JP5977794B2 - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性エポキシ樹脂組成物、該硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、該硬化性エポキシ樹脂組成物からなる光半導体封止用樹脂組成物、ならびに該硬化性エポキシ樹脂組成物を使用して光半導体素子を封止した光半導体装置に関する。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、光半導体封止材、接着剤、電気絶縁材、積層板、コーティング、インク、塗料、シーラント、レジスト、複合材料、透明基材、透明シート、透明フィルム、光学素子、光学レンズ、光学部材、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基盤、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリなどとして使用できる。
近年、光半導体装置は高出力化が進んでおり、光半導体装置に用いられる樹脂には高い耐熱性が求められている。例えば、青色・白色用光半導体封止材では光半導体素子から発せられる光及び熱による樹脂の黄変が問題となっている。封止樹脂は黄変することにより、光半導体素子から発せられた光を吸収し装置から出る光度が低下する。
これまで、耐熱性向上の手段としてモノアリルジグリシジルイソシアヌレートとビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む組成物を用いる方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、これらの材料を高出力の青色・白色用光半導体の封止材に用いると光半導体素子から発せられる光及び熱によって着色が進行し、本来出力されるべき光が着色した樹脂に吸収されてしまい、この結果、経時的に装置の光度が低下するという問題点がある。
特開2000−344867号公報
本発明の目的は、高い耐熱性、耐光性、透明性及び耐クラック性を発揮する硬化物を得ることができ、例えば、高出力の青色・白色用光半導体装置の封止材として適した樹脂を得ることができる硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、該硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化してなる、高い耐熱性、耐光性、透明性及び耐クラック性を発揮する硬化物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、該硬化性エポキシ樹脂組成物からなる、高い耐熱性、耐光性、透明性及び耐クラック性を発揮する光半導体封止用樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、該硬化性エポキシ樹脂組成物を使用して光半導体を封止した、高い耐熱性、耐光性、透明性及び耐クラック性を有する光半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造の脂環式エポキシ化合物とモノアリルジグリシジルイソシアヌレートと硬化剤とを含んだ硬化性エポキシ樹脂組成物が耐熱性、耐光性、透明性に優れた硬化物を提供し、硬化性エポキシ樹脂組成物として使用した場合に、高い耐熱性、耐光性、透明性及び耐クラック性を有する光半導体装置が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、脂環式エポキシ化合物(A)と、下記式(1)
Figure 0005977794
[式中、R1及びR2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す]
で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、硬化剤(C)又は硬化触媒(D)とを含むことを特徴とする光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
好ましくは、上記脂環式エポキシ化合物(A)の脂環式エポキシ基がシクロヘキセンオキシド基である。
また好ましくは、前記脂環式エポキシ化合物(A)が下記式(I−1)
Figure 0005977794
で表される化合物である。
さらに、本発明の光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤(E)を含んでいても良い。
また、本発明は、上記光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物で光半導体素子を封止した光半導体装置を提供する。
なお、本発明では、脂環式エポキシ化合物(A)と、前記式(1)で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、硬化剤(C)又は硬化触媒(D)とを含むことを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物についても説明する。
本発明に係る硬化性エポキシ樹脂組成物によれば、耐熱性、耐光性、透明性、及び耐クラック性に優れた硬化物、ならびに該硬化物で封止された耐熱性、耐光性、透明性、及び耐クラック性に優れた半導体装置を得ることができる。本発明の硬化物、光半導体装置は、耐熱性、耐光性、透明性、及び耐クラック性に優れる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物で素子を封止した光半導体装置の一実施形態を示す概略図である。左側の図(a)は斜視図、右側の図(b)は断面図である。
<硬化性エポキシ樹脂組成物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、脂環式エポキシ化合物(A)と、下記式(1)
Figure 0005977794
[式中、R1及びR2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す]
で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、硬化剤(C)又は硬化触媒(D)とを含むことを特徴とする。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、必要であれば、さらに硬化促進剤(E)を含んでいても良い。
