JP2008126750A - ステアリング装置 - Google Patents

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純一 荻野
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Abstract

【課題】ステアリングホイールの位置をテレスコピック調節するためのインナーチューブとアウターチューブとの間のがたつきの発生を抑制し、安価にする。
【解決手段】本ステアリング装置1は、相対摺動可能に嵌合されたインナーチューブ28およびアウターチューブ29と、車体9に固定された上部固定ブラケット37と、アウターチューブ29に固定されたチルトブラケット39と、チルトロックを達成するための締め付け機構41とを有する。締め付け機構41の支軸38は、操作レバー42の回動操作に応じて軸方向Cに移動し、押圧部材45を一体移動させる。チルトロックが達成されたときに、押圧部材45がアウターチューブ29の開口部46を通してインナーチューブ28に押圧され、両チューブ28,29のがたつきの発生を抑制する。支軸38と押圧部材45との相対移動が不要であり、構造を簡素化し安価にできる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリング装置では、ステアリングコラムにより回動自在に支持されたステアリングシャフトの端部に、ステアリングホイールが取り付けられている。このステアリングホイールの位置をステアリングシャフトの軸方向に関して調節できるようにした、テレスコピック調節可能なステアリング装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1のステアリングコラムは、互いに軸方向に相対摺動可能に嵌合されたインナーチューブおよびアウターチューブと、これら両チューブの相対摺動を規制してロックするための締め付け機構とを有している。
締め付け機構は、操作レバーと一体回動する締め付け軸と、締め付け軸の軸方向に締め付け軸に対して相対移動可能とされインナーチューブを押圧する押圧部材とを有している。この押圧部材に対向して、アウターチューブに開口が形成されている。操作レバーを一方の向きに回動操作すると、押圧部材が、軸方向の一方の向きに締め付け軸に対して移動する。これに伴い、押圧部材が、アウターチューブの開口を通じてインナーチューブの外周面を押圧し、このインナーチューブがアウターチューブの内周面に押圧される。
特開平5−262238号公報
しかし、特許文献1のロック機構では、押圧部材と締め付け軸とが互いに軸方向に相対移動するので、押圧部材とインナーチューブとの相対位置関係がばらつき易く、その結果、ロック時の押圧部材による押圧が不確実になり、ひいては、インナーチューブとアウターチューブとの間にがたつきが生じることがある。また、ロックを解除するときに、押圧部材がインナーチューブから外れない虞がある。
また、特許文献1では、押圧部材と締め付け軸とを軸方向相対移動させるための部材や機構が必要であるので、部品点数が多くなり、その結果、製造コストが高くなる。
そこで、本発明の目的は、インナーチューブとアウターチューブとの間のがたつきの発生を確実に抑制できて、安価なステアリング装置を提供することである。
本発明のステアリング装置(1)は、テレスコピック調節のために軸方向(S)に相対摺動可能に嵌め合わされ、ステアリングシャフト(4)を回転可能に支持するインナーチューブ(28)およびアウターチューブ(29)と、車体(9)に固定され相対向する一対の側板(37a,37b)を有する固定ブラケット(37)と、アウターチューブに固定され、固定ブラケットの各側板の側面(37ab,37bb)にそれぞれ対向する一対の側板(39a,39b)を有するチルトブラケット(39)と、操作レバー(42)の回動操作に応じて固定ブラケットの各側板をチルトブラケットの対応する側板に圧接して少なくともチルトロックを達成するための締め付け機構(41)とを備え、この締め付け機構は、固定ブラケットおよびチルトブラケットの各側板の挿通孔(37e,39e)を挿通し、操作レバーの回動操作に応じて軸方向(C)に移動する締め付け軸(38)を含み、この締め付け軸と軸方向の双方向に一体移動可能に設けられた押圧部材(45)が、締め付け機構によってチルトロックが達成されたときに、アウターチューブの開口部(46)を通してインナーチューブの外周(28a)に押圧されるようにしてあることを特徴とする。
本発明によれば、押圧部材が締め付け軸との軸方向相対移動を規制されるので、押圧部材と締め付け軸との相対位置関係が、ひいては押圧部材とインナーチューブとの相対位置関係がばらつき難くなる。その結果、締め付け軸の軸方向移動に伴って押圧部材がインナーチューブを確実に押圧でき、さらにインナーチューブおよびアウターチューブの間のがたつきの発生を抑制することができる。また、締め付け軸と押圧部材とが互いに一体移動可能に連結されているので、押圧部材によるインナーチューブに対する押圧が確実に解除される。また、締め付け軸と押圧部材とが相対移動するための部材が不要なので、部品点数を削減でき、製造コストを安価にできる。
また、本発明において、上記押圧部材は、上記締め付け軸と単一の材料で一体に形成されている場合がある。この場合、締め付け軸と押圧部材とを軸方向の双方に確実に一体移動させることができる。また、部品点数をより一層削減できる。
また、本発明において、上記インナーチューブの外周に筒状のリテーナ(30)が固定されており、締め付け機構によってチルトロックが達成されたときに、押圧部材がリテーナの外周(30a)に押圧されるようにしてある場合がある。通例、リテーナは、摺動抵抗を低減する作用を有するので、テレスコピック調節し易くできる。
