JP5135951B2 - エポキシ樹脂組成物、その硬化物、及び新規エポキシ樹脂 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その硬化物、及び新規エポキシ樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、硬化物のガラス領域における線膨張係数が極めて低く寸法安定性に優れるエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂及びその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、その硬化物において優れた耐熱性と絶縁性を発現することから、半導体やプリント配線基板などの電子部品用途において広く用いられている。
この電子部品用途に適したエポキシ樹脂としては、ジヒドロキシナフタレンとエピクロルヒドリンとの縮合物であって、かつ、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテルを高含有率で含むエポキシ樹脂を用いる技術が知られている(下記、特許文献1参照)。かかるエポキシ樹脂は、その硬化物において優れた耐熱性、耐水性を発現する為に半導体封止材料などの電子部品用途に有用な材料である。しかしながら、例えば、液状封止材に好適に用いられるイミダゾール系硬化剤を配合した際の保存安定性が悪く、必ずしも満足できるレベルではなかった。一般にエポキシ樹脂の貯蔵安定性を改善するにはエポキシ樹脂自体の反応性を低下させればよいが、この場合、却って硬化性の低下を招いて前記エポキシ樹脂の特長である耐熱性を損なうものであった。
特許第3062822号公報
本発明が解決しようとする課題は、電子部品の絶縁材料として硬化物の耐熱性に優れ、かつ、貯蔵安定性に優れたエポキシ樹脂組成物、それらの硬化物、及びこれらの性能を与える新規エポキシ樹脂を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ジヒドロキシナフタレン類とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂における末端基のα−グリコール量に着目し、これを特定範囲に調節することにより優れた貯蔵安定性と硬化物の高耐熱性とを兼備させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ジヒドロキシナフタレン類とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該エポキシ樹脂中のα−グリコール量が0.005〜0.025ミリ当量/gであり、かつ、エポキシ当量が136〜160g/eq.の範囲であるエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
本発明は、更に、ジヒドロキシナフタレン類とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該エポキシ樹脂中のα−グリコール量が0.005〜0.025ミリ当量/gであり、かつ、エポキシ当量が136〜160g/eq.の範囲であることを特徴とする新規エポキシ樹脂に関する。
本発明によれば、エポキシ樹脂硬化物自体の線膨張係数が著しく低く、電子部品の絶縁材料として硬化物の耐熱性に優れ、かつ、貯蔵安定性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物、及びこれらの性能を与える新規エポキシ樹脂を提供できる。
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、前記した通り、ジヒドロキシナフタレン類とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該エポキシ樹脂中のα−グリコール量が0.005〜0.025ミリ当量/gの範囲のものである。α−グリコール量が0.025ミリ当量/gを上回る場合、エポキシ樹脂自体の貯蔵安定性及びエポキシ樹脂組成物としての貯蔵安定性を著しく低下させるものとなる。一方、該エポキシ樹脂中のα−グリコール量が0.005ミリ当量/gを下回る場合には、硬化性が低下し硬化物の耐熱性が低下する。このように本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は貯蔵安定性と耐熱性とのバランスに優れるという特徴を有する。かかる効果が顕著なものとなる点から、なかでもエポキシ樹脂(A)中のα−グリコール量は0.008〜0.020ミリ当量/gの範囲の範囲であることが好ましい。
ここで用いるジヒドロキシナフタレン類としては、具体的には、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、及びこれらのメチル基又はエチル基が核置換した化合物が挙げられる。これらの中でも特に低粘度で流動性に優れる点から、1,6−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
一方、これと反応させるエピハロヒドリンとしては、具体的には、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。これらのなかでも特に、流動性、反応性の点からエピクロルヒドリンであることが好ましい。
