JP2006515578A - 勾配によるリポソームへの薬物充填方法 - Google Patents

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Abstract

高い薬物:脂質比を好ましく有し、リポソーム中の薬物(例えば抗腫瘍薬)をカプセル化するための方法を提供する。リポソームは、膜内外pH勾配を使用した能動的な機序によって薬物を導入するプロセスにより作成することができる。この技術を使用すると、取込み効率は100%近くに達する。使用された薬物:脂質比は、旧来のリポソーム処方物における比率よりも高く、リポソームからの薬物の放出率が低減されている。導入後は、残留する酸は、低温で浸透性のある塩基である失活剤で失活される。このため残留する酸性度は減少し、(例えば加水分解に対する)化学的安定性が向上する。これにより投与に先立つ、リポソームおよび薬物の両者の安定性が維持される。しかしながら、このリポソームがインビボで投与される場合、失活剤が速やかにリポソームから遊離されるので、pH勾配が現れる。

Description

(発明の優先権)
本願は、米国仮特許出願番号60/429,122(2002年11月26日出願)からの優先権を主張する。
(発明の背景)
リポソームは、内部に水性物を取り込んだ完全に閉鎖された脂質二分子膜である。リポソームは、単層の小胞(単一の膜二重層を有する)、または多重膜小胞(各々が水性層によって隣の層から隔てられた複数の膜二重層によって特徴づけられたタマネギ状の構造)である場合がある。この二重層は、疎水性の「テイル」領域および親水性「ヘッド」領域を有する2つの脂質単層からなる。この膜二重層の構造は、脂質単層の疎水性(無極性)「テイル」が二重層の中心方向へ配向し、一方親水性「頭部」は水性相の方へ配向するような状態である。
Banghamらのオリジナルのリポソームの調製(J.Mol.Biol.、1965年、13:238−252)では、有機溶剤中のリン脂質を懸濁する工程が含まれており、これはその後、蒸発乾燥され反応槽上でリン脂質フィルムが残る。次に、水相の適正量が加えられ、この混合物を「膨張」させ、多層小胞(MLV)から成る得られたリポソームを機械的手段によって分散させる。この調製は、Papahadjopoulosら(Biochim.Biophys,Acta.、1967年、135:624−638)によって報告された小型の超音波処理された単層小胞、および大型の単層小胞を生成させるための基礎を提供する。
逆相蒸発、注入手順、および洗浄剤希釈などの大型の単層小胞(LUV)を産生するための技術をリポソームの産生に使用することができる。これらの方法、およびリポソームを産生する他の方法の概説は、書籍リポソーム、Ostroら、Marcel Dekker社、ニューヨーク、1983年、1章に掲載されている。Szoka Jr.ら(1980年、 Ann.Rev.Biophys.Bioeng.、9:467)も参照のこと。LUVを形成する特に好ましい方法は、Cullisら、PCT特許出願87/00238号明細書、1986年1月16日、題目「単層小胞を産生するための押出し技術(Extrusion Technique for Producing Unilamellar Vesicles)」に記載されている。
小胞を調製するために使用されるその他の技術は、逆相蒸発小胞(REV)、Papahadjopoulosら、米国特許4,235,871号明細書、を形成する技術などがある。使用することができる別のクラスのリポソームは、本質的に等しい層状溶質分布を有するものとして特徴付けられるものである。このクラスのリポソームは、Lenkら、米国特許第4,522,803号明細書で定義されるような安定な多層小胞(SPLV)と呼ばれ、Fountainらの米国特許第4,588,578号明細書で述べるような単相性小胞、および上述のような凍結および解凍された多層小胞(FATMLV)が含まれる。
リポソーム薬物送達システムでは、薬物などの生理活性薬物はリポソームの中に取り込まれ、続いて治療される患者に投与される。例えば、Rabmanら、米国特許第3,993,754号明細書、Sears、米国特許第4,145,410号明細書、Paphadjopoulosら、米国特許第4,235,871号明細書、Schneider、米国特許第4,224,179号明細書、Lenkら、米国特許第4,522,803号明細書、Fountainら、米国特許第4,588,578号明細書を参照。あるいは、生理活性薬物が親油性の場合、脂質二重層と会合する場合がある。一般に、用語「取込み」はリポソームの水性物内に薬物が含まれていること、脂質二重層と薬物が会合していることの両方を含んでいる。
ドキソルビシンは、真菌、ストレプトマイセス ピウセチウスによって産生されたアントラサイクリンクラスの抗生物質に分類される広く使用される抗腫瘍薬である。ドキソルビシンは、種々の腫瘍、白血病、肉腫、および乳癌に対して利用されている。ドキソルビシンの一般的な投薬量で認められる毒性は(他の抗腫瘍薬と同様に)、骨髄抑制、脱毛症、粘膜炎、および悪心、嘔吐、および摂食障害などの胃腸毒性などがある。最も重大なドキソルビシン毒性は、体表面積の平方メートル当たり550mgを越える投与量をうけた被験者の1−10パーセントでうっ血性心不全を引き起こす累積的な用量依存性の不可逆的心筋症である。これらの毒性は、ドキソルビシンなどの抗腫瘍薬の臨床的有用性を厳しく制限する。
様々な研究者によって確立されたように、抗腫瘍薬を使用する癌治療は、多くの場合、遊離の薬物を直接投与する代わりに、従来の方法を使用してリポソーム中に抗腫瘍薬をカプセル化することにより著しく改善することができる。例えば、Forssenら(1983年)、Cancer Res.、43:546、およびGabizonら(1982年)、Cancer Res.、42:4734を参照。直接投与に比べて、リポソーム中のこのような薬物の受動的取り込みにより、その抗腫瘍活性、クリアランス率、生体内分布、および毒性を変化させることができる。例えば、Rahmanら、(1982年)Cancer Res.、42:1817、Rosaら、in Transport in Biomembranes: Model Systems and Reconstitution(1982年)、 R. Antolineら編、Raven Press, New York.243−256、Rosaら(1983年)、Pharmacology, 26:221、Gabizonら、(1983)、Cancer Res.、43:4730、Forssenら、上述、Gabizonら、上述、およびOlsonら(1982年)、Br.J.Cancer Clin.Oncol.、18:167を参照。様々な組成物およびサイズのリポソームを利用して、薬物を標的器官から隔てることによりドキソルビシンの急性および慢性毒性を減弱させることができることを実証する証拠が集積された。例えば、アントラサイクリン系抗生物質ダウノルビシンおよびドキソルビシン、およびそれらの薬物的に許容できる誘導体および塩の心毒性は、受動的なリポソームのカプセル化によって顕著に減少させることができる。例えば、Forssenら、上述、Olsonら、上述、およびRahmanら、上述参照。この毒性の緩衝化は、主に心臓への蓄積が減少し、これに関連して心毒性が減少することによって、生じることが分かる(Rahmanら、1980年、Cancer Res.、40:1532、Olsonら、上述、Berman、ら、1983年、Cancer Res.、43:5427、およびRahmanら、1985年、Cancer Res.、45:796)。このような毒性は、一般に累積投与量によるものであり、遊離のドキソルビシンを制限する(Minowら、1975年、Cancer Chemother. Rep.、6:195)。リポソーム中への非常に有毒な抗腫瘍薬の取り込みにより、投与の対象となる人がこのような薬物に接触するリスクをさらに減らすことができる。
上述の研究により、ドキソルビシンなどのリポソームによるカプセル化抗腫瘍薬の使用の可能性が明らかに確立されたが、市販薬として許容できるリポソーム処方物は上述のリポソームのタイプから獲得することは困難であった。例えば、これらの処方物の多くは、安定性、捕捉効率、規模拡大能力、使用する脂質のコストに関連する問題のため薬物的可能性に疑問がある。さらに、薬物がカプセル化される効率に関連し問題がある。このような問題は、これまで使用された受動的な取込み方法に関係している。
あらかじめ抗腫瘍薬を含むリポソームに関するさらに別の問題は、従来の抗腫瘍薬のリポソーム処方物は、基本的な安定性に関する要件を完全に満足しないことである。リポソーム処方物内での抗腫瘍薬の保持は、一般に数時間で測定されるが、薬物的用途では一般に一年以上の安定性を必要とする。さらに、カルジオリピンなどの高度に不飽和化された部分が多いため、脂質成分の化学的安定性に疑問がある。他の問題は、マイナス電荷の脂質の高いコスト、規模拡大問題などがある。ドキソルビシンなどの抗腫瘍薬が両親媒性特性を有することから、これは、二重層膜に透過性であり、小胞から薬物が漏出してしまい、不安定なリポソーム処方物になってしまう(Gabizonら、1982年、上述、Rahmanら、1985年、上述、およびGanapathiら、1984年、Biochem.Pharmacol.、33:698)。