また、本発明において、上記インナーチューブがアウターチューブよりも軸方向上方に配置され、上記押圧部材がインナーチューブに押圧されることにより、テレスコロックが達成されるようにしてある場合がある。この場合、テレスコロックを押圧部材により達成できるので、別途、テレスコロックを達成するための他の部材を設けずに済む。その結果、部品点数をより一層削減できる。
また、本発明において、上記締め付け機構は、締め付け軸上に配置されたカム(49)およびカムフォロワ(50)を含み、カムおよびカムフォロワは、操作レバーの回動操作に応じて相対回転され、その相対回転に応じてカムおよびカムフォロワの全体の軸方向寸法(L)が調節されて側板間の押圧力を調節するようにしてある場合がある。この場合、カムおよびカムフォロワの全体の軸方向寸法に応じて、インナーチューブに対して締め付け軸を軸方向に相対移動させることができる。また、通例、操作レバーの回動角度当たりの締め付け軸の軸方向移動量を、ねじ機構に比べて大きく得ることができる。その結果、押圧部材によるインナーチューブの押圧および押圧の解除を確実に得ることができる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、ステアリング装置が、パワーステアリング装置である場合に則して説明するが、これに限らず、例えば、マニュアル操舵のステアリング装置であってもよい。
図1は、本発明の第1の実施形態のステアリング装置の概略構成を示す模式図である。ステアリング装置1は、操向輪2を操舵するために操舵部材としてのステアリングホイール3に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4からの操舵トルクにより操向輪2を操舵するための例えばラックアンドピニオン機構からなる操舵機構5と、ステアリングシャフト4および操舵機構5の間に設けられてこの間において回転を伝達するための軸継手としての中間軸6とを有している。
ステアリングシャフト4は、ステアリングコラム7の内部を挿通して、ステアリングコラム7により回転自在に支持されている。ステアリングコラム7は上部支持部8Aおよび下部支持部8Bを介して車体9に支持されている。ステアリングシャフト4の一方の端部にステアリングホイール3が連結されていて、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト4の他方の端部に中間軸6が連結されている。
中間軸6は、動力伝達軸10と、中間軸6の両端部に設けられた自在継手11,12とを有している。操舵機構5は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラックバー14と、ピニオン軸13およびラックバー14を支持するラックハウジング15とを有している。
ステアリング装置1は、操舵トルクに応じて操舵補助力を得られるようになっている。すなわち、ステアリング装置1は、操舵トルクを検出するトルクセンサ16と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)17と、操舵補助用の電動モータ18と、歯車装置としての減速機19とを有している。本実施形態では、電動モータ18および減速機19は、ステアリングコラム7に関連して設けられている。
ステアリングコラム7は、コラムチューブ20と、ハウジング21とを有している。ハウジング21が、トルクセンサ16を収容して支持し、電動モータ18を支持し、また、減速機19の一部を構成している。
ステアリングシャフト4は、軸方向下部として、入力軸22と、出力軸23と、トーションバー24とを有し、軸方向上部としての連結軸25を有している。入力軸22および出力軸23は、トーションバー24を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸22は連結軸25を介してステアリングホイール3に連なっている。出力軸23は中間軸6に連なっている。入力軸22に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー24が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸22および出力軸23が相対回転する。
トルクセンサ16は、ステアリングシャフト4のトーションバー24に関連して設けられ、トーションバー24を介する入力軸22および出力軸23間の相対回転変位量に基づいてトルクを検出する。トルク検出結果は、ECU17に与えられる。
ECU17は、上述のトルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、電動モータ18を制御する。
ステアリングホイール3が操作されると、操舵トルクがトルクセンサ16により検出され、トルク検出結果および車速検出結果等に応じて電動モータ18が操舵補助力を発生させる。操舵補助力は、減速機19を介して操舵機構5に伝達される。これとともに、ステアリングホイール3の動きも、操舵機構5に伝わる。その結果、操向輪2が操舵されるとともに、操舵が補助される。
本実施形態では、ステアリングホイール3が上側となるように、ステアリングシャフト4の中心軸線が水平方向に平行な車両の前後方向Xに対して斜めにされて、ステアリングコラム7が車体9に支持されている。また、運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホイール3の位置を上下方向Zおよび前後方向Xに調節できるようにされている。
