散させることを目的としている。こ
こで使われるケイ酸ジルコニウムは結晶性であるため、
光透過性材料用の充填材に用いても光透過性は示さな
い。
【0004】通常の半導体の封止には、前記の通りシリ
カ粒子を充填材として含むエポキシ樹脂系の封止材が用
いられるが、光半導体の封止には光透過性が求められる
ため充填材を含まないエポキシ樹脂が用いられている。
しかし、最近では屈折率が調整された無機粒子が充填材
として開発されたので、充填材を含む光透過性封止材の
作製が可能になり、その実用化が検討されている。この
ような充填材を含有した光透過性封止材は、充填材を含
まないものに比べて熱膨張係数が低いので、該封止材で
封止された光半導体装置の耐熱性や信頼性が高くなるこ
とが期待されるほか、その耐湿性も向上することが期待
される。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】ところが、従来の屈
折率が調製された充填材を用いた光透過性封止材では、
耐湿性が悪いため、高温に曝されたときに封止材内部の
水分が膨張しパッケージクラックを引き起こしたり、封
止材中に吸水した水分のために絶縁性が低下したりする
という問題点があった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、屈折率
が調整された無機粒子を充填材とする光透過性の封止材
について上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ジル
コニアを1〜30モル%含む非晶質シリカ系酸化物粒子
を充填材とすることにより、光透過性の封止材の耐湿性
が向上することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、(A)硬化性エポキシ樹
脂および硬化剤からなる硬化性成分80〜10重量部、
ならびに(B)ジルコニアを1〜30モル%含む非晶質
シリカ系酸化物粒子20〜90重量部を含有してなり、
硬化性成分の硬化体と非晶質シリカ系酸化物粒子との屈
折率の差が±0.02以内であることを特徴とする光透
過性材料用エポキシ樹脂組成物である。
【0008】他の発明は、光半導体が上記エポキシ樹脂
組成物の硬化体で封止された光半導体装置である。
【0009】本発明で用いられる硬化性エポキシ樹脂
は、硬化性のエポキシ基を有する光透過性の樹脂であ
り、公知のものが特に制限なく用いられる。
【0010】例えば、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹
脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、フェノ−ルノボ
ラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型
エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グ
リシジルアミン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹
脂等のエポキシ樹脂がある。
【0011】本発明で用いられる硬化剤は、硬化性エポ
キシ樹脂の重合及び架橋を進めるもので、公知のものが
特に制限なく使用される。代表的な硬化剤を例示すれ
ば、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を代表とする
酸無水物と2−メチルイミダゾールを代表とするイミダ
ゾール系化合物等を挙げることができる。両硬化剤は単
独で用いても良いし、両者を併用しても良い。
【0012】酸無水物としては、4−メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸の他に、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水ピロメリ
ット酸、無水メチルナジック酸などが挙げられる。該酸
無水物の硬化性エポキシ樹脂に対する配合量は、公知の
範囲が特に制限なく採用される。一般には、前記硬化性
エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してカルボキシル
基換算で0.5〜1.5当量の範囲となるように硬化剤
を使用することが好ましい。
【0013】もう一つの代表的な硬化剤であるイミダゾ
ール系化合物としては、2−メチルイミダゾ−ルの他
に、2、4−ジヒドラジノ−6−メチルアミノ−S−ト
リアジン、2ーエチル−4−メチルイミダゾ−ルなどの
化合物が挙げられる。該イミダゾール系化合物の硬化性
エポキシ樹脂に対する配合量は、公知の範囲が特に制限
なく採用される。一般には、前記硬化性エポキシ樹脂と
酸無水物の合計量に対して0.1〜10重量%の範囲で
使用することが好ましい。
【0014】この他にも、通常硬化促進剤と呼ばれてい
るフッ化ホウ素、オニウム塩等をイミダゾール系化合物
の替わりに用いることもできる。
【0015】本発明で用いられるジルコニアを1〜30
モル%含む非晶質シリカ系酸化物粒子(以下、シリカ系
酸化物粒子という)とは、少なくともジルコニアを1〜
30モル%含み他はシリカを主な構成成分とする複合酸
化物粒子であり、シリカとジルコニア以外の他の金属酸
化物をシリカ系酸化物粒子中20モル%程度まで含んで
いても良い。
【0016】上記他の金属酸化物としては、例えば、シ
リカ及びジルコニアと複合化可能な周期律表第II族、
第III族及び第IV族の群から選ばられた一種または
二種以上の金属の酸化物を挙げることができる。他の金
属酸化物を具体的に例示すれば、酸化マグネシウム、酸
化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸
化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ハフニ
ウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化鉛等である。
【0017】本発明のシリカ系酸化物粒子は、ケイ素と
ジルコニウムが、さらに場合によっては上記他の金属が
酸素を介して無秩序に化学的に結合した非晶質状態、或
は、前記非晶質物質中にジルコニア及び場合によっては
上記他の金属酸化物の一部が微結晶として該粒子中に分
散した状態で存在するもので、各成分を物理的に分離す
ることはできない。後者のように、シリカ系酸化物粒子
中にジルコニア及び場合によっては上記他の金属の酸化
物の一部が微結晶として析出している場合、微結晶の大
きさは小さいほど良く、100nm以下、好ましくは5
0nm以下、さらに好ましくは20nm以下が望まし
い。微結晶の大きさは、透過型電子顕微鏡の撮影像から
