JP2009262596A - ステアリング装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チルト機構及びテレスコピック機構を有する構造で、ステアリングシャフト3bとステアリングコラム4cとの組み付け作業が容易で、更には、チルト操作に必要なステアリングコラム4cの剛性を確保し易い構造を実現する。
【解決手段】インナーコラム10aとアウターコラム11aとの上端部に、それぞれ開口部37a、37bを設ける。又、車体に固定するブラケットの1対の側壁部の間に配置される、上記アウターコラム11aの1対の平板部30b、30bの下端縁同士を連結する連結平板部32を、平板とする。上記ステアリングシャフト3bは、上記両開口部37a、37bを通じて、上下方向から挿入可能である。又、チルト操作時に上記両平板部30b、30bに互いに近づく方向に力が作用しても、上記連結平板部32により突っ張れる。
【選択図】図1

Description

この発明に係るステアリング装置は、操舵輪に舵角を付与する為に使用する。特に、本発明は、この様なステアリング装置を効率良く製造できる構造及び製造方法に関する。
自動車のステアリング装置として、図10に示す様なステアリング装置が従来から知られ、更に使用されている。この図10に示したものは、チルト機構及びテレスコピック機構を組み込んだ電動式パワーステアリング装置1で、後端部(図10の右端部)にステアリングホイール2を固定したステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3を挿通自在なステアリングコラム4と、このステアリングシャフト3に補助トルクを付与する為の操舵力補助装置(アシスト装置)5と、上記ステアリングシャフト3の回転に基づきタイロッド6、6を変位させる(押し引きする)為のステアリングギヤユニット7とを備える。このうちのステアリングシャフト3は、インナーシャフト8とアウターシャフト9とを、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成る。これらインナーシャフト8とアウターシャフト9とは、軸方向に相対変位する事で上記ステアリングホイール2の前後位置の調節を可能にする他、衝突事故の際には上記ステアリングシャフト3の全長を縮める。
又、上記ステアリングシャフト3を挿通した筒状の上記ステアリングコラム4は、インナーコラム10とアウターコラム11とをテレスコープ状に組み合わせて成り、上記ステアリングホイール2の前後位置の調節を可能にする他、衝突事故の際には、上記ステアリングシャフト3と共に全長を縮める。上記インナーコラム10の前端部(図10の左端部)は、上記操舵力補助装置5を構成するギヤハウジング12の後端面に結合固定している。又、上記インナーシャフト8は、このギヤハウジング12内に挿入し、このインナーシャフト8の前端部を、上記操舵力補助装置5を構成する入力軸に結合している。又、この入力軸にトーションバーを介して連結された、同じく上記操舵力補助装置5を構成する出力軸13の前端部を、上記ギヤハウジング12の前端面から突出させている。
又、上記ステアリングコラム4は、その中間部を支持ブラケット14により、ダッシュボードの下面等、車体15の一部に支承している。又、この支持ブラケット14と車体15との間に、図示しない係止部を設けて、この支持ブラケット14に前方に向かう方向の衝撃が加わった場合に、この支持ブラケット14が上記係止部から外れる様にしている。又、例えば、図示しないレバーを操作する等して、上記ステアリングコラム4を上記支持ブラケット14に対し上下方向に揺動可能としている。そして、前記ステアリングホイール2の上下方向の高さ位置の調節を可能としている。この様なチルト機構、及び、上述の様なテレスコピック機構を設ける事により、前記ステアリングホイール2の前後位置及び高さ位置の調節を自在としている。
又、上記操舵力補助装置5を構成する上記出力軸13の前端部は、自在継手16を介して、中間シャフト17の後端部に連結している。又、この中間シャフト17の前端部に、別の自在継手18を介して、前記ステアリングギヤユニット7の入力軸19を連結している。上記中間シャフト17は、インナーシャフト20とアウターシャフト21とを、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成る。これらインナーシャフト20とアウターシャフト21とは、衝突時に互いに軸方向に相対変位する事で、上記中間シャフト17の全長を縮める。
又、上記ステアリングギヤユニット7は、図示しないラックとピニオンとを備え、このうちのピニオンに上記入力軸19を結合している。又、このピニオンと噛合する上記ラックは、両端部に前記タイロッド6、6を連結しており、このラックの軸方向変位に基づいてこれら各タイロッド6、6を押し引きする事で、図示しない操舵輪に所望の舵角を付与する。又、上記操舵力補助装置5は、電動モータ22によりウォーム減速機を介して、前記出力軸13に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを付与する。
上述の様に構成する電動式パワーステアリング装置1の場合、上記操舵力補助装置5の出力軸13から出力されるトルクは、前記ステアリングホイール2から前記ステアリングシャフト3に加えられるトルクよりも大きくできる。即ち、上記出力軸13から出力されるトルクを、上記操舵力補助装置5を構成する上記電動モータ22から上記ウォーム減速機を介して加えられる補助動力分だけ大きくできる。従って、上記操舵輪に舵角を付与する為に運転者が上記ステアリングホイール2を操作する為に要する力を、上記操舵力補助装置5の補助動力分だけ小さくできる。尚、ステアリングギヤユニット7の周辺部に操舵力補助装置を設ける事により、電動式パワーステアリング装置を構成する場合もある。
