JP2005109688A - アンテナ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 車外設置に適したアンテナ装置を低コストで提供する。
【解決手段】 アンテナケースをトップカバー及びボトムプレートを接合して構成する。トップカバー内には、信号を受信するアンテナモジュールと、トップカバーとボトムプレートとの接合部に配設され、アンテナケースの密閉性を確保するパッキン部材とを収納する。アンテナケースには、前記接合部に位置して、前記信号線を外部に引き出すための切欠部を形成し、パッキン部材は、アンテナモジュールの全面を覆うベース部と、切欠部が形成された位置でアンテナモジュールに接続された信号線の外周を覆うガスケット部とを一体に形成する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、ＧＰＳ衛星から送出されたＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信用のアンテナ装置に関する。

近年、地球軌道を周回する複数の人工衛星からそれぞれ送出された信号波を受信機によって受信し、受信した信号波に含まれる情報に基づいて受信機自身の現在位置を検出するシステム、いわゆる汎地球測位システムが普及しつつある。なお、このようなシステムは、日本国及びアメリカ合衆国などの国々では、一般にＧＰＳ（Global Positioning System）と称されており、アメリカ画集国国防総省が管理するＧＰＳ衛星を利用するものが一般的であるが、同様なシステムとしては、欧州で利用されている「ガリレオ」、ロシアで利用されている「グロナス」などがある。なお、ここでは、人工衛星を用いた測位システム、この測位システムで用いられる人工衛星、この人工衛星から送出される信号波、この信号波を受信する受信機などを、それぞれ便宜的にＧＰＳ、ＧＰＳ衛星、ＧＰＳ信号、ＧＰＳ受信機などと称することとする。

ＧＰＳは、高精度且つほぼリアルタイムで現在位置を検出することができることから、例えば自動車や航空機、或いは携帯型電話機などの移動体に受信機を搭載し、この移動体の現在位置を測定する用途に主として用いられている。

現在、自動車に搭載して好適な、いわゆる車載用のＧＰＳ受信機が急速に普及しつつある。ＧＰＳ受信機を自動車に搭載するに際しては、ＧＰＳ信号を受信するためのアンテナ装置が例えば屋根（ルーフ）上などの車外に設置される。

従来のアンテナ装置１００は、図７に示すように、トップカバー１０１及びボトムプレート１０２が接合されてなるアンテナケース１０３と、トップカバー１０１内に収納されてなるアンテナモジュール１０４と、トップカバー１０１とボトムプレート１０２との接合部に配設されてアンテナケース１０３の密閉性を確保するパッキン部材１０５と、アンテナモジュール１０４に接続された信号線１０６とを備える。

アンテナモジュール１０４は、ＧＰＳ衛星から送出されたＧＰＳ信号を受信するアンテナが形成されたアンテナエレメント１１０と、このアンテナエレメント１１０によって受信したＧＰＳ信号に対して信号増幅などの各種信号処理を施す回路が形成された回路基板１１１とを有している。アンテナエレメント１１０と回路基板１１１とは、両面テープ１１２などによって接合されている。

回路基板１１１には、ＧＰＳ信号をアンテナケース１０３の外部に取り出すための信号線１１３が接続されている。また、回路基板１１１には、アンテナエレメント１１０が配設された側とは反対側の主面に、回路をシールドするためのシールドケース１１４が取り付けられている。信号線１１３は、トップカバー１０１に形成された切欠部１０１ａを介して外部に引き出されるが、この切欠部１０１ａに対応する位置にガスケット１１５が取り付けられている。

アンテナ装置１００は、トップカバー１０１の内部空間にアンテナモジュール１０４及びパッキン部材１０５が収納された状態で、このトップカバー１０１とボトムプレート１０２とが４つの螺子１２０によって螺子止めされることにより接合一体化されている。

ボトムプレート１０２には、２つの凹部１０２ａ（図３中では一方のみを図示）が形成されており、この凹部１０２ａにそれぞれ永久磁石（図示せず）が配設される。これら永久磁石は、自動車のルーフにＧＰＳ受信アンテナ１００を吸着固定させるために配設されるものである。また、ボトムプレート１０２の外方に臨む側の主面には、当該ＧＰＳ受信アンテナ１００の型番号や名称などを記したアルミ薄板製のネームプレート１２１が配設されるとともに、このネームプレート１２１を覆い、当該主面の略々全面に渡って、自動車のルーフへの傷付き防止を目的とした透明樹脂シート１２２が貼り付けられる。
特開２００１−６８９１２号公報