ステアリング装置1は、車両の前後方向Xに対するステアリングシャフト4の中心軸線の傾斜角度を異ならせるようにステアリングコラム7を揺動させることにより、ステアリングホイール3の高さ位置を調節するチルト調節機能を有している。具体的には、揺動の中心としてのチルト中心軸34の中心軸線の周りにステアリングコラム7を揺動させることにより、ステアリングホイール3の高さ位置を調節できるようにされている。
また、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト4の軸方向S(ステアリングコラム7の長手方向に平行である。)にステアリングホイール3を位置調節することにより、ステアリングホイール3の前後位置を調節するテレスコピック調節機能を有している。
図2は、図1のステアリング装置の要部の模式図であり、ステアリングホイール3の位置を調節するときの状態を示している。図1および図2を参照して、チルト調節機能およびテレスコピック調節機能は、上部支持部8Aと、下部支持部8Bと、以下のように伸縮可能なステアリングシャフト4およびステアリングコラム7とにより実現されている。また、上部支持部8Aは、調節されたステアリングホイール3の位置を保持するロック状態と、このロック状態を解除した解除状態とに切り換え可能とされている。
ステアリングシャフト4は、上述の連結軸25として、アッパーシャフト26と、ロアーシャフト27とを有している。ステアリングシャフト4の軸方向Sに関して、アッパーシャフト26は相対的に軸方向上方に配置され、ロアーシャフト27は相対的に軸方向下方に配置されている。アッパーシャフト26の一端に、ステアリングホイール3が連結されている。アッパーシャフト26の他端と、ロアーシャフト27の一端とは、ステアリングシャフト4の軸方向Sに沿って互いに相対移動自在に、且つ一体回転するように、スプライン構造等の継手構造により互いに連結されている。ロアーシャフト27の他端は、ステアリングシャフト4の入力軸22に連結されている。
ステアリングコラム7は、コラムチューブ20として、インナーチューブ28と、アウターチューブ29と、インナーチューブ28およびアウターチューブ29の間に介在するリテーナ30とを有している。ステアリングシャフト4の軸方向Sに関して、インナーチューブ28は相対的に軸方向上方に配置され、アウターチューブ29は相対的に軸方向下方に配置されている。
リテーナ30は、摺動特性が優れた合成樹脂部材により筒状に形成されていて、インナーチューブ28の外周28aに固定されている。軸方向Sに関して、リテーナ30は、テレスコピック調節するときに取りうるインナーチューブ28の最大移動量に見合う長さで形成されていて、リテーナ30の一部が、常にインナーチューブ28とアウターチューブ29との互いに嵌合された部分の間に介在している。
インナーチューブ28は、金属製で相対的に小径の筒状をなし、内部にアッパーシャフト26の一部を収容している。軸方向Sに関してのインナーチューブ28の上部は、軸受31を保持し、この軸受31を介して、ステアリングシャフト4のアッパーシャフト26を回転自在に支持していて、また、軸受31を介して軸方向Sに関するアッパーシャフト26の相対移動を規制している。
アウターチューブ29は、金属製で相対的に大径の筒状をなし、内部にロアーシャフト27の一部または全部を収容している。アウターチューブ29は、ロアーシャフト27を回転自在に支持し且つ軸方向Sに関する相対移動を規制している。具体的には、アウターチューブ29の下部には、ハウジング21が連結されている。このハウジング21が、軸受32を保持し、この軸受32を介して、ステアリングシャフト4の入力軸22と、この入力軸22に一体的に連結されたロアーシャフト27とを、軸方向Sに相対移動しないようにして回転自在に支持している。
インナーチューブ28およびアウターチューブ29は、互いに同心に配置されるとともに、それぞれがステアリングシャフト4と同心に配置されている。軸方向Sに関してのインナーチューブ28の下側の端部の外周28a(図3参照)が、軸方向Sに関してのアウターチューブ29の上側の端部の内周にリテーナ30を介して互いに嵌合されている。
インナーチューブ28およびアウターチューブ29は、リテーナ30を介して、テレスコピック調節のために軸方向Sに相対摺動可能とされている。解除状態でインナーチューブ28とアウターチューブ29との嵌合部同士が、リテーナ30を介して相対摺動を許容される。ロック状態ではインナーチューブ28とアウターチューブ29との嵌合部同士が所定の保持力で保持されることにより、インナーチューブ28とアウターチューブ29との嵌合部同士の相対摺動が規制されている。
軸方向Sに関してのアウターチューブ29の下側の端部は、ハウジング21および下部支持部8Bを介して車体9に支持されている。軸方向Sに関してのアウターチューブ29の上側の端部は、後述するように上部支持部8Aにより車体9に支持されている。また、インナーチューブ28は、アウターチューブ29を介して車体9に支持されている。
下部支持部8Bは、車体9に固定状態で支持された下部固定ブラケット33と、下部固定ブラケット33に支持されたチルト中心軸34と、チルト中心軸34を介して下部固定ブラケット33に支持された下部コラムブラケット35とを有している。下部コラムブラケット35は、ステアリングコラム7の下部としてのハウジング21を固定状態で支持している。これにより、ハウジング21は、下部コラムブラケット35、チルト中心軸34および下部固定ブラケット33を介して、車体9に支持されている。
チルト中心軸34は、下部固定ブラケット33および下部コラムブラケット35を連結している。下部コラムブラケット35および下部固定ブラケット33が、チルト中心軸34の中心軸線の周りに互いに相対回動自在とされている。これにより、ステアリングコラム7の下部は、チルト中心軸34の中心軸線の回りに揺動自在に支持されている。
