JP6601158B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、シートバックの左右のフレームを構成する左右のサイドフレームと、サイドフレームに支持されるシートバックパッドと、を備える乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートとして、車両の旋回により乗員に加わる遠心力をシートバックで好適に支持するために、シートバックの前面の一部の向きを左右に変更可能に構成したものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、シートバックパッドを支持する板状の受圧部材と、受圧部材の後面を支持するワイヤと、ワイヤの左右の端部を前後方向に進退させる進退装置(リンク部材およびアクチュエータ)とを備えている。
特開2013−189141号公報
しかしながら、従来技術では、受圧部材の形状を乗員の背中や肩部に対応するような形状にしなければならず、シートバックの前面の一部の向きを変更する構造が複雑になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、シートバックの前面の一部の向きを変更する構造をシンプルに構成することを目的とする。
前記した課題を解決するため、本発明に係る乗物用シートは、シートバックの左右のフレームを構成する左右のサイドフレームと、前記サイドフレームに支持されるシートバックパッドと、上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、前記シートバックパッドを直接支持する第1バネと、一方のサイドフレームと前記第1バネの一端部との間に設けられ、前記一端部を前後方向に進退させる第1進退装置と、他方のサイドフレームと前記第1バネの他端部との間に設けられ、前記他端部を前後方向に進退させる第2進退装置と、を備える。
この構成によれば、従来のような複雑な形状の受圧部材を設けないので、シートバックの前面の一部の向きを変更する構造をシンプルにすることができる。
また、前記した構成において、前記第1バネは、上下方向に延び、かつ、左右方向に間隔を空けて配置される複数の直線部と、隣り合う2つの直線部の間に配置され、かつ、上または下に向けて凸となる複数の屈曲部とを有し、前記第1進退装置および第2進退装置は、前記第1バネの上下方向の中心に対して上下方向の一方に片寄って配置され、前記複数の屈曲部のうち、前記第1進退装置に最も近い第1屈曲部と、前記第2進退装置に最も近い第2屈曲部は、前記上下方向の他方に向けて凸となっていてもよい。
これによれば、第1屈曲部および第2屈曲部が各進退装置から離れる方向に向けて屈曲するので、第1バネが前後方向に変形する際に、屈曲部が進退装置に干渉するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記シートバックパッドは、クッション部材と、前記クッション部材よりも変形しにくい難変形部材と、を有し、前記難変形部材は、前記第1バネ、前記第1進退装置または前記第2進退装置に前後方向に隣接して配置されていてもよい。
これによれば、例えば第1進退装置の作動によって第1バネの一端部を前進させた際に、第1進退装置または第1バネが難変形部材に接触して当該難変形部材を前方に押す。また、第2進退装置の作動によって第1バネの他端部を前進させた際には、第2進退装置または第1バネが難変形部材に接触して当該難変形部材を前方に押す。そのため、進退装置からの力が、クッション部材の変形によって吸収される割合を減らすことができるので、シートバックの前面の一部を良好に傾動させることができる。
また、前記した構成において、上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、前記シートバックパッドを支持する第2バネをさらに備え、前記第1進退装置および第2進退装置は、前記第1バネの上下方向の中心に対して下方に片寄って配置され、前記第2バネは、前記第1進退装置および第2進退装置よりも下に設けられていてもよい。
これによれば、第2バネが各進退装置に対して上下にずれて配置されているので、第2バネが前後方向に変形する際において、第2バネが各進退装置に干渉するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記第2バネは、前記第1進退装置および前記第2進退装置よりも前に配置されていてもよい。
