JP2015137052A - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングホイールの上下および前後方向での位置調整に際してホイール面の角度が変化してしまうことがないステアリングコラム装置を提供する。【解決手段】車体に固定される固定ブラケット1と、ステアリングホイールWが連結されるステアリングシャフト4を回転可能に支持するコラムジャケット2と、そのコラムジャケット2と固定ブラケット1との間に介装された三角形の中間ブラケット3とを備えている。固定ブラケット1と中間ブラケット3及びその両者を連結している一対の第1リンク部材9とで第1の四節平行リンク機構13が形成され、コラムジャケット2と中間ブラケット3及びその両者を連結している一対の第2リンク部材16とで第2の四節平行リンク機構20が形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、自動車のステアリングコラム装置に関し、特にステアリング装置での操作部となるステアリングホイールの高さ位置(上下方向位置)および前後方向位置を調整可能としたステアリングコラム装置に関する。
この種のステアリングコラム装置では、運転者の体格に合わせてステアリングホイールの位置が上下方向(チルト方向)および前後方向(ステアリングシャフトの軸心方向)でそれぞれ調整可能となっている。そして、特に上下方向(チルト方向)での調整を可能とするいわゆるチルト調整構造としては、車両前方側に設けたチルトヒンジを中心としてステアリングコラムが上下方向に揺動可能に支持されている構造が一般的である。
このような一般的なチルト調整構造では、チルト調整に伴ってステアリングホイールのホイール面の角度まで変化することになり、チルト上限位置ではホイール面が上を向いてしまうことになる。特に、近時ではチルトヒンジとステアリングホイールとのなす距離が小さいタイプのものが多く、チルト調整に伴うホイール面の角度変化が大きくなる傾向にある。
そこで、チルト調整に伴うステアリングホイールのホイール面の角度変化を抑制する上では、四節平行リンク機構を構成するようにステアリングコラムを調整可能に支持することが有効であるとされ、例えば特許文献1には、車体側の中間ブラケットに対し一対のリンク部材を介してステアリングコラムを支持させて、実質的にそれらの中間ブラケットと一対のリンク部材およびステアリングコラムとで四節平行リンク機構を構成したものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された構造では、中間ブラケットとステアリングコラムを連結している一方のリンク部材の軸支部が長穴構造となっていて、擬似的な四節平行リンク機構を構成しているにすぎず、したがって、チルト調整に伴うステアリングホイールのホイール面の角度変化を防止できないだけでなく、ステアリングホイールの位置を調整したい方向と実際の移動方向との間にずれを生ずる結果となり、なおも改善の余地を残している。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、ステアリングホイールの位置調整に際してホイール面の角度が変化してしまうことなく、上下方向および前後方向での調整を可能にするとともに、運転者が望んだ移動方向と実際の移動方向との間のずれをなくしたステアリングコラム装置を提供することを目的としている。
本発明のステアリングコラム装置は、請求項1に記載のように、車体に固定される固定ブラケットと、一端にステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムジャケットと、前記固定ブラケットとコラムジャケットとの間に配置された中間ブラケットと、前記固定ブラケットと中間ブラケットとの間に設けられ、当該固定ブラケットおよび中間ブラケットとともに第1の四節平行リンク機構を形成する一対の第1リンク部材と、前記中間ブラケットとコラムジャケットとの間に設けられ、当該中間ブラケットおよびコラムジャケットとともに第2の四節平行リンク機構を形成する一対の第2リンク部材と、を備えている。そして、前記中間ブラケットに対する一対の第1リンク部材の連結部同士を結んだ線と、コラムジャケットに対する一対の第2リンク部材の連結部同士を結んだ線とが、互いに交差するように設定されていることを特徴とする。
この場合において、より具体的には、請求項2に記載のように、前記中間ブラケットは略三角形状をなしていて、その三角形の一辺部に前記一対の第1リンク部材の連結部が離間して配置されているとともに、他の一辺部に前記一対の第2リンク部材の連結部が離間して配置されているものとする。