上部支持部8Aは、車体9に連結部材36を介して固定状態で支持された固定ブラケットとしての上部固定ブラケット37と、上部固定ブラケット37に支持された締め付け軸としての支軸38と、支軸38を介して上部固定ブラケット37に支持されたチルトブラケット39とを有している。チルトブラケット39は、軸方向Sに関するアウターチューブ29の上側の端部を固定状態で支持している。これにより、アウターチューブ29の上部は、チルトブラケット39、支軸38、上部固定ブラケット37、および連結部材36を介して、車体9に支持されている。
連結部材36は、上部固定ブラケット37を所定の保持力で車体9に保持している。これにより、上部固定ブラケット37は、通常時に車体9に相対移動を規制された状態で支持され、また、所定の保持力を上回る衝撃力が作用した車両の衝突時には、車体9との相対移動を許容される。なお、上部固定ブラケット37は、常時車体9に固定されていてもよい。本明細書において、上部支持部8Aおよび下部支持部8Bについての固定とは、少なくとも通常時に固定されているという趣旨である。
図3は、図1に示すS3−S3断面に対応するステアリング装置の要部のロック状態での断面図である。図1および図3を参照して、上部固定ブラケット37は、断面略逆U字形形状をなす。上部固定ブラケット37は、相対向する一対の側板37a,37bと、一対の側板37a,37bの端部同士をつなぐ板状の接続部37cと、車体9に固定するための一対の取付部37dとを有する。
上部固定ブラケット37の一対の側板37a,37bは、支軸38の軸方向Cに関して互いに離間し、互いに平行に配置されている。各側板37a,37bには、縦長孔からなる挿通孔37eが形成されている。挿通孔37eは、支軸38の軸方向Cに直交する方向であり且つステアリングシャフト4の軸方向S(図3の紙面垂直方向に相当する。)と直交する縦方向Tに延びている。この縦長孔は、チルト中心軸34の中心軸線の周りに一定の半径で支軸38を移動させたときの軌跡に沿って湾曲状に延びていてもよいし、この軌跡の接線方向に直線状に延びていてもよい。一対の側板37a,37bと接続部37cとが、軸方向Sに垂直な断面において下方に開く溝形をなしている。
チルトブラケット39は、断面略U字形形状をなす。チルトブラケット39は、相対向する一対の側板39a,39bと、一対の側板39a,39bの一方の端部同士をつなぐ板状の接続部39cとを有している。一対の側板39a,39bは、軸方向Cに関して所定距離を隔てて互いに平行に配置されている。一対の側板39a,39bの他方の端部としての上端部が、アウターチューブ29の外周に例えば溶接により固定されている。
また、チルトブラケット39の各側板39a,39bには挿通孔39eがそれぞれ形成されている。この挿通孔39eは、例えば円形に形成されている。この挿通孔39eに支軸38が挿通し、支軸38の径方向に関しての支軸38の相対移動が規制されている。
支軸38は、軸方向Cの一方の端部に設けられた太径部としての頭部38aと、頭部38aから延びる細径部としての軸部38bとを有している。軸部38bに雄ねじ38cが形成されている。この雄ねじ38cに雌ねじ部材40がねじ嵌合されている。
支軸38の頭部38aと雌ねじ部材40との間に、上部固定ブラケット37およびチルトブラケット39が入れ子状に配置されている。上部固定ブラケット37の一対の側板37a,37b間に、チルトブラケット39が配置されている。チルトブラケット39の各側板39a,39bの外側面39aa,39baが、上部固定ブラケット37の対応する各側板37a,37bの内側面37ab,37bbにそれぞれ対向している。支軸38は、チルトブラケット39の各側板39a,39bの挿通孔39eと、上部固定ブラケット37の各側板37a,37bの挿通孔37eとを挿通している。支軸38は、上部固定ブラケット37およびチルトブラケット39を互いに連結している。
上部支持部8Aは、上述のロック状態と解除状態とを切換可能にロックするためのロック機構としての締め付け機構41を有している。締め付け機構41は、支軸38に関連して配置されている。
図4は、図3に示す要部の解除状態を示す。図5は、図3のS5−S5断面図である。図3および図5を参照して、ロック状態では、上部固定ブラケット37の一対の側板37a,37bが、締め付け機構41による押圧を受けて、チルトブラケット39を相対移動不能に挟持するようにしている。これによりチルトロックが達成される。また、締め付け機構41によりインナーチューブ28がアウターチューブ29に押圧されている。これにより、テレスコロックが達成される。
図4を参照して、解除状態では、上部固定ブラケット37の一対の側板37a,37bの押圧が解除されて、チルトブラケット39および支軸38は縦方向Tに上部固定ブラケット37に対して移動できるようにされている。また、インナーチューブ28の押圧が解除されて、インナーチューブ28は軸方向Sに関してアウターチューブ29に対して相対移動できるようにされている。
図3に戻って、締め付け機構41は、締め付け軸としての上述の支軸38と、支軸38の中心軸線の周りに回動される操作レバー42と、操作レバー42の回動に伴って上部固定ブラケット37およびチルトブラケット39の側板37a,37b,39a,39b同士を押圧することによりチルトロックを達成するためのカム機構43と、カム機構43により駆動され側板37a,37bを押圧する一対の挟持部44と、支軸38に設けられてインナーチューブ28を径方向に押圧するための押圧部材45とを有している。締め付け機構41は、操作レバー42の回動操作に応じて上述のチルトロックおよびテレスコロックを達成し、また、これらのロック状態を解除するようにされている。
