JP5127950B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気記録媒体に関する。
現在,HDDの媒体にはCoCrPt−酸化物グラニュラ型の磁気記録層が用いられているが,面記録密度を高めるためにはCoCrPt磁性粒子を小さくする必要がある。しかし,磁性粒子を小さくすると熱安定性が低下し,データが消失しやすくなる。熱安定性は垂直磁気異方性を高めることにより改善することができるが,高速磁化反転時の保磁力も高くなって,ヘッドの記録磁界より大きくなると十分な記録ができなくなってしまう。
BPM(Bit Patterned Media)という解決策も検討されているが,磁気記録層を加工する際に媒体表面の平坦性が悪化してヘッドとメディアの接触が発生しやすくなるため,表面加工を行わない媒体の方が好ましい。また,BPMでは加工時にサーボやデータビットの位置が決まってしまうが,媒体完成後に自由に設定できる方が望ましい。
このようなことから、PPM(Percolated Perpendicular Media)という媒体が提案されている。PPMでは、磁壁移動型の磁性層中に空孔や非磁性のピニングサイトを形成して磁壁をピン止めすることによりビットを維持する。磁壁に囲まれた1ビットが熱揺らぎの単位となるため熱安定性が高く,磁壁移動により保磁力が低くなるので記録のしやすさが期待できる。しかしながら、実験的には,例えばCoPt−酸化物ベースのPPMは垂直磁気異方性不足と加熱の問題があり,Co/Pt−空孔型のPPMは基板を加工するため表面の平坦性に問題があった。
Dieter Suess et al,「ジャーナル・オブ・アプライドフィジクス(Journal of Applied Physics)」 99巻, p.8G905 (2006) Jian-Gang Zhu et al.,「IEEE トランサクション・オン・マグネティクス(IEEE Transaction on Magnetics)」 43巻, p.687 (2007) David E. Laughlin et al., 「IEEE トランサクション・オン・マグネティクス(IEEE Transaction on Magnetics)」43巻, p.693 (2007) M.Tofizur Rahman et al., 「アプライド・フィジクス・レター(Applied Physics Letter)」92巻, p.132505 (2007)
本発明の実施形態は、熱安定性と記録容易性を両立させ,高い面記録密度が得られる垂直磁気記録媒体を提供することを目的とする。
実施形態によれば、 基板、及び
該基板上に設けられた、磁性層と非磁性層とを交互に各々二層以上積層した多層磁気記録層を備え,
前記磁性層と前記非磁性層はそれぞれ連続層であり、
前記磁性層は、磁性材料部と、該磁性材料部に分散され、前記非磁性層の主成分である非磁性材料とは異なる非磁性金属からなる複数のピニングサイトとを有し,
保磁力付近における磁化曲線の傾きαが5以上となる磁気特性を有する垂直磁気記録媒体が提供される。
第1の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例を表す模式的な断面図である 第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の他の一例を表す模式的な断面図である 図1の多層垂直磁気記録層を平面から見た構造を模式的に表す図である 実施形態にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図である 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の極Kerr効果評価装置による磁化曲線である 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の断面の走査型透過電子顕微鏡写真図である 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のHc,Hn,HsとAg層厚との関係を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のKu,Hk,MsとAg層厚との関係を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の他の一例のHc,Hn,HsとAg層厚との関係を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の他の一例のKu,Hk,MsとAg層厚との関係を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の再生波形を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の他の一例の再生波形を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体のさらに他の一例の再生波形を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体のさらにまた他の一例の再生波形を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のHc,Hn,HsとCu層厚との関係を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のKu,Hk,MsとCu層厚との関係を表すグラフである 実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルを上から見た図である 第1の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の面内方向のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの一例を表す画像を示す写真である 第1の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の他の一例の面内方向のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの一例を表す画像を示す写真である 第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの斜視図である 第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の面内方向のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの一例を表す画像を示す写真である 第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の面内方向のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの一例を表す画像を示す写真である
