JP7135429B2 - 保湿ティシュ - Google Patents
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Description
しかしながら、人によってはしっとり感をべたつきと感じることもある。特許文献1に記載の保湿ティシュでは、エンボス形状(凹凸形状)による凸部の配設密度が高過ぎ、多くの人がべたつきと感じてしまう。
(1)保湿剤を含侵する2プライの保湿ティシュであって、
前記2プライの保湿ティシュは平均厚さが80~250μmで、表面に凸部を有し、前記凸部の平均高さが0.1~1.0mmで、前記凸部各々の頂面の面積が0.2~70mm 2 であり、前記2プライの保湿ティシュは前記凸部を平面積1cm2あたり0.1~3.5個有することを特徴とする保湿ティシュ。
なお、添付図面では、便宜上、各部の寸法およびそれらの比率を誇張して示し、実際とは異なる場合がある。また、本明細書中に示す材料、寸法等は一例であって、本発明は、それらに限定されず、その要旨を変更しない範囲で適宜変更することが可能である。
図1は、本発明のティシュの第1実施形態を模式的に示す平面図、図2は、図1中のA-A線断面図である。
また、説明の都合上、図1の紙面手前側を「上」と、紙面奥側を「下」と言い、図2の上側を「上」と、下側を「下」と言う。
なお、ティシュ1のMD方向における引張強度は、1.0~6.0N/25mm程度であることが好ましく、1.0~3.0N/25mm程度であることがより好ましい。また、ティシュ1のCD方向における引張強度は、0.3~4.0N/25mm程度であることが好ましく、0.3~1.0N/25mm程度であることがより好ましい。
木材パルプとしては、例えば、広葉樹パルプ(広葉樹クラフトパルプ(LKP))、針葉樹パルプ(針葉樹クラフトパルプ(NKP))、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)のような化学パルプが挙げられる。また、木材パルプとしては、例えば、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)のような半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)のような機械パルプが挙げられる。
脱墨パルプとしては、例えば、古紙を原料とし、脱墨することで得られるパルプが挙げられる。
なお、パルプ成分には、上記のパルプのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
乾燥紙力剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。
湿潤紙力剤としては、例えば、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素、メラミン、熱架橋性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。
柔軟剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤等を挙げることができる。
特に、ティシュ1の平面視において凸部3が占有する割合(占有面積比率)は、5~95%程度であることが好ましく、40~90%程度であることがより好ましく、70~90%程度であることがさらに好ましい。かかる占有面積比率で凸部3が存在することにより、ティシュ1の全面における肌触り感の均一性をより高めることができる。
凸部3の平均高さは、0.1~1.0mm程度であることが好ましく、0.1~0.7mm程度であることがより好ましく、0.1~0.4mm程度であることがさらに好ましい。凸部3の平均高さを前記範囲に設定することにより、ティシュ1の肌触り感をより向上させるとともに、保湿剤を含侵させた際にべたつき感が高まることを好適に防止することができる。
ティシュ1は、1枚プライでもよいが、複数プライであることが好ましい。これにより、ティシュ1の強度を高めるとともに、ティシュ1のふんわり感を向上させることができる。
このようなティシュ1は、そのまま使用することもできるが、保湿剤を含浸させた保湿ティシュとして使用することもできる。
なお、保湿剤に代えて、ティシュ1には、消毒剤、薬効成分を含有する薬液、香料を含む液体、色素を含む着色液等を含浸させるようにしてもよい。
まず、保湿ティシュの原紙を、抄紙機を用いてパルプスラリーを抄紙することにより製造する。
この抄紙機は、一般的に、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、カレンダーパート、およびリールパートを備えている。
ワイヤーパートでは、パルプスラリーをフォーミングユニットに供給し、原紙となる2層抄きのシートを形成することができる。なお、フォーミングユニットにおいて3層抄きとすれば、3層抄きのシートを形成することもできる。
フォーミングユニットでは、各層を形成するパルプスラリーの成分配合比率を異なるものとすることもできる。これにより、シートを構成する各層の性状を異なるものとしてもよい。
ドライヤーパートでは、プレスパートを経て得られたシートを乾燥させる。乾燥には、ヤンキードライヤーを用いることが好ましい。これにより、湿紙であったシートを乾燥状態のシート(原紙)とすることができる。
リールパートでは、上記工程を経て得られた原紙を巻き取って、ロール体を形成する。
