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衛生薄葉紙及びその製造方法
本発明は、ティシュペーパー等の衛生薄葉紙に関し、特に保湿剤等の薄葉紙処理剤を含有させた衛生薄葉紙及びその製造方法に関する。
保湿剤や柔軟剤等の薄葉紙処理剤を含有させた、ローションタイプとも言われる衛生薄葉紙はよく知られる。
この種の衛生薄葉紙は、湿潤タイプのウェットティシューとは区別され、非湿潤状態であり、一般的な非保湿系のティシュペーパーと同様に取り扱われ使用される。
このような衛生薄葉紙は、非保湿系のものと比較して柔らかさ感、ぬめり感、滑らかさ感、きしみのなさ、ふんわり感といった風合いに優れ、肌への刺激が低減されており、鼻をかむさいやフェイシャル用途によく利用されている。
他方、衛生薄葉紙においては、エンボス加工を施して表面に凹凸を形成し、厚み感を発現させるとともに、使用時に紙面と皮膚との接触面積を低下させることで、使用者に紙面を滑らかに感じさせる技術がある。
しかし、薄葉紙処理剤を含有させた技術も、エンボス加工を施す技術も、ともに紙力を低下させる要因となる。このため従来技術においては、エンボス加工と薄葉紙処理剤の双方の技術を採用する場合、使用に耐えうる十分な紙力を確保しつつ薄葉紙処理剤塗布すべく、過度に紙力の強い基材紙を用いるか、エンボスロールとゴムロールとによってエンボスを付与するとともに、そのエンボスロールのエンボス付与凸部に薄葉紙処理剤を塗布して、エンボス付与部分にのみ薄葉紙処理剤を転写することとして、エンボスと薄葉紙処理剤の塗布による紙力低下を抑制することとしていた。
特許4041209号公報
しかし、過度に強い紙力の基材紙を用いた場合には、表面の滑らかさはともかく、柔らかさを十分に発現させることが困難であり、また、後者のエンボス部分のみに薄葉紙処理剤を転写する方法では、図4に示される衛生薄葉紙X100のように、各単位エンボスe,e・・・が浅く、またエンボス凹部の底面にしか薄葉紙処理剤が塗布されず、柔軟剤塗布部分s,s・・・が使用面(エンボス凸部面)に露出されず、しかも薄葉紙処理剤が紙面全体に塗布されない構造となるため、滑らかさ、柔らかさが十分に向上されたと言い難いものであった。
そこで、本発明の主たる課題は、ローションティシューとも呼ばれる薄葉紙処理剤が塗布された衛生薄葉紙において、エンボス加工と紙面全体への薄葉紙処理剤の塗布を達成し、滑らかさ、柔らかさといった風合いが極めて向上された衛生薄葉紙を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
基材紙に薄葉紙処理剤が含有された衛生薄葉紙であって、
0重量%を超えて35重量%以下の範囲で薄葉紙処理剤を含有し、
表裏面の全面に薄葉紙処理剤が塗布され、
かつ、表裏面の各面にエンボス付与凸部によって押されて形成された凹エンボスを有す態様のエンボスが付与されていることを特徴とする衛生薄葉紙。
<請求項2記載の発明>
表裏のエンボス凹部の面積比((表面のエンボス凹部の総面積)/(裏面のエンボス凹部の総面積))が、0.1〜0.75である、請求項1記載の衛生薄葉紙。
<請求項3記載の発明>
表裏一方面につき、エンボス凹部が10〜30個/cm2配されている請求項1又は2記載の衛生薄葉紙。
<請求項4記載の発明>
原反ロールから繰り出された連続シートに対してオンライングラビア印刷によりその表裏に薄葉紙処理剤を塗布し、
その後に連続して、双方にエンボス付与凸部が形成された一対のエンボスロール間に前記連続シートを通して、その表裏面にエンボス凹部を有するエンボスを付与することを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
<請求項5記載の発明>
前記一対のエンボスロールによって、表裏面のエンボス凹部の面積比((表面のエンボス凹部の総面積)/(裏面のエンボス凹部の総面積))が0.1〜0.75となるようにエンボスを付与する、請求項4記載の衛生薄葉紙の製造方法。
<請求項6記載の発明>
前記一対のエンボスロールは、少なくとも一つのエンボスロールにエンボス付与凸部が、10〜30個/cm2配されており、かつ、各エンボスロール間の距離が200μm〜1.00mmである、請求項4又は5記載の衛生薄葉紙の製造方法。
以上の本発明によれば、薄葉紙処理剤が塗布された衛生薄葉紙において、エンボス加工と紙面全体への薄葉紙処理剤の塗布が達成されるとともに、滑らかさ、柔らかさといった風合いが極めて向上された衛生薄葉紙が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳説する。
〔構造例〕
本発明に係る衛生薄葉紙の基材紙は、1枚の薄葉紙又は2枚以上の薄葉紙(以下、原紙シートともいう)が積層されたプライ構造のいずれの構造のシートであってもよい。プライ構造とする場合、積層される原紙シートの枚数は特に限定されるものではなく、例えば2枚、3枚、4枚、又はそれ以上の複数枚と適宜変更することができる。
