JP7124319B2 - 衛生用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、ティシュペーパー製品等に代表される衛生用紙に関する。
ティシュペーパー製品は、非保湿ティシュと保湿ティシュに大別される。保湿ティシュは抄紙されたティシュ原紙にグリセリン等の保湿剤を塗布して生産されたティシュであり、非保湿ティシュはティシュ原紙に保湿剤を塗布しない一般的なティシュである。ティシュペーパー製品は、肌に直接触れるものであるため、肌への刺激が少ないものが好まれる傾向にあり、近年は保湿ティシュの需要が高まってきている。
保湿ティシュはグリセリン等の吸湿性のある薬剤を、衛生薄葉紙の基紙に対し塗布することで製造される。例えば、特許文献1には、油性物質と保湿剤を外添塗布する技術が開示されている。ここでは、衛生薄葉紙の基紙に油性物質や保湿剤といった保湿成分を含有させることで、保水性やしっとり感を高めることが提案されている。
しかし、保湿成分は繊維間結合を阻害する作用があり、柔らかさを出そうとすると、ティシュの紙力が低下するという問題が発生する。このため、柔軟性とともに強度にも優れたティシュの開発も進められている。例えば、特許文献2には、柔軟剤と両性イオン系紙力増強剤を含有する衛生用紙が開示されている。ここでは、柔軟剤が配合された衛生用紙において、両性イオン系紙力増強剤を併用することで、柔軟性とともに強度にも優れた保湿ティシュが得られるとされている。
特開平4-9121号公報 特開2009-039308号公報
しかしながら、柔らかく手触りに優れることと、強度が強いことは相反する特性であり、上記特許文献2に記載の技術を用いても、柔らかな手触り感と強度の両立は十分ではなかった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、手触りが良く、かつ強度に優れた衛生用紙を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、衛生用紙において、保湿剤等の薬剤を不均一に分布させることにより、手触りが良好であり、かつ強度を兼ね備えた衛生用紙が得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 薬剤を含有する衛生用紙であって、薬剤が不均一に分布されている衛生用紙。
[2] 衛生用紙を面方向において縦3列×横3列となるように9分割した場合、衛生用紙の中心点を含む中央領域の薬剤含有量と、衛生用紙の角隅部を含む4つの角部領域の平均薬剤含有量に差がある[1]に記載の衛生用紙。
[3] 中央領域の薬剤含有量が0.0~10.0g/m2であり、4つの角部領域の平均薬剤含有量が0.0~10.0g/m2である[2]に記載の衛生用紙。
[4] 中央領域の薬剤含有量をPとし、4つの角部領域の平均薬剤含有量をQとした場合、P/Q≧1.17もしくは、Q/P≧1.17である[2]又は[3]に記載の衛生用紙。
[5] 中央領域の薬剤含有量をPとし、4つの角部領域の平均薬剤含有量をQとした場合、P/Q≧1.17である[2]~[4]のいずれかに記載の衛生用紙。
[6] 中央領域の薬剤含有量をPとし、中央領域に隣接する2つの幅方向端部領域の平均薬剤含有量をRとした場合、P/R≧1.17である[2]~[5]のいずれかに記載の衛生用紙。
[7] 衛生用紙全体の縦方向の比引張強度と、衛生用紙全体の横方向の比引張強度の2乗平均値が1.6N・m/g以上である[1]~[6]のいずれかに記載の衛生用紙。
[8] 衛生用紙全体の縦方向の比引張強度が2.5~10.0N・m/gであり、衛生用紙全体の横方向の比引張強度が1.0~5.0N・m/gである[1]~[7]のいずれかに記載の衛生用紙。
[9] 薬剤が保湿剤を含む[1]~[8]のいずれかに記載の衛生用紙。
[10] ティシュペーパー製品である[1]~[9]のいずれかに記載の衛生用紙。
[11] 薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程を含む衛生用紙の製造方法であって、衛生用紙の中心点を含む中央領域の薬剤含有量と、衛生用紙の角隅部を含む4つの角部領域の平均薬剤含有量に差がある衛生用紙の製造方法。
[12] 薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程は、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に噴霧塗布する工程である[11]に記載の衛生用紙の製造方法。
本発明によれば、手触りが良く、かつ強度に優れた衛生用紙を得ることができる。
図1は、衛生用紙の各領域を説明する平面図である。 図2は、衛生用紙における薬剤の分布状態を説明する平面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「A~B」とは「A以上B以下」であることを意味する。
(衛生用紙)
本発明は、薬剤を含有する衛生用紙であって、薬剤が不均一に分布されている衛生用紙に関する。本発明の衛生用紙は、上記構成を有するものであるため、柔らかく手触り感に優れることに加えて、十分な強度を有している。また、本発明の衛生用紙は、優れた吸水性を発揮できる点にも特徴がある。