これによれば、シートバックパッドに乗員からの荷重が加わった際に、各進退装置よりも前に位置する第2バネによって荷重を先に受けることができるので、各進退装置に加わる荷重を小さくすることができる。
本発明によれば、従来のような板状の受圧部材を設けない分、部品点数を削減することができるので、シートバックの前面の一部の向きを変更する構造をシンプルにすることができる。
また、本発明によれば、第1進退装置に最も近い第1屈曲部と第2進退装置に最も近い第2屈曲部とを、各進退装置から離れる方向に向けて屈曲させることで、第1バネが前後方向に変形する際に、屈曲部が進退装置に干渉するのを抑えることができる。
また、本発明によれば、難変形部材を、第1バネ、第1進退装置または第2進退装置に前後方向に隣接して配置することで、進退装置からの力が、クッション部材の変形によって吸収される割合を減らすことができるので、シートバックの前面の一部を良好に傾動させることができる。
また、本発明によれば、第2バネを各進退装置よりも下に設けることで、第2バネが前後方向に変形する際に、第2バネが各進退装置に干渉するのを抑えることができる。
また、本発明によれば、第2バネを各進退装置よりも前に配置することで、シートバックパッドに乗員からの荷重が加わった際に、各進退装置よりも前に位置する第2バネによって荷重を先に受けることができるので、各進退装置に加わる荷重を小さくすることができる。
一実施形態に係る乗物用シートとしての車両用シートの斜視図である。 車両用シートに内蔵されるシートフレームの斜視図である。 シートフレームを構成するシートバックフレームの正面図である。 揺動機構を示す拡大斜視図である。 揺動機構を分解して示す分解斜視図である。 揺動機構の動作を示す平面図である。 シートバックパッドを裏側から見た斜視図である。 車両が直進状態であるときの揺動機構とシートバックパッドの動きを示す図である。 ステアリングを所定角度まで右に回したときの揺動機構とシートバックパッドの動きを示す図である。 ステアリングを所定角度より大きな角度まで右に回したときの揺動機構とシートバックパッドの動きを示す図である。 シートバックパッドの変形例を示す図である。
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、乗物用シートの一例としての車両用シートの全体構成を簡単に説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
図1に示すように、車両用シートSは、自動車の運転席に使用されるシートであり、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを主に備えている。
シートクッションS1およびシートバックS2には、図2に示すようなシートフレームFが内蔵されている。シートフレームFは、シートクッションS1のフレームを構成するシートクッションフレームF1と、シートバックS2のフレームを構成するシートバックフレームF2とから主に構成されている。シートクッションS1は、シートクッションフレームF1に、ウレタンフォームなどのクッション材からなるシートクッションパッドと、合成皮革や布地などからなる表皮材を被せることで構成されている。シートクッションフレームF1は、自動車のフロアにスライドレールSLを介して設置されている。これにより、車両用シートSは、前後位置を調整可能となっている。
シートバックS2は、シートバックフレームF2に、クッション材からなるシートバックパッド60(図7参照)と、合成皮革や布地などからなる表皮材を被せることで構成されている。シートバックフレームF2は、その下部がシートクッションフレームF1の後部にリクライニング機構RLを介して回動自在に連結されている。これにより、シートバックS2は、シートクッションS1に対し前後に傾動可能となっている。
なお、本明細書において、前後、左右および上下は、リクライニング機構RLによってシートバックS2が倒されていない状態の車両用シートSに着座した乗員を基準とする。
シートバックフレームF2は、上部フレーム10と、左右のサイドフレーム20と、下部フレーム30とを主に有して構成され、上部フレーム10、左右のサイドフレーム20および下部フレーム30が溶接などによって一体に結合された枠状に形成されている。
上部フレーム10は、略U形状に屈曲するパイプ材で構成されており、左右方向に延びる横パイプ部11の前側には、ヘッドレストS3を取り付けるための左右一対のサポートブラケット12が溶接によって固定されている。また、上部フレーム10の上下方向に延びる左右の縦パイプ部13は、それぞれ、その下部に結合される左右のサイドフレーム本体部21と一体となって左右のサイドフレーム20を構成している。
