JP2003059037A - 高密度磁気記録媒体 - Google Patents

高密度磁気記録媒体

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JP2003059037A
JP2003059037A JP2001248817A JP2001248817A JP2003059037A JP 2003059037 A JP2003059037 A JP 2003059037A JP 2001248817 A JP2001248817 A JP 2001248817A JP 2001248817 A JP2001248817 A JP 2001248817A JP 2003059037 A JP2003059037 A JP 2003059037A
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Hiroki Kodama
宏喜 児玉
Nobutaka Ihara
宣孝 井原
Takuya Uzumaki
拓也 渦巻
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度磁気記録媒体に関し、磁性結晶粒径を
十分微細化且つ均一化し、再現性良く成長させて、S/
N比を高める。 【解決手段】 Al系合金基板或いはガラス基板のいず
れかからなる基板1上に、少なくとも非晶質膜2、下地
層3、及び、磁性層8を設けるとともに、下地層3を第
1の下地層4と第2の下地層5とにより構成し、第1の
下地層4と第2の下地層5との間に第1の下地層4より
表面エネルギの大きい材料からなるシード層6を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度磁気記録媒体
に関するものであり、特に、低ノイズで高出力を得るた
めに微細な結晶粒を形成するためのシード(seed)
層の構成に特徴のある高密度磁気記録媒体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクに代表される磁気
記録装置の記録密度の上昇は著しく、そのため、記録ビ
ット間は記録密度の上昇に応じて狭くなってきている。
より小さな記録ビットを磁気記録媒体に形成するために
は、記録ヘッドの高性能化もさることながら、記録密度
を高くすると再生出力が低下するとともにノイズが増加
してS/N比が低下してしまうので、磁気記録媒体の低
ノイズ化による高S/N化が重要になる。
【0003】そこで、従来の磁気記録媒体においては、
高S/N化のために様々な試みが成されており、例え
ば、下地層の結晶配向性の制御や磁性層の結晶配向性の
向上、格子整合、中間層の採用、或いは、磁性層の組成
調整による高保磁力化等の多数の方法が挙げられる。こ
こにあげた手法は、ごく一例に過ぎず、他にも様々な手
法が存在する。
【0004】さらに、高S/N化のためには磁性結晶粒
径の微細化も重要であり、そのために、磁性層を構成す
る材料組成の調整、或いは、これらの材料組成にTaや
B等の微量元素を添加する添加元素による構成元素の調
整が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状の
磁気記録媒体の磁性結晶粒径は約10nm程度まで微細
化されており、上述の高S/N比を得るための磁性層を
構成する材料組成の調整や添加元素による調整では、所
期の微細化が必ずしも得られず、限界が見えはじめてい
るところが問題である。
【0006】したがって、本発明は、磁性結晶粒径を十
分微細化且つ均一化し、再現性良く成長させて、S/N
比を高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図におけ
る符号12は、DLC等の保護膜である。 図1参照 上述の課題を解決するために、本発明においては、Al
系合金基板或いはガラス基板のいずれかからなる基板1
上に、少なくとも非晶質膜2、下地層3、及び、磁性層
8を設けた高密度磁気記録媒体において、下地層3が第
1の下地層4と第2の下地層5からなるとともに、第1
の下地層4と第2の下地層5との間に第1の下地層4よ
り表面エネルギの大きい材料からなるシード層6を設け
たことを特徴とする。
【0008】また、下地層3と磁性層8との間に中間層
7を設けた場合には、中間層7と磁性層8との間に前記
中間層7より表面エネルギの大きい材料からなるシード
層6を設けても良く、或いは、磁性層8を、第1の磁性
層9、交換結合を行う介在層10、及び、第2の磁性層
11で構成した場合、介在層10と第2の磁性層11と
の間に介在層10より表面エネルギの大きい材料からな
るシード層6を設けても良い。
【0009】即ち、本発明は、磁性層8を構成する磁性
結晶粒径は、磁性層8より下に設けた層の結晶状態を反
映したエピタキシャル成長であることに着眼し、磁性層
8を成膜する前の段階で磁性層8より下に設ける層の結
晶粒径を微細化することにより磁性層8を構成するCo
系合金の結晶粒径を微細化するといったアプローチであ
る。
【0010】この様に、微細な磁性結晶粒を得るため
に、ReやW等の表面エネルギの大きい材料からなるシ
ード層6を薄く、例えば、連続膜換算で、0.7nm以
下となるように設けることによって、ReやW等を島状