実施形態によれば、基板と、基板上に設けられた、磁性層と非磁性層とを交互に各々二層以上積層した多層磁気記録層を備えた垂直磁気記録媒体が提供される。
多層磁気記録層の磁性層と前記非磁性層はそれぞれ連続層である。磁性層は、磁性材料部と、磁性材料部に分散され、前記非磁性層の主成分である非磁性材料とは異なる非磁性金属からなる複数のピニングサイトとを有する。また、この垂直磁気記録媒体は、保磁力付近における磁化曲線の傾きαが5以上となる磁気特性を有する。
尚、ここでは、主成分とは、物を構成する材料の中に一番多く含まれる成分例えば元素あるいは化合物等のことをいう。
また、実施形態によれば、上記垂直磁気記録媒体と磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置が提供される。
実施形態によれば、垂直磁気記録媒体の磁気記録層にピニングサイトを有する多層膜を用いることで,高い熱安定性と記録容易性を両立させ,高い面記録密度が得られる。
実施形態に係る垂直磁気記録媒体では,高い垂直磁気異方性の得られる人工格子をベースに,磁性金属とは非固溶のピニングサイトを埋め込むことができる。ピニングサイトとして酸化物を用いると粒界に析出する構造になりやすいので,実施形態にかかる垂直磁気記録媒体では磁性金属とは非固溶のピニングサイトとして金属を用いることにより,微細で結晶性も良い粒子状のピニングサイトが形成されやすくなると考えられる。
<基板>
基板としては、例えばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板や、酸化表面を有するSi単結晶基板等を用いることができる。
ガラス基板の材料としては、例えばアモルファスガラス、結晶化ガラスがあげられる。アモルファスガラスとしては、例えば汎用のソーダライムガラス、及びアルミノシリケートガラス等を使用できる。また、結晶化ガラスとしては、例えばリチウム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基板としては、例えば汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが使用可能である。
あるいは、基板として、上記金属及び非金属の基板等の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。
また、基板上への薄膜の形成方法として、スパッタリング法のみを取り上げたが,真空蒸着法や電解メッキ法などでも同様の効果を得ることができる。
<軟磁性裏打ち層>
実施形態において、基板と垂直磁気記録層との間に高透磁率な軟磁性裏打ち層を設けることにより、いわゆる垂直二層媒体を構成することができる。この垂直二層媒体において、軟磁性裏打ち層は、垂直磁気記録層を磁化するための磁気ヘッド例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁気記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
軟磁性裏打ち層には、例えばFe、Ni、及びCoを含む材料を用いることができる。
このような材料として、FeCo系合金例えばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金例えばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金例えばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金例えばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金例えばFeZrNなどを挙げることができる。
また、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrN等の微結晶構造、あるいは微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることができる。
軟磁性裏打ち層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、及びYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることができる。Coは、好ましくは80原子%以上含まれる。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすく、アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示す。
このようなアモルファス軟磁性材料としては、コバルトを主成分とし,ジルコニウムを副成分として含有する合金例えばCoZr、CoZrNb、及びCoZrTaなどのCoZr系合金を挙げることができる。以上の材料には、アモルファスを形成しやすくするなどの目的で,さらにBを加えることができる。
また、軟磁性裏打ち層にアモルファス材料を用いた場合には,アモルファス系の基板と同様に、その上に形成する金属層の結晶配向に直接的な影響をほとんど与えなくなるために,材料を変更しても磁気記録層の構造や結晶性に大きな変化はなく,基本的に同様の磁気特性および記録再生特性が期待できる。CoZr系合金のように3つ目の元素が異なる程度であれば,飽和磁化(Ms),保磁力(Hc),及び透磁率(μ)などの違いも小さいので,ほぼ同等の磁気特性および磁気記録再生特性が得られる。
<非磁性下地層>
本発明の垂直磁気記録媒体において、基板あるいは基板上に設けられた軟磁性裏打ち層と、垂直磁気記録層との間に非磁性下地層を設けることができる。
非磁性下地層としては,例えばRuやTiを使用することができる。RuやTiは記録層の主成分のCoやPt,Pdと同じ最密結晶構造であり,格子ミスマッチも大き過ぎず,粒径も小さくて柱状成長させやすいなどの点で好ましい。
また,製膜中のArガス圧を高めることにより,さらに粒径を微細化した上に,粒径の分散も改善し,粒子間の分断も促進することができる。この場合,結晶配向は悪化する傾向にあるが,必要に応じて,結晶配向を高めやすい低ガス圧の非磁性下地層と組み合せることでそれを補うことができる。前半を低ガス圧,後半を高ガス圧とする方が好ましく,後半のガス圧については,相対的に前半のガス圧より高ければ同様の効果が期待でき,10Pa以上でも構わない。また,層圧比は,結晶配向を優先するのであれば低ガス圧層の方を厚く,粒径の微細化などを優先するのであれば高ガス圧層の方を厚くすると良い。
粒子間の分断に関しては,酸化物を添加することによりさらに促進することができる。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化クロム、及び酸化チタンからなる群から選択されるもののうち少なくとも1種が好適である。
