JP2006331582A - 垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な結晶配向と結晶粒径の微細化を両立させた柱状成長を可能とし、媒体ノイズが低く、面記録密度を向上させ得る磁気記録媒体を得る。
【解決手段】基板上に、第1の金属下地層と、第1の金属下地層に対し非固溶性を有し、開孔をもつ第2の金属下地層と、第1の金属下地層に対し固溶性を有し、かつ第2の金属下地層に対し非固溶性を有する第3の金属下地層とを含む多層下地層を形成し、その上に磁気記録層を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気記録技術を用いたハードディスク装置等に用いられる垂直磁気記録媒体、及び垂直磁気記録再生装置に関する。
近年のハードディスク装置においては、直径1インチ以下の小型な製品が提案されるなど、ダウンサイジングの傾向がある。これと共に、安価で高速かつ大容量な記録媒体を実現するために、更なる記録密度の向上が要求されている。磁気記録媒体の面記録密度の向上ために最も有効な方法の1つとしては、磁気記録層中の磁性結晶粒子を微細化することによるノイズの低減があげられる。従来は、スパッタリング法を用いて薄膜を積層する方法において、薄膜材料の変更や薄膜作製条件の最適化などを行って微細化を進めてきた。しかしながら、単に薄膜を積層する方法では、粒子径が自然に決定される傾向があり、そのコントロールには限界があった。例えば磁気記録層直下の下地層の粒子径は、平均直径8nm程度であった。また、磁気記録層として、グラニュラ記録層を用いた場合、その粒子径は約6nmまでの微細化が達成できていたものの、それ以上の微細化は非常に困難と考えられていた。
なお、非晶質系の母材中に粒子を偏析させたグラニュラ構造を用いることにより、磁性結晶粒子の結晶粒径を更に小さくすることも試みられているが、結晶粒子が柱状に成長しにくくなる、結晶配向が劣化しやすい、および結晶粒子密度が低いなどの問題があった。磁性結晶粒子の結晶配向は高いほど、さらにその配向分散は小さいほど良いことが分かっているけれども、上記グラニュラ構造の場合、一般に結晶配向が悪化し、さらにはランダム配向になりやすい傾向があり、これにより媒体ノイズは大きく増加していた。柱状成長に関しては、場合によっては結晶粒子が球状になってしまうこともあり、上手く柱状に成長する場合でも、下地層上表面では比較的均一な核が形成されたとしても、その後、一部の結晶粒子が肥大化したり、一部の結晶粒子が途中で成長が止まったり、また、一部の結晶粒子が他の粒子と結合するなどのケースも多かった。このように、磁気記録層の厚み方向に一定の粒径を保ったまま磁気記録結晶粒子を結晶成長させるのは一般に容易ではない。
また、磁気記録層は薄膜化され信号出力は低下する方向であることから、大幅に結晶粒子密度が低下する場合には、出力を維持するために磁性結晶粒子の飽和磁化の大幅な増加が要求される。飽和磁化を増やすためには一般に大幅な組成変更が必要となる。しかしながら、偏析構造と結晶配向が崩れて媒体ノイズが悪化する傾向にあり、やはり実用化は容易ではなかった。
また、下地層または基板上に小さな島状の核を形成し、その核から磁性結晶粒子をエピタキシャル成長や柱状成長させることによって粒子の微細化を図ることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。しかしながら、核の大きさは、核を形成する量を減らすと、原理的には小さくできるけれども、上記のようなグラニュラ構造を用いない限りは、核上に成長した各結晶粒子は、隣接する核との隙間を埋めるまで互いに面内方向に肥大化することになる。これに対しては、モデル的には核の密度を高めれば良いように思えるが、実際には、連続膜が形成可能な量の磁性結晶粒子を核の上に付着させて、かつ連続膜にならずに分離した微細な核が高密度で敷き詰められた状態を実現するのは物理的に非常に困難と考えられ、連続膜ができるか、あるいは密度の低い大きな島ができるのが通常である。
特開2001−52330号 特開2003−59037号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、良好な結晶配向と結晶粒径の微細化を両立させた柱状成長を可能とし、媒体ノイズが低く、面記録密度を向上させ得る垂直磁気記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、良好な結晶配向及び微細化された結晶粒径を有し、媒体ノイズが低意垂直磁気記録媒体を使用することにより、面記録密度が向上した垂直磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明の垂直磁気記録媒体は、基板と、
該基板上に設けられた第1の金属下地層、該第1の金属下地層上に設けられ、開孔をもつ第2の金属下地層、及び該第2の金属下地層上に設けられ、該第1の金属下地層に対し固溶性を有し、かつ該第2の金属下地層に対し非固溶性を有する第3の金属下地層を含む多層下地層と、
該多層下地層上に設けられた磁気記録層とを具備することを特徴とする。
本発明の垂直磁気記録再生装置は、基板と、該基板上に設けられた第1の金属下地層、該第1の金属下地層上に設けられ、開孔をもつ第2の金属下地層、及び該第2の金属下地層上に設けられ、該第1の金属下地層に対し固溶性を有し、かつ該第2の金属下地層に対し非固溶性を有する第3の金属下地層を含む多層下地層と、該多層下地層上に設けられた磁気記録層とを有する垂直磁気記録媒体、及びシールド型磁気ヘッドを具備することを特徴とする。
本発明によれば、垂直磁気記録層を、良好な結晶配向及び微細な結晶粒径を維持しつつ柱状成長することができるので、垂直磁気記録媒体の媒体ノイズを低下させ、面記録密度を向上させることができる。
本発明の垂直磁気記録媒体は、基板、基板上に設けられた多層下地層、及び多層下地層上に設けられた磁気記録層を有し、上記多層下地層は、第1の金属下地層、第1の金属下地層上に設けられ、1または複数の開孔をもつ第2の金属下地層、第2の金属下地層上に設けられ、第1の金属下地層に対し固溶性を有し、かつ第2の金属下地層に対し非固溶性を有する第3の金属下地層を含む。
上記開孔には、第1の金属下地層が露出し得る。あるいは開孔に任意の成分を含む層を形成し得る。これにより、第2の金属下地層の開孔の領域は第3の金属下地層を成長する際の核となる。本発明によれば、第3の金属下地層を、第2の金属下地層上及び上記核の上に成長すると、互いに面内方向への肥大化を抑制しながら良好な結晶配向及び微細な結晶粒径を維持しつつ柱状成長し得、これにより、媒体ノイズを低下させ、面記録密度を向上させることができる。
また、図1に、本発明に係る垂直磁気記録媒体の一例の断面構造を表す模式図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体10は、基板1と、その上に形成された第1の金属下地層、第1の金属下地層上に形成され、例えば複数の開孔3を持ち、開孔3に相当する間隔をおいて配置された複数の金属粒からなる不連続な第2の金属下地層4、及び開孔3の領域及び第2の金属下地層4上に形成された第3の金属下地層5を含む多層下地層6と、第3の金属下地層5上に形成された垂直磁気記録層7とを有する。
また、本発明に用いられる1または複数の開孔をもつ第2の金属下地層は、例えば島状構造のような不連続層を含み、島の間が部分的に結合して島により取り囲まれた部分などが典型的な開孔の形状となる。図示された複数の金属粒の配置は、ごく一例であって、個々の金属粒及び/または隙間なく設けられた金属粒による複数の集合体を互いに離間して配置することができる。
第2の金属下地層は、複数の開孔を有することが好ましい。
また、開孔の幅は、最も狭いところで1nm以上、最も広いところで80nm以下であることが好ましい。
開孔の幅が、最も狭いところで1nm未満であると、開孔から露出された第1の金属下地層上に成長する第3の金属下地層の粒子径が1nm未満となって結晶性が不十分となる傾向があり、最も広いところで80nmを超えると、微細化の効果が得られず、粒子の面内方向への肥大化の抑制が不十分となる傾向がある。
第2の金属下地層を真上から見たときに開孔の占める面積の割合は、10ないし90%であることが好ましい。