ここで、保湿剤を原紙に塗布する手法としては、例えば、オフセットグラビア方式、ダイレクトグラビア方式、キスコート方式、ダイコート方式のようなロールコート方式を用いることができる。
これは、例えば、一対のエンボスロール同士の間に、原紙を挟み込み、エンボスロールの表面に形成された凸部を型押しする。これにより、原紙にエンボス加工を施す。
エンボスロールの表面を構成する材料は、それぞれ、例えば金属材料、樹脂材料、ゴム材料等が挙げられる。
その後、エンボス加工が施された原紙を、所望の長さにカットする。これにより、保湿ティシュが得られる。
次に、本発明のティシュの第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態のティシュについて説明するが、前記第1実施形態のティシュとの相違点を中心に説明し、同様の事項は、その説明を省略する。
第2実施形態のティシュ1は、凸部3の形成方法が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のティシュ1と同様である。
また、説明の都合上、図3の紙面手前側を「上」と、紙面奥側を「下」と言い、図4の上側を「上」と、下側を「下」と言う。
本実施形態では、六角形状の3つの対角線のうちの1つの対角線がMD方向に沿っている。
また、凸部3の平面視形状が多角形状をなすことにより、ティシュ1が簡単に折れ曲がることを防止することができる。
なお、線状の凹部2は、その長手方向に沿って幅が一定であるが、長手方向の途中で幅が変化していてもよい。
次に、本発明のティシュの第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態のティシュについて説明するが、前記第1および第2実施形態のティシュとの相違点を中心に説明し、同様の事項は、その説明を省略する。
第3実施形態のティシュ1は、凸部3の平面視形状(多角形状)が異なり、それ以外は、前記第2実施形態のティシュ1と同様である。
図5に示すように、第3実施形態のティシュ1は、その上面にエンボス加工による格子状(交差する線状)の凹部2と、凹部2により画成された平面視形状が菱形形状(縦方向に長い四角形状)をなす凸部3を有している。
本実施形態では、菱形形状の2つの対角線のうちの長い方の対角線がMD方向に沿っている。
このような第3実施形態のティシュ1においても、前記第1および第2実施形態のティシュ1と同様の作用および効果を発揮する。
次に、本発明のティシュの第4実施形態について説明する。
以下、第4実施形態のティシュについて説明するが、前記第1~第3実施形態のティシュとの相違点を中心に説明し、同様の事項は、その説明を省略する。
第4実施形態のティシュ1は、凸部3の平面視形状(多角形状)が異なり、かつ一列に配置された凸部3が接続されており、それ以外は、前記第2実施形態のティシュ1と同様である。
図6に示すように、第4実施形態のティシュ1は、その上面にエンボス加工による線状の凹部2と、凹部2により画成された平面視形状が異形状(六角形状と長方形状とを組み合わせたような形状)をなす凸部3を有している。また、一列に配置された凸部3が接続されて凸条を形成している。
本実施形態では、この凸条がMD方向に沿って延在している。
このような第4実施形態のティシュ1においても、前記第1~第3実施形態のティシュ1と同様の作用および効果を発揮する。
例えば、本発明では、前記第1~第4実施形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
(実施例1)
原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)70質量%と、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)30質量%との混合物を用意した。この混合物0.1質量部に対して水99.9質量部を添加し、パルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを、2層抄きツインワイヤーフォーマーを用いて抄造した後、脱水および乾燥して、坪量が15.1g/m2の原紙を得た。得られた原紙を2枚重ね合せることにより2プライの原紙を得た。
図1に示す平面視形状の凸部であるが、凸部と凹部との関係が反転したエンボスローラを用いてエンボス加工を施したこと以外は、前記実施例1と同様にして、保湿ティシュを製造した。
(実施例3)
図3に示す平面視形状の凸部を形成したこと以外は、前記実施例2と同様にして、保湿ティシュを製造した。
(実施例4)
図5に示す平面視形状の凸部を形成したこと以外は、前記実施例2と同様にして、保湿ティシュを製造した。
形成する凸部の数を変更したこと以外は、前記実施例3と同様にして、保湿ティシュを製造した。
(実施例6)
図6に示す平面視形状の凸部を形成したこと以外は、前記実施例2と同様にして、保湿ティシュを製造した。
エンボス加工を省略したこと以外は、前記実施例1と同様にして、保湿ティシュを製造した。
(比較例2、3)
形成する凸部の数を変更したこと以外は、前記実施例3と同様にして、保湿ティシュを製造した。
2-1.凸部の占有面積比率および平均高さの測定
凸部の形状は、3D形状測定器VR-3200および解析アプリケーションVR-H2A(いずれもキーエンス社製)を用いて測定した。手順を下記のようにした。
I:3D形状測定器VR-3200を用いて、倍率12倍で凸部の3D形状を撮影した。