知ることもできるし、粉末X線回折法によって測定され
る半価幅から計算によって求めることもできる。なお、
上述のように、X線的には一部結晶質の物質を含んでい
る場合でも、本発明では非晶質シリカ系酸化物粒子と呼
称する。
【0018】ところで、本発明で用いるシリカ系酸化物
粒子は、ジルコニアを1〜30モル%含むが、該粒子中
に含まれるジルコニアの存在の仕方には二つの態様があ
る。即ち、該粒子中に均一に存在する場合と該粒子の表
層部に選択的に存在する場合の二つである。本発明の目
的であるエポキシ硬化体の耐湿性の向上のためには、表
層部のみに選択的にジルコニア含有層を形成させるのは
効果的である。そのためには、例えば、シリカとシリカ
以外の金属酸化物よりなるコア粒子の表層部に、シリカ
とジルコニアよりなる被覆層を形成させれば良い。この
とき、コア粒子中の金属酸化物の含有率と被覆層中のジ
ルコニアの含有率をそれぞれ調整することによってコア
粒子と被覆層の屈折率を一致または限りなく近づけるこ
とができるので、光学的には透明な粒子とすることがで
きる。また、上記それぞれの含有率を調整することによ
って光透過性エポキシ硬化体の屈折率と一致させること
ができるので、透明な封止材を作ることができる。な
お、上述のように表層部のみにジルコニア含有層を形成
させた場合には、シリカ系酸化物粒子中のジルコニアの
含有量は少なくて済むという特徴がある。
【0019】該シリカ系酸化物粒子を光透過性材料用エ
ポキシ樹脂組成物の充填材に利用する場合には、該粒子
の屈折率を、粒子を含まないエポキシ樹脂硬化体(以
下、無充填硬化体という)の屈折率に一致または限りな
く近づけることが好ましい。
【0020】無充填硬化体の屈折率は、用いる硬化性エ
ポキシ樹脂や硬化剤の種類によって異なり、およそ1.
5〜1.7の範囲にある。一方、純粋なシリカの屈折率
は、1.44〜1.46程度である。そのため、シリカ
の屈折率を無充填硬化体の屈折率に合わせるために、シ
リカより屈折率の高いジルコニア、チタニア、酸化スト
ロンチウム、酸化ハフニウム、酸化錫等の金属酸化物を
シリカと複合化させ、屈折率を調整する。屈折率の値
は、複合化する酸化物の含有率を調整することによって
任意の値を得ることができる。但し、後述するように、
硬化体の耐湿性を向上させるために、ジルコニアを一成
分として含むことが必須である。したがって、本発明の
シリカ系酸化物粒子の屈折率をより効果的に調整するた
めには、シリカとジルコニアのみよりなる二成分系より
も、ジルコニアよりも物質固有の屈折率が高い酸化物、
例えばチタニアを第三成分として含む三成分系のシリカ
系酸化物粒子とするのが有効である。
【0021】本発明で用いるシリカ系酸化物粒子の構成
成分の一つであるジルコニアの含有率は、1〜30モル
%の範囲である。ここでいうジルコニアの含有率とは、
シリカ系酸化物粒子を構成する金属酸化物(シリカを含
む)の総モル数(但し、金属1に対して酸素をXと表記
したときのモル数を用いる。例えば、酸化アルミニウム
の場合は、AlO3/2)に対するジルコニアの割合をい
う。
【0022】ジルコニアの含有率が1モル%より少ない
と、光透過性材料用エポキシ樹脂組成物の硬化体(以
下、光透過性エポキシ硬化体という)の耐湿性の向上と
いう本発明の効果が充分に発揮されない場合がある。一
方、30モル%を超えると、シリカ系酸化物粒子中のジ
ルコニアが結晶化し易くなるため、本発明の光透過性エ
ポキシ硬化体の光透過性が低下する場合がある。
【0023】本発明におけるシリカ系酸化物粒子の形状
は、特に制限されるものではなく、球状、不定形、ある
いは、それらの混合物であっても良い。ただし、エポキ
シ樹脂組成物の流動性や作業性、あるいは光透過性エポ
キシ硬化体の光透過性や表面滑沢性の面では、球状であ
ることが好ましい。さらに、該粒子の大きさは、特に制
限されるものではないが、該粒子の平均粒子径は小さい
ほど光透過性エポキシ硬化体の光透過性は高くなる傾向
にある。ところが、平均粒子径が小さくなり過ぎると、
エポキシ樹脂組成物の粘度が大きくなり、混練、成形が
困難になる。このため、平均粒子径は0.05〜20μ
mの範囲、好ましくは0.1〜5μmの範囲、さらに好
ましくは0.1〜1μmの範囲である。さらに、平均粒
子径が大きいほど、光透過性エポキシ硬化体の光透過性
の温度依存性が大きくなるため、発熱などを伴う箇所で
用いる場合には、平均粒子径が0.1〜0.6μmの範
囲のものを用いるのが好ましい。なお、該粒子は、平均
粒子径が異なる二種以上のものを混合して使用しても良
い。
【0024】シリカ系酸化物粒子の製造方法は、公知の
方法が特に制限なく採用される。例えば、ゾル−ゲル
法、粉砕−分級法、共沈法等を挙げることができる。
【0025】特に代表的な製造方法を例示すれば、部分
的に加水分解したシリコンアルコキシド化合物とジルコ
ニウムアルコキシド化合物を、さらに場合によっては、
第三の金属アルコキシド化合物を混合した混合溶液を
得、該混合溶液をアルカリ性または酸性の含水有機溶媒
中で加水分解するゾルーゲル法を挙げることができる。
この場合、前記アルコキシド化合物の配合比を調節する
ことにより、得られるシリカ系酸化物粒子の屈折率を自
由に調節することができる。このとき、前記含水有機溶
媒がアルカリ性の場合には、単分散性の高い球状粒子を
得ることができ、酸性の場合には、塊状物が得られるの
で微粉砕することによって不定形粒子を得ることができ
る。
【0026】また、前述の粒子の表層部のみに選択的に
ジルコニア含有層を形成させたシリカ系酸化物粒子を製
造するには、公知の方法が特に制限なく採用できる。例
えば、金属アルコキシド化合物をコア粒子の表層部で選
択的に加水分解させる方法、金属酸化物のゾルをコア粒
子に吸着させる方法、金属塩を原料にコア粒子の表層部
に酸化物層を形成させる方法などが挙げられる。このう
ち特に代表的な製造方法を例示すれば、金属アルコキシ
ド化合物をコア粒子の表層部で選択的に加水分解させる
方法が挙げられる。この方法は、コア粒子を適当な含水
有機溶媒中に分散させた後、部分的に加水分解したシリ
コンアルコキシド化合物とジルコニウムアルコキシド化
合物を、さらに場合によっては、第三の金属アルコキシ
ド化合物を混合した溶液を添加してコア粒子の表層部に
選択的にジルコニア含有層を形成させる方法である。
【0027】以上のようにして製造されたシリカ系酸化
物粒子は、粒子の緻密化、シラノ−ル基の低減等のため
に、加熱することが好ましい。加熱温度は、700〜1
300℃の範囲、好ましくは900〜1200℃の範
囲、さらに好ましくは1000〜1100℃の範囲であ
る。加熱温度が700℃よりも低いと、前記の目的であ
るシリカ系酸化物粒子の緻密化やシラノール基の低減の
効果が少ない。1300℃よりも高いと、シリカ系酸化
物粒子同志が焼結したり、シリカ系酸化物粒子中に大き
