JP2015229409A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化および低コスト化を図りつつ、構成部品の脱落を防止し、二次衝突時のエネルギーを十分に吸収することができるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ステアリング装置は、チルトブラケット33と、車体に固定されチルトブラケット33を支持する天板30と、天板30に対してチルトブラケット33の反対側に配置された第1摺擦板31とを含む。天板30には、前側X2へ向けて開放された開口部41が端部39Bに貫通して形成されている。第1摺擦板31には、開口部41に挿通される突起部48が設けられている。チルトブラケット33と第1摺擦板31とは、二次衝突時には前側X2へ向けて移動する。天板30に設けられた掛かり代は、二次衝突の前後において第1摺擦板31に係合する。突起部48は、二次衝突の前ではチルトブラケット33に対して非接触だが、二次衝突の途中からチルトブラケット33に接触する。
【選択図】図3

Description

この発明は、ステアリング装置に関する。
特許文献1のステアリングコラム装置は、車体に固定される固定ブラケットと、固定ブラケットに対して車体前後方向へ移動可能な可動ブラケットと、可動ブラケットに支持されるステアリングコラムとを含む。固定ブラケットには、可動ブラケットを車体前後方向へ移動可能に取り付けるための取付部が形成されている。取付部には、車体前後方向に沿って相互に略平行に一対の長孔が形成されている。可動ブラケットには、一対の挿通孔が形成されている。一対の挿通孔と一対の長孔とには、一対のボルトが上から挿通されている。ステアリングコラムの後端部には、ステアリングホィールが取り付けられている。車両衝突時に運転者がステアリングホィールに衝突する二次衝突によって、可動ブラケットに車体前方への荷重が作用すると、固定ブラケットに対して可動ブラケットが移動する。可動ブラケットの移動に伴い、一対のボルトが一対の長孔に沿って移動することにより、可動ブラケットは、決められた方向へガイドされ車体前方に至る。
特開2013−112147号公報
特許文献1のステアリングコラム装置では、一対のボルトが固定ブラケットの取付部における一対の長孔内で車体前方へ移動することによって、二次衝突時のエネルギーを吸収(EA:Energy Absorption)する。そのため、車体前後方向における長孔の長さを二次衝突時のボルトの移動量に合わせて設計する必要がある。そのため、固定ブラケットの取付部は、二次衝突時のボルトの移動量に合わせて車体前後方向に大きくなってしまう。よって、固定ブラケットが大型化し、ステアリング装置の重量およびコストが増大する虞がある。
一方、固定ブラケットの取付部を軽量化のために単純に車体前後方向に小型化するだけでは、二次衝突時のボルトの移動量に合わせて長孔の長さを最適に設計することが困難になる。たとえば、長孔が短いと、二次衝突時のエネルギーの吸収が不十分になる虞がある。また、長孔が車体前方側へ開放されていると、ボルトが長孔から外れることで、固定ブラケットが可動ブラケットを保持できなくなり、可動ブラケットが固定ブラケットから脱落してしまう虞がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、軽量化および低コスト化を図りつつ、構成部品の脱落を防止し、二次衝突時のエネルギーを十分に吸収することができるステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、操舵部材(9)が連結されるステアリングシャフト(3)を支持するステアリングコラム(4)を保持し、二次衝突時には前記操舵部材とともに所定の移動方向(S)における下流側(X2)へ向けて移動するブラケット(33,37)と、前記下流側へ向けて開放されて前記ブラケットの移動をガイドする開口部(41)が前記下流側における端部(39B)に貫通して形成され、車体(2)に固定されて前記ブラケットを移動可能に支持する天板(30)と、前記ブラケットとの間で前記天板を挟持し、二次衝突時には前記天板に摺擦しながら前記ブラケットとともに前記下流側へ向けて移動する第1摺擦板(31)と、前記天板に設けられ、二次衝突の前後において前記第1摺擦板に係合する掛かり代(83)と、前記第1摺擦板において前記下流側の端部(47C)に設けられ、前記開口部に挿通されていて、二次衝突前では前記ブラケットに対して非接触であって、二次衝突の途中から前記ブラケットに接触する突起部(48)と、を含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項2記載の発明は、前記ステアリングシャフトは、前記移動方向に沿って延び、前記掛かり代は、前記ステアリングシャフトを挟んで対称となるように設けられていることを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、前記突起部が挿通されて前記突起部を前記ブラケット側に露出させる貫通孔(60)が形成され、前記ブラケットと前記天板との間に介在され、二次衝突時には前記天板に摺擦しながら前記ブラケットとともに前記下流側へ向けて移動する第2摺擦板(32)を含むことを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置である。
請求項4記載の発明は、前記ブラケットと前記天板との間に介在され、二次衝突時には前記天板に摺擦しながら前記ブラケットとともに前記下流側へ向けて移動する第2摺擦板(32)を含み、前記突起部は、二次衝突前では前記第2摺擦板に対して非接触であって、二次衝突の途中から前記第2摺擦板を介して前記ブラケットに接触することを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置である。
請求項5記載の発明は、前記開口部に挿通され、前記ブラケットと前記第1摺擦板との間で前記天板が挟まれるように前記ブラケットおよび前記第1摺擦板を前記天板に圧接させ、二次衝突時には、前記ブラケットおよび前記第1摺擦板とともに前記下流側へ移動する移動部材(34)を含み、二次衝突において、前記移動部材が前記天板の前記下流側の端縁よりも前記下流側へ移動したときに、前記突起部が前記ブラケットに接触することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のステアリング装置である。
請求項6記載の発明は、前記ステアリングシャフトは、前記移動方向に延びるアッパーシャフト(7)および前記アッパーシャフトの前記下流側に配置されたロアーシャフト(8)を含み、前記ブラケットによって支持され、二次衝突時には、前記ロアーシャフトに対する前記アッパーシャフトの前記下流側への相対移動によって収縮し、前記ロアーシャフトに設けられ、二次衝突後に前記アッパーシャフトに接触することによって、前記下流側への前記ブラケットの移動量を所定以内に規制する規制部(92)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のステアリング装置である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、ステアリングコラムを保持するブラケットは、車体に固定された天板によって、所定の移動方向における下流側へ移動可能に支持されている。
ブラケットは、車両衝突時以外の通常時では、第1摺擦板との間で天板を挟持することによって、天板によって支持されている。また、通常時では、第1摺擦板における下流側の端部の突起部が、天板に形成された開口部に挿通されていて、ブラケットに対して非接触となっている。
ここで、開口部は、下流側に開放されていることから、開口部の下流側の端部が塞がれる場合に比べて、天板を移動方向において短くすることができるので、天板の小型化および低コスト化を図ることができる。
車両衝突に伴う二次衝突時には、ブラケットは、開口部にガイドされることによって、ステアリングコラム側の操舵部材と第1摺擦板とともに、下流側へ向けて移動する。ブラケットの移動に伴い、第1摺擦板は、天板に対して摺擦しながら下流側へずれ、下流側の端部がブラケットに近づくように、天板に対して僅かに傾く。
