JP2006338267A - 紙幣搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙幣の変形増長やスキューを防止し、正姿勢で円滑確実に搬送されるようにする。
【解決手段】搬送ベルトに沿って第1押さえローラと第2押さえローラを交互に配設した。第1押さえローラは、外周面に溝を有する真円ローラとし、搬送ベルトと第1ローラの間を通過される紙幣を湾曲させて常に挟持力を加えるように、かつ、搬送される紙幣の後端が第2押さえローラよりも上流側の第1押さえローラと搬送ベルトの間から離間するとき又は離間した直後に、紙幣先端が第2押さえローラよりも下流側の第1押さえローラと搬送ベルトの間に到達するように配置した。第2押さえローラは、外周面に溝を有する偏芯ローラとし、外周面は第2押さえローラが搬送ベルトと第2押さえローラの間を通過される紙幣に接触して回転される間に紙幣に挟持力を加える部分と、挟持力を加えない部分を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、搬送ベルトと、その搬送ベルトに沿って一定間隔をもって搬送ベルトに近接して回転自在に配設された押さえローラとの間に紙幣(所定の長さ及び形状を有するシート状物を含む。本明細書において、同じ。)を挟持して所定位置まで搬送する紙幣搬送装置に関する。
搬送ベルトと、その搬送ベルトに沿って一定間隔をもって搬送ベルトに近接して回転自在に配設された押さえローラとの間に紙幣を挟持して所定位置まで搬送する紙幣搬送装置は、例えば特許文献1により知られている。
特開平11−349176号公報
このような紙幣搬送装置において、前後の押さえローラの距離が搬送される紙幣の長さと等しいか、紙幣の長さよりも若干大きい場合は、搬送される紙幣が皺や曲がり癖を有して長さが短縮されていたり、湿気を含むために搬送路形成部材から摩擦抵抗を受けて円滑に進行しなかったりして、紙幣の後端が上流側の押さえローラから離間された時に、紙幣の先端に下流側の押さえローラから搬送力が与えられないため、紙幣搬送が確実に行われない場合がある。また、搬送ベルトに無端丸ベルトが用いられる場合は、搬送ベルトの回転中に軸線周りに回転する傾向があるため、紙幣の搬送ベルトと押さえローラとに挟持されていない先端側又は後端側が下がったり、又は上がったりして、姿勢が水平でなくなるなどのスキューを生じやすい。
そこで、紙幣搬送装置には、紙幣の長さとほぼ等しい間隔をもって配置される(紙幣の長さよりも大きい間隔をもって配置される場合も含む。以下、同じ。)押さえローラのほかに、その中間にも同様の押さえローラを配置したものがある。この中間の押さえローラの設置により、紙幣は常時少なくとも前後2個の押さえローラにより挟持されるから、紙幣に確実な搬送力が加わり、通常は正常な姿勢で安定して搬送される。
そして、先行技術においては、特許文献1に記載のものも同様であるが、搬送ベルトは無端丸ベルトで構成され、その搬送ベルトの一辺の両側に近接して配設される押さえローラは、真円ローラの外周面の幅方向中央に溝を有するものであり、その溝に搬送ベルトの一部が嵌合する状態で近接配置して、搬送ベルトと押さえローラの間に挟持される紙幣を、その搬送ベルトと押さえローラの溝の嵌め合いにより緩やかに湾曲させることにより、その紙幣の腰の強さを利用して搬送するように構成されている。
ところが、上記のように、紙幣が常時前後2個の押さえローラにより搬送ベルトとの間に挟持されて搬送される場合は、紙幣に元来の皺や曲がりが存在する場合は、丸ベルトを用いる場合は特に搬送ベルト自身の回転傾向も加味されて、紙幣が水平に搬送されにくく、前後2個の押さえローラと搬送ベルトにより2カ所で挟持されながら搬送される間に、紙幣の皺や曲がりなどの変形がさらに増長されるばかりでなく、スキューを起こし、最悪の場合は、紙幣の搬送ができずに停止されることもあり得る。
