JP2006344716A - アンテナ装置およびそれに用いられるシールドカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】はんだ付け時に、シールドカバーの内部に搭載されているLNA回路等の回路がショートするのを防止できるアンテナ装置およびシールドカバーを提供する。
【解決手段】回路基板21の裏面21b上に搭載されたLNA回路をシールドするシールドカバー24は、四隅が面取りされた略矩形の天井部241と、4つの側壁部242〜245と、4つの角部247とを有する。シールドカバー24は、4つの角部247ではんだ付けにより回路基板の裏面21b上に取り付けられる。4つの側壁部242〜245と4つの角部247との間に隙間がない。シールドカバー24は、金属板40の折り曲げ加工により形成され、4つの角部247の両端に側壁部242〜245と重なる延長部248を有する。
【選択図】 図4
【解決手段】回路基板21の裏面21b上に搭載されたLNA回路をシールドするシールドカバー24は、四隅が面取りされた略矩形の天井部241と、4つの側壁部242〜245と、4つの角部247とを有する。シールドカバー24は、4つの角部247ではんだ付けにより回路基板の裏面21b上に取り付けられる。4つの側壁部242〜245と4つの角部247との間に隙間がない。シールドカバー24は、金属板40の折り曲げ加工により形成され、4つの角部247の両端に側壁部242〜245と重なる延長部248を有する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、アンテナ装置に関し、特に、GPS(全地球測位システム)用アンテナとして使用されるアンテナ装置のシールドカバーの構造に関する。
この技術分野において周知のように、現在、車両には種々のアンテナが搭載される。例えば、そのようなアンテナの1つに、GPS(全地球測位システム)用アンテナがある。
GPS(Global Positioning System)は、人工衛星を用いた衛星測位システムである。GPSは、地球を周回している18個の人工衛星のうちの4個の人工衛星からの電波(GPS信号)を受信し、この受信した電波から移動体と人工衛星との位置関係および時間誤差を測定して三角測量の原理に基づいて、移動体の地図上における位置や高度を高精度で算出することを可能としたものである。
GPSは、近年では、走行する自動車の位置を検出するカーナビゲーションシステム等に利用され、広く普及している。カーナビゲーション装置は、このGPS信号を受信するためのGPS用アンテナと、このGPS用アンテナが受信したGPS信号を処理して車両の現在位置を検出する処理装置と、この処理装置で検出された位置を地図上に表示するための表示装置等から構成される。
カーナビゲーション装置を自動車に搭載するに際しては、GPS信号を受信するGPS用アンテナは、例えば自動車の屋根(ルーフ)上などの車外に設置される(例えば、特許文献1参照)。
GPS用アンテナのようなアンテナ装置は、アンテナケースと、このアンテナケース内に収容されるアンテナモジュールとを有する。アンテナモジュールは、主面および裏面を持つ回路基板と、回路基板の主面上に搭載されるパッチアンテナのような平面アンテナ素子と、回路基板の裏面上に搭載されるLNA(低雑音増幅)回路と、このLNA回路をシールドするシールドカバーとから構成されている。
シールドカバーは、平面図の形状として、その四隅が面取りされた実質的に矩形形状をしている。すなわち、シールドカバーは四隅に角部を有する。そして、シールドカバーは、その四隅(角部)ではんだ付けされて回路基板の裏面に取り付けられる。
図1および図2を参照して、従来のシールドカバー50について説明する。図1において、(A)は従来のシールドカバー50の全体の外観を示す外観斜視図であり、(B)は(A)の二点鎖線の丸で囲んだ部分の部分拡大図である。図2は従来のシールドカバー50を形成するための金属板60の平面図である。
金属板60は、前後方向に延びる中心線CLに関して左右対称の形状をしている。詳述すると、金属板60は、四隅が面取りされたほぼ矩形の天井部51と、この天井部51の四辺に形成された4つの側壁部52、53、54、及び55とを有する。4つの側壁部52、53、54、および55は、それぞれ、前側壁部、後側壁部、右側壁部、左側壁部と呼ばれる。前側壁部52は、中心線CLを境にして互いに離間した一対の前側壁片から構成され、それらの間に開口がある。また、一対の前側壁片52の間には、同軸ケーブルを保持するための保持片56が形成されている。金属板60は、その四隅に4つの角部57を更に有する。