<脂環式エポキシ化合物(A)>
本発明で用いられる脂環式エポキシ化合物(A)には、(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有する化合物、及び(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物が含まれる。
(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環式エポキシ基)を有する化合物としては、周知慣用のものの中から任意に選択して使用することができる。脂環式エポキシ基としては、シクロヘキセンオキシド基が好ましい。
(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有する化合物としては、特に、透明性、耐熱性の点で下記式(I)で表される脂環式エポキシ樹脂が望ましい。
Figure 0005977794
式(I)中、Xは連結基(1以上の原子を有する2価の基)を示し、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基等が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、シクロヘキシリデン基等の2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)などが挙げられる。
連結基Xとしては、酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的には、−CO−,−O−CO−O−,−COO−,−O−,−CONH−;これらの基が複数個連結した基;これらの基の1又は2以上と2価の炭化水素基の1又は2以上とが連結した基などが挙げられる。2価の炭化水素基としては前記の基が挙げられる。
式(I)で表される脂環式エポキシ化合物の代表的な例としては、下記式(I−1)〜(I−8)で表される化合物などが挙げられる。例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081(ダイセル化学工業製〉等の市販品を使用することもできる。なお、下記式中、l、mは、1〜30の整数を表す。Rは炭素数1〜8のアルキレン基であり、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、s−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が挙げられる。これらのなかでも、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が好ましい。
Figure 0005977794
(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物としては、例えば下記式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005977794
式(II)中、R’はp価のアルコールからp個の−OHを除した基;p、nは自然数を表す。p価のアルコール[R’−(OH)p]としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール等の多価アルコールなど(炭素数1〜15のアルコール等)が挙げられる。pは1〜6が好ましく、nは1〜30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの( )内の基におけるnは同一でもよく異なっていてもよい。上記化合物としては、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、EHPE 3150(ダイセル化学工業製)などが挙げられる。
これらの脂環式エポキシ化合物(A)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ、例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、EHPE 3150(ダイセル化学工業製)等の市販品を使用できる。脂環式エポキシ化合物(A)としては、上記式(I−1)で表される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、セロキサイド2021Pが特に好ましい。
脂環式エポキシ化合物(A)の使用量は、脂環式エポキシ化合物(A)とモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)との総量100重量部に対し、例えば50〜90重量部、好ましくは60〜90重量部、さらに好ましくは70〜90重量部である。脂環式エポキシ化合物(A)の使用量が50重量部未満ではモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の溶解性が十分でなく、室温に置くと析出しやすくなり、90重量部を超えると、半導体装置を作成したときにクラックが入りやすくなる。硬化性エポキシ樹脂組成物中の脂環式エポキシ化合物(A)とモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の含有量の総和は、30〜99.9wt%が好ましい。
<モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)>
本発明で用いられるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は、下記の一般式(1)で表すことができる。
Figure 0005977794
但し式中、R1及びR2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。
炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。これらのなかでも、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましい。R1及びR2は水素原子であることが特に好ましい。