紙幣搬送装置によっては、搬送ベルトの両側に搬送路が形成される場合もあるので、一つの搬送路でスキューして停止された変形のある紙幣に、もう一つの搬送路を搬送される紙幣が接触又は衝突して破損やジャムを引き起こすこともあり得る。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、解決しようとする課題は、紙幣の長さとほぼ等しい間隔をもって配設される前後の押さえローラの中間にさらにもう一つの押さえローラが設けられる紙幣搬送装置において、搬送される紙幣の変形が増長されること、又はスキューを防止し、正しい姿勢で円滑・確実に搬送されるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明は、搬送路の両端に配置された回転体の間に巻回されて一方向に回転される1本の無端丸ベルトからなる搬送ベルトと、その搬送ベルトの一辺の両側に配設されて、搬送ベルトとの間に紙幣搬送路を形成する紙幣搬送路形成部材と、その紙幣搬送路形成部材に回転自在に取り付けられ、外周面を前記搬送ベルトの一辺に近接させ対向させて前記搬送ベルトの一辺に沿って所定間隔をもって配設された複数個の押さえローラとを有する紙幣搬送装置において、前記押さえローラは、搬送ベルトに沿って交互に配設された第1押さえローラと第2押さえローラの2種類を有し、第1押さえローラは外周面に溝を有する真円ローラであり、搬送ベルトと第1ローラの間を通過される紙幣を湾曲させて、常に挟持力を加えるように配置され、搬送される紙幣の後端が第2押さえローラよりも上流側の第1押さえローラと搬送ベルトの間から離間するとき又は離間した直後に、その紙幣の先端が第2押さえローラよりも下流側の第1押さえローラと搬送ベルトの間に到達するように配置され、第2押さえローラは、外周面に溝を有する偏芯ローラであり、前記外周面は第2押さえローラが搬送ベルトと第2押さえローラの間を通過される紙幣に接触して回転される間に前記紙幣に対して挟持力を加える部分と、挟持力を加えない部分を有することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、紙幣が搬送ベルトと第2押さえローラの間まで進行してきた時、その第2押さえローラの大径部分が搬送ベルトに対向しているときは、その第2押さえローラは紙幣を介して搬送ベルトから回転力を受けて回転し、その第2押さえローラの小径部分が搬送ベルトと対向するに至る。従って、搬送ベルトと第2押さえローラの間に隙間ができるので、紙幣は解放される。その結果、上流側の第1押さえローラと搬送ベルトにより上側にスキューした紙幣はそれ自身の自重で下がり、また、下側にスキューして押圧されて変形した紙幣は、それ自身の腰の強さで復元し、変形が解消される。また、同一搬送路を複数枚の紙幣が重ねた状態で搬送される場合は、第2押さえローラの小径部分と搬送ベルトとの間においては、重なった紙幣の腰が互いに強化するため、変形が増長されることはなく、円滑に搬送される。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る紙幣搬送装置の構成を概略的に示す斜視図、図2は搬送路形成部材の一例であるユニットパネルの一例を示す正面図、図3は図2のX−X線断面図、図4は図3のY−Y線断面図、図5は第1押さえローラの形状及び搬送ベルトとの位置関係を示す図、図6は本発明により改良された第2押さえローラの形状及び搬送ベルトとの位置関係を示す図である。
図1において、1と2は、所要の距離を隔てた2位置に水平軸回りに回転自在に支持されたプーリであり、両プーリの間に1本のゴム製の無端丸ベルトからなる搬送ベルト3が緊張状態に巻回されている。搬送ベルト3は、一方のプーリ(図示の例では1)の軸に結合されたモータなどの駆動源(不図示)により一定方向、図示の例では、搬送ベルトの上辺部3a(以下、搬送ベルト3というときはこの上辺部を指す。)が左方向に移動するように回転されるようになっている。搬送ベルト3の左右両側には、その搬送ベルトに沿って延びるパネル状の搬送路形成部材4,5が配置されている。
搬送路形成部材4,5は、複数個のユニットUを横方向に連結して構成されている。各ユニットUは長さが同一でも、異なっても構わない。図2に示す搬送路形成部材4のユニットUについて図3をも参照しながら説明すると、いずれのユニットにも、縦壁で形成された主案内部41と、その縦壁の上部から垂下するL字形の上案内部42と、縦壁の下部から起立する逆L字形の下案内部43とが備えてあり、これら主案内部41と上案内部42と下案内部43とで紙幣を搬送するための搬送路の一部、いわば部分紙幣搬送路Pが構成されている。搬送路形成部材5のユニットも、搬送路形成部材4のユニットUの主案内部41と上案内部42と下案内部43にそれぞれ対応する主案内部51と上案内部52と下案内部53を有している。
そして、各ユニットUの縦壁41,51には、図2,3,4に示すように、第1押さえローラ6と第2押さえローラ7が搬送ベルト3の長手方向に一定の間隔を持って交互に配設され、かつユニットUに固定された垂直軸回りに回転自在に保持されている。