本発明の衛生用紙は、2プライ以上の衛生用紙であることが好ましい。衛生用紙のプライ数は衛生用紙原紙の重ね合わせ枚数を意味する。プライ数は、1以上であってもよく、2以上4以下であることがより好ましく、2もしくは3であることがさらに好ましく、2であることが特に好ましい。
本発明の衛生用紙は、ティシュペーパー、ちり紙、ペーパータオル(キッチンペーパー等)、トイレットペーパー、ワッティング(紙綿)等として用いることができる。中でも、本発明の衛生用紙は、ティシュペーパー製品として用いられるものであることが好ましい。本発明の衛生用紙は、柔らかく手触り感に優れるものであるため、顔などの敏感な部位の肌に直接触れるティシュペーパー製品として特に好ましく用いられる。
ここで、本明細書において、薬剤が不均一に分布されている状態とは、衛生用紙の平面方向において薬剤の含有量に差がある状態をいう。より具体的には、衛生用紙を縦3列×横3列となるように9分割した場合に、各分割片における薬剤含有量のバラツキ(標準偏差)が0.2以上である状態をいう。
バラツキ=(Σ(測定値-平均値)2/サンプル片の数(9))1/2
上記の式において、「サンプル片の数」は上記の分割片として得た測定サンプルの数であり、ここでは「9」である。「測定値」は各サンプル片の薬剤含有量の測定値であり、「平均値」は9片のサンプル片の薬剤含有量の平均値である。
ここで、9分割とは、衛生用紙を面方向において縦3列×横3列となるように分割することであり、縦3列は衛生用紙の横方向(幅方向)に3等分することで形成されるものであり、横3列は衛生用紙の縦方向(長さ方向)に3等分することで形成されるものである。
なお、薬剤含有量とは1プライの衛生用紙が1m2あたりに含有する薬剤の量を指す。
なお、各分割片における薬剤含有量を測定する方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。
(1)9分割した分割片の各々を調湿する。なお、衛生用紙が2プライ品である場合は、各プライを重ね合わせた状態で分割する。調湿の条件はJIS P 8111に準拠し、23℃、相対湿度50%とする。
(2)調湿した各分割片をそれぞれ円筒ろ紙に詰め、この円筒ろ紙をソックスレー抽出器に入れ、平底フラスコに薬剤の抽出が可能な有機溶媒を入れ、80℃で4時間加熱し、抽出液を得る。
(3)抽出液から溶媒を完全に除去し、抽出物(薬剤)の量を測定する。
(4)各分割片における1m2あたりの薬剤含有量は下記の式で求める。
工程(3)で得られた抽出物(薬剤)量(g)/抽出に使用した分割片の総面積(m2)=各分割片における1m2あたりの薬剤含有量(g/m2
なお、抽出に使用した衛生用紙の総面積は1プライで考える。例えば、200×200mmの2プライの衛生用紙を10組使用して測定した場合は0.8m2となり、分割片では、その1/(分割数)である。
本発明の衛生用紙は、平面方向において薬剤高含有領域と薬剤低含有領域を有していることが好ましい。ここで、薬剤高含有領域とは、薬剤低含有領域に対して薬剤濃度が高い領域である。なお、薬剤低含有領域には薬剤が含有されていなくてもよい。
1組の衛生用紙には、薬剤高含有領域と薬剤低含有領域はそれぞれ1領域ずつ含まれていてもよく、各領域がそれぞれ2領域以上含まれていてもよい。薬剤高含有領域と薬剤低含有領域は衛生用紙の平面方向においてランダムに配置されていてもよく、規則的に配置されていてもよい。例えば、薬剤高含有領域と薬剤低含有領域の境界線が衛生用紙の対角線となるように1領域ずつ設けられていてもよく、また、衛生用紙の中心領域に薬剤高含有領域が設けられ、その周辺領域に薬剤低含有領域が1領域ずつ設けられていてもよい。また、衛生用紙の縦方向における中央線もしくは衛生用紙の幅方向における中央線を対称面とした際に、薬剤高含有領域と薬剤低含有領域が対称(鏡像)となるように、各領域が規則的に配置されていてもよい。なお、薬剤高含有領域と薬剤低含有領域の境界面は明確であっても、明確でなくてもよい。薬剤高含有領域と薬剤低含有領域の境界面が明確ではない場合は、薬剤高含有領域の薬剤含有量を100%としたとき、薬剤濃度に15%以上の差が見られる面を境界面とする。
本実施形態においては、衛生用紙を面方向において縦3列×横3列となるように9分割した場合、衛生用紙の中心点を含む中央領域の薬剤含有量と、衛生用紙の角隅部を含む4つの角部領域の平均薬剤含有量に差があることが好ましい。ここで、縦3列は衛生用紙の横方向(幅方向)に3等分することで形成されるものであり、横3列は衛生用紙の縦方向(長さ方向)に3等分することで形成されるものである。中心点は、平面形状が回転対称性を有する衛生用紙の場合には、その回転の中心のことをいう。回転対称性を有する平面形状として、長方形、正方形、平行四辺形、菱形等が挙げられる。
図1は、本発明の衛生用紙の各領域を説明する平面図である。図1に示されるように、衛生用紙10を面方向において縦3列×横3列となるように9分割した場合、衛生用紙の中心点を含む中央領域はpで表される領域である。また、衛生用紙の角隅部を含む4つの角部領域はqで表される領域である。なお、幅方向において、中央領域pに両隣に隣接する領域は幅方向端部領域rである。
