JP2006523936A - 直接メタノール燃料電池における受動的水管理技術 - Google Patents

直接メタノール燃料電池における受動的水管理技術 Download PDF

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Abstract

空気吸い込み直接酸化燃料電池システムにおける、受動的な水管理技術を提供する。サブマイクロメートル幅の孔を有する非常に疎水性の要素が、空気極側の触媒処理された膜電解質に積層されている。この要素は、空気極外部への液体水の移動を阻止し、代わりに、水を高分子膜電解質を通して燃料極へと移動させる。空気吸い込み直接酸化燃料電池はまた、電池空気極の外面上に空気極バッキング層及び追加の空気極フィルタ要素を備え、それらは、電池空気極からの水蒸気流出速度を低下させる。よく積層された疎水性マイクロポーラス層、即ち厚いバッキングと、追加のフィルタ層との組み合わせは、一緒になって、特異な水管理能力を有する空気極構造を画定し、それは、水の外部からの供給やポンピングを必要とすることなく、直に、制御された供給速度のニート(100%)メタノールを用いたDMFCの運転を可能にする。電池燃料極には、親水性のバッキング層が設けられている。水が、高分子膜電解質を通って、電池空気極から電池燃料極チャンバへと送られると、それは燃料極反応に利用され、そして過剰の水はCO2排気チャネルに沿って外部環境へと送られる。

Description

本発明は、概して、直接酸化燃料電池に関し、より詳細には、受動的な水管理技術を含むそのような燃料電池に関する。
関連出願の相互参照
本願は、2003年4月15日付けの、Renらによる、DIRECT OXIDATION FUEL CELL OPERATING WITH DIRECT FEED OF CONCENTRATED FUEL UNDER PASSIVE WATER MANAGEMENTと題された先の出願題10/413,983号の部分継続出願である。
燃料電池は、電気化学反応を用いて燃料と酸素から電気を生成する装置である。燃料電池の構成要素に選択した材料に応じて、燃料としての使用に、種々の物質が適している。メタノールなどの液体状の有機物質は、その比エネルギーが高いため、魅力的な燃料の選択肢である。
燃料電池システムは、「改質器ベース」のシステム(即ち、水素が電池に導入される前に、燃料から水素を取り出す幾つかの方法で燃料が処理されるもの)、又は中間処理や外部処理を要することなく燃料が電池に直に供給される「直接酸化」システムに分類される。最近利用可能な燃料電池は、改質器ベースのものである。しかしながら、燃料の処理は複雑で、一般的に、相当の大きさを占める高価な構成要素を必要とするため、改質器ベースのシステムは比較的高出力の用途により適している。
直接酸化燃料電池システムは、比較的小型の携帯型機器(例えば、携帯電話、手持ち式コンピュータやラップトップコンピュータ)における用途、並びに幾分大規模の用途により適している。ここで対象とする直接酸化燃料電池では、炭素含有液体燃料(典型的に、メタノールやメタノール水溶液)が、膜電極アセンブリ(MEA)の燃料極側に直に導入される。
直接酸化燃料電池システムの一例は、直接メタノール燃料電池、即ちDMFCシステムである。DMFCシステムでは、メタノール又はメタノールと水を主成分とする混合物を燃料(「燃料混合物」)として用い、酸素、好ましくは周囲空気からの、を酸化剤として用いる。基本的な反応は、燃料混合物がCO2、プロトン及び電子となる燃料極反応;及びプロトン、電子及び酸素が水となる空気極化合である。後にさらに説明するように、全体反応は、これらどちらかの反応が許容速度にて進行し損なうことによって制限され得る。
典型的なDMFCシステムは、燃料源若しくはリザーバ、燃料及び廃液管理システム、空気管理システム、並びに直接メタノール燃料電池(「燃料電池」)自体を備える。燃料電池は、典型的に、ハウジング、電流収集、燃料及び空気の拡散用設備、並びにハウジング内に配置された膜電極アセンブリ(「MEA」)から構成される。
直接酸化燃料電池システムにおける発電反応及び電流収集は、MEAにて及びその内部で起こる。燃料極における燃料酸化工程においては、燃料は、典型的に水と反応し、生成物はプロトン、電子及び二酸化炭素である。燃料極反応に関与する燃料中及び水分子中の水素に由来するプロトンは、電子非伝導性であるプロトン伝導膜電解質(「PCM」)を通って移動する。電子は、負荷を含む外部回路を通って移動し、空気極反応においてプロトン及び酸素分子と結合する。負荷を通る電流は、燃料電池電力をもたらす。
典型的なMEAは、中央に配置されるPCMを挟持する燃料極触媒層と空気極触媒層とを含む。市販のPCMの一例は、NAFION(登録商標)(NAFION(登録商標)は、E.I. Dupont de Nemours and Companyの登録商標である)であり、それは、種々の厚さ及び当量のポリパーフルオロスルホン酸系のカチオン交換膜である。PCMは、典型的に、その各面上に、白金粒子、又は白金/ルテニウム混合物若しくは合金粒子などの電極触媒がコーティングされている。燃料電池用途に最適なPCMは、良好なプロトン伝導性を有し且つ十分に水和されている。典型的に、MEAは、さらに、触媒コートされたPCMのどちらかの面上に「拡散層」を備える。燃料極側の拡散層は、液体若しくは気体燃料をPCMの燃料極触媒面上に均一に拡散させると共に、PCMの燃料極面から反応生成物、典型的には二酸化炭素ガス、を除去させるために採用される。空気極側に関しては、拡散層は、PCMの空気極面への酸素ガスの十分な供給及びより均一な拡散を可能とすると共に、PCMの空気極面上への液体、典型的には水、の堆積を最小限としたり排除したりするために用いられる。燃料極及び空気極拡散層の各々はまた、触媒処理されたPCMから電流コレクタへの電流の収集並びに伝導を支援する。
携帯型電子機器用の直接酸化燃料電池は、所与の電力及びエネルギー要件に関して、できるだけ小さいことが理想的である。電力出力は、所与のセル電圧にて運転される燃料電池の燃料極及び空気極において起こる反応の速度によって左右される。より詳細には、ポリパーフルオロスルホン酸や他の高分子電解質をはじめとする酸性電解質膜を利用する直接メタノール燃料電池の燃料極プロセスは、メタノール1分子と水1分子との反応を伴う。このプロセスでは、水分子は、以下の電気化学反応式に従って、6電子プロセスにおいて、最終生成物であるCO2へとメタノールを酸化させるために消費される。
(1) CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e-
燃料極プロセスでは、水は分子比1:1(水:メタノール)での反応物であるため、メタノールと共に、適切な重量(又は容積)比にて水を燃料極に供給することが、電池における当該プロセスを維持するために重要である。実際、以下の式(2)及び(3)に記載のギ酸やホルムアルデヒドへの部分酸化、それぞれ4e-及び2e-プロセス、ではなくて、CO2への完全な燃料極酸化を保証するためには、DMFCの燃料極における水:メタノールのモル比は、プロセス(1)で示される量論比1:1よりも著しく高くなければならないことが知られている。
(2) CH3OH + H2O → HCOOH + 4H+ + 4e-
(3) CH3OH → H2CO + 2H+ + 2e-
式(2)及び(3)は、望ましくない不完全な燃料極酸化プロセスであり、それらは、電池の定常運転時のメタノールに対する水の比が十分でない場合に起こり得る。特に、メタノールの部分酸化を伴うプロセス(3)では、当該燃料極プロセスには水は必要とされないため、燃料極における水レベルがあるポイントを下回ると当該プロセスが支配的となり得る。プロセス(3)が支配的となると、プロセス(1)によるメタノール消費と比較して、メタノールのエネルギー生成は、実に約66%も低下し、電池の低い電気エネルギー出力に帰着する。また、ホルムアルデヒドのような望ましくない燃料極生成物の生成にもつながる。
典型的に、小型、小容量、コンパクトなDMFC技術プラットホームにおいては、燃料極触媒に所望の水/メタノール混合物を与えることは困難であった。この問題に対する従来のアプローチは、2つのカテゴリーに分類し得る。
(A)非常に希釈した(2%)メタノール溶液を電池燃料極に供給し、電池空気極における過剰量の水をポンプを用いて電池燃料極に戻し、当該再循環液に、リザーバ内に貯蔵された純メタノールを添加して成る能動的システム;及び
(B)メタノール/水混合物のリザーバを利用し、ポンプを必要としない受動的システム
ポンプを備える能動的システムである分類Aのシステムは、原理的に、燃料極内の適切な水レベルの維持をもたらし得るが、これは、燃料供給カートリッジからの純メタノールを再循環ループに添加することによって達成される。当該ループではまた、空気極で収集され且つポンプにより再循環燃料極液中に戻された水も受容する。この方法では、最適化された水/メタノール燃料極混合が維持され得る。濃度は、通常、メタノール濃度センサを用いて制御される。このアプローチの利点は、電池燃料極にて必要なメタノール対水比をもたらす再循環ループにより希釈メタノール溶液を運搬しつつ、モル分率が少なくとも50%のメタノール、好ましくは「ニート」メタノール(純メタノール)から成る濃縮メタノール溶液をカートリッジに入れて運搬できることである。高濃度燃料源を持ち運び、そして電池空気極からの水を回収することは、カートリッジに入れて運ぶ必要のある水の量を低減させ、それによってリザーバ、結果、システム全体の重量や容積が低減される。欠点は、ニートメタノールをカートリッジに入れて持ち運ぶのに対し、システムは、ポンピングや再循環の構成要素並びに濃度センサに起因して、過度の複雑さを抱えており、それは、相当な寄生電力損失や、電力システムの重量及び容積の増大に帰着する。これは、当該電力システムを小規模電力源として用いる際に特に問題となる。