この割合は、10%未満であると、第3の金属下地層の大半が第2の下地層上に形成されることになり、一方、90%を超えると、第3の金属下地層の結晶粒子の面内方向への肥大化を抑制できず、粒径を微細化する効果が得られなくなる傾向がある。
上記開孔を有する金属下地層は、例えばスパッタや真空蒸着などにより形成することができる。あるいは、物理的な加工や化学的な反応を用いることで人工的にアイランド状の表面構造を作製することも可能である。
また、第2の金属下地層は、その表面の十点平均粗さRzが0.2nmないし20nmであることが好ましい。表面粗さRzが0.2nm未満であると、第3の金属下地層の結晶粒子の面内方向への成長に歯止めをかけることができなくなる傾向があり、表面粗さRzが20nmを超えると、第3の金属下地層により谷の部分を埋めて表面を平坦化する効果が十分に働かず、磁気記録層さらには保護層の表面粗さを増加させてしまい、ヘッドの安定浮上に悪影響を与えてしまう傾向がある。
第1の金属下地層は、好ましくは六方最密充填構造または面心立方格子構造である。
第1の金属下地層は、例えばチタン、ニッケル、パラジウム、及び白金からなる群から選択され得る。
第2の金属下地層及び第3の金属下地層は、好ましくは六方最密充填構造または面心立方格子構造である。
第2の金属下地層は、好ましくは銅、銀、及び金からなる群から選択され得る。
第2の金属下地層は、より好ましくは銅である。
銅は、第1の層として好ましく使用されるチタン、ニッケル、パラジウム、及び白金のいずれの金属に対しても非固溶性を有する。
また、第2の金属下地層として銅を使用することにより、磁気記録層の主成分となることが多いCoやFeと原子の大きさが近いために、また結晶構造によっては格子定数も近いために、中間に適当に選んだ第3の金属下地層を通しても、良好な結晶性を得やすい傾向がある。
例えば第1の金属下地層としてTi層を用いた場合、Ti層上のCuの成長については、文献Journal of Applied Physics、 Vol.94、 pp.3492 (2003)に界面相互作用の観点から詳しく述べられているように、通常のスパッタ条件下において微細なアイランドを形成できることが報告されている。
第3の金属下地層には、第1の金属下地層に対し固溶性を有し、かつ第2の金属下地層に対し非固溶性を有する金属が使用され得る。
第3の金属下地層としては、例えばTi、Cr、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、Pt、Au、およびそれらを主成分とする合金等を使用することができる。
第3の金属下地層は、好ましくはルテニウムである。
なお、ここで、本発明に関して適用される固溶性とは、金属の2元状態図において液相となる温度よりも低い範囲でおよそ2原子%以上固溶する性質をいい、2原子%以上しか固溶しない性質は、非固溶性であるものとみなす。
図2ないし図4に、本発明に使用され得る金属の2元合金状態図の例を各々示す。
図2は、ルテニウムと銅の2元状態図の一例を表す図を示す。
図中、L1はCuが主成分の液相、L2はRuが主成分の液相を各々示す。図示するように、ルテニウムと銅は、1084.67℃以下の温度で合金を形成する組成範囲はほとんどなく非固溶である。(Cu)+(Ru)はCuとRuが固相で混じり合っていない状態を示す。この温度を超えると一部液相となり、2334℃を超えると完全に液相となることがわかる。L1+L2はCuとRuが液体でも混じり合っていない状態を示す。
図3は、ルテニウムと金の2元状態図の一例を表す図を示す。
図中、L1はAuが主成分の液相、L2はRuが主成分の液相を各々示す。図示するように、ルテニウムと金は、1064℃以下の温度で合金を形成する領域があるものの、その組成範囲はおよそ2原子%以下であることから非固溶性であるものとみなす。
図4は、ルテニウムと銀の2元状態図の一例を表す図を示す。
図中、L1はAgが主成分の液相、L2は、Ruが主成分の液相を各々示す。図示するように、ルテニウムと銀は、920℃以下の温度で合金が形成できることを示す領域はなく非固溶となっている。
ルテニウムの平均結晶粒径は8nm未満である。ルテニウムの平均結晶粒径は好ましくは1ないし8nmである。
ルテニウムの平均結晶粒径が8nmを超えると、媒体ノイズを低減する効果は得られない傾向がある。
第2の金属下地層の開孔に、上記任意の成分としてさらに酸化物層を設けることができる。
図5に、本発明に係る垂直磁気記録媒体の他の一例を表す概略的な断面図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体20は、開孔3の領域内の第1の金属下地層上に酸化物層8が存在すること以外は、図1と同様の構成を有する。酸化物層8は、開孔3の領域における第1の金属下地層と第3の金属下地層との接触を部分的にまたは全体的に遮断し得る。しかしながら、酸化物層8を十分に薄くした場合には、上下層への酸化・拡散により、実質的に第3の金属下地層は第1の金属下地層の十分に影響を受けていると考えられる。
酸化物として、例えば酸化シリコン、酸化クロム、酸化チタン等をあげることができる。
酸化物は、より好ましくはチタン酸化物である。
酸化物として、チタン酸化物を使用することにより、最密結晶構造の第1および第3の金属下地層の間に形成されても、結晶性を悪化させにくい傾向がある。
酸化物は、第1の金属下地層と酸化物の合計の体積に対し10ないし50体積%であることが好ましい。
チタン酸化物の場合、20ないし50体積%であることが好ましい。
酸化物は、例えば第2の金属下地層に用いたターゲットと共に酸化物ターゲットを使用してスパッタを行うことなどにより、第2の金属下地層を形成する際に同時に形成することができる。
基板としては、例えばガラス基板、Al系合金基板、セラミック、カーボンや、酸化表面を有するSi単結晶基板、及びこれらの基板にNiP等のメッキが施されたもの等を用いることができる。
ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また、結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが使用可能である。
基板としては、上記金属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。
また、基板上への薄膜の形成方法として以下ではスパッタリング法のみを取り上げたが、真空蒸着法や電解メッキ法などでも同様の効果を得ることができる。
本発明の垂直磁気記録媒体において、基板と多層下地層との間に軟磁性層を設けることができる。
図6に、本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の例の断面構成を表す模式図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体30は、基板1と多層下地層6との間に軟磁性裏打ち層9をさらに有すること以外は、図1と同様の構成を有する。なお、この図では、開孔3の領域は第3の金属下地層で埋められているけれども、図5に示すように開孔3の領域内の第1の金属下地層2上に酸化物8を設けることもできる。
高透磁率な軟磁性裏打ち層を設けることにより、軟磁性裏打ち層上に垂直磁気記録層を有するいわゆる垂直二層媒体が構成される。この垂直二層媒体において、軟磁性裏打ち層は、垂直磁磁気記録層を磁化するための磁気ヘッド例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
軟磁性裏打ち層には、Fe、Ni、及びCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金例えばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金例えばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金例えばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金例えばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金例えばFeZrNなどを挙げることができる。