な結晶が析出し、該粒子を用いた光透過性エポキシ硬化
体の光透過性が低下する場合がある。加熱に要する時間
は、特に制限されず1〜20時間の範囲から適宜選択す
れば良い。
【0028】本発明で用いるシリカ系酸化物粒子は、エ
ポキシ樹脂組成物中での分散性を向上させるために、有
機硅素化合物、有機チタニウム化合物等の表面処理剤に
より表面処理を行なうことができる。この処理は、処理
剤を溶解させた溶液とシリカ系酸化物粒子とを接触させ
た後、該溶液中の溶媒を除去するのが一般的である。処
理剤の有機硅素化合物としては、γーグリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のア
ルコキシシラン化合物が好適であり、中でもエポキシ基
を有するものが特に好適である。
【0029】上記シリカ系酸化物粒子は、硬化性エポキ
シ樹脂及び硬化剤と混練され、本発明のエポキシ樹脂組
成物が得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物において
は、エポキシ樹脂組成物100重量部中にシリカ系酸化
物粒子が20〜90重量部分散、含有されていることが
必要である。シリカ系酸化物粒子の含有率が、20重量
部未満の場合には、光透過性エポキシ硬化体の耐湿性、
耐熱性等が十分ではなく、また、90重量部を越える場
合には、光透過性エポキシ樹脂組成物の流動性、および
取扱性が低下する。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、無
機充填材を含む光透過性エポキシ硬化体を作製するに
は、硬化性エポキシ樹脂および硬化剤からなる硬化性成
分の硬化体(無充填硬化体)とシリカ系酸化物粒子との
波長589nmにおける屈折率の差が±0.02以内で
あることが必要である。
【0031】屈折率の測定には、それぞれ次のような方
法を採用することができる。無充填硬化体の方は、縦2
5mmX横8mmX厚み4mm程度の大きさの表面研磨
した試験片を作製し、アッベの屈折率計を用いて所定の
波長における屈折率を直接、測定する。一方、シリカ系
酸化物粒子の方は、屈折率が異なる種々の25℃の液に
懸濁させ、所定の波長の光に対して懸濁液の透過率が最
も高い懸濁液の屈折率をアッベの屈折率計によって間接
的に測定する。以上のようにして、無充填硬化体とシリ
カ系酸化物粒子の各々の屈折率を知ることができる。
【0032】これら二つの屈折率の差が±0.02以
内、好ましくは±0.01以内、さらに好ましくは±
0.005以内であれば、シリカ系酸化物粒子を充填剤
として含有した光透過性エポキシ硬化体の光透過率を高
くすることができる。ところで、特定の波長の光に対し
て該光透過性エポキシ硬化体の光透過率を高めるには、
該特定の波長における上記屈折率差を最小にするように
エポキシ硬化体またはシリカ系酸化物粒子の屈折率を調
製すれば良い。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物には、硬化性
エポキシ樹脂と硬化剤ならびにシリカ系酸化物粒子が含
まれるが、これら以外に必要に応じて、酸化防止剤、希
釈剤、可塑性付与剤、難燃剤、紫外線吸収剤、顔料等を
配合することができる。
【0034】本発明において、シリカ系酸化物粒子と硬
化性エポキシ樹脂および硬化剤との混合方法は特に限定
されず、公知の方法が制限なく採用される。例えば、室
温または加熱下に、自動擂潰機、ニーダー、乳鉢、アト
ライタ、ローラー、押し出し機等を使用してシェアをか
けながら混練する方法が好適である。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物は、シリカ系
酸化物粒子と硬化性エポキシ樹脂および硬化剤を主成分
とするため、硬化前には一般にペースト状、粉末状、ま
たは固形状である。即ち、室温で液状の硬化性エポキシ
樹脂を使用した場合には、得られる樹脂組成物が一般に
ペースト状であり、また、室温でペースト状または固形
状の硬化性エポキシ樹脂を用いた場合には、得られる樹
脂組成物が粉末状、顆粒状、または、固形状である。
【0036】本発明のエポキシ樹脂組成物において、シ
リカ系酸化物粒子が該組成物中に凝集状態で存在する場
合には、得られる硬化体の耐湿性が低下したり、光透過
性が低下する場合がある。そのため、光透過性エポキシ
樹脂組成物中の凝集粒子は、上記混合方法等により、で
きるだけ凝集を解くことが好ましい。また、光透過性エ
ポキシ硬化体中に存在する気泡も耐湿性や透明性を低下
させる原因となるので、該気泡を除去することが好まし
い。
【0037】本発明のエポキシ樹脂組成物は、公知の方
法により硬化させることができる。特に好適な硬化条件
を例示すれば、加圧下、または、常圧下に80〜180
℃の温度で1〜30時間加熱する方法が挙げられる。
【0038】本発明の光透過性エポキシ硬化体は、波長
589nmの光透過率が20%以上または波長900n
mの光透過率が20%以上である。光透過率は、実施例
で記述するように、厚さ4mmの試験片を用いた場合の値
である。なお、上記値は、エポキシ硬化体が顔料を含
み、且つ上記589nmまたは900nmの波長に該顔
料の吸収波長が重なる場合は、該吸収による数値を補正
した値をいう。
【0039】本発明のエポキシ樹脂組成物は、光半導体
の封止用に好適に使用でき、その成形方法は、公知のも
のを制限なく使用できる。例えば、硬化前の組成物が液
状であるならば、ポッティング法、キャスティング法
が、固形であるならば、トランスファ−法、インジェク
ション法が使用できる。
【0040】
【発明の効果】従来、屈折率が調整された無機粒子を充
填材とする封止材では、耐湿性が充分でないという問題
点があったが、本発明では、充填材としてジルコニアを
1〜30モル%含む非晶質シリカ系酸化物粒子を用いる
ことによって、耐湿性が向上した。こうした光透過性材
料用のエポキシ樹脂組成物は、光半導体の封止材として
有用であるばかりでなく、光ファイバー等の光透過性を
必要とする部材の接着剤やシーリング材としても有用で
ある。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例及び比較例における各種測定ならび
に粒子の製造は、下記の方法により行なった。
【0042】(1)平均粒子径 走査型電子顕微鏡の撮影像より求めた。
【0043】(2)屈折率の測定 シリカ系酸化物粒子の屈折率は、所定量の粒子を屈折率
が異なる種々の25℃の液に懸濁させ、波長589nm
の光に対して懸濁液の透過率が最も高い懸濁液の屈折率
をアッベの屈折率計を用いて波長589nm、25℃に
おける屈折率を測定した。無充填硬化体の屈折率は、縦
25mmX横8mmX厚み4mm程度の大きさの表面研