Mayerらは、膜内外イオン勾配の使用により、抗腫瘍薬の効率的なリポソームの取込みに関連した問題を軽減できることを見いだした(1986年2月27日に出願のPCT出願86/01102を参照)。ドキソルビシン取り込みの誘発に加えて、このような膜内外の勾配は、さらにリポソーム中の薬物保持を増加させるように作用する。
リポソーム自体は、以前のヒト臨床試験において静脈内に投与された場合に、有意な毒性を持たないことが報告された。 Richardsonら、(1979年)Br.J.Cancer40:35、Rymanら、(1983年)”Targeting of Drugs”、G.Gregoriadisら編、pp235−248、Plenum,N.Y.、Gregoriadis G(1981年)、Lancet2:241、およびLopez−Beresteinら、(1985)J.Infect.Dis.151:704。リポソームは、主にsinosoidal毛細血管、すなわち肝臓、脾臓、骨髄に沿って並ぶ、細網内皮系器官中で濃縮され、これらの器官に存在する食細胞によって捕食されることが報告されている。
抗腫瘍薬を投与するためのリポソームの使用は、薬物カプセル化および取込み効率、および治療中の薬物放出に関する問題を提起した。カプセル化に関して、治療中に患者に提示された脂質負荷を最小化するように取込み効率を増加させる継続的なニーズが存在する。さらに、高い取込み効率は、カプセル化プロセスの間に薬物の少量のみが失われることを意味し、現在癌治療に使用されている高価な薬物を扱う場合にはこれは重要な利点である。薬物放出に関して、ドキソルビシンなどの多くの抗腫瘍薬は、カプセル化後に従来のリポソームから急速に遊離されることが分かった。このような急速な遊離は、効力においてリポソームカプセル化の有益な効果を減少し、循環系内への薬物の遊離を促進し、その結果毒性を生じるので、通常はこのような遊離は望ましくない。したがって、リポソームからの抗腫瘍薬および他の薬物の遊離の割合を減少させる方法を発見するために、当業者により継続的な尽力が続いている。
カプセル化と遊離に関するこれらの問題に加えて、臨床医にとって抗腫瘍薬を含むリポソームを提供する市販可能な方法を見つけることが難しいという最も重要な問題が存在する。実験的な段階では「必要に応じた」リポソームの産生および充填で十分通用するが、臨床設定においては一般に不十分である。このため、カプセル化された薬物を含む、または含まないリポソームを輸送し、貯蔵し、通常、既存の商品流通チャネルを介して実質的な損害なく移動する方法が常に、強く求められている。
50mMのクエン酸勾配を充填されたダウノルビシンであるDaunoXomeが市販された。ペグ化脂質を含むリポソームドキソルビシンであるDoxilも市販されたが、ドキソルビシン薬物は酸勾配充填ではなく硫酸アンモニウムイオン勾配に対して充填された。
Moynihanらの出願した公開PCT特許出願第99/13816号では、リポソームカンプトセシン処方物およびこれを製造するプロセスを開示している。このプロセスは、リポソーム分散を形成するために、脱水されたリポソーム(フィルムまたは粉末)を2.0から7.4までのpH値範囲を有する賦形剤を含む水溶液により水和する工程を含んでいる。その明細書で開示された水和目的のための好ましい水溶液は、酸緩衝液、クエン酸あるいは硫酸塩のアンモニウム形態のナトリウムである。その明細書で開示された好ましい緩衝液は、>5mM、より好ましくは50mMのクエン酸(pH値2.0〜5.0)、クエン酸アンモニウム(pH2.0〜5.5)、あるいは硫酸アンモニウム(pH2.0〜5.5)である。12ページ、12−23行目を参照。公開PCT特許出願WO99/13816では、充填後、リポソーム処方物を硫酸アンモニウムで失活させることも記載されている。
しかしながら、公開PCT特許出願WO99/13816では、リポソーム処方物が投与され次第、オリジナルの勾配が得られることは教示され、あるいは示唆されていない。さらに、この公開されたPCT特許出願では、比較的多量の薬物を充填する能力を維持する間に、50mM(あるいは5mM以上)以外のクエン酸を使用できることを教示または示唆されていない(GI147211、カンプトセシン類似物)。この公開されたPCT特許出願では、このようなリポソーム処方物にカンプトセシン以外の薬物を使用することができることを教示または示唆されていない。
(発明の要旨)
高い薬物:脂質比を好ましく有し、リポソーム中の製剤(例えば抗腫瘍薬)をカプセル化するための方法を提供する。リポソームは、膜内外pH勾配を使用した能動的な機序によって薬物を充填するプロセスにより作成することができる。この技術を使用して、取込み効率は100%近くに達する。使用された薬物:脂質比は、旧来のリポソーム処方物における比率よりも高く、リポソームからの薬物の放出率が低減されている。充填後は、残留する酸は、低温で浸透性のある塩基である失活剤で失活される。このため残留する酸性度は減少し、(例えば加水分解に対する)化学的安定性が向上する。これにより投与に先立つ、リポソームおよび薬物の両者の安定性が維持される。しかしながら、このリポソームがインビボで投与される場合、失活剤が速やかにリポソームから遊離されるので、pH勾配が現れる。
本発明は、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを形成する方法を提供する。この方法は、(a)製剤のプロトン化形態が電荷を帯び、リポソームの細胞膜を透過することができず、および製剤の非プロトン化形態が荷電を帯びず、リポソームの細胞膜を透過することができるある温度の約60mM以内の酸水溶液中で薬物を含むリポソーム溶液と接触する工程と、(b)製剤の非プロトン化形態がリポソームの細胞膜を透過し得ない温度に溶液を冷却する工程と、(c)内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供するための内部リポソームのpH値を上昇させるのに有効な量の弱塩基を含む溶液と接触する工程と、が含まれる。
本発明は、薬学的組成物を調製する方法をさらに提供する。この方法は、(a)製剤のプロトン化形態は電荷を帯び、リポソームの細胞膜を透過することができず、製剤の非プロトン化形態は荷電を帯びず、リポソームの細胞膜を透過することができる温度で、約60mM以内の酸の水溶液中で薬物を含むリポソームの溶液と接触する工程と、(b)製剤の非プロトン化形態がリポソームの細胞膜を透過し得ない温度までこの溶液を冷却する工程と、(c)内部が低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供するため、内部リポソームのpH値をを上昇させるのに有効な量の弱塩基を含む溶液と接触する工程と、(d)薬学的組成物を提供するために薬物的に許容可能なキャリアを含むリポソームを組み合わせる工程とを有する。
本発明の薬学的組成物を哺乳動物に投与する方法をさらに提供する。
本発明は癌に冒された哺乳動物を治療する方法をさらに提供する。この方法は、薬物が抗腫瘍薬である本発明の薬学的組成物を哺乳動物に投与する工程を有する。
本発明は、内部がより低く、外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームをさらに提供し、この勾配充填されたリポソームは、(a)製剤のプロトン化形態は電荷を帯び、リポソームの細胞膜を透過することができず、製剤の非プロトン化形態は荷電を帯びず、リポソームの細胞膜を透過することができる温度で、約60mM以内の酸の水溶液中で製剤を含むリポソーム溶液と接触する工程と、(b)製剤の非プロトン化形態がリポソームの細胞膜を透過し得ない温度までこの溶液を冷却する工程と、(c)内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供するため、内部リポソームのpH値を上昇させるのに有効な量の弱塩基を含む溶液と接触する工程と、を有するプロセスにより調製される。
本発明の実施形態は、以下の説明およびこのような実施形態を示す添付の図面を参照すれば良く把握できる。
(発明の詳細な説明)
本明細書において「一実施形態」、「実施形態」、「実施形態例」などと示した場合は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含んでいるが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含んでいないことを表すものとする。またこのような用語は必ずしも同じ実施形態を指していない。さらに、特定の特徴、構造、あるいは特性が実施形態と関連して記述される場合、明示的な記載の有無にかかわらず、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、あるいは特性に影響を及ぼすことは当業者における知識の範囲内にあることを示す。
本発明は、膜内外pH勾配を示すリポソーム中の抗腫瘍薬を効率的に捕捉するために提供される。本発明のリポソーム処方物は、投与後にオリジナルのpH勾配を本質的に有するリポソームを提供する。本発明のリポソームは、古くからの従来のリポソームシステムよりも有意に高い脂質比率の薬物を有する。本発明のリポソーム処方物は、抗腫瘍薬などの薬物を取り込む薬物送達システムとして使用することができる。本発明のリポソームは、遊離の薬物と比較して、改善された薬物動態、増強された効力(生理活性)、より低い毒性を有し、改善された治療係数を提供する。このようなものとして、本発明のリポソーム処方物が、アントラサイクリン類(例えばドキソルビシン、エピルビシンおよびダウノルビシン)、アントラセンジオン類(例えばミトキサントロン)、ビンカアルカロイド類(例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン)、抗新生物抗生物質、アルキル化剤(例えばシクロホスファミドおよび塩酸メクロレタミン)、およびプリンまたはピリミジン誘導体類(例えば5−フルオロウラシル)などの有毒な抗腫瘍薬を取り込む薬物送達システムとして使用される場合、このようなリポソームの処方物は抗腫瘍薬の毒性を減少させるために使用することができる。
