JP6142968B1 - テレスコピックステアリングコラム及びステアリング装置 - Google Patents

テレスコピックステアリングコラム及びステアリング装置 Download PDF

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Abstract

ステアリングコラム(4a)は、前側に配置されたインナコラム(10a)の後部と、後側に配置されたアウタコラム(11a)の前部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能に構成されている。アウタコラム(11a)の前端部の下方部分に、幅方向に配置された段付ボルト(56)によりローラ(70)が回転自在に支持されている。ローラ(70)の外周面がインナコラム(10a)の下面に対し接触される。

Description

本発明は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの前後位置を調節可能とするステアリング装置を構成する、テレスコピックステアリングコラムに関する。
本願は、2015年10月21日に出願された特願2015−207040号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
操舵輪に舵角を付与する為のステアリング装置は、図21に示す様に、ステアリングホイール1の動きをステアリングシャフト2を介してステアリングギヤユニットに伝達し、左右の操舵輪3に舵角を付与する様に構成されている。ステアリングギヤユニットは、ステアリングシャフト2の回転に基づきタイロッド6を変位させる(押し引きする)ように構成される。この様なステアリング装置として、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール1の前後位置を調節可能とするテレスコピック式ステアリング装置に就いても、従来から知られている。
特開2014−104871号公報
本発明の態様は、前後位置調節に対する高い操作感が得らられる、テレスコピックステアリングコラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるテレスコピックステアリングコラムは、インナコラムと、アウタコラムとを備える。インナ、アウタ両コラムのうち、前側に配置されたインナコラムの後部と、後側に配置されたアウタコラムの前部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能としている。特にこのテレスコピックステアリングコラムにおいて、前記アウタコラムの前部の下方部分(例えば下端部)に、前記インナコラムの下面に対し(該インナコラムと前記アウタコラムとの中心軸同士を一致させた状態で)接触する事で、前記アウタコラムの内周面と前記インナコラムの外周面との隙間に基づき前記アウタコラムの後端部が下方に傾く(アウタコラムの前端部が該隙間に基づき上方に傾く)事を防止する押付部材を設けている。
本発明の別の態様にかかるステアリング装置は、ステアリングシャフトと、ステアリングコラムと、支持ブラケットと、調節ロッドと、を備える。ステアリングシャフトは、前側に配置されたインナシャフトの後部と後側に配置されたアウタシャフトの前部とを、トルク伝達を可能に且つ軸方向の相対変位を可能に嵌合する事により構成されている。前記ステアリングコラムは、前記ステアリングシャフトをその内側に例えば複数の転がり軸受により回転自在に支持している。前記支持ブラケットは、車体に対して支持されるもので、前記ステアリングコラムを構成するアウタコラムの前端部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を備える。前記調節ロッドは、前記アウタコラムの前端部にこのアウタコラムの軸方向に形成されたテレスコ調節用長孔と、前記各支持板部にそれぞれ形成された通孔(チルト機構を備える場合には、通孔を上下方向に長いチルト調節用長孔とし、チルト機構を備えない場合には、通孔を単なる円孔とする)とに挿通されるものである。特に、このステアリング装置において、前記ステアリングコラムとして、本発明のテレスコピックステアリングコラムを使用している。
本発明の別の態様にかかるステアリング装置は、筒体を有するアウタコラムと、前記筒体の少なくとも1つの端部で前記筒体に囲まれたインナコラムであり、前記インナコラムに対する前記アウタコラムの相対的な軸方向の位置が調節可能である、前記インナコラムと、前記アウタコラムに設けられた機構であり、前記筒体の前記端部の近傍に配置されかつ前記インナコラムに当接されるローラを有する、前記機構と、を備える。一例において、前記機構は、前記筒体の径方向に関して弾性構造を有することができる。
本発明の態様によれば、前後位置調節に対する高い操作感が得られる、テレスコピック式ステアリング装置が提供される。
本発明の実施の形態の第1例を示す、ステアリング装置の側面図。 一部を省略して示す図1のA−O−O−A拡大断面図。 アウタコラム及びアッパブラケットを取り出し、後方且つ下方側から見た状態を示す斜視図。 アウタコラム及びアッパブラケットを取り出し、後方且つ上方側から見た状態を示す斜視図。 アウタコラム及びインナコラム(テレスコピックステアリングコラム)を取り出し、前方且つ下方側から見た状態を示す斜視図。 アウタコラムを取り出し、前方且つ上方側から見た状態を示す斜視図。 アウタコラム及びインナコラムを取り出し、幅方向片側から見た状態を示す側面図。 アウタコラム及びインナコラムを取り出し、幅方向他側から見た状態を示す側面図。 図7の下方から見た状態を示す底面図。 図7の左側から見た状態を示す前側端面図。 図7の右側から見た状態を示す後側端面図。 図7のB−B断面図。 図7のC−C断面図。 図7のD−D断面図。 図14のE部拡大図。 押付部材を構成する転がり軸受及びカラーと、ボルトを取り出して示す分解斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す図14に相当する図。 図16に相当する図。 本発明の実施の形態の第3例を示す図14に相当する図。 図16に相当する図。 車両に搭載したステアリング装置の1例を示す略斜視図。 従来構造のステアリング装置の1例を示す略側面図。 図22のF−F断面図。 従来構造のステアリング装置の問題点を説明する為に示す部分断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜16を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、ステアリングホイール1と、ステアリングシャフト2aと、ステアリングコラム4aと、締め付け機構101と、操舵力補助装置(アシスト装置、電動式パワーステアリング装置)5aと、ステアリングギヤユニット7とを備える。尚、本明細書及び特許請求の範囲で、前後方向、幅方向(左右方向)、及び、上下方向とは、別段の定義がない限り、ステアリングコラム4aが組み付けられる車両(車体)に関する方向を意味する。また、「軸方向」は、別段の定義がない限り、ステアリングシャフト2aの軸方向又はアウタコラム11aの軸方向を意味する。
ステアリングシャフト2aは、比較的前方に配されるインナシャフト8aと、比較的後方に配されるアウタシャフト9aとを有する。ステアリングコラム4aは、車体15aに支持されている。例えば、ステアリングコラム4aは、円筒形状を有する。代替的に、ステアリングコラム4aは、円筒形状以外の形状を有することができる。ステアリングコラム4aは、ステアリングシャフト2aの少なくとも一部を内包する。ステアリングコラム4aの内側に、ステアリングシャフト2aが挿通されている。ステアリングコラム4aの内径側にステアリングシャフト2aが、図示しない複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト2aの一部は、前記ステアリングコラム4aの後端開口よりも後方に突出して配されている。ステアリングシャフト2aの後端部分に、ステアリングホイール1(図21、22参照)が固定されている。