磨した試験片を作製し、アッベの屈折率計を用いて波長
589nm、25℃における屈折率を測定した。
【0044】(3)硬化体の光透過性 厚さ4mmの板状の光透過性エポキシ樹脂組成物の硬化
体を作製し、該硬化体の光透過率を分光光度計で測定し
た。
【0045】(4)耐湿性の評価 耐湿性の指標として下記のようにして吸水率を求めた。
30×15×4mmの光透過性エポキシ樹脂組成物の硬
化体を大気圧下の沸騰水中に20時間保存した。保存前
後の重量変化より、下記式によって吸水率を求めた。
【0046】A={(Wb−Wa)/Wa}×100 A:吸水率(重量%) Wa:沸騰水中に保存前の試験片の重量(g) Wb:沸騰水中に保存後の試験片の重量(g) (非晶質シリカ系酸化物粒子の製造) 製造例1 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
イソプロパノール350g、およびアンモニア水(25
重量%)150gを仕込み、反応液を調製し、反応液の
温度を40℃に保持しつつ攪拌した。
【0047】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)778.7g
を仕込み、撹拌しながら、メタノール340gと0.1
重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を
1/1000に水で希釈)48gを加え、約10分間撹
拌した。続いて、ジルコニウムテトラブトキシド(Zr
(OBu)4、日本曹達(株)、品名;TBZR)39
3.9gをイソプロパノール530gで希釈した液を加
え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコキシドとジ
ルコニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得た。
【0048】上記均一溶液2092gとアンモニア水
(25重量%)720gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、それぞれ独立して8時間かけて同時に滴下し
た。滴下終了後、得られた加水分解物をろ過し、150
℃で乾燥したところ、約410gの加水分解物が得られ
た。得られた加水分解物を1050℃で10時間、空気
中で焼成した後、十分に解砕し白色の微粉末を得た。該
粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径
0.4μmの極めて単分散性の高い球状粒子(以下、粒
子(A)という)であった。該粒子(A)中のジルコニ
アの含有率(ZrO2/(ZrO2+SiO2))は、仕
込み組成より14.8モル%、蛍光X線分析の結果は1
4.6モル%であった。該粒子の屈折率は1.541で
あった。
【0049】製造例2 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
イソプロパノール350g、およびアンモニア水(25
重量%)150gを仕込み、反応液を調製し、反応液の
温度を40℃に保持しつつ攪拌した。
【0050】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)790.1g
を仕込み、撹拌しながら、メタノール311gと0.1
重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を
1/1000に水で希釈)44gを加え、約10分間撹
拌した。続いて、ジルコニウムテトラブトキシド(Zr
(OBu)4、日本曹達(株)、品名;TBZR)18
0.3gとチタニウムテトライソプロポキシド(Ti
(O−i−Pr)4、日本曹達(株)、品名;A−1
(TPT))115.0gをイソプロパノール490g
で希釈した液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラ
アルコキシドとジルコニウムテトラアルコキシドならび
にチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得た。
【0051】上記均一溶液1927gとアンモニア水
(25重量%)720gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、8時間かけてそれぞれ独立して同時に滴下し
た。滴下終了後、得られた加水分解物をろ過し、150
℃で乾燥したところ、約390gの加水分解物が得られ
た。得られた加水分解物を1050℃で10時間、空気
中で焼成した後、十分に解砕し白色の微粉末を得た。該
粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径
0.4μmの極めて単分散性の高い球状粒子(以下、粒
子(B)という)であった。該粒子(B)中のジルコニ
アの含有率(ZrO2/(ZrO2+TiO2+Si
2))は仕込み組成より6.8モル%、蛍光X線分析
の結果は6.7モル%、チタニアの含有率(TiO2
(ZrO2+TiO2+SiO2)は仕込み組成より6.
8モル%、蛍光X線分析の結果は6.8モル%であっ
た。該粒子の屈折率は1.542であった。
【0052】製造例3 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
イソプロパノール350g、およびアンモニア水(25
重量%)150gを仕込み、反応液を調製し、反応液の
温度を40℃に保持しつつ攪拌した。
【0053】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)790.1g
を仕込み、撹拌しながら、メタノール311gと0.1
重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を
1/1000に水で希釈)44gを加え、約10分間撹
拌した。続いて、ジルコニウムテトラブトキシド(Zr
(OBu)4、日本曹達(株)、品名;TBZR)9
0.1gとチタニウムテトライソプロポキシド(Ti
(O−i−Pr)4、日本曹達(株)、品名;A−1
(TPT))172.5gをイソプロパノール490g
で希釈した液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラ
アルコキシドとジルコニウムテトラアルコキシドならび
にチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得た。
【0054】上記均一溶液1895gとアンモニア水
(25重量%)720gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、8時間かけてそれぞれ独立して同時に滴下し