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)の代表的なものとしては、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、1−アリル−3,5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は、上記脂環式エポキシ化合物(A)に溶解する範囲で任意に混合でき、好ましくは脂環式エポキシ化合物(A):モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)が、50:50〜90:10(重量比)がよい。この範囲外では、溶解性が得られにくくなる。
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は、アルコールや酸無水物など、エポキシ基と反応する化合物を加えて、あらかじめ変性しても良い。
脂環式エポキシ化合物(A)とモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)との総量は、エポキシ樹脂(エポキシ基を有する化合物)の総量の80wt%以上が好ましく、特に90wt%以上が好ましい。
<硬化剤(C)>
硬化剤(C)は、エポキシ基を有する化合物を硬化させる働きを有する。本発明における硬化剤(C)としては、エポキシ樹脂用硬化剤として周知慣用の硬化剤を使用することができる。本発明における硬化剤(C)としては、なかでも、25℃で液状の酸無水物であることが好ましく、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる。また、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの常温(約25℃)で固体状の酸無水物は、常温(約25℃)で液状の酸無水物に溶解させて液状の混合物とすることで、本発明における硬化剤(C)として使用することができる。
また、本発明においては、硬化剤(C)として、リカシッド MH−700(新日本理化製)、HN−5500(日立化成製)等の市販品を使用することもできる。
硬化剤(C)の使用量としては、例えば、硬化性エポキシ樹脂組成物中に含有する全エポキシ基を有する化合物100重量部に対して、50〜200重量部、好ましくは100〜145重量部、より具体的には、上記硬化性エポキシ樹脂組成物中に含有する全てのエポキシ基を有する化合物におけるエポキシ基1当量当たり、0.5〜1.5当量となる割合で使用することが好ましい。硬化剤(C)の使用量が50重量部を下回ると、効果が不十分となり、硬化物(C)の強靱性が低下する傾向があり、一方、硬化剤(C)の使用量が200重量部を上回ると、硬化物が着色して色相が悪化する場合がある。
<硬化触媒(D)>
また、本発明においては、硬化触媒(D)として、紫外線照射又は加熱処理を施すことによりカチオン種を発生して、重合を開始させるカチオン触媒を用いることもできる。
紫外線照射によりカチオン種を発生するカチオン触媒としては、例えば、ヘキサフルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルゼネート塩などを挙げることができ、UVACURE1590(ダイセル・サイテック製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(米国サートマー製)、イルガキュア264(チバ・ジャパン製)、CIT−1682(日本曹達製)等の市販品を好適に使用することができる。
加熱処理を施すことによりカチオン種を発生するカチオン触媒としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体などを挙げることができ、PP−33、CP−66、CP−77(ADEKA製)、FC−509(スリーエム製)、UVE1014(G.E.製)、サンエイド SI−60L、サンエイド SI−80L、サンエイド SI−100L、サンエイド SI−110L(三新化学工業製)、CG−24−61(チバ・ジャパン製)等の市販品を好適に使用することができる。さらに、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸若しくはジケトン類とのキレート化合物とトリフェニルシラノール等のシラノールとの化合物、又は、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸若しくはジケトン類とのキレート化合物とビスフェノールS等のフェノール類との化合物であってもよい。
硬化触媒(D)の使用量としては、例えば、硬化性エポキシ樹脂組成物中に含有する全エポキシ基を有する化合物100重量部に対して、0.01〜15重量部、好ましくは0.01〜12重量部、特に好ましくは、0.05〜10重量部、最も好ましくは、0.1〜10重量部程度である。この範囲内で使用することにより、耐熱性、耐光性、透明性に優れた硬化物を得ることができる。
<硬化促進剤(E)>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤(E)を含んでいてもよい。硬化促進剤(E)は、エポキシ基を有する化合物が硬化剤により硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。特に硬化剤(C)と併用することが多い。硬化促進剤(E)としては、周知慣用の硬化促進剤を使用することができ、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、4級アンモニウム塩、ヨードニウム塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどの3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレートなどのホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛などの有機金属塩;金属キレートなどが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明においては、硬化促進剤(E)として、U−CAT SA 506、U−CAT SA 102、U−CAT 5003、U−CAT 18X、12XD(開発品)(いずれもサンアプロ製)、TPP−K、TPP−MK(いずれも北興化学工業製)、PX−4ET(日本化学工業製)等の市販品を使用することもできる。