各ユニットUは、搬送ベルト3を挟んで互いに反対側にそれぞれの部分紙幣搬送路Pが対向するように、かつ、同一側の部分紙幣搬送路が搬送ベルト3の長手方向に沿って連続するように位置決めされ、互いに対向するユニットUの上部は連結具8により上側レール10に固定され、また、互いに対向するユニットUの下部は下側レール11に固定されている。左右のユニットが固定されたときに、搬送ベルト3のそれぞれ同一側において連続する部分紙幣搬送路Pにより紙幣搬送路が構成され、それぞれのユニットに設けてある第1押さえローラ6と第2押さえローラ7の外周面の互いに対向する部分が、図3に示すように、搬送路の高さ方向中間位置において搬送ベルト3に対向する状態で保持されている。
図1に示すように、左右両側の紙幣搬送路には、搬送ベルトの長手方向の任意の位置において、例えば遊技機の球貸し機に備えてある紙幣受け入れ機から取り込まれる紙幣を搬送路に導入するための紙幣導入部12の末端が接続されていている。この紙幣導入部は、上記特許文献1に記載されているものと同一であり、本発明の要部ではないので、詳細な説明は割愛する。また、搬送路の末端には、搬送されてくる紙幣を収容する既知の紙幣貯留部(不図示)の紙幣取り込み口が連結されているが、これについての説明も割愛する。
本発明においては、第1押さえローラ6は、図5に示すように、外周面の幅方向中央に溝61が形成されている真円ローラで構成されている。図5において(a)は断面図、(b)は平面図である。溝61の両側に存在するフランジ部62の、搬送ベルト3の軸心に最も近い部位を通る垂直線は、搬送ベルト3の第1押さえローラ6の軸芯に最も近い部位を通る垂直線よりも搬送ベルト3の軸芯側に存在するように位置づけされている。従って、図5に示すように、回転されている搬送ベルト3と第1押さえローラ6の間に進入される紙幣Nは、常に第1押さえローラ6の上下のフランジ部62と搬送ベルト3とから互いに反対方向の力を受ける。そのため、僅かに湾曲された状態で挟持される。従って、紙幣Nは、腰の強さが付与された状態で確実に搬送力を与えられて搬送されることができる。
これに対して、第2押さえローラ7は、図6に示すように、外周面の幅方向中央に溝71が形成されている偏芯ローラで構成されている。図6において(a)は第2押さえローラの大径部分が搬送ベルトに対向しているときの断面図、(b)は同じく平面図、(c)は小径部分が搬送ベルトに対向しているときの断面図、(d)は同じく平面図である。そして、第2押さえローラ7の軸心から両側のフランジ部72の大径部分の外周縁までの距離は、第1押さえローラ6の軸芯からフランジ部62の外周縁までの距離と等しく、第2押さえローラ7の軸心からフランジ部72の小径部分の外周縁までの距離は、第2押さえローラ7の軸心から搬送ベルト3までの距離よりも若干小さくされている。従って、第2押さえローラ7の溝71の両側に存在するフランジ部72の、搬送ベルト3の軸心に最も近い部位を通る垂直線は、第2押さえローラ7の回転とともに、図6(a)に示すように、搬送ベルト3の第2押さえローラ7の軸芯に最も近い部位を通る垂直線よりも搬送ベルト3の軸芯側に存在する時と、図6(c)に示すように、第2押さえローラ7の軸芯側に存在する時とがある。そして、前者の場合は、搬送ベルト3と第2押さえローラ7との間に進入する紙幣は、搬送ベルト3と第1押さえローラ6との間に進入した場合と同様に、湾曲された状態で挟持され、従って、確実な搬送力が与えられる。しかし、後者の場合は、搬送ベルト3と第2押さえローラ7との間に上下方向に垂直に貫通する隙間が形成されるため、搬送ベルト3と第2押さえローラ7との間に進入した紙幣には挟持力が加わらず、搬送ベルト3と第2押さえローラ7から解放される。
そして、一つの第2押さえローラ7の上流側と下流側に隣接する二つの第1押さえローラ6間の距離は、搬送される紙幣Nの長さよりも若干大きくなるように設定されている。従って、搬送される紙幣は、常に搬送ベルト3と一つの第1押さえローラ6の間、及び搬送ベルト3と一つの第2押さえローラ7の間に存在することとなる。
上記の構成により、紙幣受入機から導入路12を経て搬送路Pに導入され、搬送ベルト3と一つの第1押さえローラ6とに挟持されて搬送される紙幣が、当初から有している変形や搬送ベルトのプーリ間の移動中に発生する軸芯回りの回転などによりスキューを生じて、紙幣の先端側が上方又は下方に偏倚し始めても、又は紙幣に搬送ベルト3から受ける回転力により変形が生じ始めても、その第1押さえローラ6の下流側に隣接する第2押さえローラ7は偏芯ローラであるため、その紙幣の先端が搬送ベルト3とその第2押さえローラ7の間に進入するときにその第2押さえローラ7の大径部分が搬送ベルト3に対向している場合は、その紙幣が搬送ベルトに接触して第2押さえローラ7に回転力を伝える。そのため、第2押さえローラ7は回転される結果、その小径部分が搬送ベルト3に対向することとなって、搬送ベルトと第2押さえローラの間に隙間が生じる。そのため、その紙幣は搬送ベルトと第2押さえローラから解放され、その紙幣の後端側又は前端側のみが搬送ベルト3と第1押さえローラ6との間に挟持されている状態となる。従って、その解放された紙幣は、自重により偏倚を矯正され、又は紙幣の腰の強さが活性化されて変形状態から正常状態に復元される。