II:解析アプリケーションVR-H2Aの機能を用いて、凸部の3D形状の全てを対象に基準線を設定した
III:同アプリケーションが備える形状補正ツールのゆがみ修正機能を用いて、凸部の3D形状の測定データについてゆがみを修正した。
V:IVと同時に、凸部の高さの平均値を算出した。これは、1水準につき5枚のサンプルのそれぞれ無作為に選んだ6か所において凸部の高さを測定し、得られた合計30個の値を平均することにより求めた。
I:「2-1.凸部の占有面積比率および平均深さの測定」における手順IIIまでと同様に操作した。
II:プロファイル計測を用いて、凹部の幅の平均値を算出した。これは、1水準につき5枚のサンプルのそれぞれ無作為に選んだ4か所から画像を抽出して、20枚の抽出画像を得た後、各抽出画像の無作為に選んだ2か所において凹部の幅を測定し、得られた40個の値を平均することにより求めた。
各実施例および各比較例で得られた保湿ティシュについて、JIS P 8124に準拠して、その秤量を測定した。
各実施例および各比較例で得られた保湿ティシュ(2プライ)の厚さは、厚さ計(ハイブリッジ製作所製)を用いて、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下降させた時の値を読み取った。測定圧は50kPaとした。
なお、平均厚さは、保湿ティシュ(2プライ)を10サンプル用意して、各サンプルにつき無作為に選んだ3ヶ所ずつ厚さを測定し、得られた合計30か所の値を平均することにより求めた。また、厚さの測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
各実施例および各比較例で得られた保湿ティシュ(2プライ)のHF値は、ティシュソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて測定した。
まず、保湿ティシュを直径112.8mmの円形にカットしてサンプルを作製した。具体的には、円形の型を保湿ティシュの中央部に位置するように配置し、型の外周に沿って保湿ティシュをカットした。なお、サンプルは、2プライのまま使用した。
また、同一のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの圧力と、600mNの圧力とで押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出した。
HF値は、振動周波数と変形変位量とから算出される値であり、計算のアルゴリズムはFacialIIを用いた。
なお、上記サンプルの測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。また、測定の際には、付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをFacialIIに設定した。計算ソフトウェアには、emetec measurement system ver.3.22を使用した。
各実施例および各比較例で得られた保湿ティシュのふんわり感(手触り感)を下記の評価基準に従って評価した。具体的には、男女各20人ずつ(合計40人)の試験者に、保湿ティシュのふんわり感について、下記の評価基準に従って点数を付けてもらい、その平均値を求めた。
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
各実施例および各比較例で得られた保湿ティシュのしっとり感(手触り感)を下記の評価基準に従って評価した。具体的には、男女各20人ずつ(合計40人)の試験者に、保湿ティシュのしっとり感について、下記の評価基準に従って点数を付けてもらい、その平均値を求めた。
5:良い(しっとり感が強く、べたつき感はない。)
4:やや良い(しっとり感はあるが、若干べたつき感もある。)
3:普通(しっとり感もべたつき感もある。)
2:やや悪い(しっとり感よりもべたつき感が強い。)
1:悪い(べたつき感が強く、しっとり感はない。)
また、各実施例で得られた保湿ティシュは、各比較例で得られた保湿ティシュと比較して、皺の発生も抑えられた。
2 凹部
3 凸部
Claims (7)
- 保湿剤を含侵する2プライの保湿ティシュであって、
前記2プライの保湿ティシュは平均厚さが80~250μmで、表面に凸部を有し、
前記凸部は平均高さが0.1~1.0mmで、該凸部の頂面の面積が0.2~70mm 2 であり、
前記2プライの保湿ティシュは前記凸部を平面積1cm2あたり0.1~3.5個有することを特徴とする保湿ティシュ。 - 前記凸部各々は、線状の凹部で画成されている請求項1に記載の保湿ティシュ。
- 前記凹部各々の平均幅は、0.5~9.5mmである請求項2に記載の保湿ティシュ。
- 当該保湿ティシュの平面視において前記凸部が占有する割合は、5~95%である請求項1ないし3のいずれかに記載の保湿ティシュ。
- 前記凸部各々の平面視形状は、多角形状である請求項1ないし4のいずれかに記載の保湿ティシュ。
- 前記多角形状は、四角形状、六角形状または異形状である請求項5に記載の保湿ティシュ。
- 前記凸部が、当該保湿ティシュの全面にわたって均一に設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の保湿ティシュ。
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