支軸38の近傍に、インナーチューブ28とアウターチューブ29との嵌合部が配置されている。アウターチューブ29の嵌合部、すなわち、軸方向Sに関するアウターチューブ29の上端部は、開口部46を有している。開口部46は、支軸38に向けて開口し、当該開口部46を通じて、リテーナ30の一部を露出させている。
操作レバー42は、支軸38に対して相対回動できるように支軸38に嵌合されていて、雌ねじ部材40に一体回動できるように固定されている。
また、支軸38は、操作レバー42の回動操作に応じて、支軸38の軸方向Cに関してインナーチューブ28およびアウターチューブ29の中心軸線に対して相対移動するようにされている。すなわち、ロック状態および解除状態にかかわらず、インナーチューブ28は、支軸38の軸方向Cに関して、支軸38の頭部38aと雌ねじ部材40との間の中央に位置する。一方で、ロック状態および解除状態において、支軸38の頭部38aと雌ねじ部材40との間の距離は異なる。
カム機構43は、第1のカム部材であり且つ雄ねじ部材としての上述の支軸38と、第2のカム部材としての上述の雌ねじ部材40とを有している。支軸38の雄ねじ38cと、雌ねじ部材40の雌ねじ40aとにより、ねじ機構が構成されている。支軸38の頭部38aは、嵌合部38dを有している。この嵌合部38dが、上部固定ブラケット37の側板37aの挿通孔37eに嵌合している。これにより、支軸38の中心軸線の周りの支軸38と上部固定ブラケット37との相対回動を規制している。
また、カム機構43では、支軸38と雌ねじ部材40とが、支軸38の中心軸線の周りに相対回動するのに伴って、支軸38の軸方向Cに相対移動するようになっている。これに伴って、支軸38の頭部38aと雌ねじ部材40との間隔が変化することにより、この間にある上部固定ブラケット37とチルトブラケット39との側板37a,37b,39a,39b同士の押圧力が調節されるようになっている。
一対の挟持部44は、支軸38の頭部38aの端面と、雌ねじ部材40の端面とにより構成されている。支軸38の頭部38aの端面と雌ねじ部材40の端面とが、上部固定ブラケット37の対応する側板37a,37bの外側面37aa,37baに対向して配置されて、少なくともロック状態では当接するようになっている。
図3および図4を参照して、押圧部材45は、軸方向Cの双方向に支軸38と一体移動可能に設けられている。例えば、押圧部材45は、支軸38と単一の材料で一体に形成されている。支軸38の軸方向Cに関して、支軸38がインナーチューブ28に対して移動するのに伴って、押圧部材45もインナーチューブ28に対して相対移動する。
図6は、図3に示す支軸38と押圧部材との一部断面斜視図である。図3、図5および図6を参照して、押圧部材45は、相手面としてのリテーナ30の外周30a(または、後述するようにリテーナ30が廃止される場合には、インナーチューブ28の外周28a)に当接する当接部45aを有している。当接部45aは、鞍状の湾曲面により形成されている。当接部45aは、支軸38の中心軸線を含みステアリングシャフト4の軸方向Sに対して垂直な断面(図3参照)において、凹湾曲形状としての円弧形状をなしている。この円弧形状は、上述の相手面に沿う形状をなしていて、例えば、相手面の曲率半径と等しい値の曲率半径で形成されていて、相手面に線接触するようにされている。当接部45aは、支軸38の軸方向Cに垂直な断面(図5参照)において、円弧形状、例えば半円形状をなしていて、円形でもよい。押圧部材45が支軸38の軸線の周りに位置ずれしたとしても、当接部45aが相手面に確実に線接触できるようにされている。
図1と図3を参照して、ロック状態を達成しようとするときには、操作レバー42を一方の向きM1に回す。これにより、雌ねじ部材40は、支軸38の軸線回りに一方の向きに支軸38に対して相対回動し、支軸38の頭部38aに向けて近づく。雌ねじ部材40の挟持部44および支軸38の頭部38aの挟持部44の間の間隔が相対的に短く調節される。その結果、上部固定ブラケット37の各側板37a,37bをチルトブラケット39の対応する側板39a,39bに圧接し、すなわち、押圧状態で互いに接するようにし、これによりチルトロックが達成される。
これに伴い、支軸38の軸方向Cに関して、支軸38の頭部38aが、インナーチューブ28の中心軸線に対して相対的に近接する。押圧部材45がアウターチューブ29の開口部46を通してリテーナ30の外周30aを押圧し、さらに、リテーナ30を介してインナーチューブ28の外周28aを押圧し、押圧部材45とは反対側にあるインナーチューブ28の外周28aがアウターチューブ29の内周に押圧される。これにより、インナーチューブ28とアウターチューブ29とは互いに軸方向Sの相対移動を規制され、テレスコロックが達成される。これとともに、インナーチューブ28およびアウターチューブ29の間のがたつきの発生が防止される。
図2と図4を参照して、ロック状態を解除しようとするときには、操作レバー42を他方の向きM2に回す。これにより、雌ねじ部材40は、支軸38の軸線回りに他方の向きに支軸38に対して相対回動し、支軸38の頭部38aから遠ざかる。雌ねじ部材40の挟持部44および支軸38の頭部38aの挟持部44の間の間隔が相対的に長く調節される。これに伴い、支軸38の軸方向Cに関して外側に配置された側板としての上部固定ブラケット37の一対の側板37a,37bの間隔が、例えば、側板37a,37bの弾性復元力により、相対的に長くなり、チルトブラケット39の側板39a,39bの外側面39aa,39baの距離と等しいかこの距離よりも長くなる。その結果、上部固定ブラケット37およびチルトブラケット39の側板37a,37b,39a,39b同士の押圧が解除される。これによりチルトロックが解除される。