左右のサイドフレーム本体部21は、金属板をプレス加工するなどして断面視略U形状に形成され、左右方向に対向して配置されている。サイドフレーム本体部21は、その上部において縦パイプ部13を抱持した状態で縦パイプ部13と結合されており、その下部が上部よりも前方に向けて張り出す張出部22を有する形状に形成されている。
そして、枠状のシートバックフレームF2の内側には、第1バネの一例としての第1Sバネ41と、第1進退装置の一例としての右側揺動機構50Rと、第2進退装置の一例としての左側揺動機構50Lと、第2バネの一例としての第2Sバネ42とが配置されている。なお、図2や図3等においては、揺動機構50R,50Lを適宜簡略化して図示している。
図2および図3に示すように、第1Sバネ41は、上下方向の所定範囲において上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、シートバックパッド60を直接支持することが可能な位置に配置されている(図8参照)。詳しくは、第1Sバネ41は、乗員の肩から胸の辺りの位置に配置されている。
第1Sバネ41は、上下方向に延び、かつ、左右方向に間隔を空けて配置される複数の直線部41aと、隣り合う2つの直線部41a,41aの間に配置され、かつ、上または下に向けて凸となる複数の屈曲部41bとを有している。詳しくは、各直線部41aの上に配置される複数の屈曲部41bは、上に向けて凸となり、隣り合う2つの直線部41a,41aの上端部に接続され、各直線部41aの下に配置される複数の屈曲部41bは、下に向けて凸となり、隣り合う2つの直線部41a,41aの下端部に接続されている。
上側の複数の屈曲部41bは、上下方向で同じ位置に配置され、下側の複数の屈曲部41bは、上下方向で同じ位置に配置されている。そして、複数の屈曲部41bのうち、右側揺動機構50Rに最も近い第1屈曲部B1と、左側揺動機構50Lに最も近い第2屈曲部B2は、上に向けて凸となっている。
また、複数の直線部41aのうち、右側揺動機構50Rに最も近い第1直線部A1と、左側揺動機構50Lに最も近い第2直線部A2は、下端部(先端部)が上端部(基端部)よりも左右方向内側に位置するように折り曲げられている。詳しくは、各直線部A1,A2は、屈曲部B1,B2から下方に向けて延びる基端部と、基端部の下端から左右方向内側および下側に向けて延びる傾斜部と、傾斜部の下端から下方に向けて延びる先端部とを有している。そして、各直線部A1,A2の基端部は、各揺動機構50R,50Lに回動可能に支持されている。
第2Sバネ42は、第1Sバネ41と略同様のSバネであり、上下方向の所定範囲において上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、シートバックパッド60を直接支持することが可能な位置に配置されている。詳しくは、第2Sバネ42は、各揺動機構50R,50Lよりも下であって、かつ、各揺動機構50R,50Lよりも前に配置されている。
第2Sバネ42は、上下方向に延び、かつ、左右方向に間隔を空けて配置される複数の直線部42aと、隣り合う2つの直線部42a,42aの間に配置され、かつ、上または下に向けて凸となる複数の屈曲部42bとを有している。最も左右外側に配置される2つの直線部42aは、前述した第1直線部A1および第2直線部A2と略同様に構成されている。最も左右外側に配置される各直線部42aは、サイドフレーム本体部21に固定されたL字ブラケットBRに係合している。
右側揺動機構50Rは、第1Sバネ41の右端部を前後方向に進退させる機構であり、右側のサイドフレーム20と第1Sバネ41の右端部との間に設けられている。左側揺動機構50Lは、第1Sバネ41の左端部を前後方向に進退させる機構であり、左側のサイドフレーム20と第1Sバネ41の左端部との間に設けられている。各揺動機構50R,50Lは、図示せぬ制御装置によって制御されることで、車両の旋回方向と同じ方向に第1Sバネ41を揺動するようになっており、これにより、乗員にかかる荷重(遠心力)を第1Sバネ41で受けることが可能となっている。
なお、制御装置による制御方法としては、様々な方法を採用できる。一例を挙げるとすると、例えば、車輪速センサと操舵角センサからの信号に基づいて横加速度や旋回方向を算出し、当該横加速度が所定の閾値を超えたときに、旋回方向の外側の揺動機構を作動させ、当該揺動機構によって第1Sバネ41の旋回方向の外側の端部を前方に押し出すような方法が挙げられる。
