JP2008149942A - ステアリングチルト機構 - Google Patents

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茂 清宮
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、部品点数の削減および省スペース化が図れ、ハンドルティルト固定レバーの固定トルクが小さく済み、ハンドルティルト調整時のハンドルの可動範囲を大きく取れるとともに、ハンドル回転面が車体水平面に対して急角度に傾かず、オペレータの体型に合わせて自然な動作で操作可能なステアリングチルト機構を提供することにある。
【解決手段】 本発明に関わるステアリングチルト機構は、作業車両1等の運転用のハンドル8を位置調整するためのステアリングチルト機構であって、ハンドル8を位置調整するために該ハンドル8が揺動自在に支持される揺動支軸12を、運転席7に座ったオペレータの足元の操作ペダル10が揺動自在に支持される揺動支軸12と同一軸で構成している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、作業車両等において作業者が運転用ハンドルを所望の位置に調整するためのステアリングチルト機構に関する。
作業車両の一態様であるフォークリフト100は、その側面図の図6に示すように、車両本体101の前方に作業機102が装備されている。
フォークリフト100の運転は、オペレータが操作エリア100a内の運転席104に坐り、ステアリングホイール106(以下、ハンドル106と称す)、操作レバー107等を適宜、操作することによって行なわれ、車両本体101を走行させたり、フォーク103をマスト105に沿って上下方向に昇降動作させるとともにチルト動作させることにより、フォーク103上の荷の運搬等の各種作業が行なわれる。
ここで、運転席104に坐ったオペレータがハンドル106を操作するに際し、オペレータの体格によって運転姿勢が変わることから、オペレータが運転し易いように、自分の体格に合った位置にハンドル106を、矢印αに示すように、調整できるように構成されている。
ハンドル106のティルト調整機構廻りの拡大側面図の図7に示すように、ハンドル106は、ハンドル支軸106o廻りに傾動自在に調整できるように、ハンドルシャフト106sに支持されている。また、このハンドルシャフト106sを覆うとともに各計器類や表示ランプ等を有したダッシュボードカバー108が配設されている。
このダッシュボードカバー108の下方であって、運転席104に坐ったオペレータの足元には、図7の二点鎖線で示すブレーキペダル109が、ブレーキレバー109rによってブレーキ支軸109o廻りに揺動自在に配設されている。
なお、本願に係る文献公知発明としては、下記の特許文献1、2がある。
特許第3069944号 特許第3254576号
ところで、ハンドルシャフト106sの傾動中心であるハンドル支軸106oと、ブレーキペダル109の揺動中心であるブレーキ支軸109oとを、車両本体101の前後方向(図6の紙面左右方向)に配置した場合、ダッシュボードカバー108をスペースが限られる車両本体101前方に配置するか、運転席104に坐ったオペレータの足元空間を狭める位置にハンドル支軸106oを配置することになる。そのため、図7に示すように、ブレーキ支軸109oとハンドル支軸106oとを、上下方向にずらして配設している。
この場合、ハンドル106の揺動支軸106oが上方に位置することから、ハンドル106の調整姿勢を示した概念的側面図の図8に示すように、ハンドル106を、運転席104に坐ったオペレータ側に距離s1、移動調整すると、ハンドル106回転面が車両本体101の水平面Hに対して急角度θ1傾いてしまい、オペレータが運転しにくい場合がある。
また、ハンドル106のティルト機構専用に回転軸となるハンドル支軸106o、ガイド(図示せず)等を設けねばならず、部品点数が嵩みコスト増の起因となっている。
加えて、ハンドル106のティルト機構のための取り付けスペースを設けねばならず、運転席104に坐ったオペレータ手前側の空間を占有してしまうという問題がある。このように、ハンドル106のティルト機構を限られた取り付けスペース内での配置で対応することから、ティルト可動角度θ2を大きくとれず犠牲にしている。
さらに、図7に示すように、ハンドル106のティルト軸であるハンドル支軸106oと固定部Kとの距離s2が小さいため、ハンドル支軸106o廻りのモーメントのウデの長さs2が小さくなり、ハンドルティルト固定レバー110における固定部kの固定トルクが大きくなるという不都合がある。