また、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrN等の微結晶構造、あるいは微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることができる。
また、軟磁性裏打ち層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、及びYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることができる。Coは、好ましくは80原子%以上含まれる。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすく、アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示す。また、このアモルファス軟磁性材料を用いることにより、媒体の低ノイズ化を図ることができる。
好適なアモルファス軟磁性材料としては、例えばCoZr、CoZrNb、及びCoZrTa系合金などを挙げることができる。以上の材料には、アモルファスを形成しやすくするなどの目的で、さらにBを加えても良い。
垂直磁気記録層としては、例えばCoPt系合金を使用することができる。
ここでCoPt系合金中におけるCoとPtの比率は、高い一軸結晶磁気異方性Kuを得るという観点からは、2:1ないし9:1が好ましい。さらに、CoPt系合金は、少なくともCrまたは酸素を含むことが好ましい。
酸素は、酸化物として添加することができる。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化クロム、及び酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種が好適である。
垂直磁気記録層は、層中に磁性結晶粒子が分散していることが好ましい。この磁性結晶粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層の磁性結晶粒子の配向および結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得ることができる。
このような構造を得るための酸化物の含有量は、Co、Cr、Ptの総量に対して、3mol%ないし20mol%であることが好ましい。さらに好ましくは5mol%ないし18mol%である。垂直磁気記録層中の酸化物の含有量として上記範囲が好ましいのは、層を形成した際、磁性結晶粒子の周りに酸化物が析出し、磁性結晶粒子の孤立化、微細化をすることができるためである。
垂直磁気記録層中の酸化物の含有量が20mol%を超えた場合、酸化物が磁性結晶粒子中に残留し、磁性結晶粒子の配向性、結晶性を損ね、さらには、磁性結晶粒子の上下に酸化物が析出し、結果として磁性結晶粒子が垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造が形成されなくなる傾向がある。また、酸化物の含有量が3mol%未満である場合、磁性結晶粒子の分離、微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなる傾向がある。
垂直磁気記録層のCrの含有量は、0原子%ないし30原子%であることが好ましい。さらに好ましくは2原子%ないし28原子%である。Cr含有量が上記範囲であると、磁性結晶粒子の一軸結晶磁気異方性定数Kuを下げすぎず、また、高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られる。
Cr含有量が28原子%を超えると、磁性結晶粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、また、磁化が小さくなり再生信号出力が低下することで、結果として記録再生特性が悪くなる傾向がある。
垂直磁気記録層のPtの含有量は、10原子%ないし25原子%であることが好ましい。Pt含有量が上記範囲であるのは、垂直磁性層に必要なKuを得、さらに磁性結晶粒子の結晶性、配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるため、好適だからである。
Pt含有量が25原子%を超えた場合、磁性結晶粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性、配向性が損なわれる傾向がある。また、Pt含有量が10原子%未満である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るためのKuが得られない傾向がある。
垂直磁気記録層は、その成分として、Co、Cr、Pt、及び酸化物のほかに、さらなる添加成分としてB、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、及びReから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含む事により、磁性結晶粒子の微細化を促進、あるいは結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
上記添加成分の合計の含有量は、8原子%以下であることが好ましい。8原子%を超えた場合、磁性結晶粒子中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性結晶粒子の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られない傾向がある。
また、垂直磁気記録層としては、上記合金の他、他のCoPt系合金、CoCr系合金、CoPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSi、およびPt、Pd、Rh、およびRuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分とする合金とCoとの多層構造、さらに、これらにCr、BおよびOを添加したCoCr/PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどを使用することができる。
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは3ないし60nm、より好ましくは5ないし40nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置として動作し得る。垂直磁気記録層の厚さが3nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向があり、垂直磁気記録層の厚さが60nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。
垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることが好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。
垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
垂直磁気記録層上には、保護層を設けることができる。
図7に、本発明の垂直磁気記録媒体のさらにまた他の一例の断面構造を表す模式図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体40は、磁気記録層7上にさらに保護層11が設けられていること以外は、図1と同様の構成を有する。なお、この図では、開孔3の領域は第3の金属下地層で埋められているけれども、図5に示すように開孔3の領域内の第1の金属下地層2上に酸化物8を設けることもできる。また、図6に示すように、基板1と多層下地層6との間に軟磁性裏打ち層9をさらに設けることもできる。
保護層は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的設けられる。その材料としては、例えばC、SiO2、ZrO2を含むものがあげられる。
保護層の厚さは、1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。
また、保護層上には、図示しない潤滑層を設けることができる。
潤滑層に使用される潤滑剤としては、従来公知の材料、例えばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