本発明は、リポソームの処方物を調製する新規な方法、このようなプロセスから得られたリポソーム処方物、ならびにリポソーム処方物を投与することを含む内科的治療方法に関する。本方法、このような方法から得られた生成物、このような生成物を含む処方物、およびこのような生成物を使用する方法について述べる場合、他に指示のない限り、以下の用語は以下に示すことを意味する。
(定義)
本明細書で使用される用語「リポソーム」は、米国特許第4,753,788号明細書に記載されるように、単層小胞あるいは多層小胞を指す。
「単層小胞」とも呼ばれる「単層リポソーム」は、1つの閉鎖された水性区画を限定する1つの脂質二分子膜を含む球状の小胞である。二重層膜は、内層および外層(小葉)の2つの脂質層を含む。脂質分子の外層は、その親水性ヘッド部分を外部の水性環境に配向し、疎水性テイルはリポソームの内部へ下向きに配向する。脂質内層は外層の直下にあり、脂質はそのヘッドをリポソームの水性内側に面する向きに、またそのテイルは脂質の外層のテイルの方へ配向している。
「多層小胞」とも呼ばれる「多層リポソーム」は、1つを越える脂質二分子膜を含み、その膜は1つをこえる閉鎖された水性区画を限定する。この細胞膜は、異なる細胞膜が水性区画によって分離されるように、ちょうどタマネギのように同心円状に配列される。
製剤という用語は、鎮痛薬、麻酔薬、抗ざ瘡薬、抗生物質、抗菌薬、抗癌薬、抗コリン作動薬、抗血栓薬、抗ジスキネジー薬、鎮吐薬、抗線維薬、抗真菌薬、抗緑内障薬、抗炎症薬、抗腫瘍薬、抗骨粗鬆症薬、抗ページェット薬、抗パーキンソン薬、抗スポラティック薬(antisporatic)、解熱薬、消毒薬、抗血栓薬、抗ウイルス薬、カルシウム調整薬、角質溶解薬、あるいは硬化薬などが含まれるが、これに制限されない。
本明細書に使用されるように、用語「カプセル化」および「取り込まれた」は、リポソーム中またはリポソームとともに製剤が取り込まれているか、または関連していることを指す。この薬物は、脂質二重層、あるいはリポソームの水性内部、あるいはその両方に関係している。一実施形態において、被包性製剤の一部はリポソームの内部中で沈殿塩の形態をとる。薬物はリポソームの内部で自己沈殿する場合もある。
本明細書に使用された用語「賦形剤」、「対イオン」、および「対イオン賦形剤」は、薬物の充填を開始または促進し、リポソームの水性内部中の製剤の沈殿を開始または促進する物質を指す。賦形剤の例としては、塩化物、酢酸塩、ラクトビオネート、およびギ酸塩などの一価陰イオンの酸、ナトリウム、あるいはアンモニウム塩形態、アスパラギン酸、コハク酸塩、および硫酸塩などの二価陰イオン、およびクエン酸塩およびリン酸などの三価イオンなどがあるがこれに限定されない。賦形剤はクエン酸塩および硫酸塩を含むことが好ましい。
「リン脂質」はリポソームを形成することができるあらゆるリン脂質またはリン脂質の組み合わせを指す。卵、ダイズ、または他の植物源より得られるもの、部分的または完全な合成のもの、あるいは可変脂質鎖長および不飽和のものを含むホスファチジルコリン類(PC)が本発明における使用に好ましい。これに限定されないが、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、ダイズホスファチジルコリン(ダイズPC)、卵ホスファチジルコリン(卵PC)、水素化卵ホスファチジルコリン(HEPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)などの合成、半合成および天然物のホスファチジルコリン類は、本発明で使用される好ましいホスファチジルコリンである。これらのリン脂質はすべて市販されている。PCは、HSPCおよびDSPCが好ましく、さらにHSPCが最も好ましい。
さらに、ホスファチジルグリセロール(PG)およびリン酸(PA)は、本発明で使用されるリン脂質として好ましく、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジラウリルホスファチジルグリセロール(DLPG)、ジオアルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジラウリルホスファチジン酸(DLPA)およびジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)などがあるが、これに限定されない。処方物中で使用された場合、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)が、好ましいマイナス電荷の脂質である。他の好ましいリン脂質としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアロイル酸、およびパルミチン酸鎖を含むホスファチジルエタノールアミン ホスファチジルイノシトール、およびホスファチジン酸などがある。さらに、本発明によりリン脂質を含むポリエチレングリコール(PEG)の取り込みも予期される。
本明細書に使用される用語「非経口」は、静脈内(IV)、筋肉内(IM)、皮下(SubQ)、あるいは腹腔内(IP)投与を指す。
用語「改善された治療係数」は、遊離の薬物と比較して、より高い治療係数を意味する。治療係数は、有効量に対する動物における50%致死量との比率として表すことができる。
本明細書で使用される「治療する」あるいは「治療すること」は、(i)病的状態(例えば乳癌)が発生すること、またはそれに関連した症状を防止すること(例えば、予防法)、(ii)病的状態を抑制すること、あるいはそれに関連した状態の発生または症状を阻止すること、あるいは(iii)それに関連した病的状態または症状を緩和することを指す。
本発明により、リポソーム処方物中に任意にコレステロールを含めることが予期される。コレステロールは、リポソーム安定性を改善し、インビボでリポタンパク質へのリン脂質の損失を防止することが知られている。
任意の適切な脂質:効果的な製剤比率は本発明により予期される。好ましい脂質:約5:1〜約100:1、より好ましくは約10:1〜約40:1の薬物モル比を有する。最も好ましい脂質:約15:1〜約25:1のの薬物モル比を有する。リポソームの処方物は、1.5:0.5〜2:1.5の範囲にわたるリン脂質:コレステロールモル比を有することが好ましい。リポソームの処方物は、1〜4モルパーセントのホスファチジルグリセロールを含むかまたは含まず、PC:cholが2:1のものであることが最も好ましい。リポソームのサイズは100nm未満であることが最も好ましい。製剤の充填効率は、被包性製剤パーセントで約70%以上であることが好ましい。カプセル化は、リポソームの内部水性スペースの中に存在する分子、膜二重層の内部または外部小葉の分子、二重層またはリポソームの部分的に外側にある外部小葉内に埋設された分子、および(例えば静電的相互作用によって)リポソームの表面に付随した分子を含む。
一般に、本発明において具体化された製剤を調製するプロセスは、リポソームが形成される溶液の調製により開始される。例えば、任意にコレステロールおよび任意にホスファチジルグリセロールを含むホスファチジルコリンのある量を秤量し、好ましくはクロロホルムおよびメタノールの1:1(V/V)の混合液、あるいはニートクロロホルムの有機溶剤中に溶解させることにより行われる。例えば、ロータリーエバポレーター、噴霧乾燥器、またはその他の手段により、この溶液を蒸発させ、フィルムまたは粉末などの固体の脂質相を形成させる。続いて、フィルムまたは粉末を2.0〜7.4のpH範囲を有する賦形剤を含む水溶液で水和させ、リポソーム分散を形成する。水和の目的のための水溶液は、クエン酸塩または硫酸塩の酸、ナトリウム、あるいはアンモニウム形態の緩衝液が好ましい。この緩衝液は、約60mMまでのクエン酸(pH2.0〜5.0)、クエン酸アンモニウム(pH2.0〜5.5)、あるいは硫酸アンモニウム(pH2.0〜5.5)が好ましい。リン酸などのその他の陰イオン性酸緩衝液を使用することができることは当業者において公知である。使用するリン脂質に応じて、緩衝液中に分散された脂質フィルムまたは粉末を、約25℃から約70℃までの温度に加熱する。
本発明の手順によって形成されたリポソームは、親水性薬物の存在下で凍結乾燥できるか、または脱水できる。
多層リポソームは分散物の撹拌によって形成されるが、米国特許第4,935,171号明細書に述べるような薄膜エバポレーター装置の使用、あるいは振盪またはボルテックス混合を介することが好ましい。単層小胞は、脂質固相の水性分散への剪断力の適用により、例えば超音波処理、ホモジナイザまたはフレンチプレスなどのマイクロ流動化装置の使用により形成される。射出、凍結、および解凍、脂質から洗浄液を透析すること、あるいはリポソームを調製するために使用されるその他の既知の方法のいずれかを使用して剪断力も印加できる。リポソームのサイズは、剪断力の持続を含む種々の既知の技術を使用してコントロールすることができる。ホモジナイズ装置を使用して、3,000〜14,000psi、好ましくは10,000〜14,000psiの圧力、およびおよそ脂質の凝集転移温度で直径200nm未満を有する単層小胞を形成することが好ましい。