本発明は上記実状に鑑み、部品点数の削減および省スペース化が図れ、ハンドルティルト固定レバーの固定トルクが小さく済み、ハンドルティルト調整時のハンドルの可動範囲を大きく取れるとともに、ハンドル回転面が車体水平面に対して急角度に傾かず、オペレータの体型に合わせて自然な動作で操作可能なステアリングチルト機構の提供を目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1に関わるステアリングチルト機構は、作業車両等の運転用のハンドルを位置調整するためのステアリングチルト機構であって、ハンドルを位置調整するために該ハンドルが揺動自在に支持される揺動支軸を、運転席に座ったオペレータの足元の操作ペダルが揺動自在に支持される揺動支軸と同一軸で構成している。
以上、詳述した如く、本発明の請求項1に関わるステアリングチルト機構によれば、ハンドルを位置調整するための揺動支軸とオペレータの足元の操作ペダルの揺動支軸とを同一軸で構成したので、部品点数が削減され、コスト低減および省スペース化が図れる。
また、ハンドルの揺動支軸が下方に位置することから、ハンドルの固定レバーの固定トルクが小さく済み、かつ、ハンドルティルト時のハンドルの可動範囲を大きく取れる。加えて、ティルト時のハンドル回転面が車体の水平面に対して急角度に傾くことがなく、オペレータの体型に合わせた自然な動作で、操作を行なうことが可能である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
本発明を適用した作業車両の一態様であるフォークリフト1は、その側面図の図1に示すように、車両本体1Hの前方に作業機2が装備されている。
フォークリフト1は、車両本体1Hを走行させたり、作業機2に設置されるフォーク3を、リフトシリンダ4によってマスト5に沿って矢印の如く上下方向に昇降動作させるとともに、チルトシリンダ6によって前傾、後傾などのチルト動作させることにより、フォーク3上に載せた荷wの運搬作業等を行う。
上記作業を行なうためのフォークリフト1の運転は、オペレータが操作エリア1a内に配設される運転席7に坐り、ステアリングホイール8(以下、ハンドル8と称す)、操作レバー9、および、オペレータの足元のブレーキペダル(操作ペダル)10等を適宜、操作することにより行なわれる。
図2は、図1のフォークリフト1において運転席7側から見たダッシュボードカバー8cを外した状態のハンドル8のステアリングチルト機構を示した図、図3は、図2のA方向からステアリングチルト機構を見た図、および、図4は、図2に示すステアリングチルト機構を右斜め側から見た斜視図である。
図3、図4に示すダッシュボード13には、水平軸のチルト・ペダル兼用回転軸(揺動支軸)12が固定されており、このチルト・ペダル兼用回転軸12に、ハンドル8が図3の矢印β1に示すように揺動自在に支持されるとともに、ブレーキペダル10が図3の矢印β2に示すように揺動自在に支持されている。
上記ダッシュボード13には、調整ガイドプレート14a、14bが固定されており、調整ガイドプレート14a、14bには、ハンドル8を矢印β1方向に調整するための調整代となる長穴14a1、14b1が、それぞれ穿設されている。
図2に示すハンドル8は、矢印β3に示すように回動自在にコラムシャフト8sに支持され、コラムシャフト8sは、ボルトnによって固定プレート8kに固定されている。
固定プレート8kの両側部には、チルト・ペダル兼用回転軸12に揺動自在に支持される固定プレート側板8k1、8k2が溶接により接合されている。
そのため、固定プレート8kに支持されるハンドル8は、図3の矢印β1に示すように、チルト・ペダル兼用回転軸12廻りに揺動自在に支持されている。
また、図2、図4に示すように、固定プレート側板8k1、8k2には丸棒状の調整軸8jが固定されており、この調整軸8jは、調整ガイドプレート14a、14bの長穴14a1、14b1を貫通している。
調整軸8jにおける長穴14a1、14b1の貫通部は、丸棒を長穴14a1、14b1の平行直線に平行な面で切り欠いた形状に形成され、調整軸8jが、長穴14a1、14b1内を回転することなく摺動自在に案内されるように構成されている。こうして、調整軸8jが長穴14a1、14b1内を案内される距離が調整代となり、ハンドル8がチルト・ペダル兼用回転軸12廻りにチルト調整することができる。
図3、図4に示すチルト調整用固定レバー15は、ハンドル8を所望の位置にチルト調整した後に固定するためのレバーであり、図3に示す実線の位置でハンドル8をロックして固定し、ニ点鎖線の位置でハンドル8をアンロックするように、図3の矢印γ1、γ2に示すように揺動自在に構成されている。
チルト調整用固定レバー15には、左雌ネジが螺刻された調整用長ナット16が、ボルトbにより固定されており、この調整用長ナット16は、調整軸8jにおける調整ガイドプレート14a側の一方側に螺刻された左雄ネジに螺着している。
オペレータがハンドル8の位置調整する場合には、図3に示すように、チルト調整用固定レバー15を、矢印γ2方向に揺動させる。
この場合、図2に示すように、調整用長ナット16が調整軸8jに螺刻された左雄ネジに対して矢印a1方向に進み、調整軸8jが固定されるとともにハンドル8が支持される揺動自在の固定プレート側板8k1と、調整用長ナット16との距離が開く。
