JP2006347462A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 部品点数を増やすことなく車体への非取付時にハウジングと取付体との相対位置を維持することができるステアリング装置を提供する
【解決手段】 操舵軸1を収容支持するハウジング2の下端部に長孔91,91及び位置決め凹部92,92を有する二つのブラケット9,9を設け、ハウジング2の下端部を車体に枢支する取付体4に、枢軸3,3が嵌入される円形の嵌入孔42,42を設けて枢軸3,3を嵌入保持し、該枢軸3,3の一端に、枢軸の径方向へ延出され、位置決め凹部92,92に係止されるフック32,32を先端に有する規制片31,31を一体に設け、ハウジング2と取付体4とのハウジング長手方向への相対移動を規制するようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】 操舵軸1を収容支持するハウジング2の下端部に長孔91,91及び位置決め凹部92,92を有する二つのブラケット9,9を設け、ハウジング2の下端部を車体に枢支する取付体4に、枢軸3,3が嵌入される円形の嵌入孔42,42を設けて枢軸3,3を嵌入保持し、該枢軸3,3の一端に、枢軸の径方向へ延出され、位置決め凹部92,92に係止されるフック32,32を先端に有する規制片31,31を一体に設け、ハウジング2と取付体4とのハウジング長手方向への相対移動を規制するようにした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、操舵軸を支持するハウジングの下端部が枢軸により車体に枢支されるステアリング装置に関する。
自動車のステアリング装置としては、例えば操作部材の運転席に対する上下位置を調節することができるようにしたチルト機構を有するチルトタイプが知られている。
チルトタイプのステアリング装置は、上端が操作部材に繋がる操舵軸を回転可能に支持する円筒状のハウジングの下端部に、二つの長孔を有するブラケットが固定されており、車体に取付けられる下側の取付体に穿設された円形の二つの嵌入孔と前記長孔とに枢軸が嵌入されており、ハウジングの長手方向中央部に上側の取付体及びチルト調節用の調節レバーを備えている(例えば、特許文献1参照。)。
このように構成されたステアリング装置は、二次衝撃エネルギにより前記ハウジングに長手方向への荷重が加わったとき前記枢軸が前記長孔内を相対移動し、前記ハウジングを車体に対してハウジング長手方向へ移動させ、二次衝撃エネルギを緩和する。
特開2003−182591号公報
ところが、特許文献1のように枢軸が長孔内で相対移動することを可能に構成されたステアリング装置にあっては、車体への非取付時、例えば前記ハウジングを把持する作業員により前記取付体がハウジングの長手方向へ押圧されると、取付体がハウジングに対して移動し、取付体に位置ずれが発生する。この位置ずれに気付くことなく前記ハウジングが車体に取付けられるとき、ハウジングの車体に対する位置が狂うことになり、ハウジングを車体に対して適正位置に取付けることができなくなる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は部品点数を増やすことなく車体への非取付時にハウジングと取付体との相対位置を維持することができるステアリング装置を提供することにある。
第1発明に係るステアリング装置は、操作部材の操作に応じて回転する操舵軸を収容支持する筒状のハウジングと、該ハウジングの下端部が枢軸により枢支され、前記ハウジングを車体に取付ける取付体とを備え、前記ハウジング及び前記取付体の一方に前記枢軸が嵌入される嵌入孔を設けてあり、前記ハウジング及び前記取付体の他方に前記枢軸が前記ハウジングの長手方向へ移動を可能に嵌入される凹条部を設けてあるステアリング装置において、前記枢軸は、前記ハウジング又は前記取付体に係止され、且つ前記ハウジングと前記取付体との相対移動を規制する規制片を有することを特徴とする。
第2発明に係るステアリング装置は、前記ハウジングの下端末又は前記取付体の前記長手方向の縁は、前記規制片の係止位置を決める位置決め凹部を有することを特徴とする。
第3発明に係るステアリング装置は、前記規制片は前記枢軸の一端から該枢軸の径方向へ延出されており、該規制片の先端に、前記ハウジング又は前記取付体に係止され、且つ前記ハウジングに加わる二次衝撃エネルギにより係止解除されるフックを有することを特徴とする。
第1発明にあっては、枢軸に規制片が設けられているため、部品点数を増やすことなく車体への非取付時にハウジングと取付体との相対位置を維持することができる。従って、ハウジングを車体に対して適正位置に取付けることができる。