硬化促進剤(E)の使用量としては、例えば、硬化性エポキシ樹脂組成物中に含有する全エポキシ基を有する化合物100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部、最も好ましくは0.25〜2.5重量部程度である。硬化促進剤(E)の使用量が0.05重量部を下回ると、硬化促進効果が不十分となる場合があり、一方、硬化促進剤(E)の使用量が5重量部を上回ると、硬化物が着色して色相が悪化する場合がある。
<ゴム粒子>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、ゴム粒子を含んでいてもよい。ゴム粒子としては、例えば、粒子状NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、反応性末端カルボキシル基NBR(CTBN)、メタルフリーNBR、粒子状SBR(スチレン−ブタジエンゴム)等が挙げられる。ゴム粒子は、ゴム弾性を有するコア部分と、該コア部分を被覆する少なくとも1層のシェル層とから成る多層構造(コアシェル構造)を有し、表面に脂環式エポキシ樹脂と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであるゴム粒子であって、該ゴム粒子の屈折率と当該硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の屈折率との差が±0.02以内であるゴム粒子で有っても良い。ゴム粒子の配合量としては、必要に応じて適宜調整することができ、例えば、ゴム粒子を分散させたエポキシ樹脂全量に対して、0.5〜30重量%程度、好ましくは、1〜20重量%程度である。ゴム粒子の使用量が0.5重量%を下回ると、耐クラック性が低下する傾向があり、一方、ゴム粒子の使用量が30重量%を上回ると、耐熱性及び透明性が低下する傾向がある。
<添加剤>
本発明にかかる硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤を使用することができる。添加剤として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの水酸基を有する化合物を使用すると、反応を緩やかに進行させることができる。その他にも、粘度や透明性を損なわない範囲内で、シリコーン系やフッ素系消泡剤、レベリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、界面活性剤、シリカ、アルミナなどの無機充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、蛍光体、離型剤などの慣用の添加剤を使用することができる。
<硬化物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、温度45〜200℃、好ましくは、100〜190℃、さらに好ましくは、100〜180℃で、硬化時間30〜600分、好ましくは、45〜540分、さらに好ましくは、60〜480分で硬化させることができる。硬化温度と硬化時間が上記範囲下限値より低い場合は、硬化が不十分となり、逆に上記範囲上限値より高い場合、樹脂成分の分解が起きる場合があるので、何れも好ましくない。硬化条件は種々の条件に依存するが、硬化温度が高い場合は硬化時間は短く、硬化温度が低い場合は硬化時間は長く、適宜調整することができる。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させることにより耐熱性、透明性、及び耐クラック性などの諸物性に優れた硬化物が得られる。
<光半導体封止用樹脂組成物>
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物からなる。本発明の光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子を封止することにより、耐熱性、透明性、及び耐クラック性などの諸物性に優れた光半導体装置が得られる。
<光半導体装置>
本発明の光半導体装置は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物で光半導体素子を封止することにより得られる。光半導体素子の封止は、前述の方法で調製された硬化性エポキシ樹脂組成物を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化して行う。これによって、硬化性エポキシ樹脂組成物によって、光半導体素子が封止されてなる光半導体装置が得られる。硬化温度と硬化時間は、上記と同様にすることができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、光半導体封止材、接着剤、電気絶縁材、積層板、コーティング、インク、塗料、シーラント、レジスト、複合材料、透明基材、透明シート、透明フィルム、光学素子、光学レンズ、光学部材、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基盤、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリなどとして使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
製造例1
(硬化剤と硬化促進剤と添加剤の混合物、以下C剤と記載する)
C剤として、硬化剤(新日本理化製 リカシッド MH−700):100重量部、硬化促進剤(サンアプロ製 18X):0.5重量部、添加剤(和光純薬工業製 エチレングリコール):1重量部を、自公転式攪拌装置(あわとり練太郎AR−250 シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡してC剤を得た。
製造例2
(エポキシ樹脂)