中央領域pの薬剤含有量と、4つの角部領域qの平均薬剤含有量は以下のような方法で測定する。以下の測定方法は、ソックスレー抽出法ともいう。
(1)衛生用紙を面方向において縦3列×横3列の9分割となるように裁断する。なお、衛生用紙が2プライ品である場合は、各プライを重ね合わせた状態で分割する。
(2)9分割した裁断片のうち、衛生用紙の中心点を含む裁断片(中央領域)10gと、衛生用紙の角隅部を含む4つの裁断片(角部領域)10gを調湿する。なお、調湿の条件はJIS P 8111に準拠し、23℃、相対湿度50%とする。
(3)調湿した各裁断片をそれぞれ円筒ろ紙に詰め、この円筒ろ紙をソックスレー抽出器に入れ、平底フラスコに薬剤の抽出が可能な有機溶媒120mLを入れ、80℃で4時間加熱し、抽出液を得る。
(4)抽出液をなす型フラスコに移し、エバポレーターを使って溶媒を除去する。
(5)溶媒除去後、なす型フラスコを80℃の恒温乾燥器中に3時間おき、溶媒を完全に除去する。
(6)なす型フラスコ内に残った抽出物の量を計量する。
(7)各裁断片における1m2あたりの薬剤含有量は下記の式で求める。
工程(6)で得られた抽出物(薬剤)の量(g)/抽出に使用した裁断片の総面積(m2)=各裁断片における1m2あたりの薬剤含有量(g/m2
なお、抽出に使用した衛生用紙の総面積は1プライで考える。例えば、200×200mmの2プライのティシュを10組使用して測定した場合は0.8m2となり、裁断片では、その1/(分割数)である。
なお、薬剤の抽出が可能な有機溶媒は、分析する薬剤の種類によって適宜選択することができるが、薬剤が保湿剤である場合は、例えば、アセトンとエタノールの混合溶媒(アセトン:エタノールの体積比=1:1)を用いることができる。
図2は、衛生用紙における薬剤の分布状態の例を説明する平面図である。なお、薬剤の分布状態は実際に目視で確認することができないが、図2では、薬剤の分布を分かりやすく説明するために、薬剤の分布を黒点で表現している。図2(a)では、薬剤は衛生用紙の幅方向における中央線から、衛生用紙の幅方向の左右に15%、合計30%の幅を有する領域に多く分布している。なお、本明細書において、衛生用紙の幅方向における中央線から、衛生用紙の幅方向の左右15%の幅を有する領域のことを中央帯領域と呼ぶことがあり、中央帯領域の両隣に位置する領域は端部領域と呼ぶことがある。なお、中央帯領域の幅は衛生用紙の全幅に対して30%であり、各端部領域の幅は衛生用紙の全幅に対して35%である。
ここで言う「中央線」とは、衛生用紙の流れ方向に相当する方向を縦方向とした場合に、縦方向と直行する横方向を2分割するよう中心に線を引いた場合にできる線をさしている。この線は仮想のものである。実際に製品に書かれていなくてもよい。
なお、衛生用紙の抄造の流れ方向を確認する方法としては、
(1)衛生用紙の抄造時にクレープ処理を行う場合は、衛生用紙表面をカメラ等で拡大して観察し、クレープ(しわ)の入り方を確認し、クレープの長軸方向に直交する方向を流れ方向と判別する。
(2)衛生用紙を抄造する際には、パルプ繊維がワイヤーの流れ方向に整列する傾向があるため、紙の引張強度や引裂強度を測定することで流れ方向を判別する。具体的には、引張強度や引裂強度が大きい方を流れ方向と判別する。
などが挙げられる。
図2(b)では、薬剤は両端部領域に多く分布している。この場合、中央帯領域では、薬剤の分布量が両端部領域の分布量に比べて少なくなっている。また、図2(c)のように、薬剤を衛生用紙の縦方向における中央線から、衛生用紙の縦方向±15%の幅を有する領域に多く分布させてもよい。さらに、図2(d)のように、薬剤を上端部領域と下端部領域に多く分布させてもよい。
本発明においては、衛生用紙における薬剤の分布状態は、図2(a)に示される分布状態であることが特に好ましい。図2(a)に示されるように中央帯領域に薬剤を多く分布させ、両端部領域の薬剤の分布量を減らすことにより、柔らかな手触り感と十分な強度が両立しやすくなる。また、1枚当たりの薬剤塗布量を減らすことができ、衛生用紙の製造コストを抑制することもできる。
衛生用紙における薬剤の分布状態が図2(a)に示される分布状態である場合、中央帯領域に存在する薬剤の含有量は、衛生用紙全体に存在する薬剤の含有量に対して、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
ここで、衛生用紙全体の薬剤含有量は、衛生用紙全体を測定サンプルとし、上述したソックスレー抽出法により測定することができ、中央帯領域および端部領域の薬剤含有量は、それらの領域を裁断片として、上述したソックスレー抽出法により測定することができる。
中央領域pの薬剤含有量Pは、0.0g/m2以上であることが好ましく、0.5g/m2以上であることがより好ましく、1.0g/m2以上であることがさらに好ましく、2.0g/m2以上であることが一層好ましく、3.0g/m2以上であることが特に好ましい。また、中央領域pの薬剤含有量Pは、10.0g/m2以下であることが好ましく、8.0g/m2以下であることがより好ましく、7.0g/m2以下であることがさらに好ましい。