図8に、本発明にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
図示するように、ディスク装置としてのハードディスクドライブ(以下HDDと称する)は、上面の開口した矩形箱状のケース110と、複数のねじによりケースにねじ止めされてケースの上端開口を閉塞する図示しないトップカバーとを有している。
ケース110内には、記録媒体としての磁気ディスク112、この磁気ディスク112を支持および回転させるスピンドルモータ113、磁気ディスクに対して情報の記録、再生を行なう磁気ヘッド133、この磁気ヘッド133を磁気ディスク112に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータ114、ヘッドアクチュエータを回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)116、磁気ヘッドが磁気ディスクの最外周に移動した際、磁気ヘッド133を磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構118、HDDに衝撃等が作用した際、ヘッドアクチュエータを退避位置に保持するイナーシャラッチ機構120、およびプリアンプ等の電子部品が実装されたフレキシブルプリント回路基板ユニット(以下、FPCユニットと称する)117が収納されている。
また、ケース110の外面には、FPCユニット117を介してスピンドルモータ113、VCM116、および磁気ヘッドの動作を制御する図示しないプリント回路基板がねじ止めされ、ケースの底壁と対向して位置している。
磁気ディスク112は、例えば、直径65mm(2.5インチ)に形成され、磁気記録層を有している。磁気ディスク112は、スピンドルモータ113の図示しないハブに嵌合されているとともにクランプばね121によりクランプされている。そして、磁気ディスク112は、駆動部としてのスピンドルモータ113により所定の速度で回転駆動される。
磁気ヘッド133は、図示しないほぼ矩形状のスライダに形成されたいわゆる複合型ヘッドであり、単磁極構造のライトヘッドと、GMR膜やTMR膜などを用いたリードヘッドと記録再生用のMR(磁気抵抗)ヘッドとを有し、スライダと共にサスペンション132の先端部に形成されたジンバル部に固定されている。
以下、実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実験例1
垂直磁気記録媒体の作製
非磁性基板として、ディスク状の洗浄済みのガラス基板(オハラ社製、外直径2.5インチ)を用意した。このガラス基板をマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3010)の製膜チャンバ内に収容して、到達真空度2×10-5Pa以下となるまで製膜チャンバ内を排気した後、ガス圧約0.6PaのAr雰囲気中で、以下のように、スパッタリングを順次行った。
非磁性基板上に、まず、軟磁性層として厚さ100nmのCoZrNb合金を形成した。
次に、以下のように、第1の金属下地層、第2の金属下地層、及び第3の金属下地層からなる多層下地層を形成した。
第1の金属下地層として厚さ5nmのTiの製膜を行った。
ここで、基板にCoZrNb軟磁性層を形成して、Ti層を積層した場合と、基板上に直接Ti層を積層した場合について、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)及びX線回折(XRD:X-ray Diffraction)を用いて測定を行うことにより、Ti下地層の微細構造や結晶配向を調べたところ、CoZrNb軟磁性層があってもなくても、Ti下地層の微細構造や結晶配向にはほとんど変わりがないことを確認した。CoZrNb軟磁性層は、ヘッドを用いた記録再生特性には大きな影響を与えるものの、Ti下地層よりも上の媒体構造に本質的に影響を与えるものではないことがわかった。CoZrNb軟磁性層がない場合でも以下に述べる媒体の構造については同様の効果が得られる。
続いて、第2の金属下地層として、平均層厚1nm相当のCuのスパッタリングを行い、開孔を有するCu層を形成した。ここで、平均層厚1nm相当とは、ほぼ一様な厚さの薄膜が作製できて表面の凹凸が膜厚の測定にあまり影響を与えないと推定できる厚さ、例えば100nmの層厚が得られたスパッタ条件から単純にスパッタ量を100分の1としたという意味である。特別な表現を用いたのは、Cuが一様な厚さの層状ではなく、Cu粒またはその集合体が島状に成長して各島間に開孔を有する不連続な層となっているためである。
なお、Cuのスパッタリングは、直径90mmのターゲットに対して、DCで40Wの電力を投入し、0.2nm/sの製膜速度で行った。平均層厚1nmというのは、この条件で5sスパッタリングを行った結果である。
Cuのスパッタリングを行った時点で作製を中止し、真空チャンバから取り出してAFMで表面状態の観察を行った。
図9に、第2の金属下地層の表面状態を表すAFM測定写真を示す。
図中、島状の白っぽい部分が各々Cu粒であり、黒っぽい部分はCu粒間の開孔から露出したTi下地層である。図示するように、得られた第2の金属下地層は、複数の開孔を持ち、開孔に相当する間隔をおいて配置された複数のCu粒からなる不連続な層であることが確認できた。白っぽい部分がCu粒であり、黒っぽい部分がTiであることについては、別途TEM及びEDX分析を行うことにより確認した。
図9において、Cu粒の粒径は平均して10nm以上と見積もられた。また、断面TEMの格子像観察から、CuはTiの(00.2)配向を受け継いで(111)配向でエピタキシャル成長していることがわかった。
Cuの平均層厚に関しては、1nm相当より薄くても同様の構造が得られることは容易に推測できるが、成長の仕方、粒径や密度などを考慮すると、少なくとも5nm相当までは同様の構造が得られるものと考えられる。このように、第2の金属下地層の好ましい平均層厚は2ないし5nmである。
また、このときその十点平均粗さRzは、2.5nmであった。
次に、開孔を有するCu層が形成されたTiからなる第1の金属下地層上に、第3の金属下地層として、Cuとは非固溶で、Tiとは組成比によって合金や金属間化合物を形成するRuを積層した。ここで、Ru層が形成される初期段階についてAFM観察を行った。
まず、AFM観察の見やすさを考慮して、Ti下地層上にCuを平均層厚2nm相当までスパッタリングした。
このようにして得られた第2の金属下地層の表面状態を表す測定結果を、3次元的にプロットした図を図10に示す。図9と同様に、図中、島状の白っぽい部分が各々Cu粒であり、黒っぽい部分はCu粒間の開孔から露出したTi下地層である。この図では、図9に記載の第2の金属下地層よりもCu粒の径が大きくなっているものの、複数の開孔を持ち、開孔の大きさに相当する間隔をおいて配置された複数のCu粒からなる不連続な層が得られる点では基本的に同様の構造となっていることが分かった。
なお、平均層厚が厚くなるとCu粒の粒径が大きくなり、隣接する島が部分的に結合する部分も出てくる。島の部分的な結合を直接的に観察するのは困難であるため、結合が始まる層厚を特定するのは難しいけれども、部分的に結合している箇所が存在したとしても、金属粒子が島状の構造を取っている限りは、不連続層とみなす。
上記の他に種々の条件でCuをスパッタリングして、島状のCu粒が形成される場合について調べたところ、このような島状のCu粒が形成されるCu層の十点平均粗さRzは平均層厚のおおよそ2倍前後好ましくは1.5倍ないし3倍であることがわかった。
図10の縦軸の1目盛は8nmである。十点平均粗さRzは約5nmであった。ここでは、Cuの平均層厚が2nm相当であったので、十点平均粗さRzは平均層厚の約2.5倍となった。
また、別途、Ti下地層上に平均層厚を10nm相当まで厚くしてCu層を形成した場合には、図10のような明瞭な島状の構造は観察できず、表面の凹凸が明らかに小さくなった。図9(平均層厚1nm)におけるCu粒子の間隔は20nm程度はあるが、平均層厚の増加とともにCu粒子が膜面内方向にも成長することを考えると、粒子間隔の半分の平均層厚ではTi下地層が露出している部分はほとんどなくなっているものと考えられる。なお、一般に、粒の高さが直径よりも大きくなるように成長させることは困難なので、平均層厚を粒子間隔より大きくした場合には、開孔のない連続膜になるものと考えられる。