ステアリングコラム4aの前端部近傍に、補助力付与の為の動力源となる電動モータ32a(アシスト装置5a)が配置されている。電動モータ32aは、ステアリングコラム4aの前端部に固定されたギヤハウジング12aに支持されえいる。インナシャフト8aの一部は、ギヤハウジング12a内に挿入されている。インナシャフト8aの前端部が、操舵力補助装置5aにおける所定軸に結合されている。例えば、操舵力補助装置5aにおいて、所定軸にトーションバー等を介して連結された軸がギヤハウジング12の前端面から突出している。電動モータ32aの出力トルク(補助力)が、ギヤハウジング12a内に設けられた減速機を介して、ステアリングシャフト2aに付与される。ギヤハウジング12aは、ロアブラケット14aを介して、車体15aに支持固定されている。
本例において、ステアリング装置は、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構(位置調整機構の一例)、及び、ステアリングホイール1の前後位置を調節する為のテレスコピック機構(位置調節機構の一例)の両方を備えている。代替的に、ステアリング装置は、テレスコピック機構を備え、チルト機構を備えないようにできる。
テレスコピック機構に関して、インナシャフト8aとアウタシャフト9aとは、回転力を伝達可能に、且つ、軸方向に関する相対変位可能に組み合わされている。例えば、ステアリングシャフト2aは、スプライン係合構造を有する。インナシャフト8aとアウタシャフト9aとが軸方向に相対変位する(ステアリングシャフト2aが伸縮する)ことでステアリングホイール1の前後位置の調節が可能である。また、強い衝撃を受けた場合にも、上記相対変位により、ステアリングシャフト2aの全長が縮まることができる。ステアリングコラム4aは、比較的前方に配置されるインナコラム10aと、比較的後方に配置されるアウタコラム11aとを有する。インナコラム10aは、その一部がアウタコラム11aに挿入され、インナコラム10aがアウタコラム11aに対して軸方向に相対移動可能となるように配されている。インナコラム10aの一部がアウタコラム9aに囲まれている。インナコラム10aとアウタコラム11aとの軸方向の相対位置(アウタコラム11aに対するインナコラム10aの挿入長さ)が変化することにより、ステアリングコラム4aの全長が変化する。換言すると、ステアリングコラム4aを、前方に配置したインナコラム10aの後端部に、後方に配置したアウタコラム11aの前端部を、軸方向に関する相対変位を可能に緩く嵌合して、全長を伸縮可能にしている。ステアリングコラム4aは、アッパブラケット(支持ブラケット)17aにより、車体15aに支持されている。アウタコラム11aは、アッパブラケット17aに対し、前後方向に移動可能に支持されている。支持ブラケット17aは、強い衝撃を受けた場合に、離脱(脱落)できる様に、係止カプセル18aを介して、車体15aに支持されている。
チルト機構に関し、インナコラム10aの一端は、ロアブラケット14aにより、ギヤハウジング12aを介して、車体15aに支持されている。ロアブラケット14aは、幅方向に沿って(幅方向に実質的平行に)配置されたチルト軸16aを中心として、ギヤハウジング12aを揺動自在に支持している。ステアリングコラム4aが車体15aに対して、幅方向に設置したチルト軸16aを中心とする揺動変位を可能に支持されている。アウタコラム11aは、アッパブラケット17aに対し、上下方向に移動可能に支持されている。
本例において、前記アウタコラム11aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金等の軽合金製とされ、前半部に配置された枠体(本体部分、被挟持部本体)34と後半部に配置された筒体(円筒状部)35とが軸方向に並べられかつ一体的に結合された構成を有する。代替的に、アウタコラム11aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金等の軽合金製の枠体(本体部分、被挟持部本体)34と、炭素鋼板等の鉄系合金製の筒体(円筒状部材)35とを軸方向に結合する事により構成できる。代替的及び/又は追加的に、アウタコラム11aは、別の材料及び/又は別の構成を有することができる。枠体34は、アッパブラケット17aに対して、前後方向及び上下方向に移動可能に支持されている。枠体34の下面に、軸方向に伸長した軸方向スリット(第1スリット部)36が形成されている。軸方向スリット36の前端部は、枠体34の前端面で開口している。さらに、枠体34の下半部において、前端寄り部分及び後端寄り部分に、それぞれ周方向に伸長した周方向スリット37a、37bが形成されている。前方側の周方向スリット37aは、軸方向スリット36の前端寄り部分を周方向に交差する状態で形成されている。後方側の周方向スリット37bは、軸方向スリット36の後端部を周方向に交差する状態で形成されている。枠体34の幅方向両側において、軸方向スリット36と周方向スリット37aと、周方向スリット37bとにより三方を囲まれた、クランプ部38が形成されている。
各クランプ部38、38のいて、軸方向スリット36及び方向スリット37a、37bにより3つの側が連続的に開放されており、残りの1つの側が枠体34とつながっている。すなわち、クランプ部38において、少なくとも、軸方向に沿って離間して並ぶ2つの側と、軸方向と交差する第1方向(第1交差方向。本例では概ね上下方向)における1つの側とに、連続する非固定端が形成されている。また、クランプ部38において、第1方向における他の1つの側が固定端である。換言すると、クランプ部38は、軸方向に延在する固定端を有する片持ち梁構造を有する。クランプ部38は、枠体34の他の部分に比べて、少なくとも幅方向に関する剛性が低く、幅方向に弾性変形可能(内径を弾性的に拡縮可能)である。例えば、各クランプ部38、38は、部分円筒面状の内周面を有する。クランプ部38、38は、軸方向スリット36の周方向両側に隣接して設けられている。クランプ部38、38は、軸方向及び周方向(又は第1方向)に伸長した形状を有している。各クランプ部38、38の幅方向外側面の下端部には、幅方向(第2方向)外側に突出する状態で、張出板部(張出部)39、39が設けられている。各張出板部39、39の幅方向(第2方向)外側面に、締め付け機構101の締め付け力を受ける作用面(第3面、第3作用面、押圧面)40、40が形成されている。例えば、作用面40は、平坦面状を有する。追加的に及び/又は代替的に、作用面40は、平坦状以外の形状を有することができる。又、張出板部39、39の上面(壁の側面)と、クランプ部38、38の幅方向外側面のうち、円筒面状の上端部乃至中間部との間に、補強リブ51、51が設けられている。各側において、複数の補強リブ51(図では5つの例)は、幅方向に伸長して設けられ、前後方向(軸方向)に互いに離隔して配されている。なお、本例において、第1方向は、車体の幅方向と交差するとともに、軸方向に対して直交する。あるいは、第1方向は、アウタコラム11aの周方向に相当できる。代替的に、第1方向は、軸方向に対して直交とは異なる状態で交差する方向にできる。第2方向は、軸方向及び第1方向に交差する方向とする。締め付け機構101の実質的な締め付け方向が第2方向と一致してもよい。本例では、第2方向は、概ね車体の幅方向に一致する。代替的及び/又は追加的に、第2方向は、車体の幅方向以外の方向を含むことができる。
