JP7160159B2 - ステアリング装置用支持ブラケット及びステアリング装置 - Google Patents
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Description
本明細書及び特許請求の範囲では、特に断わらない限り、前後方向とは、ステアリング装置を設置する車体の前後方向をいい、幅方向とは、車体の幅方向をいい、上下方向とは、車体の上下方向をいう。
このうちの取付部は、使用状態で車体に固定される。別の言い方をすれば、この取付部は、使用状態で車体に固定する為の固定部を有している。
前記1対の支持板部は、前記車体の幅方向において互いに離隔するように対向配置され、それぞれの上端部が前記取付部の下面につながっており、それぞれに固定側通孔を有している。
この様な固定側通孔としては、例えば、ステアリングホイールの高さ位置を調節可能とするチルト機構を備えたステアリング装置に組み込む場合には、上下方向に長いチルト調節用長孔とする。一方、前記チルト機構を備えていないステアリング装置に組み込む場合には、前記固定側通孔を円孔とする。
前記補強部は、前後方向から見て前記固定側通孔と重なる位置を含む範囲に設けられており、且つ、上端縁が前記前後方向スリットにまで達し、下端縁が前記支持板本体の下端部にまで達している。
又、本発明の第2態様のステアリング装置用支持ブラケットにおいては、前記1対の支持板部はそれぞれ、前記固定側通孔が形成された支持板本体と、前記支持板本体の後端縁に沿って設けられた上下方向に長尺の補強部と、前記支持板本体の上端縁に連続して設けられ、前記取付部の下面に溶接固定された溶接用耳部とを有している。
前記補強部は、前後方向から見て前記固定側通孔と重なる位置を含む範囲に設けられており、且つ、前記溶接用耳部の後端縁よりも後方に位置している。
この様な補強部は、支持板部の幅方向に関する断面係数を高くする為のものである。又、本発明では、前記補強部の上端縁は、前記取付部の下面に結合されていない。
すなわち、本発明の第1態様と第2態様のステアリング装置用支持ブラケットを同時に実施することもできる。
この場合に、前記固定側通孔よりも前側に設ける第1態様の前記補強部と、前記固定側通孔より後側に設ける第2態様の前記補強部とは、互いに異なる断面形状にする事もできるし、互いに同じ断面形状にする事もできる。
この場合には、前記ブリッジ板部に、前記車体の幅方向に伸長したリブを設ける事もできる。
このうちのステアリングコラムは、使用状態で、内側にステアリングシャフトを回転可能な状態で支持する為のものである。
前記変位ブラケットは、例えば、ステアリングコラムの一部に固設され、幅方向に貫通する状態で変位側通孔が形成されている。この様な変位側通孔は、例えば、ステアリングホイールの前後位置を調節可能とするテレスコピック機構を備えたステアリング装置の場合には、前後方向に長いテレスコ調節用長孔とし、前記テレスコピック機構を備えていないステアリング装置の場合には、円孔とする。
前記支持ブラケットは、本発明のステアリング装置用支持ブラケットである。
前記調節ロッドは、前記変位側通孔及び前記固定側通孔を幅方向に挿通した状態で設けられている。
前記1対の押圧部は、前記調節ロッドの両端部で前記支持ブラケットを構成する1対の支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
前記拡縮装置は、前記1対の押圧部同士の間隔を拡縮する為のものである。
そして、前記拡縮機構の拡縮に基づいて、ステアリングホイールの前後位置(テレスコピック機構を備えている場合)又は上下位置(チルト機構を備えている場合)を調節可能なアンロック状態と、このステアリングホイールを調節後の位置に保持可能なロック状態とを切り替え可能である。