た。滴下終了後、得られた加水分解物をろ過し、150
℃で乾燥したところ、約380gの加水分解物が得られ
た。得られた加水分解物を1050℃で10時間、空気
中で焼成した後、十分に解砕し白色の微粉末を得た。該
粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径
0.4μmの極めて単分散性の高い球状粒子(以下、粒
子(C)という)であった。該粒子(C)中のジルコニ
アの含有率(ZrO2/(ZrO2+TiO2+Si
2))は仕込み組成より3.4モル%、蛍光X線分析
の結果は3.3モル%、チタニアの含有率(TiO2
(ZrO2+TiO2+SiO2)は仕込み組成より1
0.1モル%、蛍光X線分析の結果は10.2モル%で
あった。該粒子の屈折率は1.546であった。
【0055】製造例4 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
メタノール140g、イソプロパノール260g、およ
びアンモニア水(25重量%)100gを仕込み、反応
液を調製し、反応液の温度を40℃に保持しつつ攪拌し
た。
【0056】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)717.2g
を仕込み、撹拌しながら、メタノール265gと0.1
重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を
1/1000に水で希釈)37.2gを加え、約10分
間撹拌した。続いて、チタニウムテトライソプロポキシ
ド(Ti(O−i−Pr)4、日本曹達(株)、品名;
A−1(TPT))195.7gをイソプロパノール4
14gで希釈した液を加え、透明な均一溶液(シリコン
テトラアルコキシドとチタニウムテトラアルコキシドの
共縮合物)を得た(溶液A)。
【0057】一方、500ミリリットルの三角フラスコ
に、シリコンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コ
ルコート(株)、商品名;メチルシリケート39)7
7.9gを仕込み、撹拌しながら、メタノール34gと
0.1重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業
(株)を1/1000に水で希釈)4.8gを加え、約
10分間撹拌した。続いて、ジルコニウムテトラブトキ
シド(Zr(OBu)4、日本曹達(株)、品名;TB
ZR)39.4gをイソプロパノール53gで希釈した
液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコキシ
ドとジルコニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得
た(溶液B)。
【0058】上記溶液A1628gとアンモニア水(2
5重量%)480gの各々を前記反応液中に、最初は滴
下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大きくし
て、それぞれ独立して約7時間かけて同時に滴下した
(コア粒子の合成)。溶液Aの滴下終了後、30分間待
って、続いて溶液B209gを2時間かけて滴下した
(被覆層の形成)。滴下終了後、得られた加水分解物を
ろ過し、150℃で乾燥したところ、約370gの加水
分解物が得られた。得られた加水分解物を1050℃で
10時間、空気中で焼成した後、十分に解砕し白色の微
粉末を得た。該粉末を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒子径0.4μmの極めて単分散性の高い球状
粒子(以下、粒子(D)という)であった。なお、溶液
Bの滴下開始前と滴下終了後のそれぞれの粒子径の変化
は、走査型電子顕微鏡による観察では、余りにも粒子径
の変化が小さすぎて実測は不可能であったが、溶液Bの
滴下終了後には、滴下前と全く同様に0.4μmの粒子
以外には新たな小粒子の発生は認められず、溶液Bの生
成物は全て粒子表面の被覆層の生成に費やされたと考え
られる。したがって、被覆層の厚みは理論計算より約7
nmであった。また、該粒子(D)のコア粒子中のチタ
ニアの含有率(TiO2/(TiO2+SiO2)は、仕
込組成より12.8モル%、被覆層のジルコニアの含有
率(ZrO2/(ZrO2+SiO2)は14.8モル%
であった。該粒子(D)全体に対するジルコニアの含有
率(ZrO2/(ZrO2+TiO2+SiO2))は仕込
み組成より1.5モル%、蛍光X線分析の結果は1.5
モル%、チタニアの含有率(TiO2/(ZrO2+Ti
2+SiO2)は仕込み組成より11.5モル%、蛍光
X線分析の結果は11.4モル%であった。該粒子の屈
折率は1.542であった。
【0059】製造例5 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
メタノール140g、イソプロパノール260g、およ
びアンモニア水(25重量%)100gを仕込み、反応
液を調製し、反応液の温度を40℃に保持しつつ攪拌し
た。
【0060】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)796.9g
を仕込み、撹拌しながら、メタノール290gと0.1
重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を
1/1000に水で希釈)41gを加え、約10分間撹
拌した。続いて、チタニウムテトライソプロポキシド
(Ti(O−i−Pr)4、日本曹達(株)、品名;A
−1(TPT))217.3gをイソプロパノール46
0gで希釈した液を加え、透明な均一溶液(シリコンテ
トラアルコキシドとチタニウムテトラアルコキシドの共
縮合物)を得た。
【0061】上記均一溶液1809gとアンモニア水
(25重量%)480gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、それぞれ独立して8時間かけて同時に滴下し
た。滴下終了後、得られた加水分解物をろ過し、150
℃で乾燥したところ、約370gの加水分解物が得られ
た。得られた加水分解物を1050℃で10時間、空気
中で焼成した後、十分に解砕し白色の微粉末を得た。該
粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径
0.4μmの極めて単分散性の高い球状粒子(以下、粒
子(E)という)であった。該粒子(E)中のチタニア
の含有率(TiO2/(TiO2+SiO2))は仕込み
組成より12.8モル%、蛍光X線分析の結果は12.
7モル%であった。該粒子の屈折率は1.544であっ
た。
