JP5465426B2 - チルトテレスコステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、チルト・テレスコ調整機構を備えたステアリング装置において、コラムのテレスコにおける軸方向のロックを2つの挟持部材にて行うときに、コラムの周方向における面接触がいずれの位置でも略均一となるように締め付けることができ、しかも締付けと同時にチルト中心部における固定も同時に行うことができ、コラム全体の支持剛性を高めるようにしたチルトテレスコステアリング装置に関する。
一般的に、インナーコラムとアウターコラムが軸方向に摺動可能に嵌合し、テレスコ位置の調整を行うチルトテレスコステアリングコラム装置がある。この装置のインナーコラムの締付け効率を高め、且つコストを低減するために、アウターコラムを縮径してインナーコラムを嵌合する部材をアウターコラムとは別体に形成した構造が特許文献1に開示されている〔図11(C)参照〕。
この特許文献1を概説すると、図11(A),(B)に示すように、アウターコラム、ブッシュをインナーコラムに締め付ける2つのクランプ部材は、係合突起と係合凹部によって互いに回り止めされる。アウターコラムがインナーコラムに対してテレスコ位置調整する際に、アウターコラム、クランプ部材、ブッシュを、一体的に軸方向に摺動させることができる。アウターコラムの内周とインナーコラムの外周との間に、摩擦係数の小さいブッシュが介在しているため、インナーコラムに対してアウターコラムを軽い力で移動させることができる。
また、特許文献1では、ブッシュの無い場合、係合突起がアウター、インナーそれぞれにある場合を含むものである。この種のチルト・テレスコステアリング装置は、小型車に装着されることが多く、コンパクトに構成できるものであり、次のような構成における特徴がある。すなわち、ステアリングコラムの軸方向においてチルト操作を行う箇所を支点とし、チルト揺動中心位置を作用点とすると〔図11(C)参照〕、特許文献1においては、ステアリングホィールの位置は力点とすると、支点と作用点の距離は、支点と力点との距離よりも、極端に短いものとなる。
特開2006−69524
上記特許文献1のようなタイプのステアリング装置では、以下の問題が存在する。まず、チルトテレスコ調整を完了して、コラムを挟持しているクランプ部材によって、ロックするため、操作レバーにより締付けロッドを締付け、両クランプ部材によりコラムを挟持押圧するものである。ここで前記クランプ部材において、前記締付けロッドの位置から高さ方向に向かって離れるに従い、クランプ部材のアウターコラムに対する周方向の締付圧力が弱くなり、コラムの周方向における締付け力の分布に偏りが生じてしまい、したがって、インナーコラムに対するアウターコラムの締付け力にも偏りが生じることになる〔図11(A)参照〕。
これは、締付ロッドの締付力を上昇させるに伴い、両クランプ部材において締付ロッドの位置の付近では、締付力が大きいものであるが、前記締付ロッドから前記クランプ部材の高さ方向に離れるに従い、特にコラムの直径方向上端箇所では両クランプ部材の対向する間隔が広がるように作用してしまい、その締付力が弱くなるためである〔図11(B)参照〕。このために、2つのクランプ部材によって、コラムを挟持してロックするタイプのものでは、支持剛性の高い、安定した締付状態にすることができないものであった。
さらに、クランプ部材の締付け箇所を行うアッパー側車体取付けブラケットと、チルトにおける揺動中心となるチルト中心軸が設けられたロアー側車体取付けブラケットとは、車体へのステアリング装置の装着箇所において、それぞれ独立して互いに異なる位置に設けられている。そして、アウターコラムとインナーコラムにおけるテレスコ調整における軸方向移動が自在となるように、両クランプ部材が装着されたアッパー側車体取付けによって車体に取り付けられている。また、インナーコラムはチルト調整における揺動が自在となるようにチルト中心軸が装着されたロアー側車体取付けブラケットにて車体に軸支されている。
そして、前記アウターコラムを両クランプ部材によって締め付ける場合において、ステアリングホイールの上下方向に荷重が加わったときの状態は、ステアリングホイールの端部を力点とし、両クランプ部材による締付け箇所を支点とすると、チルト中心軸の位置は、作用点となる。両クランプ部材の締付け箇所の締付けと、その締付の解除とに関わらず、チルト中心軸の車体に対する締付け強度は一切変化しないため、両クランプ部材の締付け箇所の締付け時にチルト中心軸が装着されたロアー側車体取付けブラケットでは、揺動方向におけるガタツキが生じることがあり、チルト・テレスコ調整を行ってコラムをロックしたときでも、支持剛性のより一層の向上を妨げるおそれがある。
本発明の目的は、チルト・テレスコ調整機構を備えたステアリング装置において、コラムのテレスコにおける軸方向のロックを2つの挟持部材にて行うときに、コラムの周方向における面接触がいずれの位置でも均一且つ強固に締め付けることができ、しかも締付けと同時にチルト中心部における固定も同時に行うことができ、コラム全体の支持剛性を高めるようにしたチルトテレスコステアリング装置を提供することにある。