ジヒドロキシナフタレン類とエピハロヒドリンとを反応させて得られる構造を有する前記エポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量が大きくなる場合、硬化物中の架橋点間距離が長くなり、架橋密度の低下を招き易くなる。その為、前記エポキシ樹脂(A)はエポキシ当量136〜160g/eq.であることにより、硬化物の線膨張係数をより低くすることができる点から好ましい。通常、エポキシ当量が低い場合、一般に組成物中の官能基濃度(エポキシ基)が高くなるため、貯蔵安定性を害することになるが、本発明ではエポキシ樹脂(A)中のα−グリコール量を0.005〜0.025ミリ当量/gなる範囲に調節することにより、エポキシ当量136〜160g/eq.なる範囲に低減しても、優れた貯蔵安定性を発現させることができ、低線膨張係数と貯蔵安定性とのバランスを高度に兼備させることができる。特に、低線膨張係数と貯蔵安定性とのバランスが良好なものとなる点から前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は140〜155g/eq.の範囲であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)は、更に、具体的には下記構造式1
Figure 0005135951

(式中、X及びXは、それぞれ独立的に下記構造式a
Figure 0005135951

又は下記構造式b
Figure 0005135951

で表される構造であり、nは繰り返し単位で0以上の数である。)で表されるものであり、かつ、該構造式1中のn=0体のGPC測定による含有率が98〜88面積%であって、前記構造式bで表される構造の含有率が0.005〜0.025ミリ当量/gのものであることが貯蔵安定性、低線膨張係数に加え、硬化物の耐熱性、耐水性が良好なものとなる点から好ましい。
ここで、GPCの測定条件は、具体的には下記の条件を採用することができる。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
本発明で用いる前記エポキシ樹脂(A)は、上記ジヒドロキシナフタレン類にエピクロルヒドリンを反応せしめることにより工業的に製造することができる。
例えば、
1)上記ジヒドロキシナフタレン類の水酸基の1モルに対し、エピクロルヒドリンを0.7〜10モル添加し、塩基性触媒の存在下に20〜120℃で2〜7時間エポキシ化反応を行う方法、
2)上記ジヒドロキシナフタレン類とエピクロルヒドリンとを4級アンモニウム塩の存在下に50〜150℃で1〜5時間反応させてクロルヒドリンエーテルを得、次いで、これに、アルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、再び20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法が挙げられる。
上記方法1)で用いる塩基性触媒は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられるが、中でも水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムが好ましい。
また、上記方法2)で用いる4級アンモニウム塩は、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
方法2)におけるアルカリ金属水酸化物は、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム等が挙げられ、その使用量は粗エポキシ樹脂中に残存する加水分解性塩素1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.2〜5.0モルである。反応温度としては通常50〜120℃、反応時間としては通常0.5〜3時間である。反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、粗エポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲であることが好ましい。
また、前記方法1)又は方法2)において、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジオキサンなどのエーテル類;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。溶媒を使用する場合のその使用量としては、エピクロルヒドリンの使用量に対し通常5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピクロルヒドリンの量に対し通常5〜100質量%、好ましくは10〜60質量%である。
そして、エポキシ樹脂(A)中のα−グリコール量を0.005〜0.025ミリ当量/gの範囲に調整する方法は、具体的には、上記1)又は2)の反応において、反応系内の水分量を制御しながら行う方法が挙げられる。即ち、反応系内の水分量低減させながら反応を行うことにより、エピクロルヒドリンのグリシドール化を防ぐと共に、生成したエポキシ基の加水分解を防止することができ、最終的なエポキシ樹脂(A)中のα−グリコール量を前記範囲に調整することできる。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより目的とするエポキシ樹脂(A)を得ることができる。
また、前記エポキシ樹脂(A)は、前記した通り、構造式1中におけるn=0体のGPC測定による含有率が98〜88面積%となるものであることが、耐熱性、耐水性に優れる硬化物を与える点から好ましい。このように前記エポキシ樹脂(A)中の構造式1中におけるn=0体の含有率を向上させるには、ジヒドロキシナフタレン類とエピクロルヒドリンとの反応において、エピクロルヒドリンのモル数の過剰率をできるだけ高くすることが好ましく、具体的には、ジヒドロキシナフタレン1モルに対するエピクロルヒドリンのモル数を4〜10モルの範囲でエポキシ化反応を行うことが好ましい。或いは、ジヒドロキシナフタレン類とエピクロルヒドリンとの縮合を行って得られた、オリゴマー成分を多量に含有するエポキシ樹脂について分子蒸留又は再結晶を行ってジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテルの含有率を高める方法を用いてもよい。
次に、本発明で用いる硬化剤(B)は、具体的には、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。