4つの角部領域qの平均薬剤含有量Qは、0.0g/m2以上であることが好ましく、0.5g/m2以上であることがより好ましく、0.8g/m2以上であることがさらに好ましい。また、4つの角部領域qの平均薬剤含有量Qは、10.0g/m2以下であることが好ましく、8.0g/m2以下であることがより好ましく、7.0g/m2以下であることがさらに好ましく、5.0g/m2以下であることが一層好ましく、3.0g/m2以下であることが特に好ましい。
本実施形態においては、中央領域pの薬剤含有量をPとし、4つの角部領域qの平均薬剤含有量をQとした場合、P/Q≧1.17もしくは、Q/P≧1.17であることが好ましく、P/Q≧1.5もしくは、Q/P≧1.5であることがより好ましく、P/Q≧2.0もしくは、Q/P≧2.0であることがさらに好ましく、P/Q≧2.5もしくは、Q/P≧2.5であることが特に好ましい。中でも、P/Q≧1.17であることが好ましく、P/Q≧1.5であることがより好ましく、P/Q≧2.0であることがさらに好ましく、P/Q≧2.5であることが特に好ましい。中央領域pの薬剤含有量Pと4つの角部領域qの平均薬剤含有量Qを上記条件とすることにより、衛生用紙は柔らかな手触り感と十分な強度を両立することができる。P/Q及びQ/Pの上限値は特に限定されるものではないが、例えば、P/Q≦20もしくは、Q/P≦20とすることができる。
本実施形態においてP/Q≧1.17である場合、中央領域pの薬剤含有量は、1.0g/m2以上であることが好ましく、2.0g/m2以上であることがより好ましく、3.0g/m2以上であることがさらに好ましい。また、4つの角部領域qの平均薬剤含有量は、3.0g/m2未満であることが好ましく、2.5g/m2以下であることがより好ましく、2.0g/m2以下であることがさらに好ましい。
本実施形態においては、中央領域pの薬剤含有量をPとし、中央領域pに隣接する2つの幅方向端部領域rの平均薬剤含有量をRとした場合、P/R≧1.17であることが好ましく、P/R≧1.5であることがより好ましく、P/R≧2.0であることがさらに好ましく、P/R≧2.5であることが特に好ましい。中央領域pの薬剤含有量Pと中央領域pに隣接する2つの幅方向端部領域rの平均薬剤含有量Rを上記条件とすることにより、衛生用紙は柔らかな手触り感と十分な強度を両立しやすくなる。なお、中央領域pに隣接する2つの幅方向端部領域rの平均薬剤含有量Rの好ましい範囲は、4つの角部領域qの平均薬剤含有量Qの好ましい範囲と同様である。
本実施形態においては、衛生用紙の全体薬剤含有量は、0.5g/m2以上であることが好ましく、1.0g/m2以上であることがより好ましく、1.2g/m2以上であることがさらに好ましく、1.5g/m2以上であることが一層好ましい。また、衛生用紙の全体薬剤含有量は、10.0g/m2以下であることが好ましく、7.0g/m2以下であることがより好ましく、5.0g/m2以下であることがさらに好ましい。なお、衛生用紙の全体薬剤含有量は、衛生用紙全体を分析サンプルとし、上述したソックスレー抽出法により測定した値である。
本実施形態において、衛生用紙全体の縦方向の比引張強度と、衛生用紙全体の横方向の比引張強度の2乗平均値は1.6N・m/g以上であることが好ましく、1.8N・m/g以上であることがより好ましい。なお、衛生用紙全体の縦方向の比引張強度と、衛生用紙全体の横方向の比引張強度の2乗平均値の上限値は特に限定されるものではないが、例えば、8.0N・m/gとすることができる。
衛生用紙全体の縦方向の比引張強度は2.4N・m/g以上であることが好ましく、2.5N・m/g以上であることがより好ましく、2.8N・m/g以上であることがさらに好ましく、3.0N・m/g以上であることが一層好ましい。衛生用紙全体の縦方向の比引張強度の上限値は特に限定されるものではないが、例えば、10.0N・m/gとすることができる。また、衛生用紙全体の横方向の比引張強度は1.0N・m/g以上であることが好ましく、1.1N・m/g以上であることがより好ましい。衛生用紙全体の横方向の比引張強度の上限値は特に限定されるものではないが、例えば、6.0N・m/gとすることができ、5.0N・m/gとすることが好ましい。
衛生用紙全体の各方向の引張強度は、以下の測定方法で測定することができる。測定には、縦amm×横bmmの2プライ品の衛生用紙を10組使用して、2プライ品としての引張強度を測定する。
縦方向の強度を測定する場合は、縦200mm×横bmmの衛生用紙を準備し、この衛生用紙を幅方向(横方向)における中央線で半分に折り、縦200(mm)×横b/2(mm)とする。次いで、縦方向の両端10mmをテンシロン引張測定器のつかみ具ではさみ、スパン長を180mmとし、引張速度10mm/minで引張強度を測定する。
横方向の強度を測定する場合は、縦amm×横200mmの衛生用紙を準備し、この衛生用紙を縦方向における中央線で半分に折り、縦a/2(mm)×横200(mm)とする。次いで、横方向の両端10mmをテンシロン引張測定器のつかみ具ではさみ、スパン長を180mmとし、引張速度は20mm/minで引張強度を測定する。