【0062】製造例6 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
イソプロパノール350g、およびアンモニア水(25
重量%)150gを仕込み、反応液を調製し、反応液の
温度を40℃に保持しつつ攪拌した。
【0063】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)730.7g
を仕込み、撹拌しながら、メタノール460gと0.1
重量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を
1/1000に水で希釈)65gを加え、約10分間撹
拌した。続いて、ジルコニウムテトラブトキシド(Zr
(OBu)4、日本曹達(株)、品名;TBZR)53
4.2gをイソプロパノール720gで希釈した液を加
え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコキシドとジ
ルコニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得た。
【0064】上記均一溶液2512gとアンモニア水
(25重量%)720gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、それぞれ独立して9時間かけて同時に滴下し
た。滴下終了後、得られた加水分解物をろ過し、150
℃で乾燥したところ、約430gの加水分解物が得られ
た。得られた加水分解物を1050℃で10時間、空気
中で焼成した後、十分に解砕し白色の微粉末を得た。該
粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子径
0.4μmの極めて単分散性の高い球状粒子(以下、粒
子(F)という)であった。該粒子(F)中のジルコニ
アの含有率(ZrO2/(ZrO2+SiO2))は仕込
み組成より20.0モル%、蛍光X線分析の結果は2
0.1モル%であった。該粒子の屈折率は1.571で
あった。
【0065】実施例1〜6 製造例1〜5で製造した各非晶質シリカ系酸化物粒子を
表1に記載の組成で配合したエポキシ樹脂組成物を以下
に示す方法で調製、硬化させ、その硬化体の各種物性を
測定した。これらの物性を表1に合わせて示す。
【0066】ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社、エピコート827)100重量部、4
−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(東京化成製)82
重量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール(油化シ
ェルエポキシ社、EMI−24)1重量部からなる樹脂
成分に対して所定量の非晶質シリカ系酸化物粒子を添加
し、乳鉢で約30分間混合した。なお、該粒子は200
℃で1時間以上乾燥させた物を用いた。次に、上記混合
物を減圧下で脱泡し、液状の充填材含有エポキシ樹脂組
成物を得た。該組成物を所定の型に注入し、100℃で
2時間、さらに155℃で3時間加熱し、充填材含有光
透過性エポキシ樹脂組成物の硬化体を得た。
【0067】尚、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂
100重量部、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸8
2重量部、および2−エチル−4−メチルイミダゾール
1重量部からなる硬化成分を上記方法に準じて硬化させ
て得られる無充填硬化体の屈折率は1.543であっ
た。
【0068】実施例7 製造例6で製造した非晶質シリカ系酸化物粒子を用い、
以下に示す方法でエポキシ樹脂組成物を調製、硬化さ
せ、その硬化体の各種物性を測定した。
【0069】ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社、エピコート1001)100重量部、
ヘキサヒドロ無水フタル酸(東京化成製)50重量部、
粒子(F)150重量部を加熱ロールミルを用いて約7
0℃で溶融混合した後、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール(油化シェルエポキシ社、EMI−24)1重量
部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。該エポキシ樹
脂組成物をトランスファー成形機を用いて厚さ4mmの
板状に成形した後、155℃で3時間加熱し、充填材含
有光透過性エポキシ樹脂組成物の硬化体を得た。該硬化
体の光透過率は、589nmでは53%、900nmで
は84%、吸水率は0.57重量%であった。
【0070】尚、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂
100重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸50重量部、
および2−エチル−4−メチルイミダゾール1重量部か
らなる硬化成分を上記方法に準じて硬化させて得られる
無充填硬化体の屈折率は1.570であった。
【0071】比較例1〜2 粒子(E)を用いて表1に記載の組成で実施例1〜6と
同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、次いで硬化さ
せた。硬化体の物性を表1に示す。
【0072】比較例3 充填材を添加せずに、実施例1〜6と同様にしてエポキ
シ樹脂組成物を調製し、次いで硬化させた。硬化体の物
性を表1に示す。
【0073】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)硬化性エポキシ樹脂および硬化剤
    からなる硬化性成分80〜10重量部、ならびに(B)
    ジルコニアを1〜30モル%含む非晶質シリカ系酸化物
    粒子20〜90重量部を含有してなり、硬化性成分の硬
    化体と非晶質シリカ系酸化物粒子との屈折率の差が±
    0.02以内であることを特徴とする光透過性材料用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】光半導体が請求項1記載のエポキシ樹脂組
    成物の硬化体で封止された光半導体装置