取り込まれていない賦形剤を除去しても、除去しなくてもよく、あるいは透析、サイズ排除カラムクロマトグラフイー(セファデックスG−50樹脂)、あるいは限外濾過(100,000〜300,000分子量カットオフ)のいずれかを使用して、リポソーム分散から緩衝液交換により9%ショ糖まで交換してもよい。続いて、それぞれの小さな単層リポソームの配合物に、水酸化ナトリウムで外部pH値が5.0以上の範囲に滴定されるように生成された膜電位などの勾配に対して、約10〜30分間薬物を積極的に充填する。薬物充填中の温度範囲は,脂質:薬物比が5:1から100:1の間で通常50℃〜70℃の間である。取り込まれていない薬物は、透析、サイズ排除カラムクロマトグラフイー(セファデックスG−50樹脂)、あるいは限外濾過(100,000〜300,000分子量カットオフ)のいずれかを使用して、緩衝液を9%のショ糖に交換することによりリポソーム分散から除去される。試料は、一般に酢酸セルロースあるいはポリエーテルスルホンのいずれかよりなる0.22ミクロンのフィルターにより、55℃から65℃で濾過される。
上述のように、薬物は一般に公知の充填方法を用いて(例えば、Deamerら、BBA 274:323−335(1972年)、Forssen、米国特許第4,946,683号明細書、Cramerら、BBRC 75:295−301(1977年)、Bally、米国特許第5,077,056号明細書を参照)、あらかじめ形成されたリポソーム中に充填される。充填はpH勾配による。これは約pH2〜3の内部pH値から始めることが好ましい。賦形剤は、充填プロセス中の対イオンであり、これがリポソームの内部で薬物と接触するようになると、賦形剤は薬物の相当部分を沈殿させる。薬物はリポソームの内部で自己沈殿する場合もある。この沈殿は薬物および脂質を分解(例えば加水分解)から保護する。クエン酸塩または硫酸塩などの賦形剤は、薬物を沈殿させ、薬物充填を促進するために勾配(pHまたはアンモニア)と共に、リポソームの内部で利用することができる。
pH勾配による薬物充填は、リポソームの内部水性スペースの低pHを含み、またこの内部酸性度は、設計により、薬物充填プロセスの間は不完全に中和されている。この残留内部酸性度は、リポソーム処方物内における化学的不安定性(例えば脂質加水分解)を引き起こし、貯蔵期限の制限を生じる可能性がある。この残留内部酸性度を消失させるために、薬物の充填後に、残留内部酸性度を最小値(例えば、pH値4以上)に減少させるのに十分な量のアミン類(例えばアンモニウム塩またはアルキルアミン)などの細胞膜浸透性ベースを添加することができる。使用することができるアンモニウム塩は、これらに限定されないが、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、アンモニウムラクトビオネート、炭酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、およびシュウ酸アンモニウムなどの一価または多価対イオンを有するものが含まれる。これに限定されないが、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、およびプロピルアミンなどの細胞膜浸透性であるアルキルアミン化合物のあらゆる類似塩も使用することができる。例えば2〜8℃で貯蔵中は、失活させていない処方物と比較して、賦形剤または薬物のいずれかの加水分解が抑制された状態でリポソーム処方物は失活されたままである。しかしながら、射出されると直ちに、この失活化学種はリポソームからリークし、したがってインビボで薬物保持に必要である残留勾配を回復する。
リポソームの治療上の使用は、遊離形態で通常有毒な薬物の送達を含むことができる。リポソームの形態では、有毒な薬物は毒性を招く感受性のある組織から隔てられ、それらが治療効果を発揮することができる選択された領域をターゲットとする。リポソームは、長時間にわたり治療上薬物を徐々に放出するために使用することもでき、これにより増強された薬物動態学的プロフィールによって投薬の頻度を減少させることができる。さらにリポソームは、静脈内送達のための疎水性薬物の水性分散を形成する方法を提供することができる。
リポソームの送達の経路は、体内のそれらの分布に影響を及ぼす可能性がある。リポソームの受動的送達は、関節内注射、吸入薬ミスト、経口的に活性な処方物、経皮iotophoresis、あるいは坐薬などのその他の効率的投与形態も構想されるが、例えば非経口的などの多様な投与ルートの使用を含んでいる。それぞれの経路は、リポソームの局在化に相違を生じる。
本発明は、哺乳動物において好ましい腫瘍に治療量または有効量のリポソーム型カンプトセシンを送達することにより、薬物耐性および薬物薬物感受性の腫瘍の成長を抑制する方法も提供する。薬物の投与計画は医師によく知られているので、哺乳動物および特にヒトにおける上述の疾患または状態の治療のために有効または治療可能なリポソーム薬物処方物の量は、当業者において明白であろう。本発明における処方物の個々の投与量の最適な量および間隔は、治療すべき状態の特性および範囲、形態、投与経路および部位、治療すべき特定の患者により決定され、またこのような最適条件は従来の技術によって決定することができる。治療の最適コース、すなわち所定の日数における1日の投与回数は、従来の治療判定テストコースを使用して当業者により確かめることができることが当業者により認識されるであろう。
多剤耐性癌を含む全ての癌に関連した腫瘍の成長の抑制は本発明によって考慮される。癌のために記載されたリポソーム処方物は、卵巣癌、肺小細胞癌(SCLC)、非肺小細胞癌(NSCLC)、結腸直腸癌、乳癌、および頭頸部癌の抑制に特に有用である。さらに本明細書に記載され、請求された処方物を既存の抗癌薬治療と併用して使用することができると考えられる。例えば、本明細書に記載された処方物は、(1)卵巣癌を治療するためのタキソール(パクリタキセル)および白金錯体、(2)結腸直腸癌を治療するための5FUおよびロイコボリン、またはレバミゾール、および(3)SCLCを治療するためのシスプラチンおよびエトポシドなどのタキサン類と併用して使用することができる。
治療薬(例えば抗腫瘍薬)を含むリポソームおよび本発明の処方物、本発明のプロセスによって産生された処方物は、(1)連続投与、(2)その生理活性形態における薬物の持続的送達、あるいは(3)問題の遊離薬物に対して適切な効力を有しながら毒性を減少させることを必要とする感染症または状態の処置において動物(ヒトを含む)の治療目的に使用することができる。このような条件は、抗腫瘍薬で治療することができるような新生物などがあるがこれに限定されない。
薬物(例えば、抗腫瘍薬)を含むリポソームの投与モード、およびこれらの処方物により化合物が送達される生物体内の部位および細胞が決定される。本発明のリポソームは単独で投与することができるが、一般に意図された投与ルートおよび標準薬務に関して選択された製薬キャリアを有する混合物中で投与されると予想される。この処方物は非経口的に、例えば静脈内に注射される。非経口投与の場合、溶液に等張性をもたせるために他の溶液、例えば十分な塩あるいはグルコースを含む無菌水溶液の形態で使用することができる。60分間の静脈注入として、少なくとも約20mg/mの投与量のドキソルビシンリポソームを投与してもよい。これらを注射により腹腔洗浄またはクモ膜下投与に使用してもよい。リンパ節転移部位の皮下に投与してもよい。処方物の特定の特性に依存するその他の使用は、当業者により構想される。
経口投与モードの場合は、本発明のリポソーム治療薬(例えば抗腫瘍薬)処方物は、錠剤、カプセル、ロジェンジェス(losenges)、トローチ、粉末、シロップ剤、エリキシル剤、水溶液および懸濁液、およびその類似物の形態で使用することができる。錠剤の場合には、使用することができるキャリアとしては、ラクトース、クエン酸ナトリウム、およびリン酸塩などがある。デンプンなどの多様な崩壊剤、およびステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクなどの潤滑剤が錠剤中で一般に使用される。カプセル形状の経口投与の場合は、有用な希釈液はラクトースおよび高分子量ポリエチレングリコールである。経口使用のために水性懸濁剤が必要とされる場合、活性成分は乳化懸濁剤と併用する。必要に応じ、ある甘味料および/または香料は加えることができる。
局所投与モードの場合は、本発明のリポソームの治療薬(例えば抗腫瘍薬)処方物をゲル、オイル、乳剤、およびその類似物などの剤形中に混合してもよい。このような処方物は、クリーム、ペースト、軟膏、ゲル、ローションあるいはその類似物として直接塗布により投与できる。
腫瘍疾患の治療処置、緩解処置、再遅発処置、あるいは予防処置におけるヒトへの投与の場合、処方医師は、を所定のヒト患者に適切な投与量の新生物薬物を最終決定すると考えられるが、これは個体の年齢、体重、および反応、ならびに患者の疾患の特性および重症度により異なることが予想できる。リポソーム形態における薬物の投与量は、一般に遊離の薬物として使用する場合と同程度と考えられる。しかしながら、ある場合には、これらの限界のを超えた投与量を投与することが必要な場合がある。
