JP3230765B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP3230765B2 JP21772692A JP21772692A JP3230765B2 JP 3230765 B2 JP3230765 B2 JP 3230765B2 JP 21772692 A JP21772692 A JP 21772692A JP 21772692 A JP21772692 A JP 21772692A JP 3230765 B2 JP3230765 B2 JP 3230765B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発光素子や受光素子など
の光半導体を外界より保護するための透明封止材に関す
るものである。詳しくは、無機複合酸化物とエポキシ樹
脂とよりなるエポキシ樹脂組成物及びその硬化体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂は、機械的性
質、電気的絶縁性に優れ、接着性が高く、しかも、硬化
時の収縮が少ない等の特徴を有するため、半導体封止材
として広く使用されてきた。しかし、回路の高集積化に
伴い、耐湿性、耐熱性などの高物性が求められるように
なった。そこで、エポキシ樹脂の耐熱性や耐湿性の物性
の向上を図るため、一般に、アルミナやシリカ等の無機
充填材の添加が行われてきた。例えば、特開平2−26
313号、特開平2−145415号、特開平2−14
5416号、特開平2−158637号には、球状シリ
カを充填することによって、低熱膨張係数、高耐湿性の
封止材用樹脂組成物が得られることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年では、オプ
トエレクトロニクス関連技術の進歩が著しく、光半導体
の封止には、上記物性に加えて透明性が求めれるように
なった。しかし、上記の無機充填材を複合化したエポキ
シ樹脂の硬化体は、透明性がほとんどなく、光半導体の
封止材には適さない。
【0004】透明封止材として無機充填材を含有しない
エポキシ樹脂組成物が種々提案されている。しかし、熱
膨張係数が高く、耐熱性、耐湿性の問題点も解決されて
いないため、無機充填材を含む透明封止材の開発が望ま
れている。
【0005】これに応えるものとして、特定の屈折率を
有する無機充填材を用いたエポキシ樹脂組成物が提案さ
れている。このような充填材としては、シリカをベース
とする複合金属酸化物が用いられるが、この場合、充填
材を添加したのにもかかわらず、硬化体の耐湿性やガラ
ス転移温度が十分でなく素子と封止材間の剥離やパッケ
ージクラックの問題が残されていた。又、硬化時に黄変
するため光透過率が低下するという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無機充填
材を含む透明封止材について上記課題を解決すべく鋭意
検討した結果、無機充填材の表面水酸基密度を減らすこ
と更には無機充填材の表面をシリカで被覆することによ
って、硬化体の耐湿性及びガラス転移温度が向上し、更
に硬化時の黄変が低減することを見いだし、本発明を完
成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、無機複合酸化物粒子の表
面をシリカで被覆したシリカ被覆無機複合酸化物粒子、
特にシリカ及びシリカと複合可能な周期律表第2族、第
3族及び第4族よりなる群から選ばれた少なくとも一種
の金属酸化物よりなる無機複合酸化物粒子の表面にシリ
カを1〜30nmの厚さに被覆した、表面水酸基が9×
10 −6 /m 以下のシリカ被覆無機複合酸化物粒子
エポキシ樹脂を含有してなり、且つ該シリカ被覆無機複
合酸化物粒子の屈折率(N )とエポキシ樹脂の硬化
体の屈折率(N )が次式を満足することを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物である。
【0008】|NF D−NP D|≦0.010 他の発明は、該エポキシ樹脂組成物を硬化してなり、5
89nmの光の透過率が50%以上であることを特徴と
する透明性硬化体である。
【0009】本発明のシリカ被覆無機複合酸化物粒子
は、表面水酸基密度の調整後の屈折率(N )が上記
式を満たすものであれば、最終的に得られるシリカ被覆
無機複合酸化物粒子を含有するエポキシ樹脂組成物の硬
化体が透明性を保持することができる。そのため後述す
るエポキシ樹脂硬化体のそれに併せて上記範囲内に納め
る必要がある。無機複合酸化物粒子の組成は、目的とす
る屈折率が得られるものであればよく、特に好適な無機
複合酸化物粒子の成分として、本発明においては、シ
カ及びシリカと複合化(結合)可能な周期律表第2族、
第3族、及び第4族よりなる群から選ばれた少なくとも