第2発明にあっては、位置決め凹部により規制片の係止位置を決めることができるため、ハウジング及び取付体の適正な位置関係を維持することができ、車体への取付け作業性を向上できる。
第3発明にあっては、ハウジングに加わる二次衝撃エネルギによりフックの係止が解除されるため、規制片を殊更操作することなく車体に取付けることができ、車体への取付け作業性をより一層向上できる。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1はステアリング装置の実施の形態1の構成を示す正面図、図2は実施の形態1の車体への枢支側部分を拡大した正面図、図3は図2のIII −III 線の断面図、図4は要部の構成を示す分解斜視図である。
実施の形態1
図1はステアリング装置の実施の形態1の構成を示す正面図、図2は実施の形態1の車体への枢支側部分を拡大した正面図、図3は図2のIII −III 線の断面図、図4は要部の構成を示す分解斜視図である。
チルトタイプのステアリング装置は、操作部材としての操舵輪Aに上端が連結され、操舵輪Aの操作に応じて回転する操舵軸1と、該操舵軸1を収容して回転自在に支持する円筒状のハウジング2と、該ハウジング2の下端部が二つの枢軸3,3により枢支され、前記ハウジング2を車体Bに取付ける下側の取付体4と、ハウジング2の長手方向中央部にレバー台5を介して枢支されたチルト調節用の調節レバー6と、レバー台5にハウジング2の揺動方向への相対移動を可能に支持された上側の取付体7とを備えており、操舵軸1の下端が、両端にユニバーサルジョイントを備える中間軸を介して舵取機構に連結される。
ハウジング2は上下端部に内嵌された軸受8,8によって操舵軸1を回転可能に支持しており、操舵輪Aに加わる二次衝撃エネルギは操舵軸1及び該操舵軸1に係止された止め輪10を経て上側の軸受8からハウジング2に伝達される。
ハウジング2の下端部にはハウジング2の揺動方向と交差する方向へ離隔する2つのブラケット9,9が突設されており、各ブラケット9,9にその長手方向がハウジング2の長手方向となり前記離隔する方向へ貫通する凹条部としての長孔91,91が穿設されており、また、この長孔91,91に沿う側の縁に、後記する規制片の係止位置を決める位置決め凹部92,92が設けられている。尚、ブラケット9,9は金属製の板体を略逆U字形に曲げることにより形成されており、溶接等の固定手段によりハウジング2の外周面に固定されている。
下側の取付体4は二つのブラケット9,9の側面に対向する二つの支持板41,41と、夫々の支持板41,41を連結する連結板とを有する略逆U字形をなす金属板からなり、夫々の支持板41,41には枢軸3,3が回転自在に嵌入される円形の嵌入孔42,42が穿設されており、前記連結板にはハウジング2の揺動方向に貫通する複数の貫通孔が穿設されており、該貫通孔に挿通されるボルトにより取付体4を車体Bに固定するように構成されている。
枢軸3,3は嵌入孔42,42及び長孔91,91の一端部に嵌入される円柱形をなしており、該枢軸3,3の一端から枢軸3,3の径方向へ延出された板状の規制片31,31が一体に設けられている。この規制片31,31の先端には枢軸3,3側へ屈曲され、ブラケット9,9の位置決め凹部92,92に係止されるフック32,32が一体に設けられている。
規制片31,31は長孔91,91の一端及び位置決め凹部92,92間の距離に対応する長さHに形成されており、枢軸3,3が嵌入孔42,42及び長孔91,91の一端部に嵌入され、フック32,32が位置決め凹部92,92に係止されることによりハウジング2及び取付体4のハウジング長手方向への相対移動を規制するように構成されている。フック32,32は、ハウジング2に加わる二次衝撃エネルギにより変形又は破断して位置決め凹部92,92への係止を解除することができるように構成されている。尚、枢軸3,3は合成樹脂材料又は金属材料により一体に成形されている。
レバー台5は略U字形に形成されており、その両端部がハウジング2の外周部に溶接により固定されている。このレバー台5の対向する2つの側片に軸孔が設けられており、この軸孔に、調節レバー6に繋がるレバー軸11が挿入支持されている。
上側の取付体7はレバー台5の2つの側片と対向する二つの支持板71,71及び夫々の支持板71,71の上部から直角状に屈曲して車体Bにボルトにより固定される固定板72と、夫々の固定板72,72に設けられた一対の衝撃エネルギ吸収体とを備えている。二つの支持板71,71にはレバー台5の軸孔に対応する位置からその長手方向がハウジング2の揺動方向となるチルト調節用の長孔73,73を設けてあり、該長孔73,73及び前記軸孔に挿入するレバー軸11に繋がる調節レバー6を操作することにより二つの支持板71,71をレバー台5に押圧し、レバー台5を有するハウジング2の揺動に摩擦力を付与し所定の上下位置を保つことができるようにしてある。