即ち、本発明の場合には、前記1対の支持板部のうち、前記固定側通孔よりも前側又は後側にずれた位置の少なくとも一方に、上下方向に長い補強部を設けている。この為、ステアリングコラムから加わる捩じりトルクに対する、前記1対の支持板部の剛性を高くする事ができる。この結果、この捩りトルクに基づいて、前記1対の支持板部が塑性変形する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1~図18を参照しつつ説明する。本例の支持ブラケット17aを組込んだステアリング装置は、車体15aに支持された円筒状のステアリングコラム4aの内径側にステアリングシャフト2aを、図示しない複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持している。そして、前記ステアリングコラム4aの後端開口よりも後方に突出した、前記ステアリングシャフト2aの後端部分に、ステアリングホイール1(図40及び図41参照)を固定する。
このうちの取付板部54は、特許請求の範囲に記載した取付部に相当し、1枚の板状部材にプレス加工を施す事により造ったもので、ブリッジ板部55と、該ブリッジ板部55の幅方向両側に設けられた1対のサイド板部56、56とから成る。
このうちのブリッジ板部55は、下方及び前後方向両端が開口した略コ字形である。具体的には、このブリッジ板部55は、幅方向に平行な状態で設けられた中央板部57と、該中央板部57の幅方向両側に設けられた1対の側方傾斜板部58、58とを備えている。これら1対の側方傾斜板部58、58は、前記中央板部57の幅方向両端縁から幅方向外側に向かうほど下側に向かう方向に傾斜した状態で設けられている。この様な1対の側方傾斜板部58、58の前端部は、前記中央板部57の前端部よりも前側に位置している。一方、前後方向に関して、前記中央板部57の後端縁と、前記1対の側方傾斜板部58、58の後端縁とは、同一平面上に存在している。従って、前記中央板部57の前後方向寸法は、前記1対の側方傾斜板部58、58の前後方向寸法よりも小さい。
具体的には、前記第一リブ60を、幅方向両端縁が、前記ブリッジ板部55の幅方向両端縁(前記1対の側方傾斜板部58、58の幅方向外端縁)よりも幅方向外側に位置した状態で形成している。即ち、前記第一リブ60の幅方向両端部を、前記1対のサイド板部56、56の幅方向内端部に位置させている。
一方、前記第二リブ61を、幅方向両端縁が、前記取付板部54の幅方向両端縁(前記1対の側方傾斜板部58、58の幅方向外端縁)よりも幅方向内側に位置した状態で形成している。即ち、前記第二リブ61を、前記ブリッジ板部55にのみ形成している。
以上の様な構成により前記ブリッジ板部55の剛性を、前記1対のサイド板部56、56の剛性よりも高くしている。
以上の様な構成を有する1対の第三リブ62、62と、前記第一リブ60の幅方向両端部とにより、前記ブリッジ板部55の幅方向両端部(前記1対の側方傾斜板部58、58の幅方向外端部)と前記1対のサイド板部56、56の幅方向内端部との連続部の剛性を高くしている。
具体的には、本例の場合、前記1対の支持板部22a、22aは、上下方向に長い1枚の板状部材であり、支持板本体64、64と、補強部65、65と、溶接用耳部66、66とから成る。
このうちの各支持板本体64、64は、上下方向に平行な板状部材であり、幅方向に関して対向する位置(互いに整合する位置)で、且つ、前記1対のテレスコ調節用長孔21a、21aの前後方向の一部と整合する部分に、それぞれ上下方向に長い1対のチルト調節用長孔23a、23aが形成されている。
上述の様な各補強部65、65を設ける事により、これら各補強部65、65が設けられた部分が、前記各支持板本体64、64と同様の平板状に形成されている場合と比べて、当該部分の幅方向に関する断面係数が高くなっている。これにより、前記各支持板部22a、22aの曲げ剛性(捩じり強度)を、前記補強部65、65を設けない場合と比べて高めている。
尚、本例の場合、前記補強部を支持ブラケットの前端部に設けているが、後端部に設ける事もできる。又、補強部は、支持ブラケットの前端部又は後端部だけでなく、前後方向中間部に設ける事もできる。更に、補強部は、支持ブラケットを構成するそれぞれの支持板部に対して、1つだけでなく、複数設ける事ができる。