一種の金属酸化物よりなる複合無機酸化物を用いるもの
である。上記金属酸化物を具体的に例示すれば、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸
化バリウム、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化錫、酸化
亜鉛等が代表的である。これらの複合酸化物は、シリカ
のシリコンと酸素を介して結合する。上記複合酸化物に
おけるシリカの割合は、特に制限されるものではない
が、特に、60〜99モル%、好ましくは、80〜95
モル%のものが本発明の目的を達成する上で好適であ
る。
【0010】又、本発明の無機複合酸化物粒子の屈折率
の調整は、シリカと複合する金属酸化物の種類、及び、
比率を変えることにより行なうことが一般的である。こ
の場合、特に、酸化ストロンチウム、酸化チタニウム、
酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化錫等のシリカ
よりも屈折率が高い酸化物を用いることが好ましい。上
記無機複合酸化物粒子の製造方法は、公知の方法が特に
制限なく採用される。例えば、ゾルーゲル法、粉砕−分
級法、共沈法等がある。特に代表的な製造方法を例示す
れば、部分的に加水分解されたアルコキシシランとチタ
ン又はジルコニウム等の金属のアルコキシドとを混合し
た後、該混合溶液をアルカリ性のアルコール溶液に撹拌
しながら滴下するゾルーゲル法がある。この場合、出発
物質の量比を調節することにより、得られる無機粉末の
屈折率を調節することができる。
【0011】表面水酸基密度が9×10-6当量/m2
下であるシリカ被覆無機複合酸化物粒子(以下、シリカ
被覆されたものであることが明確に理解し得る場合に
は、単に複合酸化物粒子と略記する)は、上述の無機複
合酸化物粒子表面の水酸基の量を調整したものである。
無機複合酸化物粒子の表面水酸基密度が9×10-6当量
/m2を越える場合には、エポキシ樹脂に混入後硬化し
て得られるエポキシ樹脂組成物硬化体の耐湿性が悪く、
又ガラス転移温度が向上しない。表面水酸基密度は小さ
いほど好ましいが、次に述べる粒子の焼結性及び焼結性
ひいては硬化体の透明性に影響を及ぼす粒子の加熱温度
との兼ね合いで現時点では、6×10-6当量/m2程度
のものまで得ることができる。
【0012】表面の水酸基密度を低減させるには公知の
方法を制限なく採用できる。例えば、代表的な方法とし
て加熱処理する方法がある。加熱温度は、無機複合酸化
物粒子が結晶化しない、及び粒子同士が焼結しない範囲
であれば任意に選択することができる。温度が高すぎる
と、無機複合酸化物粒子が結晶化したり焼結するため、
エポキシ樹脂組成物硬化体の透明性が低下する。また、
加熱温度が低すぎると、無機複合酸化物粒子の表面水酸
基密度を下げることができない。そこで、加熱温度は、
900〜1200℃が好ましく、950〜1100℃が
より好ましい。加熱に要する時間は、無機複合酸化物粒
子が結晶化しない範囲であれば任意に選択できる。
【0013】本発明において、無機複合酸化物粒子の平
均粒子径は、特に限定されるものではないが、エポキシ
樹脂組成物硬化体の透明性の指標となる光透過率は、平
均粒子径が小さいほど高い。このため、平均粒子径は2
0μm以下が好ましく、0.04〜5μmがより好まし
い。更に、上記無機粒子は、平均粒子径が異なる二種以
上のものを混合して使用してもよい。上述の通り、平均
粒子径が小さいほど硬化したエポキシ樹脂組成物の透明
性は高く、平均粒子径が大きくなると硬化体の透明性に
温度依存性がでてくるので、発熱などを伴う箇所で用い
る場合には、平均粒子径が小さいものを用いるのが好ま
しい。
【0014】また、無機複合酸化物粒子の形状は特に制
限されるものではないが、エポキシ樹脂と混合した場合
に流動性に優れた組成物を得る為には、球状であること
が好ましい。
【0015】無機複合酸化物粒子の表面をシリカで被覆
したシリカ被覆無機複合酸化物粒子の製造方法には、公
知の方法を制限なく採用できる。例えば、無機複合酸
物粒子をアルカリ性アルコール溶液に分散させた液に、
テトラエチルシリケートを滴下し、テトラエチルシリケ
ートの加水分解物を無機複合酸化物粒子の表面に析出さ
せる方法がある。シリカ被覆無機複合酸化物粒子のシリ
カ被覆層の厚さは、該シリカ被覆無機複合酸化物粒子と
エポキシ樹脂とよりなるエポキシ樹脂組成物の硬化体の
透明性が低下しない範囲であれば任意に選択できる。こ
の厚さとしては、1〜30nm好ましく3〜15n
である。被覆層の厚さの調整は、被覆に用いるシリカ
の原料の量と無機複合酸化物粒子の比表面積との比を調
整することによって行われる。またその厚さの測定は、
仕込組成比から計算によって求めることもできるが、組
成によっては透過型電子顕微鏡写真の観察によって行わ
れる。透過型電子顕微鏡観察用の試料は、例えば、本発