具体的には、アミン系化合物は、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。
アミド系化合物は、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
フェノール系化合物は、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、α−ナフトールアラルキル樹脂、β−ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。また、前記アミノトリアジン変性フェノール樹脂は、具体的には、メラミンやベンゾグアナミン等のアミノ基含有トリアジン化合物と、フェノール、クレゾール等のフェノール類と、ホルムアルデヒドとの共重合体が挙げられる。
これらの中でも、特に、硬化物の線膨張係数がより低くなり、熱的衝撃及び物理的衝撃に強く靱性に優れる点から多価フェノール系化合物が好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、α−ナフトールアラルキル樹脂、β−ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤(B)として前記フェノール性水酸基を1分子内に2つ以上含有する多価フェノール系化合物を用いる場合には、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基と、硬化剤(B)中のフェノール性水酸基との比率が、前者のエポキシ基/後者のフェノール性水酸基のモル比で0.95〜1.05となる配合割合であることが、線膨張係数が極めて低く、熱的衝撃/物理的衝撃に強い強靭な硬化物を得ることができる点から好ましい。
上記したとおり、本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とするものであるが、これらの各成分に加え、3官能以上のエポキシ樹脂を用いることが、硬化性に優れ、かつ、硬化物の耐湿性及び耐熱性が良好となる点から好ましい。
上記したとおり、本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とするものであるが、これらの各成分に加え、3官能以上のエポキシ樹脂を用いることが、硬化性に優れ、かつ、硬化物の耐湿性及び耐熱性が良好となる点から好ましい。例えば、ビルドアップフィルムとして用いる場合、3官能以上のエポキシ樹脂を併用することにより、硬化物の破断強度を向上させ、また硬化物の架橋密度を向上させることができ、無機充填材を35質量%以上充填させても粗化処理後の硬化物表面に無機充填材が剥き出しになるのを抑制し、安定して高いめっきピール強度を得ることができる。
ここで用いる3官能以上のエポキシ樹脂は、例えば、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、及び、
下記構造式
Figure 0005135951

で表される4官能ナフタレン型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるビスフェノール型エポキシ樹脂(A)と3官能以上のエポキシ樹脂(A’)との配合割合は、成分(A)/成分(A’)の質量比で、1/0.1〜1/2の範囲、特に1/0.3〜1/1の範囲であることが、特にビルドアップフィルムを製造する場合の組成物の粘着性が適度に抑えられ、真空ラミネート時の脱気性が良好でボイドの発生を防止できる点から好ましい。
また、エポキシ樹脂成分として前記エポキシ樹脂(A’)を併用する場合であって、かつ、硬化剤(B)として前記フェノール性水酸基を1分子内に2つ以上含有する多価フェノール系化合物を用いる場合には、前記硬化剤(B)中のフェノール性水酸基のモル数に対して、成分(A)及び成分(A’)中のエポキシ基の総モル数の比(エポキシ基/フェノール性水酸基)が0.95〜1.05となる範囲であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した各成分に加え、更に、硬化促進剤(C)を併用してもよい。
ここで使用し得る硬化促進剤(C)は、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。この中でも、硬化物の低線膨張係数化の効果が顕著なものとなる点からイミダゾール類が好ましい。
また、硬化促進剤(C)の添加量は、目標とする硬化時間等によって適宜調整することができるが、前記したエポキシ樹脂成分、硬化剤成分及び前記硬化促進剤(C)の総質量に対して0.1〜7質量%となる範囲であることが好ましい。
上記したとおり、本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(A)、及び、前記硬化剤(B)を必須成分とするものであるが、これらの各成分に加え、更に、エポキシ樹脂成分として、3官能以上のエポキシ樹脂(A’)を用いることが、硬化性に優れ、かつ、硬化物の耐湿性及び耐熱性が良好となる点から好ましい。特に、前記したビルドアップフィルムとして用いる場合、3官能以上のエポキシ樹脂を併用することが、硬化物の破断強度を向上させ、また硬化物の架橋密度を向上させて、無機充填材を35質量%以上の高充填させても粗化処理後の硬化物表面に無機充填材が剥き出しになるのを抑制し、安定して高いめっきピール強度を得ることができる点からから好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、用途に応じて、上記した各成分に加え、更に有機溶剤(D)を使用することができる。例えば、エポキシ樹脂組成物を積層板用ワニスとして用いる場合には基材への含浸性が改善される他、ビルドアップ用接着フィルムとして用いる場合には、基材シートへの塗工性が良好になる。ここで使用し得る有機溶剤(D)は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した各成分に加え、更に無機質充填材(E)を使用することができる。