ところで、以上のように構成された従来のアンテナ装置１００は、全部で１６個の部品を組み合わせることによって構成されている。近年では、このようなＧＰＳ受信アンテナにおいても低コスト化に対する要望が高いため、部品点数を削減したり、組み立て工程を簡略化するなどの対策を施すことによって、製品コストの低コスト化を図ることが望まれている。

そこで、本発明は、上述した従来の実情に鑑みてなされたものであり、部品点数を削減し、組み立て工程を簡略化することが可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。

本発明に係るアンテナは、衛星から送出された信号を受信するアンテナ装置において、トップカバー及びボトムプレートが接合されてなるアンテナケースと、前記トップカバー内に収納され、前記信号を受信するアンテナモジュールと、前記トップカバーと前記ボトムプレートとの接合部に配設され、前記アンテナケースの密閉性を確保するパッキン部材と、前記アンテナモジュールに接続された信号線とを備え、前記アンテナケースは、前記接合部に位置して、前記信号線を外部に引き出すための切欠部を有し、前記パッキン部材は、前記アンテナモジュールの全面を覆うベース部と、前記切欠部が形成された位置で前記信号線の外周を覆うガスケット部とが一体に形成されていることを特徴とするものである。

以上のように構成された本発明に係るアンテナ装置は、ベース部とガスケット部とが一体に形成されたパッキン部材を備えていることから、２つの部材によって接合部における密閉性を確保している従来構造のアンテナ装置と比較して、部品点数を削減することができる。また、これにより、組み立て工程を簡略化することができるため、製品コストを低コスト化することができる。

本発明に係るアンテナ装置は、ベース部とガスケット部とが一体に形成されたパッキン部材を備えていることから、２つの部材によって接合部における密閉性を確保している従来構造のＧＰＳ受信アンテナと比較して、部品点数を削減することができる。また、これにより、組み立て工程を簡略化することができるため、製品コストを低コスト化することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、本発明を適用した一構成例として、図１に示すアンテナ装置１０について説明する。

ＧＰＳ受信用のアンテナ装置１０は、図１に示すように、トップカバー１１及びボトムプレート１２が接合されてなるアンテナケース１３と、トップカバー１１内に収納されてなるアンテナモジュール１４と、トップカバー１１とボトムプレート１２との接合部に配設されてアンテナケース１３の密閉性を確保するパッキン部材１５と、アンテナモジュール１４に接続された信号線１６とを備える。

アンテナモジュール１４は、ＧＰＳ衛星から送出されたＧＰＳ信号を受信するアンテナが形成されたアンテナエレメント２０と、このアンテナエレメント２０によって受信したＧＰＳ信号に対して信号増幅などの各種信号処理を施す回路が形成された回路基板２１とを有している。アンテナエレメント２０と回路基板２１とは、両面テープ２２などによって接合されている。

回路基板２１には、ＧＰＳ信号をアンテナケース１３の外部に取り出すための信号線１６が接続されている。また、回路基板２１には、アンテナエレメント２０が配設された側とは反対側の主面に、回路をシールドするためのシールドケース２４が取り付けられている。信号線１６は、トップカバー１１に形成された切欠部１１ａを介して外部に引き出される。

アンテナ装置１０は、トップカバー１１の内部空間にアンテナモジュール１４及びパッキン部材１５が収納された状態で、トップカバー１１とボトムプレート１２とが嵌着されることにより接合一体化されている。パッキン部材１５は、例えばＥＰＤＭゴムなどの樹脂材料によって形成されており、図２に示すように、アンテナモジュール１４の全面を覆うベース部１５ａと、トップカバー１１に形成された切欠部１１ａの位置で信号線１６の外周を覆うガスケット部１５ｂとを有している。ベース部１５ａは、凹部１５ｆを有してアンテナモジュール１４が凹部１５ｆによって位置決めしており、その外形状がアンテナモジュール１４の底面部全体をほぼ覆う形状とされている。

パッキン部材１５は、トップカバー１１とボトムプレート１２とが接合された際に、これら部材によって挟持され、接合部における密閉性を確保する目的で配設されている。ガスケット部１５ｂは、トップカバー１１における切欠部１１ａに対応する位置で、ベース部１５ａから立ち上がり形成されるとともに、中央部に信号線１６を挿通するための孔部１５ｄを有している。また、ガスケット部１５ａには切り込み部１５ｃが形成されており、ガスケット部１５ｂの上側略中央からベース部１５ａ方向に、ガスケット部１５ｂを分断するように設けられている。