また、ステアリングホイールの位置調整に際して、その操作性を改善する上では、請求項3に記載のように、前記第1リンク部材および第2リンク部材ごとに、該当するリンク部材の回動に抵抗を与えるダンパー部材をそれぞれに設けてあることが望ましい。
さらに、ステアリングホイールの位置調整を規制したロック状態と、位置調整を可能とするアンロック状態とに操作するため、請求項4に記載のように、前記第1の四節平行リンク機構を構成している固定ブラケットと中間ブラケットとの相対移動を阻止するための第1ロック手段と、前記第2の四節平行リンク機構を構成している中間ブラケットとコラムジャケットとの相対移動を阻止するための第2ロック手段と、前記第1ロック手段および第2ロック手段のロック・アンロック操作を司る単一の操作レバーと、を備えていることが望ましい。
したがって、少なくとも請求項1に記載発明では、ステアリングホイールの位置調整が可能な状態において、運転者がステアリングホイールに対し当該ステアリングホイールの位置を調整したい方向に力に加えると、第1の四節平行リンク機構および第2の四節平行リンク機構を形成しているそれぞれのリンク部材が揺動変位して、運転者が正対することになるステアリングホイールのホイール面の角度変化を伴うことなく、ステアリングホイールの位置が上下方向および前後方向でそれぞれに調整されることになる。すなわち、ステアリングホイールの上下方向および前後方向の位置調整に際して、いずれの方向においてもステアリングホイールは第1の四節平行リンク機構または第2の平行リンク機構を介して平行移動することになるので、調整の前後でホイール面の角度は変化しないことになる。
請求項1に記載の発明によれば、ステアリングホイールの上下方向および前後方向の位置調整に際して、いずれの方向においてもステアリングホイールは第1の四節平行リンク機構または第2の四節平行リンク機構を介して平行移動することになるので、ホイール面の角度変化を伴うことがなく、ホイール面の角度変化によってハンドル操作がしにくくなるという不具合を未然に防止できる。また、配置角度の異なる2つの四節平行リンク機構により、コラムジャケットはステアリングホイールに作用するところの運転者の力の作用方向に移動できるため、運転者がステアリングホイールを動かしたい方向と実際の移動方向との間にずれが生ずることがなく、運転者の意志通りにステアリングホイールの位置調整を行うことができるので、操作性にも優れたものとなる。
請求項2に記載の発明によれば、略三角形状をなす中間ブラケットの2つの辺部に、第1,第2の四節平行リンク機構を構成する一対のリンク部材の連結部をそれぞれ配置することで、それぞれに配置角度の異なる2つの四節平行リンク機構を連結しているので、部品点数を削減して、装置全体の小型化を図る上で有利となる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の四節平行リンク機構を形成している第1リンク部材および第2の四節平行リンク機構を形成している第2リンク部材ごとに、各リンク部材の回動に抵抗を与えるダンパー部材を設けてあるので、コラムジャケットの自重による位置変化または姿勢変化を未然に防止することができるほか、運転者の操作力の軽減を図りつつ、運転者の力が作用する方向に倣うかたちでバランスを取りながらステアリングホイールの位置を調整することができ、操作性の向上に寄与できる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の四節平行リンク機構および第2の四節平行リンク機構にロック手段がそれぞれ設けられているとともに、双方のロック手段のロック・アンロック操作を単一の操作レバーで行うようにしているので、ステアリングホイールの位置調整に際しての操作性の悪化を防止できるとともに、部品点数を削減してステアリングコラム装置の簡素化を図ることができる。
図1〜5は本発明に係るステアリングコラム装置を実施するためのより具体的な形態を示していて、図1はステアリングコラム装置全体の斜視図を、図2は図1のステアリングコラム装置の側面図を、図3は同じく下面図をそれぞれ示している。また、図4は図1のステアリングコラム装置を反対側から見た斜視図を、図5は図4のステアリングコラム装置の側面図をそれぞれ示している。なお、図3では、図1,2における固定ブラケット1を図示省略している。