アウタコラム11aは、第2方向(本例では概ね車体の幅方向)におけるアウタコラム11aの両側の間でブリッジされる補強ブリッジ部(補強部、補強構造、補強部材)41を有する。補強ブリッジ部41は、幅方向(第2方向)におけるアウタコラム11aの両側の間で実質的に連続的に延在し、幅方向(第2方向)におけるアウタコラム11aの両側の間を物理的につなぐように設けられている。本例において、枠体34の下方部分に、両クランプ部38、38を下方から覆うように、補強ブリッジ部41が設けられている。補強ブリッジ部41は、アウタコラム11aと一体的に設けられている。補強ブリッジ部41は、補強板部42と、1対の連結部43a、43bとを有する。補強ブリッジ部41は、幅方向から見た形状が略U字形(コ字形)を有する。補強板部42は、クランプ部38、38の下方に配置されており、幅方向及び前後方向に伸長する状態で設けられている。本例において、補強板部42は、アウタコラム11aの中心軸に平行に配置された平板部44と、平板部44の幅方向両端部下面から下方に伸長する状態で設けられた1対の下方延出部45、45とを備える。補強板部42は、断面略U字形(コ字形)を有する。補強板部42(平板部44)の前端部の幅方向中間部には、上下方向に貫通する切り欠き46が形成されている。平板部44の幅方向中間部下面と下方延出部45、45の幅方向内側面との間に、幅方向に伸長した平板状の補強用連結板52、52を、前後方向に離隔した状態で複数(図示の例では3つ)設けられている。
本例において、比較的前方に配置された連結部43aは、補強板部42の前端部の幅方向両側部分(切り欠き46の両側部分)から上方に伸長するように設けられている。連結部43aは、枠体34の前端部下面のうち、周方向スリット37aの前側に隣接した部分で、且つ、軸方向スリット(第1スリット部)36を挟んだ周方向両側部分に連結されている。又、比較的後方に配置された連結部43bは、補強板部42の後端部から上方に伸長するように設けられている。連結部43bは、枠体34の後端部下面のうち、軸方向スリット36の後端部の後側に隣接した部分に連結されている。代替的及び/又は追加的に、補強ブリッジ部41は、上記とは異なる構成を有することができる。
本例において、アウタコラム11aは、上述の様な補強ブリッジ部41を備える事で、高い捩り剛性を有する。補強ブリッジ部41と各クランプ部38、38との間に、幅方向(第2方向)から見た形状が略U字形(コ字形)の隙間(スリット)47、47が形成されている。各隙間47、47は、少なくとも軸方向(アウタコラム11aの軸方向、ステアリングシャフト2aの軸方向)に延びるテレスコ調節用長孔(軸方向スリット、第1スリット部、第一通孔)21a、21aと、長孔21a、21aに連続して設けられ、長孔21a、21aと交差する方向に延びる周方向スリット(第2スリット部)37a、37bとを有する。クランプ部38、38は、長孔21a、21aに隣接して設けられる。長孔21a、21aは、軸方向(アウタコラム11aの軸方向、ステアリングシャフト2aの軸方向)に沿った長軸を有する。長孔21a、21aは、各クランプ部38、38の先端部(下端部)と、補強板部42(平板部44)の上面との間に存在する空間を形成する。長孔21a、21aには、調節ロッド24aが幅方向に挿通される。
アウタコラム11aは、幅方向の2つの側面の各々に設けられた、作用面(第1面、第1作用面、第1当接面、トルク伝達面)49aと、作用面(第2面、第2作用面、第2当接面、トルク伝達面)49bとを有する。作用面49aと作用面49bとは、軸方向(アウタコラム11aの軸方向、ステアリングシャフト2aの軸方向)と交差する方向である第1方向(第1交差方向)に互いに離間して配される。また、第1方向において、作用面49aと作用面49bとの間にクランプ部38(及び作用面40)が配される。本例において、調節ロッド24aは、第1方向における作用面49aと作用面49bとの間に配され、クランプ部38の作用面40は、第1方向における作用面49aと調節ロッド24aとの間に配される。また、軸方向スリット36(長孔21a)は、第1方向における作用面49aと作用面49bとの間に配される。本例において、アウタコラム11aに作用するトルク(捩り方向の力)は、作用面49a及び作用面49bを介して、アッパブラケット17aにおける支持板部22a、22aの内側面に伝達され得る。
本例において、作用面49aは、第1方向におけるインナコラム10aの外形の範囲内に配される。作用面49bは、第1方向におけるインナコラム10aの外形の範囲外に配される。さらには、作用面49bは、アウタコラム11aの筒体35の外形の範囲外に配される。また、第1方向において、作用面49aはインナコラム10aの中心軸の比較的近傍に配され、作用面49bはインナコラム10aの中心軸から比較的離れて配される。アウタコラム11a(枠体34)の幅方向両側には、第1方向(又は上下方向)に関してアウタコラム11aの中心軸と重なる部分に、幅方向(第2方向)外方に突出するように突条部50a、50aが設けられている。突条部50aは、アウタコラム11aに延在して設けられている。突条部50aの先端(幅方向外側面)に、作用面49a、49aが設けられている。下方延出部45、45の幅方向外側面のうちの下端部には、幅方向(第2方向)外方に突出するように突条部50b、50bが設けられている。突条部50bは、アウタコラム11aの軸方向に延在して設けられている。突条部50bの先端(幅方向外側面)に、作用面49b、49bが設けられている。すなわち、作用面49a、49bは何れも、アウタコラム11aの軸方向に伸長した形状を有しており、クランプ部38に比べて軸方向において大きい長さを有する。例えば、作用面49a及び作用面49bはそれぞれ、平坦面状を有する。追加的に及び/又は代替的に、作用面49a及び作用面49bは、平坦状以外の形状を有することができる。作用面49a、49bは、クランプ部38、38に比べて、幅方向(第2方向)に関する高い剛性を有する。下方延出部45、45の幅方向外側面における上下方向中間部(突条部50bの上方)には、幅方向内方に向けて凹んだ凹部53、53が、前後方向に離隔した状態で複数(図示の例では6つ)設けられている。
本例において、図12に示す様に、アウタコラム11aに外力を加えていない状態(締め付けが開放された状態(第2状態))において、上方に設けられた1対の作用面49a、49a同士の幅寸法Haと、下方に設けられた1対の作用面49b、49b同士の幅寸法Hbと、クランプ部38、38の作用面40、40同士の幅寸法Hcとが互いに実質的に同じである(Ha=Hb=Hc)。すなわち、幅方向片側において作用面49aと、作用面49bと、作用面40とが、同一仮想平面上に位置している。また、、幅方向他側において作用面49aと、作用面49bと、作用面40とが、同一仮想平面上に位置している。作用面40、40は、第1方向において、作用面49a、49aと作用面49b、49bとの間に配される。代替的に、作用面49a、49a、作用面49b、49b、及び作用面40、40は、上記以外の配置関係を有することができる。例えば、クランプ部38、38によるクランプ力を上昇させる必要がある場合など、幅寸法Hcを、幅寸法Ha及び幅寸法Hbよりも大きくする事ができる(Hc>Ha=Hb)。
又、本例において、図7に示す様に、上方及び下方に配置された作用面49a、49bの前後方向寸法(X、Z)は、作用面40の前後方向寸法(Y)よりも大きい(X>Y、Z>Y)。さらに、作用面49aの前後方向寸法(X)は、作用面49bの前後方向寸法(Z)とほぼ同じである(X≒Z)。換言すると、テレスコ調節用長孔21aの前後方向中央部から作用面49aの前端縁部までの距離が、長孔21aの前後方向中央部から作用面49aの後端縁部までの距離とがほぼ同じになる様に設定されている。作用面49b及び作用面40の各々の前端縁部及び後端縁部についてもこれと同様である。