従来は、上述の様な電動式パワーステアリング装置であるか否かに拘らず、ステアリング装置を組み立てる場合には、ステアリングコラム内にステアリングシャフトを軸方向から挿通後、このステアリングコラムの一部を溶接したり、かしめたりする等して、このステアリングシャフトを上記ステアリングコラムに組み付けていた。即ち、上記ステアリングコラムを筒状に形成していた為、このステアリングコラム内に上記ステアリングシャフトを配置する際には、このステアリングシャフトをこのステアリングコラム内に軸方向から挿通する必要があった。この様に、ステアリングシャフトをステアリングコラム内に軸方向に配置する場合には、軸方向に大きな空間が必要になり、広い組み立てスペースが必要になると共に、組み付け性も良くない。
一方、特許文献1、2には、ステアリングコラムを略U字型に形成した構造が記載されている。図11は、これら両特許文献1、2に記載された構造を示している。この図11の構造は、チルト機構は有するが、テレスコピック機構は有しない構造である。従って、ステアリングコラム4aは、上述した図10の構造の様に、インナーコラムとアウターコラムとを組み合わせた構造ではない。上記ステアリングコラム4aは、略U字型を有しており、1対の平板部23、23の上端縁を湾曲部24により連結して成る。又、図11に示した構造は、図示は省略するが、ステアリングシャフト3aを支持する転がり軸受等の支持部材は、車体に固定されるブラケット25に支持されている。
この様な図11に示した従来構造の場合、ステアリングシャフト3aを配置する際に、上記ステアリングコラム4aの下方の開口を利用して設置する事が考えられる。但し、上記ステアリグシャフト3aを支持する支持部材は、上記ブラケット25に固定される為、実際に、このステアリングシャフト3aを上記ステアリングコラム4aに組み付ける場合には、上記ブラケット25も考慮して組み付ける必要がある。この為、例えば、上記ステアリングシャフト3aと上記ステアリングコラム4aと上記ブラケット25とを、同時に組み付ける必要がある等、組み付け作業が複雑になると考えられる。
又、上記図11に示した構造の場合、ステアリングコラム4aの両平板部23、23を連結する部分が湾曲部24である為、このステアリングコラム4aの横方向の剛性を確保しにくい。この為、チルト操作に不都合が生じる可能性がある。即ち、チルト操作を行う場合、このステアリングコラム4aは、レバー26の操作により、チルトボルト27の頭部とチルトナット28との間隔を変化させる。そして、上記ブラケット25の側壁部29、29の内側面と上記両平板部23、23の外側面との間に生じる摩擦力を変化させる事により、上記ステアリングコラム4aの上記ブラケット25に対する固定・解除を行う。
上記図11に示した構造の場合、上記レバー26の操作により、上記両平板部23、23同士が互いに近づく方向に力が作用すると、これら両平板部23、23同士を連結する湾曲部24が、曲率を大きくする方向に弾性変形し易い。従って、例えば、上記レバー26の操作により、上記チルトボルト27の頭部とチルトナット28との間隔を小さくした場合に、上記湾曲部24の弾性変形量が大きくなって、上記両側壁部29、29と上記両平板部23、23との摩擦を十分に増大させにくくなる可能性がある。この場合、上記ステアリングコラム4aを固定する為に、上記レバー26の操作量が多くなる等の不都合が生じる。
又、図12は、特許文献3に記載された構造を示している。この構造の場合も、テレスコピック機構を有しないと考えられる。上記図12は、ステアリングコラム4bの一部に、ステアリングシャフトを支持する為の転がり軸受(鎖線)を保持する構造を示している。この様な図12に示した構造の場合、上記ステアリングシャフトをこのステアリングコラム4b内にどの様に配置するかは記載されていない。即ち、上記図12は、単に、上記転がり軸受を上記ステアリングコラム4a内に支持している構造を示しているに過ぎない。
この様な図12に示した構造の場合、ステアリングコラム4bの上下方向中間部に突出形成した突部55、55により、上記転がり軸受が上下方向に脱落する事を防止している。従って、この転がり軸受を上下方向から挿入する事はできない。尚、この転がり軸受を上記ステアリングコラム4b内に配置後、上記各突部55、55を形成すれば、この転がり軸受を上下方向から挿入可能である。但し、上記図12の構造の場合、上記各突部55、55は、上記ステアリングコラム4bの中間部に形成されている為、これら各突部55、55を形成すると、このステアリングコラム4bの形状全体に影響を与える。この為、これら各突部55、55は、予め(転がり軸受を配置する以前に)形成されていると考えられる。従って、この様な図12に示した構造の場合、転がり軸受及びこの転がり軸受により支持されるステアリングシャフトを、上記ステアリングコラム4b内に軸方向から配置すると考えられる。又、上記図12に示した構造の場合、上述の図11に示した構造と同様に、仮にチルト機構を有するとした場合、チルト操作に必要な横方向の剛性を確保しにくいと考えられる。
特開2005−225395号公報 特開2005−225396号公報 仏国特許出願公開第2783789号明細書
本発明は、上述の様な事情に鑑み、チルト機構及びテレスコピック機構を有する構造で、ステアリングシャフトとステアリングコラムとの組み付け作業が容易で、更には、チルト操作に必要なステアリングコラムの剛性を確保し易い構造を実現すべく発明したものである。
本発明のステアリング装置とその製造方法のうち、請求項1に記載したステアリング装置は、ステアリングシャフトと、ステアリングコラムとを備える。
このうちのステアリングシャフトは、インナーシャフトとアウターシャフトとを、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成る。
又、上記ステアリングコラムは、インナーコラムとアウターコラムとを、軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成り、上記ステアリングシャフトを回転自在に挿通する。
又、車体に固定のブラケットを構成する、それぞれが上下方向に配置された1対の側壁部同士の間に、上記インナー、アウター両コラムのうちの何れか一方のコラムを配置した状態で、上記両側壁部の間隔を変える事により、これら両側壁部とこの一方のコラムのうちのこれら両側壁部と当接する部分との間に生じる摩擦力を変化させて、上記ステアリングコラムを上記ステアリングシャフトと共に、上下方向に揺動可能又は揺動不能とする。