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、コラムパイプと、該コラムパイプを押圧する押圧面と,該押圧面よりも下方位置に形成された突起部と,前記押圧面と前記突起部との間に形成された締付貫通孔とを有するコラム支持部と,該コラム支持部の上端寄りの位置から前方側に突出形成されたチルトアーム部とからなる第1クランプと、該第1クランプと左右対称の同一形状とした第2クランプと、チルト調整用長孔を有する固定側部が対向配置されたアッパー側固定ブラケットと、チルト支持側部が対向配置されたロアー側固定ブラケットとからなり、前記第1クランプのコラム支持部と、前記第2クランプのコラム支持部とは、前記突起部同士を当接させつつ、前記コラムパイプが前記両押圧面にて挟持されると共に前記アッパー側固定ブラケットの両固定側部間に配置され、締付具によって締付自在とされ、前記第1クランプと前記第2クランプのそれぞれのチルトアーム部は前記ロアー側固定ブラケットのそれぞれのチルト支持側部に枢支部材を介して枢支連結され、且つ前記第1クランプ及び第2クランプのコラムパイプの締付と共に前記チルト支持側部にチルトアーム部が固定され、前記チルトアーム部と前記チルト支持側部とは、枢支頭部と枢支軸部とからなる枢支部材と、弾発部材によって枢支連結され、前記枢支軸部はチルト支持側部に固着されると共に、前記枢支軸部には前記チルトアーム部に形成された枢支連結孔に挿通され、且つ前記弾発部材を介してチルトアーム部とチルト支持側部とが弾性的に当接されてなることを特徴とするチルトテレスコステアリング装置としたことにより上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記押圧面は、前記コラムパイプの半径と略同等の曲率半径を有する、断面半円形状としてなるチルトテレスコステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記コラムパイプには軸方向に沿って形成されたテレスコ長孔を有する可動側部が対向配置された可動ブラケットが装着され、前記第1クランプと第2クランプの下方側のみが前記両可動側部間に配置されてなるチルトテレスコステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項4の発明を、請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記第1クランプと第2クランプの高さ方向における中央箇所より上方は前記アッパー側固定ブラケットの固定側部と面接触となる平坦接触面部が形成されてなるチルトテレスコステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記第1クランプと第2クランプの高さ方向における中央箇所より上方側に、上端のみ前記固定側部と当接する線状被接触面部が形成されると共に、上端箇所と中央箇所との間には前記固定側部と非接触となる窪み面が形成されてなるチルトテレスコステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項6の発明を、請求項1,2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、アッパー側固定ブラケットと、チルト支持側部とは一体的形成されてなるチルトテレスコステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、第1クランプのコラム支持部と第2クランプの突起部同士を当接させつつ、第1クランプ及び第2クランプの押圧面と突起部との間に形成された締付貫通孔に締付具が挿通されて、締付が行われることにより、第1クランプと、第2クランプとは、それぞれの突起部の当接箇所を当接点として、第1クランプ及び第2クランプの上方同士が近接するように回転動作を行うものである。また、請求項1の発明では、特に、ロアー側固定ブラケットにおけるチルトのロック構造を極めて簡単且つ組付を容易に行うことができるものである。
さらに、前記アッパー側固定ブラケットの両固定側部が締付具により締付が行われると、両固定側部が前記第1クランプと第2クランプとを押圧し、これらの荷重によって第1クランプの押圧面と、第2クランプの押圧面とは、コラムパイプの外周側面を均一に押圧することができ、チルト・テレスコ調整における、コラムパイプの軸方向におけるロックを確実且つ安定した常態に行うことができる。したがって、コラムパイプを締め付けると、力を強固且つ均一にすることで、コラムパイプの支持剛性を向上させることができる。
チルトテレスコ動作の固定時には、アーム部が、クランプ部材を抱える方向に、車体取付ブラケットのチルトピボットを引き付けることにより、チルトピボットの上下揺動方向のガタツキが抑えられ、コラムパイプの支持剛性が向上する。さらに、アッパー側固定ブラケットにおいて、第1クランプ及び第2クランプは、チルトアーム部を有しており、第1クランプと第2クランプとが締付具によって、前記コラムパイプを固定ロックした状態で、同時にロアー側固定ブラケットでは、チルトアーム部及びチルトアーム部とが両チルト支持側部に固定ロックされた状態となる。このように請求項1の発明では、コラムパイプと、ロアー側固定ブラケット側のチルト揺動の固定も同時に行うことができ、より一層安定したチルト・テレスコにおける安定したロック状態にすることができる。
請求項2の発明では、前記押圧面は、前記コラムパイプの半径と略同等の曲率半径を有する、断面半円形状としたことにより、第1クランプと第2クランプの両押圧面によって、コラムパイプを挟持した状態は、両押圧面がコラムパイプの外周側面を略均一に接触することができ、該コラムパイプのロックをより一層安定した状態にすることができる。請求項3の発明では、前記コラムパイプには軸方向に沿って形成されたテレスコ長孔を有する可動側部が対向配置された可動ブラケットが装着され、前記第1クランプと第2クランプの下方側のみが前記両可動側部間に配置されたことにより、コラムパイプのテレスコ調整時における、コラムパイプの軸方向移動が、円滑に行われる。また、第1クランプと第2クランプとが、前記可動ブラケットに内装された状態で、アッパー側固定ブラケットの両固定側部間に配置されることで、ステアリング装置の組付が簡易且つ迅速に行うことができ、組付作業を効率化することができる。