成長させて下地から結晶粒径を微細化し、かつ、下地が
良い配向性であれば、その配向性を保持することができ
る。
【0011】即ち、ReやW等の表面エネルギの大きい
材料をシード層6として設けることで、シード層6の島
状成長を反映し、エピタキシャル成長するために、Cr
系合金の結晶粒径が微細化し、それに伴いCo系磁性結
晶粒が微細化するので、組成調整や材料調整を行わなく
ても、Co系の磁性結晶粒径が微細化することができ、
それによって、高記録密度の記録・再生に適した磁気記
録媒体の製造が可能となる。
【0012】また、この様な高密度磁気記録媒体を用い
て高密度磁気記録装置を構成することによって、記録密
度の向上が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】ここで、図2を参照して、本発明
の第1の実施の形態の磁気記録媒体の製造工程を概念的
に説明する。なお、各図は本発明の第1の実施の形態の
磁気記録媒体の概略的構成図であり、実際には、基板の
両側に対称的に磁性層からなる記録層等を設けた構造と
なっている。 図2(a)参照 まず、例えば、2.5インチ(≒6.5cm)のガラス
基板21上に、到達真空度が3×10-6Paで複数のチ
ャンバーがゲートバルブによって仕切られた枚葉式の静
止対向型DCマグネトロンスパッタ装置を用い、Arガ
ス圧が、例えば、0.7Paの成膜条件で、厚さが、例
えば、10nmのCr密着層22、及び、厚さが、例え
ば、30nmのNi8119からなるNiP層23を順次
成膜する。
【0014】次いで、NiP層23を形成したガラス基
板21を大気中に晒してNiP層23の表面を自然酸化
して酸化膜24を形成し、NiP層23の表面を確実に
アモルファス化することによって、Cr系下地層の(2
00)配向性を高める。
【0015】図2(b)参照 次いで、再び、静止対向型DCマグネトロンスパッタ装
置に酸化膜24を形成したガラス基板21をセットして
加熱したのち、厚さが、例えば、4nmのCr下地層2
5を成膜したのち、Cr下地層25上にReを連続膜換
算で0.7nm以下成膜して島状Reシード層26を形
成する。
【0016】この島状Reシード層26の形成条件は、
0.68PaのArガス雰囲気において、基板を150
℃以上に加熱した状態で、例えば、0.2nm/秒の成
膜レートで、例えば、約3秒間成膜を行うものである。
【0017】この場合、通常の金属膜の堆積と同様に、
膜厚が極めて薄い状態では、NiP層23上に微小な結
晶成長核が分散して発生し、この微小な結晶成長核を核
として結晶成長が進むが、膜厚が2nm以下においては
確実に互いに分離した島状膜となる。なお、0.7nm
の連続膜換算膜厚とは、仮に連続膜として成膜されたと
仮定したときに0.7nmの層が得られるスパッタ量で
ある。
【0018】図2(c)参照 引き続いて、島状Reシード層26を形成したガラス基
板21を隣接するチャンバー内へゲートバルブを介して
搬入し、基板温度を例えば、220℃にしたのち、厚さ
が、例えば、3nmのCr90Mo10からなるCrMo下
地層27を堆積させる。この場合、CrMo下地層27
は島状Reシード層26を成長核としてエピタキシャル
成長するので、島状Reシード層26の分布密度に応じ
た大きさの柱状多結晶となるともに、結晶配向性は島状
Reシード層26の間から露出するCr下地層25の影
響を受けるので(200)配向となる。
【0019】図2(d)参照 引き続いて、CrMo下地層27を形成したガラス基板
21を隣接するチャンバー内へゲートバルブを介して搬
入し、基板温度を220℃に保った状態で、厚さが、例
えば、1nmのCo82Cr13Ta5 からなるCoCrT
a中間層28、厚さが、例えば、5nmのCo58Cr24
Pt108 からなるCoCrPtB磁性層29、厚さ
が、例えば、0.8nmの交換結合を行うためのRu介
在層30、及び、厚さが、例えば、15nmのCo56
21Pt126 Cu5 からなるCoCrPtBCu磁性
層31を順次エピタキシャル成長させる。
【0020】次いで、CoCrPtBCu磁性層31を
形成したガラス基板21を隣接するチャンバー内へゲー
トバルブを介して搬入したのち、厚さが、例えば、5n
mのDLC(ダイアモンドライクカーボン)膜32を堆
積させる。以降は図示を省略するものの、DLC膜32
上にフッ素系の潤滑剤を塗布し、乾燥することによっ
て、高密度磁気記録媒体の基本構成が完成する。
【0021】この様に製造した磁気記録媒体について各
種の測定を行ったので、図3乃至図5を参照して測定結
果を説明する。なお、測定した磁気記録媒体の場合に
は、テクスチャ加工は行っていない。 図3参照 図3は、孤立波S/NのRe膜厚依存性の説明図であ
り、図に示すように、Re膜厚が連続膜換算で約0.7
nmの範囲までは孤立波S/Nの改善効果が得られ、約
0.3nmにおいて+0.4dBの改善が見られた。
【0022】図4参照 図4は、面内配向性のRe膜厚依存性の説明図であり、
磁性層の面内配向性を評価するための指標として垂直方
向の保磁力(Hc 垂直)と面内方向の保磁力(Hc )の
比を用いており、一般にはHc 垂直/Hc が小さいほど
面内配向性が良いことを示している。
【0023】図から明らかなように、Reの膜厚が0.