各揺動機構50R,50Lは、第1Sバネ41の上下方向の中心CLに対して下方に片寄って配置されている。言い換えると、各揺動機構50R,50Lの下端から中心CLまでの距離は、各揺動機構50R,50Lの上端から中心CLまでの距離よりも長くなっている。各揺動機構50R,50Lは、左右対称な構造となっている。以下の説明では、右側揺動機構50Rの構造を代表して説明し、左側揺動機構50Lについては説明を省略する。
図4および図5に示すように、右側揺動機構50Rは、主に、アクチュエータ51と、保持ブラケット52と、第1リンク部材53と、第2リンク部材54と、トーションバネ55とを備えて構成されている。
アクチュエータ51は、第1リンク部材53および第2リンク部材54を回動させるための駆動源であり、ステッピングモータ51Aと、ギヤボックス51Bと、出力軸51Cとを備え、出力軸51Cが上下方向に沿うように配置されている。そして、ステッピングモータ51Aからの駆動力がギヤボックス51Bで減速されて出力軸51Cに伝達されることで、出力軸51Cが所定角度で回動するようになっている。
保持ブラケット52は、略半円状の板状部材であり、円弧状に形成された取付面52Aを介して縦パイプ部13(サイドフレーム20)に溶接等により固定されている。また、保持ブラケット52には、アクチュエータ51の出力軸51Cを貫通させるための貫通孔52Bが形成されている。そして、保持ブラケット52の下面には、図示せぬネジ等によりアクチュエータ51の上端面51Dが固定されている。
第1リンク部材53は、長尺状に形成される板状部材であり、その一端部がアクチュエータ51の出力軸51Cに固定されることで、他端部が出力軸51Cを中心に前後方向に揺動可能となっている(図6参照)。すなわち、第1リンク部材53は、サイドフレーム20に対して回動可能となっている。
具体的に、第1リンク部材53の一端部には、出力軸51Cの断面視D型の先端部と係合する断面視D型の係合孔53Aが形成され、他端側には、第2リンク部材54の揺動中心となる段付ボルト56およびカラー57が挿入される挿入孔53Bが形成されている。また、第1リンク部材53のうち挿入孔53Bの一端側と他端側には、それぞれ、第2リンク部材54の揺動範囲を規定する2つの矩形板状の規制壁58を固定するための矩形の嵌合穴53Cが1つずつ形成されている。
これにより、第2リンク部材54が第1リンク部材53に対して揺動しすぎてしまうのを、2つの規制壁58で規制することが可能となっている。さらに、第1リンク部材53のうち係合孔53Aと挿入孔53Bとの間には、トーションバネ55の一端部55Aを固定するための固定穴53Dが形成されている。
第2リンク部材54は、前述した段付ボルト56、カラー57およびナット59によって第1リンク部材53に回動可能に設けられている。具体的に、第2リンク部材54の一端部には、段付ボルト56の軸部56Aを挿通させる挿通孔54Aが形成されている。一方、段付ボルト56は、軸部56Aと、軸部56Aよりも大径で、かつ、頭部56Bよりも小径に形成される中径部56Cを有している。
カラー57は、第1リンク部材53の挿入孔53Bに回動可能に支持されるとともに、段付ボルト56の軸部56Aが挿通される円筒部57Aと、円筒部57Aの上端から径方向外側に延びるフランジ部57Bとを有している。円筒部57Aは、フランジ部57Bが第1リンク部材53の上面に当接した状態において、第1リンク部材53の下面から僅かに突出するように形成されている。
フランジ部57Bは、段付ボルト56の中径部56Cとの間で第2リンク部材54を挟み込んで支持するとともに、カラー57が第1リンク部材53から下方に抜けるのを抑える抜け止めとして機能している。ナット59は、カラー57の円筒部57Aの下端から下方に突出する段付ボルト56の軸部56A(ネジ部)に捩じ込まれることで、カラー57の下端に締結されるようになっている。そして、ナット59は、カラー57に締結された状態において、カラー57が第1リンク部材53から上方に抜けるのを抑える抜け止めとして機能している。
つまり、第2リンク部材54は、第1リンク部材53に対して、段付ボルト56、カラー57およびナット59とともに一体に揺動可能となっている。また、第2リンク部材54の他端部(挿通孔54Aとは反対側の端部:以下、先端部)には、図6に示すように、前述した第1Sバネ41の端部が回動可能に係合する連結孔54Bが形成されている。
これにより、第1リンク部材53が後方の初期位置(実線の位置)から前方に揺動すると、第2リンク部材54の先端部が第1Sバネ41によって左右方向外側に移動することが規制されることで、第2リンク部材54が第1リンク部材53に対して離れる(開く)方向に揺動するようになっている。また、第1リンク部材53が前方の位置(2点鎖線の位置)から初期位置に揺動すると、後述するトーションバネ55によって、第2リンク部材54が第1リンク部材53に対して近づく(閉じる)方向に揺動するようになっている。