明のシリカ被覆無機複合酸化物粒子をアクリレート又は
エポキシ等の樹脂に包埋した後、研磨し粒子の断面を観
察することができる。
【0016】以上のようにして得られたシリカ被覆無機
複合酸化物粒子は、粒子に含まれる水分、有機物等を除
去し、且つ表面水酸基密度を9×10-6当量/m2以下
に調製するために加熱(仮焼)する。仮焼温度は、特に
限定されるものではないが、粒子同士の焼結などを考慮
すると、900〜1200℃が好ましく、950〜11
00℃がより好ましい。また、仮焼時間は特に限定され
るものではないが、30分〜10時間が好ましい。
【0017】一般に、平均粒子径が1μm以下の複合酸
化物微粒子を1000℃以上の高温で熱処理すると、粒
子同士が焼結し粒子の単分散性が低下する傾向にある。
本発明のシリカ被覆無機複合酸化物粒子のように、無機
複合酸化物粒子の表面を化学的に不活性なシリカで被覆
すれば、1000℃以上の高温で熱処理しても単分散性
が優れたものが得られる。
【0018】本発明のシリカ被覆無機複合酸化物粒子の
屈折率(NF D)は前記エポキシ樹脂硬化体の屈折率(N
P D)との関係式を満たす必要がある。無機複合酸化物粒
子にシリカを被覆すると、シリカ被覆層の厚さに応じ
て、シリカ被覆無機複合酸化物粒子の屈折率が低下す
る。そのため、ベースとなる無機複合酸化物粒子の屈折
率は、予め目標とする屈折率よりも高めに設定しておく
のが好ましい。
【0019】尚、屈折率の測定は、後記するように、液
浸法によりアッベ屈折計を使用して行うことができる。
【0020】本発明で用いる表面水酸基密度が9×10
-6当量/m2以下である無機複合酸化物粒子は、粒子の
性状の安定性を更に高めると共に、エポキシ樹脂への分
散性を向上させるため、有機硅素化合物、有機チタン化
合物等の処理剤により表面処理を行なうことができる。
この処理は、処理剤を溶解した溶媒と無機複合酸化物粒
子とを接触させた後、該溶媒を除去するのが一般的であ
る。処理剤の有機硅素化合物としては、γーグリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン
等のアルコキシシラン化合物が好適であり、中でもエポ
キシ基を有するものが特に好適である。上記表面処理の
後、複合酸化物粒子が凝集している場合には、水、アル
コール、アセトン等の溶液に分散させた後、超音波をか
けることによって、或は、擂潰機などによって、粒子の
凝集を解くのが好ましい。
【0021】以上のように調製されたシリカ被覆無機複
合酸化物粒子は、エポキシ樹脂と混練しエポキシ樹脂組
成物が調製される。
【0022】本発明で使用されるエポキシ樹脂として、
公知のものが特に制限なく採用される。例えば、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹
脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等のエポ
キシ樹脂成分を主要成分とし、これに必要に応じて硬化
剤、希釈剤、可塑性付与剤、難燃剤、紫外線吸収剤、顔
料等を配合したものが挙げられる。
【0023】上記硬化剤は、エポキシ樹脂の重合及び架
橋を進めるもので、公知のものが特に制限なく使用され
る。例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル
酸、無水ピロメリット酸、無水メチルナジック酸などの
酸無水物が挙げられる。上記硬化剤の配合量は、公知の
範囲が特に制限なく採用される。一般には、前記エポキ
シ樹脂成分のエポキシ基1当量に対してカルボキシル基
換算で0.5〜1.5当量の範囲となるように硬化剤を使用す
ることが好ましい。
【0024】又、硬化促進剤も公知のものが特に制限な
く使用される。例えば、2ーメチルイミダゾール、2、
4ージヒドラジノー6ーメチルアミノーSートリアジ
ン、2ーエチルー4ーメチルイミダゾール等のイミダゾ
ール化合物、フッ化ホウ素、オニウム塩等が挙げられ
る。これらの硬化促進剤は、必要に応じて一種、又は二
種以上が使用される。上記硬化促進剤の配合量は、公知
の範囲が特に制限なく採用される。一般には、前記エポ
キシ樹脂成分と硬化剤の合計量に対して0.1〜8重量
%使用することが好ましい。
【0025】又、希釈剤は、エポキシ樹脂が高粘度の場
合、作業性、脱泡性、充填材の濡れ等を向上するために
添加されるものであり、公知のものが特に制限なく使用
される。例えば、オレフィンオキシド、オクチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド等のモノエポキシ反応性希
釈剤、ブタジエンジオキサイド、ジメチレンペンタンジ
オキサイド、ジエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル等のポリエポキシ反応性希釈剤等が挙げられる。上記