これに伴い、支軸38の軸方向Cに関して、支軸38の頭部38aが、インナーチューブ28の中心軸線に対して相対的に遠ざかり、押圧部材45によるリテーナ30への押圧が解除され、さらに、インナーチューブ28とアウターチューブ29との押圧も解除される。これにより、インナーチューブ28とアウターチューブ29とは互いに軸方向Sの相対移動を許容され、テレスコロックが解除される。
解除状態では、ステアリングコラム7およびチルトブラケット39が、上部固定ブラケット37の側板37a,37bにある縦長の挿通孔37eに沿って相対移動自在とされる。また、インナーチューブ28が、アウターチューブ29に対してステアリングシャフト4の軸方向Sに相対移動自在とされる。
図3を参照して、本実施形態のステアリング装置1は、テレスコピック調節のために軸方向Sに相対摺動可能に嵌め合わされ、ステアリングシャフト4を回転可能に支持するインナーチューブ28およびアウターチューブ29を備え、車体9に固定され相対向する一対の側板37a,37bを有する固定ブラケットとしての上部固定ブラケット37を備え、アウターチューブ29に固定され、上部固定ブラケット37の各側板37a,37bの側面37ab,37bbにそれぞれ対向する一対の側板39a,39bを有するチルトブラケット39を備え、操作レバー42の回動操作に応じて上部固定ブラケット37の各側板37a,37bをチルトブラケット39の対応する側板39a,39bに圧接して少なくともチルトロックを達成するための締め付け機構41を備えている。この締め付け機構41は、上部固定ブラケット37およびチルトブラケット39の各側板37a,37b,39a,39bの挿通孔37e,39eを挿通する締め付け軸としての支軸38を含んでいる。この支軸38は、操作レバー42の回動操作に応じて軸方向Cに移動する。この支軸38と軸方向Cの双方向に一体移動可能に設けられた押圧部材45が、締め付け機構41によってチルトロックが達成されたときに、アウターチューブ29の開口部46を通してインナーチューブ28の外周28aに押圧されるようにしてある。
本実施形態によれば、押圧部材45が支軸38の軸方向Cに関する支軸38に対する相対移動を規制されるので、押圧部材45と支軸38との相対位置関係が、ひいては押圧部材45とインナーチューブ28との相対位置関係がばらつき難くなる。その結果、支軸38の軸方向Cの移動に伴って押圧部材45がインナーチューブ28を確実に押圧できる。ひいては、インナーチューブ28およびアウターチューブ29の間のがたつきの発生を抑制できる。また、支軸38の軸方向Cの移動に伴って押圧部材45がインナーチューブ28に対して確実に接近したり遠ざかったりすることができる。例えば、ロック状態が確実に解除されるので、テレスコピック調節するときに、アウターチューブ29とインナーチューブ28とを軽い力で相対摺動させることができる。また、支軸38と押圧部材45とが軸方向Cに相対移動しないので、相対移動させるための部材が不要である。その結果、部品点数を削減でき、製造コストを安価にできる。
なお、上述のがたつきを安価に抑制する効果は、押圧部材45が支軸38に設けられていればよく、押圧部材45がテレスコロックを達成しない場合であっても得ることができる。このように押圧部材45が設けられた支軸38は、少なくともチルトロックを達成するための締め付け機構41に含まれていればよい。
また、本実施形態では、押圧部材45は、支軸38と単一の材料で一体に形成されている。この場合、支軸38と押圧部材45とを軸方向Cの双方に確実に一体移動させることができる。また、部品点数を削減でき、組立コストを低減できる。
また、本実施形態では、インナーチューブ28の外周28aに筒状のリテーナ30が固定されており、締め付け機構41によってチルトロックが達成されたときに、押圧部材45がリテーナ30の外周30aに押圧されるようにしてある。通例、リテーナ30は、摺動抵抗を低減する作用を有するので、テレスコピック調節をし易くできる。また、チルトロックが解除されたときに押圧部材45とリテーナ30とが互いに摺接する場合であっても、押圧部材45とインナーチューブ28との間の移動抵抗を低減できる。リテーナ30はインナーチューブ28の外周28aに固定されているので、押圧部材45がリテーナ30を押圧したときに、インナーチューブ28の移動を確実に阻止できる。
また、本実施形態では、インナーチューブ28がアウターチューブ29よりも軸方向Sの上方に配置され、押圧部材45がインナーチューブ28に押圧されることにより、テレスコロックが達成されるようにしてある。この場合、インナーチューブ28が押圧部材45とアウターチューブ29とにより挟持された状態で、テレスコロックが達成される。このようにテレスコロックを押圧部材45により達成できるので、別途、テレスコロックを達成するための他の部材を設けずに済む結果、部品点数をより一層削減できる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、図7は、本発明の第2の実施形態のステアリング装置の要部の断面図であり、図5に相当する断面を示す。図8は、図7に示す支軸38と押圧部材45との一部断面斜視図である。図7および図8を参照して、押圧部材45の当接部45aは、樋形状をなす凹湾曲面により形成されている。