図5に示すように、第2リンク部材54のうち挿通孔54Aと連結孔54Bとの間には、トーションバネ55の他端部55Bを固定するための固定穴54Cが形成されている。
トーションバネ55は、第1リンク部材53と第2リンク部材54との間(機構的な間)に配置され、第1リンク部材53と第2リンク部材54とを互いに引き寄せるような付勢力を発生するように構成されている。すなわち、トーションバネ55は、第2リンク部材54を第1リンク部材53に対する初期位置(図6に実線で示す位置)に付勢するように構成されている。これにより、トーションバネ55の付勢力によって第2リンク部材54を初期位置に戻すことが可能となっている。
具体的に、トーションバネ55は、コイル部55Cと、コイル部55Cの下端から径方向外側に延びた後下方に延びるL字状の第1アーム部55Dと、コイル部55Cの上端から径方向外側に延びた後下方に延びるL字状の第2アーム部55Eとを有している。
そして、トーションバネ55のコイル部55Cは、段付ボルト56の中径部56C(第2リンク部材54の第1リンク部材53側の回動軸)を囲うように配置されている。これにより、例えばトーションバネのコイル部を第2リンク部材の回動軸を囲わないように配置する構造に比べ、右側揺動機構50Rのコンパクト化を図ることが可能となっている。
図7に示すように、シートバックパッド60は、ウレタンフォームなどからなるクッション部材60Aと、クッション部材60Aよりも変形しにくい難変形部材60Bとを有している。クッション部材60Aは、乗員とシートバックフレームF2との間に配置されるベース部61と、ベース部61の上端部、左端部および右端部から後方に延びる上側部62、左側部63および右側部64と、上側部62の後端部から下方に延びる上フランジ部65と、左側部63の後端部から左右方向内側に延びる左フランジ部66と、右側部64の後端部から左右方向内側に延びる右フランジ部67とを一体に有している。
難変形部材60Bは、左右方向に長い矩形のシート状の部材であり、例えば樹脂製の板状部材やクッション部材60Aよりも硬いクッション材からなり、ベース部61の裏側に一体に設けられている。なお、このようなシートバックパッド60の製造方法としては、例えばクッション部材60Aを形成する型内に難変形部材60Bをセットした後に、クッション部材60Aの材料を型内に注入する方法などが挙げられる。
図8に示すように、難変形部材60Bは、第1Sバネ41に前後方向で隣接する位置に配置されている。なお、図8〜図10においては、便宜上、第1Sバネ41を簡略化して図示している。
詳しくは、難変形部材60Bは、上下方向において第1Sバネ41よりも大きくなっており、第1Sバネ41は、上下方向において難変形部材60Bの範囲内に配置されている。なお、難変形部材60Bと第1Sバネ41は、乗員がシートバックパッド60に寄り掛かった状態において、接触するように配置されていればよく、例えば、乗員がシートバックパッド60に寄り掛かっていない状態においては、互いに僅かな隙間を空けて配置されていてもよいし、接触していてもよい。
ベース部61は、乗員の背中を支持する支持面61Aを有している。ベース部61の左右両側には、支持面61Aよりも前方に突出して、乗員の左右の腕を左右外側から支持する左右のサイドサポート部68L,68Rが一体に設けられている。各フランジ部65〜67(左フランジ部66および右フランジ部67のみ図示)は、シートバックフレームF2の裏側に回り込んでおり、ベース部61との間でシートバックフレームF2を挟み込んでいる。そして、この状態で、シートバックパッド60は、シートバックフレームF2に支持されている。
次に、揺動機構50R,50Lの動作について説明する。
図8〜図10に示すように、例えば車両を右方向(図示時計回り)に旋回させる場合には、左側揺動機構50Lが前方に揺動することで、第1Sバネ41が図示時計回りに揺動する。これにより、揺動する第1Sバネ41によって難変形部材60Bの左側部分が押されて、支持面61Aの一部の向き(乗員の肩部付近の部位)が右側に向けて傾くので、乗員に加わる遠心力を支持面61Aで良好に受けることができる。
以上、本実施形態によれば、次の各効果を奏することができる。
シートバックパッド60を直接支持する第1Sバネ41を各揺動機構50R,50Lで揺動させるので、従来のような複雑な形状の受圧部材を設ける構造に比べ、シートバックパッド60の支持面61Aの向きを左右に変更する構造をシンプルに構成することができる。