希釈剤の配合量は、公知の範囲が特に制限なく採用され
る。一般には、前記エポキシ樹脂成分に対して1〜50
重量%で使用される。
【0026】更に、難燃剤も公知のものが特に制限なく
使用される。例えば、テトラブロモビスフェノールA、
トリス(2、3ージブロモプロピル)ホスフェート、ト
リクレジルフォスフェート等が挙げられる。上記難燃剤
の配合量は、公知の範囲の中から本発明の効果に影響を
与えない範囲で添加すればよい。
【0027】本発明において、エポキシ樹脂組成物中の
無機複合酸化物粒子の割合は、20〜90重量%、好ま
しくは、30〜80重量%である。無機粒子の割合が、
20重量%未満の場合は、エポキシ樹脂組成物の硬化体
の耐湿性、耐熱性等が十分ではなく、また、この割合が
90重量%を越える場合には、エポキシ樹脂組成物の流
動性、及び取扱性が低下する。
【0028】本発明において、無機複合酸化物粒子とエ
ポキシ樹脂との混合方法は特に限定されず、公知の方法
が制限なく採用される。例えば、室温または加熱下に、
自動擂潰機、ニーダー、乳鉢、アトライタ、ローラー、
押し出し機等を使用してシェアをかけながら混練する方
法が好適である。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物は、無機複合
酸化物粒子及びエポキシ樹脂を主成分とするため、硬化
前には一般にペースト状、粉末状、又は固形状である。
即ち、室温で液状のエポキシ樹脂を使用した場合には、
得られる樹脂組成物が一般にペースト状であり、又、室
温でペースト状又は固形状のエポキシ樹脂を用いた場合
には、得られる樹脂組成物が粉末状、顆粒状、又は、固
形状である。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物において、酸
化物粒子がエポキシ樹脂中に凝集状態で存在する場合
は、得られる硬化体の透明性の低下を招くことがある。
そのため、組成物中の凝集粒子は、上記混合方法等によ
り、できるだけ凝集を解くことが好ましい。又、エポキ
シ樹脂組成物の硬化体中に存在する気泡も樹脂の透明性
を低下させる原因となるので、気泡を除去することが好
ましい。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常の方
法により硬化させうる。特に好適な硬化条件を例示すれ
ば、加圧下、又は、常圧下に80〜150℃の温度で2〜30時
間加熱する方法が挙げれれる。
【0032】本発明の透明性硬化体は、波長589nm
の光透過率が50%以上である。光透過率は、実施例で
記述するように、厚さ1mmの板状材料について波長58
9nmの光の透過率を測定した値である。尚、上記値
は、硬化体が顔料を含み、且つ該顔料の吸収波長が上記
589nmの波長を含む場合は、該吸収による数値を補
正した値をいう。
【0033】従来の無機複合酸化物を用いたエポキシ樹
脂組成物では、特願平2ー415291に記載されてい
るように、無機複合酸化物粒子とエポキシ樹脂の硬化体
の屈折率は、特定の範囲内で屈折率差を有する場合が最
も透明であった。この理由として、無機複合酸化物粒子
とエポキシ樹脂との界面に低屈折率層を生じ、この低屈
折率層が無機複合酸化物粒子とエポキシ樹脂との屈折率
差を中和すると推定していた。 しかし、本発明のエ
ポキシ樹脂組成物では、表面水酸基密度が9×10-6
量/m2以下である無機複合酸化物粒子とエポキシ樹脂
との屈折率の値が近い程、硬化体が高い透明性を示す。
この原因として、以下のように推察される。即ち、本発
明のエポキシ樹脂組成物では、用いる粒子の表面が、特
願平2ー415291の粒子に比べて不活性であるた
め、粒子とエポキシ樹脂との界面に生じる低屈折率層が
減少、或は、消滅したためと考えれれる。
【0034】本発明の硬化体は、含有される気泡の量、
凝集粒子の量が、少ないほど好ましい。
【0035】
【発明の効果】従来の屈折率が調整されたシリカ系複合
酸化物粒子とエポキシ樹脂とからなる複合樹脂(透明封
止材)は、その硬化体の吸水率が高い即ち耐湿性が低
い、ガラス転移温度が低い、硬化時に黄変するという問
題点があったが、本発明では、表面水酸基密度の低減更
には粒子の表面へのシリカ層の被覆により、上記問題点
を解決した。
【0036】硬化体の耐湿性が向上したのは、表面水酸
基密度を低減させることによって硬化体が水分を取り込
みにくくなったためと考えられる。
【0037】また、ガラス転移温度の向上の原因は、明
かではないが次のように推察される。従来は、無機粒子
とエポキシ樹脂とを混練する際、無機粒子の表面の水酸
基がエポキシ樹脂と反応し、エポキシ樹脂組成物の粘度
が局部的に上昇し、エポキシ樹脂の硬化反応が十分に進
行しなかった。ところが、表面の水酸基密度を低減させ
ることによって、界面での反応が少なくなり硬化反応が