そのため、二次衝突の途中において、第1摺擦板の下流側の端部の突起部が、ブラケットに接触する。また、この際も、天板は、第1摺擦板に係合する掛かり代を維持している。そのため、第1摺擦板がこれ以上傾くことはなく、二次衝突が終わるまで、および、二次衝突後も、天板がブラケットと第1摺擦板とに挟持された状態が維持される。
よって、天板の開口部が下流側に開放された構成であっても、ブラケットは、二次衝突の間、第1摺擦板とともに、天板から脱落せずに下流側へ移動するので、ブラケットの移動によって、二次衝突時のエネルギーを十分に吸収することができる。また、ブラケットは、二次衝突の後も天板から脱落しない状態で維持される。
以上の結果、ステアリング装置では、軽量化および低コスト化を図りつつ、構成部品(ブラケット)の脱落を防止し、二次衝突時のエネルギーを十分に吸収することができる。
請求項2記載の発明によれば、掛かり代は、移動方向に延びるステアリングシャフトを挟んで対称となるように設けられている。そのため、ブラケットは、二次衝突時には、姿勢を崩すことなく、安定して下流側へ移動することができる。
請求項3記載の発明によれば、ブラケットと天板との間に介在された第2摺擦板には、突起部が挿通されて突起部をブラケット側に露出させる貫通孔が形成されている。第2摺擦板は、二次衝突時には天板に摺擦しながらブラケットとともに下流側へ向けて移動する。そのため、第2摺擦板は、二次衝突時には、ブラケットに対する突起部の接触を妨げることなく、天板とブラケットとの間の摩擦を低減することができる。よって、二次衝突時における天板とブラケットとの間の摩擦を低減し、二次衝突時のエネルギーを吸収するためのブラケットを円滑に移動させることができる。
請求項4記載の発明のように、突起部は、二次衝突の途中から、ブラケットと天板との間に介在された第2摺擦板に接触することで、第2摺擦板を介してブラケットに間接的に接触してもよい。
請求項5記載の発明によれば、移動部材がブラケットおよび第1摺擦板を天板に圧接させることによって、ブラケットと第1摺擦板との間で天板が挟持される。
二次衝突時には、開口部に挿通された移動部材が開口部内を下流側へ移動することで、ブラケットの移動が開口部によってガイドされ、移動部材は、ブラケットおよび第1摺擦板とともに下流側へ移動する。そして、二次衝突の途中において移動部材が天板の下流側の端縁よりも下流側へ移動したときに、天板において第1摺擦板に係合する掛かり代が維持された状態で、第1摺擦板の突起部がブラケットに接触する。そのため、ブラケットおよび第1摺擦板が移動部材を挟み込む力(いわゆる軸力)が、あまり減少することなく、引き続き存在する。よって、ブラケットと第1摺擦板とは、軸力によって天板を掛かり代において挟持した状態のまま下流側へ移動する。
天板は、二次衝突後にも掛かり代において第1摺擦板に係合するため、ブラケットおよび第1摺擦板によって挟持された状態で維持される。よって、天板に対するブラケットの脱落を、二次衝突中および二次衝突後において防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、ステアリングシャフトのアッパーシャフトは、二次衝突時には、ロアーシャフトに対して相対移動する。ロアーシャフトには、二次衝突後にアッパーシャフトに接触することによって、下流側へのブラケットの移動量を所定以内に規制する規制部が設けられている。規制部がブラケットの移動量を規制することによって、二次衝突の際にブラケットが必要以上に移動して天板から脱落することを確実に防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略側面図である。 図2は、図1のII−II線に沿うステアリング装置1の概略断面図である。 図3は、ステアリング装置1の要部の分解斜視図である。 図4は、ステアリング装置1における天板30、チルトブラケット33、第1摺擦板31および第2摺擦板32を図3とは別の角度から見た分解斜視図であり、第2摺擦板32がチルトブラケット33に取り付けられた状態を示している。 図5は、天板30の周辺を上下方向Zの上側Z1から見た図である。 図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。 図7は、図5において二次衝突後の状態を示した図である。 図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図9は、ステアリング装置1における規制部92の周辺を示した断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略側面図である。
図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられている車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側である。図1において、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3と、ステアリングコラム4と、ロアー支持機構5と、アッパー支持機構6とを主に含んでいる。
ステアリングシャフト3は、全体として車体2の略前後方向に延びる略円筒状である。ステアリングシャフト3の軸方向には、符号「X」を付す。軸方向Xにおける後側には、符号「X1」を付し、軸方向Xにおける前側には、符号「X2」を付す。ステアリングシャフト3は、前側X2の端部が後側X1の端部よりも下側に位置するように傾斜している。
軸方向Xに直交する方向のうち、図1において紙面と垂直な方向を左右方向Yといい、図1において略上下に延びる方向を上下方向Zという。左右方向Yにおいて、図1の紙面の奥側は、右側Y1であり、紙面の手前側は、左側Y2である。上下方向Zにおける上側には、符号「Z1」を付し、上下方向Zにおける下側には、符号「Z2」を付す。なお、図1以外の各図において図1のX〜Zの各方向に対応する方向には、図1と同じ符号を付している。
ステアリングシャフト3は、アッパーシャフト7と、ロアーシャフト8とを含んでいる。
アッパーシャフト7は、軸方向Xに延びる略円筒状である。アッパーシャフト7の後側X1の端部には、符号「7A」を付し、アッパーシャフト7の前側X2の端部には、符号「7B」を付す。アッパーシャフト7の後側X1の端部7Aには、操舵部材9が連結されている。
ロアーシャフト8は、中間シャフト10と、インプットシャフト11と、アウトプットシャフト12と、トーションバー13とを含んでいる。
中間シャフト10は、軸方向Xに延びており、アッパーシャフト7よりも前側X2において同軸状に配置されている。中間シャフト10の前側X2の端部10Aは、中間シャフト10の端部10A以外の部分よりも拡径されている。そのため、中間シャフト10では、端部10Aと端部10A以外の部分との間に段差93が形成されている。中間シャフト10の後側X1の端部は、アッパーシャフト7の前側の端部7Bに挿入されている。
アッパーシャフト7と中間シャフト10とは、スプライン嵌合やセレーション嵌合によって嵌合されている。そのため、アッパーシャフト7と中間シャフト10とは、一体回転可能である。また、アッパーシャフト7は、中間シャフト10に対して前側X2へ向けて相対移動可能である。
インプットシャフト11およびアウトプットシャフト12は、軸方向Xに延びる略円筒状または略円柱状である。トーションバー13は、軸方向Xに延びる棒状である。
インプットシャフト11は、中間シャフト10よりも前側X2に配置されている。インプットシャフト11の後側X1の端部は、中間シャフト10の前側X2の端部10Aに挿入されている。インプットシャフト11は、中間シャフト10と一体回転可能に連結されている。
アウトプットシャフト12は、インプットシャフト11の前側X2において、インプットシャフト11と同軸状に配置されている。
トーションバー13は、軸方向Xにおいてインプットシャフト11とアウトプットシャフト12との間に配置されている。