請求項4の発明では、前記第1クランプと第2クランプの高さ方向における中央箇所より上方は前記アッパー側固定ブラケットの固定側部と面接触となる平坦接触面部が形成されてなるチルトテレスコステアリング装置としたことにより、第1クランプと第2クランプと、両固定側部との当接状態が面接触状態となり、第1クランプと第2クランプとによるコラムパイプのロックをより一層安定したものにできる。
請求項5の発明では、前記第1クランプと第2クランプの高さ方向における中央箇所より上方側に、上端のみ前記固定側部と当接すると共に、上端箇所と中央箇所との間には前記固定側部と非接触となる窪みが形成されたことにより、第1クランプと第2クランプと、アッパー側固定ブラケットの両固定側部との当接において、第1クランプと第2クランプとのそれぞれの上端の線状被接触面部のみが、前後方向における線状被接触とすることができる。さらに、第1クランプと第2クランプとは、その下部に位置する両突起部を回転中心とするものであり、そのために両線状被接触面部は、集中荷重を受けることになり、より一層強固なるロックにすることができる。
請求項6の発明では、アッパー側固定ブラケットと、チルト支持側部とは一体的形成されたことにより、車体の所定箇所へのステアリング装置の組付作業の効率を格段に向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明におけるステアリング装置を構成する主な構成部材は、図1,2に示すように、コラムパイプ81と、第1クランプAと、第2クランプBと、アッパー側固定ブラケット5と、ロアー側固定ブラケット6とから構成される。コラムパイプ81は、図1に示すように、ステアリングコラム8を構成するものである。第1クランプAと第2クランプBとは、図1(C),図2(B)等に示すように、左右対称の同一形状である。第1クランプは、コラム支持部1と、チルトアーム部2とから構成されている。コラム支持部1は、正面部1a、背面部1b、上面部1c,下面部1d及び側面部1e及び側面部1fからなる金属製のブロックである〔図1(B),図3(A),(D)等参照〕。
そして、コラム支持部1の高さ方向において、その上端が前記上面部1cであり、その下端が前記下面部1dである。また、本発明の説明において、方向を示すものとして前後方向が使用されるものであるが、その前後方向とは、ステアリング装置が装着される車体において、車体の前後方向と同一の方向であり、前方側とは、ステアリング装置より見て前輪側のことであり、後方側とは、ステアリング装置のステアリングホィール83側のことをいうものである。以下全ての部材で方向を指定する意味で前後方向を上記の概念で説明するものとする。
そこで、車体にステアリング装置が装着された状態において、第1クランプAの前方側とは、車体前方側に位置する側であり、第1クランプAの後方側とは、ステアリングホィール側に位置する側のことである。したがって、前記コラム支持部1の前後方向とは、第1クランプAの前後方向と一致し、同一方向である。そして、前記コラム支持部1の前後方向において後方側の面を側面部1eとし、前方側の面を側面部1fとする。
前記コラム支持部1の正面部1aには、図2(B),図3(A)等に示すように、押圧面11と,突起部12とが形成され、前記正面部1aから前記背面部1bに向かって締付貫通孔13が穿孔形成されている。まず、前記押圧面11は、前記コラムパイプの軸方向に直交する断面円形部位の左右いずれか一方側の外周側面を押圧する部位である。前記押圧面11は、具体的には、正面部1aの高さ方向において、略中央より上面部1c側寄りの位置に形成され、(コラム支持部1の前後方向に直交する)断面が略半円とした凹面状に形成されたものであり、この押圧面11が前記コラム支持部1の正面部1aにおける前後方向、すなわち前記前方側の側面部1fから後方側の側面部1eに亘って形成されたものである。
前記押圧面11の曲率半径Rは、前記コラムパイプのテレスコ支持領域Kにおける半径rと略同一としている〔図2(B)参照〕。あるいは、前記押圧面11の曲率半径Rは、前記コラムパイプのテレスコ支持領域Kにおける軸半径rよりも僅かに大きく形成されることもある。前記押圧面11の断面形状は、略半円形状としたものであるが、その他に複数の平坦面が略半円を構成するように形成されたものであっても構わない。また、前記押圧面11は、前記コラムパイプのテレスコ支持領域における断面円形の左右対称とした半円〔すなわち(1/2)円〕の全面と接触或いは抱持するものではなく、前記コラムパイプのテレスコ支持領域における半円の上下の一部領域をはずした面部分と接触或いはその部分を抱持するものである〔図1(C),図3(C)等参照〕。
前記正面部1aの下端には、図2(B),図3(A)に示すように、該正面部1a側から外方に突出する突起部12が形成されている。該突起部12は、立方体状又は直方体状に形成された突起であり、前記コラム支持部1の大きさに比較すると、極めて小さいものである。前記突起部12は、前記正面部1aの前後方向の両端箇所にそれぞれ1個ずつ、総計2個形成されている。また、前記突起部12は、前記正面部1aの前後方向に亘って連続して形成されることもある。前記突起部12は、後述する第2クランプBにも、同様に突起部32として形成されており、第1クランプAと第2クランプBとを左右対称に対向配置させた状態において、前記突起部12と突起部32とが正確に対応して、突起部12と突起部32とが確実に当接することができるようになっている〔図3(C)参照〕。
