JPH04225052A - 硬化性組成物及びその硬化体 - Google Patents

硬化性組成物及びその硬化体

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JPH04225052A
JPH04225052A JP41529190A JP41529190A JPH04225052A JP H04225052 A JPH04225052 A JP H04225052A JP 41529190 A JP41529190 A JP 41529190A JP 41529190 A JP41529190 A JP 41529190A JP H04225052 A JPH04225052 A JP H04225052A
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JP
Japan
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epoxy resin
composite oxide
cured product
refractive index
curable composition
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Pending
Application number
JP41529190A
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English (en)
Inventor
Yoji Mizushima
水嶋 洋二
Shigeki Yuasa
湯浅 茂樹
Namihiro Okabayashi
岡林 南洋
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な硬化性組成物及
びその硬化体に関する。詳しくは、シリカ複合酸化物と
エポキシ樹脂よりなる、透明性に優れた硬化体を与える
硬化性組成物、及びその硬化体である。
【002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂は、機械的性質
、電気的絶縁性に優れ、接着性が高く、しかも、硬化時
の収縮が少ないなどの特徴を有するため、半導体封止材
として広く使用されてきた。しかし、回路の高集積化に
伴い、アルミニウム配線を腐食させないための耐湿性や
、半田熱などに耐えるだけの耐熱性等の高物性が求めら
れるようになった。上記エポキシ樹脂の耐熱性や耐湿性
の物性の向上を図るためため、一般に、アルミナやシリ
カなどの無機充填材の添加が行われてきた。例えば、特
開平2−26313号、特開平2−145415号、特
開平2−145416号、特開平2−158637号に
は、球状シリカを充填することによって、熱膨張係数が
小さく、吸湿性が低い封止用樹脂組成物が開示されてい
る。
【003】一方、近年では、オプトエレクトロニクス関
連技術の進歩が著しく、光半導体の封止材には、上記物
性に加えて透明性が求められるようになった。しかし、
上記の無機充填材を複合化したエポキシ樹脂は、透明性
がほとんどなく、光半導体の封止材には適さない。
【004】エポキシ樹脂を使用した、透明性がある封止
材料として、無機充填材を含有しないエポキシ樹脂組成
物が種々提案されている。例えば、特開昭61−127
724号には、エポキシ樹脂にシランカップリング剤を
配合することによって、耐湿性を改良した封止材用樹脂
組成物が開示されている。この封止材は、光の透過性は
良好であるが、無機充填材が含まれていないため、耐熱
性、更には機械的強度の面で十分とはいえない。
【005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、無機充
填材をエポキシ樹脂に充填した硬化体の透明性を向上さ
せるべく鋭意研究を重ねた。その結果、無機充填材とし
て、特定の粒子径を有するシリカ系複合酸化物を使用す
ると共に、該シリカ系複合酸化物と、硬化後のエポキシ
樹脂との屈折率との差が特定の範囲となるようにするこ
とにより、得られる硬化体の透明性が著しく向上するこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(a)
エポキシ樹脂  80〜15重量部、(b)平均粒子径
が40〜200nmで、屈折率(nFD)が下記式を満
足するシリカ系複合酸化物 20〜85重量部 0.005≦|nFD−nPD|≦0.025(但し、
nPDは、硬化した上記エポキシ樹脂の屈折率を示す。 ) よりなる硬化性組成物である。
【007】本発明で使用されるエポキシ樹脂は、公知の