押圧部材45の上述の樋形状は、支軸38の中心軸線に直角に交差する方向に平行な方向に延びていて、且つステアリングシャフト4の軸方向Sに平行に延びている。当接部45aは、支軸38の中心軸線を含み且つステアリングシャフト4の軸方向Sに垂直な断面(樋の横断面に相当する。)において、凹湾曲形状としての円弧形状をなしている。この円弧形状は、第1の実施形態の当接部45aの円弧形状と同様に、上述の相手面としてのリテーナ30の外周30aに沿う形状をなしている。また、当接部45aは、支軸38の軸方向Cに垂直な断面において、ステアリングシャフト4の軸方向Sに平行な直線状に延びていて、上述の相手面に面当たり状態で当接することができる。
図9は、本発明の第3の実施形態のステアリング装置の要部の断面図であり、ロック状態での図3に相当する断面を示す。押圧部材45は、支軸38に対して別体で形成され、支軸38の中心軸線の周りの支軸38に対しての相対回動を許容されている。また、押圧部材45は、支軸38の中心軸線の周りに回転させて得られる回転体形状をなしている。回転体形状の外周面が、当接部45aを形成し、この当接部45aは、支軸38の中心軸線を含む断面において、第1の実施形態と同様に円弧形状をなしている。
また、押圧部材45は、支軸38と別体に形成されていて、支軸38の軸方向Cの双方向に支軸38と一体に移動できるように、相対移動を規制されている。例えば、押圧部材45は、支軸38に回動自在に嵌合されて、支軸38に設けられた段部47と、支軸38の外周の周溝に嵌合された止め輪48との規制部により、軸方向Cの相対移動を規制されている。これ以外の点については、本実施形態は第1の実施形態と同様である。
また、第3の実施形態の押圧部材45と支軸38とを、単一の部材により一体に形成してもよい。また、第3の実施形態において、押圧部材45と支軸38との周方向の相対移動を規制するように、押圧部材45と支軸38とを互いに固定してもよい。また、第2の実施形態の押圧部材45と支軸38とを、第3の実施形態のように、互いに別体で形成して、互いに取り付けてもよい。
図10は、本発明の第4の実施形態のステアリング装置の要部の断面図であり、ロック状態での図3に相当する断面を示す。図11は、図10の解除状態での断面図である。
図10と図11を参照して、締め付け機構41のカム機構43は、第1のカム部材としてのカム49と、第2のカム部材としてのカムフォロワ50とを有している。支軸38の軸方向Cに関して、支軸38の頭部38aと雌ねじ部材40との間に、頭部38a側から、上部固定ブラケット37の一方の側板37aと、チルトブラケット39と、上部固定ブラケット37の他方の側板37bと、カム機構43のカムフォロワ50と、カム機構43のカム49と、操作レバー42とが、この記載の順に並んでいる。
カム49は、操作レバー42と一体的に回動するように操作レバー42に連結されている。カム49は、支軸38上に配置され、支軸38の軸線の周りに支軸38に対して相対回動自在に嵌合され、支軸38の軸方向Cに関して支軸38に対して相対移動不能に位置決めされる。カム49は、円板形状をなし、カムフォロワ50に対向する起伏状のカム面49aを有している。カム面49aは、支軸38の軸方向Cにカムフォロワ50に向けて突出する複数の凸部と、隣接する凸部の間に配置される複数の凹部とを有する。
カムフォロワ50は、支軸38上に配置され、支軸38の軸方向Cに関して支軸38に対して相対移動可能に支軸38に嵌合している。カムフォロワ50は、対応する側板としての上部固定ブラケット37の側板37bにより、この側板37bに対しての相対回動を阻止され、カム49と互いに接しつつカム49に対して相対回動可能とされている。カムフォロワ50は、円板形状をなし、カム49に対向する起伏状のカム面50aと、このカム面50aとは反対側に設けられ上述の側板37bに当接する挟持部44としての当接面と、側板37bに対する相対回動を規制する規制部50bとを有している。
カム面50aは、支軸38の軸方向Cにカムフォロワ50に向けて突出する複数の凸部と、隣接する凸部の間に配置される複数の凹部とを有している。規制部50bは、上部固定ブラケット37の側板37bの挿通孔37eに嵌合する突起からなる。挟持部44としての当接面が、支軸37の頭部38aの挟持部44と協働して、上部固定ブラケット37の一対の側板37a,37bを挟持する。
カム面49a,50a同士は、互いに摺接し、互いに係合する。なお、カム面49aの凸部および凹部と、カム面50aの凸部および凹部とは、互いに同数とされ、少なくとも一つがあればよい。
カム49およびカムフォロワ50は、操作レバー42の回動操作に応じて、支軸38の中心軸線の周りに相対回転され、その相対回転に応じて、軸方向Cに関するカム49およびカムフォロワ50の全体の軸方向寸法Lが調節され、これにより頭部38aの挟持部44およびカムフォロワ50の挟持部44との距離が調節される。その結果、側板37a,37b,39a,39b間の押圧力を調節するようにしてある。
ロック状態を達成しようとするときには、操作レバー42を一方の向きに回す。これにより、カム49が、支軸38の軸線回りに一方の向きに支軸38およびカムフォロワ50に対して相対回動する。これにより、支軸38の軸方向Cに沿ってカム面49aの凸部とカム面50aの凸部とが互いに対向し互いに当接して係合するようになる。カム49およびカムフォロワ50の全体の軸方向寸法Lが相対的に長く調節され(L=L1)、その一方で、カムフォロワ50の挟持部44および支軸38の頭部38aの挟持部44の間の間隔が相対的に短く調節される。その結果、上部固定ブラケット37およびチルトブラケット39の側板37a,37b,39a,39b同士が互いに押圧される。これによりチルトロックが達成される。また、第1の実施形態と同様にテレスコロックが達成される。