請求の範囲により規定されるように、以下に提供する本明細書に列挙された実施形態における特定の範囲および値は、説明のみのためであり、それ以外は本発明の範囲を制限するものではない。
(発明の列挙実施形態)
[1] 本発明は、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを形成する改善された方法を提供し、その方法は、以下:
(a)処方物のプロトン化形態が電荷を帯び、リポソームの膜を透過し得ず、そしてその処方物の非プロトン化形態が電荷を帯びず、そのリポソームの膜を透過し得る温度で、約60mMまでの酸水溶液中でリポソーム溶液を処方物と接触させる工程;
(b)上記処方物の非プロトン化形態がそのリポソームの膜を透過し得ない温度まで、その溶液を冷却する工程;
(c)内部リポソームのpHを上昇させるのに有効な量で、溶液を弱塩基と接触させて、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供する工程
を包含する。
[2] 本発明はまた、実施形態[1]に記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、ホスファチジルコリンを含む。
[3] 本発明はまた、実施形態[1]〜[2]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、上記リポソームが、ジステアロイルホスファチジルコリン、水素化ダイズホスファチジルコリン、水素化卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、およびジエライドイルホスファチジルコリンの群から選択されるホスファチジルコリンを含む。
[4] 本発明はまた、実施形態[1]〜[3]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、コレステロールをさらに含む。
[5] 本発明はまた、実施形態[1]〜[4]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、ホスファチジルグリセロールをさらに含む。
[6] 本発明はまた、実施形態[1]〜[5]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、非ホスファチジル脂質をさらに含む。
[7] 本発明はまた、実施形態[1]〜[6]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記非ホスファチジル脂質が、スフィンゴミエリンを含む。
[8] 本発明はまた、実施形態[1]〜[7]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、上記リポソームが、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジラウリルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、およびジステアロイルホスファチジルグリセロールの群から選択されるホスファチジルグリセロールをさらに含む。
[9] 本発明はまた、実施形態[1]〜[8]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームがホスファチジルコリンを含み、さらにコレステロールを含む。
[10] 本発明はまた、実施形態[1]〜[9]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、ホスファチジルコリンを含み、さらにコレステロールを含み、そのコレステロールに対するそのホスファチジルコリンのモル比が、約1:0.01〜約1:1である。
[11] 本発明はまた、実施形態[1]〜[10]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、ホスファチジルコリンを含み、さらにコレステロールを含み、そのコレステロールに対するそのホスファチジルコリンのモル比が、約1.5:1.0〜約3.0:1.0である。
[12] 本発明はまた、実施形態[1]〜[11]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが単層であり、約100nm未満である。
[13] 本発明はまた、実施形態[1]〜[12]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物に対する上記リポソームの重量比が、約200:1までである、。
[14] 本発明はまた、実施形態[1]〜[13]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物に対する上記リポソームの重量比が、約1:1〜約100:1である。
[15] 本発明はまた、実施形態[1]〜[14]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物に対する上記リポソームの重量比が、約1:1〜約50:1である。
[16] 本発明はまた、実施形態[1]〜[15]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記酸が、約1×10−2未満の酸解離定数を有する。
[17] 本発明はまた、実施形態[1]〜[16]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記酸が、約1×10−4未満の酸解離定数を有する。
[18] 本発明はまた、実施形態[1]〜[17]に記載の方法を提供し、ここで、上記酸が、約1×10−5未満の酸解離定数を有する。
[19] 本発明はまた、実施形態[1]〜[18]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記酸が、上記リポソームに対して約1×10−4cm/秒よりも大きな透過係数を有する。
[20] 本発明はまた、実施形態[1]〜[19]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記酸が、ギ酸、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、アコニット酸、ベラトルム酸、リン酸、硫酸、およびこれらの組み合わせの群から選択される。
[21] 本発明はまた、実施形態[1]〜[20]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記酸がクエン酸である。
[22] 本発明はまた、実施形態[1]〜[21]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、約50mMまでの酸が使用される。
[23] 本発明はまた、実施形態[1]〜[22]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、水性媒体中に溶解された場合、上記処方物は荷電状態で存在する。
[24] 本発明はまた、実施形態[1]〜[23]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、プロトン化し得る少なくとも1つの非環式もしくは環状アミノ基を含む有機化合物である。
[25] 本発明はまた、実施形態[1]〜[24]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、少なくとも1つの一級アミン基、少なくとも1つの二級アミン基、少なくとも1つの三級アミン基、少なくとも1つの4級アミン基、またはこれらの任意の組み合わせを含む有機化合物である。
[26] 本発明はまた、実施形態[1]〜[25]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、抗腫瘍薬である。
[27] 本発明はまた、実施形態[1]〜[26]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、2つ以上の抗腫瘍薬の組み合わせである。
[28] 本発明はまた、実施形態[1]〜[27]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、イオン化塩基性抗腫瘍薬である。
[29] 本発明はまた、実施形態[1]〜[28]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、アントラサイクリン化学療法薬、アントラセンジオン、両親媒性薬物、またはビンカアルカロイドである。
[30] 本発明はまた、実施形態[29]に記載の方法を提供し、ここで、上記アントラサイクリン化学療法薬が、ドキソルビシン、エピルビシン、およびダウノルビシンの群から選択される。
[31] 本発明はまた、実施形態[29]に記載の方法を提供し、ここで、上記アントラセンジオンが、ミトキサントロンである。
[32] 本発明はまた、実施形態[29]に記載の方法を提供し、ここで、上記両親媒性薬物が、親油性アミンである。
[33] 本発明はまた、実施形態[20]に記載の方法を提供し、ここで、上記ビンカアルカロイドが、ビンクリスチンおよびビンブラスチンの群から選択される。
[34] 本発明はまた、実施形態[1]〜[28]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、抗腫瘍性抗生物質である。