図1,2に示すように、図示のステアリングコラム装置は、大きく分けて、固定ブラケット1と、その固定ブラケット1の下側に配置されたコラムジャケット(ステアリングジャケット)2と、固定ブラケット1とコラムジャケット2との間に配置された略三角形状の中間ブラケット3とから構成される。
固定ブラケット1およびコラムジャケット2はそれらの長手方向が車体前後方向に沿って配置されるとともに、図1のように左側に向かって下り勾配の傾斜姿勢となるように、固定ブラケット1が図示外の車体に直接且つ堅固に固定される。
そして、コラムジャケット2に回転可能に支持されているステアリングシャフト4の後方側の端部(図1〜3の右端部)にステアリングホイールWのボス部が装着される。また、ステアリングシャフト4の前方側の端部4aは、図示外のジョイント、中間シャフト等を介してステアリングギヤに連結される。なお、図2以外の各図ではステアリングホイールWの図示を省略している。
固定ブラケット1は下面のほか上面の一部が開放された略矩形枠状のものであって、その下面はその高さ位置が長手方向で階段状に変化しているとともに、後方側上部に膨出部1aが形成されている。固定ブラケット1の上面には金属板を曲折成形した取付プレート5をボルト6にて固定してあり、この取付部レート5の両側のフランジ部5aが上記膨出部1aとともに車体に対する取付部となっている。また、固定ブラケット1の後部二箇所にはピン7,8が幅方向に貫通するように挿入支持されていて、これらのピン7,8を連結部として共に同じ長さの前後一対の第1リンク部材9の一端部がそれぞれに回動可能に連結されている。
他方、固定ブラケット1の下方に位置する中間ブラケット3は、図4,5に示すように側面視にて二等辺三角形状をなしていて、それぞれの頂部相当位置には連結部として機能することになるピン10,11,12が幅方向に貫通するように挿入支持されている。そして、中間ブラケット3における一方の斜辺の両端に位置するピン10,11を介して、一対の第1リンク部材9の他端部がそれぞれに回動可能に連結されている。
ここで、固定ブラケット1側の一対のピン7,8の中心同士を結んだ線の長さと、中間ブラケット3側の一方の斜辺の両端に位置するピン10,11の中心同士を結んだ線の長さとは共に同じ長さに設定されている。これにより、固定ブラケット1と中間ブラケット3の斜辺部およびそれら両者の間に介在している一対の第1リンク部材9は第1の四節平行リンク機構13を形成している。
コラムジャケット2は、図1,2に示すように、パイプ状のアウタジャケット14と同じくパイプ状のインナジャケット15とから構成されていて、アウタジャケット14に対しインナジャケット15が相対回転不能で且つ2次衝突時に軸方向に摺動可能に圧入支持されている。そして、コラムジャケット2にはステアリングシャフト4が挿入されていて、このステアリングシャフト4は図示外のベアリングを介してコラムジャケット2に回転可能に支持されている。
また、コラムジャケット2は、アウタジャケット14の前後二箇所にピン18,19を介して一対の第2リンク部材16の下端部が回動可能に支持されている。そして、一対の第2リンク部材16の上端部は、後述するようにピン11,12を連結部として中間ブラケット3に連結されている。なお、前後一対の第2リンク部材16は共に同じサイズ(長さ)のもとして形成されている。
第2リンク部材16は、アウタジャケット14の両側に位置して互いに対向する一対のサイドプレート16a、および一対のサイドプレート16aの下端同士を連結しているボトムプレート16bの三者により、略チャンネル状またはコ字状をなすように形成されているものであり、それら前後一対の第2リンク部材16の位置に対応するようにして、図1に示すように、アウタジャケット14の下面にはそれぞれに支持ベース部17a,17bが突出形成されている。
そして、前方側の第2リンク部材16側では、支持ベース部17aとその両側に位置する左右一対のサイドプレート16aとを貫通するピン18が挿入支持されており、これによってコラムジャケット2の前端部がピン18を連結部として前方側の第2リンク部材16の下部に回動可能に連結されている。同様に、後方側の第2リンク部材16側では、支持ベース部17bとその両側に位置する左右一対のサイドプレート16aとを貫通するピン19が挿入支持されており、これによってコラムジャケット2の中間部がピン19を連結部として後方側の第2リンク部材16の下部に回動可能に連結されている。