インプットシャフト11とアウトプットシャフト12とは、トーションバー13を介して一体回転可能に連結されている。中間シャフト10と、インプットシャフト11と、アウトプットシャフト12と、トーションバー13は、軸方向Xに相対移動しない。つまり、ロアーシャフト8全体は、伸縮しない。また、前述したように、アッパーシャフト7は、中間シャフト10に対して前側X2へ向けて相対移動することができる。そのため、アッパーシャフト7は、ロアーシャフト8全体に対して軸方向Xに沿って相対移動可能である。当該相対移動によって、ステアリングシャフト3全体は、軸方向Xに伸縮する。
ロアーシャフト8(詳しくは、アウトプットシャフト12)の前側X2の端部は、自在継手14、中間軸15、自在継手16およびピニオン軸17を順に介してステアリング機構18に連結されている。
操舵部材9を操舵すると、操舵部材9の回転は、ステアリングシャフト3、自在継手14、中間軸15、自在継手16およびピニオン軸17に対してこの順番で伝達される。ピニオン軸17の回転は、ステアリング機構18へ伝達される。これにより、図示しないタイヤ等の転舵輪が転舵される。
ステアリングコラム4は、全体として軸方向Xに延びている。ステアリングコラム4は、アッパーコラム19と、ロアーコラム20と、ハウジング21とを含んでいる。
アッパーコラム19およびロアーコラム20は、軸方向Xに延びる筒状である。ロアーコラム20は、アッパーコラム19の前側X2において同軸状に配置されている。ロアーコラム20の後側X1の端部は、アッパーコラム19の前側X2の端部に対して前側X2から挿入されている。アッパーコラム19は、ロアーコラム20に対して軸方向Xに沿って相対移動することができる。
ハウジング21は、中空体である。ハウジング21の後側X1の端部は、ロアーコラム20に対して前側X2から挿入されている。ロアーコラム20は、ハウジング21に対して軸方向Xに固定されている。
ハウジング21内には、操舵補助用の電動モータ22の動力を減速してロアーシャフト8に伝達する減速機構23が収容されている。減速機構23は、電動モータ22の図示しない回動軸と同行回転可能に連結された駆動ギヤ24と、駆動ギヤ24に噛み合ってロアーシャフト8のアウトプットシャフト12と同行回転する被動ギヤ25とを有している。
操舵部材9の操舵によって図示しない転舵輪を転舵させる際、転舵輪からの反力によってトーションバー13を介してアウトプットシャフト12とインプットシャフト11とが相対回転する。アウトプットシャフト12とインプットシャフト11との間の相対回転変位に基づいて図示しないトルクセンサが操舵トルクを検出する。そして、電動モータ22が駆動されて、ステアリングシャフト3の回転が補助されるので、操舵部材9の操舵が補助される。
アッパーコラム19は、ロアーコラム20およびハウジング21に対して軸方向Xに沿って相対移動することができる。つまり、ステアリングコラム4全体は、軸方向Xに伸縮可能である。
アッパーシャフト7とアッパーコラム19とは、図示しない軸受によって連結されている。そのため、アッパーシャフト7は、アッパーコラム19によって回転可能に支持されている。
ロアーシャフト8とハウジング21とは、図示しない軸受によって連結されている。そのため、ロアーシャフト8は、ハウジング21によって回転可能に支持されている。
このように、アッパーシャフト7およびロアーシャフト8を含むステアリングシャフト3は、アッパーコラム19、ロアーコラム20およびハウジング21を含むステアリングコラム4によって支持されている。
アッパーシャフト7およびアッパーコラム19のまとまりは、ロアーシャフト8、ロアーコラム20およびハウジング21のまとまりに対して軸方向Xへ向けて相対移動することができる。当該相対移動によって、ステアリングコラム4は、ステアリングシャフト3とともに軸方向Xに伸縮する。ここでの伸縮を「テレスコ」と呼び、テレスコによる操舵部材9の軸方向Xにおける位置の調整をテレスコ調整と呼ぶ。
ロアー支持機構5は、ハウジング21の前側X2の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
ロアー支持機構5は、ハウジング21に固定された可動ブラケット26と、車体2に固定された固定ブラケット27と、左右方向Yに延びる中心軸28とを含んでいる。
可動ブラケット26は、ハウジング21の前側X2の端部の上側外周面に設けられている。可動ブラケット26は、固定ブラケット27によって、中心軸28を介して回動可能に支持されている。そのため、ステアリングコラム4全体は、ステアリングシャフト3を伴って、中心軸28を中心に上下に回動することができる。ここでの回動を「チルト」と呼び、チルトによる操舵部材9の向き調整をチルト調整と呼ぶ。
図2は、図1のII−II線に沿うステアリング装置1の概略断面図である。図2では、説明の便宜上、ロアーシャフト8およびロアーコラム20の図示を省略している。図3は、ステアリング装置1の要部の分解斜視図である。
図2を参照して、アッパーシャフト7の中心軸を通り左右方向Yに対して垂直な仮想の平面に符号「29」を付す。
アッパー支持機構6は、天板30と、第1摺擦板31と、第2摺擦板32と、ブラケットとしてのチルトブラケット33と、移動部材34と、樹脂ピン35と、金属カラー36と、ブラケットとしてのコラムブラケット37と、ロック機構38とを含んでいる。
図3を参照して、天板30は、全体として軸方向Xおよび左右方向Yに広がる板状である。天板30は、取付板39と、固定部40とを含んでいる。
取付板39は、上下方向Zに薄い板状である。取付板39の左右方向Yにおける両端部には、符号「39A」を付し、取付板39の前側X2の端部には、符号「39B」を付す。取付板39の上面には、符号「39C」を付し、取付板39の下面には、符号「39D」を付す。両端部39Aは、下側Z2に折り曲げられている。
取付板39には、開口部41とピン孔42とが形成されている。
開口部41は、取付板39の前側X2の端部39Bを上下方向Zに貫通している。開口部41は、上下方向Zから見て「凹」に類似した形状をなしており、取付板39の端部39Bにおいて前側X2へ向けて開放されている。開口部41の前側X2の端部には、符号「41A」を付す。開口部41は、左右方向Yの両端部において後側X1へ延びる一対の挿通孔43を含んでいる。
挿通孔43は、平面29を挟んで左右方向Yに対称に位置している(図2参照)。一対の挿通孔43の後側X1の端部43Aは、後側X1へ向けて膨出する円弧状である。端部43Aは、軸方向Xにおける取付板39の略中央に位置している。
ここで、取付板39の前側X2の端部39Bにおいて、一対の挿通孔43によって左右方向Yの両側から挟まれており、一対の挿通孔43および開口部41を区画する部分を中央部39Eとする。また、取付板39の前側X2の端部39Bにおいて、開口部41を左右方向Yの両外側において区画する部分を両側部39Fとする。中央部39Eの前側X2の端部は、両側部39Fの前側X2の端部よりも後側X1に位置している。そのため、開口部41において左右方向Yの挿通孔43の間に位置する領域44が、中央部39Eの前側X2に区画されている。
ピン孔42は、上下方向Zから見て、左右方向Yに長い略楕円形状をなしている。ピン孔42は、取付板39の軸方向Xおよび左右方向Yの略中央において取付板39を上下方向Zに貫通している。ピン孔42は、各挿通孔43の後側X1の端部43Aと軸方向Xにおいてほぼ同じ位置にある。
固定部40は、左右方向Yにおける取付板39の両側に1つずつ設けられ、上下に薄い板状である。各固定部40の左右方向Yにおける外側端部と後側X1の端部は、下側Z2へ折り曲げられている。
左右の固定部40は、左右方向Yの両側から取付板39を挟んでいる。各固定部40において、左右方向Yにおいて取付板39に近い側の端部40Aと、取付板39の左右方向Yにおける端部39Aとは、溶接等によって接合されている。これにより、取付板39と一対の固定部40とは、一体化している。この状態で、各固定部40の上面40Bは、取付板39の上面39Cよりも上側Z1に位置している。なお、取付板39と固定部40とは、一体形成されていてもよい。
各固定部40には、上下方向から見たときにおける固定部40の略中央部を上下方向Zに貫通するボルト挿通孔45がそれぞれ形成されている。各ボルト挿通孔45には、下側Z2からボルト46が挿通され、天板30は、ボルト46が車体2に対して捻じ込まれることによって、車体2に固定されている(図2参照)。