特に、請求項1に記載したステアリング装置に於いては、上記一方のコラムが、それぞれが、上下方向に存在して軸方向に配置された1対の平板部と、これら両平板部の上下方向一端縁同士を連結する、軸方向に配置された平板である連結平板部とを備える。そして、上記両平板部の外側面が上記両側壁部の内側面にそれぞれ当接するものである。
又、上記両コラムの上下方向他端側に、少なくとも上記ステアリングシャフトがこれら両コラムと平行な状態で、このステアリングシャフトの中間部が進入可能な開口部を、それぞれ設けている。
更に、上記インナーコラムの軸方向一端部と、上記アウターコラムの軸方向他端部とに、上記ステアリングシャフトの両端部を回転自在に保持する保持部材を、それぞれ固定している。
又、上述の請求項1に記載したステアリング装置を製造する為には、請求項2に記載した様に、
先ず、インナーシャフトとアウターシャフトとを組み合わせてステアリングシャフトとすると共に、これらインナー、アウター両シャフトのそれぞれの端部に保持部材を配置して、ステアリングシャフト組立体とする。尚、上記インナー、アウター両シャフトを組み合わせる工程と、これら両シャフトの端部に保持部材を配置する工程との順番は、組み合わせ作業を行える限り、特に問わない。
又、インナーコラムとアウターコラムとを組み合わせてステアリングコラムとする。尚、この工程は、上述のステアリングシャフト組立体の組立工程以前に行っても良い。
次に、上記両コラムの開口部を通じて上下方向他端側から、上記ステアリングシャフト組立体の中間部を進入させる。
これと共に、上記両コラムのそれぞれの端部に設けた、このステアリングシャフト組立体の両端部に配置した保持部材が上下方向他端側から進入可能な第二の開口部を通じて、これら両保持部材を配置する。
その後、これら両保持部材を、例えば、上記両コラムのそれぞれの端部の一部をかしめたり、或は、ねじ止め、溶接等により、これら両コラムのそれぞれの端部に固定する。
上述の様な本発明によれば、チルト機構及びテレスコピック機構を有する構造で、ステアリングシャフトとステアリングコラムとの組み付け作業を容易に行える。即ち、インナー、アウター両コラムは、上下方向他端側にそれぞれ開口部を有している為、これら両開口部から上記ステアリグシャフトの中間部を挿入可能である。又、このステアリングシャフトの両端部を回転自在に保持する保持部材も、第二の開口部を通じて上下方向他側から配置可能である。この様に、本発明の場合、ステアリングシャフトをステアリングコラムに上下方向から配置できる為、この作業の際に、ステアリングシャフトを軸方向から挿入する必要がない。この為、広い組み立てスペースが必要なくなると共に、組み付け性も良好となる。
又、本発明の場合、上述の様に両保持部材をステアリングコラムの両端部に配置している為、組み付け作業が複雑になる事はない。即ち、上記両保持部材を、例えば車体に固定するブラケットに組み付ける場合、ステアリングシャフトと、ステアリングコラムと、ブラケットとを同時に組み付ける必要がある等、組み付け作業が複雑になる可能性がある。これに対して本発明の場合には、ステアリングシャフトとステアリングコラムとの組み付け作業を、ブラケットとの組み付け作業と分離できる為、組み付け作業が容易になる。
又、本発明の場合、チルト操作に必要なステアリングコラムの剛性を確保し易い。即ち、チルト機構を作動させる場合、ブラケットの両側壁部の間隔を変化させる事により、これら両側壁部の内側面と、一方のコラムの両平板部の外側面との間に生じる摩擦力を変化させる。この為、チルト操作時には、これら両平板部の間隔を拡縮する方向に力が作用する。本発明の場合、これら両平板部を連結する連結平板部を、軸方向に配置された平板としている為、上記チルト操作により上記両平板部の間隔が狭くなる方向に圧縮されても、この方向に弾性変形しにくい(突っ張れる)。この結果、チルト操作に必要なステアリングコラムの剛性を確保し易く、上記レバーの操作量が多くなる等の不都合が生じる事はない。
図1〜9は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、ステアリング装置の組み付け作業が容易で、チルト操作に必要なステアリングコラム4cの剛性を確保し易い構造を実現すべく、このステアリングコラム4cの構造を工夫した点にある。ステアリング装置の基本的な構造及び作用は、前述の図10に示した従来構造と同様である為、重複する部分の説明及び図示は省略又は簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、上記ステアリグコラム4cを構成するインナーコラム10aは、金属板を所定の形状に打ち抜き、折り曲げ形成したもので、互いに平行で、ステアリングシャフト3bの軸方向に配置された1対の平板部30a、30aと、これら両平板部30a、30aの上下方向(ステアリング装置を車両に設置した状態での上下方向を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。又、説明の簡略化の為、上記ステアリングコラム4c及び上記ステアリングシャフト3bを水平方向に配置した状態で、各方向を表す。実際の場合に上記両部材4c、3bは、後方に向う程上方に向う方向に傾斜させる。)下端縁同士を連結する、両端部が折れ曲がった連結部31とを備える。この連結部31の両端部は、上記両平板部30a、30aに向かう程上方に向かう方向に傾斜し、これら両平板部30a、30aの下端縁に連続している。