ものが特に制限なく使用される。例えば、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型
エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等のエポキシ樹
脂成分を主要成分とし、これに必要に応じて硬化剤、希
釈剤、可塑性付与剤、難燃剤、紫外線吸収剤、顔料等を
配合したものが挙げられる。上記硬化剤は、エポキシ樹
脂の重合及び架橋を進めるもので、公知のものが特に制
限なく使用される。例えば、テトラヒドロ無水フタル酸
、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メチルンジ
ック酸等の酸無水物等が挙げられる。上記硬化剤の配合
量は、公知の範囲が特に制限なく採用される。一般には
、前記エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対してカ
ルボキシル基換算で0.5〜1.5当量の範囲となるよ
うに硬化剤を使用することが好ましい。また、硬化促進
剤も公知のものが特に制限なく使用される。例えば、2
−メチルイミダゾール、2,4−ジヒドラジノ−6−メ
チルアミノ−S−トリアジン、2−エチル−4−メチル
イミダゾール等のイミダゾール化合物、フッ化ホウ素、
オニウム塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、必
要に応じて一種または2種以上が使用される。上記硬化
促進剤の配合量は、公知の範囲が特に制限なく採用され
る。一般には、前記エポキシ樹脂成分と硬化剤の合計量
に対して0.1〜8重量%使用することが好ましい。
【008】また、希釈剤は、エポキシ樹脂が高粘度の場
合、作業性、脱泡性、充填材の濡れ等を向上するために
添加されるものであり、公知のものが特に制限なく使用
される。例えば、オレフィンオキシド、オクチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド等のモノエポキシ反応性希
釈剤、ブタジエンジオキサイド、ジメチレンペンタンジ
オキサイド、ジエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル等のポリエポキシ反応性希釈剤等が挙げられる。上記
希釈剤の配合量は、公知の範囲が特に制限なく採用され
る。一般には、前記エポキシ樹脂成分に対して1〜50
重量%で使用される。
【009】更に、難燃剤も公知のものが特に制限なく使
用される。例えば、テトラブロモビスフェノールA、ト
リス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ
クレジルフォスフェート等が挙げられる。上記難燃剤の
配合量は、公知の範囲の中から本発明の効果に悪影響を
与えない量で添加すれば良い。
【010】本発明において、複合酸化物は、エポキシ樹
脂との組み合わせによって優れた透明性を有する硬化体
を得るために、特定の粒子径と屈折率を有する。一般に
、充填剤の屈折率及び粒径が樹脂組成物の透明性に与え
る影響は、以下のように解釈されている。即ち、均質媒
質(樹脂)中の不均一体(充填材)による光の散乱は、
レイリー散乱による(オプトセラミックス  宮内・戸
田著  技法堂出版)。その散乱の強度の指標となる粒
子の散乱断面積Sは、下記式で表される。
【011】
【数1】
【012】(ここで、dは粒子の半径、λは光の波長、
Mは樹脂(屈折率n1)と充填材(屈折率n2)との比
n2/n1である。これより、透明性の低下の原因であ
る散乱強度は、粒子とマトリックスである樹脂との屈折
率の比(M)が1に近いほど0に近づくが、粒子の半径
(r)の6乗に比例して上昇する。従って、粒子と樹脂
との屈折率を一致させれば、散乱による透明度の低下は
なくなり、得られる硬化体は高い透明性を有するはずで
ある。
【013】しかし、本発明者らの実験によれば、以外に
も、特定の範囲で両者の屈折率に差をつけることにより
、得られる硬化体の透明性が著しく向上することが明ら
かになった。
【014】本発明において、シリカ系複合酸化物(以下
、単に複合酸化物ともいう)の平均粒子径は、40〜2
00nm、好ましくは、70〜160nmである。該平
均粒子径は、エポキシ樹脂中の光散乱による透過率の低
減を防ぐために小さいほど好適であるが、40nmより
小さい場合は、エポキシ樹脂中への均一な分散が困難と
なり、高充填ができず、その結果、得られる硬化体の耐
水性、耐熱性が低下する。また、平均粒子径が200n
mより大きくなると樹脂中の光の散乱強度が上がり、エ
ポキシ樹脂と充填材との屈折率の僅かな違いによって光