図4は、ステアリング装置1における天板30、チルトブラケット33、第1摺擦板31および第2摺擦板32を図3とは別の角度から見た分解斜視図であり、第2摺擦板32がチルトブラケット33に取り付けられた状態を示している。
図4を参照して、第1摺擦板31は、本体部47と突起部48とを一体的に含んでいる。
本体部47は、上下方向Zに薄い板状である。本体部47は、上下方向Zから見て、左右に長手の略長方形状である。本体部47の上面には、符号「47A」を付し、本体部47の下面には、符号「47B」を付す。また、本体部47の前側X2の端部には、符号「47C」を付し、本体部47の後側X1の端部には、符号「47D」を付す。本体部47の上面47Aには、特に加工は施されていないが、本体部47の下面47Bの全域には、たとえばフッ素樹脂や四フッ化エチレン樹脂等の摩擦低減材49が塗布等によって一体的に設けられている。また、本体部47には、孔50および一対の挿通孔51が形成されている。
本体部47の孔50および一対の挿通孔51は、上下方向Zから見て、円形状であり、上下方向Zに本体部47を貫通している。一対の挿通孔51の円中心を通って上下方向Zに延びる仮想の直線には、符号「A1」を付す。孔50および一対の挿通孔51は、軸方向Xにおいて本体部47の中央よりも前側X2寄りに位置している。孔50の左右方向Yにおける位置は、本体部47の略中央(前述した平面29上)である。一対の挿通孔51は、孔50(平面29)を挟んで左右方向Yに対称に位置している。
突起部48は、本体部47の前側X2の端部47Cに一対設けられている。各突起部48は、左右方向Yに延びる略直方体の小片状である。各突起部48の後側X1の端部には、符号「48A」を付し、各突起部48の上面には、符号「48B」を付し、各突起部48の下面には、符号「48C」を付す。
各突起部48には、後側X1に突出する接合部52が、端部48Aの下側Z2領域に形成されている。接合部52では、下面が、上前側に膨出する湾曲面を含み、上側Z1の端部が、最も後側X1へ突出している(後述する図6も参照)。
各突起部48の上面48Bは、第1摺擦板31の本体部47の上面47Aよりも下側Z2に位置している。突起部48の下面48Cは、本体部47の下面47Bよりも下側Z2に位置していて、前後左右方向に平坦である。各突起部48では、その端部48Aが、本体部47の前側X2の端部47Cに対して前側X2から接続されている。また、各突起部48では、接合部52の上側Z1の端部が、本体部47の前側X2の端部に対して下側Z2から接続されている。
左右方向Yにおいて、左側Y2の突起部48の位置は、左側Y2の挿通孔51と同じであり、右側Y1の突起部48の位置は、右側Y1の挿通孔51と同じである。
図2を参照して、第1摺擦板31は、天板30の上側Z1に配置されている。第1摺擦板31の本体部47の下面47Bは、天板30の取付板39の上面39Cに上側Z1から面接触している。
第1摺擦板31の本体部47の左右方向Yにおける両端部は、天板30の取付板39の両端部39Aよりも左右方向Yにおいて内側に配置されている。また、本体部47の前側X2の端部47Cは、軸方向Xにおいて、開口部41の挿通孔43の軸方向Xの略中央に位置している。また、本体部47の後側X1の端部47Dと取付板39の後側X1の端部とは、上下方向Zから見て、重なっている。第1摺擦板31の一対の挿通孔51のそれぞれは、上下方向Zから見て、取付板39において対応する挿通孔43の後側X1の端部43Aの一部と重なっている。また、第1摺擦板31の突起部48は、挿通孔43に挿通されている。
図3を参照して、第2摺擦板32は、本体部53と折曲部54とを一体的に含んでいる。
本体部53は、上下方向Zに薄い板状である。本体部53は、上下方向Zから見て、後側X1へ向けて開放された略U字状をなしている。本体部53の上面には、符号「53A」を付し、本体部53の下面には、符号「53B」を付す。本体部53の前端部には、符号「55」を付し、本体部53の右端部には、符号「56」を付し、本体部53の左端部には、符号「57」を付す。前端部55は、左右方向Yに延びる帯状であり、右端部56は、前端部55の右側Y1の端部から後側X1へ延びる帯状であり、左端部57は、前端部55の左側Y2の端部から後側X1へ延びる帯状である。右端部56と左端部57とは、軸方向Xにおいて、互いに等しい寸法を有している。
本体部53の上面53Aの全域には、たとえばフッ素樹脂や四フッ化エチレン樹脂等の摩擦低減材58が、たとえば塗布によって設けられている。本体部53の下面53Bには、特に加工が施されていなくてもよい。
本体部53には、切り欠き部59および貫通孔60が形成されている。
切り欠き部59は、本体部53の前述した略U字状の内側部分をなしている。切り欠き部59は、前端部55、右端部56および左端部57によって囲まれた空間であって、後側X1に開放されている。
右端部56および左端部57のそれぞれにおいて切り欠き部59を縁取る部分には、左右方向Yの外側へ向けて円弧状に窪む窪み61が形成されている。窪み61は、左端部57および右端部56のそれぞれにおいて1つずつ設けられている。切り欠き部59の前側X2の端部における左右方向Yの両側の端部のそれぞれは、窪み61に連通している。窪み61を縁取る右端部56および左端部57のそれぞれにおける円弧状の端縁の曲率中心を通って上下方向Zに延びる仮想の直線には、符号「A2」を付す。直線A2は、窪み61内を通っている。
貫通孔60は、本体部53の前端部55の左右方向Yにおける両端よりも少し内側に1つずつ設けられている。左右方向Yにおいて、左側Y2の貫通孔60は、左側Y2の窪み61と同じ位置にあり、右側Y1の貫通孔60は、右側Y1の窪み61と同じ位置にある。左右の貫通孔60の間隔は、第1摺擦板31における左右の突起部48の間隔と同じである。各貫通孔60は、上下方向Zに本体部53を貫通しており、上下方向Zから見て、左右方向Yに長手の長方形状であり、軸方向Xおよび左右方向Yにおいて第1摺擦板31の突起部48よりも大きい。
折曲部54は、本体部53の前端部55で左右方向Yにおける両端よりも内側の領域において、左右方向Yで各貫通孔60と同じ位置に1つずつ設けられている。図4を参照して、折曲部54は、左側Y2から見て、後側X1へ90°傾いた略U字状である。折曲部54は、本体部53と同じ板厚を有している。詳しくは、折曲部54は、上板62と下板63と前板64とを有している。
上板62は、前端部55よりも前側X2へ延びている。下板63は、上下方向Zから見て、上板62と同じ大きさである。下板63は、上板62と上下方向Zに間隔を隔てており、下側Z2から上板62に対向している。前板64は、上下方向Zに延びており、上板62の前側X2の端部と、下板63の前側X2の端部とを連結している。上板62と下板63と前板64とによって区画される空間には、符号「65」を付す。
図2を参照して、第2摺擦板32は、天板30の下側Z2において、天板30の取付板39の両端部39A(図3参照)よりも左右方向Yの内側に配置されている。第2摺擦板32の本体部53の上面53Aは、取付板39の下面39Dと面接触している。
天板30の取付板39のピン孔42は、上下方向Zから見て、第2摺擦板32の本体部53の切り欠き部59の内側に位置している。第2摺擦板32の本体部53の窪み61のそれぞれは、上下方向Zから見て、取付板39の対応する挿通孔43の後側X1の端部43Aの一部と重なっている。
チルトブラケット33は、軸方向Xから見て、上下が逆になった略U字状である。チルトブラケット33は、一対の側板66と、連結板67とを含んでいる。
各側板66は、軸方向Xおよび上下方向Zに広がる板状である。一対の側板66は、左右方向Yに間隔を隔てて互いに対向している。
図3を参照して、各側板66において左右方向Yから見て同じ位置には、略上下に延びるチルト用長孔68が1つずつ形成されている。各チルト用長孔68は、対応する側板66を左右方向Yに貫通している。
連結板67は、上下方向Zに薄く、軸方向Xおよび左右方向Yに広がる板状である。連結板67は、一対の側板66の上側Z1の端部同士を連結している。連結板67の上面には、符号「67A」を付す。連結板67の前側X2の端部には、符号「67B」を付す。連結板67には、ピン孔69と、一対の挿通孔70とが形成されている。