より均一に進行するようになった。或は、エポキシ樹脂
組成物中の複合酸化物粒子の表面に非常に小さい孔又は
凹凸面が存在する。この凹凸は、エポキシ樹脂組成物中
で空隙を生じ易く、そのボイドがエポキシ樹脂組成物の
ガラス転移温度を下げていた。しかし、表面の水酸基密
度を下げること更には粒子表面をシリカで被覆すること
によって無機粒子の表面が滑らかになり、該ボイドが減
少しガラス転移温度が向上した。硬化体の黄変が少なく
なった原因も明確ではないが、次のように考えられる。
従来の複合酸化物粒子では、表面が活性なため何等かの
触媒作用を起こし、硬化反応時に樹脂の一部が酸化され
たものと考えられる。複合酸化物粒子の表面は、シリカ
で被覆されたことによって、複合酸化物粒子表面が不活
性になり、以前のような樹脂の酸化反応が起こりにくく
なったと考えられる。
【0038】以上のように、本発明の透明性硬化体は、
従来の無機充填材を含む透明封止材に比べて優れた物性
を有するので、透明封止材の信頼性が大幅に向上した。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例及び比較例に於て、各種測定は、下記
の方法により行なった。
【0040】(1)平均粒子径(平均粒径) 粒子をアンモニア性メタノール中に分散させた後、粒度
分布計(大塚電子製)で粒子径分布を測定した。
【0041】(2)粒子の屈折率 試料を屈折率が異なる液に懸濁させ、懸濁液が透明に見
えるときの液の屈折率をアッベの屈折計によって測定し
た。
【0042】(3)粒子の表面水酸基密度 無機複合酸化物粒子を300℃で3時間加熱し、吸着水
を除去した。この時の粒子の重量をW1とする。その
後、更に1000℃で1時間加熱すると、無機複合酸化
物粒子より水の脱離反応が起こり、粒子の重量はW2
なた。W1、W2及び比表面積(Sg)の値から次式によ
り、単位面積当たりの水酸基密度(10-6当量/m2
を求めた。 (W1−W2)/(MOH×W2×Sg) (但し、MOHは水酸基当量で9)
【0043】(4)粒子の比表面積 粒子の表面水酸基密度を求めるのに必要な無機複合酸化
物粒子の比表面積Sg(m2/g)は、BET比表面積
計(島津製作所製、フローソープ2100)により求め
た。
【0044】(5)硬化体の光透過率 2枚のガラス板間の距離をスペーサで4mmに調整した
モールドに、硬化前エポキシ樹脂組成物を填入し、10
0℃で2時間、更に155℃で3時間加熱し、ガラス板
に挟まれた厚さ4mmで板状のエポキシ樹脂組成物の硬
化体を得た。この硬化体の光透過率を、ガラス板から外
すことなく、分光光度計(日立製作所製,Uー321
0)で測定した。ベースラインは、2枚のガラス板の光
透過率より補正した。
【0045】(6)硬化体のガラス転移温度(Tg)及
び線膨張係数 長さ20mm、直径4mmの円柱状硬化体を作製し、熱
機械測定装置(リガク電機製、Thermoflex)
により、昇温速度4℃/min、測定温度範囲;室温〜
200℃での測定結果より、線膨張係数を求めた。ガラ
ス転移温度(Tg)は、試料の単位温度当りの膨張の屈
曲点を示す温度とした。
【0046】(7)煮沸吸水率(吸水率) 30×15×4mmの硬化体を試験片とし、煮沸水中で
20時間保存した。煮沸水中保存前後の重量より、下記
式によって求めた。
【0047】
【数1】A={(Wb−Wa)/Wa}×100 A:煮沸吸水率(%) Wa:煮沸水中に保存前の試験片の重量(g) Wb:煮沸水中に保存後の試験片の重量(g) 実施例 1 テトラエチルシリケート(商品名:エチルシリケート2
8、コルコート(株)製)30.6gをメタノール12
0mlに溶かした。この溶液に塩酸(濃度0.036重
量%)1.3mlを添加した後、35℃に1時間保持し
た。これにチタンテトラブトキシド(日本曹達社製)1
5.0gをイソプロパノール100mlに溶かした溶液
を添加し、ケイ素とチタンよりなる複合アルコキサイド
溶液を調製した。次に、攪拌羽根付きの内容積3リット
ルのガラス製反応器にメタノール700ml、ノルマル
ブタノール500ml、及び250mlのアンモニア水
(濃度25重量%)とから成るアンモニア性アルコール
溶液を入れ、反応槽を準備した。反応槽の温度を35℃
に保ちながら、先に調製したケイ素とチタンよりなる複
合アルコキシドの溶液を反応槽に約4時間かけて滴下し
た。滴下開始後、約30分で反応液は、乳白色になっ
た。滴下終了後、更に30分間撹拌を続けた後、テトラ
エチルシリケート15.2gをメタノール40mlに溶
かした溶液を、反応槽に1時間で滴下した。更に1時間
反応液を攪拌した後、エバポレータで反応液の溶媒を除
去し、1000℃で1時間仮焼しシリカ被覆無機複合酸
化物粒子(J−1)を得た。
【0048】シリカ被覆無機複合酸化物粒子(J−1)
は、平均粒径0.08μm、屈折率1.539、仕込よ
り推定される被覆膜の厚さ7nm、表面水酸基密度8.