各測定は10回行い、平均値を算出する。引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。引張強度を測定するためのテンシロン引張試験機としては、例えば、株式会社オリエンテック社製、テンシロン万能材料試験機を用いることができる。なお、縦方向および横方向の引張強度の測定では、それぞれ中央線で半分に折ることでb/2(mm)もしくはa/2(mm)の幅で引張強度を測定しているが、縦方向の引張強度の単位はN/bmm、横方向の引張強度はN/ammとなる。
衛生用紙全体の縦方向の比引張強度は、以下の式で算出することができる。
縦方向の比引張強度(N・m/g)=縦方向の引張強度(N/bmm)/(坪量(g/m2)×2×(引張強度測定時のサンプル幅b(mm)/1000))
また、衛生用紙全体の横方向の比引張強度は、以下の式で算出することができる。
横方向の比引張強度(N・m/g)=横方向の引張強度(N/amm)/(坪量(g/m2)×2×(引張強度測定時のサンプル幅a(mm)/1000))
衛生用紙の紙厚(全体の厚み)は、80μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、120μm以上であることがさらに好ましい。また、本発明の衛生用紙の紙厚(全体の厚み)は、250μm以下であることが好ましく、220μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。衛生用紙の紙厚を上記範囲内とすることにより、使用時の手触り感を高めることができ、さらに十分な強度を得ることができる。また、紙厚を上記範囲内とすることにより使用時のごわつき感を低減し、肌触りを良化させることができる。なお、衛生用紙が2プライ品である場合、衛生用紙の紙厚(全体の厚み)は、2プライの衛生用紙の測定値である。測定には厚さ計(ハイブリッジ製作所製)を用いることができる。測定圧を50kPaとし、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろした時の値を全体の厚みとする。なお、紙厚の測定は2プライのティシュ10組を用意して、各1組につき3か所ずつ行い、合計30か所の厚さを平均する。上記測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。
衛生用紙の坪量は、9.0g/m2以上であることが好ましく、10.0g/m2以上であることがより好ましく、11.0g/m2以上であることがさらに好ましい。また、衛生用紙の坪量は、25.0g/m2以下であることが好ましく、20.0g/m2以下であることがより好ましい。坪量を上記範囲内とすることにより、使用時に十分な強度が得られる。また、坪量を上記範囲内とすることにより、使用時のごわつき感を低減し、肌触りを良化させることができる。なお、上記の坪量は、衛生用紙の1プライの測定値である。坪量は、JIS P 8124の規定に従って測定する。
衛生用紙の密度は、0.150g/cm3以上であることが好ましく、0.200g/cm3以上であることがより好ましい。また、衛生用紙の密度は、0.500g/cm3以下であることが好ましい。密度を上記範囲内とすることにより、衛生用紙表面の平滑性を高めることができる。また、密度を上記範囲内とすることにより、柔らかさを保ちつつ十分な強度が得られる。上記衛生用紙の密度は、2プライの衛生用紙の密度であり、下記式に示すように、上述した方法で測定した坪量を2倍し、紙厚(2プライ)で割ることにより算出された値である。
(1プライの坪量(g/m2)×2)/2プライの紙厚(μm)=衛生用紙の密度(g/cm3
衛生用紙の表面のハンドフィール値(以下、HF値ともいう)は75.0以上であることが好ましく、76.0以上であることがより好ましく、80.0以上であることがさらに好ましい。上限値は特に限定されるものではないが、例えば、100以下とすることができる。ハンドフィール値を上記範囲内とすることにより、衛生用紙の滑らかさや柔らかさを高め、手触り感を良化させることができる。
ここで、ハンドフィール値(HF値)は、ティシューソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて、以下の測定方法によって測定することができる。
まず、ティシューソフトネスアナライザーのサンプル台に、直径112.8mmの円形にカットしたサンプルを設置する。サンプルは2プライの製品の場合、2プライのまま使用する。サンプルを円形にカットする際は、大体円形の中心がティシュ製品の中央部に位置するようにカットする。このサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力をかけて上方から押し込む。その後、ブレード付きローターを回転数が2.0回転/秒となるように回転させ、その時の振動周波数を測定する。
また、直径112.8mmの円形にカットした別のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNと、600mNの圧力で押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出する。HF値は、振動周波数と変形変位量から算出される値であり、計算のアルゴリズムはFacialIIを用いることができる。