受動的システムを構成する分類Bのシステムは、燃料リザーバに水とメタノールの混合物を入れて持ち運ぶことにより、水の回収、ポンピング並びに再循環装置を省くことによって達成されたシステムの簡便性という利点を有する。この種のシステムは、空気極による水の損失速度が、燃料電池に「内蔵」されて運ばれる水、典型的には燃料リザーバ内、により調節される限り、実質的に、あるいは完全に受動的であり得る。このアプローチの問題は、本質的にエネルギーを生成しない大量の水を燃料リザーバやカートリッジに入れて持ち運ぶ必要があることである。
分類A及び分類Bのシステム両方の最良の特徴に適応し、これら2つの既知のシステムの欠点を有さない燃料電池システムが、携帯型電力用途にとって最も有利であろう。しかしながら、そのようなシステムを開発するこれまでの試みは、プロセス(1)の基本的な特徴、即ち、メタノールとの混合物中において、少なくともモル分率50%、即ち、メタノールの25重量%にて水を燃料極に与える必要のあること、に関連する難題のために不成功に終わっている。実際、一般的なアプローチでは、燃料極反応に関与することなく膜電解質を通過する(メタノール「クロスオーバー」として知られる現象)メタノールの量を最小限とするために、膜電解質アセンブリの燃料極面には98%もの高さの水(及び2%のメタノール)から成る溶液を導入する必要がある。
従って、100%メタノールをはじめとする高度に濃縮されたメタノールをリザーバから直に燃料極区画に供給し得ることは、空気極から水を収集すると同時にそれをポンプによって燃料電池の燃料極に戻すことにより能動的に水を燃料極触媒に供給する場合を除いて、これまで実践的ではないと考えられてきた。換言すれば、ニートメタノール若しくは高度に濃縮されたメタノール溶液(>10重量%)を受動的システムの燃料極に直に導入することは、膜を横切って流れることによるメタノールの著しい損失や、上述のプロセス(1)以外の燃料極プロセスといった結果を予測していたため、これまで、実現できるとは考えられていなかった。
そのような電池では、利用できる水は、他を含まず、空気極において内部生成されたものであるため、電池全体への水の供給は注意深く管理されなければならない。水の管理に関し検討すると、考慮すべき幾つかの競合する事項がある。基本的な課題は、空気極で生成した水の空気極から燃料極への十分な流れを生成させて、プロセス(1)によるメタノールの完全酸化をもたらすことである。そうするためには、空気極で生成した水の一部を燃料極へと戻し且つ燃料電池の燃料極側から過剰の水を水蒸気として放出することが必要とされる。言い換えれば、これは、空気極からの水の受動的な蒸発損失と、電池内における水の制御された供給とのバランスを達成させなければならないことを意味する。従って、空気極で過剰の液体水が蓄積する結果、空気極への空気の行き来が著しく阻害されることなしに、過剰の水蒸気損失に起因して電池が乾燥することを防止しつつ、燃料極への液体水の効果的な供給を受動的にもたらす技術を備えた直接酸化燃料電池システムが依然として必要とされている。
このように、本発明の目的は、電池の乾燥や空気極の洪水の両方が回避される、受動的な水管理技術を備えた直接酸化燃料電池システムを提供することである。
本発明の他の目的は、ニートメタノールや高度に濃縮されたメタノール溶液を燃料源として操作し得且つ当該燃料を直に燃料極に供給し得るばかりでなく、十分な量の水を燃料極に存在させて、受動的な水管理技術、即ち、電池空気極からの水を回収したり、再循環及びポンプ機器を用いたりすることなく、膜電解質において燃料極プロセス(1)を効率的に達成し得る、直接酸化燃料電池システムを提供することである。より詳細には、本発明の他の目的は、強制的な空気流を用いることなく空気が空気極に供給され、水が受動的に管理され、且つ濃縮メタノール溶液が燃料電池燃料極チャンバに供給される、直接酸化燃料電池応用装置を開発することである。
従来技術の欠点は、本発明の解法によって克服され、それは、ニートメタノール若しくは高度に濃縮されたメタノール燃料供給源並びに受動的な水管理技術を備える、独特の、空気吸い込み直接酸化燃料電池を提供する。当該空気吸い込み直接酸化燃料電池は、空気極バッキング層及び空気極バッキングを覆う追加の空気極フィルター要素を含み、それによって、電池の空気極半反応に必要な酸素を効果的に電池に導入することができるように空気極触媒への空気の行き来を著しく阻害することなく、電池空気極からの水蒸気流出速度を管理することができる。本願の意図では、「バッキング」及び「バッキング層」は、「拡散層」と同じ意味を有する。
本発明の直接酸化燃料電池はまた、燃料電池の空気極側から燃料電池の燃料極側に液体水を戻し、電池反応による水生成速度が水蒸気流出速度よりも高い条件下において実質的に空気極の「洪水」を阻止するための構成要素も含む。本発明によれば、サブミクロン幅の孔を有する非常に疎水性の構成要素を、膜電解質の空気極面に近接して設ける。この微小孔のある疎水性の構成要素は、膜の空気極面で生成した液体水がバッキング層へと移動するのを阻止し、その結果、液体水を空気極から膜を横切って電池燃料極へと移動させる。限定はしないが、本質的にプロトン伝導性の膜(しばしば、イオノマー膜と称される)、一例はNAFION(登録商標)、をはじめとする、直接メタノール燃料電池技術において典型的に利用される膜電解質の水透過性は比較的低く、それ故、膜電解質の空気極面から膜電解質の燃料極面に液体水を導くためには相当な水圧を起こす必要がある。従って、微小孔のある疎水性の層は、入念に設計し且つ膜電解質の空気極面によく結合させる必要がある。
本発明によれば、電池燃料極に親水性のバッキング層を設けることにより、必要とされる燃料極から燃料極への方向の水の流れを促進することができる。従って、触媒処理された膜の空気極面から電池燃料極チャンバへと膜を通って水が送られると、液体水は、親水性の燃料極バッキング層に容易に拡散する。燃料極に到達した水の幾らかは、燃料極反応(1)のために用いられ、電池燃料極における過剰の水はCO2通気チャネルを介して外部環境へと運び去られる。こうして、電池の乾燥や空気極の洪水は、液体水を燃料極へと受動的に導き、もしあれば、電池燃料極における過剰の水を除去することによって防止することができ、それによって、広範な環境温度及び湿度において安定な電池性能を確保することができる。空気極から燃料極への液体水の戻り流れによって、外部から燃料極に水を供給することなく、燃料電池は空気極で生成した水を利用して燃料極反応を維持することができ、それによって、燃料電池の燃料極チャンバへの濃縮メタノールの直接供給を用いて受動的な運転を実現することができる。
水は、直接酸化燃料電池の運転時に起こる多くの重要な電池プロセスに関与する。第一に、本質的にプロトン伝導性の膜(典型的に、NAFION(登録商標))を含む、燃料電池のプロトン伝導性膜電解質は、効果的にプロトンを伝導するために十分に水和されていなければならない。NAFION(登録商標)は水を吸収し、それによって、発電反応におけるプロトン、即ち、上述のプロセス(1)で生成される6H+、を、水分子の支援により、膜中を通過させることができる。これは、膜電解質の燃料極面から膜電解質の空気極面へと移動しているプロトンによる水の牽引に帰着する。
第二に、当業者には理解されようが、空気極半反応は、反応
3/2O2 + 6H+ + 6e- → 3H2O
による、水の生成を伴う。よって、直接酸化燃料電池環境では、最終的な水の生成がある。しかしながら、水は、蒸気の空気極反応式における水生成速度の和で定義されるように電流に比例した速度にて電池空気極に堆積するため、また、水はプロトン流を伴って燃料極から空気極へと膜を横切って流れる(又は牽引される)ため、この水は、最適なようには電池内に分配されない。式(5)は、触媒処理された膜電解質の空気極面における水堆積の総合的な形成速度を示している。水は燃料極におけるプロセス、即ち、上述のプロセス(1)に利用されるため、最終的に、水はセル電流に比例する速度にて燃料極から減少する。触媒処理された膜電解質の空気極面における水の幾らかは、空気極バッキング層及び/又は任意に追加される燃料極フィルターを通って水蒸気状態で電池から除去される。あまりに水蒸気の流出速度が高いと、膜電解質や電池の乾燥に帰着し、燃料電池システムの不充分な性能につながる。不充分な水蒸気の流出は、燃料電池の空気極面における液体水の過剰堆積に帰着し得、それは、空気極触媒層への空気の行き来を著しく阻害し得、また、燃料電池システムの性能を悪化させ得る。
本発明によれば、軽量の受動的な構成要素を直接酸化燃料電池内に配置することで、電池内の水分配を管理し且つニートメタノール若しくは高度に濃縮されたメタノール溶液の供給を用いて運転し得る、高効率の空気吸い込み電池を提供することができる。