5×10-6当量/m2であった。
【0049】次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂1
gに無水4ーメチルーヘキサヒドロフタル酸0.80
g、及び2ーメチルー4ーイミダゾール4.2mg、シ
リカ被覆無機複合酸化物粒子(J−1)2.5gを添加
し、乳鉢で約40分間混合し、シリカ被覆無機複合酸化
物粒子(J−1)を56重量%含むペースト状のエポキ
シ樹脂組成物を得た。この組成物は、超音波をかけなが
ら30分間真空に保ち、脱泡した。次いで、所定のテフ
ロン製モールドに注入し、加圧重合(110℃、12時
間)して硬化体を得た。尚、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂1gに無水4ーメチルーヘキサヒドロフタル酸
0.80g、及び2ーメチルー4ーイミダゾール4.2
mgを混合したものの硬化体の屈折率は1.540であ
った。
【0050】得られた硬化体(A)は、充填材含有率5
6重量%、光透過率55%(450nm)及び87%
(589nm)、Tg120℃、熱膨張係数28ppm
/℃、吸水率1.18%であった。
【0051】実施例2 テトラメチルシリケート(商品名:メチルシリケート3
9、日本コルコート(株)製)130.9gをメタノー
ル55gに溶かした。この溶液に塩酸(濃度0.036
重量%)7.7gを添加した後、約10分間攪拌した。
これにチタンテトラブトキシド(日本曹達社製)48.
7gをイソプロパノール86gに溶かした溶液を添加
し、ケイ素とチタンよりなる複合アルコキシド溶液を調
製した。次に、攪拌羽根付きの内容積3リットルのガラ
ス製反応槽にメタノール300g、アンモニア水(濃度
25重量%)75gとから成るアンモニア性アルコール
溶液を入れ、反応槽を準備した。反応槽の温度を40℃
に保ちながら、テトラエトキシシラン(関東化学(株)
製、純度99.9%)0.2gをメタノール5gに溶か
した液を加え、30分間攪拌して核粒子を生成させた。
次いで、イソプロパノール600gにアンモニア水(濃
度25重量%)150gを加えた液を反応槽に添加して
反応液を調製した。反応槽の温度を40℃に保ちなが
ら、先に調製したケイ素とチタンよりなる複合アルコキ
シド溶液を反応槽に約4時間かけて滴下した。滴下終了
後、更に30分間撹拌を続けた後、テトラエチルシリケ
ート20.0gを、反応槽に30分で滴下した。滴下終
了後、更に1時間攪拌した後、エバポレータで溶媒を除
去し、1050℃で2時間仮焼しシリカ被覆無機複合酸
化物粒子(J−2)を得た。
【0052】シリカ被覆無機複合酸化物粒子(J−2)
は、形状が球状で、平均粒子径0.2μm、屈折率1.