又、上記両平板部30a、30aは、軸方向中間部乃至前端部(軸方向に関して前或は後とは、車両への設置状態で、この車両の前進方向に関して前或は後を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。図示の例の場合、図1、4〜9の各図の左上方が前方、右下方が後方である。)の上下方向の高さ寸法を、同じく後端部の上下方向の高さ寸法よりも大きくしている。そして、上記両平板部30a、30aの軸方向中間部乃至前端部の複数個所(図示の例の場合は、上下方向中間乃至下端部に平坦部30a毎に2個所ずつ)に、凹部33、33を軸方向に形成している。これら各凹部33、33は、対向する平板部30aに向けて突出する様に形成して、上記両平板部30a、30aの剛性を向上させている。又、上記各凹部33、33は、後述するアウターコラム11aの両平板部30b、30bとの当接面積を小さくして、前記インナーコラム10aが上記アウターコラム11aに対して軸方向に相対変位し易くする役割も有する。
又、上記両平板部30a、30aの軸方向中間部乃至前端部のうち、上端寄り部分に、軸方向に亙って長孔34、34を、それぞれ1個所ずつ形成している。これら両長孔34、34は、後述するチルトボルト27aを挿通すると共に、このチルトボルト27aが、前記ステアリングコラム4cの伸縮時に、上記両長孔34、34内を変位可能としている。この為、これら両長孔34、34の幅は、上記チルトボルト27aの直径よりも僅かに大きくしている。
又、上記両平板部30a、30aの、高さ寸法が小さくなっている、軸方向後端部の上端部分と、同じく高さ寸法が大きくなっている、軸方向中間部の上下方向中間部分との間には、それぞれ切り欠き35、35を設けている。そして、上記両平板部30a、30aの軸方向後端部の上端部分を、上下方向上方に突出する突部42a、42aとしている。そして、これら両突部42a、42aを、後述する様に、上記両平板部30a、30aの軸方向後端部同士の間に、前記ステアリングシャフト3bの軸方向後端部を回転自在に保持する保持部材36aを保持した状態で、互いに近づく方向に折り曲げ可能としている。
又、本例の場合、上記インナーコラム10aの上端部に、軸方向全体に亙って開口した開口部37aを設けている。言い換えれば、上記両平板部30a、30aの上端部同士を連続させていない。上記開口部37aのうちの軸方向中間部乃至前端部は、上記両平板部30a、30aの同じ範囲の部分の上端縁を互いに近づく方向に折り曲げ形成した突出板部38a、38aの先端縁同士の間に存在する。又、上記開口部37aのうちの軸方向後端部は、上記両平板部30a、30aの同じ範囲の上端寄り部分同士の間に存在する。これら両平板部30a、30の軸方向後端部に設けた上記両突部42a、42aを折り曲げる以前では、これら両突部42a、42a同士の間隔が、上記両突出板部38a、38aの先端縁同士の間隔よりも大きい。
又、本例の場合、上記開口部37aの軸方向中間部乃至前端部の幅(即ち、両突出板部38a、38aの先端縁同士の間隔)は、少なくとも前記ステアリングシャフト3bが上記インナーコラム10aと平行な状態で、このステアリングシャフト3bの中間部が進入可能な大きさとしている。即ち、上記開口部37aの軸方向中間部乃至前端部の幅を、このステアリングシャフト3bの中間部のうち、最も直径(本例の場合、ステアリングシャフト3bの外形が非円筒形である為、外接円の直径)が大きい部分よりも大きくしている。
又、本例の場合、上記インナーコラム10aの軸方向後端部に設けた両突部42a、42aを折り曲げる以前の、これら両突部42a、42aの先端縁同士の間を、第二の開口部56aとしている。そして、この第二の開口部56aの幅(両突部42a、42aの内側面同士の間隔)を、上記ステアリングシャフト3bの後端部に配置した前記保持部材36aが、上方から進入可能な大きさとしている。即ち、上記第二の開口部56aの幅を、上記保持部材36aの幅(軸方向及び上下方向にそれぞれ直交する横方向の幅)寸法よりも僅かに大きくしている。
又、本例の場合、上記アウターコラム11aは、金属板を所定の形状に打ち抜き、折り曲げ形成したもので、上下方向に存在して軸方向に配置された1対の平板部30b、30bと、これら両平板部30b、30bの下端縁同士を連結する、軸方向に配置された平板である連結平板部32とを備える。この連結平板部32は、上述したインナーコラム10aと異なり、幅方向全体に亙り平坦で、両端部を折り曲げていない。但し、上記連結平板部32の一部に、土手状の補強ビードを形成して、この連結平板部32の合成を向上させる事もできる。又、上記両平板部30b、30bは、軸方向中間部乃至後端部の上下方向の高さ寸法を、同じく前端部の上下方向の高さ寸法よりも大きくしている。そして、上記両平板部30a、30aの軸方向中間部にそれぞれ、略台形の透孔39、39を形成している。そして、上記アウターコラム11aの軽量化を図っている。
又、上記各透孔39、39の周縁部を、対向する平板部30bと反対側に突出させて段部40、40として、これら両平板部30b、30bの剛性を向上させている。又、上記各透孔39、39及び上記段部40、40は、前記インナーコラム10aの両平板部30a、30aとの当接面積を小さくして、このインナーコラム10aが上記アウターコラム11aに対して軸方向に相対変位し易くする役割も有する。
又、上記両平板部30b、30bの軸方向後端部で上端寄り部分の互いに整合する位置に、小孔41、41を、それぞれ1個所ずつ形成している。これら両小孔41、41は、上記インナーコラム10aに形成した長孔34、34の一部と整合した状態で、前記チルトボルト27aを、軸方向に若干の変位を可能に挿通する。
又、上記両平板部30b、30bの軸方向前端部には、上方に向けて突部42b、42bを形成している。そして、これら両突部42b、42bを、後述する様に、上記両平板部30b、30bの軸方向前端部同士の間に、前記ステアリングシャフト3bの軸方向前端部を回転自在に保持する保持部材36bを保持した状態で、互いに近づく方向に折り曲げ可能としている。
又、本例の場合、上記両平板部30b、30bの軸方向前端縁から前方に向けて、揺動腕43、43を突出形成している。これら両揺動腕43、43の先端部には、貫通孔44を形成し、ステアリング装置を車体に取り付けた状態で、車体側に固定するチルトピボット軸を相対回転自在に挿通可能としている。従って、本例のステアリング装置は、上記貫通孔44を挿通する上記チルトピボット軸の中心軸を揺動中心として、上下方向に揺動(チルト)可能である。