これら前側壁部52、後側壁部53、右側壁部54、左側壁部55、保持片56、および4つの角部57を、天井部51に対して直角に(図2の紙面に対して裏側へ直角に)折り曲げることによって、図1(A)に示されるようなシールドカバー50が形成される。
このような構造のシールドカバー50は、角部57で回路基板の裏面にはんだ付けすることにより、回路基板の裏面上に取り付けられる。
尚、内部に配置された基板をシールドするシールドケースが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来のシールドカバー50では、図1(B)に示されるように、シールドカバー50の折り合わせ部分(すなわち、4つの側壁部52〜55と角部57との間)に隙間Gが出来てしまう。その結果、このシールドカバー50を回路基板の裏面にはんだ付けにより取り付ける際に、これら隙間Gからはんだがシールドカバー50の内側へ流れ込み、シールドカバー50の内部に搭載されているLNA回路をショートしてしまうという恐れがある。
尚、特許文献2に開示されたシールドケースは、内部に配置された基板をシールドするものであって、回路基板の裏面(一面)に搭載されたLNA回路等の回路をシールドするために、回路基板の裏面(一面)に取り付けられるシールドカバーとは構造が異なる。
したがって、本発明の課題は、はんだ付け時に、内部に搭載されているLNA回路等の回路がショートするのを防止することができるアンテナ装置及びそれに用いられるシールドカバーを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、互いに対向する主面(21a)と裏面(21b)とを持つ回路基板(21)と、前記回路基板の主面上に搭載された平面アンテナ素子(20)と、該平面アンテナ素子と接続されて前記回路基板の裏面上に搭載されたLNA回路と、前記回路基板の裏面上に取り付けられて、前記LNA回路をシールドするシールドカバー(24;24A)とを有するアンテナ装置(10)において、前記シールドカバー(24)は、四隅が面取りされた略矩形の天井部(241)と、該天井部の四辺で所定方向に直角に延在する4つの側壁部(242〜245;242A,244A)と、互いに隣接する側壁部間の前記天井部の四隅で前記所定方向に直角に延在する4つの角部(247;247A)とを有し、前記シールドカバーは前記4つの角部ではんだ付けにより前記回路基板の裏面上に取り付けられ、前記4つの側壁部(242〜245;242A,244A)と前記4つの角部(247;247A)との間に隙間がないことを特徴とするアンテナ装置(10)が得られる。
上記本発明の第1の態様に係るアンテナ装置において、前記シールドカバー(24)は、金属板(40)の折り曲げ加工により形成され、前記4つの角部の両端に前記側壁部と重なる延長部(248)を有するものであって良い。その代わりに、前記シールドカバー(24A)は、プレス機械を用いた金属板の絞り加工により形成され、互いに隣接する前記側壁部(242A,244A)と前記角部(247A)とが連続して繋がった形状を有するものであって良い。
本発明の第2の態様によれば、回路基板(21)の一面(21b)上に搭載された回路をシールドするシールドカバー(24;24A)であって、四隅が面取りされた略矩形の天井部(241)と、該天井部の四辺で所定方向に直角に延在する4つの側壁部(242〜245;242A,244A)と、互いに隣接する側壁部間の前記天井部の四隅で前記所定方向に直角に延在する4つの角部(247;247A)とを有し、前記シールドカバーは前記4つの角部ではんだ付けにより前記回路基板の一面上に取り付けられ、前記4つの側壁部(242〜245;242A,244A)と前記4つの角部(247;247A)との間に隙間がないことを特徴とするシールドカバーが得られる。
上記本発明の第2の態様に係るシールドカバーにおいて、前記シールドカバー(24)は、金属板(40)の折り曲げ加工により形成され、前記4つの角部の両端に前記側壁部と重なる延長部(248)を有するものであって良い。その代わりに、前記シールドカバー(24A)は、プレス機械を用いた金属板の絞り加工により形成され、互いに隣接する前記側壁部(242A,244A)と前記角部(247A)とが連続して繋がった形状を有するものであって良い。
尚、上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明では、天井部の四辺に形成された4つの側壁部と天井部の四隅に形成された4つの角部との間に隙間がないので、シールドカバーをはんだ付け時に、シールドカバーの内部に搭載されているLNA回路等の回路がショートするのを防止することができる。