ピン孔69および一対の挿通孔70は、上下方向Zから見て、円形状であり、上下方向Zに連結板67を貫通している。ピン孔69の左右方向Yにおける位置は、連結板67の略中央である。一対の挿通孔70は、平面29を挟んで左右方向Yに対称に位置している。各挿通孔70の中心軸には、符号「A3」を付す。
チルトブラケット33では、左右方向Yにおける連結板67の両端部が、天板30の取付板39の下側Z2に配置され、取付板39の両端部39Aの間に配置されている。チルトブラケット33の連結板67の上面67Aは、前述した第2摺擦板32の本体部53の下面53Bに対して下側Z2から面接触している。前述したように、第2摺擦板32の本体部53の上面53Aは、天板30の取付板39の下面39Dに対して下側Z2から面接触している。このように、第2摺擦板32は、チルトブラケット33と天板30との間に介在されている。
チルトブラケット33の連結板67の前側X2の端部67Bには、第2摺擦板32の各折曲部54が前側X2から係合していて、連結板67の前側X2の端部67Bは、各折曲部54の空間65に後側X1から嵌め込まれている。この状態で、連結板67の前側X2の端部67Bは、折曲部54の上板62と下板63とによって挟まれている。
連結板67の一対の挿通孔70のそれぞれは、上下方向Zから見て、取付板39において対応する挿通孔43の後側X1の端部43Aの一部と重なっている。第2摺擦板32が連結板67に取り付けられた状態で、連結板67の上面67Aは、貫通孔60から上側Z1へ向けて露出されている。第1摺擦板31の突起部48は、上下方向Zから見て、貫通孔60の内側に配置されている。
また、天板30の取付板39の上面39Cに上側Z1から接触している第1摺擦板31は、上下方向Zにおいて、天板30に対してチルトブラケット33の反対側に配置されている。
移動部材34は、天板30に対してチルトブラケット33を支持する部材である。移動部材34は、左右に一対設けられている。移動部材34は、吊ボルト71と、ナット72と、皿ばね73とを含んでいる。
吊ボルト71は、全体として上下方向Zに延びる略円柱状である。吊ボルト71の中心軸には、符号「B」を付す。吊ボルト71は、大径部74と、中径部75と、小径部76とを一体的に含んでいる。
大径部74は、上下方向Zから見て円形状をなす、円盤状である。
中径部75は、大径部74よりも小径で上下に短い円柱状をなしており、大径部74と同軸状に配置されている。中径部75は、下側Z2から大径部74に隣接している。
大径部74および中径部75には、上側Z1から吊ボルト71の外側へ向けて露出される穴77が形成されている。穴77は、上側Z1から見て、六角形状である。
小径部76は、中径部75よりも小径な円柱状をなしており、大径部74および中径部75と同軸状に配置されている。小径部76は、中径部75の下側Z2の端面から下側Z2へ向けて延びている。小径部76の外周面には、雄ねじ部78が形成されている。
ナット72は、上下方向Zから見て環状をなしている。ナット72の上側Z1の端部は、ナット72の上側Z1の端部以外の部分よりも大径である。ナット72の中心軸には、符号「A4」を付す。ナット72の内周面には、雌ねじ部79が形成されている。
皿ばね73は、上下方向Zから見て、円環状である。軸方向Xに対して直交する平面における皿ばね73の断面は、略ハ字状である。詳しくは、皿ばね73の上側Z1の端部73Aは、皿ばね73の下側Z2の端部73Bよりも皿ばね73の径方向の内側に位置している。皿ばね73を上下方向Zに貫通する挿通孔には、符号「80」を付す。
挿通孔80は、上下方向Zから見て、円形状である。挿通孔80の中心軸には、符号「A5」を付す。
図2を参照して、移動部材34では、各吊ボルト71の中径部75が、皿ばね73の挿通孔80、第1摺擦板31の本体部47の挿通孔51、天板30の取付板39の挿通孔43(詳しくは、端部43A)、第2摺擦板32の窪み61に対して上側Z1から順に挿通されている。また、各吊ボルト71の小径部76がチルトブラケット33の連結板67の挿通孔70に対して上側Z1から挿通されている。
各吊ボルト71の中径部75の下側Z2の端面75Aは、チルトブラケット33の連結板67の上面67Aに上側Z1から接触している。各吊ボルト71の小径部76は、上面67Aから下側Z2にはみ出ている。各吊ボルト71の小径部76において連結板67から下側Z2にはみ出た部分の雄ねじ部78には、ナット72の雌ねじ部79がねじ付けられている。これにより、ナット72は、各吊ボルト71の小径部76に1つずつ取り付けられている。
この状態で、吊ボルト71の中心軸Bは、挿通孔51の中心軸A1、窪み61の直線A2、挿通孔70の中心軸A3、挿通孔80の中心軸A4およびナット72の中心軸A5と一致し、同一直線上に位置している。
ナット72の上面72Aは、チルトブラケット33の連結板67の下面67Cと接触している。
皿ばね73の上側Z1の端部73Aは、吊ボルト71の大径部74の下側Z2の端部と接触している。皿ばね73の下側Z2の端部73Bは、第1摺擦板31の本体部47の上面47Aに対して上側Z1から接触している。
移動部材34のナット72と吊ボルト71とを締め付けることで、吊ボルト71の中径部75とナット72との間でチルトブラケット33の連結板67、第1摺擦板31および第2摺擦板32が挟まれる。このとき、連結板67は、ナット72と吊ボルト71との間で、上下方向Zに向けた締結軸力(単に軸力ともいう)を発生させている。
ナット72と吊ボルト71とが締め付けられることで、皿ばね73は、吊ボルト71の大径部74によって下側Z2に押し付けられる。これにより、皿ばね73が、吊ボルト71の大径部74と第1摺擦板31の本体部47との間で上下方向Zに圧縮されるので、皿ばね73は、圧縮される前の状態に戻ろうとして上下方向Zの両外側へ向けて反発力を発生させる。
吊ボルト71は、チルトブラケット33の連結板67を挟んでナット72と締結されて上下方向Zに固定されているため、圧縮された皿ばね73は、吊ボルト71の大径部74で踏ん張って、第1摺擦板31の本体部47を天板30の取付板39の上面39Cに対して上側Z1から押し付ける。取付板39は、本体部47によって、第2摺擦板32の本体部53の上面53Aに押し付けられる。さらに、本体部53は、取付板39によって、チルトブラケット33の連結板67の上面67Aに押し付けられる。さらに、連結板67は、本体部53によって、ナット72の上面72Aに押し付けられる。このように、移動部材34の締結軸力により圧縮された皿ばね73の反発力によって、取付板39が第1摺擦板31の本体部47と、第2摺擦板32の本体部53およびチルトブラケット33の連結板67との間で挟持される。
そのため、第1摺擦板31の本体部47は、天板30の取付板39の上面39Cに押し付けられており、第2摺擦板32の本体部53は、取付板39の下面39Dに押し付けられている。よって、天板30は、第2摺擦板32を介して、第1摺擦板31の本体部47とチルトブラケット33の連結板67との間で圧接されている。言い換えると、移動部材34は、締結軸力によって、チルトブラケット33の連結板67と第1摺擦板31とを天板30に圧接させている。この状態で、車体2に固定された天板30は、移動部材34を介してチルトブラケット33を支持している。
図5は、天板30の周辺を上下方向Zの上側Z1から見た図である。図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。
図5を参照して、このようにアッパー支持機構6が組み付けられた状態において、取付板39は、第1摺擦板31の本体部47の下面47Bに係合している。取付板39が下面47Bに係合する部分を掛かり代83という。掛かり代83は、図5では、網掛けして示している(後述する図7においても同様)。本体部47の後側X1の端部47Dは、上下方向Zから見て、連結板67の後側X1の端部と重なっている。また、本体部47は、左右方向Yにおいて、取付板39の内側に位置している。また、本体部47の前側X2の端部47Cは、軸方向Xにおいて、開口部41の挿通孔43の軸方向Xの略中央に位置している。よって、掛かり代83は、上下方向Zから見て、一対の挿通孔43と本体部47とが重なる部分を第1摺擦板31の本体部47の外形を縁取る領域から排除した形状となる。そのため、掛かり代83は、ステアリングコラム4を挟んで左右方向Yに対称である。