平均層厚を10nm相当まで厚くし、その上にRu中間層を形成すると、Ru粒の微細化効果は得られなかった。このときCu層およびRu層を形成した後の表面をそれぞれAFM観察してみると、Cu粒間の開孔は埋まって表面の凹凸は元々小さくなっていたが、Ru表面ではCu表面の凹凸にRu粒子の凹凸が重なって見られた。Cu粒子間にTi層が露出していないと、Cu間の凹部を埋めるようにRuが成長することがないと考えられる。
21nm相当の平均層厚でスパッタリングされた上記Cu層の上に、第3の金属下地層として、Ruを平均層厚で2nm相当までスパッタリングした。
この第3の金属下地層の初期段階の表面構造を図11に示す。
図示するように、図10における凹凸形状より、図11における凹凸形状の方が明らかに小さく、平坦になっていることがわかった。これは、Cu粒とRuが混じって表面で再構成されて平坦になったとは考えにくい。むしろ、第2の金属Cuとは固溶しにくく相対的に第1の金属Tiと固溶しやすい第3の金属Ruを選んだことにより、Ti下地層が露出している開孔領域にRuが優先的に堆積して、凸部のCu粒子の間を埋めた結果平坦になったものと推定できる。図11の表面に見えている小さな凹凸はRuの核または結晶粒であり、後述するRuの成長や構造とも良く対応している。なお、これらの図において、RuとCu粒子の大きさも考慮すると、Ruの核の一部はCu粒子の上にも成長していると考えられるが、Cu粒子1個を核としてRu粒子1個がその上に対応する形で成長するようなモデルでないことは明らかである。
平均層厚で2nm相当までスパッタリングしたRu層上に、続けて厚さ20nmまでスパッタリングを行い、最終的な第3の金属下地層を形成した。
ここで、Ru層の形成の際のArガス圧については、上述の通り0.6Paのまま製膜しても、粒径微細化の効果は得られるけれども、本実験例では、Ru層を、低いArガス圧0.6Paで10nm形成した後、高いArガス圧6Paにあげて、さらに10nm形成した。
別途、一様に高いArガス圧で形成したRu層について、平面TEM分析を行ったところ、結晶粒子を微細化できること、粒径分散を抑制できる効果があり、さらに結晶粒子間には、白く隙間のように見える、おそらくアモルファス状の粒界層が確認され、その上に形成する記録層粒子の分断を促進する効果も期待できたけれども、一方で、結晶配向が悪化する傾向があった。そこで結晶配向を改善するため、前半を低ガス圧、後半を高ガス圧とすることにより、総合的に最も好ましい記録再生特性を得た。なお、後半のガス圧については、相対的に前半のガス圧より高ければ同様の効果が期待でき、10Pa以上でも構わない。また、層厚も本実験例では、半分づつ10nmとしたが、これも層圧比によらず、得られる効果は同様である。
ここで、Ru層の粒径を調べるために、Ru層の製膜が終了したところで真空チャンバから取り出し、平面TEM観察を行った。
開孔を有するCu層のスパッタリングを行わない以外は同様にして作製した場合と比較すると、大幅に粒径が微細化されていることが分かった。Ru結晶粒子の粒径の解析を行ったところ、開孔を有するCu層を形成しない場合には平均直径が約9nmであったのに対し、このCu層を形成した場合には平均直径は約6nmであった。従来の下地層におけるRu中間層では下地層材料の最適化を行っても結晶粒子の粒径は、8nm程度までの微細化が限界であったことを考えると、Cuからなる不連続な第2の金属下地層により粒径を微細化できる効果は非常に大きいことは明らかである。
また、膜厚方向の結晶粒子の成長を調べるために、さらに磁気記録層も製膜した後、断面TEM観察を行った。
図12に、本発明に係る垂直磁気記録媒体の一例の断面TEM写真を示す。
図示するように、Ru結晶粒子の粒径は、Ru層の厚み方向全体を通してほぼ一定のまま柱状に成長していることが分かった。さらに、第1の金属下地層の材料を変えていくつかの実験を行うことにより、Ru層はあまり第1の金属下地層の材料に依存せず、20nmよりも小さい一定の粒径を保ったまま柱状成長する傾向があることが分かった。以下に述べるモデルから、仮に中間層が一定の粒径のまま成長しなかったとしてもCu粒子による微細化の効果は得られると考えられるが、Ru粒子の層厚の増加によって膜面内方向に肥大化しにくいという特性は、中間層の材料として好ましいと考えられる。
図12の断面TEM像では、Ti層とRu層の境界に存在するはずの、平均層厚のごく薄いCu層が明瞭に写っておらず、ほとんどTi下地層上にRu中間層が成長しているように見えていた。コントラスト的にもCuを直接観察するのは難しいため、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy Dispersive X-ray analysis)による組成分析を行った。図中に示す*印が測定点であり、Ti下地層とRu中間層の境界付近(2、3、4番)で最も多くのCuが検出され、境界から離れたTi下地層(5番)やRu中間層の中間部(1番)ではCuはほとんど検出されなかった。これらの結果から、Cuは、拡散または固溶するなどして層構造が認められない訳ではなく、上に述べたような不連続な島状構造を取っていて、かつ、Ruがその隙間を埋めるようにTi上に成長していると考えられる。
また、XRDによりRu層の結晶配向の評価を行ったところ、開孔を有するCu層を設けた場合でも、開孔を有するCu層がない場合と同じくらい良好な配向が得られた。上述の構造解析の結果に加え、Ru粒子の方がCu粒子よりも粒径が小さくかつ密度も高いことから推定しても、Ru層はTi層上だけではなくCu層の上にも形成されていることは明らかである。および、Cu層の結晶性が悪いか(111)配向ではなかった場合にはその上のRu層の結晶配向が悪化することは容易に想像できる。よって、Cuの量が少ないためにXRDでCu自体のピークを得ることは難しいものの、Ru層が結晶性が良好な状態で(00.2)配向しているという結果は、Cu層の(111)配向、およびその良好な結晶性、さらにCu層上のRu結晶粒子のエピタキシャル成長を表しているということができる。言い換えると、Cu層の結晶構造および結晶性は重要な役割を果たしており、Ru層の結晶構造が、hcpまたはfccのような最密構造であれば、その前に形成される金属層の結晶構造も最密構造であるのが好ましく、結晶性も高い方が好ましいと考えられる。
以下に、Ti層上に形成した開孔を有するCu層とその上に成長されたRu層の結晶粒子の微細化との関係を簡単なモデルで説明する。
図13ないし図15は、第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の一例を表すモデル図を示す。
図13は、基板21上に形成された、相対的に平坦なTi層22上に、例えば横に広がった形状や縦に伸びた形状を有する複数のCu粒から構成されるCu層24が形成された場合を想定したものである。
図14は、Ru層形成の初期段階として、Ti層22及びCu層24上に、Ru金属粒子25’が付着する様子を示す。Ruは、CuよりもTiと親和性の高い材料として選ばれているために、例えば縦長のCu粒上には、選択的にRu粒25’が形成されない。横長のCu粒上に付着したRu粒25’は、Ti層上まで移動した方が安定ではあっても、移動できるだけの十分な条件が整っていない場合には、Cu粒上に留まることになる。
Ru層の形成をさらに続け、RuがCu層24の開孔を元にして柱状に成長した状態を表したのが図15である。Cu粒の端部に示した矢印の部分でRu粒の膜面内方向への肥大化が抑制される効果が期待できることが分かる。このようにして成長した場合、Cu粒子上に成長したRu粒子とTi下地層上に成長したRu粒子が接していることになるが、これらのRu粒子間では格子歪みや界面拡散などが異なるために粒界が形成されやすく、結合して大きな粒子になりにくい傾向も期待できる。一方で、中央にある横長のCu粒子上では、2つのRuが結合せずに成長し得る。これは、Ruという材料が一定の粒径を保ちながら柱状成長しやすい傾向を有することに基づく。これらのRu粒子も、Ti層上に成長して肥大化を抑制されたRu粒子と接したところで面内方向への成長が止まることになるので、自然に形成される粒子径よりは微細化が可能であることが期待できる。このように、本発明においてRuは第3の金属下地層として好ましいと考えられる。