なお,非磁性下地層にはfccの金属を用いても,(111)配向とすることによりCo系記録層をhcp(00.1)配向とすることができるので,例えばRhやPd,Ptなどを使用することができる。また,Ru、Rh、Pd、及びPtからなる群から選択される少なくとも1種と、Co、及びCrからなる群より選択された少なくとも一種とからなる合金を使用することもできる。さらに,例えばB,Ta,Mo,Nb、Hf、Ir、Cu、Nd、Zr、W、及びNdからなる群より選択された少なくとも一種を添加することができる。
また,この垂直磁気記録媒体は、複数の非磁性下地層を積層して,磁気記録層の結晶粒径や結晶配向を改善することができる。これらの改善によって非磁性下地層を薄くすることができれば,磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層の距離(スペーシング)を短くして記録再生特性を改善することもできる。軟磁性裏打ち層に近い側の非磁性下地層については,軟磁気特性を持たせることができれば,裏打ち層としても機能するので,さらに磁気ヘッドとの距離を短くすることができて好適である。
本発明における非磁性下地層の材料としては,hcpやfccの金属が結晶配向を高めやすいという利点があるが,垂直磁気記録層と接しない側の下地層にはbccの金属を用いることが可能で,結晶構造の違いにより下地層の結晶粒径を微細化する効果が期待できる。複数材料の積層は必須ではないが,設けるのであれば好適な材料は、例えばRu,Pd,Pt,Ni,Ta,Ti,Al及びその合金からなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。さらに特性を改善するために,これらの材料を混ぜ合わせても良いし,別の元素を混ぜても良く,またそれらを積層しても良い。
また、Ti、Pt、及びAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属を主成分とする非磁性下地層を多層磁気記録層と接触して設けることができる。多層磁気記録層中にはピニングサイトが含まれるが,ピニングサイトの大きさ,その分散,配置や密度などは,その直下の下地となる層の影響を受けると考えられる。ピニングサイトとしてCu、Ag、及びAuからなる群から選択される少なくとも1種を主成分とする金属を用いた場合には,このような非磁性下地層を設けることにより、適度な分布でピニングサイトが形成され,良好なピン止め効果を示す垂直磁気記録媒体が得られる傾向がある。
非磁性下地層の厚さは,好ましくは0.1ないし50nm,より好ましくは4ないし30nmである。Ruに限らず,一般に下地層は厚くした方が結晶性が高めやすくなるため好ましいが,平均層厚が1原子層以下で島状に点在した構造となっても結晶粒径や結晶配向を改善する効果が期待できる場合がある。非磁性下地層が良好な特性を示す軟磁性体であればスペーシングの観点からは最大値の制限はなくなるが,磁性がない場合には厚くし過ぎるとスペーシングの増加により磁気ヘッドによる記録能力や記録分解能の低下を招くことになる。
<垂直磁気記録層>
図1に、実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例を表す模式的な断面図を示す。
図2に、実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の他の一例を表す模式的な断面図を示す。
図3に、図1の多層垂直磁気記録層を平面から見た構造を模式的に表す図を示す。
一実施形態にかかる垂直磁気記録層10は,図1に示すように,基板1上に、非磁性層2−1,2−2,2−3,2−4,2−5と磁性層3−1,3−2,3−3,3−4とを交互に積層した多層構造となっている。磁性層3−1,3−2,3−3,3−4は、磁性材料部に分散され、前記非磁性層の主成分である非磁性材料とは異なる非磁性金属からなる複数のピニングサイトを有する。また、非磁性層2−1,2−2,2−3,2−4,2−5は、非磁性材料部内に分散され、非磁性材料とは異なる非磁性金属からなる複数のピニングサイトを含み、非磁性層中のピニングサイトは、隣接する磁性層中のピニングサイトと互いに連結して柱状のピニングサイト4を構成している。なお、図1では模式的に柱状のピニングサイトが多層磁気記録層を膜面に垂直に貫いているが,曲がったり不連続であったりしても良い。
また、他の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体20は、図2に示すように、基板1上に、非磁性層12−1,12−2,12−3,12−4,12−5と磁性層13−1,13−2,13−3,13−4とを交互に積層した多層構造となっている。磁性層13−1,13−2,13−3,13−4は、磁性材料部に分散され、前記非磁性層の主成分である非磁性材料とは異なる非磁性金属からなる複数のピニングサイト14を有する。ピニングサイト14は磁性層13−1,13−2,13−3,13−4の膜面内に分散して点在した構造となっている。
磁性層が膜面内で磁気的に強く結合していて磁化反転が磁壁移動によって行われる媒体では,上記のような非磁性の領域は磁壁の移動を抑制するピニングサイトとして働く。ピニングサイトは図3のように規則的に配列することが好ましいが,通常のスパッタプロセスでは規則配列は困難であり,図2のように不規則な配列でも良い。
なお,磁壁の厚さがピニングサイトの直径より厚いとピニングされない傾向があり,マイクロマグネティクスシミュレーションにより計算してもそのような結果が得られるので,磁壁厚はピニングサイト径よりも薄くする必要がある。
例えば3Tbits/inch程度の面記録密度の場合,ヘッド走行方向のビット長は(トラック幅にもよるが)10nm程度になるため,ビット間の遷移領域となる磁壁の厚さは5nm以下が必要になると予想される。
磁壁の厚さδは,交換スティフネス定数Aと磁気異方性定数Kにより,下記式(1)
δ=π√(A/K)…(1)
で与えられるので,例えば交換結合が強い場合(A=1μerg/cm)に磁壁厚を5nmとするためには,K=4×10erg/ccのかなり高い磁気異方性が必要となる。面記録密度が低い場合や,Aを小さくしたりすることにより,要求されるKの値を小さくすることはできるが,ここでは例えば1×10erg/cc以上が好ましい。
ピニングサイト径はKu(一軸結晶磁気異方性定数;結晶軸が膜面垂直方向を向いている場合には垂直磁気異方性)次第だが,大きい方がピニングエネルギーが高く熱安定性を高めることができる。一方,記録密度が高まると1ビットも小さくなるのでピニングサイト径も小さくする必要があり,例えば4nm程度が好ましい。ピニングサイトの密度はピニングサイト径や要求される面記録密度次第ではあるが,例えば50%以下くらいが目安となる。
Co/Pt,Pd系の人工格子は,通常結晶質で最密面が配向した場合に1×10erg/cc以上の高Kuが得られるので,高い面記録密度を得ることができる。磁性層にはCo,非磁性層にはPtやPdを利用するのが好ましい。CoはFeや希土類と比較して耐食性が高い点も好ましい。