又、本例の場合、上記アウターコラム11aの上端部に、軸方向全体に亙って開口した、開口部37bを設けている。言い換えれば、上記両平板部30b、30bの上端部同士を連続させていない。上記開口部37bのうちの軸方向中間部乃至後端部は、上記両平板部30b、30bの同じ範囲の部分の上端縁を互いに近づく方向に折り曲げ形成した突出板部38b、38bの先端縁同士の間に存在する。又、上記開口部37aのうちの軸方向前端部は、上記両平板部30b、30bの同じ範囲の上端寄り部分同士の間に存在する。これら両平板部30b、30bの前端部に形成した前記両突部42b、42bを折り曲げる以前では、これら両突部42b、42b同士の間隔が、上記両突出板部38b、38bの先端縁同士の間隔よりも大きい。
又、本例の場合、上記開口部37bの軸方向中間部乃至後端部の幅(両突出板部38b、38bの先端縁同士の間隔)は、少なくとも前記ステアリングシャフト3bが上記アウターコラム11aと平行な状態で、このステアリングシャフト3bの中間部が進入可能な大きさとしている。即ち、上記開口部37bの軸方向中間部乃至後端部の幅を、このステアリングシャフト3bの中間部のうち、最も(外接円の)直径が大きい部分よりも大きくしている。
又、本例の場合、上記アウターコラム11aの軸方向前端部に設けた両突部42b、42bを折り曲げる以前の、これら両突部42b、42b同士の間を第二の開口部56bとしている。そして、この第二の開口部56bの幅(両突部42b、42bの内側面同士の間隔)を、上記ステアリングシャフト3bの前端部に配置した前記保持部材36bが上下方向から進入可能な大きさとしている。即ち、上記第二の開口部56bの幅を、上記保持部材36bの幅(軸方向及び上下方向にそれぞれ直交する横方向の幅)寸法よりも僅かに大きくしている。
又、本例の場合、前記ステアリングシャフト3bを、インナーシャフト8aとアウターシャフト9aとを、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせる事により構成している。そして、上記アウターシャフト8aの後端部と、上記インナーシャフト8aの軸方向前端部とに、それぞれ転がり軸受45、45を配置している。これら両転がり軸受45、45は、前記保持部材36a、36bにより保持される。尚、図示の例の場合、軸方向前側に配置されるインナーシャフト8aの前端部に、中間シャフト17と接続する為の自在継手16(図10参照)を構成するヨークを固定している。
上記両保持部材36a、36bは、例えば、合成樹脂或は金属製で、外形が略矩形であり、上記ステアリングシャフト3bの軸方向に貫通する保持孔46、46を有する。そして、これら両保持孔46、46内に、上記転がり軸受45、45を軸方向の相対変位を不能に内嵌固定している。この様な両保持部材36a、36bは、一体型或は分割型で、上記両転がり軸受45、45を内嵌する際には、一体型の場合には、軸方向から保持孔46内にこの転がり軸受45を挿入し、分割型の場合には、上記ステアリングシャフト3bの軸方向に直角な方向に分割して、上記転がり軸受45を挟み込む様にして行う。
上記両保持部材36a、36aの上記転がり軸受45、45に対する固定は、例えば、接着剤により行う。即ち、上記両保持孔46、46の内周面、或は、上記転がり軸受45、45の外周面に接着剤を塗布してから、両部材を結合する。又、金属製の場合には、上記両保持孔46、46内に上記転がり軸受45、45の外輪を締り嵌めする事により、上記両部材を結合しても良い。何れにしても、上記両保持孔46、46の軸方向片端部にそれぞれ径方向内方に突出する様に形成した段部に、上記両転がり軸受45、45を構成する外輪の端面を当接させる事により、上記両保持部材36a、36aの軸方向に関する位置決めを図っている。尚、これら両保持部材36a、36aが分割型であるが場合には、図2に示す様に、保持部材46を構成する素子58の保持孔46の軸方向両端部にそれぞれ段部59、59を形成し、これら両段部59、59により転がり軸受45の外輪を挟み込む様にして、軸方向の相対変位を不能としても良い。この場合、接着剤による結合に代えて、別途の締結手段により、分割型の保持部材36a、36aの素子58同士を締結しても良い。
又、上記両保持部材36a、36bは、前記ステアリングコラム4cを構成するインナーコラム10aの後端部と、アウターコラム11aの前端部とにそれぞれ配置する。上記両保持部材36a、36bの上端面の幅方向端部には、段部47、47をそれぞれ形成している。そして、これら両保持部材36a、36bを上記両コラム10a、11aを構成する連結部31或は連結平板部32の端部にそれぞれ載置した状態で、各平板部30a、30bのそれぞれの端部に形成した各突部42a、42bを、互いに近づけ合う方向に折り曲げる(かしめる)事により、これら各突部42a、42bで上記段部47、47を抑え付ける様にしている。尚、上記両保持部材36a、36bの下端面の幅方向両端部に、上記インナーコラム10aの連結部31の両端部の折り曲げ方向と同方向に傾斜した傾斜面を形成している。そして、上記保持部材36aを上記インナーコラム10aの後端部に配置する際に、この保持部材36aの傾斜面を、上記連結部31の折り曲げ部に係合させている。尚、本例の場合、アウターコラム11a側に配置する保持部材36bにも、同様の傾斜面を形成して、上記両保持部材36a、36b同士の部品の共通化を図っている。
又、上記段部47、47の軸方向中間部には、径方向内方に凹んだ係合凹部48、48を形成している。これら各係合凹部48、48は、上記両保持部材36a、36bの上方寄り部分に、当該部分を幅方向に貫通する貫通孔を形成する事により設けている。そして、上記各突部42a、42bを折り曲げた状態で、これら各突部42a、42bの一部を上記各係合凹部48、48内に押し込む様に更にかしめて、これら各係合凹部48、48と係合する様にしている。これにより、上記両保持部材36a、36bが、上記両コラム10a、11a内から上下方向及び軸方向に脱落する事を防止している。