8nm以下においては、Reシード層を設けない場合
(Re膜厚=0)に比べて配向性が良いことが理解され
る。また、図4の挿入図は、垂直方向のkerrヒステ
リシスループであり、Re膜厚=0.3nmの薄い領域
では、ほとんど保磁力のないループを示し、面内配向性
が良いことはこの点からも理解される。
【0024】一方、Re膜厚が厚くなると、Hc 垂直/
c を定量的に表すのが不可能なるが、右側のRe膜厚
=1.5nmの挿入図のkerrヒステリシスループか
らは、Reが厚いと垂直方向の保磁力が顕著になり面内
配向性が劣化するためと考えられる。
【0025】これは、Re膜が後述する図5に示してい
るようにRe本来の結晶構造であるhcp構造をとって
おり、「膜」になると、配向性の劣化を引き起こすと考
えられる。逆にいえば、薄い領域では、島状の成長であ
ることが示唆され、島状であれば、下地のCr結晶性を
引き継ぎ、磁性層も配向するためと考えられる。
【0026】したがって、島状Reシード層26を用い
た作用効果は、磁性層を島状Reシード層26を核とし
て成長したCrMo下地層27を介してエピタキシャル
成長させることによって磁性層の結晶粒径を微細化する
ことによる効果であり、微細化の程度はRe成膜時の基
板温度により制御することができる(必要ならば、特願
2001−31772号参照)。
【0027】また、Reシード層26が島状になる理由
は、Reシード層26の連続膜換算膜厚が薄いことにも
よるが、表面張力、即ち、表面エネルギーを考えると、
Reの表面エネルギーがその下地となるCrより大きい
ことにもあると考えられる。即ち、理論上、成長させる
材料の表面エネルギーが下地の表面エネルギーより大き
い場合、表面張力の作用によって成長層が島状成長する
ことになる。
【0028】図5参照 図5は、各種の金属材料の表面エネルギーをその結晶構
造とともに表化して示したものであり、Re,W,M
o,Ru,Ta,Co,Crについては、砂地を施して
ある。
【0029】図5に示すように、Cr下地層25の表面
エネルギーが2.139N/mであるのに対して、Re
の表面エネルギーは3.61N/mであり、Crに比べ
て非常に大きいものとなるので、島状成長が起こるもの
と考えられる。
【0030】次に、図6を参照して、基板としてAl−
Mg合金基板を用いた本発明の第2の実施の形態を説明
するが、基本的製造工程は上記の第1の実施の形態と全
く同様であるので、具体的製造方法の説明は省略する。 図6参照 図6は、本発明の第2の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図であり、実際には、基板の両側に対称的に磁
性層からなる記録層等を設けた構造となっている。ま
ず、例えば、3.5インチ(≒9.5cm)のAl95
5 (重量比)からなるAl−Mg合金基板33上に、
静止対向型DCマグネトロンスパッタ法によって、厚さ
が、例えば、10nmのCr密着層22を介して、Ni
8119からなるNiP層23を順次堆積させる。
【0031】以降は、上記の第1の実施の形態と同様
に、NiP層23の表面に自然酸化による酸化膜24を
形成してNiP層23の表面をアモルファス化したの
ち、Cr下地層25、島状Reシード層26、CrMo
下地層27、CoCrTa中間層28、CoCrPtB
磁性層29、Ru介在層30、CoCrPtBCu磁性
層31、及び、DLC膜32を順次堆積させたのち、D
LC膜32上にフッ素系の潤滑剤を塗布し、乾燥するこ
とによって、高密度磁気記録媒体の基本構成が完成す
る。
【0032】この第2の実施の形態においては、基板の
構成が異なるだけで基本的特性は、上記の第1の実施の
形態と同様であり、直径が3.5インチ等の大型の磁気
記録媒体にとって有用となる。
【0033】次に、図7を参照して、Re島状シード層
26をCoCrTa中間層28とCoCrPtB磁性層
29との間に設けた本発明の第3の実施の形態を説明す
るが、基本的成膜条件は上記の第1の実施の形態と同様
であるので、具体的製造方法の説明は省略する。 図7参照 図7は、本発明の第3の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図であり、実際には、基板の両側に対称的に磁
性層からなる記録層を設けた構造となっている。まず、
例えば、2.5インチ(≒6.5cm)のガラス基板2
1上に、Cr密着層22及びNiP層23を順次堆積さ
せたのち、NiP層23の表面に自然酸化による酸化膜