非磁性ピニングサイトの材料は磁性層とは混じらない必要がある。磁性粒子にCoのような金属を用いる場合,分離しやすい材料として一般には酸化物が選ばれることが多いが,従来のグラニュラ型の磁性層のように粒界に偏析しやすい傾向にある。
そこで、本発明では磁性層と非固溶の金属をピニングサイトとして用いる。その方が粒界に析出せずに円い粒子状のピニングサイトを形成しやすく,結晶性も良く,微細化も進めやすいと考えられる。磁性層がCoの場合には,Cu,Ag,Auが好ましい。
垂直磁気記録層は、Co、Pd、Pt、Cu、Ag、及びAu等の主成分のほかに、副成分としてB、C、N、O、Si、Cr、Fe、Ni、Nb、Mo、Ru、Rh、Ta、及びWから選ばれる1種類以上の元素を含むことができる。上記元素を含む事により、磁性結晶粒子の微細化を促進、あるいは結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得ることができる。
上記副成分の合計の含有量は、8原子%以下であることが好ましい。8原子%を超えた場合、磁性層の結晶性、配向性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱安定性が得られない傾向がある。
磁性層の層厚は,一般に薄いほど高Kuが得られるが,1原子層程度よりも薄くしすぎると逆にKuが低下する傾向があるため,0.2ないし1nmが好ましい。例えば0.4nmにすることができる。
非磁性層の層厚は,高Kuが得られるように最適化するのが良い。垂直磁気記録層に用いられる材料の他,非磁性下地層の材料などにも依存するが,[Co/Pt]や[Co/Pd]多層膜であれば,好ましくは0.2ないし2nm,より好ましくは0.4ないし1.2nmである。
なお,多層磁気記録層においては,磁性層が十分に非磁性層に挟まれることで大きな界面磁気異方性が得られるため,磁性層の厚さは非磁性層の厚さと同等あるいはそれ以下が好ましい。
磁性層や非磁性層の層厚は,1層目から最上層まで全て同じである必要はなく,各層厚を調整することで膜厚方向のKuやMsを変化させ異方性磁界Hk(=2Ku/Ms)を適宜調節することができる。例えば磁気ヘッドで記録を行う際,垂直磁気記録層のヘッドに近い部分は記録磁界が大きくヘッドから遠いほど小さくなるので,それに合わせて記録層上部のHkを高く下部のHkを低めに設定することができる。
多層磁気記録層の層数は、好ましくは3ないし40層、より好ましくは5ないし20層である。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置として動作し得る。多層磁気記録層の層数が3層未満であると、磁性層の層数が少なく再生出力が低過ぎてシステムノイズの比率が高くなる傾向があり、多層磁気記録層の層数が40層を超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。
垂直磁気記録層の保磁力Hcは、2kOe以上とすることが好ましい。保磁力Hcが2kOe未満であると、ピニングが不十分で高い面記録密度を得にくい傾向がある。
垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.9以上であることが好ましい。垂直角型比が0.9未満であると、結晶配向が悪化しているか,部分的に熱安定性が低下した構造が形成されている可能性がある。
Hc付近における磁化曲線の接線と負の飽和値との交点の磁界を核生成磁界Hnとすると,HnはHcより小さくなるが,再生出力,熱揺らぎ耐性,隣接トラック記録時の情報消去耐性などの観点からはなるべく大きい方が好ましい。しかしながら,Hnを大きくすると言うことは,Hc付近における磁化曲線の傾きαを大きくするということになるが,従来のグラニュラ型の垂直磁気記録媒体ではαを大きくするとS/N比が低下する傾向があり好ましくなかった。
ここで,一般に保磁力Hc付近における磁化曲線の傾きαは,下記式(2)のように表記される。
α=dM/dH|H=Hc…(2)
実施形態では,CGS単位系のMs(emu/cc),Hc,Hn(Oe)を用いて下記式(3)のように定義する。
α=4πMs/(Hc−Hn)…(3)
なお,磁気記録層が磁性層と非磁性層を交互に積層した多層構造の場合,磁性層のみの体積を用いてMsを計算する場合が多いが,ここではグラニュラのような単層の磁性層との比較も考慮して,Msおよびαの数値を表示する際には,基本的には非磁性層も含めた多層磁気記録層全体の体積を用いることにする。
垂直磁気記録層のHc付近における磁化曲線の傾きαは,磁性粒子間の交換結合が静磁結合に比べて十分に小さくなった場合にほぼ1になることが知られている。交換結合が強くなると(Hc−Hn)が小さくなり,αは1より大きくなる。現在実用化されているグラニュラ型の垂直磁気記録媒体では,多少粒子間結合を強めた方が総合的に良好な記録再生特性が得られるため,αは2前後となっている。しかしながら,基本的には粒子間結合が弱い方が高い線記録密度で高いS/N比が得られる傾向があり,グラニュラ型の垂直磁気記録媒体では,αが3よりも大きくなるような強い粒子間結合は好ましくない。αが5以上ともなると,磁性粒子はそれぞれ独立した磁化反転ではなく,隣接する粒子の反転に引っ張られて反転する傾向が強くなると言える。
ここで,磁壁移動型の磁化反転でよく知られている軟磁性体ではHcやHnの値が小さいこともあって,αは1000から10000と言ったような大きい値になる。磁気記録層に用いられる硬磁性体は,磁気異方性が大きいために磁化回転しやすく磁壁に相当する遷移領域も格段に薄くなることから,αが大きい場合でも磁壁移動型と表現するのが適切でない場合も考えられるが,αが5以上ともなると磁化反転の進行過程はほぼ磁壁移動型と同様と考えられる。
本発明の磁気記録媒体は,従来のグラニュラ媒体の磁化回転型ではなく,磁壁移動型の磁化反転を前提としているため,Hc付近における磁化曲線の傾きαは5以上であり,Hnを大きく確保できるため好ましい。
<保護層>
保護層は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐことができる。その材料としては、例えばC、SiO、ZrOを含むものがあげられる。
保護層の厚さは、1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。
また、保護層上には、図示しない潤滑層を設けることができる。
潤滑層に使用される潤滑剤としては、例えばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
<磁気記録再生装置>
図4に、実施形態にかかる磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