締付貫通孔13は、図2(B),図3(A)に示すように、前記押圧面11と前記突起部12との間で、且つ正面部1aから背面部1bに向かって貫通する貫通孔として形成されたものである。該締付貫通孔13は、後述する締付具7の締付ボルト71が挿通する部位である。前記正面部1aは、前記押圧面11及び突起部12が形成された部分を除いて平坦面に形成されている。また、背面部1bは、平坦面として形成されている。
さらに、背面部1bの高さ方向の略中間の位置には段差部14が形成され、該第2クランプBを介して背面部1bの高さ方向の下方側が上方側よりも正面部1aに向かって凹むように形成されている〔図2(B)参照〕。前記背面部1bにおいて段差部14より下方側を下部被抱持面15と称する。該下部被抱持面15は、可動ブラケットの可動側部によって支持される部位である。したがって、前記段差部14の段差寸法dは、前記可動側部の肉厚tに等しく(略等しくも含む)しておくことが好適である〔図4(A)参照〕。
前記コラム支持部1の背面部1bにおいて、前記段差部14より上方側は被接触面部16として形成され、後述するアッパー側固定ブラケット5の固定側部52と面接触による当接が行われる部位となる〔図1(C),図2(B)参照〕。すなわち、前記被接触面部16は、固定側部52により押圧される面である。またさらに、前記背面部1bの高さ方向における中央箇所より上方、すなわち被接触面部16には、窪み面16aが形成され、前記背面部1bの上端、すなわち被接触面部16の上端に線状被接触面部16bが形成されることもある〔図6(A),(B)参照〕。
前記窪み面16aは、前記被接触面部16の略直下の位置に略半円状或いは緩やかな弧状の凹み面として形成されたものである。前記窪み面16aは、前記被接触面部16の上端、すなわち線状被接触面部16bを除く箇所に全面的に形成されたり、又は被接触面部16の上端箇所に僅かの範囲のみに形成されることもある。前記窪み面16aが形成されることによって、前記被接触面部16の上端に位置する線状被接触面部16bは、前記アッパー側固定ブラケット5の固定側部52に略線接触状に当接することができ、該固定側部52からの押圧が線状被接触面部16bに対して略集中荷重として作用させることができるものである〔図6(C)参照〕。
チルトアーム部2は、図3(A),(D)に示すように、前記コラム支持部1の上端寄りの位置から該コラム支持部1の前後方向の前方側に向かって突出形成されたものである。チルトアーム部2は、揺動腕部21及び連結腕部22とから構成され、該揺動腕部21は前記コラム支持部1の前方側の側面部1fから連結腕部22を介して、前記揺動腕部21がコラム支持部1の背面部1bよりもさらに外方側に位置するように形成されたものである。揺動腕部21は、略角材棒状の立方体として形成されたものである。
また、連結腕部22は、コラム支持部1の前方側の側面部1fの上端寄りの位置から僅かに下方に下がるようにして形成された部位であり、連結腕部22を介して前記コラム支持部1と前記揺動腕部21とが一体化に形成される。該揺動腕部21の突出方向の前方側端部には、枢支連結孔23が形成されている。前記揺動腕部21は、コラム支持部1に対して、中央箇所よりも上方側に位置している。また、揺動腕部21の前後方向(長手方向)の長さは、前記アッパー側固定ブラケット5に第1クランプAが装着された状態で、ロアー側固定ブラケット6の枢支部材64の位置に到達する長さである〔図1(A),(B),図2(A)参照〕。
次に、第2クランプBは、前記第1クランプと左右対称で同一形状としたものである〔図2(B),図3(A)参照〕。ここで、第1クランプAと第2クランプBとの左右対称とは、第1クランプの正面部1aと第2クランプBの正面部3aとが対向するようにして配置した状態を基準としている。第2クランプBは、第1クランプAと同様の部位が存在するが、該第1クランプAと区別するために、以下に示すように第1クランプAとは異なる符号を付すものである。
すなわち、第2クランプBは、コラム支持部3は、正面部3a、背面部3b、上面部3c,下面部3d及び側面部3e,3fからなる金属製のブロックである。これら正面部3a、背面部3b、上面部3c,下面部3d及び側面部3e,3fは、第1クランプAの正面部1a、背面部1b、上面部1c,下面部1d及び側面部1e,1fに対応し、同一の構成である。また、第2クランプBは、押圧面31,突起部32及び締付貫通孔33が存在し、これら押圧面31と,突起部32及び締付貫通孔33も前記第1クランプAの押圧面11,突起部12及び締付貫通孔13に対応し、同一の構成である〔図3(A)参照〕。
さらに、第2クランプBの背面部3bの高さ方向の略中間の位置には段差部34が形成され、該段差部34より下方側を下部被抱持面35と称する。また背面部3bにおいて、前記段差部34より上方側は被接触面部36として形成される。またさらに、前記背面部3bの高さ方向における中央箇所より上方、すなわち被接触面部36には、窪み面36aが形成され、前記背面部3bの上端、すなわち被接触面部36の上端に線状被接触面部36bが形成されることもある。
これら段差部34,下部被抱持面35,被接触面部36,窪み面36a,線状被接触面部36bについても前記第1クランプAに対応し、同一の構成である。第2クランプBのチルトアーム部4についても、第1クランプAのチルトアーム部2と左右対称の同一形状で、同一の構成である。したがって、第2クランプBのチルトアーム部4は、揺動腕部41及び連結腕部42とから構成されたもので、第1クランプAの揺動腕部21及び連結腕部22と同一の構成である〔図6(B)参照〕。
