JP2006320688A - 洗浄便座用トイレットロール - Google Patents

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Abstract

【課題】 水に濡れたときに破れにくく、吸水性に優れ、風合いの良い洗浄便座用トイレットロールを提供する。
【解決手段】 セルロースパルプを主原料とするシートからなり、該シートが原料パルプに対して分散剤を0.01〜0.1質量%、紙力増強剤を0.02〜0.1質量%、サイズ剤を0.05〜0.2質量%添加することにより形成されていることを特徴とする洗浄便座用のトイレットロール
【選択図】 なし

Description

本発明は、洗浄便座型トイレでの使用に適したトイレットロールに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、水に濡れたときに破れにくく、吸水性に優れ、風合いの良い洗浄便座型トイレにおいて使用する洗浄便座用トイレットロールに関するものである。
トイレットロール(トイレットペーパーという場合がある)は、トイレでの用便後におしりの汚れを拭き取るものとして広く普及しているが、近年はトイレの高級化が進み、温水洗浄及び乾燥機能の付いた洗浄便座型トイレが設置されるようになってきている。洗浄便座型トイレにおいても、温水洗浄後におしりに付いた水滴を拭き取るためにトイレットロールを使用したのちに、温風で乾燥させるような使い方がされる場合があるため、トイレットロールが常備されている。
しかしながら、洗浄便座型トイレにおいて使用されるトイレットロールは従来と同様の製法・性能のものであり、水に濡れた場合には破れやすいという性質上、使用者にとっては使用時に不快感を感ずるケースが多くあった。
例えば、温水洗浄便座型トイレに適したトイレットペーパーとして、3枚のシートを重ね合わせたトイレットペーパーが発表されている(非特許文献1)。また、3枚以上のシートを重ね合わせたトイレットペーパーも開示されている(特許文献1)が、従来と同様の製法で製造したトイレットペーパーであるため、水に濡れた場合に破れやすく、紙片が使用者の肌に付着する等の問題を有しており、また、多量の紙を使用することにもつながるものである。
さらに、吸水性、水分散性、肌触り、及び使用強度に優れた温水洗浄型トイレで使用するトイレットペーパーとして植物性パルプにレーヨンパルプを配合した製品が開示されている(特許文献2)。さらに、濡れたお尻を拭いてもすぐ破れることがなく、使用後においても容易に水に解ける性質を付与するため、陽イオン性アルデヒド変性ポリアクリルアミドを紙料に配合した温水洗浄装置付き水洗トイレ用トイレットペーパーが開示されている(特許文献3)が、いずれも満足するものではなかった。
「HOXY NEWS 4号」 季刊 1990年1月20日 ホクシー株式会社発行 特開2002−172072号公報 特開平5−237043号公報 特開平8−56868号公報
本発明は、上記のような従来の洗浄便座用トイレットペーパーの有する問題点を克服し、水に濡れたとき破れにくく、吸水性に優れ、風合いのよい、洗浄便座型トイレでの使用に適したトイレットロールを提供するものである。
上記従来の洗浄便座用トイレットロールの問題点を解決するための本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)セルロースパルプを主原料とするシートからなり、該シートが原料パルプに対して分散剤を0.01〜0.1質量%、紙力増強剤を0.02〜0.1質量%、サイズ剤を0.05〜0.2質量%添加することにより形成されていることを特徴とする洗浄便座用トイレットロール。
(2)前記トイレットロールが1枚のシートからなり(以下、1プライという)、JIS P 8124により測定した坪量(以下、同様)が15〜25g/mで、厚さが65〜110μmであることを特徴とする(1)項記載の洗浄便座用トイレットロール。
(3)前記トイレットロールが2枚のシートを重ね合わせてなり(以下2プライという)、シート1枚の坪量が12〜25g/mで、厚さが50〜110μmであり、2枚重ね合わせた坪量が22〜48g/mで、厚さが90〜200μmであることを特徴とする(1)項記載の洗浄便座用トイレットロール。