の透過性が大幅に変化するため安定した透明性を有する
硬化体を得ることができない。また、上記複合酸化物の
粒子径分布は、40〜250nmの範囲であることが好
ましく、特に、粒子径が200nmよりも大きい粒子を
含まないものがより好ましい。更に、上記複合酸化物は
、平均粒子径が異なる2種以上のものを混合して使用し
ても良い。この場合、各複合酸化物は、単分散粒子であ
ることが好ましい。ここで単分散粒子とは、粒子径の分
布状態を示す標準偏差値が1.30以下のものをいう。
【015】上記複合酸化物の形状は特に制限されるもの
ではないが、エポキシ樹脂と混合した場合に流動性に優
れた組成物を得るためには、球状であることが好ましい
。本発明において、複合酸化物の屈折率(nFD)は、
使用されるエポキシ樹脂の硬化後の屈折率(nPD)と
の差の絶対値|nFD−nPD|が、0.005以上、
0.025以下、好ましくは、0.007以上、0.0
18以下である。ここで、屈折率は、後記するように、
アッベ屈折計を使用して測定した値である。上記屈折率
の差の絶対値が0.005よりも小さい場合も、0.0
25より大きい場合も得られる硬化体の透明性が著しく
低下する。
【016】本発明において、複合酸化物の組成は、シリ
カを一成分とするものであれば特に制限されない。特に
好適な複合酸化物を例示すれば、シリカ及びシリカと複
合化(結合)可能な周期律表第2族、第3族、及び第4
族より成る群から選ばれた少なくとも一種の金属酸化物
よりなる複合酸化物が挙げられる。上記金属酸化物を具
体的に例示すれば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム
、酸化ストロンチウウム、酸化バリウム、酸化アルミニ
ウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニ
ウム、酸化錫、酸化亜鉛等が代表的である。これらの複
合酸化物は、シリカのシリコン原子と酸素を介して結合
する。上記複合酸化物におけるシリカの割合は、特に制
限されるものではないが、特に、80〜99モル%、好
ましくは、85〜95モル%のものが本発明の目的を達
成する上で好適である。
【017】また、上記の複合酸化物の屈折率の調整は、
シリカと複合する金属酸化物の種類、比率を変化するこ
とにより行うことが一般的である。この場合、特に、酸
化ストロンチウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム
、酸化ハフニウム、酸化錫等のシリカよりも屈折率が高
い酸化物を用いることが好ましい。
【018】上記複合酸化物の製造方法は、公知の方法が
特に制限なく採用される。代表的な製造方法を例示すれ
ば、部分加水分解されたアルキルシリケートと金属アル
コキシドを混合した後、該混合溶液をアルカリ性のアル
コール溶液に攪拌しながら滴下する方法が挙げられる。 この場合、出発物質の量比を調節することにより、得ら
れる複合酸化物の屈折率を調節することができる。
【020】以上のようにして合成された複合酸化物は、
表面安定性を保持するため、表面のシラノール基を減ず
るのが好ましい。かかる方法は、複合酸化物を乾燥後、
500〜1000℃の温度で仮焼する手段が好適に採用
される。また、複合酸化物は、安定性を更に高めると共
に、エポキシ樹脂への分散性を向上させるため、有機珪
素化合物、有機チタン化合物等の処理剤により表面処理
を行うことが好ましい。上記処理は、処理剤を溶解した
溶媒と複合酸化物を接触させた後、該溶媒を除去する方
法が一般的である。処理剤の有機珪素化合物としては、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン等のアルコキシシラン化合物が好適であ
り、中でもエポキシ基を有するものが特に好適である。 上記表面処理の後、複合酸化物は、該粒子を水、アルコ
ール、アセトン等の溶液に分散させた後、超音波をかけ
ることによって粒子の凝集を解いた後、エポキシ樹脂と
混合することが好ましい。
【021】本発明において、硬化性組成物中の複合酸化
物の割合は、20〜85重量%、好ましくは、30〜7
0重量%である。複合酸化物の割合が、20重量%未満
の場合は、得られる硬化体の耐湿性、耐熱性、更には強
度が十分ではなく、また、該割合が、85重量%を越え
る場合は、組成物の流動性、及び取扱い性が低下する。
【022】本発明の硬化性組成物は、複合酸化物及びエ
ポキシ樹脂より成るため一般にペースト状である。
【023】本発明において、複合参加物とエポキシ樹脂
との混合方法は特に限定されず、公知の方法が制限なく
実施される。例えば、室温、または加熱下に、自動擂潰
機、ニーダー、乳鉢、アトライタ、押出機等を使用して