HF値を算出する際は、各水準ごとに10組のサンプルを用意する。10組のサンプルを1組ずつ使用し、表面を1回測定する。このとき、表面とは、製品の外側を向いている面を指し、外側を向いている面であればどの面を測定しても構わない。1プライの製品であった場合は、より高いHF値を示した面を表面とする。10組のサンプルすべてを1回ずつ測定し、合計10個の測定データを得て、平均値を算出する。
なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行う。また、測定の際には、付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをFacialIIに設定する。計算ソフトウェアとしてはemetec measurement system ver.3.22を使用する。
本発明の衛生用紙は、吸水性に優れている点にも特徴がある。具体的には、衛生用紙のクレム吸水度は70.0mm以上であることが好ましく、75.0mm以上であることがより好ましい。ここで、クレム吸水度は、JIS P 8141:2004に準拠して測定する値である。測定には、衛生用紙1組をそのまま使用する。縦方向の下端辺から1.5cm部分に印をつけ、クレム吸水度測定用装置にセットする。衛生用紙の下端辺から1.5cm部分の印までの領域を水に浸漬させ、10分間静置する。その後、衛生用紙の幅方向における中央線上と、幅方向における左右端から1cm内側線上の吸水線の高さの、合計3点を記録する。測定は10組行い、全ての値(中央線上、左右端から1cm内側線上の合計30個の値)の平均値を算出する。
本実施形態において、薬剤は保湿剤を含むことが好ましい。保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース、ポリグリセリン、乳酸、乳酸ナトリウム等を挙げることができる。中でも、薬剤はグリセリンを含むことが好ましい。これらの保湿剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の衛生用紙は、例えば基材に薬剤が含侵されて構成される。薬剤を含侵させる基材についての説明と好ましい範囲、具体例については、(衛生用紙の製造方法)で使用する「衛生用紙基材」の説明と好ましい範囲、具体例を参照することができる。
(衛生用紙の製造方法)
本発明の衛生用紙の製造方法は、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程を含む。上記製造方法で製造される衛生用紙においては、衛生用紙の中心点を含む中央領域の薬剤含有量と、衛生用紙の角隅部を含む4つの角部領域の平均薬剤含有量に差が生じている。
衛生用紙基材は、パルプスラリーを公知の抄紙機を利用して抄紙することで得ることができる。パルプスラリーに含まれるパルプ成分としては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹パルプ(広葉樹クラフトパルプ(LKP))、針葉樹パルプ(針葉樹クラフトパルプ(NKP))、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプが挙げられる。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられる。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。パルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
パルプ成分としては、針葉樹パルプ及び広葉樹パルプから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。中でも、本発明においては、針葉樹パルプと広葉樹パルプを併用することが好ましく、針葉樹クラフトパルプ(NKP)と広葉樹クラフトパルプ(LKP)を併用することがより好ましい。
パルプスラリーには、パルプ成分の他に任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、例えば、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、柔軟剤等を挙げることができる。乾燥紙力剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。湿潤紙力剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素、メラミン、熱架橋性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。柔軟剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤などを挙げることができる。
パルプスラリーを抄紙する抄紙機は、一般的に、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、カレンダーパート、及びリールパートを備えている。