より詳細には、図1は、本発明の受動的システムの特異な水管理特性並びに構造の簡略図である。当該図は、説明目的で、本発明の直接酸化燃料電池の一実施形態を示しているが、ここに記載の発明は、本発明の範囲に属する限り、図示したものに加えて、多くの他の構成要素を備えることができる。多数の代替の燃料電池構造が本発明の範囲に属する。また、本発明の例示的実施形態は、実質的にニートメタノールから成る燃料成分を用いたDMFCである。しかしながら、他の燃料を適切な燃料電池に用い得ることも本発明の範囲内であることを理解されたい。よって、ここで用いるとき、燃料という語には、メタノールやエタノール、ジメチルオキシメタン、オルトギ酸メチル又はそれらの組み合わせや水溶液、並びに直接酸化燃料電池及び燃料電池システムに使用するのに適する他の炭素含有成分が含まれる。
燃料電池100(図1)は、触媒処理された膜電解質104を備え、それは、プロトン伝導性で電子非伝導性の膜とし得、しばしばここでは「PCM」と称される。記載したように、本発明の或る用途においては、本質的にプロトン伝導性である膜を採用することができるが、本発明は、そのような膜に限定されない。触媒処理された膜として用い得る市販の材料の一例は、NAFION(登録商標)、E.I. Dupont de Nemours and Companyの登録商標、であり、種々の厚さと当量のポリパーフルオロスルホン酸系のカチオン交換膜である。当該膜は、各面上に、典型的に、白金や白金/ルテニウム混合物若しくは同類の粒子のような電極触媒がコーティングされている。このように適切な触媒を適用した後は、本明細書では、それを「触媒処理された膜電解質」と称する。触媒処理された膜電解質104の一方の面は、燃料極面若しくは燃料極面106である。触媒処理された膜電解質104の反対面は、空気極側にあり、本明細書では、空気極面又は膜電解質104の空気極面108と称する。
炭素含有燃料成分、この例ではニートメタノール、は、膜電解質に実質的に平行に配された物質輸送分配要素110を通って、矢印109により概略的に示されているように、導入される。物質輸送分配要素110は、本願が一部継続出願となった元の、2003年4月15日付けの、同じ出願人による、DIRECT OXIDATION FUEL CELL OPERATING WITH DIRECT FEED OF CONCENTRATED FUEL UNDER PASSIVE WATER MANAGEMENTと題された米国特許出願第10/413,983号において詳細に説明しており、参照することで本明細書に取り入れることとする。
燃料極反応は、
CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e-
である。本反応によれば、膜電解質104の燃料極面106において、メタノール1分子と水1分子とが反応し、その結果、6つのプロトン(6H+)は膜104中を横切る。これは、膜104をプロトンが横切って移動するのを可能にする、十分に水和したNAFION(登録商標)膜成分により実現される。空気極側では、周囲空気が、矢印122で示すように、空気極フィルター120を介して燃料電池100の空気極部に導入される。膜104の空気極面108における反応は、
6H+ + 6e- + 3/2O2→ 3H2O
である。こうして、燃料極面108において、プロトン及び電子は周囲空気中の酸素と結合して水(H2O)を形成する。この水は、矢印130で示すように、水蒸気のみならず液体水の形態でも、主に電池の空気極面から流出する。燃料極側では、燃料極反応は、膜104の燃料極面106における二酸化炭素の生成を含む。二酸化炭素は、二酸化炭素除去チャネル、即ち、後にさらに詳細に説明する、140及び144で示した開口を介して燃料電池100から外に出る。
本発明によれば、電池空気極からの水回収なしに電池燃料極にニートメタノールを用いて燃料電池を運転させ得るために、電池空気極での過剰の水損失を回避することが重要である。液体水が空気極バッキング中に侵入するのを防ぐために、サブマイクロメートルの孔を有する非常に疎水性のバッキング層を用いる。疎水性のミクロ孔の毛管力により生成し液体水にかかる静的水圧は、液体水を、Nafionのようなナノポーラス高分子電解質膜中を通して電池燃料極へと戻すのに十分に高い。電池空気極からの水蒸気損失をさらに管理するために、適切な空気極バッキングと空気極フィルターとの組み合わせを用いて、電池空気極への酸素の行き来を過度に制限することなく、水蒸気の拡散速度を低下させることができる。液体水の「押し戻し」や水蒸気流出の低減といったこれらの特性を目標として設定する際には、多数の構成要素を種々の組み合わせにて含むことで、能動的な再循環機器を用いることなく燃料源としてニートメタノールを供給することを可能とすると共に、最適な電池性能を得ることができる。
より詳細には、図1に示すように、燃料電池100の空気極側では、非常に疎水性の空気極要素150が、膜104の触媒処理された空気極面108に近接して電池100内に配置されている。疎水性の空気極要素150は、実質的に、延伸多孔質のPTFE、又はポリテトラフルオロエチレンのコーティングされた炭素粒子から形成されたマイクロポーラスな層、又は液体水の流出を阻止する他の疎水性材料若しくは構造から構成される。要素150の機能は、図2を参照することで、さらに理解することができる。図2では、高分子電解質膜204は、燃料極面206と空気極面208とを有する。空気極面208は、空気極触媒層209を含む。周囲空気からの酸素が、膜の触媒処理された空気極面208に接触すると、矢印210で示すように膜中を移動するプロトン、電子(図示せず)と結合し、それによって、概略的に220と示した領域において水が生成される。本発明によれば、疎水性空気極要素250は、燃料電池の空気極部から液体水が外部に移動するのを実質的に防ぐ。より詳細には、262のような液体水領域が、疎水性空気極要素250を横切って通過することは実質的に防止される。液体水は、空気極要素250の孔のサブマイクロメートルの孔直径及び疎水性特性のために、疎水性空気極要素250中を通過することはできず、それによって、液体水は、マイクロポーラスなアレイ内で発達した水圧によって、矢印270の向きで膜204中を戻り、電池の燃料極側へと送られる。
図3に、疎水性空気極要素250をさらに詳細に示す。当該要素は、好ましくは、延伸多孔質のPTFEからなる薄膜、又は炭素粒子をポリフルオロカーボン化合物でコーティングし結合させて成る層である。当該膜は、孔355〜358のようなミクロ孔を有する。当該ミクロ孔の孔直径は、液体水を遮断するために、約1.0〜0.1μmである。これらの孔は、周囲空気からの酸素を、膜の空気極面へと通過させることができ、それらは、限られた量の水蒸気形態の水を、電池外部に流出させることができる。しかし、孔は、非常に小さく且つ疎水性であるため、液体水は要素250中を通過することはできず、そうして、燃料電池の燃料極反応に必要とされる堆積した液体水は、膜104を横切る他の向きにて燃料極へと押し戻される。このような水の管理は、能動的な再循環導管、ポンプあるいは他の機械的要素を何ら用いることなく達成される。
非常に疎水性の孔に進入する液体水にかかる毛管背圧は、孔直径に反比例し、式(7)によってざっと説明される。
Figure 2006523936
式中、σは、空気と接触している水の表面張力(30℃にて71.18 ダイン/cm)であり、rは、空気極バッキングのミクロ孔の孔直径である。NAFION(登録商標)117膜に関しては、水透過性測定により、値4.94μg/(sec cm2 atm)が確認されている。100mA/cm2で運転されているDMFC空気極にて生成される水の流束は、式5の空気極反応に基づいて算出される。
Figure 2006523936
全生成水のうち、1/3(即ち、56.0μg/(sec cm2))を、燃料極反応を起こすべく、燃料極に戻す必要がある。電池空気極から電池燃料極へのそのような水流束を得るために、要求される静的水圧は、以下である。
Figure 2006523936
そのような背圧を達成するために要求される、疎水性ミクロ孔の最大孔直径は、以下である。
Figure 2006523936
しかしながら、7ミル厚の膜に代えて2ミル厚の膜を用いる場合には、水透過性は、3.5倍高く、即ち、17.3μg/(sec cm2 atm)となる。同じ水の戻り流束(Rwater)を動かすために必要となるΔPは、今度は、たったの3.2atmであり、疎水性ミクロ孔アレイの最大孔直径はr≦0.42μmとなる。必要となる圧力及び対応する疎水性孔のサブミクロン寸法に関していえば、より薄い高分子電解質膜を用いると、受動的な水の戻り流束はより容易に達成される。マイクロポーラス層の最適化設計において他の重要な要素は、サブミクロン孔の疎水性特性を可能な限り高くすることである。本発明では、これは、燃料電池のバッキング層で通常みられるよりもかなり高いPTFE含量を有するマイクロポーラスな層を用いることによって達成される。例えば、重量パーセント50%-60%のPTFEを含むマイクロポーラス層は、通常マイクロポーラス層に含まれる30%PTFEの場合よりも、空気極から燃料極へと水を押し戻すのに非常に効果的である。
ミクロ孔を通って外部に流出し且つ空気極外側に移動する水蒸気に話をもどせば、いくらかの水蒸気流出は電池内の最適な水バランスを達成するために確かに必要である。しかしながら、過剰な水蒸気流出は、電池の乾燥を引き起こす。これは、特定の空気極構成及び運転条件を仮定すると、電池燃料極へのニートメータノール供給により運転される燃料電池の水生成速度が、空気極を介した水蒸気流出速度よりも低い場合に問題となる。本発明によれば、水蒸気流出速度は、十分に厚い空気極バッキング120(図1)を用いることで低減させることができる。より詳細には、図1記載の面Aにおける水蒸気圧は、蒸気圧勾配の高い方の側を画定し、空気極バッキング層120の厚さ方向に沿って低下し、低い方の側は、周囲環境の温度や相対湿度により決まる。よって、水蒸気流束は、式(4)によって与えられる。