また、搬送路に複数個の紙幣導入部が接続されている場合は、下流側の紙幣導入部12において紙幣が複数枚重ね合わせになって搬送されることがある。そして、その際は、搬送ベルト3と第1押さえローラ6との間においては、紙幣は複数枚重なっていることにより、腰の強さが増強されているので紙幣の湾曲率が小さいため、スキューを発生しにくい。また、搬送ベルト3と第2押さえローラ7の間においては、その第2押さえローラの大径部分が搬送ベルトに対向する時は、搬送ベルト3と第1押さえローラ6との間におけると同じ現象が発生するが、第2押さえローラ7が回転されてその小径部分が搬送ベルト3に対向する時は、その紙幣が変形していない状態で紙幣の先端側が上方にスキューしている場合は、重なっている紙幣の自重により容易に水平状態に自己矯正する。また、その紙幣が変形していない状態で紙幣の先端側が下方にスキューしている場合は、重なっている紙幣が互いに腰の強さを増強しているので、搬送ベルト3と第2押さえローラ7の小径部分の間においては挟持力を受けないか、受けても小さいので、紙幣は垂直状態に復元して、容易に水平状態になる。さらに、仮に紙幣が変形していても、搬送ベルト3と第2押さえローラ7の小径部分の間の隙間において紙幣の腰の強さによりその変形が復元される。いずれの場合も、紙幣が円滑力によりその変形が解消される。従って、搬送ベルトの両側の搬送路に同時に紙幣が搬送されることがあっても、一方の搬送路を搬送される変形した紙幣が、変形していない紙幣に接触する事態は発生しない。
第1押さえローラ6と第2押さえローラ7は、搬送路Pの全長にわたって交互に配設されているので、紙幣Nが搬送される間に、どの位置でスキュー又は変形を生じ始めても、上述と同様にして正常化されて、搬送路末端まで確実に搬送されることができる。
本発明に係る紙幣搬送装置の構成を概略的に示す斜視図。 搬送路形成部材の一例であるユニットパネルの一例を示す正面図。 図2のX−X線断面図。 図3のY−Y線断面図。 第1押さえローラの形状及び搬送ベルトとの位置関係を示す要部の断面図。 本発明において用いられる第2押さえローラの形状及び作用を説明する要部の断面図。
符号の説明
1,2 プーリ
3 搬送ベルト(無端丸ベルト)
4,5 搬送路形成部材
U ユニット
6,7 押さえローラ
6 第1押さえローラ
61 溝
62 フランジ
7 第2押さえローラ
71 溝
72 フランジ
N 紙幣(シート状物)
10,11 レール
12 紙幣導入部

Claims (1)

  1. 搬送路の両端に配置された回転体の間に巻回されて一方向に回転される1本の無端丸ベルトからなる搬送ベルトと、その搬送ベルトの一辺の両側に配設されて、搬送ベルトとの間に紙幣搬送路を形成する搬送路形成部材と、その搬送路形成部材に回転自在に取り付けられ、外周面を前記搬送ベルトの一辺に対向させて前記搬送ベルトの一辺に沿って所定間隔をもって配設された複数個の押さえローラとを有する紙幣搬送装置において、
    前記押さえローラは、搬送ベルトに沿って交互に配設された第1押さえローラと第2押さえローラの2種類を有し、
    第1押さえローラは外周面に溝を有する真円ローラであり、搬送ベルトと第1ローラの間を通過される紙幣を湾曲させて、常に挟持力を加えるように配置され、
    搬送される紙幣の後端が第2押さえローラよりも上流側の第1押さえローラと搬送ベルトの間から離間するとき又は離間した直後に、その紙幣の先端が第2押さえローラよりも下流側の第1押さえローラと搬送ベルトの間に到達するように配置され、
    第2押さえローラは、外周面に溝を有する偏芯ローラであり、前記外周面は第2押さえローラが搬送ベルトと第2押さえローラの間を通過される紙幣に接触して回転される間に前記紙幣に対して挟持力を加える部分と、挟持力を加えない部分を有すること、
    を特徴とする紙幣搬送装置。
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