[35] 本発明はまた、実施形態[1]〜[34]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、カンプトセシンでもその類似体でもない。
[36] 本発明はまた、実施形態[1]〜[28]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、アルキル化剤である。
[37] 本発明はまた、実施形態[36]に記載の方法を提供し、ここで、上記アルキル化剤が、シクロホスファミドおよび塩酸メクロレタミンの群から選択される。
[38] 本発明はまた、実施形態[1]〜[28]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記処方物が、プリン誘導体またはピリミジン誘導体である。
[39] 本発明はまた、実施形態[38]に記載の方法を提供し、ここで、上記プリン誘導体またはピリミジン誘導体が、5−フルオロウラシルである。
[40] 本発明はまた、実施形態[1]〜[39]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、工程(a)における温度が、約40℃〜約70℃である。
[41] 本発明はまた、実施形態[1]〜[40]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、工程(a)における温度が、約50℃〜約60℃である。
[42] 本発明はまた、実施形態[1]〜[41]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記溶液が、工程(b)において、約0℃〜約30℃の温度まで冷却される。
[43] 本発明はまた、実施形態[1]〜[42]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、工程(a)における溶液が、以下:
(i)上記リポソームおよび上記酸の水溶液を接触させること;
(ii)その溶液をホモジナイズすること;および
(iii)必要に応じて任意の外部酸を除去すること
を包含するプロセスによって調製される。
[44] 本発明はまた、実施形態[43]に記載の方法を提供し、ここで、上記外部酸が、工程(iii)において、その外部酸を濾過することによって除去される。
[45] 本発明はまた、実施形態[1]〜[44]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記弱塩基が、膜浸透性アミンである。
[46] 本発明はまた、実施形態[1]〜[45]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記弱塩基が、アンモニウム塩またはアルキルアミンである。
[47] 本発明はまた、実施形態[1]〜[46]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記弱塩基が、一価または多価対イオンを有するアンモニウム塩である。
[48] 本発明はまた、実施形態[1]〜[47]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記弱塩基が、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、アンモニウムラクトビオネート、炭酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、およびこれらの組み合わせの群から選択される。
[49] 本発明はまた、実施形態[1]〜[47]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記弱塩基が、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、およびプロピルアミンの群から選択されるアルキルアミンである。
[50] 本発明はまた、実施形態[1]〜[49]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、工程(c)の間、または工程(c)の後に、充填されなかった処方物をすべて除去する工程をさらに包含する。
[51] 本発明はまた、実施形態[50]に記載の方法を提供し、ここで、上記充填されなかった薬物の除去工程は、その充填されなかった薬物を交流濾過または透析によって除去することを利用する。
[52] 本発明はまた、実施形態[1]〜[51]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、工程(c)の後、上記リポソームを脱水する工程をさらに包含する。
[53] 本発明はまた、実施形態[52]に記載の方法を提供し、ここで、上記脱水工程は、約1atm未満の圧力で行なわれる。
[54] 本発明はまた、実施形態[52]に記載の方法を提供し、ここで、上記脱水工程は、上記リポソームをあらかじめ凍結させることで行われる。
[55] 本発明はまた、実施形態[52]に記載の方法を提供し、ここで、上記脱水工程が、1つ以上の保護単糖類糖、1つ以上の保護二糖類糖、またはこれらの組み合わせの存在下で行われる。
[56] 本発明はまた、実施形態[55]に記載の方法を提供し、ここで、上記保護糖がトレハロース、ショ糖、マルトース、およびラクトースの群から選択される。
[57] 本発明はまた、実施形態[52]に記載の方法を提供し、ここで、上記脱水工程の後に、上記リポソームを再水和する工程をさらに包含する。
[58] 本発明はまた、実施形態[1]〜[57]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、単層小胞である。
[59] 本発明はまた、実施形態[1]〜[57]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記リポソームが、多層小胞である。
[60] 本発明はまた、実施形態[1]〜[59]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、約90重量%を超える上記処方物が、上記リポソーム中に捕捉される。
[61] 本発明はまた、実施形態[1]〜[60]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、工程(c)の後、上記リポソームが薬学的に受容可能なキャリアと接触する工程をさらに含む。
[62] 本発明はまた、実施形態[1]〜[61]のうちのいずれか1つに記載の方法を提供し、ここで、上記酸が、約20mM〜約60mMで存在する。
[63] 本発明はまた、薬学的組成物を調製するための方法を提供し、その方法は、以下:
(a)処方物のプロトン化形態が電荷を帯び、リポソームの膜を透過し得ず、そしてその処方物の非プロトン化形態が電荷を帯びず、リポソームの膜を透過し得る温度で、約60mMまでの酸の水溶液中でリポソーム溶液をその処方物と接触させる工程;
(b)その処方物の非プロトン化形態がリポソームの膜を透過し得ない温度まで、その溶液を冷却する工程;
(c)内部リポソームのpHを上昇させるのに有効な量で、その溶液を弱塩基と接触させて、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供する工程;および
(d)そのリポソームを薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、薬学的組成物を提供する工程、
を包含する。
[64] 本発明はまた、実施形態[63]に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する方法を提供する。
[65] 本発明はまた、癌に苦しめられている哺乳動物を処置するための方法を提供し、その方法は、その哺乳動物に実施形態[63]に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含し、ここで、その薬学的組成物は、抗腫瘍薬である。
[66] 本発明はまた、実施形態[65]に記載の方法を提供し、ここで、上記癌は、腫瘍、卵巣癌、肺小細胞癌(SCLC)、非肺小細胞癌(NSCLC)、白血病、肉腫、結腸直腸癌、頭部癌、頚部癌、または乳癌である。
[67] 本発明はまた、実施形態[65]に記載の方法を提供し、ここで、上記リポソーム処方物を介する上記抗腫瘍薬の投与は、遊離形態での抗腫瘍薬の投与に関連する毒性プロフィールよりも低い毒性プロフィールを有する。
[68] 本発明はまた、実施形態[67]に記載の方法を提供し、ここで、上記毒性は、胃腸毒性および累積的用量依存性不可逆性心筋症の群から選択される。
[69] 本発明はまた、実施形態[65]に記載の方法を提供し、ここで、上記抗腫瘍薬の投与は、発生率、重症度、またはこれらの組み合わせにおいて、遊離形態での抗腫瘍薬の投与に関連する望ましくない副作用よりも低い望ましくない副作用を有する。
[70] 本発明はまた、実施形態[69]に記載の方法を提供し、ここで、上記望ましくない副作用は、骨髄抑制、脱毛症、粘膜炎、悪心、嘔吐、および摂食障害の群から選択される。
[71] 以下:
(a)処方物のプロトン化形態が電荷を帯び、リポソームの膜を透過し得ず、そして該処方物の非プロトン化形態は荷電を帯びず、リポソームの膜を透過し得る温度で、約60mMまでの酸の水溶液中で、リポソーム溶液を該処方物と接触させる工程;
(b)該処方物の非プロトン化形態がリポソームの膜を透過し得ない温度まで、該溶液を冷却する工程;および