クランプ部38の作用面40は、所定の対称軸に対して実質的に対称な形状を有してもよく、対称軸に対して非対称でもよい。また、軸方向において、クランプ部38の中心(及び/又は作用面40の中心)が、作用面49a及び作用面49bの各中心と一致してもよく、オフセットしてもよい。また、クランプ部38の形状及び/又は構造が、作用面49a及び作用面49bに対して軸方向にオフセットして設けられてもよい。例えば、クランプ部38の中心(及び/又は作用面40の中心)が、アウタコラム11aの作用面49a及び作用面49bの各中心に対して前方(又は後方)に位置するようにできる。また、軸方向において、テレスコ調節用の長孔21aの中心が、作用面49a、作用面49b、及び作用面40の少なくとも1つと一致してもよく、オフセットしてもよい。例えば、クランプ部38の作用面40の中心が長孔21aの中心に対して前方に位置するようにできる。本例において、作用面40が軸方向にオフセットする事で、ステアリングホイール1(図21参照)の前後位置が変化した場合にも、調節レバー26aの操作力を変化しにくくする事ができる。具体的には、ステアリングホイール1を後方側に最大限変位させた場合、インナコラム10aの後端部とアウタコラム11aの前端部との嵌合代は比較的短く、作用面40は、インナコラム10aの後端側部分を締め付ける。この場合、インナコラム10aの後端側部分は中間部に比べて剛性が低いので、締付反力が比較的低く、調節レバー26aの操作力が比較的低い。そこで、作用面40が前方にオフセットしている事で、インナコラム10aにおける、後端側部分よりも剛性の高い中間部が押圧されるようになり、高い締付反力が得られる。又、ステアリングホイール1が比較的前方に位置し、インナコラム10aとアウタコラム11aとの嵌合代が大きい状態では、前後位置の位置調節に伴う、インナコラム10aの剛性の変化は比較的小さく、締付反力の変化も小さい。すなわち、上記オフセットにより、位置調節範囲の全体にわたり、ステアリングホイール1の前後位置の変化に伴う調節レバー26aの操作力の変化が抑制される。
本例において、補強ブリッジ部41における連結部43a、43bの上端部が、突条部50a、50bの前後方向両端部に連続している。但し、本例において、連結部43a、43bの幅方向外側面が、作用面49a、作用面49b、及び作用面40よりも幅方向内方に位置(オフセット)している。この場合、アッパブラケット17aにおける支持板部22a、22aの内側面が、連結部43a、43bの幅方向外側面に実質的に当接しない様にできる。
本例において、アウタコラム11aには、インナコラム10aに対するアウタコラム11a自身の姿勢を保持するための支持機構(姿勢保持機構)105が設けられいる。支持機構105は、ローラ70と、ローラ70を回転可能に支持する軸部58とを有する。ローラ70は、アウラコラム11aの筒体35の前端部の近傍に配置されかつインナコラム10aの周面に当接するように配される。軸部58は、アウタコラム11aの軸方向と交差する(直交する)方向(幅方向、第2方向)に沿った回転軸を有する、アウタコラム11a(枠体34)の前端部における軸方向スリット36の幅方向片側に隣接する部分に、下方に延出する状態(連結部43aから前方に延出する状態)で取付部54が設けられている。取付部54には、平板状で、幅方向に貫通するねじ孔55が形成されている。取付部54に対し、幅方向(水平方向)に配置された段付ボルト56が幅方向内側から片持ち式に固定されている。段付ボルト56は、頭部57と軸部58とを有する。頭部57には六角孔59が形成されている。軸部58は、基端側の大径部60と先端側の小径部61とを有する。大径部60の外周面は円筒面状である。小径部61の先半部外周面には雄ねじ部62が形成されている。小径部61に形成された雄ねじ部62が、ねじ孔55の内周面に形成された雌ねじ部63に螺合され、段付ボルト56が取付部54に固定されている。
大径部60の周囲には、転がり軸受(ラジアル軸受)64が設けられている。転がり軸受64は、それぞれが円環状で金属製の外輪65及び内輪66と、転動体(例えば玉やころ)67、67とを有する。転動体67、67は、外輪65の内周面に形成された外輪軌道と、内輪66の外周面に形成された内輪軌道との間に転動自在に設けられている。内輪66が大径部60に外嵌固定されている。小径部61の基半部に円筒状の間座(カラー)68が外嵌されている。間座68と頭部57との間で内輪66が段付ボルト56の軸方向両側から挟持されている。外輪65の外周面には、例えばポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)等の合成樹脂製又はゴム製等の弾性材製のカラー69が外嵌されている。本例において、ローラ(押付部材)70は、外輪65とカラー69とを有し、段付ボルト56の周囲で回転可能である。本例において、基準姿勢が保持されるように、インナコラム10aに対するローラ70の位置が設定されている。例えば、インナコラム10aとアウタコラム11aとの中心軸同士が概ね一致した状態(基準姿勢)のとき、インナコラム10aの下面に対しローラ70の外周面が当接する。より具体的には、ローラ70の上面(上端面)がインナコラム10aの幅方向中央部下面に当接する。支持機構(姿勢保持機構)105において、ローラ70の材質、支持構造(片持ち固定構造)、並びに設置場所の構造(アウタコラム11aにおける切欠き構造)等に基づき、アウタコラム11aの軸心に対してローラ70が弾性的に支持される。代替的及び/又は追加的に、支持機構105は別の構造を有することができる。
尚、本例において、アウタコラム11aの特に基本構成に就いて、別の観点から見た場合の簡単な説明を加えておく。本例のアウタコラム11aには、軸方向スリット36を幅方向両側から挟む状態で、1対の被挟持板部がアウタコラム11aと一体的に設けられており、両被挟持板部の先端部(下端部)同士を(補強板部42相当部分により)幅方向に連結している。又、両被挟持板部の幅方向外側面を、それぞれ略平坦面状の締付面としている。各締付面のほぼ中央位置に、アウタコラム11aの内周面にまで連通する、略U字形の隙間(スリット)47、47を形成し、この隙間47、47により囲まれた部分を、各クランプ部38、38としている。又、各締結面の上辺及び下辺を、それぞれ作用面49a、49bとしている。
図1、図28〜図30に示すように、アッパブラケット(支持ブラケット)17aは、例えば、鋼やアルミニウム系合金等の十分な剛性を有する金属板製からなる。アッパブラケット17aは、取付板部71と、1対の支持板部22a、22aとを有する。取付板部71は、通常時には車体15aに対し支持されている。二次衝突等の衝撃に基づいて取付板部71が前方に離脱し、アウタコラム11aの前方への変位を許容する様に、取付板部71が構成されている。取付板部71の後端縁には、開口する状態で、1対の係止切り欠き72、72が形成されている。係止切り欠き72、72に、ボルト又はスタッド等の固定部材により車体15aに固定された係止カプセル18aが係止されている。
支持板部22a、22aは、取付板部71から垂下するように設けられている。また、支持板部22a、22aは、アウタコラム11aの前端部(枠体34及び補強ブリッジ部41)を幅方向両側から挟む状態で互いに平行になるように、設けられている。一対の支持板部22a、22aは、幅方向(第2方向)におけるアウタコラム11aの両側に配される。支持板部22a、22aには、少なくとも上下方向(第1方向)に延在するチルト調節用長孔(第二通孔)23a、23aが形成されている。長孔23a、23aは、幅方向に関して対向する位置(互いに整合する位置)に設けられている。また、長孔23a、23aは、テレスコ調節用長孔21a、21aの前後方向の一部と整合するように設けられている。長孔23a、23aは、上下方向(第1方向)に沿った長軸を有する。支持板部22a、22aは、締め付け機構101を用いてアウタコラム11a(ステアリングコラム4a)を締め付け可能に配される。締め付け機構101は、調節ロッド24a、調節ナット25、及び調節レバー26a等(図1参照)を有する。テレスコ調節用長孔21a、21aとチルト調節用長孔23a、23aとに、調節ロッド24aが幅方向に挿通されている。
調節ロッド24aは、幅方向(調節ロッド24aの軸方向、第2方向)において、一端部に配置されたアンカ部と、他端部に形成された雄ねじ部と、中間部に形成された軸部とを備えている。調節ロッド24aは、テレスコ調節用長孔21a、21a及びチルト調節用長孔23a、23aに挿通して配置されている。調節ロッド24aの幅方向一端側には、アンカ部が設けられている。一方の支持板部22aに形成されたチルト調節用長孔23aに、アンか部が相対回転不能に係合されている。調節ロッド24a(軸部)において、幅方向他方側の支持板部22aの外側面から幅方向に突出した部分の周囲に、駆動側カムと被駆動側カムとから成るカム装置73及び調節レバー26aが設けられている。雄ねじ部にナット74が螺着されている。締め付け機構101において、調節レバー26aの揺動操作に基づいて、カム装置73お駆動側カムを被駆動側カムに対して相対回転させる事で、カム装置73の幅寸法(調節ロッド24aの軸方向における寸法)が拡縮する。