尚、上記両保持部材36a、36bが、上記両コラム10a、11a内から上下方向及び軸方向に脱落する事を防止する為に、図3に示す様な各構造を採用しても良い。即ち、図3(A)に示す様に、保持部材36a(36b)の段部47の軸方向中間部に係合突部60を形成すると共に、インナーコラム10a(アウターコラム11a)の突部42a(42b)の一部に係合凹部61を形成する。そして、この突部42aを、上述した様に折り曲げる際に、この係合凹部61と上記係合突部60とを係合する。この係合は、係合突部60を係合凹部61内に圧入して、がたつきをなくす事が好ましい。但し、上記突部42aを折り曲げる事により、上記保持部材36aをがたつきなく固定できるのであれば、上記係合突部60と係合凹部61との係合部に隙間が生じても良い。又、上記突部42aに、上記係合凹部61に代えて係合孔を形成し、この係合孔を上記係合突部60に係合する様にしても良い。
或は、図3(B)に示す様に、保持部材36a(36b)の段部47の軸方向中間部に係合突部60aを形成する。そして、インナーコラム10a(アウターコラム11a)の突部42a(42b)を、上述した様に折り曲げる際に、この突部42aの一部をかしめて、上記係合突部60aを挟み込む。或は、図3(C)に示す様に、保持部材36a(36b)の上端面の幅方向両端部の軸方向中間部に、係合凹部61aを形成する。又、インナーコラム10a(アウターコラム11a)の突部42a(42b)の一部に、折り曲げ突部62を形成する。そして、この折り曲げ突部62を上記係合凹部61a内に折り曲げる事により、これら折り曲げ突部62と係合凹部61aとを係合する。
又、上述の様に構成される本例のステアリング装置を組み立てる場合には、先ず、図4〜6に示す様に、インナーシャフト8aとアウターシャフト9aとを組み合わせてステアリングシャフト3bとすると共に、これらインナー、アウター両シャフト8a、9aの前端部或は後端部に、それぞれ保持部材36a、36bを配置して、ステアリングシャフト組立体57とする。このステアリングシャフト組立体57を得る場合に、図4に矢印で示す様に、予め、インナーシャフト8aの前端部に保持部材36bを配置しておいてから、このインナーシャフト8aと上記アウターシャフト9aとを組み合わせても良い。この場合、何れの保持部材36a、36bも一体型のものを使用できる。
又、図5、6に示す様に、インナーシャフト8aとアウターシャフト9aとを組み合わせてから、上記両保持部材36a、36bを所定位置に組み付ける事もできる。この場合、インナーシャフト8aの前端部に配置する保持部材36bを、分割型とする必要がある。これに対して、アウターシャフト9aの後端部に配置する保持部材36aは、図5に示す様な一体型であっても、図6に示す様な分割型であっても良い。
又、上記ステアリングシャフト組立体57を得た後、或は、得る前に、図7に示す様に、ステアリングコラム4cを組み立てる。即ち、インナーコラム10aをアウターコラム11a内に、軸方向から挿入する。この際、このインナーコラム10aの突出板部38a、38aが、上記アウターコラム11aの突出板部38b、38bの内側に配置される。又、上記インナーコラム10aの両平板部30a、30aに形成した長孔34、34の軸方向一部と、上記アウターコラム11aの両平板部30b、30bに形成した小孔41、41とが整合する。更に、上記両コラム10a、11aの上方にそれぞれ設けた開口部37a、37bも、互いに整合する。
上述の様に、ステアリングシャフト組立体57とステアリングコラム4cとをそれぞれ組み立てたならば、図8に示す様に、このステアリングシャフト組立体57を、上方から上記ステアリングコラム4c内に配置する。この際、このステアリングシャフト組立体57の中間部は、このステアリングコラム4cを構成する開口部37a、37bを通過する。又、上記ステアリングシャフト組立体57の両端部に配置された保持部材36a、36bは、インナー、アウター両コラム10a、11aの後端部或は前端部に設けた第二の開口部56a、56bを通過する。そして、図1に示す様に、上記ステアリングシャフト組立体57が上記ステアリングコラム4c内に配置される。
上述の様に、ステアリングシャフト組立体57の両端部に配置した保持部材36a、36bを、インナー、アウター両コラム10a、11aの後端部或は前端部に配置した後、このインナーコラム10aの両平板部30a、30aの後端部と、上記アウターコラム11aの両平板部30b、30bの前端部とにそれぞれ設けた突部42a、42bを、互いに近づく方向に折り曲げる(かしめる)。そして、上記ステアリングシャフト組立体57が上記両コラム10a、11aから脱落する事を防止する。
上述の様に組み立てたステアリング装置は、図9に示す様に、車体に固定されるブラケット49に組み付ける。このブラケット49は、上下方向で、前記チルトピボット軸と直角な方向に配置された1対の側壁部50、50と、これら両側壁部50、50の軸方向両端寄り部分に、互いに反対側に突出する状態で形成した、上記車体側に取り付ける為の取付部51、51とを備える。このうちの両側壁部50、50は、上下方向に長い透孔52、52を有する。又、これら両側壁部50、50から軸方向前方に延出した延出板部53、53の前端部には、通孔54、54を形成している。
上記ステアリング装置を上記ブラケット49に組み付ける場合には、上記両側壁部50、50同士の間に、アウターコラム11aの両平板部30b、30bが位置する様に配置する。従って、これら両平板部30b、30bの外側面が上記両側壁部50、50の内側面にそれぞれ当接する。又、この際、上記ブラケット49の透孔52、52と上記アウターコラム11aの小孔41、41とを整合させる。そして、基端部にレバー26aを固定したチルトボルト27aを、上記両透孔52、52及び上記両小孔41、41に、更には、インナーコラム10aの長孔34、34に挿通する。この状態で、このチルトボルト27aの先端部にチルトナット28aを螺合し、更に締め付ける事により、上記ステアリング装置を上記ブラケット49に組み付けて、ブラケット付ステアリング装置とする。