さらに、第3の金属下地層上に(Co−16原子%Pt−10原子%Cr)−10mol%SiO2コンポジットターゲットのスパッタリングを行って、厚さ10nmの垂直磁気記録層を形成した。
続いて、CVDを用いて厚さ3nmのC保護層を積層した。
ここまで製膜を行った後、中間層以下をイオンミリングなどを用いて削り取り、平面TEM観察を行った。
その結果、垂直記録層は結晶性の磁性結晶粒子が非晶質に近い粒界層により分断された偏析構造をとっていることが分かった。このときの平均粒子径はおよそ5nm、平均粒界層厚はおよそ1nmと見積もることができた。
SiO2組成が8mol%のターゲットを用いた場合でも、平均粒子径としては多少大きいもののあまり変わらない値が得られたが、この場合には、粒界層が薄くなる傾向が見られ、結晶粒子が部分的に接しているなど、構造的にも、柱状に成長した各磁性結晶粒子間の磁気的な分断が悪くなる可能性がある。垂直磁気記録媒体の場合には磁化曲線の傾きを磁性結晶粒子の分断の目安とすることができることから、振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁気特性の評価を行った。その結果、やはり8mol%のサンプルの方が10mol%のサンプルよりも明らかに磁性結晶粒子間の磁気的結合が強くなっていたため、媒体ノイズが大きくなると考えられる。
また、SiO2の添加量を8から10mol%に変更することで粒界層による柱状に成長した磁性結晶粒子の磁気的分断について明確な改善効果が認められているので、この効果を促進するために更にSiO2を増やすことができる。その場合には、更に磁性結晶粒子の粒径を小さくする効果も期待できる。
また、得られた垂直磁気記録媒体について断面TEM観察を行った。その結果から、図12と同様に、垂直磁気記録層では、その磁性結晶粒子1個が、Ru粒1個の上に対応する形で中間層から引き続き柱状に成長しており、格子像から記録層の最密(結晶)面は中間層の最密面と平行にエピタキシャル成長していることが分かった。このような結晶構造は粒径が小さくなった場合でも特に予想外の変化をしないことが確認できた。hcp構造を有するRu中間層上にhcp構造を有するCoPtCr系酸化物グラニュラー記録層を形成することは、結晶性、偏析構造、保磁力、媒体ノイズなど、垂直媒体として総合的に良好な特性が得られるため、これらは好ましい組み合わせであると言える。
Ru粒子と磁性結晶粒子の1対1の対応関係から、Ru粒子を微細化すれば磁性結晶粒子の微細化も促進し得る。また、記録層における結晶粒子と非晶質粒界層の体積比が一定の場合、粒径が小さくなると粒界層が薄くなることが分かる。実は、先に比較として用いた8mol%という組成は、Ru中間層の粒径が8nm以上の時に適当な値であり、組成を固定したまま粒径が6nmと小さくなった場合には、このような簡単な理屈からも、粒界層が薄くなって相互作用が強くなることが予想できる。よって、磁気的なバランスを崩さないためには、下地層の粒径が小さくなるほど、記録層における酸化物組成を増やして、非晶質粒界層の体積比を高めることが望ましい。
上述のように保護層まで積層した後、製膜チャンバから取り出し、ディッピング法により、保護層上に厚さ1.3nmのパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成して、垂直磁気記録媒体を得た。得られた垂直磁気記録媒体は、潤滑層が図示されていないこと以外は、図6と同様の構成を有する。
記録再生特性に関しては、リードライトアナライザ(米国GUZIK社製1632)及びスピンスタンド(S1701MP)を用いて評価を行った。また、情報の記録再生には、CoFeNiからなる単磁極型記録素子、シールド間距離が90nmである巨大磁気抵抗効果(GMR)再生素子を備えた垂直記録用の複合型ヘッドを用いた。なお、記録磁極の材料としては、例えばCoFe、CoFeN、NbFeNi、FeTaZr、及びFeTaNなどの材料を用いても良い。また、これらの磁性材料を主成分としてさらに添加元素を加えても良い。
得られた垂直磁気記録媒体について、再生信号出力/媒体ノイズ比を求めたところ、22.8dBという良好な値が得られた。
再生信号出力/媒体ノイズ比とは、線記録密度約100kFCIにおける振幅/線記録密度約800kFCIで記録を行った時のノイズの2乗平均値であり、以下、SNRmという。
これに対して、Cu層を形成しなかった垂直磁気記録媒体について、再生信号出力/媒体ノイズ比を求めたところ、SNRmが17.2dBであった。
このことから、Cu層を設けることは、媒体ノイズの低減に非常に大きな効果があることが分かった。
実験例2
第2の金属下地層としてCuの代わりに、同じくfccであるNi、Rh、Pd、Pt、Ag、及びAuを用いた以外は、実験例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
実験例1と同様に、金属結晶粒子の成長を調べる目的で、これらの第2の金属材料をスパッタリングした時点で製膜を中止して、AFM測定を行った。
必要に応じて第2の金属下地層のスパッタ量を平均層厚0.5〜2nm相当程度の範囲で増減することで、表面粗さの増加が見られたことから、製膜条件次第で、どの金属材料を第2の金属下地層として使用した場合であっても、金属粒を島状に形成して、開孔を有する第2の金属下地層を得ることができるものと考えられる。
次に、Ruの粒径を調べる目的で、第3の金属下地層についても途中で製膜を中止した状態について、平面TEM観察を行った。
その結果、AgおよびAuにおいては、それらのスパッタリングを行わない場合に比べてRu層の粒径を微細化する効果が認められた。しかしながら、Ni、Rh、Pd、及びPtにおいては微細化効果は認められなかった。
さらに、潤滑層まで形成して、記録再生特性の評価を行ったところ、AgおよびAuにおいては、第2の金属下地層を形成しない場合に比べてSNRmを改善する効果が得られた。しかしながら、Ni、Rh、Pd、及びPtにおいては、各々媒体ノイズを低減する効果は認められなかった。
また、第2の金属下地層としてCu、Ag、及びAuを混ぜ合わせて金属粒子を形成した場合でも、第2の金属下地層を形成しない場合に比べて、粒径微細化および媒体ノイズ低減効果が認められた。
第2の金属下地層として使用されるNi、Rh、Pd、及びPtが、第3の金属下地層として使用されるRuとほぼ全率で固溶性を有することを考慮すると、第1の金属下地層上で第2の金属下地層の金属粒が不連続な島状構造を取り、その上に形成する第3の金属下地層が第2の金属下地層の金属粒と非固溶であることが、第3の金属下地層から磁気記録層にかけての結晶粒子のストッパによる微細化に効いているものと考えられる。したがって、既に述べたように、垂直磁気記録媒体の場合、特にRu層に対して、良好な結晶配向を得る上で最密構造が好ましいことも考慮すると、第2の金属下地層に使用される金属材料としては、最密構造を有する金属例えばCu、Ag、及びAuが好ましく、中でも最も良好な特性が得られたCuがより好ましいと考えられる。
実験例3
第1の金属下地層として、Tiの代わりにNi、Rh、Pd、Pt、Ag、Au、Nb、及びTaを用いた以外は、実験例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
実験例1と同様に、金属粒子の成長を調べる目的で、第1の金属下地層上にCuをスパッタリングした時点で一旦製膜を中止して、AFM測定を行った。
必要に応じてCuのスパッタ量を例えば平均層厚0.5〜2nm相当程度に増減することで、表面粗さの増加が見られたことから、スパッタ量の少なさも考慮すると、製膜条件次第で、どの金属材料においても第1の金属下地層上に、金属粒を島状に形成して、開孔を有する第2の金属下地層を得ることができるものと考えられる。
次に、Ruの粒径を調べる目的で、Ru層についても途中で製膜を中止した状態について、平面TEM観察を行った。その結果、第1の金属下地層として、Ni、Pd、Pt、Nb、およびTaを使用した場合においては(Cu粒子を形成することによる)Ru層の粒径微細化効果が認められたが、Rh、Ag、およびAuにおいては微細化効果は認められなかった。