一方、図19(f)に示す補強部65eは、上下方向の全長に亙り前方に向かうほど厚さ寸法が大きくなる。この場合には、前記各支持板本体64、64の幅方向内側面と前記補強部65eの幅方向内側面とを同一面上に存在させると共に、この補強部65eの幅方向外側面を、前側に向かうほど幅方向外側に向かう方向に傾斜させている。尚、図示の例では、前記補強部65d、65eは、前記各支持板本体64、64と一体に設けているが、例えば、別体に設けた前記仮想平面に関する断面が略矩形状の棒状(又は板状)部材、或いは、略三角形状の棒状(又は板状)部材を、前記各支持板本体64、64の幅方向外側面の前端部{図19(e)及び(f)に二点鎖線で示す部分}に溶接により結合した構造とする事もできる。更に、各支持板本体64の前端部を後方に180度折り返して、この折り返した部分を補強部とする事もできる。
以上の様に、補強部の構造としては、補強部が設けられていない場合(前記各支持板本体64の前端部)と比べて、幅方向に関する断面係数を高くできる各種構造のものを採用できる。
この様な各上下方向スリット73、73は、前記1対のチルト調節用長孔23a、23aの周囲の剛性を適度に低くする為のものである。又、前記上側スリット74及び下側スリット75は、これら各スリット74、75の周囲に応力が集中する事を防止できる。
尚、前記各上下方向スリット73、73の前後方向に関する位置は、本例の場合に限定されない。例えば、前記各補強部65、65と前記1対のチルト調節用長孔23a、23aとの前後方向の距離が大きい場合には、前記各上下方向スリット73、73を、前記1対のチルト調節用長孔23a、23a寄りに形成する事もできる。この場合には、好ましくは、上下方向スリットを、1対の支持板部のうち、1対の押圧部{例えば、被駆動側カム、調節ナット25(図42参照)、前記アンカ部27}と幅方向に重畳しない位置に形成する。
具体的には、本例の場合、前記1対の支持板部22a、22aは、前記各溶接用耳部66、66の幅方向外側面を、前記ブリッジ板部55を構成する1対の側方傾斜板部58、58の幅方向内側面の下端部に当接させた状態で、前記各溶接用耳部66、66の幅方向外側面の下端部を、前記1対の側方傾斜板部58、58の幅方向外端縁に溶接固定されている。別の言い方をすれば、前記各溶接用耳部66、66の幅方向外側面の下端部と、前記1対の側方傾斜板部58、58の幅方向外端縁(下端縁)とを、溶接部77、77を介して結合している。尚、前記各溶接用耳部66、66の上端縁を、前記1対の側方傾斜板部58、58の幅方向内側面に、溶接により(溶接部を介して)結合する事もできる。
この調節ロッド24aは、幅方向(軸方向)一端部に配置されたアンカ部27(図42参照)と、幅方向他端部に形成された雄ねじ部と、幅方向中間部に形成された軸部とを備えている。そして、この様な構成を有する前記調節ロッド24aを、前記1対のテレスコ調節用長孔21a、21a及び前記1対のチルト調節用長孔23a、23aに挿通している。そして、前記調節ロッド24aの幅方向一端側に設けた前記アンカ部27を、前記1対の支持板部22a、22aのうちの一方(図2の右側)の支持板部22aに形成されたチルト調節用長孔23aに、相対回転不能に係合させる。又、前記調節ロッド24a(軸部)のうち、他方(図2の左側)の支持板部22aの外側面から幅方向に突出した部分の周囲に、駆動側カムと被駆動側カムとから成るカム装置78{又は、調節ナット25(図42参照)}及び調節レバー26aを設け、前記雄ねじ部にナット(図示省略)を螺着する。これにより、この調節レバー26aの揺動操作に基づいて、前記カム装置78を構成する駆動側カムを被駆動側カムに対して相対回転させる事で、このカム装置78の幅寸法(軸方向寸法)を拡縮させる。
即ち、本例の場合には、前記アウタコラム11aの幅方向両側にそれぞれ、前記インナコラム10aの外周面を弾性的に挟持する為の前記1対のクランプ部38、38と、例えばステアリングロック装置を作動させた状態のまま前記ステアリングホイール1を大きな力で操作した場合等に前記アウタコラム11aに作用するトルクを、前記支持ブラケット17aを構成する1対の支持板部22a、22aの内側面に伝達する為の前記各トルク伝達面49a、49bとを、別々に独立して設けている。この為、前記1対のクランプ部38、38は、前記インナコラム10aを挟持する機能のみを発揮できれば足り、必要以上に強度を確保しなくて済む為、幅方向に大きく撓ませる事が可能になる。これに対し、前記各トルク伝達面49a、49bは、トルクを伝達する機能のみを発揮できれば足り、幅方向に大きく撓ませる必要がない。この結果、本例のステアリング装置によれば、前記アウタコラム11aの強度確保と、前記インナコラム10aの保持力確保とを両立できる。