尚、上述の様に、ステアリング装置をブラケット49に組み付けた状態で、このブラケットの延出板部53、53に形成した通孔54、54と、上記アウターコラム11aの前端部に形成した貫通孔44とが整合する。上記ブラケット付ステアリング装置を車体に組み付ける場合には、前記取付部51、51を車体の一部に固定すると共に、前記チルトピボット軸を上記両通孔54、54と上記貫通孔44に挿通する。そして、チルトピボット軸を上記ブラケット49の前端部に支持すると共に、上記ステアリング装置の前端部をこのチルトピボット軸に揺動可能に支持する。本例の場合、この説明から明らかな様に、このチルトピボット軸を、上記ブラケット49を介して車体に固定しているが、このブラケットとは別の部材により車体に固定しても良い。
上述の様に、ステアリング装置をブラケット49を介して車体に固定した状態で、このステアリング装置が、上記チルトピボット軸を中心として上下方向に揺動(チルト)可能である。チルト操作を行う場合には、前記レバー26aを操作して、前記チルトボルト27aの頭部と前記チルトナット28aとの間隔を大きくする。そして、上記ブラケット49の両側壁部50、50の内側面と、前記アウターコラム11aの両平板部30b、30bの外側面との摩擦力を小さくする。これにより、このアウターコラム11a(延いては、ステアリングコラム4c)が、上記ブラケット49に対し上下方向に揺動可能となる。この際、上記チルトボルト27aが前記両透孔52、52内を変位する。
一方、上記ステアリング装置を上下方向に関し所定位置に固定する場合、上記レバー26aを、上述した場合と逆方向に操作して、上記前記チルトボルト27aの頭部と前記チルトナット28aとの間隔を小さくする。そして、上記ブラケット49の両側壁部50、50の内側面と、前記アウターコラム11aの両平板部30b、30bの外側面との摩擦力を大きくする。この結果、上記ステアリング装置が上記ブラケット49に対し揺動不能となる。
又、本例の場合、前記ステアリングシャフト3b及び上記ステアリングコラム4cが、軸方向に伸縮可能である為、テレスコピック機構も有する。本例の場合、このテレスコピック機構は、上述したチルト機構と連動して行える様にしている。即ち、レバー26aの操作に基づき、インナーコラム10aの両平板部30a、30aの外側面と、アウターコラム11aの両平板部30b、30bの内側面との間に生じる摩擦力も変化させて、上記ステアリングコラム4c及び上記ステアリングシャフト3bの伸縮方向の固定・解除を行う。具体的には、上記レバー26aの操作により、チルトボルト27aの頭部とチルトナット28aとの間隔が大きくなって、上記ステアリングコラム4cが上下方向に揺動可能となった状態で、上記両平板部30a、30aの外側面と上記両平板部30b、30bの内側面との間に生じる摩擦力も小さくなり、上記ステアリングコラム4cが伸縮可能となる。
これに対して、上記チルトボルト27aの頭部とチルトナット28aとの間隔が小さくなって、上記ステアリングコラム4cが上下方向に揺動不能となった状態で、上記両平板部30a、30aの外側面と上記両平板部30b、30bの内側面との間に生じる摩擦力も大きくなり、上記ステアリングコラム4cが伸縮不能となる。本例の場合、上記インナーコラム10aの連結部31の一部に補強ビードを設けてこのインナーコラム10aの剛性を確保している。そして、上記レバー26aの操作により、上記両平板部30a、30aの間隔が狭くなる方向に力が作用しても、上記連結部31により十分突っ張れる様にしている。従って、上記両平板部30a、30aの外側面と上記両平板部30b、30bの内側面との間に生じる摩擦力を十分に確保でき、伸縮方向の固定を確実に行える。
尚、上記インナーコラム10aの剛性を確保する為に、上記連結部31をアウターコラム11aの連結平板部32と同様に、両端部を折り曲げずに上記両平板部30a、30aの下端縁に接続する事もできる。又、必要に応じて、上記構成に加えて、従来から知られているテレスコピック機構の固定・解除を行う為の構成を設ける事もできる。この様に、チルト操作を行う為のレバー26aの操作により、テレスコピック操作も可能とすれば、1つの操作により、チルト及びテレスコピック操作ができ、使用者が、チルト及びテレスコピック操作を行う為の操作が、より単純化できる。
上述の様な本例によれば、チルト機構及びテレスコピック機構を有する構造で、ステアリングシャフト3bとステアリングコラム4cとの組み付け作業を容易に行える。即ち、インナー、アウター両コラム10a、11aは、上下方向上端部にそれぞれ開口部37a、37bを有している為、これら両開口部37a、37bから上記ステアリグシャフト3bの中間部を挿入可能である。又、このステアリングシャフト3bの両端部を回転自在に保持する保持部材36a、36bも、上記両コラム10a、11aの第二の開口部56a、56bから挿入可能である。この様に、本例の場合、ステアリングシャフト3bを上下方向からステアリングコラム4c内に挿入できる為、この挿入作業の際に、ステアリングシャフト3bを軸方向から挿入する必要がない。この為、広い組み立てスペースが必要なくなると共に、組み付け性も良好となる。
又、上記両保持部材36a、36bの上記両コラム10a、11aに対する固定は、これら両コラム10a、11aにそれぞれ形成した突部42a、42bをかしめる事により行える為、上記両保持部材36a、36bを上記両コラム10a、11aに設置する作業がより容易になる。又、上記各突部42a、42bは、上記両コラム10a、11aの端縁に設けられている為、これら各突部42a、42bを折り曲げる事により、これら両コラム10a、11aの形状全体に影響を与える事はない。
又、本例の場合、チルト操作に必要なステアリングコラム4cの剛性を確保し易い。即ち、このチルト機構を作動させる場合、チルトボルト27aの頭部とチルトナット28aの基端部との間隔を変化させて、ブラケット49の両側壁部50、50の内側面を、アウターコラム11aの両平板部30b、30bの外側面に押し付ける。この為、これら両平板部30b、30bに互いに近づく方向に圧縮力が作用する。本例の場合、これら両平板部30b、30bを連結する連結平板部32を、軸方向に配置された平板としており、この連結平板部32の両端部が折れ曲がる事なく、上記両平板部30b、30bの下端縁同士と直接連続している為、上記圧縮力が作用しても弾性変形しにくい(突っ張れる)。この結果、チルト操作に必要なステアリングコラム4cの剛性を確保し易く、チルト操作を行う為のレバー26aの操作量が多くなる等の不都合が生じる事はない。