図3を参照して、本発明の一実施の形態に係るアンテナ装置10について説明する。図示のアンテナ装置10は、GPS信号受信用のアンテナ装置である。
アンテナ装置10は、アンテナケース13と、アンテナモジュール14と、パッキン部材15と、信号線(同軸ケーブル)16とを備える。アンテナケース13はドーム状のトップカバー11とボトムプレート12とが接合されて構成される。アンテナモジュール14はトップカバー11内に収納される。パッキン部材15は、トップカバー11とボトムカバー12との接合部に配設されてアンテナケース13の密着性を確保するためのものである。尚、パッキン部材15は、防水機能をも果たすので、防水パッキンとも呼ばれる。信号線16はアンテナモジュール14に接続される。
アンテナモジュール14は、平面アンテナ素子20と回路基板21とを有する。平面アンテナ素子20は、GPS衛星から送出されたGPS信号を受信するアンテナであり、図示の例では、パッチアンテナから構成されている。回路基板21は主面21aと裏面21bとを持つ。回路基板21の主面21aに平面アンテナ素子20が搭載される。回路基板21の裏面21bには、この平面アンテナ素子20によって受信したGPS信号に対して信号増幅を施すLNA回路(図示せず)が搭載されている。平面アンテナ素子20と回路基板21の主面21aとは、両面テープ22などによって接合されている。
回路基板21の裏面21bには、GPS信号をアンテナケース13の外部に取り出すための信号線(同軸ケーブル)16が接続される。また、回路基板21の裏面21bには、上記LNA回路をシールドするためのシールドカバー24が取り付けられている。信号線16は、トップカバー11に形成された切欠部(図示せず)を介して外部に引き出される。
アンテナ装置10は、トップカバー11の内部空間にアンテナモジュール14及びパッキン部材15が収納された状態で、このトップカバー11とボトムプレート12とが3つの螺子26によって螺子止めされることにより接合一体化される。
パッキン部材15は、例えばEPDMゴムなどの樹脂材料によって形成されている。パッキン部材15は、アンテナモジュール14の全面を覆うベース部15aと、トップカバー11に形成された切欠部の位置で信号線16の外周を覆うガスケット部15bとを有する。
ボトムプレート12には、中央部に単一の凹部12aが形成されている。この凹部12aに永久磁石30が配設される。この永久磁石30は、自動車のルーフにアンテナ装置10を吸着固定させるために配設されるものである。また、ボトムプレート12の外方に臨む側の主面には、当該主面の略全面に渡って、自動車のルーフへの傷付き防止を目的とした樹脂シート31が貼り付けられる。この樹脂シート31には、当該アンテナ装置10の型番号や名称などがプリントされる。
図4および図5を参照して、図3に示した、本発明の第1の実施の形態によるシールドカバー24について説明する。図4において、(A)はシールドカバー24の全体の外観を示す外観斜視図であり、(B)は(A)の二点鎖線の丸で囲んだ部分の部分拡大図である。図5はシールドカバー24を形成するための金属板40の平面図である。
金属板40は、後述するように、角部が延長部を持っている点を除いて、図2に図示した金属板60と同様の構成を有する。
金属板40は、前後方向に延びる中心線CLに関して左右対称の形状をしている。詳述すると、金属板40は、四隅が面取りされたほぼ方形の天井部241と、この天井部241の四辺に形成された4つの側壁部242、243、244、及び245とを有する。4つの側壁部242、243、244、および245は、それぞれ、前側壁部、後側壁部、右側壁部、左側壁部と呼ばれる。前側壁部242は、中心線CLを境にして互いに離間した一対の前側壁片から構成され、それらの間に開口がある。また、一対の前側壁片242の間には、同軸ケーブル16(信号線)を保持するための保持片246が形成されている。
金属板40は、その四隅に4つの角部247を更に有する。各角部247は、その両端に隣り合う側壁部と重なる延長部248を有する。
これら前側壁部242、後側壁部243、右側壁部244、左側壁部245、保持片246、および4つの角部247を、天井部241に対して二点鎖線に沿って直角に(図5の紙面に対して裏側へ直角に)折り曲げ、更に延長部248を隣接する側壁部側へ鎖線に沿って直角に折り曲げることによって、図4(A)に示されるようなシールドカバー24が形成される。
このような構造のシールドカバー24は、4つの角部247で回路基板21の裏面21bにはんだ付けすることにより、回路基板21の裏面21b上に取り付けられる。
このようにシールドカバー24は、その四隅で回路基板21の裏面21b上にはんだ付けされるので、シールドカバー24の縦横寸法を、回路基板21の縦横寸法に実質的に等しい程度にまで大きくすることができる。