以上のように構成されたチルトタイプのステアリング装置は、ハウジング2の下端部に固定された二つのブラケット9,9の外側に取付体4の支持板41,41が配置され、枢軸3,3が二つのブラケット9,9の内側から長孔91,91の一端部及び嵌入孔42,42に嵌入されるとともに、規制片31,31のフック32,32がブラケット9,9の位置決め凹部92,92に係止される。従って、規制片31,31を有する枢軸3,3により、ハウジング2及び取付体4のハウジング長手方向への相対移動を防ぐことができる。
そして、ステアリング装置が車体Bに取付けられる場合、下側の取付体4の貫通孔に挿通されるボルトを緊締することによりハウジング2の下端部を車体Bに枢支し、上側の取付体7の固定板72,72をボルトにより車体Bに取付ける。この車体Bへの取付時、ハウジング2及び取付体4はハウジング長手方向への相対移動が枢軸3,3により規制されているため、車体Bへの取付け作業性を向上できる。
チルト調節を行う場合、調節レバー6を操作してハウジング2の取付体7への固定を解除し、これに伴いレバー軸11が長孔73,73に沿って移動可能となり、ハウジング2を枢軸3,3を支点としてチルト調節域で上下に揺動させることができ、チルト調節を行うことができる。この場合、規制片31,31を有する枢軸3,3はブラケット9,9及びハウジング2とともに取付体4に対して回転する。
また、車両の前面衝突等により運転者から操舵輪Aに加わる二次衝撃エネルギによってハウジング2が長手方向へ移動する場合、取付体7の衝撃エネルギ吸収体が破断しつつ、換言すればハウジング2の移動に抵抗力が加えられつつハウジング2が取付体4及び枢軸3,3に対して長手方向下方へ移動し、二次衝撃エネルギを吸収することができる。このとき、枢軸3,3は取付体4の嵌入孔42,42に嵌入保持されているのに対して、規制片31,31のフック32,32はブラケット9,9の位置決め凹部92,92に係止されているため、二次衝撃エネルギがフック32,32に加わり、該フック32,32が破断又は変形し、フック32,32の位置決め凹部92,92への係止が解除される。従って、ハウジング2を取付体4及び枢軸3,3に対して長手方向下方へ移動させることができる。
実施の形態2
図5はステアリング装置の実施の形態2の車体への枢支側部分を拡大した正面図、図6は図5のVI−VI線の断面図である。このステアリング装置は実施の形態1のように凹条部としての長孔91,91及び位置決め凹部92,92をブラケット9,9に設け、嵌入孔42,42を取付体4に設ける代わりに、凹条部としての長孔91,91及び位置決め凹部92,92を取付体4に設け、嵌入孔42,42をブラケット9,9に設けたものである。
図5はステアリング装置の実施の形態2の車体への枢支側部分を拡大した正面図、図6は図5のVI−VI線の断面図である。このステアリング装置は実施の形態1のように凹条部としての長孔91,91及び位置決め凹部92,92をブラケット9,9に設け、嵌入孔42,42を取付体4に設ける代わりに、凹条部としての長孔91,91及び位置決め凹部92,92を取付体4に設け、嵌入孔42,42をブラケット9,9に設けたものである。
実施の形態2において、ハウジング2に固定された二つのブラケット9,9には枢軸3,3が嵌入される円形の嵌入孔42,42が設けられている。取付体4の支持板41,41には凹条部としての長孔91,91が穿設されており、また、この長孔91,91に沿う側の縁に位置決め凹部92,92が設けられている。
枢軸3,3は取付体4の外側から長孔91,91の他端部及び嵌入孔42,42に嵌入され、フック32,32が位置決め凹部92,92に係止されることによりハウジング2及び取付体4の相対移動を規制するように構成されている。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、以上説明した実施の形態では長孔91,91又は円形の嵌入孔42,42を有するブラケット9,9をハウジング2の下端部に設けた構成としたが、その他、ブラケット9,9をなくし、ハウジング2の下端部の周方向の一部を膨出させ、該膨出部分に長孔91,91又は嵌入孔42,42を設けた構成としてもよい。この場合、ハウジング2の下端末に位置決め凹部92,92を設ける。また、長孔91,91を凹条部としたが、その他、長孔状の溝を凹条部としてもよい。