541、仕込より推定されるシリカ被覆層の厚さは3n
m、表面水酸基密度は、7.2×10-6当量/m2であ
った。
【0053】次に、実施例1と同様にしてシリカ被覆無
機複合酸化物粒子(J−2)を含む硬化体(B)を作製
した。硬化体(B)は、充填材含有率50重量%、光透
過率88%(589nm)、Tg132℃、熱膨張係数
30ppm/℃、吸水率0.83%であった。
【0054】実施例3 テトラメチルシリケート(商品名:メチルシリケート3
9、日本コルコート(株)製)167.5gをメタノー
ル100gに溶かした。この液に塩酸(濃度0.036
重量%)14.0gを添加した後、約10分間攪拌し
た。これにチタンテトラブトキシド(日本曹達社製)8
8.5gをイソプロパノール156gに溶かした溶液を
添加し、ケイ素とチタンよりなる複合アルコキシドの溶
液を調製した。次に、攪拌羽根付きの内容積3リットル
のガラス製反応槽にメタノール300g、アンモニア水
(濃度25重量%)66gとから成るアンモニア性アル
コール溶液を入れ、反応槽を準備した。反応槽の温度を
40℃に保ちながら、テトラエトキシシラン(関東化学
(株)製、純度99.9%)0.2gをメタノール5g
に溶かした液を加え、30分間攪拌して核粒子を生成さ
せた。次いで、イソプロパノール600gにアンモニア
水(濃度25重量%)159gを加えた液を反応槽に添
加して反応液を調製した。反応槽の温度を40℃に保ち
ながら、先に調製したケイ素とチタンよりなる複合アル
コキシドの溶液を反応槽に約6時間かけて滴下した。滴
下終了後、更に30分間撹拌を続けた後、テトラエチル
シリケート133gを、反応槽に60分かけて滴下し
た。滴下終了後、更に1時間攪拌した後、エバポレータ
で溶媒を除去し、1050℃で2時間仮焼しシリカ被覆
無機複合酸化物粒子(J−3)を得た。
【0055】シリカ被覆無機複合酸化物粒子(J−3)
は、形状が球状で、平均粒子径0.2μm、屈折率1.
540、仕込より推定されるシリカ被覆層の厚さは12
nm、表面水酸基密度は、7.0×10-6当量/m2
あった。
【0056】実施例1と同様にして調製したシリカ被覆
無機複合酸化物粒子(J−3)を含む硬化体(C)は、
充填材含有率50重量%、光透過率50%(589n
m)、Tg132℃、熱膨張係数30ppm/℃、吸水
率1.03%であった。
【0057】
【0058】
【0059】実施例 テトラメチルシリケート、チタンテトラブトキシド及び
テトラエトキシシランとの量比を変えた以外は、実施例
2と同様の方法で粒子を合成した。これを1050℃で
2時間仮焼しシリカ被覆無機複合酸化物粒子(J−5)
を得た。
【0060】シリカ被覆無機複合酸化物粒子(J−5)
は、形状が球状で、平均粒子径0.2μm、屈折率1.
543、仕込より推定されるシリカ被覆層の厚さは3n
m、表面水酸基密度7.0×10-6当量/m2であっ
た。
【0061】実施例1と同様にして調製した無機複合酸
化物粒子(J−5)を含む硬化体(E)は、充填材含有
率50重量%、光透過率85%(589nm)、Tg1
34℃、熱膨張係数30ppm/℃、吸水率0.82%
であった。
【0062】実施例 テトラメチルシリケート、チタンテトラブトキシド及び
テトラエトキシシランとの量比を変えた以外は、実施例
2と同様の方法で粒子を合成した。これを1050℃で
2時間仮焼しシリカ被覆無機複合酸化物粒子(J−6)
を得た。
【0063】シリカ被覆無機複合酸化物粒子(J−6)
は、形状が球状で、平均粒子径0.2μm、屈折率1.
549、仕込より推定されるシリカ被覆層の厚さは3n
m、表面水酸基密度7.2×10-6当量/m2であっ
た。
【0064】実施例1と同様にして調製した無機複合酸
化物粒子(J−6)を含む硬化体(F)は、充填材含有
率50重量%、光透過率72%(589nm)、Tg1
35℃、熱膨張係数30ppm/℃、吸水率0.85%
であった。
【0065】比較例1 テトラエチルシリケート(商品名:エチルシリケート2
8、コルコート(株)製)61.5gをメタノール16
0mlに溶かした。この液に塩酸(濃度0.036重量
%)1.7mlを添加した後、35℃に1時間保持し
た。これにチタンテトラブトキシド(日本曹達社製)1
5.0gをイソプロパノール100mlに溶かした溶液
を添加し、ケイ素とチタンよりなる複合アルコキシドの
溶液を調製した。次に、メタノール700ml、ノルマ
ルブタノール500ml、及び250mlのアンモニア
水(濃度25重量%)とから成るアンモニア性アルコー
ル溶液を入れ、反応槽を準備した。反応槽の温度を35
℃に保ちながら、先に調製したケイ素とチタンよりなる
複合アルコキシドの溶液を反応槽に約4時間かけて滴下
した。滴下開始後、約30分で反応液は、乳白色になっ
た。滴下終了後、更に1時間攪拌した後、エバポレータ
で溶媒を除去し、850℃で1時間、仮焼しシリカを被
覆しない無機複合酸化物粒子(H−1)を得た。得られ
た粒子の形状は球状で、平均粒子径0.08μm、屈折
率1.541、表面水酸基密度は10.7×10-6当量
/m2であった。
【0066】無機複合酸化物粒子(H−1)を用い実施
例1と同様にして、硬化体(E)を調製した。硬化体
(E)は、充填材含有率56重量%、光透過率29%
(450nm)及び84%(589nm)、Tg100
℃、熱膨張係数28ppm/℃、吸水率2.15%であ
った。
【0067】比較例2 テトラメチルシリケート(商品名:メチルシリケート3
9、日本コルコート(株)製)132.3gをメタノー
ル50gに溶かした。この溶液に塩酸(濃度0.036
重量%)7.0gを添加した後、約10分間攪拌した。
これにチタンテトラブトキシド(日本曹達社製)44.