信号線１６はこの切り込み部１５ｃからガスケット部１５ｂの孔部１５ｄへ挿入される。凸部１５ｅは、信号線の下側に当接して防水構造を成し、トップカバー１１の切欠き部１１ａから外部に露出するように設けられてアンテナ本体表面の一部を形成している。突起部１５ｇはベース部１５ａの下面に設けられており、ボトムケース１２、樹脂シート３１を貫通してアンテナ本体の底面から露出している。突起部１５ｇはアンテナ本体を自動車の屋根に置いた際のすべり止めとなる。

図３に示ようにトッププレート１１には、壁部１１ｅによって囲まれた箱状のアンテナモジュール１４を収容する収容部１１ｄを有する。また、収容部１１ｄの内部で、トップカバー１１の天面の内壁にアンテナモジュールと当接する突状部材１１ｄがトップカバー１１の内壁と一体に４箇所に設けられており、アンテナエレメント２０の四隅付近と当接する位置に設けられている。

ガスケット受け部１１ｃは、壁部１１ｅの一部と壁部１１ｆとが信号線１６の長手方向に二重に並べられて構成され、ガスケット部１５ｂの環状突部１５ｈが壁部１１ｅと壁部１１ｆとトップカバー１１の外壁面とで構成される溝１１ｉに挿入される。

図４に示すようにボトムプレート１２には、中央部に単一の凹部１２ａが形成されており、この凹部１２ａに永久磁石３０が配設される。この永久磁石３０は、自動車のルーフにアンテナ装置１０を吸着固定させるために配設されるものである。孔部１２ｂにはパッキン部材１５の突部１５ｇが挿入される。また、ボトムプレート１２の外方に臨む側の主面には、当該主面の略々全面に渡って、自動車のルーフへの傷付き防止を目的とした樹脂シート３１が貼り付けられる。この樹脂シート３１には、当該アンテナ装置１０の型番号や名称などがプリントされている。

以上のように構成されたアンテナ装置１０は、部品の総数が１０点とされている。

ここで、トップカバー１１は、ボトムプレート１２と接合される側の縁部に、図３及び図５に示す形状とされた係止部４０が４カ所に形成されている。また、ボトムプレート１２は、トップカバー１２において各係止部４０が形成された位置に対応する位置に、図３及び図６に示す形状とされた爪部５０がそれぞれ形成されている。

係止部４０は、図３及び図５に示すように、ボトムプレート１２に形成された爪部５０の外形状に対応した形状で、且つ爪部５０の厚みと同等の奥行きでトップカバー１１の内壁面から凹んで形成された凹部４０ａと、この凹部４０ａの略々中央部に傾斜部４０ｃを有して凸状に形成された係止片４０ｂとによって構成されている。

爪部５０は、図４及び図６に示すように、ボトムプレート１２の縁部から所定の厚さだけ外方に突出して、このボトムプレート１２から一体に立ち上がり形成された立ち上がり部５０ａを有している。また、立ち上がり部５０ａの中央部には、係止部４０の係止片４０ｂが係合するに十分な大きさの孔部５０ｂが形成されている。

アンテナ装置１０においては、上述の構造とされた係止部４０及び爪部５０によって、トップカバー１１とボトムプレート１２とを接合するための嵌合部１７が構成されている。すなわち、トップカバー１１とボトムプレート１２とは、爪部５０の立ち上がり部５０ａを係止部４０の凹部４０ａに嵌め込んだ状態で、孔部５０ｂに係止片４０ｂが係合し、これによって互いに接合される。係止片４０ｂには傾斜部４０ｃを有するため、係止部４０及び爪部５０の嵌合は容易に行うことができる。また、ＧＰＳ受信アンテナ１０においては、トップカバー１１とボトムプレート１２とが接合された状態で、これらトップカバー１１とボトムプレート１２とによってパッキン部材１５が僅かに圧縮された状態となるよう設定されている。このため、トップカバー１１とボトムプレート１２との間には、圧縮されたパッキン部材１５によって互いに離間させる方向に付勢力が生じている。このため、アンテナ装置１０は、これらトップカバー１１とボトムプレート１２とを確実に嵌合することが可能とされている。