シールドカバー24の折り合わせ部に隙間がない。換言すれば、4つの側壁部242〜245と4つの角部247との間に隙間がない。そのため、シールドカバー24をはんだ付けする際に、はんだがシールドカバー24の内側へ流れ込むのを防止することができる。その結果、シールドカバー24の内部に搭載されているLNA回路がショートしてしまうこともない。
図6を参照して、本発明の第2の実施の形態によるシールドカバー24Aについて説明する。図6において、(A)はシールドカバー24Aの全体の外観を示す外観斜視図であり、(B)は(A)の二点鎖線の丸で囲んだ部分の部分拡大図である。
図4に図示したシールドカバー24は、折り曲げ加工により、4つの側壁部と4つの角部との間に隙間がない形状を有しているが、本例のシールドカバー24Aは、プレス機械を用いた金属板の絞り加工により、4つの側壁部と4つの角部との間に隙間がない形状を有している。すなわち、例えば、図6(B)に示されるように、前側壁部242Aと角部237Aと右側壁部244Aとが隙間無く連続的に繋がっている。
尚、図6(A)には明白には図示されてはいないが、右側壁部244Aと角部と後側壁部とは隙間無く連続的に繋がっており、後側壁部と角部と左側壁部とは隙間無く連続的に繋がっており、左側壁部と角部と前側壁部242Aとは隙間無く連続的に繋がっている。
このような構造を有するシールドカバー24Aにおいても、シールドカバー24をはんだ付けする際に、はんだがシールドカバー24の内側へ流れ込むのを防止することができる。その結果、シールドカバー24の内部に搭載されているLNA回路がショートしてしまうこともない。
以上、本発明について好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。
10 アンテナ装置
20 平面アンテナ素子
21 回路基板
21a 主面
21b 裏面
24,24A シールドカバー
241 天井部
242〜245,242A,244A 側壁部
247,247A 角部
248 延長部
40 金属板
20 平面アンテナ素子
21 回路基板
21a 主面
21b 裏面
24,24A シールドカバー
241 天井部
242〜245,242A,244A 側壁部
247,247A 角部
248 延長部
40 金属板
Claims (6)
- 互いに対向する主面と裏面とを持つ回路基板と、前記回路基板の主面上に搭載された平面アンテナ素子と、該平面アンテナ素子と接続されて前記回路基板の裏面上に搭載されたLNA回路と、前記回路基板の裏面上に取り付けられて、前記LNA回路をシールドするシールドカバーとを有するアンテナ装置において、
前記シールドカバーは、四隅が面取りされた略矩形の天井部と、該天井部の四辺で所定方向に直角に延在する4つの側壁部と、互いに隣接する側壁部間の前記天井部の四隅で前記所定方向に直角に延在する4つの角部とを有し、前記シールドカバーは前記4つの角部ではんだ付けにより前記回路基板の裏面上に取り付けられ、前記4つの側壁部と前記4つの角部との間に隙間がないことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記シールドカバーは、金属板の折り曲げ加工により形成され、前記4つの角部の両端に前記側壁部と重なる延長部を有することを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記シールドカバーは、プレス機械を用いた金属板の絞り加工により形成され、互いに隣接する前記側壁部と前記角部とが連続して繋がった形状を有する、請求項1に記載のアンテナ装置。
- 回路基板の一面上に搭載された回路をシールドするシールドカバーであって、
四隅が面取りされた略矩形の天井部と、
該天井部の四辺で所定方向に直角に延在する4つの側壁部と、
互いに隣接する側壁部間の前記天井部の四隅で前記所定方向に直角に延在する4つの角部とを有し、
前記シールドカバーは前記4つの角部ではんだ付けにより前記回路基板の一面上に取り付けられ、前記4つの側壁部と前記4つの角部との間に隙間がないことを特徴とするシールドカバー。 - 前記シールドカバーは、金属板の折り曲げ加工により形成され、前記4つの角部の両端に前記側壁部と重なる延長部を有することを特徴とする、請求項4に記載のシールドカバー。
- 前記シールドカバーは、プレス機械を用いた金属板の絞り加工により形成され、互いに隣接する前記側壁部と前記角部とが連続して繋がった形状を有する、請求項4に記載のシールドカバー。
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