アッパー側固定ブラケット5は、図1(A),(B),図2に示すように、取付基部51と2つの固定側部52とから構成され、取付基部51の幅方向両側に板状の固定側部52,52が所定の間隔をおいて対向して形成されたものである。固定側部52には、チルト調整用長孔53が穿孔形成されている。該チルト調整用長孔53は、前記固定側部52に対して上下方向に沿って略傾斜状且つ円弧状に形成されている。前記取付基部51には、所定位置に衝撃吸収用のカプセル部材が装着される部位が形成され、前記カプセル部材を介して車体の所定位置に装着され、衝突等の衝撃発生時にのみ取付位置に対して抵抗を受けつつ摺動しながら衝撃エネルギーを吸収し、衝撃を和らげて運転者を事故から保護する構造となっている。
ロアー側固定ブラケット6は、図1(A),(B),(D),図2(A)等に示すように、取付基部61に2つのチルト支持側部62とから構成され、前記取付基部51の幅方向両側に板状のチルト支持側部62,62が所定の間隔をおいて対向して形成されたものである。該チルト支持側部62,62に枢支部材64によって、前記第1クランプAのチルトアーム部2及び第2クランプBのチルトアーム部4が枢支連結される。前記アッパー側固定ブラケット5と前記ロアー側固定ブラケット6とは一体的に形成されることもあり、この場合には前記アッパー側固定ブラケット5の取付基部51と、前記ロアー側固定ブラケット6の取付基部61とが一体形成される。また、前記アッパー側固定ブラケット5と前記ロアー側固定ブラケット6とは、独立した別部材とすることもある。
コラムパイプ81は、図1(A),(B)に示すように、ステアリングコラム8を構成する部材であり、コラムパイプ81にステアリングシャフト82が内装され、該ステアリングシャフト82にステアリングホィール83が装着されたものである。コラムパイプ81は、直径が大なる大径部81aと、直径が小さくなる小径部81bとが存在する。大径部81aから小径部81bへの変形は急激な段差ではなく、緩やかに変形しており、具体的には絞り加工等によって形成される。
さらに、大径部81aには、テレスコ支持領域Kが存在し、図1(B),(C)に示すように、前記第1クランプAと第2クランプBとで挟持され、テレスコ調整において、ロック及びロック解除されて、軸方向に移動可能な領域である。すなわち、テレスコ支持領域Kの範囲内のいずれかの箇所が前記第1クランプAと第2クランプBとによって挟持されることになる。前記コラムパイプ81には、可動ブラケット9が装着されている〔図2(B),図3(B),(D)参照〕。可動ブラケット9は、接続基板91と、2つの可動側部92とから構成されたものである。前記接続基板91は、前記コラムパイプ81の直径方向外周に固着されるものであって、長方形板状をなし、前記コラムパイプ81の軸方向に直交する円形断面の外周に沿った形状の接続縁91aが形成されている。
該接続縁91aは、略半円形状に形成された弧状部位であり、該接続縁91aに前記コラムパイプ81の外周側面が配置され、溶接等の固着手段によって固着される。前記接続基板91は、前記コラムパイプ81の軸方向に直交するようにして固着されている。前記可動側部92は、前記接続基板91の幅方向両側より一体的に形成されたもので、両可動側部92,92は前記コラムパイプ81の軸方向と平行となるようにして、前記コラムパイプ81の水平面における直径方向両側に併設された状態に配置されたものである。
また、両可動側部92,92は前記コラムパイプ81とは接触しておらず、コラムパイプ81と可動側部92との間には空隙部が存在する〔図2(B),図3(B)参照〕。可動側部92には、テレスコ調整用長孔93が形成されている。該テレスコ調整用長孔93は、前記可動側部92の前後方向に沿って形成された長孔である。また、可動側部92の下端には、水平方向に平坦面となる受面部94が可動側部92の前後方向に沿って形成されている。受面部94は、前記第1クランプAの下面部1dと第2クランプBの下面部3dに平行に向かい合う部位である。前記可動ブラケット9は、コラムパイプ81に装着されないこともある〔図10(A)参照〕。
この場合には、前記第1クランプAと第2クランプBとは、押圧面11と押圧面31とで挟持したままの状態で、アッパー側固定ブラケット5の両固定側部52,52間に配置し、締付具7が装着されるものである。さらに、前記第1クランプAと第2クランプBとを上下方向を反対にして、両突起部12,突起部32が上方に位置し、両押圧面11,押圧面31が下方に位置するようにして、構成されることもある〔図10(B)参照〕。
次に、前述した主要な構成部材によって、ステアリング装置を組み付けることについて説明する。まず、第1クランプAの正面部1aと、第2クランプBの正面部3aとを対向させ、且つ突起部12と突起部32とを当接させた状態で、押圧面11と押圧面31とでコラムパイプ81を挟持する〔図1(C),図2(B),図3(C)参照〕。このとき、第1クランプAと第2クランプBとは前記可動ブラケット9の両可動側部92,92の間に配置するものである。
可動ブラケット9への第1クランプA及び第2クランプBの装着手段として、第1クランプAと第2クランプBとを左右対称に配置しつつ、両押圧面11,31によって、前記コラムパイプ81の大径部81aを挟持する。そして、第1クランプAのコラム支持部1の前記下部被抱持面15と、第2クランプBのコラム支持部3の下部被抱持面35を両可動側部92,92の内面側に当接させつつ、第1クランプAと第2クランプBとを両可動側部92,92間に送り込む〔図2(B),図3(A),(B),(C)参照〕。