又、前述した様に、前記1対の支持板部22a、22aのうち、上下方向に関して前記各上下方向スリット73、73から上方及び下方に外れた剛性の高い部分を、前記各トルク伝達面49a、49bに当接させる様にすれば、前記アウタコラム11aの支持剛性を、前記各上下方向スリット73、73の存在に拘わらず高くできる。
以下、この理由に就いて詳しく説明する。
例えば、前記車体側の取付面が、図2に二点鎖線で示す様に幅方向(図2の左右方向)に対して傾斜している(ハの字状になっている)場合には、組み付け状態では、前記1対のサイド板部56、56も図2に二点鎖線で示す様に幅方向に対して傾斜する。この様な1対のサイド板部56、56の傾斜の影響が、前記1対の支持板部22a、22aに及ぶと、これら1対の支持板部22a、22aは、下端部同士が近づく方向に傾斜(変形)する。この結果、これら1対の支持板部22a、22aが、前記アウタコラム11aに、本来当接すべき部分とは異なる部分で当接して、前記ステアリングホイール1の位置を調節する際の操作性が低下してしまう可能性がある。
そこで、本例の場合、先ず、前記取付板部54を構成するブリッジ板部55の剛性を、同じく1対のサイド板部56、56の剛性よりも高くして、これら1対のサイド板部56、56が傾斜(変形)した場合でも、この傾斜(変形)の影響を、前記ブリッジ板部55が受けない(受けにくい)様にしている。
又、本例の場合、前記1対の支持板部22a、22aを、前記各溶接用耳部66、66を介して前記ブリッジ板部55に溶接により結合している。即ち、前記1対の支持板部22a、22aは、前記1対のサイド板部56、56ではなく、剛性が高くこれら1対のサイド板部56、56の傾斜(変形)の影響を受けにくい前記ブリッジ板部55に直接結合固定されている。この様な構成により、前記1対のサイド板部56、56の傾斜(変形)の影響が、前記1対の支持板部22a、22aに及ばない(及びにくい)様にしている。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図20を参照しつつ説明する。
本例の場合、上下方向スリット73aを構成する下側スリット75aの形状を、前述した実施の形態の第1例の下側スリット75と異ならせている。具体的には、本例の場合、前記下側スリット75aを、幅方向から見た形状が前後方向に長い長孔としている。又、この下側スリット75a後端縁を、1対のチルト調節用長孔23aの下側縁の前端縁よりも後側に(本例の場合、僅かに後側に)位置させている。この様な本例の構造を実施する場合に、前記下側スリット75aの後端縁の位置は、例えば、1対の支持板部22aのうちの各補強部65と前記1対のチルト調節用長孔23aとの間に存在する部分(前記1対のチルト調節用長孔23aの周囲)の剛性を考慮しつつ、前後方向に関して前記1対のチルト調節用長孔23aと整合する範囲で決定する。尚、前記下側スリット75aの後端縁の位置を、前記1対のチルト調節用長孔23aの下側縁の後端縁よりも後側に位置させる事もできる。
この様な本例の場合、1対の支持板部22a(各支持板本体64)のうちの前記1対のチルト調節用長孔23aの周囲に存在する部分の剛性を、前述した実施の形態の第1例の場合よりも小さくする事ができる。
尚、図示は省略するが、上下方向スリット73aを構成する上側スリットは、前述した実施の形態の第1例と同様の形状である。但し、前記上側スリットを、前記下側スリット75aと、上下方向に関して対称な形状とする事もできる。
その他の部分の構造及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図21を参照しつつ説明する。