(4)前記トイレットロールが3枚のシートを重ね合わせてなり(以下3プライという)、シート1枚の坪量が12〜20g/mで、厚さが50〜85μmであり、3枚重ね合わせた坪量が33〜60g/mで、厚さが130〜240μmであることを特徴とする(1)項記載の洗浄便座用トイレットロール。
(5)前記シートにエンボス加工が施されていることを特徴とする(1)〜(4)項のいずれかに記載の洗浄便座用トイレットロール。
(6)セルロースパルプが、クラフト蒸解後に元素状塩素を使用せずに漂白処理したパルプである(1)〜(5)項のいずれかに記載の洗浄便座用トイレットロール。
(7)セルロースパルプが、漂白処理工程で酸処理されているパルプである(6)項に記載の洗浄便座用トイレットロール。
本発明の洗浄便座型トイレに適したトイレットロールは、原料パルプに対して分散剤を0.01〜0.1質量%、紙力増強剤を0.02〜0.1質量%、サイズ剤を0.05〜0.2質量%添加して抄造したシートにより形成されている。このような構成の本発明のトイレットロールは、水に濡れても破れにくく、吸水性に優れ、風合いが良いという特徴を備えている。そのため、本発明によるトイレットロールを洗浄便座型トイレで使用した場合には、おしりに付いた水滴を拭いたときに、破れたり手が濡れることがなく、使い心地が良いため、使用者に快適な使用感を与えることができる。
以下、本発明で使用する材料について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、トイレットロールを形成するためのシートは、木材等のリグノセルロース材料から得られるセルロースパルプを主体として用いて製造される。セルロースパルプとしては、広葉樹、針葉樹からなる木材チップ等のリグノセルロース材料を蒸解して得られる化学パルプから製造されるスラリー状態のままのスラッシュパルプ、このスラッシュパルプを脱水、乾燥して得られるドライパルプ、あるいは古紙を脱墨処理して得られる脱墨古紙パルプ等を使用することができる。
また、セルロースパルプとして、クラフト蒸解後に元素状塩素を使用せずに漂白処理したパルプを用いると、元素状塩素で漂白処理したパルプを用いた場合よりもパルプ繊維の傷みが少ないため、より強度の優れたトイレットロールを得ることができ、また、トイレットロールに遊離の塩素が含まれないため、衛生面及び環境面からも好ましい。
さらに、セルロースパルプとして、漂白処理工程で酸処理したパルプを用いることにより、退色性の少ない、白色度の高いパルプが得られるため、良好な白色度を有するトイレットロールを得ることができる。
本発明において、原紙を抄造するに当たり、分散剤を添加することができる。分散剤はパルプ繊維の分散を良くし、シートの地合いを改善するために添加するもので、一般にトロロアオイ、ポリエチレンオキサイドなどの粘剤が使用される。
分散剤の添加率は、原料パルプに対して0.01〜0.1質量%であることが好ましい。分散剤の添加率が0.01質量%未満の場合には、原料パルプ繊維の分散が不良になり、地合いムラやシートの厚さムラの多い紙になってしまい、適正な強度や吸水速度が得られない。また、分散剤の添加率が0.1質量%を超えると地合いの良い、厚さムラの少ないシートが形成されるが、吸水量が少なくなって濡れたおしりを拭いたときに手も濡れてしまうことになる。
また、本発明において、原紙抄造時に紙力増強剤を添加することができる。通常のトイレットペーパー製造時には紙力増強剤は添加しないのが普通であるが、本発明では、水に濡れた場合でも紙が破れにくいという性質を付与するため、紙力増強剤を添加する。紙力増強剤としては、ポリアミド樹脂系のもの、ポリアクリルアミド樹脂系のもの等、通常抄紙で使用されるものであれば何でもよい。
紙力増強剤の添加率は、原料パルプに対して0.02〜0.1質量%であることが好ましい。紙力増強剤の添加率が0.02質量%未満の場合には、紙の強度が低いため、水に濡れたときにすぐに破れてしまう。また、紙力増強剤の添加率が0.1質量%を超えると、紙の強度は高くなるが、紙の風合いが硬くなって使い心地が悪くなる。
同様に、本発明において、原紙抄造時にサイズ剤を添加することができる。本発明のトイレットロールでは、温水で洗浄したおしりに付着した水滴を拭き取ることが主目的である。通常のトイレットペーパーではおしりを拭いたときにすぐに水が浸透して手が濡れてしまうため、本発明においては、トイレットペーパーが水に濡れたときの水の浸透を遅くするため、サイズ剤を添加する。サイズ剤としては、ロジンエマルジョン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン系ポリマー等、通常抄紙で使用されるものであれば何でもよい。