JP19124893A 1993-08-02 1993-08-02 エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 Pending JPH0741544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19124893A JPH0741544A (ja) 1993-08-02 1993-08-02 エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19124893A JPH0741544A (ja) 1993-08-02 1993-08-02 エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0741544A true JPH0741544A (ja) 1995-02-10

Family

ID=16271375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19124893A Pending JPH0741544A (ja) 1993-08-02 1993-08-02 エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0741544A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6310120B1 (en) * 1999-02-12 2001-10-30 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Flip-chip type semiconductor device sealing material
JP2002088223A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Shin Etsu Chem Co Ltd 光透過性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2002088222A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Shin Etsu Chem Co Ltd 光透過性エポキシ樹脂組成物及びフリップチップ型半導体装置
US6365269B1 (en) 1997-11-20 2002-04-02 Infineon Technologies Ag Plastic compositions for sheathing a metal or semiconductor body
JP2004277751A (ja) * 2004-05-18 2004-10-07 Cemedine Co Ltd 透明性に優れた湿気硬化型接着剤組成物
JP2006111823A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Nitto Denko Corp 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置
JP2007332218A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Tokuyama Corp ハードコート液
WO2009008448A1 (ja) * 2007-07-11 2009-01-15 Hitachi Chemical Company, Ltd. 回路部材接続用接着剤
JP2009263611A (ja) * 2008-04-01 2009-11-12 Hitachi Chem Co Ltd 半導体封止用フィルム状接着剤及び半導体装置の製造方法
WO2010013407A1 (ja) * 2008-07-31 2010-02-04 ダイセル化学工業株式会社 光半導体封止用樹脂組成物とこれを使用した光半導体装置
JP2010248311A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Polymatech Co Ltd 透明熱伝導性組成物及び透明熱伝導性成形体
JP2011168762A (ja) * 2009-09-30 2011-09-01 Sekisui Chem Co Ltd 半導体接合用接着剤、半導体接合用接着フィルム、半導体チップの実装方法及び半導体装置
US10611911B1 (en) 2016-05-05 2020-04-07 SolEpoxy, Inc. Epoxy resin composition with soda lime glass filler
WO2020110534A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 コニカミノルタ株式会社 封止方法、封止層、封止層形成用の混合液、封止層の製造方法及び半導体装置

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6365269B1 (en) 1997-11-20 2002-04-02 Infineon Technologies Ag Plastic compositions for sheathing a metal or semiconductor body
US6310120B1 (en) * 1999-02-12 2001-10-30 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Flip-chip type semiconductor device sealing material
JP2002088222A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Shin Etsu Chem Co Ltd 光透過性エポキシ樹脂組成物及びフリップチップ型半導体装置
JP2002088223A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Shin Etsu Chem Co Ltd 光透過性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2004277751A (ja) * 2004-05-18 2004-10-07 Cemedine Co Ltd 透明性に優れた湿気硬化型接着剤組成物
JP2006111823A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Nitto Denko Corp 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置
JP2007332218A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Tokuyama Corp ハードコート液
JP5557526B2 (ja) * 2007-07-11 2014-07-23 日立化成株式会社 回路部材接続用接着剤及び半導体装置