本例の場合、上下方向スリット73bを構成する下側スリット75bの形状を、前述した実施の形態の第1例の下側スリット75と異ならせている。具体的には、本例の場合、前記下側スリット75bを、後方に向かうほど下方に傾斜した長孔としている。又、本例の場合、この下側スリット75bの後端縁を、1対のチルト調節用長孔23aの下側縁の前端縁よりも前側に(本例の場合、僅かに前側に)位置させている。この様な本例の構造を実施する場合に、前記下側スリット75bの後端縁の位置は、1対の支持板部22a(各支持板本体64)のうちの前記1対のチルト調節用長孔23aの周囲に存在する部分の剛性を考慮しつつ決定する。
尚、図示は省略するが、上下方向スリット73bを構成する上側スリットは、前述した実施の形態の第1例と同様の形状である。但し、前記上側スリットを、前記下側スリット75bと、上下方向に関して対称な形状とする事もできる。
その他の部分の構造及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図22を参照しつつ説明する。
本例の場合、上下方向スリット73cを構成する下側スリット75cの形状を、前述した実施の形態の第1例の下側スリット75と異ならせている。具体的には、本例の場合、前記下側スリット75cを、幅方向から見た形状が略円形状の円孔としている。
尚、図示は省略するが、上下方向スリット73cを構成する上側スリットは、前述した実施の形態の第1例と同様の形状である。但し、前記上側スリットを、前記下側スリット75cと、上下方向に関して対称な形状とする事もできる。
以上の様な構成を有する本例の場合も、1対の支持板部22aのうちの前記1対のチルト調節用長孔23aの周囲に存在する部分の剛性を適度に小さくできる。
尚、前記第2の前後方向スリット82の上下方向位置、及び、この第2の前後方向スリット82の前端縁及び後端縁の位置は、1対の支持板部22a(前記各支持板本体64、64)のうちの前記1対のチルト調節用長孔23aの周囲に存在する部分の剛性を考慮しつつ決定する。
又、前記1対のチルト調節用長孔23aの上側に、前記第2の前後方向スリット82と同様の形状の第3の前後方向スリットを設ける事もできる。
又、前記上下方向スリット73cを構成する下側スリット75cと、前記第2の前後方向スリット82とを連続させる事もできる。この場合には、この様に連続したスリットが、特許請求の範囲に記載したスリットに相当する。
その他の部分の構造及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図23を参照しつつ説明する。
本例の場合、1対の支持板部22aを構成する各支持板本体64のうち、1対のチルト調節用長孔23aの下側部分に、幅方向から見た形状が、前後方向に長い長円形状である第2の前後方向スリット82aを形成している。この様な第2の前後方向スリット82aは、前端縁が前記1対のチルト調節用長孔23aの下側縁の前端縁よりも後側に位置すると共に、後端縁がこれら1対のチルト調節用長孔23aの下側縁の後端縁と一致している。
又、本例の場合も、前記第2の前後方向スリット82aを、上下方向に関して、上下方向スリット73cを構成する下側スリット75cと整合させている。
尚、前記1対のチルト調節用長孔23aの上側に、前記第2の前後方向スリット82aと同様の形状の第3の前後方向スリットを設ける事もできる。
その他の部分の構造及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例及び第4例と同様である。
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図24を参照しつつ説明する。
本例の場合、1対の支持板部22aを構成する各支持板本体64のうち、1対のチルト調節用長孔23aの下側部分に、幅方向から見た形状が、略く字形である第2の前後方向スリット82bを形成している。この様な第2の前後方向スリット82bは、前後方向に長い直線状の前側スリット83と、この前側スリット83の後端縁から後方に向かうほど上方に向かう方向に傾斜した直線状の後側スリット84とから成る。