サイズ剤の添加率は、原料パルプに対して0.05〜0.2質量%であることが好ましい。サイズ剤の添加率が0.05質量%未満では吸水速度が早すぎて、濡れたおしりを拭いたとき、手まで濡れてしまい、使用者に不快感を与える。また、サイズ剤の添加率が0.2質量%を超えると吸水速度が遅く、濡れたおしりをきれいに拭き取ることができない。
また、本発明では、必要に応じて、セルロースパルプに柔軟剤、滑剤、染料等を配合することも可能であり、さらに、製造されたトイレットロールに香料等を塗布することも可能である。
本発明において、1プライのトイレットロール用として得られる原紙の坪量は15〜25g/m、厚さは65〜110μmであり、2プライのトイレットロール用として得られる原紙の坪量は12〜25g/m、厚さは50〜110μmであり、2プライ製品の坪量は、22〜48g/m、厚さは90〜200μmである。
また、3プライのトイレットロール用として得られる原紙の坪量は12〜20g/m、厚さは50〜85μmであり、3プライ製品の坪量は、33〜60g/m、厚さは130〜240μmである。
1プライのトイレットロールの場合、原紙の坪量が15g/m未満、あるいは厚さが65μm未満になると、原紙の湿潤強度が弱くなり、水と接触した場合に破れやすくなる。また、原紙の坪量が25g/mを超えた場合、あるいは厚さが110μmを超えた場合には、手触り感が悪くなり、また、製品として必要な長さをロール状に巻き取った場合にロール直径が大きくなり、ロールホルダーにセットすることができなくなる。
2プライのトイレットロールの場合、原紙の坪量が12g/m未満、あるいは厚さが50μm未満になると、原紙の湿潤強度が弱くなり、水と接触した場合に破れやすくなる。また、原紙の坪量が25g/mを超えた場合、あるいは厚さが110μmを超えた場合には、手触り感が悪くなり、また、製品として必要な長さをロール状に巻き取った場合にロール直径が大きくなり、ロールホルダーにセットすることができなくなる。
また、3プライのトイレットロールの場合、原紙の坪量が12g/m未満、あるいは厚さが50μm未満になると、原紙の湿潤強度が弱くなり、水と接触した場合に破れやすくなる。また、原紙の坪量が20g/mを超えた場合、あるいは厚さが85μmを超えた場合には、手触り感が悪くなり、また、製品として必要な長さをロール状に巻き取った場合にロール直径が大きくなり、ロールホルダーにセットすることができなくなる。
上記のような本発明のトイレットロールは、トイレットロールを製造する際に、カレンダー処理工程においてシートのテンションや線圧をコントロールする、あるいは、ロール状に巻き取る工程においてシートのテンションをコントロールする等により製造することができる。
本発明のトイレットロールでは、原紙にエンボス加工が施されていることが好ましい。エンボス加工を施すことにより、得られるトイレットロールの手触り感が向上する。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
原料パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)として市販のドライパルプ(セニブラ社製)及び国内産ウエットパルプ(王子製紙製)を絶乾重量で同量配合したものを用い、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)として市販のドライパルプ(アルパック社製)を用い、LBKP60質量%、NBKPを40質量%の比率で配合した原料をフリーネス420ml(CSF)に調整したものを使用した。
上記の原料に、ポリエチレンオキサイド系分散剤(住友精化製、PEO PFZ)を対原料パルプ0.03質量%、紙力増強剤(荒川化学工業製、ポリストロンOT−2)を対原料パルプ0.05質量%、サイズ剤(荒川化学工業製、サイズパインK−903−20)を対原料パルプ0.1質量%添加し、サクションシリンダー方式のヤンキー抄紙機で抄紙・乾燥して、坪量18.0g/m、水分4.2%、紙厚75μmのトイレットロール用原紙を抄造した。