(c)内部リポソームのpH値を上昇させるのに有効な量で、該溶液を弱塩基と接触させて、内部が低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供する工程、
を包含するプロセスによって調製される、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソーム。
以下の実施例は、説明のためのみに提供され、本発明の範囲を限定するためのものではない。
処方物における最大耐量は、種々の既知の動物モデルにより決定することができる。例えば、試験Bを使用して決定することができる。
(試験方法B−最大耐量(MTD))
I.V.投与でヌードマウス(NCr.nu/nu−マウス)に各処方物を投与し、続いてそれぞれの処方物の最大耐量(MTD)を判定した。一般に、投与群当たり2匹のマウスにより、MTDが判明するまでの範囲の投与が与えられた。MTDの評価は、体重、死亡率、行動の変化、および/または剖検における徴候の評価によって決定された。実験の一般的な期間では、週2回の体重測定と共に4週間マウスの観察を行う。
処方物における抗癌活性は、多数の既知の動物モデルで決定することができる。例えば、試験Aを使用して、ラットにより決定することができる。
(試験方法A−乳癌異種移植モデル)
ヌードマウスに、MaTuまたはMT−3ヒト乳癌細胞を皮下に移植し、続いて処方物および生理食塩対照群による処置を行った。処置は腫瘍移植後10日目より開始し、それぞれの薬物のMTDで3日連続して一日1回以上投薬する動物より構成された。腫瘍移植後、約34日後に試験を終了するまでの試験期間中、いくつかの時点で腫瘍容積を測定した。それぞれの試験物質について、相対腫瘍容積中央値(試験の10日目に計測された腫瘍のサイズに関連したそれぞれの個体の腫瘍サイズ測定値)をプロットした。ビノレルビンを含む処方物における代表的なデータを図1に示す。
本発明は、以下の実施例の参照によりさらに定義される。材料および方法の両方に関する多くの修正を、本発明の目的および対象から逸脱せずに実施してもよいことは当業者において明白であろう。
(リポソーム調製のための一般手順)
多様なモル比の水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、コレステロール(コレステロール)、およびジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)を含む多様なリン脂質を含む噴霧乾燥された脂質粉末を調製した。試験された脂質比率は、HSPC:コレステロール:DSPGa)2:1:0、b)2:1:0.1である。
(噴霧乾燥された脂質粉末の調製)
全ての脂質成分を秤量し、最終脂質濃度が約200mg/mlとなるように、丸底フラスコ中でクロロホルム:メタノール1:1(v/v)の溶媒を脂質粉末に加えた。続いて、計画されたパラメータ設定でYAMATO GB−21噴霧乾燥機を使用し、脂質溶液を噴霧乾燥させ、脂質粉末を形成させた。減圧下で3〜5日間トレードライヤーに脂質を放置し、脂質粉末中の残留溶媒を除去した。
(薬物ストック溶液の調製)
必要な薬物を秤量し、注射用蒸留水(WFI)の中に溶解した。通常薬物ストック溶液の濃度は約20mg/mlである。ビノレルビン(NAV)、エピルビシン(EPR)、ミトキサントロン(MITO)、ビンクリスチン(VCR)、およびドキソルビシン(DOXO)のストック溶液を調製した。
(対イオンストック溶液の調製)
あらかじめ決定された濃度に基づいて、対イオン粉末を秤量し、WFI中に溶解した。必要に応じ、対イオン溶液の最終pH値を設計されたpH値に調整した。以下の対イオンの溶液を調製した。クエン酸(CA)、硫酸アンモニウム(NHS0)、クエン酸トリアンモニウム(NHクエン酸塩)、およびラクトビオン酸(LBA)。
(脂質フィルムまたは噴霧乾燥された脂質粉末のいずれかからのプローブ超音波処理による薬物充填前リポソーム(空のリポソーム)の調製)
脂質フィルムまたは脂質粉末を秤量し、実験計画に依存して100mg/mlから150mg/mlの間の脂質濃度で、所望の対イオン溶液と水和させた。溶液が半透明になるまで、水和溶液をプローブ超音波処理にかけた。超音波処理の一般的な温度は65℃であり、一般な超音波処理時間は15〜20分である。超音波処理の終了後、リポソームを以下の洗浄プロセスのうちの1つにより処理した。a)リポソームを室温まで冷却し、9%ショ糖による緩衝液交換のためのセファデックスG−50カラムに透明な溶液を加えた。あるいは、b)超音波処理の完了後、直ちにリポソーム溶液を同じ対イオン溶液で1〜3倍に希釈し、続いてこの希釈液を9%ショ糖による洗浄/緩衝液交換のための限外濾過(U.F.)に提供した。リポソームの最終脂質濃度は、U.F.プロセスを通じて約50mg/mlに維持された。
(噴霧乾燥された脂質粉末からの均質化によるリポソームの調製)
脂質粉末を秤量し、50mg/ml〜75mg/mlの間の脂質濃度の所望の対イオン溶液で水和させた。10,000PSI、約55℃でニロホモジナイザを使用して、溶液が半透明になるまで水和溶液を均質化させた。一般的な均質化プロセスは約10パスを採用した。均質化終了後、リポソーム溶液は9%ショ糖による洗浄/緩衝液交換のための限外濾過を行った。
(薬物充填リポソームの調製)
適切な量の空のリポソームを測定し、この空のリポソームに計算量の薬物ストック溶液を加えた。一般的な初期薬物対脂質比は重量比で20:1であった。続いて、システムを55℃でインキュベートし、水酸化ナトリウムを使用してシステムのpH値を所望のpH値、一般にpH5.8〜pH6.5に調整した。システムは、20〜30分間の充填/インキュベート時間が一般に与えられた。続いて、薬物充填後リポソームをカラム分離またはU.F.プロセスを通し、9%ショ糖または(失活用)設計された緩衝液による緩衝液交換を行い、さらに未充填の遊離の薬物を除去した。酢酸セルロース0.22ミクロンのフィルタにより、このリポソームを室温で濾過した。
(実施例1 ビノレルビンリポソーム)
NAVストック溶液は約36mg/mlであった。空のリポソームの脂質濃度は33.2mg/mlであった。適切な量の空のリポソームを測定した。薬物ストック溶液の計算量を空のリポソームに加えた。また薬物対脂質比は重量比で20:1であった。続いてシステムを55℃でインキュベートし、水酸化ナトリウムを使用してシステムのpHを6.0に調整した。薬物充填のためにシステムを55℃で20分間インキュベートした。続いて、薬物充填後リポソームを洗浄プロセスに通し、9%のショ糖による緩衝液交換によって任意の未充填の遊離の薬物を除去した。失活を行う場合は、緩衝液交換のための溶液が設計された失活溶液となる。酢酸セルロース0.22ミクロンフィルターで室温でリポソームを濾過した。リポソームの評価結果を下表に示す。試験Aによる効力試験の結果を図1に示す。リポソーム処方物の1回量は、遊離薬物(市販製品ナベルビン)の等毒性投与量と比較して、有意に効力が改善された。試験BによるMTDも遊離薬物に対してリポソーム中では増加した(xxmg/kgからyymg/kgまで)。
Figure 2006515578
(実施例2 ミトキサントロンリポソーム)
MITOストック溶液は約20mg/mlであった。空のリポソームの脂質濃度は50mg/mlであった。適切な量の空のリポソームを測定した。薬物ストック溶液の計算量を空のリポソームに加えた。また薬物対脂質比は重量比で20:1であった。システムを55℃でインキュベートし、水酸化ナトリウムを使用してシステムのpHを8.0に調整した。薬物充填のためにシステムを55℃で20分間インキュベートした。続いて、薬物充填後リポソームを洗浄プロセスに通し、9%のショ糖による緩衝液交換によって任意の未充填の遊離の薬物を除去した。失活を行う場合は、緩衝液交換のための溶液が設計された失活溶液となる。酢酸セルロース0.22ミクロンフィルターで室温でリポソームを濾過した。リポソームの評価の結果を下表に示す。
Figure 2006515578
(実施例3 エピルビシンリポソーム)
EPRストック溶液は約20mg/mlであった。空のリポソームの脂質濃度は50mg/mlであった。適切な量の空のリポソームを測定した。薬物ストック溶液の計算量を空のリポソームに加えた。また薬物対脂質比は重量比で20:1であった。システムを55℃でインキュベートし、水酸化ナトリウムを使用してシステムのpHを6.0に調整した。薬物充填のためにシステムを55℃で20分間インキュベートした。続いて、薬物充填後リポソームを洗浄プロセスに通し、9%のショ糖による緩衝液交換によって任意の未充填の遊離の薬物を除去した。失活を行う場合は、緩衝液交換のための溶液が設計された失活溶液となる。酢酸セルロース0.22ミクロンフィルターで室温でリポソームを濾過した。リポソームの評価の結果を下表に示す。
Figure 2006515578
(実施例4)
ヒトの治療または予防に使用するための本発明のリポソームを含む代表的な製薬の剤形を以下に示す。

(i)注射液1(1mg/ml) mg/ml
「治療薬」 1.0
フォスファチジルコリン 40
コレステロール 10
ショ糖 90
0.1N 水酸化ナトリウム溶液
(7.0−7.5にpHを調整) q.s.
注射用蒸留水 q.s.1ml添加

(ii)注射液2(10mg/ml) mg/ml
「治療薬」 10
フォスファチジルコリン 60
コレステロール 15
陰イオン性リン脂質 3
0.1N 水酸化ナトリウム溶液
(7.0−7.5にpHを調整) q.s.