図4に示されるように、実施形態にかかる垂直磁気記録装置30は、上面の開口した矩形箱状の筐体31と、複数のねじにより筐体31にねじ止めされる筐体の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーを有している。
筐体31内には、実施形態にかかる垂直磁気記録媒体32、この垂直磁気記録媒体32を支持及び回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ33、磁気記録媒体32に対して磁気信号の記録及び再生を行う磁気ヘッド34、磁気ヘッド34を先端に搭載したサスペンションを有し且つ磁気ヘッド34を垂直磁気記録媒体32に対して移動自在に支持するヘッドアクチュエータ35、ヘッドアクチュエータ35を回転自在に支持する回転軸36、回転軸36を介してヘッドアクチュエータ35を回転、位置決めするボイスコイルモータ37、及びヘッドアンプ回路38等が収納されている。
磁気ヘッド34は、図示しないほぼ矩形状のスライダに形成されたいわゆる複合型ヘッドであり、単磁極構造のライトヘッドと、GMR膜やTMR膜などを用いたリードヘッドと記録再生用のMR(磁気抵抗)ヘッドとを有する。
<垂直磁気記録媒体の作製>
非磁性基板として、ディスク状の洗浄済みのガラス基板(オハラ社製、外直径2.5インチ)を用意した。このガラス基板をマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ社製C−3010)の製膜チャンバ内に収容して、到達真空度4×10−5Pa以下となるまで製膜チャンバ内を排気した後、特に断らない限りガス圧約0.6PaのAr雰囲気中で、以下のようにDCマグネトロンスパッタリングを行った。
非磁性基板上に、まず、軟磁性裏打ち層として、厚さ30nmのCoZrNb合金,厚さ0.7nmのRu,及び厚さ30nmのCoZrNb合金を順次形成した。なお,これら2層のCoZrNb層は,その間に設けたRuにより反強磁性的に結合している。
次に、CoZrNb層上に、厚さ8nmのPd層を形成した。
続いて、厚さ10nmのRu層を形成した。なお,Ru層の製膜後にArガス圧を6Paまで高めてから,さらに厚さ10nmのRu層を積層しても良い。
さらに,厚さ5nmのTi層を積層して,合計23nmの非磁性下地層を形成した。
その後,Arガス圧を3Paまで高めてから,以下のような手順で多層磁気記録層の製膜を行った。
まず,厚さ0,0.2,0.4,または0.6nm相当のAgのスパッタリングを行った。
次に,厚さ0.8nmのPt層を製膜し,さらに厚さ0.4nmのCo層を積層した。ここで,Co層を製膜する際に,層厚にして0.2nmまたは0.4nm相当のAgも同時にスパッタリングすることにより,磁性層をCo−25原子%AgまたはCo−40原子%Ag(設計値)とした媒体の作製も行った。
以上のような手順を8回繰り返した後,最後のCo層の上にさらに厚さ0.8nmのPt層を積層して多層磁気記録層を形成した。
このようにして得られた多層磁気記録層をここでは[Ag/Pt/Co]8,[Ag/Pt/Co−25原子%Ag]8,または[Ag/Pt/Co−40原子%Ag]8と表示する。この場合、得られた垂直磁気記録媒体は、基板/軟磁性裏打ち層/Pd(8nm)/Ru(10nm)/Ti(5nm)/多層磁気記録層の順に積層されている。
続いて、多層磁気記録層上に、厚さ6nmのC保護層を積層した。
上述のように保護層まで積層した後,製膜チャンバから取り出し、ディッピング法により、保護層上に厚さ1.5nmのパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成して、垂直磁気記録媒体を得た。得られた垂直磁気記録媒体は、潤滑層が図示されていないこと以外は、図1と同様の構成を有する。
多層磁気記録層を[Ag/Pt/Co]8として製膜時にArガス圧を高めた効果の例を図5に示す。
図5は、製膜後の媒体の極Kerr効果評価装置による磁化曲線の測定結果である。
図中、101は、製膜時のArガス圧5Paの場合,102は製膜時のArガス圧3Paの場合,103は製膜時のArガス圧0.7Paの場合を各々示す。
図5によりArガス圧を高めるとHcが増加していく様子が分かる。これは多結晶であるCoの粒子間に僅かな隙間ができて粒界で交換結合が弱くなり,磁壁が移動しにくくなった結果であると推定される。これは上述した交換スティフネス定数Aを弱めたことになり,粒界近傍での磁壁の薄膜化が期待できる。
ここで,Hcにおける磁化曲線の傾きαは,0.7Pa,3Pa,5Paの時,それぞれ24,23,8(Msの計算に磁性層のみの体積を用いた場合;多層磁気記録層全体の体積を用いた場合には,それぞれ97,91,32)である。5Paまで上げると明らかに傾きαは小さくなるが,それでも5よりは十分に大きいことから,粒子間結合はグラニュラのようには弱くなっておらず,磁壁移動型の磁化反転をしていることが分かる。上記実施例では,Kerrループの傾きが十分に大きい状態でHcが適度に増加しているArガス圧3Paを採用した。
多層磁気記録層を[Ag(0.4)/Pt/Co−25原子%Ag]8とした時の断面構造について,走査型透過電子顕微鏡による暗視野像(DF−STEM像)を図6に示す。括弧内の数値は厚さ、単位は(nm)である。DF−STEM像では,平均原子番号の小さい原子は黒っぽく見え,大きくなるにつれて白く見える。黒っぽく見えるCo層と白っぽく見えるPt層の多層構造が形成されていることが分かる。Co−Ptは全率固溶系であるので,Co層上のPt,Pt層上のCoともに,アイランドを形成せず表面を覆うように成長しやすいことからも,膜面内で連続的に層を形成していると考えられる(拡散して組成変調がかかったような層構造になっているとしても)。図5において,低圧で製膜した場合にHcが非常に小さくなり,磁壁がスムーズに移動してピニングがほとんど起きていないことからも,Co層が,したがってPt層も連続した層となっているものと推定できる。
得られた垂直磁気記録媒体について,極Kerr効果評価装置(ネオアーク社製),VSM(振動試料型磁力計;理研電子社製),およびトルク磁力計(東英工業社製)を用いて磁気特性の測定を行った。
極Kerr効果評価装置は,(軟磁性裏打ち層付きの)垂直磁気記録媒体の表面側にある磁気記録層の磁化曲線を測定することができるが,その飽和磁化Msを測定することができない。VSMやトルク磁力計でも,軟磁性裏打ち層が付いている場合,それと垂直磁気記録層を合わせて測定してしまい,上手く分離して評価することは困難である。そのため,VSMでMsやトルク磁力計でKuなどを測定する場合には軟磁性裏打ち層は製膜せず,代わりにほぼ同様の磁化曲線を得ることができるほとんど磁性のないNiTa層を形成したサンプルを用いている。
以下では特に断らない限り,どの磁化曲線も膜面垂直方向の測定結果であり,メジャーループを測定する際の標準的な掃引時間は,極Kerr効果評価装置が45秒,VSMが3分とした。