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート(四国化成製 MA−DGIC)と脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学工業製 セロキサイド2021P)もしくはビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成製 YD−128)を表1に示す配合処方(単位:重量部)に従って混合し、80℃、1時間攪拌することでモノアリルジグリシジルイソシアヌレートを溶解させ、エポキシ樹脂(混合物)を得た。
実施例1〜5、比較例1〜3
製造例2にて得たエポキシ樹脂と製造例1にて得たC剤を表1に示す配合処方(単位:重量部)に従って、各成分を自公転式攪拌装置(あわとり練太郎AR−250 シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を図1に示すように光半導体のリードフレーム(InGaN素子、3.5mm×2.8mm)に注型した後、150℃のオーブンで2時間加熱することで、硬化した樹脂で素子を封止した光半導体装置を得た。なお、図1において、100はリフレクター(光反射用樹脂組成物)、101は金属配線、102はLED素子、103はボンディングワイヤ、104は透明封止樹脂を示す。
<評価>
実施例及び比較例で得られた硬化性エポキシ樹脂組成物ならびに光半導体装置について、以下の方法で評価試験を行った。
[耐熱性試験]
実施例及び比較例で得られた光半導体装置の全光束を全光束測定機を用いて測定した。さらに、60℃の恒温槽内で300時間、光半導体装置に40mAの電流を流した後の全光束を測定した。次式から、光度保持率を算出した。結果を表1に示す。
{光度保持率(%)}
={300時間後の全光束(lm)}/{0時間の全光束(lm)}×100
[透明性試験]
実施例及び比較例の配合処方による硬化前の硬化性エポキシ樹脂組成物を所定の型に注型し、110℃・2時間及び150℃・3時間オーブンで加熱し、厚さ3mmのプレートを作製した。分光光度計を用いて450nmの光線透過率を測定した。結果を表1に示す。
[耐クラック性試験]
実施例及び比較例で得た光半導体装置に、−40℃・15分及び120℃・15分を1サイクルとした熱衝撃を、熱衝撃試験機を用いて400サイクル行った。その後、クラックの長さをデジタルマイクロスコープ(VHX−900 キーエンス製)を使用して観察し、光半導体装置5個のうち、発生したクラックの長さが90μm以上のものを有する光半導体装置の個数を計測した。結果を表1に示す。
[総合判定]
透明性試験において光線透過率が85%以上のもので、耐熱性試験において光度保持率が90%以上、耐クラック性試験においてクラック装置数が0個となったものを総合判定○とした。それ以外のものを×とした。結果を表1に示す。
Figure 0005977794
なお、実施例及び比較例で使用した成分は、以下の通りである。
エポキシ樹脂
CEL2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ダイセル化学工業製
MA−DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、四国化成製
YD−128:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成製
C剤
リカシッド MH−700:4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30、新日本理化(株)製
18X:硬化促進剤、サンアプロ製
エチレングリコール:和光純薬工業製
試験機器
・樹脂硬化オーブン
エスペック社製 GPHH−201
・恒温槽
エスペック社製 小型高温チャンバー ST−120B1
・全光束測定機
米国オプトロニックラボラトリーズ社製 マルチ分光放射測定システム OL771
・分光光度計
島津製作所製 分光光度計 UV−2450
・熱衝撃試験機
エスペック社製 小型冷熱衝撃装置 TSE−11−A
100:リフレクター(光反射用樹脂組成物)
101:金属配線
102:LED素子
103:ボンディングワイヤ
104:透明封止樹脂

Claims (5)

  1. 脂環式エポキシ化合物(A)と、下記式(1)
    Figure 0005977794

    [式中、R1及びR2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す]
    で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、硬化剤(C)とを含み、
    前記脂環式エポキシ化合物(A)が下記式(I)
    Figure 0005977794

    [式中、Xは2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数個連結した基を示す]
    で表される脂環式エポキシ樹脂であり、
    脂環式エポキシ化合物(A)の使用量が、脂環式エポキシ化合物(A)とモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)との総量100重量部に対し、50〜90重量部であり、
    脂環式エポキシ化合物(A)とモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)との総量が、エポキシ樹脂(エポキシ基を有する化合物)の総量の80wt%以上であることを特徴とする光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤(C)が酸無水物である、請求項1記載の光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記脂環式エポキシ化合物(A)が下記式(I−1)
    Figure 0005977794

    で表される化合物である、請求項1又は2記載の光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. さらに、硬化促進剤(E)を含む、請求項1〜3のいずれかの項に記載の光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかの光半導体封止用硬化性エポキシ樹脂組成物で光半導体素子を封止した光半導体装置。
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