第1屈曲部B1および第2屈曲部B2が、上方に向けて凸、つまり各揺動機構50R,50Lから離れる方向に向けて屈曲するので、第1Sバネ41が前後方向に変形する際に、各屈曲部B1,B2が揺動機構50R,50Lに干渉するのを抑えることができる。
難変形部材60Bと第1Sバネ41を前後方向に隣接して配置することで、第1Sバネ41の揺動時に第1Sバネ41が難変形部材60Bを押すので、揺動機構50R,50Lからの力が、クッション部材60Aの変形によって吸収される割合を減らすことができ、支持面61Aを良好に傾動させることができる。
第2Sバネ42が各揺動機構50R,50Lに対して上下にずれて配置されているので、第2Sバネ42が前後方向に変形する際において、第2Sバネ42が各揺動機構50R,50Lに干渉するのを抑えることができる。
第2Sバネ42が各揺動機構50R,50Lよりも前に配置されることで、シートバックパッド60に乗員からの荷重が加わった際に、各揺動機構50R,50Lよりも前に位置する第2Sバネ42によって荷重を先に受けることができるので、各揺動機構50R,50Lに加わる荷重を小さくすることができる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。なお、以下の説明において、前記実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
前記実施形態では、難変形部材60Bを第1Sバネ41のみで押すように構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図11に示すように、各揺動機構50R,50Lによって難変形部材60Bを押すことができるように構成してもよい。具体的に、この形態では、難変形部材60Bが各揺動機構50R,50Lの第2リンク部材54に前後方向で隣接している。なお、難変形部材60Bと第2リンク部材54は、少なくとも揺動機構50R,50Lの作動時に接触するように構成されていればよい。つまり、難変形部材60Bと第2リンク部材54は、乗員がシートバックパッド60に寄り掛かっていない状態においては、互いに僅かな隙間を空けて配置されていてもよいし、接触していてもよい。
この構成によれば、第1Sバネ41だけでなく、左右のいずれかの揺動機構50R,50Lによっても難変形部材60Bを押すことができるので、支持面61Aの向きをより良好に変更することができる。
前記実施形態では、第1バネまたは第2バネとしてSバネ41,42を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばコイルバネなどであってもよい。
前記実施形態では、進退装置として揺動機構50R,50Lを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば油圧などで前後方向に進退するピストンを有する装置などであってもよい。また、揺動機構に設けるリンク部材の数は、前記実施形態のように2つに限らず、1または3つ以上であってもよい。
前記実施形態では、揺動機構50R,50Lを、第1Sバネ41の上下方向の中心CLに対して下方に片寄って配置したが、本発明はこれに限定されず、上方に片寄って配置してもよい。なお、この場合には、第1屈曲部と第2屈曲部を下方に向けて凸とすればよい。
前記実施形態では、第2リンク部材54を第1リンク部材53に対する初期位置に付勢するバネとしてトーションバネ55を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば板バネや線バネなどのその他の付勢部材であってもよい。
前記実施形態で示したシートフレームF(シートクッションフレームF1およびシートバックフレームF2)の具体的な構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、シートバックフレームF2の左右のサイドフレーム20は、パイプ状の縦パイプ部13と、板状のサイドフレーム本体部21とから構成されていたが、これに限定されず、サイドフレームは、パイプ状のフレームだけから構成されていてもよいし、板状のフレームだけから構成されていてもよい。
前記実施形態では、乗物用シートとして、自動車で使用される車両用シートSを例示したが、本発明はこれに限定されず、その他の乗物用シート、例えば、船舶や航空機などで使用されるシートに適用することもできる。
20 サイドフレーム
41 第1Sバネ
50L 左側揺動機構
50R 右側揺動機構