多層磁気記録層をArガス圧3Paで成膜した[Ag/Pt/Co]8とした時の,保磁力Hc,核生成磁界Hn,飽和磁界HsのAg層厚依存性を図7に,磁気異方性定数Ku,異方性磁界Hk,飽和磁化MsのAg層厚依存性を図8に示す。
図7中、201はHs,202はHn、203はHcを示す。
図8中、301はMs,302はHk、303はKuを示す。
図8においてKuは大きな変化がなくHkは2割程度しか増加していないのに対し,図7のHcは8割程度も増加していることが分かる。Hkの増分を大幅に上回るHcの増加は,人工格子中に磁壁の移動を抑制するものができたことを意味しており,ピニングサイトの形成に成功したと考えられる。また,2.5〜3×10erg/ccの高Kuが得られており,上述の高Arガス圧化と合わせて,薄い磁壁が形成されていると推定できる。薄い磁壁はビット間の遷移領域の狭小化にも寄与するが,同じピニングサイト径に対してピニングエネルギーがより高くなるので熱安定性の向上にも有効である。Kuの値が通常のCoCrPt−酸化物系グラニュラ媒体より1桁高いことから,Msも高いものの、Hkは40〜50kOeとなっており,これは通常のグラニュラ媒体の3倍程度に相当する。グラニュラ媒体ではHcもそれに応じて大幅に増加し(熱などのアシストなしでは)到底記録不可能なほど大きい値となるが,磁壁移動型の本実施例では現行のグラニュラ媒体と同程度の5kOe前後のHcに抑えられている。したがって,表面が平坦でヘッドの浮上が良好な非加工型連続媒体として,磁気記録層にピニングサイトを有する多層膜を用いることで,高い熱安定性と記録容易性を両立させ,高い面記録密度が得られる垂直磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記録再生装置を提供することができる。
なお,Hcにおける磁化曲線の傾きαは,Ag層厚が0,0.2,0.4,0.6nmの時,それぞれ29,24,18,17(Msの計算に磁性層のみの体積を用いた場合;多層磁気記録層全体の体積を用いた場合には,それぞれ87,83,72,78)であった。
また,Co層にAgを添加し,多層磁気記録層をArガス圧3Paで成膜した[Ag/Pt/Co−25原子%Ag]8とした時の,Hc,Hn,Hsと、Ag層厚依存性を図9に,Ku,Hk,MsのAg層厚依存性を図10に示す。
図9中、401はHc,402はHn,403はHsを各々示す。
図10中、501はKu,502はHk、503はMsを各々示す。
Hc,Hn,Hsが全体に1kOe程度小さくなり,主にPt前のAg層厚が薄い時のKu,Hkが落ち込んだ以外はほぼ同様の結果が得られた。
ここで,Agピニングサイトの形成について説明する。Ti下地層上に微量のCuを製膜すると,微細で高密度なCuアイランドが形成することができるが,CuをAgに変えても同様の構造が期待できる。PtはTiともAgともある程度混じる関係なので,Ti/Ag上にPtを製膜すると、Agアイランド上への優先的な成長ではなく、層状に形成されると予想される。Pt層は薄いためAgアイランドがすっかり覆われていないことが好ましいが,AgとPtを同時ではなく順番に製膜することによりAgとPtは原子レベルで均一に混じってしまわずに,少なくともAgアイランドがあった位置のAg濃度は高くなっていると考えられる。この上にCoとAgを同時製膜すると,CoはPtとは全率固溶でAgとは非固溶なので,CoはAgアイランドの周辺を避けてPt上に,逆にAgは1層目のAg上に優先的に積層されるはずである。これで1周期が終わり,再びCo層上にAgが製膜された場合には,やはりCoの部分を避けてAgが偏析している場所に優先的に成長すると考えられる。2層目のPtは,Ti/Ag上ではなくCoとAgが偏析した所に積層されるので,Tiの時より優先的にCo上に層を成すはずである。このように少量のAgを繰り返しに製膜することより,Ti層上にできたAgアイランドを核にして,[Pt/Co]人工格子中に柱状にAgが成長し,Co層中にAgの穴,つまりピニングサイトを形成できると考えて上記のような製膜を行った。
なお,[Ag/Co]人工格子は大きな垂直異方性が得られず面内磁化膜である。もしAgが層状か広い範囲でCoと接していると,大幅にKuが低下しHcも下がるはずであるから,磁気的な観点からもAgは小さく固まっているものと推定できる。
また,Co層のところでAgを同時製膜しなくても,図7のようなAg厚依存性は同様であることから,同時製膜のAgがなくても同様の構造ができていることが分かる。逆に,Agが多過ぎるとAgアイランドの部分が凸になったりPS以外の部分に広がったりする心配があるが,図6ではそのような様子は見られず,構造が崩れると磁気特性も悪化すると考えられるので,上記の製膜条件の範囲は適量である。
<記録再生特性>
記録再生特性に関しては、日立ハイテクノロジーズ社製 スピンスタンド RH4160Eを用いて評価を行った。また、情報の記録再生には、補助磁極先端が主磁極近くまで伸びるように形成されたシールデッドポール型の記録素子とトンネル磁気抵抗効果(TMR)再生素子を備えた垂直記録用の複合型ヘッドを用いた。記録素子の主磁極のトラック方向の幅は約300nmのヘッドを用い,半径位置は26mm,回転数は5400rpmで測定を行った。なお、ここではシールデッドポール型の記録素子を用いたが,補助磁極が主磁極から離れた従来型の単磁極型記録素子を用いることもできる。また,記録磁極の材料としてはCoFeNiを用いたが、例えばCoFe,CoFeN,NbFeNi,FeTaZr、及びFeTaNなどの材料を用いいることもできる。また、これらの磁性材料を主成分としてさらに添加元素を加えることもできる。
Arガス圧を3Paとして成膜を行った多層磁気記録層[Ag/Pt/Co]8を用いた垂直磁気記録媒体について,線記録密度約200kFCI(Flux Change / inch)で記録を行った時の再生波形を図11に示す。また,比較例として,Agピニングサイトを形成しなかった以外は実施例と同様とした時の再生波形を図12に, Arガス圧を0.7Paとした場合およびArガス圧を0.7PaとしてAgピニングサイトを形成しなかった場合の再生波形を図13および図14に示す。
図11ないし14において、各再生波形は111,112,113,114で示す。
図14はつまり何のピン止めも行っていない[Pt/Co]人工格子であり,不規則な磁区ができているだけで全く200kFCIで記録できていないことが分かる。これにAgピニングサイトを加えた図13では不十分ではあるものの部分的に200kFCIに対応する再生波形が得られており,Agの添加によりピン止め効果が得られていることが分かる。図12は図14に対してArガス圧を3Paに高めた結果であり,粒子間結合が弱まったことにより磁壁の薄膜化や粒子間でのピン止めの効果で,一部記録できていない箇所も見られるものの約200kFCIで記録できていることが分かる。図11はさらにAgピニングサイトを加えたことで,高ガス圧化効果との組み合わせで最も良好な波形を再生できていることが分かる。