注射用蒸留水 q.s.1ml添加
上記処方物は、製薬当業者において公知の従来技術により得られる。
すべての出版物、特許、および本明細書に引用された特許は、個別に参照によって引用されるものと同様に、参照によって本明細書に引用される。本発明では、様々な特定の好ましい実施形態および技術について記載している。しかしながら、本発明の精神および範囲から逸脱しないかぎり、多くの変形および修正が作成される場合があることを理解すべきである。
一実施形態の中で明瞭さのために、個別の実施形態の前後関係において記述される本発明のある特徴も提供されることが分かる。逆に、簡潔さのために単一の実施形態の前後関係において記述される本発明の多様な特徴は、別々にあるいは任意の小さな組み合わせにおいてさらに提供される。
図1は、マウス中のヒト乳房腫瘍MaTu成長におけるリポソームビノレルビンの効果を示す。 図2は、本発明の方法によってリポソーム処方物を調製するためのブロックフロー図を示す。

Claims (71)

  1. 内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを形成する方法であって、該方法は、以下:
    (a)製剤のプロトン化形態が電荷を帯び、リポソームの膜を透過し得ず、そして該製剤の非プロトン化形態が電荷を帯びず、該リポソームの膜を透過し得る温度で、約60mMまでの酸水溶液中でリポソーム溶液を製剤と接触させる工程;
    (b)前記製剤の非プロトン化形態が該リポソームの膜を透過し得ない温度まで、該溶液を冷却する工程;
    (c)内部リポソームのpHを上昇させるのに有効な量で、溶液を弱塩基と接触させて、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記リポソームが、ホスファチジルコリンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記リポソームが、ジステアロイルホスファチジルコリン、水素化ダイズホスファチジルコリン、水素化卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、およびジエライドイルホスファチジルコリンの群から選択されるホスファチジルコリンを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記リポソームが、コレステロールをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記リポソームが、ホスファチジルグリセロールをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記リポソームが、非ホスファチジル脂質をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記非ホスファチジル脂質が、スフィンゴミエリンを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記リポソームが、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジラウリルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、およびジステアロイルホスファチジルグリセロールの群から選択されるホスファチジルグリセロールをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記リポソームがホスファチジルコリンを含み、さらにコレステロールを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記リポソームが、ホスファチジルコリンを含み、さらにコレステロールを含み、該コレステロールに対する該ホスファチジルコリンのモル比が、約1:0.01〜約1:1である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記リポソームが、ホスファチジルコリンを含み、さらにコレステロールを含み、該コレステロールに対する該ホスファチジルコリンのモル比が、約1.5:1.0〜約3.0:1.0である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記リポソームが単層であり、約100nm未満である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記製剤に対する前記リポソームの重量比が、約200:1までである、請求項1に記載の方法。
  14. 前記製剤に対する前記リポソームの重量比が、約1:1〜約100:1である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記製剤に対する前記リポソームの重量比が、約1:1〜約50:1である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記酸が、約1×10−2未満の酸解離定数を有する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記酸が、約1×10−4未満の酸解離定数を有する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記酸が、約1×10−5未満の酸解離定数を有する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記酸が、前記リポソームに対して約1×10−4cm/秒よりも大きな透過係数を有する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記酸が、ギ酸、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、アコニット酸、ベラトルム酸、リン酸、硫酸、およびこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1に記載の方法。
  21. 前記酸がクエン酸である、請求項1に記載の方法。
  22. 約50mMまでの酸が使用される、請求項1に記載の方法。
  23. 水性媒体中に溶解された場合、前記製剤は荷電状態で存在する、請求項1に記載の方法。
  24. 前記製剤が、プロトン化し得る少なくとも1つの非環式もしくは環状アミノ基を含む有機化合物である、請求項1に記載の方法。
  25. 前記製剤が、少なくとも1つの一級アミン基、少なくとも1つの二級アミン基、少なくとも1つの三級アミン基、少なくとも1つの4級アミン基、またはこれらの任意の組み合わせを含む有機化合物である、請求項1に記載の方法。
  26. 前記製剤が、抗腫瘍薬である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記製剤が、2つ以上の抗腫瘍薬の組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  28. 前記製剤が、イオン化塩基性抗腫瘍薬である、請求項1に記載の方法。
  29. 前記製剤が、アントラサイクリン化学療法薬、アントラセンジオン、両親媒性薬物、またはビンカアルカロイドである、請求項1に記載の方法。
  30. 前記アントラサイクリン化学療法薬が、ドキソルビシン、エピルビシン、およびダウノルビシンの群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記アントラセンジオンが、ミトキサントロンである、請求項29に記載の方法。
  32. 前記両親媒性薬物が、親油性アミンである、請求項29に記載の方法。
  33. 前記ビンカアルカロイドが、ビンクリスチンおよびビンブラスチンの群から選択される、請求項29に記載の方法。
  34. 前記製剤が、抗腫瘍性抗生物質である、請求項1に記載の方法。
  35. 前記製剤が、カンプトセシンでもその類似体でもない、請求項1に記載の方法。
  36. 前記製剤が、アルキル化剤である、請求項1に記載の方法。
  37. 前記アルキル化剤が、シクロホスファミドおよび塩酸メクロレタミンの群から選択される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記製剤が、プリン誘導体またはピリミジン誘導体である、請求項1に記載の方法。
  39. 前記プリン誘導体またはピリミジン誘導体が、5−フルオロウラシルである、請求項38に記載の方法。
  40. 工程(a)における温度が、約40℃〜約70℃である、請求項1に記載の方法。
  41. 工程(a)における温度が、約50℃〜約60℃である、請求項1に記載の方法。
  42. 前記溶液が、工程(b)において、約0℃〜約30℃の温度まで冷却される、請求項1に記載の方法。
  43. 工程(a)における溶液が、以下:
    (i)前記リポソームおよび前記酸の水溶液を接触させること;
    (ii)該溶液をホモジナイズすること;および
    (iii)必要に応じて任意の外部酸を除去すること
    を包含するプロセスによって調製される、請求項1に記載の方法。
  44. 前記外部酸が、工程(iii)において、該外部酸を濾過することによって除去される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記弱塩基が、膜浸透性アミンである、請求項1に記載の方法。
  46. 前記弱塩基が、アンモニウム塩またはアルキルアミンである、請求項1に記載の方法。
  47. 前記弱塩基が、一価または多価対イオンを有するアンモニウム塩である、請求項1に記載の方法。
  48. 前記弱塩基が、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、アンモニウムラクトビオネート、炭酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、およびこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1に記載の方法。
  49. 前記弱塩基が、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、およびプロピルアミンの群から選択されるアルキルアミンである、請求項1に記載の方法。
  50. 工程(c)の間、または工程(c)の後に、充填されなかった製剤をすべて除去する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  51. 前記充填されなかった薬物の除去工程は、該充填されなかった薬物を交流濾過または透析によって除去することを利用する、請求項50に記載の方法。
  52. 工程(c)の後、前記リポソームを脱水する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  53. 前記脱水工程は、約1atm未満の圧力で行なわれる、請求項52に記載の方法。
  54. 前記脱水工程は、前記リポソームをあらかじめ凍結させることで行われる、請求項52に記載の方法。
  55. 前記脱水工程が、1つ以上の保護単糖類糖、1つ以上の保護二糖類糖、またはこれらの組み合わせの存在下で行われる、請求項52に記載の方法。
  56. 前記保護糖がトレハロース、ショ糖、マルトース、およびラクトースの群から選択される、請求項55に記載の方法。
  57. 前記脱水工程の後に、前記リポソームを再水和する工程をさらに包含する、請求項52に記載の方法。
  58. 前記リポソームが、単層小胞である、請求項1に記載の方法。
  59. 前記リポソームが、多層小胞である、請求項1に記載の方法。
  60. 約90重量%を超える前記製剤が、前記リポソーム中に捕捉される、請求項1に記載の方法。
  61. 工程(c)の後、前記リポソームが薬学的に受容可能なキャリアと接触する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  62. 前記酸が、約20mM〜約60mMで存在する、請求項1に記載の方法。
  63. 薬学的組成物を調製するための方法であって、以下:
    (a)製剤のプロトン化形態が電荷を帯び、リポソームの膜を透過し得ず、そして該製剤の非プロトン化形態が電荷を帯びず、リポソームの膜を透過し得る温度で、約60mMまでの酸の水溶液中でリポソーム溶液を該製剤と接触させる工程;
    (b)該製剤の非プロトン化形態がリポソームの膜を透過し得ない温度まで、該溶液を冷却する工程;
    (c)内部リポソームのpHを上昇させるのに有効な量で、該溶液を弱塩基と接触させて、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供する工程;および
    (d)該リポソームを薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、薬学的組成物を提供する工程、
    を包含する、方法。
  64. 哺乳動物に請求項63に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
  65. 癌に苦しめられている哺乳動物を処置するための方法であって、該方法は、該哺乳動物に請求項63に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含し、ここで、該薬学的組成物は、抗腫瘍薬である、方法。
  66. 前記癌は、腫瘍、卵巣癌、肺小細胞癌(SCLC)、非肺小細胞癌(NSCLC)、白血病、肉腫、結腸直腸癌、頭部癌、頚部癌、または乳癌である、請求項65に記載の方法。
  67. 前記リポソーム処方物を介する前記抗腫瘍薬の投与は、遊離形態での抗腫瘍薬の投与に関連する毒性プロフィールよりも低い毒性プロフィールを有する、請求項65に記載の方法。
  68. 前記毒性は、胃腸毒性および累積的用量依存性不可逆性心筋症の群から選択される、請求項67に記載の方法。
  69. 前記抗腫瘍薬の投与は、発生率、重症度、またはこれらの組み合わせにおいて、遊離形態での抗腫瘍薬の投与に関連する望ましくない副作用よりも低い望ましくない副作用を有する、請求項65に記載の方法。
  70. 前記望ましくない副作用は、骨髄抑制、脱毛症、粘膜炎、悪心、嘔吐、および摂食障害の群から選択される、請求項69に記載の方法。
  71. 以下:
    (a)製剤のプロトン化形態が電荷を帯び、リポソームの膜を透過し得ず、そして該製剤の非プロトン化形態は荷電を帯びず、リポソームの膜を透過し得る温度で、約60mMまでの酸の水溶液中で、リポソーム溶液を該製剤と接触させる工程;
    (b)該製剤の非プロトン化形態がリポソームの膜を透過し得ない温度まで、該溶液を冷却する工程;および
    (c)内部リポソームのpH値を上昇させるのに有効な量で、該溶液を弱塩基と接触させて、内部が低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソームを提供する工程、
    を包含するプロセスによって調製される、内部がより低く/外部がより高いpH勾配を有する勾配充填されたリポソーム。
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