水蒸気流束は、以下により与えられる。
(8) Flux(ev.)= (D/RT)[P* w,Teath - P* w,Env](1/δ)
式中、Dは、空気極バッキング中における水蒸気の有効拡散係数であり、P* w,Teathは、空気極温度における飽和水蒸気圧であり、P* w,Envは、周囲環境における水蒸気圧であり、δは、バッキングの厚さである。
水蒸気勾配がバッキングの厚みに沿って実質的に低下する理由は、バッキング層の微孔性によって当該層内における対流がほとんど許されず、移動が拡散的なものに限定されるためである。バッキング層のすぐ外側では、運転中の電池表面近傍の温度勾配により引き起こされた空気の自然対流によって、バッキングの外表面における蒸気圧が周囲環境のそれに等しくなる。
式(8)は、所与の電池運転条件下では、即ち、周囲よりも高い所与の空気極定常温度においては、水蒸気の流束がバッキング層の厚さδに反比例することを示している。この理解は、δを増大させると、即ち、より厚い空気極バッキング層を採用すると、膜電解質の空気極面からの水の蒸発損失が低くなるという結論に導く。こうして、本発明によれば、多数の種々の空気極フィルタについても説明する。本発明によれば、電池空気極からの水蒸気流出速度を制限し、且つ疎水性空気極バッキングあるいは空気極バッキングのマイクロポーラス層要素を用いて液体水の損失を防止することによって、電池空気極から膜を介して受動的に十分な量の水を戻して、電池燃料極に十分な量の水を供給することができる。電池燃料極内の過剰の水は、燃料極のCO2排気流と共に都合良く除去することができ、それは、CO2排気ポート若しくはポート群を介して燃料電池システムの外部に誘導される。その結果、電池の乾燥や燃料電池空気極の洪水なしに空気極から燃料極に効果的に水を供給しつつ、受動的に運転される燃料電池を、広範な周囲条件において電池燃料極へのニートメタノールの供給を用いて運転することができる。
本発明の燃料電池システム全体を、図4の分解システムアセンブリ図を参照して説明することとする。当該システムは、燃料タンクアセンブリ402に与えられるべきニートメタノール(あるいは他の燃料成分)を含む。燃料は、適切なフレーム406により保持されたメタノール供給フィルム(即ち、物質輸送分配要素)404を介して燃料極チャンバ領域に入る。CO2ルータ410(流路411、413を備える)もまた含まれる。燃料は、次いで、親水性の燃料極要素412及び燃料極電流コレクタ414中を通過し、次いで、燃料極拡散層の燃料極面近傍の触媒処理された膜に接触する。拡散層及び触媒処理された膜は、膜電極アセンブリの構成要素であり、それは、集合的に符号420により示している。拡散層は、触媒処理された膜電解質420の燃料極面に直に接触させて燃料を保持し、燃料極触媒からの電流を収集する。6電子プロセスである燃料極反応が進行すると、二酸化炭素、6つのプロトン、及び6つの電子を生成する。二酸化炭素は、燃料極拡散層412、次いでCO2ルータ410を通って移動する。CO2は、ルータ中の開口、蛇行経路411及び413を通って、燃料電池スタック外部へと誘導される。6つのプロトンは、MEAアセンブリ420のプロトン伝導性膜を横切るが、これは、十分に水和したNAFION(登録商標)膜中の水により支援される。燃料極反応で生成された6つの電子は、空気極年流コレクタ422に負荷(図示せず)介して接続された燃料極電流コレクタ414によって収集される。
空気極側では、疎水性の空気極要素424(空気極圧縮フレーム425により適所に保持される)が、上述のように、膜を横切って、燃料極へと液体水を流し戻す。そして、延伸多孔質のPTFEから成る層428を備える追加の空気極フィルタ426が、上述のようにして、十分な酸素の供給を保証しつつ、水蒸気流出を制限するよう支援する。電池アセンブリトッププレート430は、全ての構成要素を、燃料タンクアセンブリ402に適切に取り付けられたシステムフレーム408の適切な位置に保持する。こうして、水量は、電池内でバランスされ、能動的な外部再循環を利用することなく、ニートメタノール若しくは高度に濃縮されたメタノールの供給を可能にする。従って、低減された寸法及び容積を有する高効率マイクロ燃料電池が、本発明によって実現される。

本発明の種々の態様をさらに例示するために、多くの例を説明することとし、それらは以下の概念に関する:1)マイクロポーラスな疎水性層を用いる、空気極から燃料極への受動的な水の内部輸送(「水の押し戻し」)並びにニートメタノールの使用;及び2)空気極における水の蒸発速度を制限することによる、蒸発水の制限。
本発明による膜の空気極面に結合されたマイクロポーラスで非常に疎水性の層を用いた、空気極から燃料極への効果的な水の受動的内部輸送の例
背景を与えるために、また、水の押し戻し例の理解をさらに促進するために、はじめに、空気吸い込みDMFCにおける水損失速度の測定に関し説明し、(i)本発明による非常に疎水性のマイクロポーラス層の使用、及び(ii)本発明による触媒処理された膜の空気極面への当該層のしっかりとした結合/積層の利点、の重要性を明らかにする。
第1の実験では、電池の触媒処理された膜へのバッキング層の事前結合なしに、当該電池を以下の実験条件下で運転した:1.5MのMeOH溶液を、触媒処理されたNafion 117膜を含む空気吸い込みDMFCの燃料極区画に供給した。30% PTFEのマイクロポーラス層を有するE-Tek燃料極バッキングの一層を燃料極面に適用し、且つ50% PTFE(高められたPTFEレベル)のマイクロポーラス層を有するE-Tek空気極バッキングの一層を空気極面に適用した。前記のように、バッキング層は、触媒処理された膜に事前結合させたのではなく、電池組み立て時に、触媒コートされた膜に単に機械的に圧着させた。周囲条件:20.9℃、湿度51%、電池内部温度32℃において、電池を一定電流密度100mA/cm2にて放電させ、水量バランスを記録した。その結果、消費メタノール1モル当たり、電池から10.2モルの水が失われることが示された。
比較のために、他の実験も実施し、そこでは、5cm2の活性領域を有する参照電池(電池No. 47)を以下の実験条件で運転させた:1.5モラー(M)のメタノール(MeOH)溶液を、触媒処理されたNafion 117膜を含む空気吸い込みDMFCの燃料極区画に供給した。30% PTFEのマイクロポーラス層を有するE-Tek燃料極バッキングの一層を燃料極面に適用し、且つ50% PTFE(高められたPTFEレベル)のマイクロポーラス層を有するE-Tek空気極バッキングの一層を空気極面に適用した。しかしながら、このケースでは、バッキング層は、120℃にて30分間蒸気圧をかけることによって、触媒処理された膜に事前結合させた。周囲条件:20.9℃、湿度51%、電池内部温度32℃において、電池を一定電流密度100mA/cm2にて放電させ、水量バランスを記録した。その結果、消費メタノール1モル当たり、電池から3.6モルの水が失われることが示され、これは、触媒処理された膜電解質へのバッキングの事前結合を用いない場合の水損失の1/3であった。
ある用途においては、運転条件に応じて、電池内の水量をより高い程度においてバランスさせることが望ましく、これは、マイクロポーラス層のPTFE含量をより高くすることによって管理することができる。従って、さらに他の実験において、PTFE含量の影響を明らかにするために、2つの電池(電池No.273及び電池No.274)を運転した。より詳細には、1.5MのMeOH溶液を、触媒処理されたNafion 117膜を含む空気吸い込みDMFCの燃料極区画に供給した。30% PTFEのマイクロポーラス層を有するE-Tek燃料極バッキングの一層を燃料極面に適用し、且つ30% PTFE(元のPTFEレベル)のマイクロポーラス層を有するE-Tek空気極バッキングの一層を空気極面に適用した。PTFEのこの量が先に説明したものよりも低いことに留意されたい。バッキング層は、蒸気圧によって、触媒処理された膜に事前結合させた。周囲条件:22.0℃、湿度25%、電池内部温度37℃において、2つの10cm2の電池を、直列にして、一定電流0.65Aにて運転させた。その結果、消費メタノール1モル当たり、5.3モルの水が失われることが示された。これは、ここに記載の30%のPTFEから構成される空気極バッキングを備える電池が、空気極マイクロポーラス層が30%のPTFEを含むこと以外同じである電池よりも、50%より多く水を失うことを示しているため重要である。
上記試験の結果、通常よりも高いPTFE含量の空気極マイクロポーラス層並びに触媒処理された膜上への当該層のしっかりとした積層の重要な役割に関する本発明の教示によって十分な電池内水含量が非常に助長されることが実証された。