本発明において、好ましい構造例は、2枚又は3枚のプライ構造である。この場合、ティシュペーパーとしての使用に特に適する。ただし、本発明は、積層構造を有する形態に限定されるわけではない。
他方、本願発明の衛生薄葉紙は、エンボスが付与されている。そのエンボスは、図1に1枚構造の例X1を示すように、その表裏面の双方にエンボス凹部E,E・・・が形成されるように配されている。
図示はしないが平面視において視認されるエンボスによって形成される模様は、審美性などを考慮して適宜選択することができ、本発明においては限定されない。例えば、規則的に配置された幾何学的な模様であってもよいし、絵、マークのようなデザイン性のある図案、図柄の模様がエンボスにより形成されていてもよい。
また、前記一つのエンボス凹部の形状等も適宜の設計事項である。例えば、底部の形状が正方形、菱形、円形、楕円形、多角形などが採用できる。
なお、エンボス凹部は、その底部の面積を、0.01〜4.00mm2、より好ましくは0.5〜2.0mm2とするのがよい。底部の面積が狭すぎると、滑らかさが発現し難くなる。反対に、底部の面積が広すぎると、厚み感が発現し難くなる。
ここで、本発明において特に好適なエンボスの形態を示せば、そのエンボスは、表裏のエンボス凹部の面積比((表面のエンボス凹部の総面積)/(裏面のエンボス凹部の総面積))が、0.1〜0.75、好ましくは0.2〜0.35である。エンボス凹部の面積比率がこの範囲であると、特に皮膚への刺激が小さく、滑らかさ感に優れるものとなる。
なお、ここでのエンボス凹部の面積比とは、エンボス凹部の総面積比のことである。すなわち、原則として一方面からみて凹となっている部分の総面積の比である。
さらに、本発明の衛生薄葉紙においては、表裏一方面につき、エンボス凹部が10〜30個/cm2配されているのが望ましい。エンボス凹部が10個/cm2であると、滑らかさが発現し難く、30個/cm2を超えるとエンボスが小さくなりすぎて、肌触りを良く感じにくくなる。
〔薄葉紙〕
他方、本発明に係る衛生薄葉紙を構成する薄葉紙(原紙シート)の原料パルプは、特に限定されない。衛生薄葉紙の用途に応じて適宜の原料パルプを選択して使用することができる。原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
特には、原料パルプは、トイレットペーパー、ティシュペーパーとするのであれば、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=30:70〜50:50がよく、特に、NBKP:LBKP=40:60が望ましい。
パルプ繊維等の原料は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、基紙とする。
この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
〔薄葉紙処理剤〕
他方、本発明の衛生薄葉紙は、薄葉紙処理剤を0重量%を超えて35重量%以下含有する。好ましくは、15重量%以上25重量%以下である。さらに、好ましくは、18〜22重量%である。薄葉紙処理剤の含有量が、0重量%であれば薄葉紙処理剤の効果が発揮されず、また、35重量%を超えるとティッシュペーパーにべた付き感が生じる。
本願発明の薄葉紙処理剤としては、エステル結合を有する第4級アンモニウム塩、炭素数8以上22以下の脂肪酸、ポリエチレンオキシド付加ソルビタンのエステル、多価アルコール等が挙げられる。本発明の薄葉紙処理剤としては、その他、例えば、特開2008−007926号公報、特開2008−006273号公報に開示される薬液を用いることができる。
また、本発明の衛生薄葉紙では、上述の所定の薄葉紙処理剤の含有量であるとともに、その薄葉紙処理剤が、図1にも示されるとおり、衛生薄葉紙X1の表裏面の全面に塗布されている。従って、エンボス凸部、エンボス凹部、凸部と凹部との境界部分のすべての箇所が薄葉紙処理材で処理された状態となっている。このため、従来の部分的に薄葉紙処理剤が付与されたものと比較して、格段に優れた風合いとなる。
〔米坪〕
他方、本発明に係る衛生薄葉紙の米坪は、その用途によって適宜調整することができるが、米坪は10〜40g/m2、さらに好ましくは10〜20g/m2の範囲内にあるものを使用するのが望ましい。米坪が10g/未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となりる。逆に米坪が40g/m2を超えると紙全体が硬くなるとともに、ゴワ付き感が生じてしまい肌触りが悪くなる。この範囲は、衛生薄葉紙の用途として、ティシュペーパーとする場合に、特に適する。なお、米坪は、JIS P 8124の米坪測定方法による。
〔紙厚〕
紙厚もまた、衛生薄葉紙の用途によって適宜調整することができる。ティシュペーパーの場合、50〜250μmとするのが好ましい。紙厚が50μm未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、ティシュペーパーとしての強度を適正に確保することがで困難となる。また、250μm超では、ティシュペーパーの肌触りが悪化するとともに、使用時にゴワツキ感が生じるようになる。なお、積層構造とする場合に、各層を構成する原紙シートの紙厚は、すべて統一する必要はない。