ワイヤーパートは、供給されたスラリーを脱水してシート化する工程である。ワイヤーパートでは、パルプスラリーをフォーミングユニットに供給し、衛生用紙の原紙となる2層抄きのシートを形成することができる。なお、フォーミングユニットにおいて3層抄きとなるようにシートを形成することにより、3層抄きの衛生用紙を形成することもできる。フォーミングユニットでは、各層を形成するパルプスラリーの成分配合比率を異なるものとすることもできる。これにより、衛生用紙基材を構成する各層の性状を異なるものとしてもよい。
プレスパートは、シートに圧力をかけて、さらに脱水する工程である。プレスパートでは、ワイヤーパートにおいて形成されたシートに圧力をかけ、シートの水分を搾り取る。プレスパートでは、シートに圧力をかけることによって、シートの表面を平滑にすると同時に、パルプ成分の密度を調整することもできる。
ドライヤーパートでは、プレスパートを経て得られたシートを乾燥させる。ここでは、ヤンキードライヤーを用いることが好ましい。これにより、湿紙であったシートを乾燥状態のシート(紙)とすることができる。
衛生用紙基材の製造工程は、カレンダー処理する工程を含むことが好ましい。カレンダー処理工程は、カレンダーパートにおいて行われる。カレンダーパートでは、乾燥後のシートの表面を押圧しながら引き延ばして、シートの表面を滑らかにする工程である。
リールパートでは、上記工程を経て得られた衛生用紙原紙を巻き取って、ロール体を形成する。
衛生用紙基材の製造工程は、リールパートの後に、さらにワインダーパートを備えていることが好ましい。ワインダーパートではリールパートで得られた1層の原紙から構成されたロール体を2本以上用意し、各ロールの原紙を重ね合わせることで、2プライ以上の衛生用紙基材を形成することが好ましい。ワインダーパートでは、2プライ以上の衛生用紙基材に対してカレンダー処理を行ってもよい。
本発明の衛生用紙の製造方法は、上記のようにして得られた衛生用紙基材の一部に薬剤含有組成物を塗布する工程を含む。薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程では、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布するが、塗布の過程で薬剤含有組成物の一部が塗布予定領域以外の領域に拡散してもよい。その結果、衛生用紙基材の全面に薬剤含有組成物が塗布されてもよいが、塗布予定領域と塗布予定領域以外の領域における薬剤含有量には差が生じることになる。
薬剤含有組成物は、保湿剤を含有するものであることが好ましい。この場合、薬剤含有組成物における保湿剤の濃度は、薬剤含有組成物全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、薬剤含有組成物における保湿剤の濃度は、薬剤含有組成物全質量に対して、99.5質量%以下であることが好ましい。薬剤含有組成物における保湿剤の濃度を上記範囲内とすることにより、衛生用紙に含有される保湿剤濃度を適切な範囲にコントロールしやすくなる。
薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程は、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に噴霧塗布する工程であることが好ましい。噴霧塗布する工程では、スプレー噴霧機を用いることが好ましく、スプレー噴霧機としては、例えば、薬剤と圧縮空気とを混合して噴出する二流体スプレー噴霧機を用いることができる。スプレー噴霧器を用いて薬剤含有組成物を衛生用紙基材に塗布する際には、衛生用紙基材の幅方向における中央から200mm離した位置にスプレー噴霧器を設置し、中央帯領域と端部領域に塗布量の差が出るように薬剤含有組成物を噴霧することが好ましい。
噴霧塗布する工程では、例えば、スプレーイング社製のスプレーイングノズル2流体間欠スプレーを用いることができる。この場合、噴射流量を10~200cc/minとすることが好ましく、薬剤含有組成物を40度に加温して用いることが好ましい。また、噴射エアー圧は0.10~0.30MPaとすることが好ましく、間欠比率は10~100%とすることが好ましく、噴射幅は140~300mmとすることが好ましい。上記のように条件を調整することにより、中央帯領域と端部領域に差がついたティシュを製造することができる。
薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程では、薬剤含有組成物を塗工により塗布してもよい。薬剤含有組成物を塗工により塗布する場合、例えば、グラビアコーター、フレキソコーター等の塗工機を用いることが好ましい。薬剤含有組成物を塗工により塗布する場合、衛生用紙の各領域における薬剤含有量の差が明確になる傾向が見られる。
なお、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程では、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一方の面にのみ塗布してもよく、両面に塗布してもよい。なお、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一方の面にのみ塗布した場合であっても、薬剤は衛生用紙基材の他方の面にも染み出すため、両面の手触り感を向上させることができる。また、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一方の面にのみ塗布する方法によれば、その分設備を簡易化できるため、設備投資にかかるコストを削減することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下において、実施例5~8はそれぞれ、参考例5~8と読み替えるものとする。