CN102157407A (zh) * 2007-07-11 2011-08-17 日立化成工业株式会社 电路部件连接用粘接剂的使用方法
WO2009008448A1 (ja) * 2007-07-11 2009-01-15 Hitachi Chemical Company, Ltd. 回路部材接続用接着剤
TWI425598B (zh) * 2007-07-11 2014-02-01 Hitachi Chemical Co Ltd Adhesive for connection of circuit components
JP2009263611A (ja) * 2008-04-01 2009-11-12 Hitachi Chem Co Ltd 半導体封止用フィルム状接着剤及び半導体装置の製造方法
JP5466643B2 (ja) * 2008-07-31 2014-04-09 株式会社ダイセル 光半導体封止用樹脂組成物とこれを使用した光半導体装置
WO2010013407A1 (ja) * 2008-07-31 2010-02-04 ダイセル化学工業株式会社 光半導体封止用樹脂組成物とこれを使用した光半導体装置
US8779059B2 (en) 2008-07-31 2014-07-15 Daicel Chemical Industries, Ltd. Optical semiconductor sealing resin composition and optical semiconductor device using same
JP2010248311A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Polymatech Co Ltd 透明熱伝導性組成物及び透明熱伝導性成形体
JP2011168762A (ja) * 2009-09-30 2011-09-01 Sekisui Chem Co Ltd 半導体接合用接着剤、半導体接合用接着フィルム、半導体チップの実装方法及び半導体装置
KR20120095353A (ko) * 2009-09-30 2012-08-28 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 반도체 접합용 접착제, 반도체 접합용 접착 필름, 반도체 칩의 실장 방법 및 반도체 장치
JP2011202177A (ja) * 2009-09-30 2011-10-13 Sekisui Chem Co Ltd 半導体接合用接着剤、半導体接合用接着フィルム、半導体チップの実装方法及び半導体装置
TWI475087B (zh) * 2009-09-30 2015-03-01 Sekisui Chemical Co Ltd Flip-chip bonding agent, flip-chip bonding tape, semiconductor wafer mounting method, and semiconductor device
US10611911B1 (en) 2016-05-05 2020-04-07 SolEpoxy, Inc. Epoxy resin composition with soda lime glass filler
WO2020110534A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 コニカミノルタ株式会社 封止方法、封止層、封止層形成用の混合液、封止層の製造方法及び半導体装置
TWI741405B (zh) * 2018-11-30 2021-10-01 日商柯尼卡美能達股份有限公司 封止方法、封止層、封止層形成用之混合液、封止層之製造方法及半導體裝置
JPWO2020110534A1 (ja) * 2018-11-30 2021-10-14 コニカミノルタ株式会社 封止方法、封止層、封止層形成用の混合液、封止層の製造方法及び半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0741544A (ja) エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置
US6770130B2 (en) Silica composite oxide particles and method of producing the same
CN100509987C (zh) 包封光学半导体元件的环氧树脂组合物和光学半导体器件
JP4841880B2 (ja) 無機酸化物粒子
JP3230765B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP5034314B2 (ja) 高屈折率透明粒子の製造方法と高屈折率透明粒子及び高屈折率透明複合体並びに発光素子
JP4749201B2 (ja) 半導体発光素子封止用組成物
TW200934733A (en) Metal oxide complex sol, coating composition and optical member
US4591575A (en) Novel crystalline metal oxide and process for production thereof
JP2007231253A (ja) 透光封止用硬化性樹脂組成物、樹脂封止発光素子及びその製造方法
JP4200001B2 (ja) シリカ系複合酸化物粒子およびその製造方法
WO2019167265A1 (ja) 粒子材料及びその製造方法、並びに透明樹脂組成物
JP6179483B2 (ja) 複合粒子、その製造方法、当該粒子を含有する樹脂組成物、当該組成物で形成されたリフレクター、及び該リフレクターを用いた発光半導体装置
JP2008280202A (ja) 表面修飾酸化亜鉛微粒子
JP2011136857A (ja) 疎水性酸化ジルコニウム粒子、その製造方法および該疎水性酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物ならびに樹脂硬化物膜付基材
JP6899495B2 (ja) 非晶質シリカチタニア複合酸化物粉末、樹脂組成物及び分散液
JPS58151318A (ja) 合成シリカおよびこれを含有してなる電子部品封止用樹脂組成物
JPH0525397A (ja) 樹脂組成物
JP3878113B2 (ja) シリカ−チタニア複合酸化物の製造方法
JP3493109B2 (ja) 有機基含有シリカ微粒子分散ゾルの製造方法
JPH04225052A (ja) 硬化性組成物及びその硬化体
JP5877745B2 (ja) 複合金属水酸化物粒子、及びそれを含む樹脂組成物
JPS61190556A (ja) 電子部品封止用樹脂組成物
JP5701087B2 (ja) 球状シリカ−チタニア複合酸化物粒子及びその製造方法
JP3387969B2 (ja) 複合酸化物粒子