24を形成してNiP層23の表面をアモルファス化す
る。
【0034】次いで、Cr下地層25、CrMo下地層
27、及び、CoCrTa中間層28を順次堆積したの
ち、Reを薄く堆積させることによって島状Reシード
層26を形成する。
【0035】次いで、島状Reシード層26を結晶成長
核として、CoCrPtB磁性層29、Ru介在層3
0、及び、CoCrPtBCu磁性層31をエピタキシ
ャル成長させたのち、DLC膜32を堆積させ、次い
で、DLC膜32上にフッ素系の潤滑剤を塗布し、乾燥
することによって、高密度磁気記録媒体の基本構成が完
成する。
【0036】この第3の実施の形態においては、Reの
下地となるのはCoCrTa中間層28であるが、Co
(2.36N/m),Cr(2.139N/m),Ta
(2.773N/m)の表面エネルギーはRe(3.6
1N/m)の表面エネルギーより小さいので、それらの
合金であるCoCrTaの表面エネルギーもReの表面
エネルギーより小さくなり、したがって、Reは島状成
長することになる。
【0037】したがって、この第3の実施の形態におい
ても、磁気記録層を構成する磁性層の結晶粒径を小さく
することができるので、上記の第1の実施の形態と同様
に低ノイズの高密度磁気記録媒体の実現が可能になる。
【0038】次に、図8を参照して、Re島状シード層
26をRu介在層30とCoCrPtBCu磁性層31
との間に設けた本発明の第4の実施の形態を説明する
が、基本的成膜条件は上記の第1の実施の形態と同様で
あるので、具体的製造方法の説明は省略する。 図8参照 図8は、本発明の第4の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的構成図であり、実際には、基板の両側に対称的に磁
性層からなる記録層等を設けた構造となっている。ま
ず、例えば、2.5インチ(≒6.5cm)のガラス基
板21上に、Cr密着層22及びNiP層23を順次堆
積させたのち、NiP層23の表面に自然酸化による酸
化膜24を形成してNiP層23の表面をアモルファス
化する。
【0039】次いで、Cr下地層25、CrMo下地層
27、CoCrTa中間層28、CoCrPtB磁性層
29、及び、Ru介在層30を順次堆積したのち、Re
を薄く堆積させることによって島状Reシード層26を
形成する。
【0040】次いで、島状Reシード層26を結晶成長
核として、CoCrPtBCu磁性層31をエピタキシ
ャル成長させたのち、DLC膜32を堆積させ、次い
で、DLC膜32上にフッ素系の潤滑剤を塗布し、乾燥
することによって、高密度磁気記録媒体の基本構成が完
成する。
【0041】この第4の実施の形態においては、Reの
下地となるのはRu介在層30であるが、Ru(2.7
92N/m)の表面エネルギーはRe(3.61N/
m)の表面エネルギーより小さいので、Reは島状成長
することになる。
【0042】したがって、この第4の実施の形態におい
ても、磁気記録層を構成する磁性層の結晶粒径を小さく
することができるので、上記の第1の実施の形態と同様
に低ノイズの高密度磁気記録媒体の実現が可能になる。
【0043】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は上記の各実施の形態に記載した構成及び
条件に限られるものではなく、各種の変更が可能であ
る。例えば、アモルファス化層としてNiPを用いてい
るが、NiPに限られるものではなく、CrPを用いて
も良いものである。
【0044】また、上記の各実施の形態においてはシー
ド層をReによって形成しているが、Reに限られるも
のではなく、その下地となる層の表面エネルギーより表
面エネルギーの大きな金属を用いれば良いものであり、
例えば、表面エネルギーが3.343N/mのWが好適
であり、さらに、単体に限られるものではなく、合金を
用いても良いものである。
【0045】また、上記の第3及び第4の実施の形態に
おいては、基板としてガラス基板を用いているが、上記
の第2の実施の形態と同様に、Al−Mg合金基板を用
いても良いものである。また、Al系合金基板を用いる
場合には、Al−Mg合金に限られるものではなく、A
l−Cu,Al−Si等の他のAl系合金を用いても良
いものである。
【0046】また、上記の各実施の形態においては、第
2の下地層としてCr90Mo10を用いているが、他の組
成のCrMoでも良く、さらには、Cr、CrRu、或
いは、CrWを用いても良いものである。
【0047】また、上記の各実施の形態においては、磁