以下の幾つかの例は、最適化されたマイクロポーラス層を備える最適化され十分に結合された空気極バッキングが導入されるという条件において、燃料電池燃料極に100%メタノールが過蒸発膜(perevaporation membrane)を介して供給される際に完全な燃料極酸化プロセスに必要となる全ての水を内部回収する能力に関し説明するものである。これらの例は、さらに、より薄い膜(PCM)を用いる際に得られる利点に関しても説明する。ここに与える結果は、単一の電池試験品を用いて得られたものである。当該電池の活性電極領域は5cm2であった。ほとんどの場合、1100グラム当量並びに厚さ2ミル及び3.5ミルのNAFION(登録商標)膜を用いた。燃料極触媒層は、Pt:Ru原子比1:1の高表面積の白金/ルテニウム(PtRu)合金粒子(PtRu, Hi SPEC t6000として市販、Alfa Aesar, a. Johnson Matthey Company)と、再生NAFION(登録商標)イオノマー(1100当量Nafion溶液として市販、Solution Technology, Inc、ペンシルバニア州メンデンホール)との適切な混合物から作製し用いた。空気極触媒層は、高表面積のPt粒子(Pt black, Hi SPECt1000として市販、Alfa Aesar, a. Johnson Matthey Company)と、再生NAFION(登録商標)イオノマーとの適切な混合物から作製した。燃料極及び空気極触媒層は、膜電解質上(あるいは、バッキング層上)に直に配置した。膜電極アセンブリは、燃料極バッキングと空気極バッキングを、触媒コートされた高分子電解質膜に積層させることによって形成した。空気極マイクロポーラス層を空気極触媒層に積層して5cm2のMEAを形成するために、温度105℃にて、4分間の間、3200ポンドの力を適用した。当該積層特性は、さらに、所望の液体水遮断及び押し戻しを達成するために利点をもたらす。
試験開始時に燃料極区画に収容したニートメタノール液体を、試験の間、電池燃料極に供給し、また、空気由来の酸素を、ファンやエアポンプを用いて能動的に空気を動かすことなしにその自然拡散(即ち、「空気吸い込み」)によって、電池空気極に供給した。試験開始時、7グラム量のニートメタノールをポリプロピレン試料カップ(Premier Lab Supplyから部品番号SC-4131として市販)内に入れた。5ミルの(ポリジメチルシロキサン)シリコン膜を用いて、前記試料カップの開口部に、ニートメタノール液を覆ってシールを形成した。メタノールを充填した試料カップの開口領域は4.8cm2であり、シリコン膜の一方の面はカップ内に貯蔵されているニートメタノールに接していた。ここで、シリコン膜、及び当該シリコン膜と電池燃料極バッキングとの間のメタノール蒸気で満ちた間隙は、電池燃料極へのメタノール燃料供給速度を適切なレベルに規定した。限定はしないが、ポリエーテル ポリウレタンなどの他のメタノール透過性膜をはじめとするシリコン膜代替品もまた、用い得る。種々のメタノール透過性材料を用いて電池燃料極へのメタノール供給速度を測定したところ、100-200mA/cm2程度であることが確認された。質量変化及びメタノール濃度の測定から、完全な質量収支分析を、燃料電池試験の各実施に関して行った。燃料電池の電気エネルギー出力と共に、燃料電池のエネルギー変換効率も得た。
本発明の空気極構造を用いて燃料極に十分な量の水を効果的に戻すと共に、ニート(100%)メタノール供給を利用する運転の例
空気極バッキングが、両面コートカーボンクロスバッキング(両面ELAT/DS/NC/V2、De Nora North America, Inc,ニュージャージー州)の2層から構成される実験を実施した。カーボンクロス織物上の空気極マイクロポーラス層コーティングは、50wt%のPFFEと50%の炭素を含有するものであった。当該電池に用いた燃料極バッキングは、片面コートカーボンクロスバッキング(片面ELAT/DS/NC/V2、De Nora North America, Inc,ニュージャージー州)の1層であった。燃料極側のカーボンクロス織物上のマイクロポーラス層コーティングは、30wt%のPFFEと70%の炭素を含有するものであった。MEAは、燃料極及び空気極バッキングを、触媒コートされたNafion 112膜上に積層させて作製した。ニート(100%)メタノール液体を覆うメタノール透過性材料は、5ミル厚のシリコンであった。平均孔径0.02umのGore延伸多孔質PTFE膜(0.02um ePTFE w/NW PET backer、W.L. Gore & Associates, INC.、ノースカロライナ州シャーロット)の6層から成る追加の空気極フィルタを、空気極バッキングの外表面に対し配置した。電池燃料極で生成したCO2は、ふたカバー内の直径0.1mmの穴を通って、燃料極チャンバから排気された。
図5は、当該電池を47時間試験した間の、電力密度mW/cm2対時間のグラフ500を示している。試験中の環境温度は25℃であり、相対湿度は15%であった。燃料極にニートメタノールを供給して0.3Vにて放電させた当該DMFC試験時の電池温度及び環境温度の両方を記録し、電池温度(摂氏)プロット602及び環境温度(摂氏)プロット604を、x軸の試験時間に対して示すグラフ600であるところの図6に示している。
消費メタノール1cc当たりの燃料電池電気エネルギー出力ワット-時間(Wh)は、0.85Wh/ccであり、平均電力密度29.5mW/cm2及びピーク電力密度40.5mW/cm2において燃料電池総合エネルギー変換効率が17.9%であることが実証された。運転終了時には、運転開始時に燃料極区画に入れたニートメタノールの91.7%が消費されていた。図7は、図5及び6の試験時の、電池抵抗オームのグラフ700である。試験の終わりにかけて、電池運転電流の増大を伴う、電池抵抗のわずかな増大が観察され、よって、電池内で生成した水が良好に保持されていることが示された。この効果的な保持は、本発明の、十分に結合され、非常に疎水性の空気極マイクロポーラス層によってもたらされる。
触媒処理された膜に燃料極マイクロポーラス層が十分に結合されている先の例と同じ電池構成を用いて、100%メタノールが供給されるDMFCにおける生成水の保持及び戻しを確保した。今回の実験では、電池を、32℃、湿度20%に設定された環境チャンバ内で運転させた。図8は、0.3Vにて16時間放電した際の、電池の電力密度mW/cm2対時間のグラフ800である。図9は、図8の電池に関する、放電エネルギーWh対時間のグラフ900である。図10は、同試験に関する、電池温度(℃)をプロットしたプロット1000である。図11は、試験時間(h)に対する内部電池抵抗(オーム)のグラフ1100である。到達した最大電池電力密度は、電池温度44℃において、70mW/cm2であった。質量収支の実施から、消費メタノール1cc当たりの電気エネルギー出力は1.07Wh/ccであり、放電電圧0.3Vにおいてエネルギー変換効率が22.5%であることが実証された。平均電力密度は、50.5mW/cm2であった。
0.3Vにて運転されるDMFCにおいて、燃料1cc当たりの抽出エネルギーが1.07Whであることは、燃料極における完全なメタノール酸化プロセスの直接的な証拠をもたらし、言い換えれば、水が電池空気極プロセスからしか発生しない場合に、燃料極がプロセス(1)に必要な水の全てを回収しており、本発明の主題である空気極マイクロポーラス層のおかげで燃料極への効率的な流し戻しがもたらされている。試験全体にわたって電池抵抗は比較的安定なため、触媒処理された膜に十分に結合された非常に疎水性の空気極マイクロポーラス層を用いることによって、当該膜が十分な水和状態に維持され、当該電池が、乾燥や洪水なしに、燃料極へのニートメタノール供給により運転されることが示された。
本発明による空気極バッキング層を用いることによる、空気極からの水の蒸発損失を制限する例
図12A−12Cは、通常のDMFCの膜/電極アセンブリ1200Aの構成(図12A)を、同じバッキング(カーボンクロス)材料を2層1220、1230スタックさせた厚みが倍の空気極バッキングを有する本発明のMEA1200Bのそれ(図12B)と比較している。以下の全ての例においては、用いた空気極バッキングは、未圧縮の単一層厚みが14ミルのE-Tek DS V2であった。空気極水蒸気流出の速度を制限する手段として、空気極バッキングの厚さを倍にした効果に関し試験した。メタノール/水リザーバに16.8Mのメタノールを添加することによって2.00Mのメタノールを燃料極に供給するところの、運転中の空気吸い込みDMFCから、正味の水損失を計測した際、元のまま用いた単一の空気極バッキングを備える電池に関し計測された水損失速度は、電池プロセスにおいて消費されるメタノール1分子当たり水3.0±0.1分子であった。