この無機質充填材(E)は、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機質充填材の配合量を特に大きくする場合は、溶融シリカを用いることが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に、球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布がより広くなるように調製することが好ましい。ここで無機質充填材(E)の使用量は、用途に応じ適宜選択することができるが、例えば、前記したビルドアップフィルムに用いる場合、該無機質充填材(E)の使用量を増加させた場合には、硬化物の線膨張係数は低くなるものの、めっき層との接着性が低下する傾向にある。本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化物が顕著に低い線膨張係数を示すことから無機質充填材(E)の使用量を低く抑えることができる。かかる観点から無機質充填材(E)の使用量は、エポキシ樹脂組成物中20〜80質量%であることが好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、難燃剤、シランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
ここで、難燃剤としては、ハロゲン化合物、燐原子含有化合物や窒素原子含有化合物や無機系難燃化合物などが挙げられる。具体的には、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などのハロゲン化合物、赤燐、燐酸エステル化合物などの燐原子含有化合物、メラミンなどの窒素原子含有化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、硼酸カルシウムなどの無機系難燃化合物が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られ、接着剤、塗料、半導体封止材料、回路基板材、複合材料、及びビルドアップフィルム等の各種の用途に適用できる。
例えば、無溶剤型の接着剤や塗料や半導体封止材料を調整するには、当該エポキシ樹脂を含む、硬化剤及び、必要に応じて無機充填材などの成分を、予備混合した後に、撹拌混合機や押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して製造することができる。これらの用途において無機充填材(E)の使用量は通常、充填率30〜95質量%となる範囲である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止材料に用いる場合、添加剤として、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、又は、2−メルカプトベンズイミダゾールを半導体封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して0.01〜3質量%含有させることが、半導体封止材料の硬化物の金属に対する密着性を向上させることができる点から好ましい。
半導体封止材料の用途では、更に、エポキシ樹脂組成物に、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤を配合させることができる。ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等が挙げられる。
一方、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
これらのカップリング剤は、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用することもできる。このときカップリング剤は、エポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1質量%、あるいは無機質充填材(E)に対して0.3〜2質量%となる範囲であることが好ましい。
さらに、半導体封止材料用途では、着色目的で使用される顔料をはじめとして、分散剤、乳化剤、難燃剤、低弾性化剤、カーボンブラック等の着色剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等の各種添加剤を配合してもよい。
そして、上記各成分から半導体封止材料を調製には、上記各成分を撹拌型分散機、ビーズミル、3本ロールにより混合する方法が挙げられる。
また、溶剤型の接着剤、塗料、銅張り積層板、ビルドアップ基板、繊維強化複合材料用のエポキシ樹脂組成物を調整するには、本発明のエポキシ樹脂成分、硬化剤成分、硬化促進剤、及び、必要により難燃剤等をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤(D)に溶解させることにより製造することができる。この際の溶剤の使用量は、前記組成物ワニス中、10〜70質量%となる範囲であることが好ましい。
この様にして得られた本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させるには、例えば、塗料用途の場合、上記の様にして調整された塗料を基材に塗布して、それを15〜200℃の環境で5分間〜1週間放置することによって、目的の塗膜硬化物を得ることができる。
また、接着剤の場合は、それを用いて基材を接着後、塗料と同様にして硬化させればよい。封止材硬化物は、該組成物を注型、或いはトランスファ−成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
また、回路基板材や複合材料用のワニス組成物の硬化物は積層物であり、この硬化物を得る方法としては、回路基板用ワニスをガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥してプリプレグを得て、それを熱プレス成形して得ることができる。