この様な第2の前後方向スリット82bの前端縁は、前記1対のチルト調節用長孔23aの下側縁の前端縁よりも後側に位置している。一方、前記第2の前後方向スリット82bの後端縁は、前記1対のチルト調節用長孔23aの下側縁の後端縁よりも後側に位置している。
尚、前記1対のチルト調節用長孔23aの上側に、前記第2の前後方向スリット82bと同様の形状の第3の前後方向スリットを設ける事もできる。
以上の様な構成を有する本例によれば、前記1対の支持板部22a、22aのうちの前記1対のチルト調節用長孔23a、23aの周囲に存在する部分の剛性を、前述した実施の形態の第4例及び第5例の場合よりも小さくできる。
その他の部分の構造及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
本発明の実施の形態の第7例に就いて、図25~図32を参照しつつ説明する。
本例では、支持ブラケット17bを構成する1対の支持板部22b、22bの前後両側位置に、それぞれ補強部65、65fを設けている。即ち、前記各支持板部22b、22bのうち、チルト調節用長孔23a、23aよりも前側にずれた位置に、補強部65を設け、チルト調節用長孔23a、23aよりも後側にずれた位置に、補強部65fを設けている。
即ち、本例では、前記取付板部54aの下面に溶接固定する為の溶接用耳部66、66と前側の補強部65、65とは上下方向に重畳させているが、これら各溶接用耳部66、66の下端縁と各補強部65、65の上端縁との間には、幅方向両側及び前側が開口した前後方向スリット72、72を設けている。この為、前記各補強部65、65の上端縁は自由端になっており、前記各溶接用耳部66、66を前記取付板部54aの下面に溶接により固定した際にも、前記各補強部65、65の上端縁が前記取付板部54aの下面に直接結合される事はない。
即ち、図32に示すように、前記アウタコラム11bの幅方向両外側面のうち、上下方向中間部には平坦面状の押圧面40、40を設けており、これら各押圧面40、40よりも上方にはトルク伝達面49a、49aを設けているが、これら各押圧面40、40よりも下方には、実施の形態の第1例で設けていたトルク伝達面49b、49bは設けていない。本例では、前記アウタコラム11bの幅方向両外側面のうち、前記各押圧面40、40よりも下方に、これら各押圧面40、40及び前記各トルク伝達面49a、49aよりも幅方向内方にオフセットした着座面88、88を設けている。そして、前記アウタコラム11bに外力を加えていない状態で、前記各トルク伝達面49a、49a同士の幅寸法Haと、前記各押圧面40、40同士の幅寸法Hcと、前記各着座面88、88同士の幅寸法Hdとの間に、Ha=Hc>Hdの関係が成り立つ様にしている。
本発明の実施の形態の第8例に就いて、図33~図39を参照しつつ説明する。
本例では、支持ブラケット17cを構成する1対の支持板部22c、22cのうち、前側に設けられた補強部65、65よりも更に前方に、平板状の延長板部89、89を設けている。換言すれば、本例では、前記各補強部65、65を、支持板本体64b、64bの前端縁部ではなく、前後方向中間部に設けている。
又、本発明を実施する場合には、チルト機構とテレスコピック機構との両方の機構を備えた構造だけでなく、何れか一方の機構のみを備えた構造、或いは、何れの機構も備えていない構造に適用する事ができる。
又、支持ブラケットに設けた補強部及びスリットの構造及び形状は、前述した実施の形態の各例の構造に限定されるものではない。
又、前述した実施の形態の第1例~第6例では、カム装置等との干渉防止の面から支持ブラケットの前端部にのみ補強部を設けているが、補強部をこの支持ブラケットの後端部にのみ設ける事もできる。又、実施の形態の第7例の様に、補強部をこの支持ブラケットの前端部及び後端部に設ける事もできる。又、前記補強部は、支持ブラケットの前端部又は後端部に形成されていなくても良い(前後方向中間部に設けられていても良い)。
又、前記補強部は、支持板部の外側面側だけでなく、内側面側に設ける(内側面側に突出させる)事もできる。
2、2a ステアリングシャフト
3 操舵輪
4、4a ステアリングコラム
5 操舵力補助装置
6 タイロッド