シェアをかけながら混練する方法が好適である。
【024】本発明の硬化性組成物において、複合酸化物
がエポキシ樹脂中に凝集状態で存在する場合は、得られ
る硬化体の透明性の低下を招くことがある。そのため、
硬化性組成物中の凝集粒子の径は、上記方法等により、
500nm以下とすることが好ましい。また、硬化性組
成物中に存在する気泡も得られる硬化体の透明性を低下
させる傾向があるため、該組成物を減圧下に攪拌する方
法等により、該気泡を除去することが好ましい。上記気
泡の除去は、気泡の径が200nm以下となるまで行う
ことが好ましい。
【025】本発明において、前記硬化性組成物を硬化さ
せることにより、複合酸化物を含有しながら、高い透明
性を有する硬化体を得ることができる。即ち、本発明は
、 (a)エポキシ樹脂  80〜15重量部、(b)平均
粒子径が40〜200nmで、屈折率(nFD)が下記
式を満足するシリカ系複合酸化物  20〜85重量部 0.005≦|nFD−nPD|≦0.025(但し、
nPDは、硬化した上記エポキシ樹脂の屈折率を示す。 )よりなる硬化性組成物を硬化してなり、波長589n
mの光の透過率が30%以上であることを特徴とする硬
化体である。
【026】本発明の硬化体は、波長589nmの光の透
過率が30%以上、更には、70%以上の透明性を有す
る。かかる透過率は、充填材を配合した従来のエポキシ
樹脂硬化体に比して著しく高いものである。
【027】上記光の透過率は、実施例で詳述するように
、厚さ4mmの板状材料について波長589nmの光の
透過率を測定した値である。尚、上記値は、硬化体が顔
料を含み、且つ該顔料の吸収波長が上記589nmの波
長を含む場合は、該吸収による数値を補正した値をいう
【028】本発明の硬化体は、含有される気泡の量、凝
集粒子の量は、少ないほど好ましい。一般に、気泡は、
走査型電子顕微鏡による観察で、700 μm2あたり
径が200nm以上、特に、径が100μm以上の気泡
を5個以上含まないことが好ましい。また、複合酸化物
の凝集粒子に関しては、走査型電子顕微鏡による観察で
、1000μm2あたり、径が10μm以上、特に径が
1μm以上の凝集体を10個以上含まないことが好まし
い。尚、上記観察は、硬化体の任意の表面を研磨した後
観察した。
【029】本発明の硬化体は、前記本発明の硬化性組成
物を通常の硬化方法により硬化させることにより得るこ
とができる。特に、好適な硬化条件を例示すれば、加圧
下、または常圧下に80〜150℃の温度で20〜30
時間加熱する方法が挙げられる。
【030】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物を硬化して得られ
る硬化体は、複合酸化物粒子を含有するため、耐熱性、
耐湿性が高くしかも機械的強度が高い上に、従来の無機
充填材を含有するエポキシ樹脂に比して極めて高い透明
性を有する。
【031】従って、かかる特性を利用した種々の分野へ
の利用が可能である。かかる用途としては、例えば、発
光及び発光素子用の被覆、接着、及び封止材として、更
に、耐熱性の透明材料としてオプトエレクトロニクス、
自動車、建築、医療等の素材として利用することができ
る。
【032】本発明の硬化性組成物の硬化体が、前記した
構成により優れた透明性を示す理由は明らかではないが
、本発明者等は、以下のように推定している。即ち、エ
ポキシ樹脂の硬化体と複合酸化物粒子との界面に、エポ
キシ樹脂と該粒子表面との反応により、両者に対して中
間的な屈折率を有する層が形成される。そのため、硬化
後のエポキシ樹脂の屈折率を該層の屈折率に調節するこ
とにより、高い透明性を有する硬化体が得られる。
【033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例及び比較例において、各種測定は、下
記の方法により行った。 (1)平均粒子径 粒子をアンモニア性メタノール中に分散させた後、粒度
分布計(堀場制作所製)で粒度分布を測定した。 (2)屈折率 試料を25℃で溶媒に懸濁させたとき、液が透明に見え
るときの該液の屈折率をアッベの屈折計によって測定し
た。 (3)複合酸化物の粒子径分布の標準偏差値試料粉体の
走査型電子顕微鏡写真を撮り、その写真の視野内に見え
る粒子の数(n)、粒子径(径Xi;但し、形状が球状
ででない場合は、水平方向フェレ径を該径とした。)
【034】
【数2】
【035】(4)比表面積 柴田化学機器工業(株)迅速表面測定装置SA−100
0を用いた。測定原理は、BET法である。 (5)光の透過率 硬化性組成物を硬化体の厚さが4mmとなるように成形
し、加圧(4kg/cm2)の窒素雰囲気下、120℃