さらに、コラムジャケット2を抱持している前後一対の第2リンク部材16の上端部は、それぞれにピン11,12を介して中間ブラケット3に連結されている。先に説明したように、二等辺三角形状の中間ブラケット3における底辺の両端の頂部相当位置には連結部としてピン11,12が挿入支持されていて、これらのピン11,12を介して、前後一対の第2リンク部材16の上端部が中間ブラケット3にそれぞれに回動可能に連結されている。より詳しくは、図4に示すように、前方側の第2リンク部材16を形成している左右一対のサイドプレート16a,16a間に中間ブラケット3の下端部が挟み込まれていて、それら三者を貫通するようにピン12が挿入されている。その結果として、ピン12を連結部として前方側の第2リンク部材16の上端部が中間ブラケット3に回動可能に連結されている。この構造は、後方側の第2リンク部材16と中間ブラケット3とのピン11による連結部においても同様である。
この場合において、中間ブラケット3側のピン11,12の中心同士を結んだ線の長さと、コラムジャケット2側のピン18,19の中心同士を結んだ線の長さは共に同じ長さに設定されている。
これにより、前後一対の第2リンク部材16は、実質的にコラムジャケット2と中間ブラケット3とを連結し、コラムジャケット2と中間ブラケット3の底辺部およびそれら両者の間に介在している一対の第2リンク部材16は第2の四節平行リンク機構20を形成していることになる。そして、中間ブラケット3側のピン11,12の中心同士を結んだ線と、コラムジャケット2側のピン18,19の中心同士を結んだ線は、共にコラムジャケット2(ステアリングシャフト4)の軸心と平行となるように設定されている。
したがって、図4,5に示すように、固定ブラケット1とコラムジャケット2との間に第1の四節平行リンク機構13と第2の四節平行リンク機構20とが介在していて、コラムジャケット2はこれらの第1,第2の四節平行リンク機構13,20の自由度に拘束されるかたちで固定ブラケット1に支持されていることになる。同時に、中間ブラケット3に対する前後一対の第1リンク部材9の連結部であるピン10,11同士を結んだ線と、コラムジャケット2に対する前後一対の第2リンク部材16,16の連結部であるピン18,19同士を結んだ線とが、互いに所定角度をなして交差するように設定されており、2つの四節平行リンク機構13,20は互いに配置角度が異なるように設定されている。
そのために、後述するように、運転者がステアリングホイールWを握った上で、そのステアリングホイールWの位置を調整するべく、上下方向あるいは前後方向(コラムジャケット2およびステアリングシャフト4の軸線方向)に力を加えれば、その力を加えた方向にステアリングホイールWが平行移動して、上下方向あるいは前後方向での位置が調整されたことになる。特に、ステアリングホイールWの上下方向の位置調整に際しては、コラムジャケット2が固定ブラケット1に対して接近離間動作することになる。その際に、ステアリングホイールWは第1,第2の四節平行リンク機構13,20の自由度の範囲内に拘束されるかたちで平行移動するだけであることから、位置調整の前後でステアリングホイールWにおけるホイール面の角度が変化することはないことになる。
ここで、図1,2に示すように、固定ブラケット1の側面前端部には、ダンパー部材としてのガスステー21と第1ロック手段としてのロックプレート22とが配置されている。また、中間ブラケット3にはガスステー21の一端を連結するためのサポートプレート23がボルト24(図5参照)にて固定されている。
ガスステー21は、例えばアウタチューブとそれに挿入されたピストン付きのインナロッドとの間の空間に所定のガスを封入したもので、図1,2において固定ブラケット1に対し中間ブラケット3を車両上下方向に移動する際の操作力のバランスを取るためのものであり、上端部が固定ブラケット1の側面部に回動可能に連結されているとともに、下端部はサポートプレート23に回動可能に連結されている。このガスステー21は、アウタチューブに対してインナロッドを伸長させる荷重が重く、収縮させる荷重が軽くなるように設定されており、第1の四節平行リンク機構13の要素である固定ブラケット1に対し一対の第1リンク部材9を介して中間ブラケット3が相対変位する際の第1リンク部材9の回動動作、特に固定ブラケット1からコラムジャケット2が下方に離間しようとする際の第1リンク部材9の回動動作に抵抗を付与する機能を有するものである。