さらに、潤滑層まで形成して、記録再生特性の評価を行ったところ、Ni、Pd、およびPtにおいては(Cu粒子を形成することによる)SNRmを改善する効果が得られたが、Rh、Ag、Au、Nb、およびTaにおいては媒体ノイズを低減する効果は認められなかった。
また、Ti、Ni、Pd、Ptを混ぜ合わせて第1の金属下地層を形成した場合でも、第2の金属下地層としてCu粒を形成することによる粒径微細化および媒体ノイズ低減効果が認められた。これらを主成分として、さらにNb、Taを添加して第1の金属下地層を形成した場合でも、Cu粒を形成することによる粒径微細化および媒体ノイズ低減効果が得られた。
NbおよびTaに関しては、微細化効果が認められたにも関わらず、SNRm改善効果が得られなかった。これは、主にそれらの結晶構造に起因していると考えられる。第1の金属下地層材料の中ではNbとTaだけがbcc構造であるために、第2の金属下地層としてCu層を形成せずに第3の金属下地層であるRu層を直接積層した場合でも、他の第1の金属下地層材料と比べてRu層の結晶配向は良くなかった。それでも、Ruは(00.2)配向であった。これはNbとTaが特に膜厚が薄い場合には微結晶になりやすく、Ruの結晶配向に影響を与えにくいからであって、NbやTaを厚く積層して本来の(110)配向が強く出てくると、Ruは(00.2)以外の配向をするものと思われる。また、NbやTa下地層上にCuをスパッタすると、どちらもCuと非固溶であるため、島状構造はむしろ明瞭に観察でき、第1の金属下地層も露出したままになりやすいと考えられる。しかしながら、このような表面の上にRuを形成しても特に結晶配向は改善せず、他のfcc(最密構造)よりも弱いRu(00.2)配向しか得られなかった。本発明に係る磁気記録媒体においては、結晶配向とSNRmの間に相関関係が見られることを考慮すると、NbおよびTaを第1の金属下地層として使用した場合、微細化によるSNRm改善効果はあるものの、低い結晶配向が微細化による改善分を相殺すると推定される。
このように、本発明に使用される第1の金属下地層材料としては、最密構造を有する金属を用いることが好ましいことがわかった。
次に、Ru層の微細化に関しては、同じ最密構造の下地層について比較すると、Ni、Pd、Ptでは効果が得られたのに対し、Ag、Auでは効果が認められなかった。上述したアイランドにより中間層を微細化するモデルに沿って考えると、ストッパの効果が働くためにはRuがアイランド上よりも下地層上に優先的に成長する必要、つまり、Ruがアイランドよりも下地層と親和性が高い必要があると考えられる。親和性の基準の一つとして合金の作りやすさを挙げることができるが、Ni、Pd、PtはRuに対しほぼ全率固溶であるのに対し、Ag、AuはCuアイランドと同様にRuとはほぼ全率非固溶である。Ruを形成する際、前者は下地層とアイランドの間の親和性に大きな差があるのに対し、後者は差が小さいために選択的な成長が起きにくいことが、微細化効果の有無に繋がったものと推定できる。
なお、Tiは、Ruと全率固溶ではないが組成によって合金を形成することから、やはりCuよりもRuとの親和性が高いと言うことができる。以上の考察から、第2間金属層は第3の金属下地層と非固溶で、第1の金属下地層層は第3の金属下地層と非固溶ではないことが微細化に好ましいと考えられる。
また、Ruとの親和性の高さという点では、Tiよりも、PdやPtの方が良好であるけれども、SNRm改善などの効果から総合的にはTiが最も好ましいと考えられる。その要因としては、Cu粒による島状構造の大きさや第1の金属下地層自体の粒径などの寄与が考えられる。
実験例4
第2の金属下地層のスパッタリングの際に、金属粒材料となるCuだけでなく、TiO、TiO2、SiO2、Cr23を同時にスパッタリングした以外は、実験例1と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
同時にスパッタする方法としては、独立したターゲットを同時に放電するコスパッタと、Cuと酸化物を混合したコンポジットターゲットの2通りの方法を用いたが、それ以外の方法を用いても構わない。なお、TiOは導電性があり、コスパッタの際にはDCで放電できるため好ましい。コンポジットターゲットとした場合にも、絶縁体のSiO2などを混ぜ合わせた場合に比べ、異常放電が起きにくくなることや、パーティクルが出にくくなることが期待できるため好ましい。
実験例1と同様に、金属粒子の成長を調べる目的で、第1の金属下地層上にCuと上記の酸化物を同時にスパッタリングした時点で製膜を中止して、AFM測定を行った。島状構造は酸化物を添加した場合でも明瞭に観察され、酸化物の組成を増やすことで島の大きさが小さくなる傾向が見られた。例えばTiOの場合には、40〜50体積%添加することにより粒径をおおよそ7〜8nmまで小さくすることができた。
次に、Ruの粒径を調べる目的で、第3の金属下地層についても途中で製膜を中止した状態について、平面TEM観察を行った。その結果、Cuに酸化物を加えた場合にはCuだけの場合よりもさらにRu層の粒径を微細化する効果が得られ、例えばTiOを40〜50体積%添加した場合の平均粒径は約5nmであった。
先に述べたように、Ru層の粒径が小さくなった場合には、磁気記録層の微細構造のバランスも変わるので、磁気記録層の組成の最適化を行った。
さらに、潤滑層まで形成して、記録再生特性の評価を行ったところ、Cuに酸化物を加えた場合には、Cuだけの場合よりもさらにSNRmを改善する効果が得られ、例えばTiOを40〜50体積%添加した場合のSNRmは24.5dBという非常に良好な値が得られた。
また、酸化物としてTiO、TiO2、SiO、Cr23を混ぜ合わせてスパッタリングした場合でも、(酸化物を添加することによる)粒径微細化および媒体ノイズ低減効果が認められた。
酸化物を添加したCuについては、微細化の促進やSNRm改善のためにスパッタ量の増減を行ったが、例えば平均層厚2nm相当で添加量を50体積%とした場合でも酸化物の割合は1nm相当であり、量が少ないために一般に検出が難しい。そこで、酸化物がどのように働いているのかを調べるために、SIMSを用いて深さ方向分析を行ったところ、位置の特定には難があるものの、おおよそCuと同様にTi下地層とRu中間層の境界付近に存在していることが分かった。
また、CuとTiOを同時にスパッタして20nmまで厚く積層した薄膜について、XRD測定を行ったところ、ピーク位置に関してはシフトすることなくCuのみの場合と同様の結果が得られた。このことからCuは、ほとんどTiと結合したり酸化したりすることなく、TiOと相分離しているものと推定できる。CoPtCr−SiO2記録層の分析結果も考慮すると、必ずしも膜中に化学量論比で酸化物が存在している訳ではないが、一般に、酸化物を添加することで、結晶質の粒の周囲をアモルファスの粒界層が囲むようなグラニュラ構造ができ、結晶質の粒の粒子径を微細化する効果を期待することができる。
さらに、Cu製膜後のAFM測定結果では、(微細化効果はあるものの)基本的に酸化物を添加しない場合と同様に明瞭なアイランドを観察できたことも考え合わせると、酸化物はCu粒の間に露出したTi下地層上すなわちCuからなる第2の金属下地層の開孔に存在するものと考えられる。
XRD上では特に結晶配向の悪化は見られていないことから、酸化物を介在していてもTi層上に成長するRu層の結晶配向は悪化していなかった。実際には、この結果から例えば平均層厚0.5nm相当程度、つまり原子の大きさの2倍程度のオーダー厚さのTiOは、化学量論比1:1の化合物状態の薄膜で存在している訳ではなく、特にOは、Ti層やRu層に若干拡散しているものと考えられる。このような状態であれば、実質的にTi層上にRu層が成長したとみなすことができ、酸化物は第3の金属下地層の結晶配向を悪化させることなく、むしろ第3の金属下地層粒子の微細化効果を期待することができる。
また、別途、Cu−TiOを平均層厚10nm相当まで厚く製膜してAFM観察を行ったところ、Cu粒子の径は肥大化したものの、丸に近い形状で、きれいに分離し、その表は十点表面粗さRz10nmの凹凸を有する構造となっていることが分かった。この上にRu中間層を形成したところ、Cuのみの平均層厚を10nm相当とした場合のような凹凸は見られず、Ru表面は3nm程度のRu粒子の凹凸しか残らない状態まで平坦化されていた。Cu−TiO表面の凹凸が埋められたのは、母材のTiOの中のTiが寄与したものと推測できる。ただし、Ti下地層が露出している場合とは異なり、Ru粒子の微細化効果は見られなかった。この結果から、グラニュラの母材に使う酸化物のベースとなる金属には、下地層と同じかRuと親和性の高い材料から選ぶのが好ましいと考えられる。しかしながら、酸化物、下地層表面を厚く覆うほどの厚さであると、Ru粒子の微細化を妨げると考えられる。