移動部材34の締結軸力は、第1摺擦板31の本体部47の前側X2の端部47Dから掛かり代83全体に伝達されている。端部47Dは、移動部材34の締結軸力を掛かり代83に伝達する軸力伝達部位である。
図6を参照して、第1摺擦板31の各突起部48は、天板30の取付板39の開口部41の挿通孔43と、第2摺擦板32の貫通孔60とに上側Z1から挿通されている。突起部48の下面48Cは、上下方向Zにおいて取付板39の下面39Dよりも下側Z2に位置している。また、突起部48の下面48Cは、第2摺擦板32の本体部53の上面53Aよりも下側Z2に位置している。この状態で、貫通孔60は、突起部48をチルトブラケット33側である下側Z2に露出させている。
ただし、突起部48の下面48Cは、上下方向Zにおいて第2摺擦板32の貫通孔60内に位置しているため、チルトブラケット33の連結板67の上面67Aにおいて貫通孔60から露出された部分に対して、上下方向Zに間隔を隔てている。つまり、突起部48は、チルトブラケット33に対して非接触である。そのため、この状態の突起部48は、締結軸力を連結板67に伝達していない。
図2を参照して、樹脂ピン35は、上下方向Zから見て円形状の頭部81と、頭部81よりも小径の円柱状の軸部82とを一体的に含んでいる。軸部82は、頭部81の下側Z2において同軸状に配置されている。
金属カラー36は円筒状である。金属カラー36には、軸部82が挿入されている。軸部82の下側Z2の端部82Aは、金属カラー36よりも下側Z2にはみ出している。
樹脂ピン35は、天板30の取付板39のピン孔42と、第2摺擦板32の切り欠き部59と、チルトブラケット33の連結板67のピン孔69とに挿通されている。詳しくは、樹脂ピン35の頭部81は、ピン孔42内に配置されており、金属カラー36は、ピン孔42内と切り欠き部59内とに跨って配置されている。樹脂ピン35の頭部81および金属カラー36は、天板30の取付板39において軸方向Xからピン孔42を縁取る端縁と接触している。軸部82の端部82Aは、ピン孔69に対して嵌合している。頭部81は、孔50から上側Z1へ向けて露出されている。
樹脂ピン35の頭部81の上面は、第1摺擦板31の本体部47の下面47Bと接触している。また、金属カラー36の下面は、チルトブラケット33の連結板67の上面67Aと接触している。
コラムブラケット37は、軸方向Xから見て、略U字状である。コラムブラケット37は、一対の側板84と連結板85とを含んでいる。
一対の側板84は、左右方向Yに間隔を隔てて互いに対向している。各側板84の左右方向Yから見て同じ位置には、軸方向Xに延びるテレスコ用長孔86が形成されている(図1参照)。テレスコ用長孔86のそれぞれは、対応する側板84を左右方向Yに貫通している。
連結板85は、一対の側板84の下側Z2の端部同士を連結している。
コラムブラケット37の一対の側板84の上側Z1の端部は、溶接等によって、アッパーコラム19の外周面19Aに連結されている。アッパーコラム19は、コラムブラケット37によって保持されている。一対の側板84は、チルトブラケット33の一対の側板66によって左右方向Yの両側から挟まれている。
ロック機構38は、操舵部材9のテレスコ調整およびチルト調整を可能にしたり、操舵部材9のテレスコ調整およびチルト調整を規制したりするためのものである。ロック機構38は、締付軸87と、ナット88と、操作レバー89を含んでいる。
締付軸87は、左右方向Yに延びる略円柱状である。締付軸87の左側Y2の端部には、頭部90が設けられている。締付軸87の右側Y1の端部には、ねじ部91が設けられている。締付軸87は、チルトブラケット33のチルト用長孔68およびコラムブラケット37のテレスコ用長孔86に挿通されている。頭部90およびねじ部91は、チルトブラケット33の一対の側板66よりも左右方向Yの外側に配置されている。
ナット88は、左右方向Yから見て環状をなしている。ナット88は、締付軸87のねじ部91に締結されている。
操作レバー89は、一端がナット88に連結されたレバー状である。
操作レバー89を回動させると、ナット88が回転し、それに伴い、締付軸87の頭部90が右側Y1へ移動する。これにより、頭部90とナット88との間で、チルトブラケット33の両側板66が締め付けられる。両側板66の間が狭められることによって、コラムブラケット37の両側板84が両側板66によって圧接される。これにより、コラムブラケット37に結合されたアッパーコラム19の位置がロックされる。アッパーコラム19の位置がロックされた状態では、操舵部材9の位置もロックされているため、操舵部材9のテレスコ調整およびチルト調整をすることができない。
操舵部材9の位置がロックされた状態から、先程とは逆方向に操作レバー89を回動させると、締付軸87の頭部90が左側Y2へ移動する。これにより、頭部90とナット72との間でのチルトブラケット33の両側板84の締め付けが解除される。よって、両側板66によるコラムブラケット37の両側板84の圧接が解除される。これにより、アッパーコラム19の位置ロックが解除され、操舵部材9のテレスコ調整およびチルト調整が可能になる。
次に、車両衝突時に運転者が操舵部材9に衝突する二次衝突について説明する。
二次衝突時には、操舵部材9からアッパーシャフト7に衝撃が伝達されることによって、アッパーシャフト7およびアッパーコラム19がロアーシャフト8およびロアーコラム20に対して前側X2に相対移動しようとする。
アッパーコラム19は、コラムブラケット37を介してチルトブラケット33によって支持されている。そのため、アッパーコラム19が所定の移動方向Sの下流側である軸方向Xの前側X2に移動しようとすると、チルトブラケット33も前側X2へ移動しようとする。
チルトブラケット33は、移動部材34の吊ボルト71によって、第1摺擦板31および第2摺擦板32と連結されているため、チルトブラケット33と移動部材34と第1摺擦板31と第2摺擦板32とは、前側X2へ向けて移動しようとする。一方、前述したように、天板30は、車体2に固定されている。そのため、天板30は、二次衝突時には、前側X2へ向けて移動しない。
ここで、前述したように、樹脂ピン35の軸部82は、天板30の取付板39のピン孔42と、チルトブラケット33の連結板67のピン孔69とに跨っている。そのため、天板30に対してチルトブラケット33と移動部材34と第1摺擦板31と第2摺擦板32とが前側X2へ向けて移動しようとすると、軸部82は、端部82Aとそれ以外の部分(端部82Aより上側の部分)とに分離されるように剪断される。これにより、チルトブラケット33と移動部材34と第1摺擦板31と第2摺擦板32とは、一体となって天板30に対して前側X2へ向けて移動する。その際、アッパーシャフト7およびアッパーコラム19が操舵部材9とともに、ロアーシャフト8およびロアーコラム20に対して前側X2へ向けて相対移動するため、ステアリングシャフト3が収縮する。
図6を参照して、前述したように、天板30は、第1摺擦板31の本体部47と、チルトブラケット33の連結板67および第2摺擦板32との間で圧接されている。そのため、二次衝突時には、第1摺擦板31の本体部47は、天板30の取付板39の上面39Cに摺擦しながら前側X2へ移動する。また、第2摺擦板32の本体部53は、取付板39の下面39Dに摺擦しながら前側X2へ移動する。
また、図5を参照して、移動部材34は、二次衝突時には、チルトブラケット33が前側X2へ移動するに従って、開口部41の挿通孔43の端部43Aから前側X2へ向けて挿通孔43内で移動する。やがて、移動部材34は、開口部41の前側X2の端部41Aに到達する。このとき、第1摺擦板31は、取付板39に対して前側X2にずれた状態で取付板39によって係合されている。そのため、掛かり代83の面積は、二次衝突前と比較して、小さくなる。このように、掛かり代83の面積は、チルトブラケット33の移動に従い徐々に小さくなる。チルトブラケット33がさらに前側X2へ向けて進むと、移動部材34が開口部41から前側X2へ離脱する。