ロックプレート22は、その上端部がピン25により固定ブラケット1の側面部に回動可能に連結されているとともに、下端部には長手方向に沿って比較的長い長穴26が形成されていて、この長穴26は後方側の第2リンク部材16を構成するサイドプレート16aに突設された段付き軸31に挿通されている。そして、ステアリングホイールWの位置調整時以外では、このロックプレート22は後述する操作レバー34と協働して固定ブラケット1と中間ブラケット3との相対移動、ひいては固定ブラケット1とコラムジャケット2との相対移動を阻止する機能を有している。
また、図4,5に示すように、前後一対の第2リンク部材16を形成している前後のサイドプレート16a,16aの間にもダンパー部材としてのガスステー27が斜めに配置されているとともに、図1,2に示すように、コラムジャケット2におけるアウタジャケット14の側面部にも第2ロック手段としてのロックプレート28が長手方向に沿って配置されている。
図4,5に示されているガスステー27は先に説明したガスステー21と同様に、中間ブラケット3に対してコラムジャケット2を車両前後方向に移動する際のバランスを取るためのものであり、前端部が前方側の第2リンク部材16を形成しているサイドプレート16aのピン12近傍位置に回動可能に連結されているとともに、後端部は後方側の第2リンク部材16を形成しているサイドプレート16aのピン19近傍位置に回動可能に連結されている。このガスステー27は、アウタチューブに対してインナロッドを伸長させる荷重が軽く、収縮させる荷重が重くなるように設定されており、第2の四節平行リンク機構20の要素である中間ブラケット3に対し前後一対の第2リンク部材16を介してコラムジャケット2が相対変位する際の第2リンク部材16の回動動作、特に図4,5においてコラムジャケット2が右方向に移動しようとする際の第2リンク部材16の回動動作に抵抗を付与する機能を有するものである。なお、上記ダンパー部材としては、上記のガスステー21,27に代えて、例えば引っ張りコイルばねあるいはねじりコイルばね等の付勢手段を用いることも可能である。
図1,2に示すように、ロックプレート28はその後端部がピン29にてアウタジャケット14の後端側部に回動可能に連結されているとともに、前端部には長手方向に沿って長穴30が形成されている。そして、長穴30が形成された前端部が先に説明したもう一方のロックプレート22と重合しているとともに、長穴30は段付き軸31に挿通されている。そして、ステアリングホイールWの位置調整時以外では、このロックプレート28は後述する操作レバー34と協働してコラムジャケット2と第2リンク部材16との相対移動、ひいては中間ブラケット3とコラムジャケット2との相対移動を阻止する機能を有している。
図1のほか図3に示すように、後方側の第2リンク部材16を形成している一方のサイドプレート16aには段付きピン31が突設されていて、その段付きピン31の大径部の端面には一方のロックプレート22と重ね合わされた他方のロックプレート29が着座しているとともに、その段付きピン31の先端側の小径部は先に説明した双方のロックプレート22,28の長穴26,30に挿通された上で締付部材32が挿通されている。また、上記小径部の先端には、ヒンジピン33を介して回動(起倒)可能な操作レバー34が連結されている。この操作レバー34の根元部には、ヒンジピン33に対して偏心していて且つ締付部材32の先端面に接する円筒状のカム部35(図3参照)が形成されていて、図1,3に示すように操作レバー34を倒した状態がロック位置で、ヒンジピン33を回転中心として操作レバー34を直立させた状態がアンロック位置となっている。
そして、操作レバー34をロック位置にすると、段付きピン31の大径部と締付部材32との間に双方のロックプレート22,28を圧締保持して、固定ブラケット1と中間ブラケット3との相対移動、および中間ブラケット3とコラムジャケット2との相対移動をそれぞれ阻止することができるようになっている。その一方、操作レバー34をアンロック位置にすると、先に説明した双方のロックプレート22,28の圧締保持力が解除されて、固定ブラケット1と中間ブラケット3との相対移動、および中間ブラケット3とコラムジャケット2との相対移動がそれぞれ可能となる。
このように構成されたステアリングコラム装置では、図1,2に示すように操作レバー34がロック位置にある状態では、双方のロックプレート22,28が操作レバー34により共締めされて圧締固定されていることから、第1の四節平行リンク機構13および第2の四節平行リンク機構20の自由度が変位不能に拘束されている。そのために、コラムジャケット2は上下方向および前後方向の位置調整が不能となっていて、ステアリングホイールWを含むコラムジャケット2は図1,2に示された位置に堅固に保持されたままとなっている。