紙厚の測定方法としては、JIS P 8111の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料(例えば、トイレットペーパー。)を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
本発明に係る衛生薄葉紙の引張強度は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて行う。その中でJIS P 8111に規定された標準条件下で、縦方向及び横方向に幅25mmに裁断するものとする。
〔MMD〕
他方、本発明の衛生薄葉紙は、MMDの値が5.0〜7.0であるのが望ましい。ここでのMMDは、JIS P 8111に規定される条件下で測定した、摩擦係数の平均偏差MMDである。摩擦係数の平均偏差MMDは、カトーテック株式会社製「摩擦感テスター KES SE」を用いて測定することができる。MMDは滑らかさの指標の一つであり、数値が小さいほど滑らかであり、数値が大きいほど滑らかさに劣るとされる。
〔ソフトネス〕
他方、本発明の衛生薄葉紙は、ソフトネスの値が0.5〜0.75であるのが望ましい。ここでのソフトネスは、JIS L1096 E法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定したものである。
〔伸び率〕
他方、本発明の衛生薄葉紙は、伸び率の値が10.0〜13.5であるのが望ましい。ここでの伸び率は、ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG−200N」を用いて測定したものである。
〔製造方法例〕
上記説明の本発明の衛生薄葉紙は、以下のようにして製造することが可能である。本例では、2枚重ね(2プライ構造)の衛生薄葉紙を例に説明する。
まず、図2に示すように、原反シートを巻き取った複数の原反ロールR,R(図中では2個)から各連続シートr,rを連続的に繰り出す。この際のテンションなどは既知の技術による。
次いで、この繰り出された各連続シートr、rの表裏面の全面に対して、オンライングラビア印刷装置11,11によって、上記説明の薄葉紙処理剤を塗布する。
なお、オンライングラビア印刷装置11,11により塗布するのであれば、薄葉紙処理剤の塗布量は1.5〜5.0g/m2とするのが望ましい。
次いで、その印刷処理された各連続シートr’,r’を下流に流す過程で、それぞれを一対のエンボスロール12,12間に通してエンボスを付与する。
一対のエンボスロールに関しては、エンボス付与凸部を配した金属ロールとゴムロールとで構成したものが挙げられる。
ここで、各連続シートに対してエンボスを付与するにあたっては、一対のエンボスロール間距離が、50μm〜3.0mm、好ましくは200μm〜1.00mmとなるように行うのが望ましい。
エンボスロール間距離が短すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、エンボスロール間距離が長すぎると、連続シートが破断しまうおそれがある。
なお、上述の好適なエンボス形態を達成すべく、各エンボスロール間における、エンボス付与凸部の面積比は0.1〜0.75であるのが望ましく、また、紙送りの速さは50〜150m/minとするのが望ましい。
また、そのエンボスロール12は、少なくとも一つのロールにエンボス付与凸部が、10〜30個/cm2配されているものであるのが望ましい。
各連続シートにエンボスが付与されたならば、次いで、両連続シートをそれらのエンボス凸部同士が対面するようにして、プライ接合手段13により積層して一体化する。この積層に関しては、既知の、所謂Nested、Tip To Tipといった方式を採用することができる。
このようにして積層一体化された連続シートr”は、間欠的又は連続的に適宜インターフォルダー等に送られて折り畳み積層され束とされて、衛生薄葉紙若しくはその製品とされる。
なお、図1に示す1枚構造である場合には、一対のエンボスロール12,12の双方にエンボス付与凸部が形成したものを用いればよい。
次いで、本発明の効果を確認すべく、まず本発明の実施例と比較例について、MMD及び滑らかさについて評価した。MMDの測定方法は、上記発明を実施するための最良の形態の欄で説明したとおりである。
なお、本発明の実施例及び比較例は、米坪15.0g/m2の薄葉紙(原紙シート)に対して、薄葉紙処理剤(ライオン社製)10〜30重量%含有させ、さらに実施例については、15個/cm2、表裏のエンボス凹部の面積比5:2の条件でエンボスを付与した。比較例についてはエンボス加工をしなかった。