性層として、Co58Cr24Pt10 8 或いはCo56Cr
21Pt126 Cu5 を用いているが、他の組成比のCo
CrPtB合金或いはCoCrPtBCu合金でも良
く、また、Co69Cr21Pt8Ta2 等のCoCrPt
Ta合金、Co74Cr15Pt4 Ta4 Nb3 等のCoC
rPtTaNb合金、或いは、Co76.3Cr17Pt6.7
等のCoCrPt合金を用いても良いものであり、さら
には、Co単体でも良く、いずれにしても、Coまた
は、Coを主成分とし少なくともPtを含むCo合金で
あれば良い。これは、Co合金は六方細密構造を有し、
且つ、Co−Pt合金は1軸異方性を有し、適度に高い
保磁力を得ることができるためである。
【0048】また、上記の各実施の形態においては、中
間層として、Co82Cr13Ta5 を用いているが、他の
組成比のCoCrTa合金を用いても良く、さらには、
CoCrPtTa等の他の合金を用いても良いものであ
る。
【0049】また、上記の各実施の形態においては、上
下の磁性層の交換結合を行う介在層としてRuを用いて
いるが、Ruに限られるものではなく、Ir、Cu、C
r、V、Nb、Mo、Rh、Ta、W、Reを用いても
良い(必要ならば、S.S.P.Parkin,Phy
s.Rev.Lett.,Vol.67,p.359
8,1991参照)。
【0050】また、上記の第1及び第2の実施の形態に
おいては、中間層を用いているが、中間層は必ずしも必
要がないものであり、また、磁性層として交換結合を行
った多層構造の磁性層を用いているが単層の磁性層を用
いても良いものである。
【0051】また、上記の第3の実施の形態において
は、下地層を2層構造の下地層としているが、単層の下
地層を用いても良く、また、磁性層として交換結合を行
った多層構造の磁性層を用いているが単層の磁性層を用
いても良いものである。
【0052】また、上記の第4の実施の形態において
も、下地層を2層構造の下地層としているが、単層の下
地層を用いても良く、また、中間層を用いているが、中
間層は必ずしも必要がないものである。
【0053】また、上記の各実施の形態においては島状
シード層を上下の下地層の間、中間層と磁性層との間、
或いは、介在層と第2磁性層との間に設けているが、第
2下地層と中間層との間に設けても良く、いずれにして
も、直接下地となる層の表面エネルギーがシード層の表
面エネルギーより小さければ良いものである。なお、N
iP層等の非晶質膜上に島状シード層を設けた磁気記録
媒体は、本発明者によって、既に提案している(必要な
らば、特願2001−31772号参照)。
【0054】ここで、再び、図1を参照して、本発明の
詳細な特徴を改めて説明する。 図1参照 (付記1) Al系合金基板或いはガラス基板のいずれ
かからなる基板1上に、少なくとも非晶質膜2、下地層
3、及び、磁性層8を設けた高密度磁気記録媒体におい
て、前記下地層3が第1の下地層4と第2の下地層5か
らなるとともに、第1の下地層4と第2の下地層5との
間に前記第1の下地層4より表面エネルギの大きい材料
からなるシード層6を設けたことを特徴とする高密度磁
気記録媒体。 (付記2) Al系合金基板或いはガラス基板のいずれ
かからなる基板1上に、少なくとも非晶質膜2、下地層
3、及び、磁性層8を設けた高密度磁気記録媒体におい
て、前記下地層3と前記磁性層8との間に中間層7を設
けるとともに、前記中間層7と磁性層8との間に前記中
間層7より表面エネルギの大きい材料からなるシード層
6を設けたことを特徴とする高密度磁気記録媒体。 (付記3) Al系合金基板或いはガラス基板のいずれ
かからなる基板1上に、少なくとも非晶質膜2、下地層
3、及び、磁性層8を設けた高密度磁気記録媒体におい
て、前記磁性層8が、第1の磁性層9、交換結合を行う
介在層10、及び、第2の磁性層11からなるととも
に、前記介在層10と第2の磁性層11との間に前記介
在層10より表面エネルギの大きい材料からなるシード
層6を設けたことを特徴とする高密度磁気記録媒体。 (付記4) 上記シード層6が、不連続の島状シード層
であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記
載の高密度磁気記録媒体。 (付記5) 上記シード層6の厚さが、連続膜換算で、
0.7nm以下であることを特徴とする付記4記載の高
密度磁気記録媒体。 (付記6) 上記シード層6が、Re或いはWのいずれ
かからなることを特徴とする付記4または5に記載の高