その一方、図1,2に示した操作レバー34をロック位置からアンロック位置(起立位置)に操作すると、双方のロックプレート22,28の圧締保持力が解除されてアンロック状態となる。
このようなアンロック状態で、運転者がステアリングホイールWを握った上でそのステアリングホイールWを例えば上下方向に動かすと、固定ブラケット1および中間ブラケット3とともに第1の四節平行リンク機構13を形成している一対の第1リンク部材9が固定ブラケット1に対して回動変位する。この時、中間ブラケット3は第1リンク部材9により上下方向だけでなく前後方向にも移動するが、第2の四節平行リンク機構20を形成する一対の第2リンク部材16がこの前後方向の移動の分だけ回動し、その結果として、コラムジャケット2が固定ブラケット1に対して接近または離間する上下方向に平行移動して、ステアリングホイールWの高さ位置が所望する位置に調整される。なお、操作レバー34がアンロック状態にあることにより、双方のロックプレート22,28に形成された長穴26,30と段付き軸31の小径部とは遊嵌状態にあることになり、これらの長穴26,30と小径部との相対移動によって固定ブラケット1とコラムジャケット2との相対変位を許容する。
この場合において、ステアリングホイールWの高さ位置の調整の前後でコラムジャケット2(ステアリングシャフト4)の軸心は互いに平行のままであり、したがって、ステアリングホイールWの高さ位置の調整に伴ってステアリングホイールWのホイール面の角度が変化してしまうことはない。
また、上記のようなアンロック状態で、運転者がステアリングホイールWを前後方向に動かすと、中間ブラケット3およびコラムジャケット2とともに第2の四節平行リンク機構20を形成している前後一対の第2リンク部材16が中間ブラケット3に対して回動変位する。この時、コラムジャケット2は第2リンク部材16の回動により前後方向だけでなく上下方向にも移動しようとするが、第1の四節平行リンク機構13を形成する一対の第1リンク部材9がこの上下方向の移動の分だけ中間ブラケット3を回動し、その結果として、コラムジャケット2が固定ブラケット1に対して前方側または後方側に平行移動して、ステアリングホイールWの前後方向での位置が所望する位置に調整される。なお、操作レバー34がアンロック状態にあることにより、双方のロックプレート22,28に形成された長穴26,30と段付き軸31の小径部とは遊嵌状態にあることになり、これらの長穴26,30と小径部との相対移動によって中間ブラケット3とコラムジャケット2との相対変位を許容する。
この場合において、ステアリングホイールWの前後方向位置の調整の前後でコラムジャケット2(ステアリングシャフト4)の軸心は互いに平行のままであり、したがって、ステアリングホイールWの前後方向位置の調整に伴ってステアリングホイールWのホイール面の角度が変化してしまうことはない。
ここで、運転者がステアリングホイールWの位置を調整するべく当該ステアリングホイールWに力を加えた場合であって、且つその方向に上下方向および前後方向の双方向が含まれている場合には、上記のような上下方向での位置調整と前後方向での位置調整とが同時並行的になされることになる。この場合においても、ステアリングホイールWが支持されているコラムジャケット2の動きは第1の四節平行リンク機構13および第2の四節平行リンク機構20の自由度の範囲内での動きとなることから、ステアリングホイールWの上下方向および前後方向での位置調整に伴ってステアリングホイールWのホイール面の角度が変化してしまうことはない。
そして、ステアリングホイールWの位置が所望する位置に調整されたならば、操作レバー34を元のロック位置に戻して双方のロックプレート22,28を圧締固定することで、ステアリングホイールWの位置調整が完了する。
このように本実施の形態によれば、上下方向および前後方向でのステアリングホイールWの位置調整が配置角度の異なる第1,第2の四節平行リンク機構13,20の自由度の範囲内で行われるので、いずれの方向でのステアリングホイールWの位置調整に際してもホイール面の角度が変化してしまうことがないので、ハンドル操作がしにくくなるような不具合を未然に防止することができる。
また、運転者が希望する方向にステアリングホイールWを動かした場合に、その運転者が意図した移動方向と実際の移動方向との間のずれが生ずることがなく、操作性に優れたものとなる。
さらに、前後一対の第2リンク部材16が実質的にコラムジャケット2を両側から抱持しているので、ステアリングコラム装置全体の小型化に寄与できるとともに、支持剛性の向上の面でも有利となる。