また、以上説明した実施の形態では、互いに分離された二つの枢軸3,3を備える構成としたが、その他、二つの枢軸3,3の規制片31,31側が連結部により連結された構成としてもよい。また、規制片31,31が一体に設けられた枢軸3,3を備える構成としたが、その他、例えば金属製の枢軸3,3と別個に形成された合成樹脂製の規制片31,31が結合された構成としてもよい。
A 操舵輪(操作部材)
1 操舵軸
2 ハウジング
3 枢軸
31 規制片
32 フック
4 取付体
42 嵌入孔
9 ブラケット
91 長孔(凹条部)
92 位置決め凹部
1 操舵軸
2 ハウジング
3 枢軸
31 規制片
32 フック
4 取付体
42 嵌入孔
9 ブラケット
91 長孔(凹条部)
92 位置決め凹部
Claims (3)
- 操作部材の操作に応じて回転する操舵軸を収容支持する筒状のハウジングと、該ハウジングの下端部が枢軸により枢支され、前記ハウジングを車体に取付ける取付体とを備え、前記ハウジング及び前記取付体の一方に前記枢軸が嵌入される嵌入孔を設けてあり、前記ハウジング及び前記取付体の他方に前記枢軸が前記ハウジングの長手方向へ移動を可能に嵌入される凹条部を設けてあるステアリング装置において、前記枢軸は、前記ハウジング又は前記取付体に係止され、且つ前記ハウジングと前記取付体との相対移動を規制する規制片を有することを特徴とするステアリング装置。
- 前記ハウジングの下端末又は前記取付体の前記長手方向の縁は、前記規制片の係止位置を決める位置決め凹部を有する請求項1記載のステアリング装置。
- 前記規制片は前記枢軸の一端から該枢軸の径方向へ延出されており、該規制片の先端に、前記ハウジング又は前記取付体に係止され、且つ前記ハウジングに加わる二次衝撃エネルギにより係止解除されるフックを有する請求項1又は2記載のステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005178390A JP2006347462A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005178390A JP2006347462A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | ステアリング装置 |
Publications (1)
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JP2006347462A true JP2006347462A (ja) | 2006-12-28 |
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ID=37643734
Family Applications (1)
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JP2005178390A Withdrawn JP2006347462A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | ステアリング装置 |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009067132A (ja) * | 2007-09-11 | 2009-04-02 | Mazda Motor Corp | 車両用ステアリング装置 |
JP2013233897A (ja) * | 2012-05-10 | 2013-11-21 | Jtekt Corp | ステアリングコラムの衝撃吸収機構及びこれを備えたステアリングコラム装置 |
-
2005
- 2005-06-17 JP JP2005178390A patent/JP2006347462A/ja not_active Withdrawn
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JP2013233897A (ja) * | 2012-05-10 | 2013-11-21 | Jtekt Corp | ステアリングコラムの衝撃吸収機構及びこれを備えたステアリングコラム装置 |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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A977 | Report on retrieval |
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A761 | Written withdrawal of application |
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