本例において、ステアリング装置は、車両用盗難防止装置の一種である、ステアリングロック装置を備える。アウタコラム11aにおいて、筒体35に、径方向に貫通するロック用透孔33aが形成されている。筒体35の外周面において、ロック用透孔33aから円周方向に外れた部分に、図示しないロックユニットを支持固定する為の固定部75が設けられている。固定部75には1対の取付フランジ76、76が設けられる。ロック用透孔33aの周囲には、取付フランジ76、76を用いてロックユニットが支持固定されるとともに、図示しないキーロックカラーがステアリングシャフト2aに外嵌固定(圧入)されている。キーロックカラーは、ステアリングシャフト2aの一部で、ロックユニットと軸方向に関する位相が一致する部分に配される。ロックユニットにおいて、イグニッションキーがOFFにされると、ロックユニットにおけるロックピンの先端部がアウタコラム11aの内径側に向けて変位し、キーロックカラーの外周面に形成されたキーロック凹部に係合される。これにより、ステアリングシャフト2aの回転が実質的に不能となる。すなわち、キーロック時におけるステアリングシャフト2aの実質的な回転不能状態において、キーロック凹部とロックピンの先端部とが係合される。ロックユニットには、回転不能状態を解除するための所定値(例えば、キーロックレギュレーションにより規定された値。限界値)が設定されている。ステアリングホイール1(図44参照)を通常の運転姿勢のまま操作する程度の力に対して、ステアリングシャフト2aの回転が防止される。ステアリングホイール1(図22参照)を所定値以上の力で回転させた場合には、キーロックカラー、並びにステアリングコラム4aに対してステアリングシャフト2aの回転が許容される。
以上の様な構成を有する本例において、締め付け機構101は、アッパブラケット(支持ブラケット)17aを介してアウタコラム11a(ステアリングコラム4a)が締め付けられた第1状態(第1態様、第1モード)と、その締め付けが開放された第2状態(第2態様、第2モード)とを有する。
ステアリングホイール1を所望位置に保持する際には、ステアリングホイール1が所望位置に移動された後、調節ロッド24aを中心として所定方向(一般的には上方)に締め付け機構101の調節レバー26aが揺動(回動)される。その結果、カム装置73の幅寸法が拡がり、支持板部22a、22aの内側面同士の間隔が縮まる。支持板部22a、22aの内側面により、作用面49a、49a、作用面49b、49b、及びクランプ部38、38の作用面40、40が押圧される。支持板部22a、22aの上下方向中間部、及びクランプ部38、38が幅方向内方に(軸心に向かって)撓み(弾性変形)、インナコラム10aの外周面がこれらによって弾性的に挟持(保持)される(締め付け方向(第2方向)に締め付けられる)。これにより、ステアリングホイール1が調節後の位置に保持される。
一方、ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、調節レバー26aが、所定方向とは逆方向(一般的には下方)に揺動(回動)される。その結果、カム装置73の幅寸法が縮み、両支持板部22a、22aの内側面同士の間隔が拡がる。支持板部22a、22aによる押圧力(締め付け力)が低下する為、クランプ部38、38の間の幅寸法が弾性的に広がり、インナコラム10aの外周面を保持する力が低下する(締め付けが開放される)。この第2状態において、調節ロッド24aが、テレスコ調節長孔21a、21a及びチルト調節用長孔23a、23a内で動ける範囲で、ステアリングホイール1の前後位置及び上下位置が調節可能である。
本例のステアリング装置において、幅方向(第2方向、締め付け方向)におけるアウタコラム11aの両側の各々に、作用面49a、49a、作用面49b、49b、及びクランプ部38、38の作用面40、40が設けられている。作用面49a、49a及び作用面49b、49bは、締め付け状態(第1状態)において、アッパブラケット17aの支持板部22a、22aに直接的に押される。クランプ部38、38の作用面40、40は、締め付け状態(第1状態)において、支持板部22a、22aに直接的に押される。作用面(第1面)49a、作用面(第2面)49b、及び作用面(第3面)40は、実質的に互いに独立した関係にある。作用面49a、49a及び作用面49b、49bは、アウタコラム11aの枠体34に設けられ、開放状態(第2状態)から締め付け状態(第1状態)への遷移においてインナコラム10aに対する位置が実質的に変化しない又はその変位量がわずかである。クランプ部38の作用面40は、開放状態(第2状態)から締め付け状態(第1状態)への遷移においてインナコラム10aに対する位置が比較的大きい変位量で変化する(インナコラム10aに向けて変位する)(変位面)。第1状態において、作用面49a、49aに作用する力により、主に、アウタコラム11aの中心軸の近傍位置で、アウタコラム11aと支持板部22a、22aとが結合される。第1状態において、作用面49b、49bに作用する力により、主に、アウタコラム11aの中心軸から離れた位置で、アウタコラム11aと支持板部22a、22aとが結合される。第1状態において、作用面40、40に作用する力により、主に、インナコラム10aがクランプ部38を介してアウタコラム11aに保持される。したがって、本例のステアリング装置において、アウタコラム11aの強度確保と、インナコラム10aの保持力確保とが同時かつ独立的に実現され、高い安定性を有する位置調節機構が提供される。
図22及び図23は、特許文献1に記載された、従来のステアリング装置を示している。従来のステアリング装置において、ステアリングホイール1の前後位置及び上下位置を調節可能とすべく、アッパブラケット17に対して、前後方向及び上下方向に移動可能にアウタコラム11が支持されている。アウタコラム11の前端部下面に、このアウタコラム11の軸方向に伸長するスリット19が形成されている。スリット19を幅方向両側から挟む状態で、1対のクランプ部20、20が、アウタコラム11と一体に形成されている。又、クランプ部20、20の互いに整合する位置に、それぞれ前後方向に長いテレスコ調節用長孔21、21が形成されている。更に、アッパブラケット17には、クランプ部20、20を幅方向両側から挟む状態で、1対の支持板部22、22が設けられている。支持板部22、22の一部で互いに整合し、且つ、テレスコ調節用長孔21、21の前後方向の一部と整合する部分に、上下方向に長いチルト調節用長孔23、23が形成されている。アッパブラケット17の支持板部22、22によりクランプ部20、20が挟持された状態で、テレスコ調節用長孔21、21及びチルト調節用長孔23、23に調節ロッド24が幅方向(図23の右から左)に挿通されている。調節ロッド24の他端には、調節ナット25を螺合されている。調節ナット25は、調節レバー26により回転可能である。
従来のステアリング装置において、調節レバー26の操作に基づいて調節ナット25が回転される。調節ナット25と調節ロッド24のアンカ部27との間隔の変化に伴い、アウタコラム11がアッパブラケット17に対し固定されたり、或いは固定が解除される。さらに、クランプ部20、20同士の間隔に伴い、アウタコラム11がインナコラム10に対し固定されたり、或いは固定が解除される。調節ナット25とアンカ部27との間隔が拡げられた状態では、調節ロッド24がテレスコ調節用長孔21、21の内側で前後方向に変位できる。この変位可能な範囲(テレスコピック調節範囲)内で、アウタコラム11が前後移動(インナコラム10に対し相対変位)することにより、ステアリングホイール1の前後位置を調節できる。更に、調節ロッド24がチルト調節用長孔23、23の内側で略上下方向に変位できる。この変位可能な範囲(チルト調節範囲)内で、ステアリングホイール1の上下位置を調節できる。この際、ステアリングコラム4は、チルト軸16を中心として、上下方向に揺動変位する。