次に、第1クランプAと第2クランプBとを可動ブラケット9と共に、アッパー側固定ブラケット5の両固定側部52,52間に配置する〔図1(C)参照〕。このとき、第1クランプAの背面部1bの被接触面部16と、第2クランプBの背面部3bの被接触面部36は、前記固定側部52とそれぞれ接触している。また、可動ブラケット9の両可動側部92,92は、アッパー側固定ブラケット5の両固定側部52,52と接触している。
両固定側部52,52のチルト調整用長孔53,53と、両可動側部92,92のテレスコ調整用長孔93,93と、第1クランプAの締付貫通孔13及び第2クランプの締付貫通孔33に締付具7の締付ボルト71が貫通し、該締付ボルト71の一方のチルト調整用長孔53から突出した部位にカム調整部72と、操作レバー部73が装着される。前記カム調整部72は、カム面を有する二つの円板形状のカム部材から構成され、相互に回転することによって、軸方向に伸長したり収縮することができるものである。
そのカム調整部72と操作レバー部73とが一体的に接合され、操作レバー部73を回動させることによって、前記カム調整部72の伸長したり収縮させることができ、これによって、前記アッパー側固定ブラケット5の両固定側部52、52の間隔を狭める操作を行うことができる。図2(B)は、締付具7が示されており、締付ボルト71,カム調整部72,操作レバー部73及び締付ナット74の構成部材を分離した状態で示している。
前記締付ボルト71は、前述したように、前記アッパー側固定ブラケット5の両チルト調整用長孔53,53と、前記可動ブラケット9の両テレスコ調整用長孔93,93と、第1クランプAの締付貫通孔13及び第2クランプの締付貫通孔33に貫通し、該締付ボルト71の一方の前記チルト調整用長孔53から突出した部位にカム調整部72と、操作レバー部73が装着され、前記締付ナット74により組付けられる。
次に、第1クランプA,第2クランプB,アッパー側固定ブラケット5及び締付具7によって、ステアリングコラム8におけるコラムパイプ81のテレスコ支持領域Kをロックする構造について述べる。第1クランプAと第2クランプBとは、突起部12と突起部32同士が当接した状態で、第1クランプAの押圧面11と、第2クランプBの押圧面31によってコラムパイプ81が挟持される。
図4(A)は、第1クランプAと第2クランプBとが締付具7で締付が行われていない、締付前(変形前)の状態を示している。ここで、締付前の第1クランプAと第2クランプBの上端同士の間隔Saに対して、締付具7による締付を行うと、前記第1クランプAと第2クランプBとの上端同士は、前記間隔Saよりも小さい間隔Sbとなる。図4(B)は、第1クランプAと第2クランプBとが締付具7で締付が行われた、締付後(変形)の状態を示している。
すなわち、前記突起部12と前記突起部32との当接点をPとすると、第1クランプAと第2クランプBとは、当接点Pを回転中心として、上方側が近接するように回転するものである。したがって、第1クランプAと第2クランプBとをアッパー側固定ブラケット5の両固定側部52,52間に装着し、締付具7を介して締付を行うと、両固定側部52,52が相互に近接するように作動する〔図5(A)参照〕。これによって、第1クランプAの被接触面部16と、第2クランプBの被接触面部36とが、両固定側部52,52によって内方側に押圧される。図5(B)は、締付具7によって、両固定側部52,52及び第1クランプAと第2クランプBとを締め付けたときの加圧状態を示すものである。
このとき、締付具7による締付によって、第1クランプAの被接触面部16及び第2クランプBの被接触面部36にそれぞれ、両固定側部52,52からの押圧によって、分布荷重f,f,…がかかる(図5参照)。さらに、第1クランプAと第2クランプBには、締付具7による締付にて前記当接点Pを回転中心として回転モーメントがかかり、この回転モーメントによる分布荷重q,q,…がかかる(図5参照)。これらの分布荷重f,f,…及び分布荷重q,q,…によって、第1クランプAと第2クランプBとは、前記コラムパイプ81を極めて強固にロックすることができ、しかも、第1クランプAの押圧面11と、第2クランプBの押圧面31は、コラムパイプ81の外周側面に対してその接触箇所では略均一な押圧力とすることができる。
さらに、前記第1クランプAの被接触面部16には、前述した線状被接触面部16b及び窪み面16aを有するものとし、同様に前記第2クランプBの被接触面部36には、前述した線状被接触面部36b及び窪み面36aを有するものが使用された場合には、両固定側部52,52に対して前記窪み面16a及び窪み面36aは、非接触状態となり、第1クランプAの線状被接触面部16b及び第2クランプBの線状被接触面部36bのみが、両固定側部52,52と当接し、該固定側部52,52には集中荷重F,Fがかかる。
図6(C)は、締付具7による両固定側部52,52及び第1クランプA,第2クランプBへの加圧状態を示すものである。この集中荷重F,Fと、前述した第1クランプAと第2クランプBとによる分布荷重q,q,…とによって、第1クランプAと第2クランプBとは、前記コラムパイプ81を極めて強固にロックすることができる。
本発明では、テレスコ調整及びチルト調整を行うものであり、図7(A)はチルト調整範囲を示すものであり、図7(B)はテレスコ調整範囲を示すものである。また図7(C)はテレスコ調整において、ロック解除状態における第1クランプA及び第2クランプBに対するコラムパイプ81の移動範囲を示すものであり、コラムパイプ81の実線部分は、車体後方側に最大限移動した状態であり、コラムパイプ81の想像線(2点鎖線)部分は車体前方側に最大限移動した状態である。