この水損失速度が計測されたDMFCを、23℃、相対湿度40%に設定された環境チャンバ内で、空気吸い込みモードでセル電圧0.35Vにて運転させたところ、内部空気温度40℃に帰着し、燃料利用効率61%にて電力出力32mW/cm2を生成した。前記のような水損失速度(消費メタノール1分子当たり3分子)は、燃料電池空気極における電池プロセスにおいて生成された水の全てが、メタノール1分子当たり水1分子消費されることに加えて、蒸発によって失われていることを意味する。空気極を介するこの過剰の水損失を、水の蒸発損失速度を幾分制限することによって調整しなければ、燃料極内の水量バランスは、電池空気極から流出した水蒸気を外部から捕捉しそれをポンプを用いて電池燃料極に戻すことによってのみ維持することができる。あるいはまた、水1:メタノール1のモル比にて水をリザーバに収容し、供給燃料の一部として燃料電池燃料極に供給しなければならなず、その場合、最高メタノール供給濃度はおよそ65wt%メタノールに制限され、100%メタノールの場合に対し、リザーバのエネルギー容量は35%の損失となる。図12Bのように、空気極バッキングを2倍にした後は、水の蒸発損失速度は著しく低下し、同様の運転条件下における正味の測定水損失速度は、消費メタノール1分子当たり水1.96分子に低下した。理想的な運転条件下では、2つのバッキング層を有する電池は、0.35V、燃料利用効率67%において、電力出力37.7mW/cm2を生成し、即ち、本発明による2倍のバッキングの導入後は、性能が低下しなかったばかりか、むしろ向上した。この低い、電池からの蒸発水損失速度によって、電池全体プロセス(3)で生成した水は、より低い蒸発損失を十分もたらし得るほどに十分であり、それによって、電池にニートメタノール(100wt%)が供給される場合にも、ポンピングや他の外部から作用する管理装置を用いることなく、十分な電池内含水量が維持される。こうして、本発明の当該要素によって、供給流に水を添加したり、外部から作用する、即ち能動的な水管理のための手段を用いることなく、電池内の水バランスを維持することが可能となる。
空気極バッキングをより厚く作ると(図12B)、蒸発水損失速度と共に、空気極への酸素の拡散速度も低下することに留意されたい。バッキングの厚さは、前者に関してはアクセスを、後者に関しては損失を左右する。しかしながら、所与のセル電圧において得られるセル電流の点では、電池性能への影響は、空気極バッキングの数が過剰に多くない限り、本発明の当該実施形態の電池を運転する際には、ごく僅かであることが見出されている。そのようなE-Tek拡散層を3つスタックさせた場合でも、空気吸い込みモードのDMFCはなお、0.35V、燃料利用効率67%にて、電力出力40mW/cm2を生成した。この挙動の理由は、単一のバッキング層を備える酸素電極は、周囲条件付近で作動しているDMFCのセル電流を制限しないからである。よって、空気極バッキング中の酸素輸送は、実質的に電池性能の不利益となることなしに必要な水蒸気損失の制限を達成するために、さらに幾分制限することができる。
本発明の代替の態様によれば、水蒸気流出速度の制限に要求される所望の厚みを達成するために複数のバッキング層を用いる代わりに、適切な厚さと多孔度/蛇行を有するカーボンペーパーやカーボンクロスから成る単一のバッキング層を用いて、水蒸気流出に対する同様の効果的な障壁を達成することがより都合のよい場合がある。
水蒸気流出を制限する空気極フィルタの使用の例
図12Cに、空気極からの水蒸気流出の速度を制限するための他のアプローチを示す。ここでは、空気極外面上のトップ層1240(「空気極フィルタ」)は、バッキング層1220とは特性が異なるが、要求される同様の空気極からの水蒸気流出の制限をもたらす。層1240は、導電性である必要はなく、典型的に、液体水の蓄積を防止し、空気アクセスのための開放性を維持するために、延伸多孔性PTFEから作製される。
本発明の空気極バッキングとフィルタを利用して作動する燃料電池における水損失の低減の程度を以下の例を用いて説明する。20℃、相対湿度50%に設定した環境チャンバ内で、空気極フィルタを用いるものと、用いないものの2つの電池(No.558及び568)を運転させた。表1に、フィルタとして試験した種々の延伸多孔性PTFE、及びその特性をまとめている。表2に、質量収支結果による電池性能並びに消費メタノール当たりの水損失をまとめている。電池空気極バッキング上に当該フィルタを取り付けることによって、消費メタノール1分子当たり水1分子という水損失の平均的な低減が測定された。表2に示すように、水損失速度の低減は、0.35Vにおける電池性能の僅かな低下を伴って、達成された。
Figure 2006523936
Figure 2006523936
空気極の酸素透過性の低下を伴うにも関わらず、電池性能の損失はさほどなかった。
図12A−12C及び実施例に示すように、本発明は、水の蒸発損失速度を著しく低減させる空気極構造を設けることによって、改善された、受動的な直接酸化燃料電池を提供する。この新規な空気極の変更形態は、通常の空気極構成を備える電池と比較した際に非常に僅かな性能損失を伴って又は全く性能損失を伴わずに、蒸気損失のそのような低減を可能とする重要性を有する。
蒸発水損失を制限する他の例
空気極バッキング層の数を、両面コートカーボンクロスバッキング(ニュージャージー州De Nora North America, Incから市販のFLAT/DS/NC/V2両面)1〜4層と変える以外は全く同じにして、4つの電池を作製した。用いた燃料極バッキングは、両面コートカーボンクロスバッキング(ニュージャージー州De Nora North America, Incから市販のFLAT/DS/NC/V2両面)2層であった。用いたMEAは、燃料極及び空気極バッキングを、触媒コートされたN112膜上に積層することによって作製した。ポリエーテルポリウレタン(Deerfield Urethane製、膜材料厚3ミル、部品番号PT6310)をカップの開口上に用いて、試料カップ内に貯蔵されたニート(100%)メタノール液から電池燃料極へのメタノール輸送を画定した。用いた空気極フィルタは、平均孔径0.02umのGore延伸多孔性PTFE膜(0.02um ePTFE w/NW PET backer、ノースカロライナ州シャーロットW.L. Gore & Associates, Inc.)6層から構成されるものであった。電池燃料極で生成されたCO2は、ふたカバーを通って、直径0.1mmの穴を介して燃料極チャンバから排気される。これら4つ電池を同時に、室温(24-25℃)にてベンチ上にて、64時間、0.3Vにて放電させた。表4に、質量収支結果をまとめる。
Figure 2006523936

これら最後の結果は、単一の空気極バッキング層のみを用いると、100%メタノール供給時、電池空気極からの過剰の蒸発水損失により説明されるように、電池抵抗がより高いことを示す。従って、電池電力出力及び燃料電池エネルギー変換効率は低下した。2つ以上の空気極バッキング層を用いると、燃料電池は、改善された電池電力出力並びにより低い電池抵抗を示し、本発明の主題である空気極構造の変形形態の効果が実証された。
本発明によって、受動的な水管理技術、並びに触媒処理された膜電解質を空気極面上に積層させて成る、サブマイクロメートル幅の孔を有する本発明の非常に疎水性の構成要素を備える直接酸化燃料電池が提供されることは、説明及び実施例から理解されよう。当該要素は、液体水が空気極から外に移動することを防止し、代わりに、燃料電池に複雑性や容積を加えることなしに、高分子膜電解質を通して水を電池燃料極へと移動させる。電池空気極外面上にある空気極バッキング及び追加の空気極フィルタ要素は、電池空気極からの水蒸気流出速度を低下させる。よく積層された疎水性のマイクロポーラス層、即ち比較的厚いバッキングと、追加のフィルタ層との組み合わせは、一緒になって、特異な水管理能力を有する空気極構造を画定し、それは、水の外部からの供給やポンピングを必要とすることなく、直に、制御された供給速度のニート(100%)メタノールを用いたDMFCの運転を可能にする。
以上の説明は、本発明の特定の実施形態に関するものである。しかしながら、記載した実施形態に対し、それらの利点の幾つか又は全てを達成する他の変更形態や改良形態を成し得ることは明らかであろう。従って、添付の特許請求の目的は、本発明の真の趣旨や範囲に属するそのような変更形態並びに改良形態の全てを網羅することである。
本発明の受動的な水管理構成要素を備える直接酸化燃料電池の部分概略断面図 詳細に記載した、本発明の触媒処理された膜電極アセンブリ及び水管理態様の拡大概略図 本発明による燃料電池の空気極チャンバ内に配置された疎水性マイクロポーラス構成要素の上面図 本発明の水管理構成要素を備える直接酸化燃料電池システム 47時間試験の際の、0.3Vで放電させた本発明による電池の電力密度 図7記載の試験時の、電池温度及び環境温度に対する試験時間のグラフ 図5及び図6記載の試験時の、電池抵抗のグラフ 本発明の燃料電池の他の実施形態の、電力密度mW/cm2に対する試験時間のグラフ 図11記載の電池に関する、放電エネルギーに対する試験時間のグラフ 図11記載の電池に関する、電池温度に対する試験時間のグラフ 図8記載の実験に関する、内部電池抵抗に対する試験時間のグラフ 図12A〜12Cは、本発明による空気極バッキング層及び空気極フィルタアセンブリの代替実施形態である。

Claims (74)

  1. 関連する直接酸化燃料電池において用いるための膜電極アセンブリであって:
    (A)燃料極面と空気極面を有する、プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質;
    (B)前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質の前記燃料極面に接触して配置されている燃料極触媒;
    (C)前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質の前記空気極面に接触して配置されている、酸素電子還元反応に適切な空気極触媒;
    (D)水の外部からの供給若しくは外部からの戻しなしに、完全な燃料極酸化のために、前記反応において生成された水の効果的な保持及び戻しが達成されるように、前記空気極触媒に近接している疎水性マイクロポーラス層及び空気極バッキング層;
    (E)膜電解質上の前記燃料極触媒と接触している燃料極拡散層、