結果を表1に示す。表1より、本発明の実施例は、MMDにおいて比較例よりも良好な数値となっており、また、官能評価においても滑らかさに優れるとの傾向が見られる。従って、本発明については、滑らかさについて向上されているといえる。なお、本試験における滑らかさの官能評価は、評価人数100人であり、0〜5段階の絶対評価にて行った。表中の数値は、100人の平均値である。
Figure 2009240721
また、官能評価については、「デザインの見栄えの良さ」、「高級感」、「柔らかさ」、「ふんわり感」、「厚み感」、「しっとり感」、「滑らかさ」、「肌触りの良さ」、「肌への優しさ」、「総合評価」についても行った。その、官能評価の結果は図1にそれぞれ示す。なお、ここでの官能評価の評価方法は、エンボス加工をしていない比較例を基準(3点)として、その基準よりも優れているか否かを5段階の点数で評価することとした。評価人数は100人であり、図中の点数はその平均である。
この図1に示される官能評価の結果から、滑らかさ以外の風合いについても比較例よりも優れるということが確認できる。
このことから、エンボス加工を施した本願発明にかかる衛生薄葉紙は、物性においても、実際の使用の際の感じ方に関しても、比較例よりも高い評価となることが示された。
さらに、一対のエンボスロール間距離とMMDとの関係(結果は表2)、エンボス凹部の個数と滑らかさ(官能評価)の関係(結果は表3)、エンボス凹部面積比と滑らかさ(官能評価)の関係(結果は表4)、塗布方法と伸び率との関係(結果は表5)についても試験した。これらの試験においては、米坪15.0g/m2の薄葉紙(原紙シート)に対して、薄葉紙処理剤(ライオン社製)20重量%含有させたものに、エンボスを付与したものを用いた。なお、これらの試験における官能評価は100人による5段階の絶対評価である。
Figure 2009240721
Figure 2009240721
Figure 2009240721
Figure 2009240721
これらの試験の結果から、一対のエンボスロール間距離が、200μm〜1.00mmが望ましく、エンボス個数については18個前後が望ましく、エンボス面積比については、0.2前後、特に0.8未満であるのが望ましく、塗布方法についてはオンライン塗布であるのが望ましいことが理解できる。なお、伸び率については、双方ともにグラビア印刷であり、また伸び率は紙の断紙の起こりやすさの指標のひとつであって、数値が小さいほど操業中に断紙しやすいとされる。
以上のことから、本発明は柔らかさ、滑らかさといった風合いが十分に向上されているうえに、使用に耐えうる十分な強度も合わせもっていることが示された。
従って、本発明によれば、薄葉紙処理剤が塗布された衛生薄葉紙において、エンボス加工と紙面全体への薄葉紙処理剤の塗布が達成されるとともに、滑らかさ、柔らかさといった風合いが極めて向上された衛生薄葉紙が提供される。
本発明の衛生薄葉紙は、清拭用途、特に身体の清拭用途、さらにはフェイシャル用途などに利用される衛生薄葉紙に利用することが可能である。
本発明にかかる衛生薄葉紙の一例の断面図である。 本発明にかかる衛生薄葉紙の製造工程例の概略を示す図である。 本発明にかかる実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 従来の衛生薄葉紙の断面図である。

Claims (6)

  1. 基材紙に薄葉紙処理剤が含有された衛生薄葉紙であって、
    0重量%を超えて35重量%以下の範囲で薄葉紙処理剤を含有し、
    表裏面の全面に薄葉紙処理剤が塗布され、
    かつ、表裏面の各面にエンボス付与凸部によって押されて形成された凹エンボスを有す態様のエンボスが付与されていることを特徴とする衛生薄葉紙。
  2. 表裏のエンボス凹部の面積比((表面のエンボス凹部の総面積)/(裏面のエンボス凹部の総面積))が、0.1〜0.75である、請求項1記載の衛生薄葉紙。
  3. 表裏一方面につき、エンボス凹部が10〜30個/cm2配されている請求項1又は2記載の衛生薄葉紙。
  4. 原反ロールから繰り出された連続シートに対してオンライングラビア印刷によりその表裏に薄葉紙処理剤を塗布し、
    その後に連続して、双方にエンボス付与凸部が形成された一対のエンボスロール間に前記連続シートを通して、その表裏面にエンボス凹部を有するエンボスを付与することを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
  5. 前記一対のエンボスロールによって、表裏面のエンボス凹部の面積比((表面のエンボス凹部の総面積)/(裏面のエンボス凹部の総面積))が0.1〜0.75となるようにエンボスを付与する、請求項4記載の衛生薄葉紙の製造方法。
  6. 前記一対のエンボスロールは、少なくとも一つのエンボスロールにエンボス付与凸部が、10〜30個/cm2配されており、かつ、各エンボスロール間の距離が200μm〜1.00mmである、請求項4又は5記載の衛生薄葉紙の製造方法。
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