また製品形態としては、タブレット、ワニス、ペースト、パウダー、プリプレグ、フィルム或いはテープ(基材付き/無し、離型材付き/無し)、及び1液系でも2液系の何れでも構わない。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップ用接着フィルムを製造する方法は、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
次に、繊維からなるシート状補強基材に本発明のエポキシ該樹脂組成物を含浸させて多層プリント配線板の層間絶縁層用のプリプレグを製造する方法は、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を繊維からなるシート状補強基材にホットメルト法又はソルベント法により含浸させ、加熱により半硬化させることにより製造する方法が挙げられる。ここで使用し得る繊維からなるシート状補強基材としては、例えばガラスクロスやアラミド繊維等が挙げられる。
次に上記プリプレグを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば回路基板に本発明のプリプレグを1枚あるいは必要により数枚重ね、離型フィルムを介して金属プレートを挟み加圧・加熱条件下でプレス積層する方法が挙げられる。圧力条件は具体的には5〜40kgf/cm、温度は120〜200℃で20〜100分の範囲であることが好ましい。また接着フィルムと同様に真空ラミネート法により回路基板にラミネートした後、加熱硬化することによっても製造可能である。その後、前に記載した方法と同様、酸化剤により硬化したプリプレグ表面を粗化した後、導体層をめっきにより形成して多層プリント配線板を製造することができる。
以上の各種用途のなかでも、本発明では、特に、半導体封止材、及び、ビルドアップ用接着フィルムがとりわけ有用である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。各実施例及び比較例における評価方法は以下の通りである。
[貯蔵安定性]
各エポキシ樹脂100部に2−エチル−4−メチルイミダゾールを2部配合し、素早く攪拌し相溶させた。配合した組成物をサンプル瓶に入れ、-25℃にて保管し、経時的に粘度と硬化性(ゲルタイム)を測定した。
[粘度測定方法]
E型粘度計(東機産業株式会社製TV-20形粘度計「コーンプレートタイプ TVE−20H」)を用いて、各樹脂組成物の25℃における粘度を測定した。
測定レンジ:U、ローター:1°34’×R24、回転スピード:0.5rpm
(但し、比較例2は、経時の粘度上昇が大きく測定可能範囲を超えてしまうため、24hr以降は以下の測定条件にて測定した。
測定レンジ:U、ローター:3°×R9.7、回転スピード:10rpm)
[硬化性(ゲルタイム)測定方法]
キュアプレート(THERMO ELECTRIC社製)を用いて、175℃における樹脂組成物の硬化時間(ゲルタイム)を測定した。
[GPC]
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
[NMR]
日本電子株式会社「NMR GSX270」にて測定した。
実施例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに1,6−ジヒドロキシナフタレン160.0g(1.0モル)とエピクロルヒドリン925.0g(10.0モル)、n−ブタノール277.5gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後に、共沸する圧力までに減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液180g(2.20モル)を5時間かけて滴下した。次いでこの条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、有機層を反応系内に戻しながら反応した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水300gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ樹脂(E−1)263.8gを得た。この樹脂(E−1)のエポキシ当量は143g/eq.、α−グリコール基=0.01meq/g、理論構造体(n=0体)含有量=94.5面積%であった。このエポキシ樹脂(E−1)の13C−NMRチャート図を図1に示す。
得られたエポキシ樹脂(E−1)100部に2−エチル−4−メチルイミダゾールを2部配合し、素早く攪拌し相溶させた。配合した組成物をサンプル瓶に入れ、-25℃にて保管し、経時的に粘度と硬化性(ゲルタイム)を測定した。
貯蔵安定性は、初期値を100とした粘度増粘率(保存後粘度/初期粘度×100)、及び初期値を100とした硬化性変化率(保存後ゲルタイム/初期ゲルタイム×100)で評価した(共に、数値が小さいほど、貯蔵安定性が良好)。
実施例2
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに1,6−ジヒドロキシナフタレン160.0g(1.0モル)とエピクロルヒドリン740.0g(8.0モル)、ジメチルスルホキシド250.0gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、常圧で窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後、49%水酸化ナトリウム水溶液180g(2.20モル)を3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で0.5時間撹拌を続けた。その後、水260gを加えて同温度で静置分液して、下層の水層を棄却した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水300gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ樹脂(E−1)264.0gを得た。この樹脂(E−2)のエポキシ当量は143g/eq.、α−グリコール基=0.02meq/g、理論構造体(n=0体)含有量=91.2面積%であった。