    を含んで成る、膜電極アセンブリ。
  2. 前記プロトン伝導性の膜が、少なくとも50マイクロメートル以下の薄さである薄いイオノマー膜であり、それによって、前記マイクロポーラス層の所定の水反撥特性において前記膜を通って前記空気極面から前記燃料極面へと戻る水の高い流束が達成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  3. 前記所定の水反撥特性が、過蒸発膜を通して、又は前記燃料極面に100%メタノールの供給を制御する他の手段によって、前記燃料極への100%メタノールの供給を可能にするほどに十分である、請求項2に記載の膜電極アセンブリ。
  4. 前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質が、ポリパーフルオロスルホン酸から構成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  5. 前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質が、NAFION(登録商標)から構成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  6. 前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質が、厚さ0.007インチ未満のNAFION(登録商標)から構成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  7. 前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質が、厚さ0.002〜0.007インチのNAFION(登録商標)から構成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  8. 前記燃料極触媒が、白金とルテニウムの担持合金又は未担持合金から構成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  9. 前記空気極触媒が、担持又は未担持の白金から構成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  10. 前記空気極バッキングが、カーボンペーパー又はカーボンクロスから成る1つ又は複数のシートから実質的に構成される空気極拡散層である、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  11. 前記疎水性マイクロポーラス層が、PTFEが混ぜられた高表面積炭素粒子から実質的に構成される、請求項10に記載の膜電極アセンブリ。
  12. 前記マイクロポーラス層が、直径約1.0μm〜0.1μmのミクロ孔を含む、請求項11に記載の膜電極アセンブリ。
  13. 前記空気極バッキング層のミクロ孔が、水圧約5μg/(s cm2 atm)により前記プロトン伝導性の膜を横切る水透過性を達成するよう選択される、請求項11に記載の膜電極アセンブリ。
  14. 前記空気極バッキングが、関連する燃料電池反応の水生成速度よりも低い、前記膜電極アセンブリからの水蒸気流出速度を達成し得る厚さ及び多孔度である、請求項10に記載の膜電極アセンブリ。
  15. 前記マイクロポーラス層とは反対の前記空気極バッキング層の面に、追加のPTFE層が適用されている、請求項10に記載の膜電極アセンブリ。
  16. 前記マイクロポーラス層が、少なくとも50wt%のPTFEから構成される、請求項10に記載の膜電極アセンブリ。
  17. 前記マイクロポーラス層が、少なくとも60wt%のPTFEから構成される、請求項10に記載の膜電極アセンブリ。
  18. 改善された水反撥特性を達成するために、前記空気極マイクロポーラス層中50〜60%という高いパーセンテージのPTFEをさらに含む、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  19. 蒸気圧法のような積層技術によって前記空気極触媒上に積層された前記マイクロポーラス層をさらに含む、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  20. 前記燃料極拡散層が、カーボンペーパー又はカーボンクロスから成る1つ又は複数のシートから構成される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  21. 前記燃料極拡散層が、非常に疎水性である、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  22. 前記膜電解質に接触している、前記燃料極拡散層の面が、さらに、燃料極で生成するガスの除去を促進する構造を含む、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  23. 前記膜電解質に接触している、前記燃料極拡散層の面が、さらに、燃料極で生成したガスを前記膜電極アセンブリの前記燃料極面から横方向に運び去ることを促進する手段を含む、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  24. 前記燃料が、燃料透過性材料を通して燃料極へと供給される、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  25. 燃料透過性でガス非透過性の材料が、高分子である、請求項24に記載の膜電極アセンブリ。
  26. 前記燃料透過性材料が、少なくとも部分的にシリコンから構成される、請求項24に記載の膜電極アセンブリ。
  27. 前記燃料透過性材料が、少なくとも部分的にNAFION(登録商標)から構成される、請求項24に記載の膜電極アセンブリ。
  28. 前記燃料透過性材料が、多孔質の固体プレートである、請求項24に記載の膜電極アセンブリ。
  29. 前記プロトン伝導性膜が、本質的にプロトン伝導性を有する膜である、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  30. (A)膜の主面の各々に沿って触媒層と密に面している膜電解質であって、触媒処理された膜電解質であり、燃料極面と空気極面を有する、膜電解質;
    (B)プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質の燃料極面に接触して配置されている燃料極触媒;
    (C)酸素の電子還元反応に適し、プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質の空気極面に接触して配置されている、空気極触媒;
    (D)前記反応において生成された水を、プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質を横切って前記燃料極面へと送る疎水性のの空気極バッキング層であって、膜電解質の空気極触媒にほぼ隣接して配置されている、空気極バッキング層;
    (E)膜電解質上の燃料極触媒に接触している燃料極拡散層;及び
    (F)前記燃料電池に接続されている負荷
    を含んで成る、直接酸化燃料電池。
  31. 親水性の燃料極拡散層をさらに含む、請求項30に記載の直接酸化燃料電池。
  32. 前記膜電解質が、本質的にプロトン伝導性である膜を含む、請求項30に記載の直接酸化燃料電池。
  33. (A)膜電極アセンブリであって:
    i. プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質;
    ii. 前記プロトン伝導性の膜電解質の燃料極面に接触して配置されている燃料極触媒;
    iii. 前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質の空気極面に接触して配置されている、酸素の電子還元反応に適する空気極触媒;
    iv. 前記反応において生成された水を前記プロトン伝導性で電子非伝導性の膜電解質を通して前記燃料極面へと送る疎水性の空気極バッキング層であって、前記膜電解質の前記空気極触媒にほぼ隣接して配置されている、空気極バッキング層;及び
    v. 前記プロトン伝導性の膜電解質に接触している燃料極拡散層
    を含む、膜電極アセンブリと、
    (B)ハウジングと、
    (C)電気的接続を作る手段と、
    (D)燃料を燃料電池に導入する手段と、
    (E)燃料源と、
    (F)酸素源と、
    を含んで成る、直接酸化燃料電池システム。
  34. 空気極拡散と酸素源との間に配置されたフィルタをさらに含む、請求項33に記載の直接酸化燃料電池システム。
  35. 前記酸素源が、周囲空気である、請求項33に記載の直接酸化燃料電池システム。
  36. 前記プロトン伝導性の膜が、本質的にプロトン伝導性である膜である、請求項33に記載の直接酸化燃料電池システム。
  37. 直接酸化燃料電池において用いるための膜電極アセンブリであって:
    (A)本質的にプロトン伝導性の膜;
    (B)前記本質的にプロトン伝導性の膜の燃料極面に接触して配置されている燃料極触媒;
    (C)前記本質的にプロトン伝導性の膜の空気極面に接触して配置されている、酸素の電子還元反応に適する、空気極触媒;