7 ステアリングギヤユニット
8、8a インナシャフト
9、9a アウタシャフト
10、10a インナコラム
11、11a、11b アウタコラム
12、12a ギヤハウジング
13 出力軸
14、14a ロアブラケット
15、15a 車体
16、16a チルト軸
17、17a、17b、17c 支持ブラケット
18、18a 係止カプセル
19 スリット
20 クランプ部
21、21a テレスコ調節用長孔
22、22a、22b、22c 支持板部
23、23a チルト調節用長孔
24、24a 調節ロッド
25 調節ナット
26、26a 調節レバー
27 アンカ部
28 自在継手
29 中間シャフト
30 自在継手
31 入力軸
32、32a 電動モータ
33、33a ロック用透孔
34 被挟持部本体
35 円筒状部
36 軸方向スリット
37a、37b 周方向スリット
38 クランプ部
39 張出板部
40 押圧面
41 補強ブリッジ部
42 補強板部
43a、43b 連結部
44 平板部
45 下方延出部
46 切り欠き
47 隙間
49a、49b トルク伝達面
50a、50b 突条部
51 補強リブ
52 補強用連結板
53 凹部
54、54a 取付板部
55 ブリッジ板部
56 サイド板部
57 中央板部
58 側方傾斜板部
59 係止切り欠き
60 第一リブ
61 第二リブ
62 第三リブ
63 取付側スリット
64、64a、64b 支持板本体
65、65a、65b、65c、65d、65e、65f 補強部
66、66a 溶接用耳部
67 第一補強素子
68 第二補強素子
69 第一補強素子
70 第二補強素子
71 第三補強素子
72 前後方向スリット
73、73a、73b、73c 上下方向スリット
74 上側スリット
75、75a、75b、75c 下側スリット
76 中間スリット
77 溶接部
78 カム装置
80 固定部
81 取付フランジ
82、82a、82b 第2の前後方向スリット
83 前側スリット
84 後側スリット
85 前端縁
86 上板部
87 傾斜板部
88 着座面
89 延長板部
90 前後方向スリット
Claims (3)
- 車体に固定される取付部と、
前記車体の幅方向において互いに離隔するように対向配置され、それぞれの上端部が前記取付部の下面につながっており、それぞれが固定側通孔を有している1対の支持板部と、
を備えたステアリング装置用支持ブラケットであって、
前記1対の支持板部はそれぞれ、前記固定側通孔が形成された支持板本体と、前記支持板本体の前端縁に沿って設けられた上下方向に長尺の補強部と、前記支持板本体の上端縁に連続して設けられ、前記取付部の下面に溶接固定された溶接用耳部と、前記溶接用耳部の下端縁と前記補強部の上端縁との間に形成された前後方向に長尺の前後方向スリットとを有し、
前記補強部は、前後方向から見て前記固定側通孔と重なる位置を含む範囲に設けられており、且つ、上端縁が前記前後方向スリットにまで達し、下端縁が前記支持板本体の下端部にまで達している、
事を特徴とするステアリング装置用支持ブラケット。 - 車体に固定される取付部と、
前記車体の幅方向において互いに離隔するように対向配置され、それぞれの上端部が前記取付部の下面につながっており、それぞれが固定側通孔を有している1対の支持板部と、
を備えたステアリング装置用支持ブラケットであって、
前記1対の支持板部はそれぞれ、前記固定側通孔が形成された支持板本体と、前記支持板本体の後端縁に沿って設けられた上下方向に長尺の補強部と、前記支持板本体の上端縁に連続して設けられ、前記取付部の下面に溶接固定された溶接用耳部とを有し、
前記補強部は、前後方向から見て前記固定側通孔と重なる位置を含む範囲に設けられており、且つ、前記溶接用耳部の後端縁よりも後方に位置している、
事を特徴とするステアリング装置用支持ブラケット。 - 内側にステアリングシャフトを回転可能に支持する為のステアリングコラムと、
請求項1~2のうちの何れか1項に記載したステアリング装置用支持ブラケットとを備えているステアリング装置。
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