すると、ダッシュボード13に固定される調整ガイドプレート14aと調整用長ナット16との間にクリアランスが生じるとともに、調整ガイドプレート14aとチルト・ペダル兼用回転軸12廻りに揺動自在の固定プレート側板8k1との間にクリアランスが生じる。
そのため、調整用長ナット16およびダッシュボード13に固設される固定プレート側板8k1によって押圧されていた固定プレート側板8k1がフリーな状態となり、ハンドル8を支持する固定プレート8kに固定される調整軸8jが、調整ガイドプレート14a、14bの長穴14a1、14b1内を自由に移動可能となり(図3参照)、オペレータは、所望の位置にハンドル8をチルト・ペダル兼用回転軸12廻りに揺動させて位置調整できる。
ハンドル8の位置調整が終了すると、オペレータは、チルト調整用固定レバー15を、図3の矢印γ1に示すように、揺動させる。
すると、図2に示すように、調整用長ナット16が調整軸8jに螺刻された左雄ネジに対して矢印a2方向に進み、調整軸8jが固定された固定プレート側板8k1と調整用長ナット16との距離が縮まり、固定プレート側板8k1は、調整用長ナット16およびダッシュボード13に固設される固定プレート側板8k1に押圧され固定され、ハンドル8は、上述の調整位置に固定される。
一方、図3に示すように、ブレーキペダル10が固定されたブレーキレバー10rは、水平軸のチルト・ペダル兼用回転軸12廻りに矢印β2(β21、β22)に示すように揺動自在に支持されるとともに、図2、図4に示すねじりコイルばねtにより矢印β22方向に付勢されている。
オペレータがブレーキをかけるためにブレーキペダル10を踏むと、ブレーキペダル10は矢印β21方向に揺動し、ブレーキがかかる。オペレータがブレーキを解除するため、ブレーキペダル10を踏むのを止めると、ブレーキペダル10はコイルばねt力により矢印β22方向に揺動し、ブレーキが解除される。
上記構成によれば、ハンドル8の位置をチルト調整する際の揺動支軸と、ブレーキペダル10の揺動支軸とを同一のチルト・ペダル兼用回転軸12で兼用したので、構造が簡素化される。そのため、部品点数が削減され、製造、組立等が容易になり、コスト低減が図れる。
また、ハンドル8のチルト調整の揺動支軸とブレーキペダル10の揺動支軸とを、同一のチルト・ペダル兼用回転軸12で兼用したので、省スペース化が図れ、運転席7に坐ったオペレータの足元のスペースが広がり、操作性、居住性を向上できる。
また、ハンドル8の揺動支軸が、従来に比較して下方に移動するので、ハンドル8の調整姿勢を示した概念的側面図の図5に示すように、回転軸であるチルト・ペダル兼用回転軸12とチルト機構固定点である調整軸8jまでの距離s3が大となり、チルト・ペダル兼用回転軸12廻りのモーメントのウデの長さs3(図3参照)が長くなり、チルト調整用固定レバー15の固定トルクが小さくて済む。
また、ハンドル8の揺動支点のチルト回転軸12が下方に移動することにより、ハンドル8のティルト調整時の揺動半径が長くなり、図5に示すように、ティルト角θ3に対するハンドル8の可動範囲hが大きく取れる。
加えて、ハンドル8回転面が車両本体1Hの水平面Hに対して急角度に傾かないため、オペレータ個々の体型に合った無理がない自然な動作で操作が行なえる。
なお、上述の実施例では、ペダルとしてブレーキペダル10を例示して説明したが、クラッチペダル、インチングペダル等のブレーキペダル以外のペダルの揺動支軸と、ハンドル8のティルト支軸との兼用が可能であることは言うまでもない。
また、上述の実施例では、フォークリフト1を例示して説明したが、その他の車両にも本発明は有効に適用可能である。
本発明に関わる実施例のフォークリフトを示す側面図。 図1のフォークリフトにおいて運転席側から見たハンドルのダッシュボードカバーを外した状態のステアリングチルト機構を示した図。 図2のステアリングチルト機構をA方向から見た図。 図2に示すステアリングチルト機構を右斜め側から見た斜視図。 実施例のフォークリフトにおけるハンドルの調整姿勢を示した概念的側面図。 従来のフォークリフトを示す側面図。 従来のフォークリフトにおけるハンドルのティルト機構廻りの拡大側面図。 従来のハンドル調整姿勢を示した概念的側面図。
符号の説明
1…フォークリフト(作業車両)、
7…運転席、
8…ハンドル、
10…ブレーキペダル(操作ペダル)、
12…チルト・ペダル兼用回転軸(揺動支軸)。

Claims (1)

  1. 作業車両等の運転用のハンドルを位置調整するためのステアリングチルト機構であって、
    ハンドルを位置調整するために該ハンドルが揺動自在に支持される揺動支軸を、運転席に座ったオペレータの足元の操作ペダルが揺動自在に支持される揺動支軸と同一軸で構成した
    ことを特徴とするステアリングチルト機構。
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