で17時間加熱して硬化体を得た。この硬化体の平面に
波長589nmの光を照射し、その温度25℃における
透過率を分光光度計(日立製作所製)で測定した。 (6)硬化体の耐熱性(熱膨張係数) 硬化性組成物を(5)の方法で硬化させ、4mmφ×1
2mmの円柱状の硬化体を製造した。この硬化体を熱膨
張測定装置(TM−12;理学電機製)を使用し、25
〜100℃の測定温度範囲について熱膨張係数を測定し
た。 (7)気泡及び凝集粒子の数 試料の表面を#1200のシリコーンカーバイドの研磨
紙で研磨した後、電子顕微鏡で観察し、単位面積あたり
の気泡及び凝集粒子の径を測定した。 (8)硬化体の耐湿性 厚さ4mm、10mm×10mmの硬化体を23℃の水
中に24時間浸漬した後の重量変化を測定し、重量変化
が0.1%未満の場合を「○」、0.1%を越え0.2
%未満の場合を「△」、0.2%を越える場合を「×」
として表示した。
【036】実施例1 テトラエチルシリケート(商品名:エチルシリケート2
8、日本コルコート化学社製)54.5gをメタノール
134mlに溶かした。この液に塩酸(濃度0.036
重量%)1.68mlを添加した後、35℃に一時間保
持した。これにチタンテトラブトキシド(日本曹達(株
)社製)15.35gをイソプロパノール93.9ml
に溶かした溶液を添加し、テトラエチルシリケートの加
水分解物とチタンブトキシドとの混合溶液を調製した。 次にメタノール1166mlと252mlのアンモニア
水溶液(濃度25重量%)とからなるアンモニア性メタ
ノールを入れ、反応槽を準備した。反応槽の温度を35
℃に保ちながら、先に調製したテトラエチルシリケート
とチタンテトラブトキシドの混合溶液を反応槽に約4時
間かけて滴加した。滴加開始後、約30分で反応液は、
乳白色になった。添加終了後、更に30分間攪拌を続け
た後、エバポレーターで溶媒を除去し、1000℃で乾
燥し、白色の粉末を得た。得られた粉末を850℃で1
時間加熱して屈折率1.553のシリカ−チタニア複合
酸化物を得た。
【037】上記複合酸化物の形状は球状で、粒子径は7
0〜90nmの範囲にあり、平均粒子径は80nm、粒
子径分布の標準偏差値は、1.05、比表面積50m2
であった。上記複合酸化物5gを表面処理剤のγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.15gをイソ
プロピルアルコール20mlに溶かした溶液に添加し、
1時間攪拌した。続いて、エバポレーターで溶媒を除去
後、100℃で減圧乾燥して表面処理シリカ複合酸化物
(a)を得た。次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
1gに4−メチル−4メチルイミダゾール4.2mg、
表面処理シリカ複合酸化物(a)2.5gを添加し、乳
鉢で約40分間混合し、複合酸化物を56重量%含むペ
ースト状の硬化性組成物を得た。上記組成物は、超音波
をかけながら30分間真空に保った。次いで、該硬化性
組成物を所定のテフロン製モールドに注入し、加圧重合
(110℃、12時間)して硬化体を得た。得られた硬
化体の各測定結果を表1に示す。
【038】実施例2 実施例1において、複合酸化物を表面処理せず、且つ硬
化性組成物における混合割合を28重量%とした以外は
、同様にして硬化体を得た。得られた硬化体の各測定結
果を表1に示す。
【039】実施例3 実施例1において、複合酸化物の製造時の原料をテトラ
エチルシリケート及びチタンブトキシドを使用した。得
られた粒子は、表1に示す物性を有していた。上記複合
酸化物を実施例1と同様な方法で表面処理し、表面処理
複合酸化物(b)を得た。上記複合酸化物を用い、実施
例1における硬化性組成物における混合割合を70重量
%とした以外は、同様にして硬化体を得た。得られた硬
化体の各測定結果を表1に示す。
【040】実施例4 実施例1において、複合酸化物の製造時の原料をテトラ
エチルシリケート及びジルコニウムテトラブトキシドを
使用した。得られた粒子は、表1に示す物性を有してい
た。上記複合酸化物を実施例1と同様な方法で表面処理
し、表面処理複合酸化物(b)を得た。上記複合酸化物
を用い、実施例1における硬化性組成物における混合割
合を50重量%とした以外は、同様にして硬化体を得た
。得られた硬化体の各測定結果を表1に示す。
【041】実施例5〜7 実施例1において、複合酸化物の原料となるテトラエチ
ルシリケート及びチタンテトラブトキシドの使用割合を
表1に示すように変えた以外は同様にして表面処理複合
酸化物を得た。得られた粒子は、表1に示す物性を有し
ていた。上記複合酸化物を用い、実施例1における硬化
性組成物における混合割合を表1に示す割合に変えた以