得られたエポキシ樹脂(E−1)100部に2−エチル−4−メチルイミダゾールを2部配合し、素早く攪拌し相溶させた。配合した組成物をサンプル瓶に入れ、-25℃にて保管、経時的に粘度と硬化性(ゲルタイム)を測定し、実施例1と同様にして貯蔵安定性を評価した。
比較例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに1,6−ジヒドロキシナフタレン160.0g(1.0モル)とエピクロルヒドリン740.0g(8.0モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、80℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液440.0g(2.20モル)を5時間かけて滴下した。次いで、この条件下で1時間撹拌を続け、静置後、水層を棄却した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にトルエン130.0gを加えて均一溶解させ、水洗した後、油水分離し、油層から共沸蒸留により水を除いた後、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ樹脂(R−1)258.4gを得た。この樹脂(R−1)のエポキシ当量は154g/eq.、α−グリコール基=0.09meq/g、理論構造体(n=0体)含有量=86.0面積%であった。
得られたエポキシ樹脂(R−1)100部に2−エチル−4−メチルイミダゾールを2部配合し、素早く攪拌し相溶させた。配合した組成物をサンプル瓶に入れ、-25℃にて保管、経時的に粘度と硬化性(ゲルタイム)を測定し、実施例1と同様にして貯蔵安定性を評価した。
比較例2
比較例1で得られたエポキシ樹脂を、260℃、2mmHgで減圧蒸留し、エポキシ樹脂(R−2)を得た。この樹脂(R−2)のエポキシ当量は142g/eq.、α−グリコール基=0.03meq/g、理論構造体(n=0体)含有量=96.6面積%であった。
得られたエポキシ樹脂(R−2)100部に2−エチル−4−メチルイミダゾールを2部配合し、素早く攪拌し相溶させた。配合した組成物をサンプル瓶に入れ、-25℃にて保管、経時的に粘度と硬化性(ゲルタイム)を測定し、実施例1と同様にして貯蔵安定性を評価した。
Figure 0005135951
図1は実施例1で得られたエポキシ樹脂(E−1)の13C−NMRチャート図である。

Claims (7)

  1. ジヒドロキシナフタレン類とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該エポキシ樹脂中のα−グリコール量が0.005〜0.025ミリ当量/gであり、かつ、エポキシ当量が136〜160g/eq.の範囲であるエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)が、下記構造式1
    Figure 0005135951
    (式中、X及びXは、それぞれ独立的に下記構造式a
    Figure 0005135951
    又は下記構造式b
    Figure 0005135951
    で表される構造であり、nは繰り返し単位で0以上の数である。)
    で表されるものであり、かつ、該構造式1中のn=0体のGPC測定による含有率が98〜88面積%であって、前記構造式bで表される構造の含有率が0.005〜0.025ミリ当量/gである請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分及び(B)成分に加え、更に、硬化促進剤(C)を含有する請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分及び(B)成分に加え、更に、無機充填剤(E)を含有する請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  6. ジヒドロキシナフタレン類とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該エポキシ樹脂中のα−グリコール量が0.005〜0.025ミリ当量/gであり、かつ、エポキシ当量が136〜160g/eq.の範囲であることを特徴とする新規エポキシ樹脂。
  7. 下記構造式1
    Figure 0005135951
    (式中、X及びXは、それぞれ独立的に下記構造式a
    Figure 0005135951
    又は下記構造式b
    Figure 0005135951
    で表される構造であり、nは繰り返し単位で0以上の数である。)
    で表される構造を有し、かつ、該構造式1中のn=0体のGPC測定による含有率が98〜88面積%であって、前記構造式bで表される構造の含有率が0.005〜0.025ミリ当量/gである請求項記載の新規エポキシ樹脂。
    Figure 0005135951
    (式中、X及びXは、それぞれ独立的に下記構造式a
    Figure 0005135951
    又は下記構造式b
    Figure 0005135951
    で表される構造であり、nは繰り返し単位で0以上の数である。)
    で表される構造を有し、かつ、該構造式1中のn=0体のGPC測定による含有率が98〜88面積%であって、前記構造式bで表される構造の含有率が0.005〜0.025ミリ当量/gである請求項7又は8記載の新規エポキシ樹脂。
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