図7は、図5において二次衝突後の状態を示した図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。図7および図8は、二次衝突後の状態を示しているが、二次衝突の途中においても図7および図8を参照して説明する。
二次衝突時には、開口部41に挿通された移動部材34が開口部41内を前側X2へ移動することで、チルトブラケット33の移動が天板30の開口部41の挿通孔43によってガイドされ、移動部材34は、チルトブラケット33および第1摺擦板31とともに前側X2へ移動する。
二次衝突時には、チルトブラケット33は、開口部41の挿通孔43にガイドされることによって、操舵部材9と第1摺擦板31とともに、前側X2へ向けて移動する。二次衝突の途中において移動部材34が天板30の前側X2の端縁である取付板39の端部39Bよりも前側X2へ移動したときにチルトブラケット33は、軸力によって、前側X2の端部を後側X1の端部よりも下側Z2へ向けるように天板30の取付板39に対して僅かに傾く。厳密には、チルトブラケット33は、移動部材34の吊ボルト71の中心軸Bが軸方向Xにおいて取付板39の端部39Bよりも前側X2へ移動したときに傾き始める。
チルトブラケット33の移動に伴い、第1摺擦板31は、天板30に対して摺擦しながら前側X2へずれる。そして、第1摺擦板31は、チルトブラケット33が傾くのと同時に、前側X2の端部47Cがチルトブラケット33の連結板67に近づくように、天板30の取付板39に対して僅かに傾く。これにより、第1摺擦板31の突起部48の下面48Cがチルトブラケット33の連結板67の上面67Aに接触する(図8参照)。この状態は、突起部48は、移動部材34の締結軸力を連結板67に伝達する軸力伝達部位として機能する。
二次衝突の途中において、第1摺擦板31の本体部47に係合する掛かり代83が維持されている。そのため、移動部材34の締結軸力が、あまり減少することなく、引き続き存在する。よって、二次衝突において、第1摺擦板31がこれ以上傾くことはない。また、チルトブラケット33と第1摺擦板31とは、締結軸力によって天板30を掛かり代83において挟持した状態のまま前側X2へ移動する。
図7に示すように、移動部材34の吊ボルト71の中心軸Bは、二次衝突によって、距離L1だけ前側X2へ移動する。二次衝突時には、吊ボルト71は、チルトブラケット33とともに前側X2へ向けて移動するため、吊ボルト71の移動量は、チルトブラケット33が二次衝突によって前側X2へ移動する移動量に等しい。チルトブラケット33は、二次衝突によって距離L1を移動した後においても、天板30の取付板39の上面39Cは、第1摺擦板31の本体部47の下面47Bに係合している。つまり、天板30は、二次衝突後も掛かり代83を有している。この状態で、掛かり代83は、ステアリングシャフト3を保持するステアリングコラム4を挟んで対称となっている。
チルトブラケット33は、二次衝突時には、姿勢を崩すことなく、安定して前側X2へ移動することができる。
また、図8に示すように、二次衝突後においても、突起部48の下面48Cは、チルトブラケット33の連結板67の上面67Aと接触している。
そのため、第1摺擦板31がこれ以上傾くことはなく、二次衝突が終わるまで、および、二次衝突後も、天板30がチルトブラケット33と第1摺擦板31とに挟持された状態が維持される。
天板30は、二次衝突後にも掛かり代83において第1摺擦板31に係合するため、チルトブラケット33および第1摺擦板31によって挟持された状態で維持される。
このように、天板30に対するチルトブラケット33の脱落を、二次衝突中および二次衝突後において防止することができる。
また、チルトブラケット33は、二次衝突の間、第1摺擦板31とともに、天板30から脱落せずに前側X2へ移動するので、チルトブラケット33の移動によって、二次衝突時のエネルギーを十分に吸収することができる。
また、前述したように、開口部41は、前側X2へ向けて開放されており、突起部48は、二次衝突の途中で、開口部41から離脱している。
そのため、開口部41の前側X2の端部41Aが塞がれる場合に比べて、天板30を軸方向Xにおいて短くすることができるので、天板30の小型化および低コスト化を図ることができる。
以上の結果、ステアリング装置1では、軽量化および低コスト化を図りつつ、構成部品であるチルトブラケット33の脱落を防止し、二次衝突時のエネルギーを十分に吸収することができる。
ここで、一般に、チルトブラケット33の二次衝突における移動量は、二次衝突時以外の通常時にチルトブラケット33を支持するために天板30に必要な軸方向Xにおける長さよりも大きい。
前述したように、本実施形態のステアリング装置1では、開口部41は、前側X2へ向けて開放されている。そのため、天板30において通常時に必要のない部分を排除することができる。よって、車体に固定されたカプセルから離脱することで二次衝突時のエネルギーを吸収するカプセル離脱式のステアリング装置の天板に相当の大きさまで小型化することができる。
前述したように、二次衝突時にチルトブラケット33とともに前側X2へ向けて移動する第2摺擦板32には、第1摺擦板31の突起部48が挿通される貫通孔60が形成されている。
そのため、二次衝突時には、第2摺擦板32は、チルトブラケット33に対する突起部48の接触を妨げることなく、天板30とチルトブラケット33との間の摩擦を低減することができる。つまり、第2摺擦板32は、二次衝突時における天板30とチルトブラケット33との間の摩擦を低減し、二次衝突時のエネルギーを吸収するためのチルトブラケット33を円滑に移動させることができる。
ここで、本実施形態のステアリング装置1と異なり、突起部48とを有さない比較例のステアリング装置を想定する。比較例のステアリング装置では、チルトブラケット33が前側X2へ向けて天板30に対して移動し、移動部材34が挿通孔43から抜けて天板30の取付板39よりも前側X2へ移動した場合、チルトブラケット33は、軸力によって前側X2の端部が後側X1の端部よりも下側Z2になるように天板30に対して傾く。比較例のステアリング装置が突起部48を有さないため、チルトブラケット33が軸力で傾いたときに、チルトブラケット33と第1摺擦板31とは、天板30を上下方向Zに挟むことができない。そのため、チルトブラケット33の傾きが大きくなり、移動部材34の締結軸力がなくなるため、こじる等して荷重ばらつきが大きくなる。
したがって、比較例のステアリング装置では、天板30に対するチルトブラケット33の抜け落ちを防止するためには、本実施形態の挿通孔43の代わりに、軸方向Xにおける端部が閉じられた長孔を天板30に設ける必要がある。
この場合、チルトブラケット33の抜け落ちを防止しつつ二次衝突時のエネルギーを吸収するには、二次衝突時のチルトブラケット33の前側X2への移動量に合わせて長孔の軸方向Xにおける長さを決める必要がある。
よって、比較例では、天板30の軸方向Xにおける長さは、長孔の長さによって決まるので、天板30の軸方向Xにおける長さが通常時に必要な長さよりも長くなるように天板30を設計する必要がある。
また、天板30は、車体2から伝達される振動に対して耐えうる剛性を保ちつつチルトブラケット33を支持する必要があるため、アッパー支持機構6に関連する他の部材と比較して板厚が厚い。よって、天板30は、アッパー支持機構6に関連する他の部材と比較して重い。また、天板30は、アッパー支持機構6に関連する他の部材と比較して製造に必要な材料が多いため、製造コストが高い。よって、比較例では、天板30を軸方向Xに大きくする必要があるため、重量およびコストが増大する。
一方、比較例において軸方向Xに小型化した天板30を用いた場合、二次衝突時のチルトブラケット33の移動量に合わせて長孔の長さを設計することができないため、二次衝突時のエネルギーの吸収が不十分になる。
さらに、比較例とは異なり、開口部41を設け、チルトブラケット33が軸力によって天板30に対して傾いてもチルトブラケット33が天板30から抜け落ちない程度に天板30を軸方向Xに小型化した比較例の場合、チルトブラケット33が天板30から抜け落ちないこともある。しかし、この状態では、移動部材34の締結軸力は、チルトブラケット33と第1摺擦板31との間で伝達されていないため、二次衝突の途中において、天板30の掛かり代83においてチルトブラケット33と第1摺擦板31とが天板を圧接することはできない。そのため、二次衝突時のエネルギーの吸収が不安定となる。また、離脱後(二次衝突後)のステアリングコラム4の剛性も悪化する。