ロック状態を解除するときには、操作レバー42を他方の向きに回す。これにより、支軸38の軸方向Cに沿ってカム面49aの凸部とカム面50aの凹部とが互いに対向し互いに当接して係合する。カム49およびカムフォロワ50の全体の軸方向寸法Lが相対的に短く調節され(L=L2<L1)、その一方で、カムフォロワ50の挟持部44および支軸38の頭部38aの挟持部44の間の間隔が相対的に長く調節される。その結果、上部固定ブラケット37およびチルトブラケット39の側板37a,37b,39a,39b同士の押圧が解除される。これによりチルトロックが解除される。また、第1の実施形態と同様にテレスコロックが解除される。
このように本実施形態では、締め付け機構41は、支軸38上に配置されたカム49およびカムフォロワ50を含む。カム49およびカムフォロワ50は、操作レバー42の回動操作に応じて相対回転され、その相対回転に応じてカム49およびカムフォロワ50の全体の軸方向寸法Lが調節されて側板37a,37b,39a,39b間の押圧力を調節するようにしてある。この場合、カム49およびカムフォロワ50の全体の軸方向寸法Lに応じて、インナーチューブ28に対して支軸38を軸方向Cに相対移動させることができる。通例、操作レバー42の回動角度当たりの支軸38の軸方向Cの移動量を大きな量で得ることができる。その結果、押圧部材45によるインナーチューブ28の押圧および押圧の解除を確実に達成することができる。
また、リテーナ30がアウターチューブ29の内周に固定される場合も考えられる。また、リテーナ30が廃止されて、押圧部材45がインナーチューブ28の外周28aを直接に押圧する場合も考えられる。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の第1の実施形態のステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図1のステアリング装置の要部の模式図であり、ステアリングホイールの位置を調節するときの状態を示している。 図1に示すS3−S3断面の断面図であり、ロック状態を示す。 図3に示す要部の解除状態を示す。 図3のS5−S5断面図である。 図3に示す支軸と押圧部材との一部断面斜視図である。 本発明の第2の実施形態のステアリング装置の要部の断面図であり、図5に相当する断面を示す。 図7に示す支軸と押圧部材との一部断面斜視図である。 本発明の第3の実施形態のステアリング装置の要部の断面図であり、ロック状態での図3に相当する断面を示す。 本発明の第4の実施形態のステアリング装置の要部の断面図であり、ロック状態での図3に相当する断面を示す。 図10の解除状態での断面図である。
符号の説明
1…ステアリング装置、4…ステアリングシャフト、9…車体、28…インナーチューブ、28a…(インナーチューブの)外周、29…アウターチューブ、30…リテーナ、30a…(リテーナの)外周、37…上部固定ブラケット(固定ブラケット)、37a,37b…側板(固定ブラケットの側板)、37ab,37bb…内側面、37e,39e…挿通孔、38…支軸(締め付け軸)、39…チルトブラケット、39a,39b…(チルトブラケットの)側板、41…締め付け機構、42…操作レバー、45…押圧部材、46…開口部、49…カム、50…カムフォロワ、C…(支軸の)軸方向、L…軸方向寸法、S…(ステアリングシャフトの)軸方向

Claims (5)

  1. テレスコピック調節のために軸方向に相対摺動可能に嵌め合わされ、ステアリングシャフトを回転可能に支持するインナーチューブおよびアウターチューブと、
    車体に固定され相対向する一対の側板を有する固定ブラケットと、
    アウターチューブに固定され、固定ブラケットの各側板の側面にそれぞれ対向する一対の側板を有するチルトブラケットと、
    操作レバーの回動操作に応じて固定ブラケットの各側板をチルトブラケットの対応する側板に圧接して少なくともチルトロックを達成するための締め付け機構とを備え、
    この締め付け機構は、固定ブラケットおよびチルトブラケットの各側板の挿通孔を挿通し、操作レバーの回動操作に応じて軸方向に移動する締め付け軸を含み、
    この締め付け軸と軸方向の双方向に一体移動可能に設けられた押圧部材が、締め付け機構によってチルトロックが達成されたときに、アウターチューブの開口部を通してインナーチューブの外周に押圧されるようにしてあることを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1において、上記押圧部材は、上記締め付け軸と単一の材料で一体に形成されていることを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1または2において、上記インナーチューブの外周に筒状のリテーナが固定されており、締め付け機構によってチルトロックが達成されたときに、押圧部材がリテーナの外周に押圧されるようにしてあることを特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項において、上記インナーチューブがアウターチューブよりも軸方向上方に配置され、上記押圧部材がインナーチューブに押圧されることにより、テレスコロックが達成されるようにしてあることを特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項において、
    上記締め付け機構は、締め付け軸上に配置されたカムおよびカムフォロワを含み、
    カムおよびカムフォロワは、操作レバーの回動操作に応じて相対回転され、その相対回転に応じてカムおよびカムフォロワの全体の軸方向寸法が調節されて側板間の押圧力を調節するようにしてあることを特徴とするステアリング装置。
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