本発明は、前述の図10に示した様な、電動式パワーステアリング装置にも適用可能である。
又、ステアリングシャフトの両端部をステアリングコラムの両端部に回転自在に保持する保持部材の、このステアリングコラムに対する固定は、上述したかしめによる構造以外であっても良い。例えば、ねじ止めや、上記保持部材が金属製の場合には溶接により行う事もできる。
又、ステアリングシャフトを構成するインナー、アウター両シャフト、或は、ステアリングコラムを構成するインナー、アウター両コラムの前後の位置関係は、上述した実施の形態と異ならせる事もできる。例えば、両コラムの前後の位置関係を、この実施の形態と逆にし、インナーコラムをブラケットに支持する構造の場合、このインナーコラムを構成する連結部の両端部を折り曲げる事なく、1対の平板部の一端縁に直接連続させる。
更に、上記ステアリングコラムの上下方向に関する上下関係を、上述の実施の形態と逆にしても良い。この場合、ステアリングシャフト組立体を、上記ステアリングコラム内に上下方向下方から挿入する。
本発明の実施の形態の第1例を示す斜視図。 分割型の保持部材の素子の1例を示す斜視図。 保持部材とインナーコラム(アウターコラム)との結合構造の3例を示す部分斜視図。 ステアリングシャフトと保持部材との組み付け状態の第1例を示す分解斜視図。 同じく第2例を示す分解斜視図。 同じく第3例を示す分解斜視図。 ステアリングコラムの組み付け状態を示す分解斜視図。 ステアリングシャフト組立体をステアリングコラムに組み付ける状態を示す分解斜視図。 ステアリング装置をブラケットに組み付ける状態を示す分解斜視図。 ステアリング装置の従来構造の1例を示す、部分切断側面図。 同じく第2例を示す、図10のA−A断面に相当する図。 同じく第3例を示す、ステアリングコラムの横断面図。
符号の説明
1 電動式パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3、3a、3b ステアリングシャフト
4、4a、4b、4c ステアリングコラム
5 操舵力補助装置
6 タイロッド
7 ステアリングギヤユニット
8、8a インナーシャフト
9、9a アウターシャフト
10、10a インナーコラム
11、11a アウターコラム
12 ギヤハウジング
13 出力軸
14 支持ブラケット
15 車体
16 自在継手
17 中間シャフト
18 別の自在継手
19 入力軸
20 インナーシャフト
21 アウターシャフト
22 電動モータ
23 平板部
24 湾曲部
25 ブラケット
26、26a レバー
27、27a チルトボルト
28、28a チルトナット
29 側壁部
30a、30b 平板部
31 連結部
32 連結平板部
33 凹部
34 長孔
35 切り欠き
36a、36b 保持部材
37a、37b 開口部
38a、38b 突出板部
39 透孔
40 段部
41 小孔
42a、42b 突部
43 揺動腕
44 貫通孔
45 転がり軸受
46 保持孔
47 段部
48 係合凹部
49 ブラケット
50 側壁部
51 取付部
52 透孔
53 延出板部
54 通孔
55 突部
56a、56b 第二の開口部
57 ステアリングシャフト組立体
58 素子
59 段部
60、60a 係合突部
61、61a 係合凹部
62 折り曲げ突部

Claims (2)

  1. インナーシャフトとアウターシャフトとを、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成るステアリングシャフトと、インナーコラムとアウターコラムとを、軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成り、上記ステアリングシャフトを回転自在に挿通するステアリングコラムとを備え、
    車体に固定のブラケットを構成する、それぞれが上下方向に配置された1対の側壁部同士の間に、上記インナー、アウター両コラムのうちの何れか一方のコラムを配置した状態で、上記両側壁部の間隔を変える事により、これら両側壁部とこの一方のコラムのうちのこれら両側壁部と当接する部分との間に生じる摩擦力を変化させて、上記ステアリングコラムを上記ステアリングシャフトと共に、上下方向に揺動可能又は揺動不能とするステアリング装置に於いて、
    上記一方のコラムは、それぞれが、上下方向に存在して軸方向に配置された1対の平板部と、これら両平板部の上下方向一端縁同士を連結する、軸方向に配置された平板である連結平板部とを備え、上記両平板部の外側面が上記両側壁部の内側面にそれぞれ当接するものであり、
    上記両コラムの上下方向他端側に、少なくとも上記ステアリングシャフトがこれら両コラムと平行な状態で、このステアリングシャフトの中間部が進入可能な開口部をそれぞれ設けており、上記インナーコラムの軸方向一端部と、上記アウターコラムの軸方向他端部とに、上記ステアリングシャフトの両端部を回転自在に保持する保持部材をそれぞれ固定した事を特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載したステアリング装置の製造方法であって、インナーシャフトとアウターシャフトとを組み合わせてステアリングシャフトとすると共に、これらインナー、アウター両シャフトのそれぞれの端部に保持部材を配置して、ステアリングシャフト組立体とし、インナーコラムとアウターコラムとを組み合わせてステアリングコラムとし、これら両コラムの開口部を通じて上下方向他端側から、上記ステアリングシャフト組立体の中間部を進入させると共に、上記両コラムのそれぞれの端部に設けた、このステアリングシャフト組立体の両端部に配置した保持部材が上下方向他端側から進入可能な第二の開口部を通じて、これら両保持部材を配置した後、これら両保持部材を上記両コラムのそれぞれの端部に固定する、ステアリング装置の製造方法。
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