このトイレットロール用原紙をセンターワインディング方式のトイレットロール加工機(PCMC社製)にセットし、エンボス加工したのちに紙管(直径42mm)に巻き取り、ロール直径110mm、巻き取り長さ55mのロール状1プライトイレットペーパーを製造した。得られたトイレットロールは、坪量17.5g/m、厚さ72μmであった。
(実施例2)
分散剤を対原料パルプ0.08質量%、紙力増強剤を対原料パルプ0.07質量%、サイズ剤を対原料パルプ0.17質量%添加した以外は実施例1と同様にして1プライトイレットペーパーを製造した。
(実施例3)
実施例1と同じ原料に、分散剤を対原料パルプ0.03質量%、紙力増強剤を対原料パルプ0.05質量%、サイズ剤を対原料パルプ0.1質量%添加し、サクションシリンダー方式のヤンキー抄紙機で抄紙・乾燥して、坪量18.0g/m、水分4.2%、紙厚75μmのトイレットロール用原紙を抄造した。
このトイレットロール用原紙2本を、各々の原紙のヤンキードライヤー側の面が外側になるように、センターワインディング方式のトイレットロール加工機(PCMC社製)にセットし1枚ずつエンボス加工したのちに2枚重ねにして、紙管(直径42mm)に巻き取り、ロール直径110mm、巻き取り長さ27.5mのロール状2プライトイレットペーパーを製造した。得られたトイレットロールは、2枚重ねで、坪量35.1g/m、厚さ145μmであった。
(実施例4)
実施例1と同じ原料に、分散剤を対原料パルプ0.03質量%、紙力増強剤を対原料パルプ0.05質量%、サイズ剤を対原料パルプ0.1質量%添加し、サクションシリンダー方式のヤンキー抄紙機で抄紙・乾燥して、坪量16.0g/m、水分4.2%、紙厚68μmのトイレットロール用原紙を抄造した。
この原紙を使用して、プライマシンで2枚重ねにした原紙を準備し、前記2枚重ねの場合と同様に各々の原紙のヤンキードライヤー側の面が外側になるようにして、1枚ものの原紙と2枚重ねの原紙をセンターワインディング方式のトイレットロール加工機(PCMC社製)にセットし、別々にエンボス加工したのちに3枚重ねにして、紙管(直径42mm)に巻き取り、ロール直径110mm、巻き取り長さ18mのロール状3プライトイレットペーパーを製造した。得られたトイレットロールは、3枚重ねで、坪量47.5g/m、厚さ200μmであった。
(比較例1〜7)
各薬品の添加率を表1に示す通りにした以外は、実施例3と同様にして2プライトイレットペーパーを製造した。
Figure 2006320688
各実施例及び各比較例で得られたトイレットペーパーを用いて、吸水性、拭き取り性、離解性及び風合い(手触り感)について評価した。各評価方法は以下の通りである。
吸水性の試験:1プライのトイレットペーパーは8つ折り(8枚重ね)、2プライのトイレットペーパーは4つ折り(8枚重ね)、3プライのトイレットペーパーは3つ折り(9枚重ね)にし、ガラス板上に広げた3gの水の上に8〜9枚重ねのトイレットペーパーを静かに置く。
ガラス板上の水が8〜9枚重ねのトイレットペーパーに浸透して、一番上のシートに水が浸透するまでの時間(秒)を計測する。適正な浸透時間は5〜10秒である。
拭き取り性の試験:ガラス面上に3gの水を置き、これを8〜9枚重ねのトイレートペーパーで拭いてガラス面側のシートが破れるかどうかを観察し、次の4段階で評価した。
A:手への浸透がなく、シートが破れない
B:手への浸透はないが、シートが破れる
C:手への浸透がある
D:手への浸透が著しく、シートが破れる
離解性の試験:メスシリンダーに水500mlと試験シート4〜5gを入れ、数回振とうした後のパルプ繊維の分散状態を目視で判定し、次の3段階で評価した。
×:悪い
△:普通
○:良好
風合いの評価:男性10名、女性10名のモニターにより、製品を手で触り、柔らかさ、風合いを官能評価し、次の3段階で評価した。
×:悪い
△:普通
○:良好
実施例1のトイレットペーパーを8枚重ねにして、ガラス板上に広げた3gの水の上に置いたところ、8枚のシートを貫通して水が浸透するまでに要する時間は5〜7秒であった。また、ガラス板上に広げた3gの水を4つ折りのトイレットペーパーで拭いたところ、シートの破れはなかった。
実施例1と同様に、実施例2〜4のトイレットペーパーを8〜9枚重ねにして、ガラス板上に広げた3gの水の上に置いたところ、8〜9枚のシートを貫通して水が浸透するまでに要する時間は6〜10秒であった。また、ガラス板上に広げた3gの水を8〜9枚重ねのトイレットペーパーで拭いたところ、シートの破れはなかった。