    (D)前記反応において生成された水を前記本質的にプロトン伝導性の膜を通して前記燃料極面へと送る疎水性の空気極バッキング層であって、前記空気極触媒にほぼ隣接して配置されている、空気極バッキング層;及び
    (E)前記本質的にプロトン伝導性の膜に接触している燃料極拡散層、
    を含んで成る、膜電極アセンブリ。
  38. (A)膜の主面の各々に沿って触媒層に密に面している膜電解質であって、触媒処理された膜電解質であり、燃料極面及び空気極面を有する、膜電解質;
    (B)前記触媒処理された膜電解質の前記燃料極面と前記電池ハウジングの外側部分との間に画定される燃料極チャンバを有する、前記燃料電池を収容する燃料電池ハウジング;
    (C)ニート(100%)又は水含量がゼロであるか若しくは実質的に低い水含量を有する高濃度燃料/水混合物が充填又は供給される前記燃料極チャンバであって、液体出口を有していない前記燃料極チャンバ;及び
    (D)前記燃料電池内の空気極から燃料極への効果的な水の供給であって、それによって、前記燃料電池内の水管理が、前記空気極からの水の収集及び/又は燃料電池の作動容積外にある、空気極から燃料極への水の輸送なしに、達成される、効果的な水の供給、
    を含んで成る、直接酸化燃料電池。
  39. 前記燃料が、実質的に水含量ゼロのニートメタノールである、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  40. 前記燃料極チャンバ内に配置された受動的な物質輸送壁をさらに含み、前記受動的な物質輸送壁が、前記燃料電池の前記触媒処理された燃料極面への燃料の供給速度を制御する、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  41. 前記物質輸送壁が、前記燃料極面にほぼ平行である面上に配置されている、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  42. 前記受動的な物質輸送壁による前記燃料の供給速度が、設計セル電流を参照して算出される決まった速度である、請求項40に記載の直接酸化燃料電池。
  43. 前記決まった速度が、以下:
    約30〜40℃の電池運転温度にて約100〜200mA/cm2
    約40〜60℃の電池運転温度にて約150〜300mA/cm2のオーダ;及び
    60〜80℃の電池運転温度にて約200〜400 mA/cm2
    のうちの1つのオーダへの電流密度の制限を達成するように燃料供給が制御されるよう算出される、請求項42に記載の直接酸化燃料電池。
  44. 前記受動的な物質輸送壁による前記燃料の供給速度が、約1.0〜1.5の補正係数を掛けられた設計運転温度における設計セル電流により測定された、燃料電池の燃料消費速度に対応する、請求項42に記載の直接酸化燃料電池。
  45. 前記受動的な物質輸送壁が、燃料供給膜中を移動する液体燃料が蒸気燃料へと変換されるように相変化に影響する過蒸発燃料供給膜である、請求項40に記載の直接酸化燃料電池。
  46. 前記燃料供給膜が、約1.0〜1.5の補正係数を掛けられた設計運転温度における設計セル電流により測定される、蒸気供給速度に影響する、請求項45に記載の直接酸化燃料電池。
  47. 蒸気チャンバが、前記燃料供給膜と前記膜電解質の燃料極面との間の間隙に画定され、前記蒸気チャンバが、その容積のかなりの部分を液体フリーに維持する、請求項45に記載の直接酸化燃料電池。
  48. 前記受動的な物質輸送壁が、触媒処理された膜電解質の燃料極面に液体燃料を決まった速度で供給し誘導する孔を有するマイクロポーラス構造である、請求項40に記載の直接酸化燃料電池。
  49. 前記マイクロポーラス構造が、燃料極面にほぼ平行な面に配置されている、請求項48に記載の直接酸化燃料電池。
  50. 前記受動的な物質輸送壁が、毛管力により制御された決まった速度の燃料流をもたらす孔ネットワークを有する固体の多孔性プラグである、請求項40に記載の直接酸化燃料電池。
  51. 前記燃料が、最高100%までのメタノールである、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  52. 前記受動的な物質輸送壁が、メタノール流束を、燃料電池の燃料極によるメタノール消費速度よりも約10〜50%高いレベルに設定する、請求項51に記載の直接酸化燃料電池。
  53. ガス状燃料極生成物が周囲環境に直に放出されるように前記燃料極チャンバ内に画定された少なくとも1つのガス出口ポートをさらに含み、前記ガス出口ポートが、触媒処理された膜の前記燃料極面に近接して配置されている、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  54. 前記ガス出口ポートが、二酸化炭素ルータ装置内の排出口である、請求項53に記載の直接酸化燃料電池。
  55. 前記ガス出口ポートが、燃料極によるガス状生成物を膜電解質、次いで空気極チャンバを通して前記燃料電池の外部へ誘導する、前記膜電解質中の少なくとも1つのピンホールである、請求項53に記載の直接酸化燃料電池。
  56. 膜電解質の空気極面における反応において生成された水が、設計した電池において最も高いセル電流における実質的に完全な燃料極酸化に必要とされる量の水を与えるのに十分な速度にて、前記燃料電池の空気極から燃料極側へと戻され、供給される、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  57. 空気極チャンバ内に配置された濡れに耐性を有する空気極バッキング、及び空気極バッキングと触媒処理された膜電解質の空気極面との間に概して配置された疎水性のマイクロポーラス層をさらに含み、それによって、燃料電池の空気極側から燃料極側へと戻る水の供給速度が高まる、請求項56に記載の直接酸化燃料電池。
  58. 前記マイクロポーラス層が、延伸多孔性PTFEから実質的に構成される、請求項57に記載の直接酸化燃料電池。
  59. 前記マイクロポーラス層が、制御された湿度条件下での熱圧着により、空気極面にしっかりと結合されている、請求項57に記載の直接酸化燃料電池。
  60. 前記マイクロポーラス層が、電池厚さ方向に50PSIを越える圧で圧縮することによって、膜電解質の前記空気極面に固定され、それによって、実質的に持続性の接着が確立される、請求項57に記載の直接酸化燃料電池。
  61. 延伸多孔性PTFEから実質的に構成される前記マイクロポーラス層がまた、埋め込まれた炭素微粒子を含む、請求項58に記載の直接酸化燃料電池。
  62. 前記疎水性のマイクロポーラス層が、濡れに耐性を有する空気極バッキング上に直に配置されている、請求項57に記載の直接酸化燃料電池。
  63. 前記触媒処理された膜電解質が、空気極側から燃料極側への水の内部供給速度を向上させ得る程度に十分に薄い、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  64. 前記膜電解質が、Nafion 112から実質的に構成される、請求項63に記載の直接酸化燃料電池。
  65. 前記膜電解質が、25マイクロメートル以下の厚さの薄い複合膜から実質的に構成される、請求項63に記載の直接酸化燃料電池。
  66. 空気極チャンバからの、主に水蒸気形態での水損失を抑制すべく、周囲環境に面する前記空気極チャンバの外側部分内に、空気極バッキング層にほぼ隣接して配置される1つ又は複数の層構成要素をさらに含む、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  67. 1つ又は複数の前記層構成要素が、実質的に多孔性である、請求項66に記載の直接酸化燃料電池。
  68. 1つ又は複数の前記層構成要素が、実質的に疎水性であるか、又は親水性/疎水性の両特性を有する、請求項66に記載の直接酸化燃料電池。
  69. 前記触媒処理された膜電解質からの膜の燃料極面を介する水損失を抑制すべく、前記燃料極チャンバ内に概して配置されている1つ又は複数の層構成要素をさらに含む、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  70. 前記燃料極チャンバ内の前記構成要素が、延伸多孔性PTFEから実質的に構成されたマイクロポーラス層である、請求項69に記載の直接酸化燃料電池。
  71. 前記延伸多孔性PTFEから実質的に構成されたマイクロポーラス層がまた、埋め込まれた炭素微粒子を含む、請求項70に記載の直接酸化燃料電池。
  72. 燃料極チャンバ内の蒸気ギャップへと誘導する、1つ又は複数のインジェクタを含む、追加の燃料供給ツールをさらに含む、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  73. 触媒燃焼又は電気的加熱を利用する、前記燃料リザーバ内の液体燃料を加熱するための手段をさらに含む、請求項38に記載の直接酸化燃料電池。
  74. 前記受動的な物質輸送壁に関連する調節可能な開口手段をさらに含み、前記調節可能な開口手段によって、前記物質輸送壁を介した燃料供給が制御され、完全に遮断することもできる、請求項40に記載の直接酸化燃料電池。
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