密度磁気記録媒体。 (付記7) 付記1乃至6のいずれか1に記載の高密度
磁気記録媒体を用いたことを特徴とする高密度磁気記録
装置。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、基板上に下地となる層
より表面エネルギーの大きなRe等の島状のシード層を
介してCr系合金からなる下地層或いは磁性層を堆積さ
せているので、磁性層の結晶粒を島状のシード層の分布
密度に応じて微細化し、それによって、ノイズを低減す
るとともに出力を高めS/Nを大きくすることができる
ので、ハードディスク装置等の磁気ディスク記録装置の
大容量化及び高密度磁気記録化に寄与するところが大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の磁気記録媒体の製
造工程の説明図である。
【図3】孤立波S/NのRe膜厚依存性の説明図であ
る。
【図4】面内配向性のRe膜厚依存性の説明図である。
【図5】各種の金属材料の表面エネルギー及び結晶構造
の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態の磁気記録媒体の概
略的断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 非晶質膜 3 下地層 4 第1の下地層 5 第2の下地層 6 シード層 7 中間層 8 磁性層 9 第1の磁性層 10 介在層 11 第2の磁性層 12 保護膜 21 ガラス基板 22 Cr密着層 23 NiP層 24 酸化膜 25 Cr下地層 26 島状Reシード層 27 CrMo下地層 28 CoCrTa中間層 29 CoCrPtB磁性層 30 Ru介在層 31 CoCrPtBCu磁性層 32 DLC層 33 Al−Mg合金基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渦巻 拓也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB07 BB08 CA05 CA06 DA03 EA03 FA09 5E049 BA06 DB02 DB04 DB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al系合金基板或いはガラス基板のいず
    れかからなる基板上に、少なくとも非晶質膜、下地層、
    及び、磁性層を設けた高密度磁気記録媒体において、前
    記下地層が第1の下地層と第2の下地層からなるととも
    に、第1の下地層と第2の下地層との間に前記第1の下
    地層より表面エネルギの大きい材料からなるシード層を
    設けたことを特徴とする高密度磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 Al系合金基板或いはガラス基板のいず
    れかからなる基板上に、少なくとも非晶質膜、下地層、
    及び、磁性層を設けた高密度磁気記録媒体において、前
    記下地層と前記磁性層との間に中間層を設けるととも
    に、前記中間層と磁性層との間に前記中間層より表面エ
    ネルギの大きい材料からなるシード層を設けたことを特
    徴とする高密度磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 Al系合金基板或いはガラス基板のいず
    れかからなる基板上に、少なくとも非晶質膜、下地層、
    及び、磁性層を設けた高密度磁気記録媒体において、前
    記磁性層が、第1の磁性層、交換結合を行う介在層、及
    び、第2の磁性層からなるとともに、前記介在層と第2
    の磁性層との間に前記介在層より表面エネルギの大きい
    材料からなるシード層を設けたことを特徴とする高密度
    磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記シード層が、不連続の島状シード層
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の高密度磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記シード層が、Re或いはWのいずれ
    かからなることを特徴とする請求項4記載の高密度磁気
    記録媒体。
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