その上、第1,第2の四節平行リンク機構13,20ごとに独立したダンパー部材としてガスステー21,27を付帯させてあるので、操作レバー34によるロックを解除した際に、コラムジャケット2が自重で移動してしまうようなことがないだけでなく、第1,第2の四節平行リンク機構13,20が変位する際に作動バランスをとることができ、ステアリングホイールWの位置を調整する際の挙動がスムーズに且つ安定して行われるようになる。
また、ロック手段である二つのロックプレート22,28にそれらのロック・アンロック操作を単一の操作レバー34で行うようにしているので、ステアリングホイールWの位置調整に際しての操作性の悪化を防止できるとともに、部品点数を削減してステアリングコラム装置の簡素化を図ることができる。
ここで、本実施の形態では、ステアリングホイールWの位置調整に際して、運転者が希望する方向に力を加えるいわゆるマニュアル操作タイプのステアリングコラム装置について説明したが、電動モータでの駆動方式に置き換えることも可能である。
1…固定ブラケット
2…コラムジャケット
3…中間ブラケット
4…ステアリングシャフト
7,8…ピン(連結部)
9…第1リンク部材
10,11,12…ピン(連結部)
13…第1の四節平行リンク機構
16…第2リンク部材
18,19…ピン(連結部)
20…第2の四節平行リンク機構
21…ガスステー(ダンパー部材)
22…ロックプレート(第1ロック手段)
27…ガスステー(ダンパー部材)
28…ロックプレート(第2ロック手段)
34…操作レバー
W…ステアリングホイール
2…コラムジャケット
3…中間ブラケット
4…ステアリングシャフト
7,8…ピン(連結部)
9…第1リンク部材
10,11,12…ピン(連結部)
13…第1の四節平行リンク機構
16…第2リンク部材
18,19…ピン(連結部)
20…第2の四節平行リンク機構
21…ガスステー(ダンパー部材)
22…ロックプレート(第1ロック手段)
27…ガスステー(ダンパー部材)
28…ロックプレート(第2ロック手段)
34…操作レバー
W…ステアリングホイール
Claims (4)
- 車体に固定される固定ブラケットと、
一端にステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムジャケットと、
前記固定ブラケットとコラムジャケットとの間に配置された中間ブラケットと、
前記固定ブラケットと中間ブラケットとの間に設けられ、当該固定ブラケットおよび中間ブラケットとともに第1の四節平行リンク機構を形成する一対の第1リンク部材と、
前記中間ブラケットとコラムジャケットとの間に設けられ、当該中間ブラケットおよびコラムジャケットとともに第2の四節平行リンク機構を形成する一対の第2リンク部材と、
を備えていて、
前記中間ブラケットに対する一対の第1リンク部材の連結部同士を結んだ線と、コラムジャケットに対する一対の第2リンク部材の連結部同士を結んだ線とが、互いに交差するように設定されていることを特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項1に記載のステアリングコラム装置において、
前記中間ブラケットは略三角形状をなしていて、その三角形の一辺部に前記一対の第1リンク部材の連結部が離間して配置されているとともに、他の一辺部に前記一対の第2リンク部材の連結部が離間して配置されていることを特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項1または2に記載のステアリングコラム装置において、
前記第1リンク部材および第2リンク部材ごとに、該当するリンク部材の回動に抵抗を与えるダンパー部材をそれぞれに設けてあることを特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項1〜3のいずれか一つに記載のステアリングコラム装置において、
前記第1の四節平行リンク機構を構成している固定ブラケットと中間ブラケットとの相対移動を阻止するための第1ロック手段と、
前記第2の四節平行リンク機構を構成している中間ブラケットとコラムジャケットとの相対移動を阻止するための第2ロック手段と、
前記第1ロック手段および第2ロック手段のロック・アンロック操作を司る単一の操作レバーと、
と備えていることを特徴とするステアリングコラム装置。
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