このように、第1摺擦板31に突起部48を設けずに、単に天板30を軸方向Xに短くしても、二次衝突時のエネルギーを十分に吸収することができないため、天板30の軽量化および低コスト化は困難である。
図9は、ステアリング装置1における規制部92の周辺を示した断面図である。
図9を参照して、ロアーシャフト8には、規制部92が設けられている。規制部92は、軸方向Xから見て環状をなしている。規制部92は、アッパーシャフト7よりも大径である。規制部92には、ロアーシャフト8の中間シャフト10の前側X2の端部10Aが挿入されている。規制部92は、中間シャフト10の前側X2の端部10Aに設けられた段差93に後側X1から隣接している。規制部92は、アッパーシャフト7の端部7Bと間隔L2を隔てている。
二次衝突時には、ステアリングシャフト3は、軸方向Xに収縮するため、アッパーシャフト7の前側X2の端部7Bは、前側X2へ向けて移動する。一方、規制部92は、ロアーシャフト8の中間シャフト10に挿入されているため、二次衝突時には、移動しない。
そのため、アッパーシャフト7の前側X2の端部7Bは、二次衝突によって間隔Lを移動した後に規制部92に接触する。これにより、チルトブラケット33の前側X2への移動量は、間隔L2に規制される。
そのため、二次衝突時のエネルギーの大きさに関わらず、ロアーシャフト8に対するアッパーシャフト7の相対移動、すなわちEAのためのストロークは、間隔L2以下に規制される。前述したチルトブラケット33の二次衝突における移動量に相当する距離L1は、間隔L2と等しい。
このように、規制部92がチルトブラケット33の移動量を所定以内に規制することによって、二次衝突の際にチルトブラケット33が必要以上に移動して天板30から脱落することを確実に防止することができる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、二次衝突後の掛かり代83は、天板30の取付板39の中央部39Eであってもよい。この場合、中央部39Eは、取付板39の両側部39Fよりも前側X2に延びている。また、二次衝突後の掛かり代83は、中央部39Eおよび両側部39Fの両方であってもよい。この場合、中央部39Eの前側X2の端部は、両側部39Fの前側X2の端部と軸方向Xにおいて同じ位置に配置されている。
また、第2摺擦板32には、貫通孔60が形成されていなくてもよい。この場合、第1摺擦板31の突起部48の下面48Cは、二次衝突前では、第2摺擦板32の本体部53の上面53Aよりも上側Z1に位置しており、上面53Aに対して非接触である。突起部48の下面48Cは、二次衝突の途中から、上面53Aに接触する。つまり、突起部48は、二次衝突の途中から、第2摺擦板32を介してチルトブラケット33に間接的に接触している。
この場合、移動部材34の締結軸力の伝達に関する部材が第1摺擦板31とチルトブラケット33の2つである本実施形態と比較して、移動部材34の締結軸力の伝達に関する部材が第1摺擦板31、第2摺擦板32およびチルトブラケット33の3つに増える。そのため、突起部48の下面48Cがチルトブラケット33の連結板67の上面67Aに直接接触する本実施形態と比較して、締結軸力のばらつきが増大する可能性がある。
また、第1摺擦板31に設けられた摩擦低減材49と第2摺擦板32に設けられた摩擦低減材58は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
また、摩擦低減材49および摩擦低減材58のそれぞれは、第1摺擦板31および第2摺擦板32に塗布することで設けられてもよいし、第1摺擦板31および第2摺擦板32とは異なる板状の部材として設けられていてもよい。
1…ステアリング装置、2…車体、3…ステアリングシャフト、4…ステアリングコラム、7…アッパーシャフト、8…ロアーシャフト、9…操舵部材、30…天板、31…第1摺擦板、32…第2摺擦板、33…チルトブラケット、34…移動部材、37…コラムブラケット、39B…端部、41…開口部、47C…端部、48…突起部、60…貫通孔、83…掛かり代、92…規制部、X2…前側、S…移動方向

Claims (6)

  1. 操舵部材が連結されるステアリングシャフトを支持するステアリングコラムを保持し、二次衝突時には前記操舵部材とともに所定の移動方向における下流側へ向けて移動するブラケットと、
    前記下流側へ向けて開放されて前記ブラケットの移動をガイドする開口部が前記下流側における端部に貫通して形成され、車体に固定されて前記ブラケットを移動可能に支持する天板と、
    前記ブラケットとの間で前記天板を挟持し、二次衝突時には前記天板に摺擦しながら前記ブラケットとともに前記下流側へ向けて移動する第1摺擦板と、
    前記天板に設けられ、二次衝突の前後において前記第1摺擦板に係合する掛かり代と、
    前記第1摺擦板において前記下流側の端部に設けられ、前記開口部に挿通されていて、二次衝突前では前記ブラケットに対して非接触であって、二次衝突の途中から前記ブラケットに接触する突起部と、
    を含むことを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 前記ステアリングシャフトは、前記移動方向に沿って延び、
    前記掛かり代は、前記ステアリングシャフトを挟んで対称となるように設けられていることを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記突起部が挿通されて前記突起部を前記ブラケット側に露出させる貫通孔が形成され、前記ブラケットと前記天板との間に介在され、二次衝突時には前記天板に摺擦しながら前記ブラケットとともに前記下流側へ向けて移動する第2摺擦板を含むことを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置。
  4. 前記ブラケットと前記天板との間に介在され、二次衝突時には前記天板に摺擦しながら前記ブラケットとともに前記下流側へ向けて移動する第2摺擦板を含み、
    前記突起部は、二次衝突前では前記第2摺擦板に対して非接触であって、二次衝突の途中から前記第2摺擦板を介して前記ブラケットに接触することを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置。
  5. 前記開口部に挿通され、前記ブラケットと前記第1摺擦板との間で前記天板が挟まれるように前記ブラケットおよび前記第1摺擦板を前記天板に圧接させ、二次衝突時には、前記ブラケットおよび前記第1摺擦板とともに前記下流側へ移動する移動部材を含み、
    二次衝突において、前記移動部材が前記天板の前記下流側の端縁よりも前記下流側へ移動したときに、前記突起部が前記ブラケットに接触することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のステアリング装置。
  6. 前記ステアリングシャフトは、前記移動方向に延びるアッパーシャフトおよび前記アッパーシャフトの前記下流側に配置されたロアーシャフトを含み、前記ブラケットによって支持され、二次衝突時には、前記ロアーシャフトに対する前記アッパーシャフトの前記下流側への相対移動によって収縮し、
    前記ロアーシャフトに設けられ、二次衝突後に前記アッパーシャフトに接触することによって、前記下流側への前記ブラケットの移動量を所定以内に規制する規制部を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110001756A (zh) * 2019-04-30 2019-07-12 重庆长安汽车股份有限公司 一种转向管柱溃缩结构、转向管柱总成及汽车
CN113911201A (zh) * 2020-07-08 2022-01-11 操纵技术Ip控股公司 用于转向系统的倾斜保持载荷板

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