アンテナ装置１０を組み立てる際には、ガスケット部１５ｂの上部に信号線１６を挿入するための切り込み１５ｃから信号線１６をガスケット部１５ｂに押し込むことによって挿入し、トップカバー１１の内部にアンテナモジュール１４及びパッキン部材１５を収納する。このとき、切欠部１１ａから信号線１６を外部に引き出した状態とし、この状態においてボトムプレート１２をトップカバー１１に嵌着する。次に、ボトムプレート１２の凹部１２ａに永久磁石３０を嵌め込み、樹脂シート３１をボトムプレート１２に貼り付けることによって、アンテナ装置１０が完成する。切り込み１５ｃを設けたことにより、ガスケット部１５ｂの孔部に信号線１６を挿通する手間を不要とすることができ、さらに生産性を向上させることができる。

以上のように構成されたアンテナ装置１０では、トップカバー１１とボトムプレート１２とが嵌合部１７を嵌合させることによって接合一体化される構造とされているため、複数の螺子を螺子止めすることによってトップカバーとボトムプレートとを接合する従来構造のアンテナ装置と比較して、部品点数を削減することができる。また、これにより、組み立て工程を簡略化することができるため、製品コストを低コスト化することができる。また、接合用の螺子を不要としたことにより、螺子を螺合するためのボス部やリブ部をアンテナケースに備える必要がなくなり、これらボス部やリブ部のためのスペースを廃して全体としての大きさを小型化することができる。

なお、上述においては、トップカバー１１とボトムプレート１２とにそれぞれ係止部４０と爪部５０とを４つずつ配設する場合の一例を説明したが、嵌合部１７を設ける数は任意であり、十分な接合強度を得られる場合には、例えば嵌合部１７を２対だけ配設する構成としてもよい。

また、上述においては、トップカバー１１とボトムプレート１２とにそれぞれ係止部４０と爪部５０とを配設する場合の一例を説明したが、例えば、トップカバー１１に爪部５０に対応する形状の部位を設け、ボトムプレート１２に係止部４０に対応する形状の部位を設けるとしてもよい。

以上のように構成されたＧＰＳ受信アンテナ１０は、ベース部１５ａとガスケット部１５ｂとが一体に形成されたパッキン部材１５を備えていることから、２つの部材によって接合部における密閉性を確保している従来構造のＧＰＳ受信アンテナと比較して、部品点数を削減することができる。また、これにより、組み立て工程を簡略化し、作業性を改善することができるため、製品コストを低コスト化することができる。

本発明を適用した一構成例として示すアンテナ装置の概略分解図である。 当該アンテナ装置に備えられるパッキン部材の一例を示す概略図である。 当該アンテナ装置に備えられるのトップカバーを示す概略図である。 当該アンテナ装置に備えられるのボトムカバーを示す概略図である。 当該アンテナ装置に備えられるの係止部を示す概略図である。 当該アンテナ装置に備えられるの爪部を示す概略図である。 従来構造のアンテナ装置の一例を示す概略分解図である。

符号の説明

１０ アンテナ装置
１１ トップカバー
１１ａ 切欠部
１２ ボトムプレート
１３ アンテナケース
１４ アンテナモジュール
１５ パッキン部材
１６ 信号線
１７ 嵌合部
２０ アンテナエレメント
２１ 回路基板
２２ 両面テープ
２４ シールドケース
３０ 永久磁石
３１ 樹脂シート
４０ 係止部
４０ａ 凹部
４０ｂ 係止片
５０ 爪部
５０ａ 立ち上がり部
５０ｂ 孔部

Claims (4)

1. 衛星から送出された信号を受信するアンテナ装置において、
   トップカバー及びボトムプレートが接合されてなるアンテナケースと、
   前記トップカバー内に収納され、前記信号を受信するアンテナモジュールと、
   前記トップカバーと前記ボトムプレートとの接合部に配設され、前記アンテナケースの密閉性を確保するパッキン部材と、
   前記アンテナモジュールに接続された信号線とを備え、
   前記アンテナケースは、前記接合部に位置して、前記信号線を外部に引き出すための切欠部を有し、
   前記パッキン部材は、前記アンテナモジュールの全面を覆うベース部と、前記切欠部が形成された位置で前記信号線の外周を覆うガスケット部とが一体に形成されていること
   を特徴とするアンテナ装置。
2. 前記ガスケット部には、前記信号線を挿入するための切り込みが形成されていることを特徴とする請求項１記載のアンテナ装置。
3. 前記ベース部には前記アンテナモジュールを位置決めする凹部を有することを特徴とする請求項乃至２に記載のアンテナ装置。
4. 前記ガスケット部には、トップケースのガスケット受け部に形成された溝に挿入される、環状突部が設けられていることを特徴とする請求項１乃至３に記載のアンテナ装置。
   
   

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