前記第1クランプのチルトアーム部2及び前記第2クランプBのチルトアーム部4は、図1(A),(B),(D),図2(A)に示すように、前記ロアー側固定ブラケット6の2つのチルト支持側部62,62にそれぞれ枢支連結されている。枢支連結構造は、具体的には、両チルト支持側部62,62の間に、第1クランプAのチルトアーム部2の揺動腕部21と、第2クランプBのチルトアーム部4の揺動腕部41が配置され、第1クランプAの揺動腕部21が一方側のチルト支持側部62に枢支連結され、第2クランプBの揺動腕部41が他方側のチルト支持側部62に枢支連結される。その枢支連結には、後述する枢支部材64が使用される。
枢支部材64は、図8(C),(E)に示すように、枢支軸部64aと枢支頭部64bと、取付固定部64cとから構成される。枢支軸部64aは、ピン,ボルト又はリベット等の軸状部材が使用される。前記チルトアーム部2の揺動腕部21には、前述した枢支連結孔23が形成されており、また、ロアー側固定ブラケット6の一方側のチルト支持側部62には枢支支持孔63が形成されている。前記枢支軸部64aの外径は、前記チルトアーム部2(チルトアーム部4)の枢支連結孔23(枢支連結孔43)の内径に対して、前記チルトアーム部2(チルトアーム部4)が前記枢支軸部64aを中心にして、円滑に揺動することができるように形成される。
また、前記枢支頭部64bは、扁平円筒形状に形成され、該枢支頭部64bの外径は、前記枢支軸部64aの外径よりも大きく形成されている。前記取付固定部64cは、前記枢支軸部64aよりも外径が小さく形成されたものであり、前記枢支支持孔63に挿入されて、後述する固着手段により固着される部位である。前記取付固定部64cは、前記枢支支持孔63に挿入されて、カシメ手段又は圧入手段或いは前記両手段を用いて固着され、前記チルト支持側部62に枢支部材64が装着される。また、前記チルトアーム部2(チルトアーム部4)の枢支連結孔23(枢支連結孔43)には、枢支軸部64aが挿入されており、前記枢支頭部64bは、チルトアーム部2のチルト支持側部62からの外れ止めの役目を有している。
また、前記枢支軸部64aの長さは、前記チルトアーム部2(チルトアーム部4)の枢支連結孔23(枢支連結孔43)の孔深さよりも大きく形成されている。すなわち、枢支軸部64aの長さは、チルトアーム部2(チルトアーム部4)の揺動腕部21(揺動腕部41)の水平方向における厚さよりも長く形成されている。そして、枢支頭部64bと、チルトアーム部2(チルトアーム部4)の揺動腕部21(揺動腕部41)との間には弾発部材65が装着される。該弾発部材65は、チルトアーム部2(チルトアーム部4)の揺動腕部21(揺動腕部41)とを相互に押圧させて、通常は当接した状態に維持させる役目をなすものである。
前記弾発部材65としては、ウェーブワッシャが使用される。また、バネ座金或いは、コイルスプリングが使用されても構わない。該弾発部材65が、チルトアーム部2(チルトアーム部4)の揺動腕部21(揺動腕部41)と、前記枢支頭部64bとの間に装着されることにより、チルトアーム部2(チルトアーム部4)の揺動腕部21(揺動腕部41)が水平面上において僅かに傾斜することで、前記弾発部材65が変形し、その反力が前記揺動腕部21(揺動腕部41)と前記チルト支持側部62との間により一層強固なる当接状態が発生し、チルトアーム部2及びチルトアーム部4と、両チルト支持側部62,62とのガタが無くなる〔図8(E)参照〕。
そして、アッパー側固定ブラケット5において、第1クランプAと第2クランプBとが締付具7によって、前記コラムパイプ81を固定ロックした状態で、同時にロアー側固定ブラケット6では、図8(B)乃至(E)に示すように、チルトアーム部2及びチルトアーム部4とが両チルト支持側部62,62に固定ロックされた状態となる。また、チルトアーム部2とチルトアーム部4は、両チルト支持側部62,62との外側の位置に、前記枢支部材64によって枢支連結されることもある。
この場合には、アッパー側固定ブラケット5において、第1クランプAと第2クランプBとが締付具7によってコラムパイプ81を締め付けると共に、前記チルトアーム部2と前記チルトアーム部4とが前記両チルト支持側部62,62を外方より挟持する状態で押圧し、チルトアーム部2と両チルト支持側部62,62とが挟持固定されるものである〔図9(A),(B)参照〕。
このように、チルト・テレスコ調整時において、アッパー側固定ブラケット5側で、前記締付具7の締付ボルト71をカム調整部72を介して操作レバー部73による締付によって、両固定側部52,52と共に前記第1クランプAのコラム支持部1と第2クランプのコラム支持部3との締付にて、コラムパイプ81が固定ロックされる共に、締付具7による締付動作にて、前記第1クランプAと前記第2クランプと共に前記チルトアーム部2とチルトアーム部4も同時に作動し、相互に近接するように移動し、ロアー側固定ブラケット6の両チルト支持側部62,62に対して強固に固定されるものである。
このとき、前記チルトアーム部2及びチルトアーム部4は、両チルト支持側部62,62に対して水平面上及び垂直面上に傾斜した状態となり、このような状態で、前記チルトアーム部2とチルトアーム部4とのそれぞれの先鋭な角部が両チルト支持側部62,62に集中的に当接し、且つ前記弾発部材65による弾性力にて相互に大きな圧力を有して強固な接触となる〔図8(E)参照〕。これによって、第1クランプAと第2クランプBとは、前記コラムパイプ81のテレスコ支持領域Kを強固にロック固定すると共に、ロアー側固定ブラケット6側においても、チルトアーム部2及びチルトアーム部4によって、強固に固定されるものである。