操舵力補助装置5の出力軸13の前端部は、自在継手28を介して、中間シャフト29の後端部に連結されている。中間シャフト29の前端部に、別の自在継手30を介して、ステアリングギヤユニット7の入力軸31が連結されている。ステアリングギヤユニット7は、図示しないラック及びピニオンを備え、ピニオンに入力軸31が結合される。ピニオンと噛合するラックは、両端部にタイロッド6、6が連結される。ラックの軸方向変位に基づいてこれらタイロッド6、6が押し引きされる事で、操舵輪3(図21参照)に所望の舵角が付与される。操舵力補助装置5は、電動モータ32によりウォーム減速機を介して、出力軸13に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを付与することができる。
従来のステアリング装置において、ステアリングホイール1の位置を調節すべく、調節レバー26を介した操作により、支持板部22、22の内側面とクランプ部20、20の外側面との間の摩擦力が低下すると、アウタコラム11の後端部が下方に傾く場合がある。この理由は、アウタコラム11の後端部に、アウタシャフト9を介して、ステアリングホイール1の重量に基づき下方に向いた力が作用するからである。アウタコラム11の内周面とインナコラム10の外周面との間には、インナコラム10とアウタコラム11との間の軸方向に関する相対変位のために、或る程度の大きさの隙間が設けられている。
この場合、図24中に丸印で示したX部である、インナコラム10の後端縁部のうちの上端部とアウタコラム11の内周面との接触部の接触状態が線接触になる。さらに、図24に丸印で示したY部である、アウタコラム11の前端縁部の下端部とインナコラム10の外周面との接触部の接触状態が線接触になる。その結果、ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、アウタコラム11をインナコラム10に対し相対変位させる際に、引っ掛かり(こじれ)が生じ易い。この現象は、ステアリングホイール1の前後位置調節の操作感を低下させると共に、前後方向の操作荷重が大きくなる原因になる。特に、図示の構造の様に、ステアリングコラム2に操舵力補助装置5を組み合わせた、コラムタイプ型の電動パワーステアリング装置(コラムタイプEPS)の場合、ステアリングコラム4の設置スペースの制約上、インナコラム10とアウタコラム11との嵌合長が比較的短く設定される。その結果、アウタコラム11の傾斜角度が大きくなり易く、上述の様な問題を生じ易い。アウタコラムとインナコラムとの隙間を小さくする等の精密加工を施したり、インナコラムの端部外周縁部に面取り加工を施す事は、加工コストが嵩むといった新たな問題を招く。
特に、本例のステアリング装置においては、ステアリングホイール1の前後位置調節の操作感を向上できると共に、操作荷重を低く抑えられる。即ち、本例において、アウタコラム11aの前端部の下部に、ローラ70が回転自在に支持されており、インナコラム10aとアウタコラム11aとの中心軸同士が一致した状態で、インナコラム10aの幅方向中央部下面に対しローラ70の外周面が接触されている。支持板部22a、22aの内側面同士の間隔を拡げた場合にも、アウタコラム11aの内周面とインナコラム10aの外周面との間に存在する隙間に基づき、アウタコラム11aの後端部が下方(アウタコラム11aの前端部が上方)に傾く事を防止できる。つまり、隙間に基づきアウタコラム11aが傾く事を、ローラ70の外周面がインナコラム10aの外周面が上方に向けて押し付けられる事で防止される。この為、アウタコラム11aの中心軸とインナコラム10aの中心軸とが一致した状態が実質的に維持される(基準姿勢が保持される)。これに伴い、アウタシャフト9aの中心軸とインナシャフト8の中心軸とが一致した状態が実質的に維持される(スプライン部での芯ずれが防止される)。本例において、アウタコラム11aの前端縁部の下端部とインナコラム10aの外周面とが直接接触する事が抑制される。インナコラム10aの後端縁部における上端部とアウタコラム11aの内周面とが接触する事が抑制される。従って、ステアリングホイール1の前後位置を調節する際に、引っ掛かり(こじれ)が生じる事を有効に防止できる。この結果、本例の構造によれば、ステアリングホイール1の前後位置の調節時に、引っ掛かり(こじれ)が生じる事を防止し、前後位置調節の操作感を向上させられると共に、操作荷重を低く抑える事ができる。
しかも、本例において、ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、アウタコラム11aをインナコラム10aに対して前後方向に相対変位させる際に、ローラ70がインナコラム10aの下面に沿って転走可能である。この為、アウタコラム11aがインナコラム10aに対し前後方向に相対変位させる際に生じる摩擦抵抗が抑えられる。又、ローラ70の外周面が合成樹脂製のカラー69により構成されている為、金属同士の接触に基づき摺動する事が防止され、ローラ70を効果的に回転させる事ができる。更に、カラー69が弾性変形するなど、支持機構(姿勢保持機構)が弾性構造を有する事で、インナコラム10aの外周面とアウタコラム11aの内周面との間の隙間のばらつきが吸収される。又、本例において、ローラ70を、アウタコラム11aの取付部54にねじ止め固定した段付ボルト56を利用して支持している為、ローラ70をアウタコラム11aに対し容易に組み付ける事ができる(組立性が良好である)。又、ローラ70がインナコラム10aの幅方向中央部に位置する為、1個のローラ70で、インナコラム10aに対するアウタコラム11aの傾きが有効に防止されるとともに、アウタコラム11aを前後方向に滑らかに移動させる事ができる。
本例において、、コラムEPSの構成を採用するなど、アウタコラム11aの全長が短くなる場合にも、ステアリングホイール1の前後位置の調節時に、引っ掛かり(こじれ)が生じる事を防止でき、前後位置調節の操作感を向上させられると共に、操作荷重を低く抑える事ができる。
図2及び図3等に示すように、本例のステアリング装置において、アウタコラム11aの幅方向両側に、クランプ部38の作用面40と、作用面49a、49bとが、別々に独立して設けられている。クランプ部38、38は、インナコラム10aの外周面を弾性的に挟持するために用いられる。一方、例えばステアリングロック装置を作動させた状態のままステアリングホイール1を大きな力で操作した場合など、アウタコラム11aに作用するトルクは、作用面49a、49bを介して、アッパブラケット17aの支持板部22a、22aの内側面に伝達される。クランプ部38、38は、インナコラム10aを挟持する機能のみを発揮できれば足りる。そのため、必要以上に高い強度を設定する必要がない。したがって、本例のステアリング装置では、幅方向に大きくクランプ部38、38を撓ませるなど、クランプ部38、38に対して所望のたわみ特性を設定可能である。一方、作用面49a、49bは、トルクを伝達する機能のみを発揮できれば足りる。そのため、アウタコラム11aにおける作用面49a、49bが設けられた部分を幅方向に大きく撓ませる必要がない。したがって、本例のステアリング装置によれば、アウタコラム11aの強度確保と、インナコラム10aの保持力確保とが独立的に両立できる。
又、本例のステアリング装置において、ステアリングホイール1を所望位置に保持する為に、支持板部22a、22aの内側面が作用面49a、49bに当接(押圧)される。この際、支持板部22a、22aの内側面を介してクランプ部38、38が撓んだ状態となる。アウタコラム11aにおいて、作用面49a、49bは、クランプ部38の作用面40から実質的に独立しており、作用面49a、49bが設けられた部分は、クランプ部38に比べて十分に高い剛性(曲げ剛性、たわみ特性)を有する。また、作用面49aと作用面49bとは第2方向(締め付け方向)と交差する第1方向に互いに離間して配されている。特に、作用面49bの位置は、第1方向におけるインナコラム10aの外形の範囲外であり、さらには、アウタコラム11aの筒体35の外形の範囲外である。そのため、アウタコラム11aに作用するトルクは、作用面49a、49bを介して吸収され、そのトルクがクランプ部38に伝わることが防止される。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図17〜18を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置において、アウタコラム11aの後端部が下方に傾く事を防止する為の構成が、上述した実施の形態の第1例の構造よりも簡略化されている。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