ここで,さらに多層磁気記録層製膜時のArガス圧を上げて5Paとした場合でも再生波形に大きな違いは見られなかったが,7Paまで上げたところノイズが増加し再生出力の低下が見られた。7Paの時の磁化曲線は5Paの時よりさらに傾きが低下し,この時のαは4であった。粒子間の磁気的な結合が弱くなり,磁化反転モードが磁壁移動型から粒子ごとの磁化回転型に近付いていることから,記録トラックの飽和領域での逆磁区が発生しやすくなったものと予想される。このことから,本発明の磁気記録録媒体において,磁化曲線の傾きαは4以下は好ましくないものと考えられる。
ピニングサイトをCuに変更した以外は上記実施例と同様にして垂直磁気記録媒体を作製し,多層磁気記録層をArガス圧3Paで成膜した[Cu/Pt/Co]8とした時の,Hc,Hn,HsのCu層厚依存性を図15に,Ku,Hk,MsのCu層厚依存性を図16に示す。
図15中、601はHc,602はHn,603はHsを示す。
図16中、701はKu,702はHk、703はMsを示す。
Kuが低めで,Msが多少低下する傾向が見られた以外は,Cu層厚と共にHkの増分を大幅に上回るHcの増加などほぼ同様の結果が得られた。
なお,ピニングサイトをCuとした場合には,Ti下地層上に微量のCuを製膜することになるので,上述したように(Agのように期待ではなく),最初の1層(ピニングサイトの核)は微細で高密度なCuアイランドが得られる。その後のCuピニングサイトの形成はAgの場合と同様に考えることができ,実際,HcやHkなどのCu層厚依存性とAg層厚依存性はほぼ同様であることからも,逆に,Ti上のAgアイランドはCuアイランドとほぼ同様の成長をしていると推定できる。
また,ピニングサイトをAuに変更した場合でも同様の効果が得られた。
非磁性層をPdに変更した以外は上記実施例と同様にして垂直磁気記録媒体を作成したところ,同様の効果が得られた。
ピニングサイトが非磁性層とも非固溶である方が,より柱状のピニングサイトを形成しやすく,ピニング効果を得やすいのではないかと考えて,非磁性層をNiに変更してみたが,Ag量に対してHcが増加する効果は見られなかった。構造は確認していないが,上記実施例と同程度の径のピニングサイトが形成できていたとしても,[Co/Ni]人工格子では[Co/Pt]や[Co/Pd]人工格子ほど高いKuが得られないため,磁壁が厚くなってピニングが起きにくかったのではないかと考えられる。
上記実施例では,ピニングサイトの分布をコントロールするのにTi下地層を用いたので,人工格子内の各層にもTiを配置すれば柱状でなくとも微細で高密度なピニングサイトが形成できるのではないかと考えて,[Ti/Ag/Co/Pt]人工格子も試してみた。しかしながら,[Ti/Co]人工格子もほとんどKuの得られない面内膜であるため,上半分をPtとした[Ti/Co/Pt]人工格子でも,垂直磁化膜にはなるもののHcが小さく,十分なKuが得られなかった。そのため,Ti上のAgアイランドによるピニング効果は確認できなかったが,このことは本質的にピニングサイトが柱状ではなく磁性層の部分のみでは不十分と言うことを意味している訳ではないと考えられる。
多層磁気記録層直下のTi下地層をなくし,Ru上に多層磁気記録層を形成した場合には,Ag量に対してHcはむしろ減少傾向であり,ピニング効果は得られなかった。AgはRuとは非固溶であるため,Ru上に1回目のAgを製膜した際にピニングが起きやすいようなアイランドが形成されなかったのではないかと予想される。
Ti下地層をPt,Alに変更した以外は上記実施例と同様にして垂直磁気記録媒体を作成したところ,Ag量に対するHcの変化はほぼフラットであった。Hcが増加していないので十分なピニング効果が得られているとは言えないが,減少もしていないので,人工格子の層構造を崩していることはなく,Agはピニングサイトのように固まっていると予想される。ピニングサイト径が磁壁厚よりも小さくてピニングが不十分な場合には,何らかの方法でKuを高めることによりピニング効果を発揮できる可能性もあるので,Pt,Al下地層も望みがあると考えられる。
<マイクロマグネティクスシミュレーション>
3Tbits/inch級のビット記録および安定性を調べるため,市販のソフトウェア“LLG Micromagnetics Simulator(M.R.Scheinfeinほか作)”を用いてマイクロマグネティクスシミュレーションを行った。計算モデルのサイズは32×32×8nmとし,それを1nm/辺の立方体のセルで分割した構成とした。面内方向には周期境界条件を適用したため,実質的に膜面が無限に広い場合と同様の反磁界が得られる。1粒子の面内での大きさは4nm/辺の四角形をベースとし,ピニングサイトは1粒子おきに磁化をなくした構造とした。
図17に実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルを上から見た図を示す。
21がピニングサイトであり,それ以外の22の部分が4nm/辺の磁性粒子を想定している。各磁性粒子22の内部は、図示しない1nm/辺の立方体のセルで分割されており,各セル間(磁性粒子内に対応)の交換スティフネス定数はA=0.5または1μerg/cmとし,粒子間ではA=0.5μerg/cmとした。Ms=1000emu/cc,磁化容易軸のみ分散を持たせΔθ50=5°とした。ギルバート減衰定数αは1,温度は熱揺らぎを考慮して300Kとした。ヘッド磁界はモデルの中央の点線で表された20×10nmの長方形の領域23に0.1ns印加し,その後ヘッド磁界をなくしてから0.1ns後の磁化状態を計算した。
図18は,柱状のピニングサイトを有する第1の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の面内方向のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの一例を表す画像の写真である。
セル間はA=1μerg/cm,粒子間はA=0.5μerg/cm,Ku=4×10erg/ccとした時の計算結果である。
黒い部分がピニングサイト、赤い部分が上向きのスピンを示す磁性粒子、青い部分が下向きのスピンを示す磁性粒子を表している。
実験との対応では,Aの大きさはセルサイズに依存することもあってはっきりしていないが,Co系材料で使われることが多い1μerg/cmを採用した。粒子間はその半分であるので,実験的にはArガス圧を上げて粒子間結合を弱めHcを高めた場合に相当する。記録を行った位置からピニングサイトで固定されやすい位置までドメインの位置がずれているが,長方形のドメインが安定して形成されていることが分かる。ドメインのサイズは20×12nmと少し大きくなっているが,Ku=4×10erg/ccの時,4nm径程度のピニングサイトが25%程度の面密度で配置されていれば,3Tbits/inch級のビットが室温でも安定して保持可能であることが分かる。したがって,磁気記録層にピニングサイトを有する連続膜を用いて,高い面記録密度と高い熱安定性とを両立させた垂直磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記録再生装置を提供することができる。