以上のように、第2の金属下地層の形成時に同時に酸化物層を形成し、好ましくはこれにより第2の金属下地層の開孔にさらに酸化物層を設けることにより、第3の金属下地層の結晶粒子の微細化、及びその上に形成される磁気記録層の微細化が可能となる。
なお、第2の金属下地層の金属粒が微細化し、その粒子間距離が短くなった場合、表面に金属粒が形成された第1の金属下地層上に成長する第3の金属下地層の微細化モデルは、図13ないし図15に示すモデル図よりもさらに単純化できる。
図16ないし図18に、第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の他の一例を表すモデル図を示す。
図16は、第1の金属下地層21上に第2の金属下地層を構成する微細な金属粒24’が形成された状態を示す。図示するように、スパッタ量が同じとすれば、粒径が小さくなった分だけ粒子密度が高くなり、粒子間隔が狭くなる。図17は、微細な第2の金属粒24’上に第3の金属粒子25’が形成され始めた状態を示したものである。元々金属粒子24’の直上には成長しにくいのに加えて、金属粒子24’が小さくなっているので、第3の金属粒子25’は全て、第2の金属下地層の金属粒子24’の間に露出した第1の金属下地層22上に選択的に成長するものと考えることができる。この状態から第2の金属下地層の金属粒子24’が、金属粒子25’の面内方向の肥大化に対するストッパとして働き、図18のように第3の金属下地層の粒子が微細化された状態で柱状に成長すると考えられる。
図17に示すような構造の場合には、第3の金属粒子25’が第2の金属粒子24’上に成長しにくいので、第3の金属粒子25’の微細化は第2の金属粒子24’の結晶構造や結晶配向によらない。また、第2の金属粒子24’の間隔が狭く、その間に複数の第3の金属粒子25’の核が形成されなくなることから、第3の金属粒子25’としてRuのように粒径が小さくなりやすいという材料の特性を利用しなくても微細な第3の金属下地層を得ることができる。
実験例5
上記実験例1ないし4の各垂直磁気記録媒体を、スピンスタンド評価で用いたものと同様のヘッドと組み合わせて磁気記録再生装置を作製した。
記録再生動作を行い、bER(ビット誤り率)の評価を行ったところ、上述したSNRm改善に対応するbERの改善が得られた。面内磁気記録用のリングタイプヘッドでも評価を行ったところ、垂直磁気記録用ヘッドと比較してbERが低下した。記録素子の形状の違いから記録能力の低下などが起こり、SNRmや記録分解能が低下したと考えられ、垂直磁気記録用ヘッドの方が好ましいことが分かった。
また、ここでは磁気記録再生装置における有効性を示したが、本発明が効果を示す磁気記録媒体の性質上、本発明は、磁気ディスク装置に限らず、テープ媒体やドラム状媒体などを用いた場合など、磁気記録媒体の形状に依存することなく、広く垂直磁気記録方式を採用した磁気記録再生装置全般において、その効果を発揮することが可能である。
本発明に係る垂直磁気記録媒体の一例の断面構造を表す模式図 本発明に使用され得る金属の2元状態図の例 本発明に使用され得る金属の2元状態図の例 本発明に使用され得る金属の2元状態図の例 本発明に係る垂直磁気記録媒体の他の一例を表す概略的な断面図 本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の例の断面構成を表す模式図 本発明の垂直磁気記録媒体のさらにまた他の一例の断面構造を表す模式図 本発明にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図 第2の金属下地層の表面状態を表すAFM測定写真 第2の金属下地層の表面状態を3次元的にプロットした図 第3の金属下地層の初期段階の表面構造 本発明に係る垂直磁気記録媒体の一例の断面TEM写真 第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の一例を表すモデル図 第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の一例を表すモデル図 第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の一例を表すモデル図 第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の他の一例を表すモデル図 第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の他の一例を表すモデル図 第2の金属下地層の上に第3の金属の粒子が堆積する様子の他の一例を表すモデル図
符号の説明
1…基板、2…第1の金属下地層、3…開孔、4…第2の金属下地層、5…第3の金属下地層、6…多層下地層、7…垂直磁気記録層、8…酸化物、9…軟磁性裏打ち層、10,20,30,40…垂直磁気記録媒体、11…保護層、110…ケース、112…磁気ディスク、113…スピンドルモータ、114…ヘッドアクチュエータ、116…ボイスコイルモータ、117…フレキシブルプリント回路基板ユニット、118…ランプロード機構、120…イナーシャラッチ機構、121…クランプばね、133…磁気ヘッド

Claims (13)

  1. 基板と、
    該基板上に設けられた第1の金属下地層、該第1の金属下地層上に設けられ、開孔をもつ第2の金属下地層、及び該第2の金属下地層上に設けられ、該第1の金属下地層に対し固溶性を有し、かつ該第2の金属下地層に対し非固溶性を有する第3の金属下地層を含む多層下地層と、
    該多層下地層上に設けられた磁気記録層とを具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記第2の金属下地層及び前記第3の金属下地層は、六方最密充填構造または面心立方格子構造であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記第3の金属下地層は、ルテニウムであることを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記ルテニウムの結晶粒径が8nm未満であることを特徴とする請求項3に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記第2の金属下地層は、銅、銀、及び金からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記第2の金属下地層は、銅であることを特徴とする請求項5に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記第2の金属下地層の開孔に、さらに酸化物層が設けられている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 前記酸化物は、チタン酸化物である請求項7に記載の垂直磁気記録媒体。
  9. 前記第1の金属下地層は、六方最密充填構造及び面心立方格子構造のうち1つである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 前記第1の金属下地層は、チタン、ニッケル、パラジウム、及び白金からなる群から選択される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  11. 前記第2の金属層は、その平均層厚がその十点平均粗さRzよりも小さい条件でスパッタを行うことにより形成されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  12. 前記基板と、前記第1の金属下地層との間に軟磁性層をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、単磁極型磁気ヘッドとを具備する垂直磁気記録再生装置。
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