本例において、アウタコラム11aの取付部54に対し片持ち式に固定した段付ボルト56aにおける、軸部58aを構成する先端側の小径部61a全体に雄ねじ部62が形成されている。雄ねじ部62が、取付部54のねじ孔55の内周面に形成された雌ねじ部63に螺合している。軸部58aの基端側の大径部60aの周囲に、金属製の円筒状部材77が相対回転可能に外嵌されている。円筒状部材77の外周面の幅方向片端部には、外向鍔部78が設けられている。円筒状部材77の外周面のうち、外向鍔部78を含んだ幅方向片側部分に、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)等の合成樹脂製又はゴム製等の弾性材製のカラー69aが外嵌されている。カラー69aの内周面の幅方向他側半部に形成された内向鍔部79が、外向鍔部78に対して幅方向に当接され、カラー69aが幅方向に抜け出るのが防止されている。本例において、この様な構成を有する円筒状部材77とカラー69aとにより、ローラ70aが構成されている。
以上の様な構成を有する本例のステアリング装置において、転がり軸受に代えて、単純な構成を有する円筒状部材77が使用される為、コストの低減を図れると共に装置の軽量化を図れる。その他の構成及び作用効果に就いては、実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図19〜20を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置において、上述した実施の形態の第2例の場合と同様に、アウタコラム11aの後端部が下方に傾く事を防止する為の構造が簡略化されている。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
本例において、アウタコラム11aの取付部54に対し、段付きではないボルト79が片持ち式に固定されている。ボルト79は、頭部80と軸部81とから構成されている。軸部81の先端部に雄ねじ部62が形成されている。雄ねじ部62が、取付部54のねじ孔55の内周面に形成された雌ねじ部63に螺合している。本例において、軸部81の基半部の周囲に、全体を弾性材製とした略四角柱状のパッド(ブロック)82が外嵌固定されている。パッド82は、頭部80と取付部54の幅方向内側面との間で挟持されている。パッド82の上面には、インナコラム10aの外周面の曲率半径と等しい曲率半径を有する凹円筒面状の押付面83が形成されている。この為、インナコラム10aに対しアウタコラム11aを相対変位させた場合に、押付面83が、インナコラム10aの幅方向中央部下面に対して弾性的に面接触する。なお、本例において、パッド82に形成した貫通孔84の内側に、金属製のカラーを内嵌固定(包埋)する事もできる。又、押付面83に、インナコラム10aの下面との摩擦を低減する為の低摩擦コーティングを施す事もできる。
以上の様な構成を有する本例のステアリング装置において、上述した実施の形態の各例の構造に比べて、部品点数の低減を図れるだけでなく構成各部品の単価を抑える事ができる。この為、コストの低減をより効果的に図れる。その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
なお、上述の実施形態における各要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。本開示は、多様に開示された実施形態それ自体及び他との様々な組み合わせ及びサブ的な組み合わせのすべての新規及び非自明な特徴及び態様に関する。開示されたもの及び方法は、特定の態様又は技術又は組み合わせに限定されず、また、開示されたもの及び方法が1つ以上の特定の利点があること又は特定の課題が解決されることを要求するものでもない。
アウタコラムは、全体をアルミニウム系合金やマグネシウム系合金等の軽合金製のものに限らず、軽合金製の枠体と鉄系合金製の筒体とを連結した構造を採用しても良い。ステアリング装置は、チルト調節機構とテレスコ調節機構との両方の機構を備えた構造でもよく、テレスコ調節機構のみを備えた構造でもよい。軸方向スリットの形成位置及び補強ブリッジ部の形成位置を、上記説明の態様に対して、上下方向に関して反対にして(上方に形成して)もよい。また、クランプ部の作用面(押圧面)とトルク伝達面とが分離した構造に代えて、図22〜23に示した様な実質的な非分離構造を有するステアリング装置が採用され得る。
一実施形態において、テレスコピックステアリングコラム及びステアリング装置のうち、テレスコピックステアリングコラムは、インナコラムと、アウタコラムとを備える。前側に配置されたインナコラムの後部と、後側に配置されたアウタコラムの前部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能としている。特に本発明のテレスコピックステアリングコラムの場合には、前記アウタコラムの前部の下方部分(例えば下端部)に、前記インナコラムの下面に対し(該インナコラムと前記アウタコラムとの中心軸同士を一致させた状態で)接触する事で、前記アウタコラムの内周面と前記インナコラムの外周面との隙間に基づき前記アウタコラムの後端部が下方に傾く(アウタコラムの前端部が該隙間に基づき上方に傾く)事を防止する押付部材を設けている。
一例において、前記インナコラムと前記アウタコラムとを軸方向に相対変位させる際に、前記押付部材を、前記インナコラムの下面に対し、転がり接触又は面接触させる。
一例において、前記押付部材の一部又は全体を弾性材製とする。これにより、該押付部材を弾性変形させて、前記インナコラムと前記アウタコラムとの間の隙間のばらつきを吸収する。
一例において、前記押付部材を、前記アウタコラムの幅方向(例えば水平方向)に配置され、該アウタコラムに対し片持ち式に固定された支持部材により、該アウタコラムに支持する。
一例において、前記支持部材として、段付ボルトを使用する。この場合には、段付ボルトを構成する頭部と軸部(段付軸)のうち、軸部の先端部(小径部)に形成された雄ねじ部を、前記アウタコラムに対して螺合する。
一例において、前記押付部材として、前記支持部材(請求項5の場合には軸部の基端部)の周囲に回転可能に支持したローラを使用する。前記押付部材としてローラを使用した場合には、前記アウタコラムと前記インナコラムとが軸方向に相対変位する際に、該インナコラムの下面を回転しながら支持する事で、前記アウタコラムの後端部が下方に傾く事を防止する。
一例において、前記ローラの外周面又は内周面の何れか一方を、弾性材製(合成樹脂又はゴム製)とする事ができる。例えば前記ローラの外周面を弾性材製とする場合には、Oリングを外嵌する事もできる。これにより、前記ローラが前記インナコラムの外周面に対し滑り接触する(摺接する)事を防止し、該ローラを効果的に回転させる事ができる。
一例において、前記押付部材を、前記インナコラムの下面と接触する面を凹円筒面としたパッド(ブロック)とする事ができる。前記押付部材としてパッドを使用した場合には、前記アウタコラムと前記インナコラムとが軸方向に相対変位する際に、該インナコラムの下面を該下面に対して摺接しつつ支持する事で、前記アウタコラムの後端部が下方に傾く事を防止する。