図19は,柱状のピニングサイトを有する第1の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例の面内方向のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの他の一例を表す画像の写真である。
図19は,セル間,粒子間ともにA=0.5μerg/cm,Ku=3×10erg/ccとした時の計算結果である。いくつかの実験と計算との比較から,粒子内のAを0.5μerg/cm程度まで下げた方が実験に近い可能性が考えられたため,A=0.5μerg/cmでの計算も行った。粒子間のAについては,粒子内よりも小さくした方がドメインが安定することが分かっているが,あえて粒子間の結合も十分に強い(磁気的に均一な連続膜となる)厳しい条件で計算を行った。ドメインの周辺を図18と見比べると,磁壁が粒界で止まらず境界がぼやけているが,ドメインは時間と共に縮小せず安定して保持されることが分かった。ドメインの大きさが少し広がっているので3Tbits/inchの面記録密度には足りないが,粒子間結合を弱めない厳しい条件でも微小なビットを室温でも安定して保持可能であることが分かった。したがって,磁気記録層にピニングサイトを有する連続膜を用いて,高い面記録密度と高い熱安定性とを両立させた垂直磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記録再生装置を提供することができる。
次に,8nmの層厚を4nmごとの2層に分けて,ピニングサイトの位置を上下層で変えた場合の計算を行った。
図20に第2の実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の一例のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの斜視図を示す。
なお、矢印は各セルの中心の磁気モーメントを表す。
図21は,図20の上層のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの一例を表す画像の写真である。
図22は,図20の下層のマイクロマグネティクスシミュレーション計算モデルの一例を表す画像の写真である。
セル間,粒子間ともにA=0.5μerg/cm,Ku=3×10erg/ccと基本的には図19の場合と同様であるが,上下層間の交換結合は0.2μerg/cmと弱めに設定した。この計算条件は,多層磁気記録層において,磁性層が非磁性層を挟んで弱く結合し,ピニングサイトが柱状ではなく3次元的に点在している状態を想定している。
図21は界面直上の層厚4〜5nmの層におけるドメインであり,図22は界面直下の層厚3〜4nmの層におけるドメインを表している。上下層のピニングサイトの位置が違ってもドメインの位置は重なっていることが分かる。層間結合がない場合には上下層のドメインの位置がずれるので,層間結合を導入した効果があることが分かった。また,薄膜化することでピニング力が弱くなることが懸念されたが,図19と比較して明らかに遷移領域の幅が広がる様子は見られなかった。
また,図21と図22のドメインの境界において,一方のピニングサイトの上または下に膜が存在する箇所に注目してみると,その膜の部分でドメインが特に広がっている訳ではないことが分かる。そのため,磁性層の部分のみにしかピニングサイトを形成しない場合でも,例えばPt層中へのCoの拡散も含め,ピニングサイトの上下に磁壁が回り込んでも構わないと考えられる。したがって,図2のように非磁性層にピニングサイトがなく,磁性層を柱状に貫いていなくとも,高い面記録密度と高い熱安定性とを両立させた垂直磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記録再生装置を提供することができる。
実施形態によれば、表面が平坦でヘッドの浮上が良好な非加工型連続媒体として,磁気記録層にピニングサイトを有する多層膜を用いることで,高い熱安定性と記録容易性を両立させ,高い面記録密度が得られる垂直磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記録再生装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、2−1,2−2,2−3,2−4,2−5,12−1,12−2,12−3,12−4,12−5…非磁性層、3−1,3−2,3−3,3−4,3−5,13−1,13−2,13−3,13−4,13−5…磁性層、4,14…ピニングサイト

Claims (8)

  1. 基板、及び
    該基板上に設けられた、磁性層と非磁性層とを交互に各々二層以上積層した多層磁気記録層を備え,
    前記磁性層と前記非磁性層はそれぞれ連続層であり、
    前記磁性層は、磁性材料部と、該磁性材料部に分散され、前記非磁性層の主成分である非磁性材料とは異なる非磁性金属からなる複数のピニングサイトとを有し,
    保磁力付近における磁化曲線の傾きαが5以上となる磁気特性を有する垂直磁気記録媒体。
  2. 前記磁性層はコバルトを主成分とする結晶質の磁性粒子を含む請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 非磁性層はプラチナまたはパラジウムを主成分とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記ピニングサイトは,銅、銀、及び金からなる群から選択される少なくとも1種を主成分として含む請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記多層磁気記録層と基板との間にチタン、プラチナ、及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を主成分とする非磁性下地層をさらに含み、前記非磁性下地層に接触して前記多層磁気記録層が形成されている請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記非磁性下地層はチタンを主成分とする請求項5に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記非磁性層は、非磁性材料部、及び該非磁性材料部内に分散され、該非磁性材料とは異なる前記非磁性金属からなる複数のピニングサイトを含み、該非磁性層中のピニングサイトは、隣接する磁性層中のピニングサイトと互いに連結して柱状になっている請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体と、磁気ヘッドとを具備する磁気記録再生装置。
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