(A)は本発明の側面図、(B)は本発明の一部断面にした要部側面図、(C)は(A)のXa−Xa矢視要部断面図、(D)は(A)のXb−Xb矢視要部断面図である。 (A)は本発明の下方より見た平面図、(B)は第1クランプ,第2クランプ,アッパー側固定ブラケット、コラムパイプ及び締付具を分離した状態の一部断面にした分解図である。 (A)は第1クランプ及び第2クランプの斜視図、(B)はコラムパイプ及び可動ブラケットの斜視図、(C)はコラムパイプ及び可動ブラケットの縦断正面図、(D)は(C)のXc−Xc矢視断面図である。 (A)はコラムパイプを第1クランプ及び第2クランプにて挟持した状態の作用図、(B)はコラムパイプを第1クランプ及び第2クランプにて締付けた状態図である。 (A)はアッパー側固定ブラケットの両固定側部にて第1クランプ及び第2クランプを挟持した状態の作用図、(B)はアッパー側固定ブラケットの両固定側部にて第1クランプ及び第2クランプを締め付けたときの荷重の状態を示す作用図である。 (A)は本発明の別の実施形態の第1クランプと第2クランプを装着した縦断正面図、(B)は別の実施形態の第1クランプと第2クランプの斜視図、(C)は別の実施形態の第1クランプと第2クランプにおける作用図である。 (A)はチルト調整範囲を示す側面図、(B)はテレスコ調整範囲を示す平面図、(C)はテレスコ調整におけるコラムパイプの移動範囲を示す一部断面にした要部側面図である。 (A)はチルトアーム部の作用を示す正面略示図、(B)はチルトアーム部とチルト支持側部とが接触した状態の要部作用図、(C)は(B)の(ア)部拡大詳細図、(D)はチルトアーム部とチルト支持側部とが接触した状態の要部平面図、(E)は(D)の(イ)部拡大詳細図である。 (A)はチルトロックの別の実施形態の平面図、(B)は(A)の要部拡大図である。 (A)は本発明において可動ブラケットが装着されないタイプの縦断正面図、(B)は第1クランプと第2クランプとが上下反対に装着されたタイプの縦断正面図である。 (A)は従来技術における作用図、(B)は従来技術の欠点を示す略示図、(C)は従来技術のステアリング装置の全体図である。
A…第1クランプ、B…第2クランプ、1(3)…コラム支持部、
11(31)…押圧面、12(32)…突起部、13(33)…締付貫通孔、
16(36)…平坦接触面部、16a(36a)…窪み面、
16b(36b)…線状被接触面部、2(4)…チルトアーム部、
5…アッパー側固定ブラケット、52…固定側部、53…チルト調整用長孔、
6…ロアー側固定ブラケット、62…チルト支持側部、64b…枢支頭部、
64a…枢支軸部、64…枢支部材、65…弾発部材、81…コラムパイプ、
9…可動ブラケット、92…可動側部。

Claims (6)

  1. コラムパイプと、該コラムパイプを押圧する押圧面と,該押圧面よりも下方位置に形成された突起部と,前記押圧面と前記突起部との間に形成された締付貫通孔とを有するコラム支持部と,該コラム支持部の上端寄りの位置から前方側に突出形成されたチルトアーム部とからなる第1クランプと、該第1クランプと左右対称の同一形状とした第2クランプと、チルト調整用長孔を有する固定側部が対向配置されたアッパー側固定ブラケットと、チルト支持側部が対向配置されたロアー側固定ブラケットとからなり、前記第1クランプのコラム支持部と、前記第2クランプのコラム支持部とは、前記突起部同士を当接させつつ、前記コラムパイプが前記両押圧面にて挟持されると共に前記アッパー側固定ブラケットの両固定側部間に配置され、締付具によって締付自在とされ、前記第1クランプと前記第2クランプのそれぞれのチルトアーム部は前記ロアー側固定ブラケットのそれぞれのチルト支持側部に枢支部材を介して枢支連結され、且つ前記第1クランプ及び第2クランプのコラムパイプの締付と共に前記チルト支持側部にチルトアーム部が固定され、該前記チルトアーム部と前記チルト支持側部とは、枢支頭部と枢支軸部とからなる枢支部材と、弾発部材によって枢支連結され、前記枢支軸部はチルト支持側部に固着されると共に、前記枢支軸部には前記チルトアーム部に形成された枢支連結孔に挿通され、且つ前記弾発部材を介してチルトアーム部とチルト支持側部とが弾性的に当接されてなることを特徴とするチルトテレスコステアリング装置。
  2. 請求項1において、前記押圧面は、前記コラムパイプの半径と略同等の曲率半径を有する、断面半円形状としてなることを特徴とするチルトテレスコステアリング装置。
  3. 請求項1又は2において、前記コラムパイプには軸方向に沿って形成されたテレスコ長孔を有する可動側部が対向配置された可動ブラケットが装着され、前記第1クランプと第2クランプの下方側のみが前記両可動側部間に配置されてなることを特徴とするチルトテレスコステアリング装置。
  4. 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記第1クランプと第2クランプの高さ方向における中央箇所より上方は前記アッパー側固定ブラケットの固定側部と面接触となる平坦接触面部が形成されてなることを特徴とするチルトテレスコステアリング装置。
  5. 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記第1クランプと第2クランプの高さ方向における中央箇所より上方側に、上端のみ前記固定側部と当接する線状被接触面部が形成されると共に、上端箇所と中央箇所との間には前記固定側部と非接触となる窪み面が形成されてなることを特徴とするチルトテレスコステアリング装置。
  6. 請求項1,2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、アッパー側固定ブラケットと、チルト支持側部とは一体的形成されてなることを特徴とするチルトテレスコステアリング装置。
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