比較例1のトイレットペーパーは分散剤、紙力増強剤、サイズ剤の薬品を一切添加していない通常のトイレットロールであるが、水の吸収が非常に早く、濡れたときの紙の強度がないために、水に濡れた肌を拭いたときに手が濡れたり、紙片が破れて肌に付着するという問題が発生した。
比較例2のトイレットペーパーは、通常、原紙抄造時にパルプ繊維の分散を良くするために添加される分散剤を添加していないものであり、原紙の地合いが非常に悪く、吸水速度が非常に早くなるので、このトイレットペーパーで濡れた肌を拭いた場合には、水の浸透が早く、手まで濡れてしまうものであった。
比較例3のトイレットペーパーは、分散剤の添加率を0.2質量%と多くしたものであり、その結果、地合いは良くなるが、紙の厚さが薄くなり、良い風合いが得られなかった。
比較例4のトイレットペーパーは、紙力増強剤を添加していないものであり、水に濡れたときの強度が弱く破れてしまった。
比較例5のトイレットペーパーは、紙力増強剤の添加率を0.15質量%としたものであり、その結果、強度が高くなり破れなくなるが、硬い紙になり風合いが悪くなった。
比較例6のトイレットペーパーは、サイズ剤を添加していないものであり、トイレットロールで水を拭いたときに直ちに水が浸透して手が濡れてしまった。
比較例7のトイレットペーパーは、サイズ剤の添加率0.3質量%としたものであるが、トイレットロールへの水の浸透が非常に遅くなるとともに、水に溶解してもすぐには分散しなかった。これは、使用後のトイレ詰まりを予感させる状態である。
上記の評価結果を表2にまとめて示す。
Figure 2006320688
以上の結果から、実施例1〜4の本発明のトイレットペーパーは、吸水性、拭き取り性、離解性、及び風合い(手触り感)のいずれの評価においても良好な結果が得られたのに対し、各比較例のものは、いずれかの評価結果が劣っており、本発明の効果が確認された。
本発明の洗浄便座に適したトイレットロールは、原料パルプに対して分散剤を0.01〜0.1質量%、紙力増強剤を0.02〜0.1質量%、サイズ剤を0.05〜0.2質量%添加したシートにより形成されている。このような構成の本発明のトイレットロールは、水に濡れても破れにくく、吸水性に優れ、風合いが良いという特徴を備えている。そのため、本発明によるトイレットロールを洗浄便座型トイレで使用した場合には、おしりに付いた水滴を拭いたときに、破れたり手が濡れることがなく、使い心地が良いため、使用者に快適な使用感を与えることができる。

Claims (7)

  1. セルロースパルプを主原料とするシートからなり、該シートが原料パルプに対して分散剤を0.01〜0.1質量%、紙力増強剤を0.02〜0.1質量%、サイズ剤を0.05〜0.2質量%添加して形成されていることを特徴とする洗浄便座用トイレットロール。
  2. 前記トイレットロールが1枚のシートからなり、その坪量が15〜25g/mで、厚さが65〜110μmであることを特徴とする請求項1記載の洗浄便座用トイレットロール。
  3. 前記トイレットロールが2枚のシートを重ね合わせてなり、シート1枚の坪量が12〜25g/mで、厚さが50〜110μmであり、2枚重ね合わせた坪量が22〜48g/mで、厚さが90〜200μmであることを特徴とする請求項1記載の洗浄便座用トイレットロール。
  4. 前記トイレットロールが3枚のシートを重ね合わせてなり、シート1枚の坪量が12〜20g/mで、厚さが50〜85μmであり、3枚重ね合わせた坪量が33〜60g/mで、厚さが130〜240μmであることを特徴とする請求項1記載の洗浄便座用トイレットロール。
  5. 前記シートにエンボス加工が施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄便座用トイレットロール。
  6. セルロースパルプが、クラフト蒸解後に元素状塩素を使用せずに漂白処理したパルプである請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄便座用トイレットロール。
  7. セルロースパルプが、漂白処理工程で酸処理されているパルプである請求項6に記載の洗浄便座用トイレットロール。
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