外は、同様にして硬化体を得た。尚、実施例5は、複合
酸化物を表面処理せずに使用した。得られた硬化体の各
測定結果を表1に示す。
【042】
【表1】
【043】比較例1 実施例1で得られた複合酸化物を多重管を有するバーナ
ーで溶融し、屈折率が1.554、平均粒子径が810
0nm、粒度分布の標準偏差値が1.29であった。該
粒子を実施例1と同様な方法で表面処理した後、該粒子
を50重量%含む硬化性組成物を得た後、実施例1と同
様な方法により硬化させて硬化体を得た。得られた硬化
体の光の透過率は2%、熱膨張係数は、16ppm/℃
、耐水性は○であった。
【044】比較例2 実施例1の硬化体組成物において、複合酸化物の粒子径
を10nmに変えたところ、その配合割合は、3重量%
が限界であった。得られた硬化性組成物を実施例1と同
様にして硬化させた結果、得られた硬化体の光透過率は
85%を示したが、熱膨張係数は35ppm/℃と高く
、耐湿性も×であった。また、硬化体中の気泡径は90
nm、凝集体は存在しなかった。
【045】比較例3 実施例1の硬化体組成物において、複合酸化物の粒子径
を300nmに変え、配合割合を70重量%とした。得
られた硬化性組成物を実施例1と同様にして硬化させた
結果、得られた硬化体の光透過率は18%を示し、熱膨
張係数は12ppm/℃であり、耐湿性は○であった。 また、硬化体中の気泡径は90nm、凝集体は存在しな
かった。
【046】実施例8〜11  比較例4、5実施例1に
おいて、テトラエチルシリケートとチタンテトラブトキ
シドの使用割合を変えてエポキシ樹脂との屈折率の差の
絶対値が表2に示す屈折率を有する複合酸化物を製造し
た。他は実施例1と同様の方法により硬化性組成物を調
製し、硬化させて硬化体を得た。得られた硬化体の光の
透過率を表2に示すと共に図1の(A)に示した。
【047】
【表2】
【048】実施例12〜15  比較例6、7実施例1
において、テトラエチルシリケートと混合するチタンテ
トラブトキシドをジルコニウムテトラブトキシドに代え
ると共に、その使用割合を変えてエポキシ樹脂との屈折
率の差の絶対値が表3に示す屈折率を有する複合酸化物
を製造した。他は実施例1と同様の方法により硬化性組
成物を調製し、硬化させて硬化体を得た。得られた硬化
体の光の透過率を表3に示すと共に図1の(B)に示し
た。
【049】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8〜11、比較例4、5及び実施例12
〜15、比較例6、7の硬化性組成物における複合酸化
物とエポキシ樹脂の屈折率の差の絶対値と得られる硬化
体の光透過率との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エポキシ樹脂  80〜15重量部
    、(b)平均粒子径が40〜200nmで、屈折率(n
    FD)が下記式を満足するシリカ系複合酸化物  20
    〜85重量部 0.005≦|nFD−nPD|≦0.025(但し、
    nPDは、硬化した上記エポキシ樹脂の屈折率を示す。 ) よりなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(a)エポキシ樹脂  80〜15重量部
    、(b)平均粒子径が40〜200nmで、屈折率(n
    FD)が下記式を満足するシリカ系複合酸化物  20
    〜85重量部 0.005≦|nFD−nPD|≦0.025(但し、
    nPDは、硬化した上記エポキシ樹脂の屈折率を示す。 )よりなる硬化性組成物を硬化してなり、波長589n
    mの光の透過率が30%以上であることを特徴とする硬
    化体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111823A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Nitto Denko Corp 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置
JP2007161830A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Sekisui Chem Co Ltd エポキシ系樹脂組成物
JP2013116997A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Kyocera Chemical Corp 透明樹脂組成物

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