60 シートバックパッド
S 車両用シート
S2 シートバック

Claims (6)

  1. シートバックの左右のフレームを構成する左右のサイドフレームと、
    前記サイドフレームに支持されるシートバックパッドと、を備える乗物用シートであって、
    上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、前記シートバックパッドを直接支持する第1バネと、
    一方のサイドフレームと前記第1バネの一端部との間に設けられ、前記一端部を前後方向に進退させる第1進退装置と、
    他方のサイドフレームと前記第1バネの他端部との間に設けられ、前記他端部を前後方向に進退させる第2進退装置と、を備え
    前記第1バネは、上下方向に延び、かつ、左右方向に間隔を空けて配置される複数の直線部と、隣り合う2つの直線部の間に配置され、かつ、上または下に向けて凸となる複数の屈曲部とを有し、
    前記第1進退装置および第2進退装置は、前記第1バネの上下方向の中心に対して上下方向の一方に片寄って配置され、
    前記複数の屈曲部のうち、前記第1進退装置に最も近い第1屈曲部と、前記第2進退装置に最も近い第2屈曲部は、前記上下方向の他方に向けて凸となっていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記シートバックパッドは、クッション部材と、前記クッション部材よりも変形しにくい難変形部材と、を有し、
    前記難変形部材は、前記第1バネ、前記第1進退装置または前記第2進退装置に前後方向に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. シートバックの左右のフレームを構成する左右のサイドフレームと、
    前記サイドフレームに支持されるシートバックパッドと、を備える乗物用シートであって、
    上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、前記シートバックパッドを直接支持する第1バネと、
    一方のサイドフレームと前記第1バネの一端部との間に設けられ、前記一端部を前後方向に進退させる第1進退装置と、
    他方のサイドフレームと前記第1バネの他端部との間に設けられ、前記他端部を前後方向に進退させる第2進退装置と、を備え
    前記シートバックパッドは、クッション部材と、前記クッション部材よりも変形しにくい難変形部材と、を有し、
    前記難変形部材は、前記第1バネ、前記第1進退装置または前記第2進退装置に前後方向に隣接して配置されていることを特徴とする乗物用シート。
  4. 上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、前記シートバックパッドを支持する第2バネをさらに備え、
    前記第1進退装置および第2進退装置は、前記第1バネの上下方向の中心に対して下方に片寄って配置され、
    前記第2バネは、前記第1進退装置および第2進退装置よりも下に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  5. 前記第2バネは、前記第1進退装置および前記第2進退装置よりも前に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
  6. シートバックの左右のフレームを構成する左右のサイドフレームと、
    前記サイドフレームに支持されるシートバックパッドと、を備える乗物用シートであって、
    上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、前記シートバックパッドを直接支持する第1バネと、
    一方のサイドフレームと前記第1バネの一端部との間に設けられ、前記一端部を前後方向に進退させる第1進退装置と、
    他方のサイドフレームと前記第1バネの他端部との間に設けられ、前記他端部を前後方向に進退させる第2進退装置と、を備え
    上下方向に複数回屈曲しながら左右方向に延び、前記シートバックパッドを支持する第2バネをさらに備え、
    前記第1進退装置および第2進退装置は、前記第1バネの上下方向の中心に対して下方に片寄って配置され、
    前記第2バネは、前記第1進退装置および第2進退装置よりも下に設けられ、かつ、前記第1進退装置および前記第2進退装置よりも前に配置されていることを特徴とする乗物用シート。
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