3gをイソプロパノール78gに溶かした溶液を添加
し、ケイ素とチタンよりなる複合アルコキシド溶液を調
製した。次に、攪拌羽根付きの内容積3リットルのガラ
ス製反応槽にメタノール300g、アンモニア水(濃度
25重量%)75gとから成るアンモニア性アルコール
溶液を入れ、反応槽を準備した。反応槽の温度を40℃
に保ちながら、テトラエトキシシラン(関東化学(株)
製、純度99.9%)0.2gをメタノール5gに溶か
した液を加え、30分間攪拌して核粒子を生成させた。
次いで、イソプロパノール600gにアンモニア水(濃
度25重量%)150gを加えた液を反応槽に添加して
反応液を調製した。反応槽の温度を40℃に保ちなが
ら、先に調製したケイ素とチタンよりなる複合アルコキ
シド溶液を反応槽に約4時間かけて滴下した。滴下終了
後、更に40分間攪拌を続け粒子を得た。得られた粒子
を850℃で1時間仮焼し無機複合酸化物粒子(H−
2)を得た。
【0068】無機複合酸化物粒子(H−2)の形状は球
状で、平均粒子径0.2μm、屈折率1.542、表面
水酸基密度は、10.7×10-6当量/m2であった。
【0069】実施例1と同様にして、無機複合酸化物粒
子(H−2)を50重量%含む硬化体(F)を調製し
た。これは、充填材含有率50重量%、光透過率86%
(589nm)、Tg112℃、熱膨張係数30ppm
/℃、吸水率1.84%であった。
【0070】比較例3 実施例2と同様の方法で粒子を合成した後、800℃で
1時間仮焼し無機複合酸化物粒子(H−3)を得た。
【0071】上記無機複合酸化物粒子(H−3)形状は
球状で、平均粒径0.2μm、屈折率1.539、表面
水酸基密度は、11.0×10-6/m2で、仕込より推
定されるシリカ被覆層の厚さは、3nmであった。
【0072】実施例1と同様にして調製した無機複合酸
化物粒子(H−3)を50重量%含む硬化体(G)は、
充填材含有率50重量%、光透過率80%(589n
m)、Tg115℃、熱膨張係数30ppm/℃、吸水
率1.77%であった。
【0073】比較例4 比較例2に於て、生成するシリカーチタニア粒子中のチ
タニア含有率が10.6モル%になるように、用いたテ
トラメチルシリケートとチタンテトラブトキシドとの量
比を変更した以外は、比較例2と同様にして粒子を得、
850℃で1時間仮焼し無機複合酸化物粒子(H−4)
を得た。
【0074】無機複合酸化物粒子(H−4)の形状は球
状で、平均粒子径0.2μm、屈折率1.515、表面
水酸基密度は、10.7×10-6当量/m2であった。
【0075】実施例1と同様にして、無機複合酸化物粒
子(H−4)を50重量%含む硬化体(H)を調製し
た。これは、充填材含有率50重量%、光透過率10%
(589nm)、Tg112℃、熱膨張係数30ppm
/℃、吸水率1.84%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/31 H01L 23/30 R 31/02 31/02 B 33/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/00 - 63/10 C08K 3/22 C08K 3/36 C08K 9/02 H01L 33/00 H01L 23/29 H01L 31/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ及びシリカと複合可能な周期律表第
    2族、第3族及び第4族よりなる群から選ばれた少なく
    とも一種の金属酸化物よりなる無機複合酸化物粒子の表
    面にシリカを1〜30nmの厚さに被覆した、表面水酸
    基が9×10 −6 /m 以下のシリカ被覆無機複合酸化
    物粒子とエポキシ樹脂を含有してなり、且つ該シリカ被
    覆無機複合酸化物粒子の屈折率(N )とエポキシ樹
    脂の硬化体の屈折率(N )が次式を満足することを
    特徴とするエポキシ樹脂組成物。 |N −N |≦0.010
  2. 【請求項2】請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を硬化
    してなり、589nmの光の透過率が50%以上である
    ことを特徴とする透明性硬化体。
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