別の実施形態において、ステアリング装置は、ステアリングシャフトと、ステアリングコラムと、支持ブラケットと、調節ロッドと、を備える。ステアリングシャフトは、前側に配置されたインナシャフトの後部と後側に配置されたアウタシャフトの前部とを、トルク伝達を可能に且つ軸方向の相対変位を可能に嵌合する事により構成されている。前記ステアリングコラムは、前記ステアリングシャフトをその内側に例えば複数の転がり軸受により回転自在に支持している。前記支持ブラケットは、車体に対して支持されるもので、前記ステアリングコラムを構成するアウタコラムの前端部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を備える。前記調節ロッドは、前記アウタコラムの前端部にこのアウタコラムの軸方向に形成されたテレスコ調節用長孔と、前記各支持板部にそれぞれ形成された通孔(チルト機構を備える場合には、通孔を上下方向に長いチルト調節用長孔とし、チルト機構を備えない場合には、通孔を単なる円孔とする)とに挿通されるものである。この実施形態において、前記ステアリングコラムとして、上記のテレスコピックステアリングコラムを使用している。
上記の実施形態によれば、前後位置調節の操作感を向上できると共に、操作荷重を低く抑えられる。即ち、ステアリングコラムを構成するインナコラムとアウタコラムとのうち、後側に設けられたアウタコラムの前部の下方部分に、前記インナコラムの下面に対し接触する事で、前記アウタコラムの内周面と前記インナコラムの外周面との間に存在する隙間に基づき該アウタコラムの後端部が下方に傾く事を防止する、押付部材を設けている。
この為、支持ブラケットを構成する1対の支持板部の内側面同士の間隔を拡げた場合にも、前記アウタコラムの前端縁部の下端部と前記インナコラムの外周面とが直接接触する事を防止できると共に、該インナコラムの後端縁部のうちの上端部と前記アウタコラムの内周面とが接触する事を防止できる。従って、ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、引っ掛かり(こじれ)が生じる事を有効に防止できる。この結果、本発明によれば、ステアリングホイールの前後位置の調節時に、引っ掛かり(こじれ)が生じる事を防止でき、前後位置調節の操作感を向上させられると共に、操作荷重を低く抑える事ができる。
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3 操舵輪
4、4a ステアリングコラム
5 操舵力補助装置
6 タイロッド
7 ステアリングギヤユニット
8 インナシャフト
9、9a アウタシャフト
10、10a インナコラム
11、11a アウタコラム
12、12a ギヤハウジング
13 出力軸
14、14a ロアブラケット
15、15a 車体
16、16a チルト軸
17、17a アッパブラケット(支持ブラケット)
18、18a 係止カプセル
19 スリット
20 クランプ部
21、21a 長孔(テレスコ調節用長孔)
22、22a 支持板部
23、23a 長孔(チルト調節用長孔)
24、24a 調節ロッド
25 調節ナット
26、26a 調節レバー
27、27a アンカ部
28 自在継手
29 中間シャフト
30 自在継手
31 軸(入力軸)
32、32a 電動モータ
33 ロック用透孔
34 枠体(被挟持部本体、本体部分)
35 筒体(円筒状部)
36 軸方向スリット(第1スリット部)
37a、37b 周方向スリット(第2スリット部)
38 クランプ部
39 張出板部(張出部)
40 作用面(第3面、押圧面)
41 補強ブリッジ部(補強部)
42 補強板部
43a、43b 連結部
44 平板部
45 下方延出部
46 切り欠き
47 隙間
49a 作用面(第1面、トルク伝達面)
49b 作用面(第2面、トルク伝達面)
50a、50b 突条部
51 補強リブ
52 補強用連結板
53 凹部
54 取付部
55 ねじ孔
56、56a 段付ボルト
57 頭部
58、58a 軸部
59 六角孔
60、60a 大径部
61、61a 小径部
62 雄ねじ部
63 雌ねじ部
64 転がり軸受
65 外輪
66 内輪
67 転動体
68 間座
69、69a カラー
70、70a ローラ
71 取付板部
72 係止切り欠き
73 カム装置
74 ナット
75 固定部
76 取付フランジ
77 円筒状部材
78 外向鍔部
79 ボルト
80 頭部
81 軸部
82 パッド
83 押付面
84 貫通孔
101 締め付け機構
105 支持機構(姿勢保持機構)

Claims (11)

  1. 前側に配置されたインナコラムの後部と後側に配置された前記アウタコラムの前部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で全長を伸縮可能とした、テレスコピックステアリングコラムであって、
    前記アウタコラムの前部の下方部分に、前記インナコラムの下面に対し接触する事で、前記アウタコラムの内周面と前記インナコラムの外周面との間に存在する隙間に基づき前記アウタコラムの後端部が下方に傾く事を防止する押付部材が設けられている、テレスコピックステアリングコラム。
  2. 前記インナコラムと前記アウタコラムとを軸方向に相対変位させた際に、前記押付部材が前記インナコラムの下面に対し転がり接触又は面接触する、請求項1に記載したテレスコピックステアリングコラム。
  3. 前記押付部材の一部又は全体が弾性材製である、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したテレスコピックステアリングコラム。
  4. 前記押付部材が、前記アウタコラムの幅方向に配置され前記アウタコラムに対し片持ち式に固定された支持部材により、前記アウタコラムに支持されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したテレスコピックステアリングコラム。
  5. 前記支持部材が、段付ボルトである、請求項4に記載したテレスコピックステアリングコラム。
  6. 前記押付部材は、前記支持部材の周囲に回転可能に支持されたローラである、請求項4〜5のうちの何れか1項に記載したテレスコピックステアリングコラム。
  7. 前記ローラの外周面又は内周面の何れか一方が弾性材製である、請求項6に記載したテレスコピックステアリングコラム。
  8. 前記押付部材は、前記インナコラムの下面と接触する面を凹円筒面としたパッドである、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したテレスコピックステアリングコラム。
  9. 前側に配置されたインナシャフトの後部と後側に配置されたアウタシャフトの前部とを、トルク伝達を可能に且つ軸方向の相対変位を可能に嵌合したステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトをその内側に回転自在に支持するステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラムを構成するアウタコラムの前端部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を備え、車体に支持される支持ブラケットと、
    前記アウタコラムの前端部にこのアウタコラムの軸方向に形成されたテレスコ調節用長孔と、前記各支持板部にそれぞれ形成された通孔とに挿通された調節ロッドと、
    を備えたステアリング装置であって、
    前記ステアリングコラムが、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載したテレスコピックステアリングコラムである
    事を特徴とするステアリング装置。
  10. 筒体を有するアウタコラムと、
    前記筒体の少なくとも1つの端部で前記筒体に囲まれたインナコラムであり、前記インナコラムに対する前記アウタコラムの相対的な軸方向の位置が調節可能である、前記インナコラムと、
    前記アウタコラムに設けられた機構であり、前記筒体の前記端部の近傍に配置されかつ前記インナコラムに当接されるローラを有する、前記機構と、
    を備える、ステアリング装置。
  11. 前記機構は、前記筒体の径方向に関して弾性構造を有する、請求項10に記載のステアリング装置。
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