(実施例1)
原紙の原料としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)70質量%と、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)30質量%を混合したものを用いた。混合した原料0.1質量部に対して水を99.9質量部となるように添加し、パルプスラリーとした。このように調製したパルプスラリーを、2層抄きツインワイヤーフォーマーを用いて抄造し、坪量が15.1g/m2の衛生用紙原紙を得た。得られた衛生用紙原紙を2枚重ね合せることにより薬液含浸前の衛生用紙(2プライの衛生用紙)を得た。
グリセリン85質量%、水15質量%の保湿剤液を調製した。上記で得られた薬液含浸前の衛生用紙の幅方向における中央線(縦方向に延びる中央線)に沿って、保湿剤液をスプレー噴霧により塗布した。スプレー噴霧機としては、薬剤と圧縮空気とを混合して噴出する二流体スプレー噴霧機(スプレーイング社製、スプレーイングノズル2流体間欠スプレー)を使用した。なお、スプレー噴霧の条件は以下のとおりとした。
噴射流量 150cc/min
保湿剤を40度に加温
噴射エアー圧 0.15MPa
間欠比率 80%
噴射幅 200mm
保湿剤液は衛生用紙の幅方向における中央線から、衛生用紙の幅方向に左右それぞれ15%の幅を有する領域(中央帯領域)に多く塗布されるように噴霧した。その結果、該中央帯領域に存在する薬剤の含有量は、衛生用紙全体に存在する薬剤の含有量に対して、67質量%であった。
(実施例2~4)
中央帯領域に存在する薬剤の含有量を表1に記載のとおりとなるようにスプレー噴霧の条件を変更した以外は実施例1と同様にして薬液含浸前の衛生用紙(2プライの衛生用紙)を得た。
(実施例5)
実施例1において、衛生用紙に保湿剤液を塗布する際、スプレー噴霧器を衛生用紙の幅方向の両端側に一機ずつ、計2機設置して、衛生用紙の幅方向における左右各端部から、それぞれ全幅に対して35%の幅を有する領域(左右の各端部領域)に多く塗布されるように保湿剤液を噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の衛生用紙を得た。なお、この際、2機の噴霧器の保湿剤の塗布領域がティシュの中央付近で重なり合わないように噴霧量や噴霧幅を調整した。
(実施例6~8)
左右の各端部領域に存在する薬剤の含有量を表1に記載のとおりとなるようにスプレー噴霧の条件を変更した以外は実施例5と同様にして薬液含浸前の衛生用紙(2プライの衛生用紙)を得た。
(比較例1)
実施例1において、保湿剤液を、グラビアロールを用いて衛生用紙原紙の全面に均一に塗布した以外は、実施例1と同様にして比較例1の衛生用紙を得た。
(比較例2)
実施例1において、保湿剤液を塗布しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例2の衛生用紙を得た。
(評価)
(保湿剤含有量)
実施例及び比較例で得られた2プライの衛生用紙の各領域の保湿剤含有量は以下の方法(ソックスレー抽出法)で測定した。
(1)衛生用紙を面方向において縦3列×横3列の9分割となるように裁断した。2プライの衛生用紙は各プライを重ね合わせた状態で裁断した。
(2)9分割した裁断片のうち、衛生用紙の中心点を含む裁断片(中央領域)10gと、衛生用紙の角隅部を含む4つの裁断片(角部領域)10gと、9分割した全ての裁断片(全体)10gを測定サンプルとし、それぞれ調湿した。なお、調湿の条件はJIS P 8111に準拠し、23℃、相対湿度50%とした。
(3)調湿した各裁断片をそれぞれ円筒ろ紙に詰め、この円筒ろ紙をソックスレー抽出器に入れ、平底フラスコにアセトンとエタノールの混合溶媒(アセトン:エタノールの体積比=1:1)120mLを入れ、80℃で4時間加熱し、抽出液を得た。
(4)抽出液をなす型フラスコに移し、エバポレーターを使って溶媒を除去した。
(5)溶媒除去後、なす型フラスコを80℃の恒温乾燥器中に3時間おき、溶媒を完全に除去した。
(6)なす型フラスコ内に残った抽出物の量を計量した。
(7)各測定サンプルにおける1m2あたりの薬剤含有量は下記の式で求めた。
工程(6)で得られた抽出物(薬剤)量(g)/抽出に使用した各測定サンプルの総面積(m2)=各測定サンプルにおける1m2あたりの薬剤含有量(g/m2
なお、抽出に使用した衛生用紙の総面積は1プライで考える。例えば、200×200mmの2プライの衛生用紙を10組使用して測定した場合は0.8m2となり、裁断片では1/(分割数)である。
(坪量)
実施例及び比較例で得られた1プライの衛生用紙の坪量はJIS P 8124に準拠して測定した。
(紙厚)
実施例及び比較例で得られた2プライの衛生用紙の紙厚は、厚さ計(ハイブリッジ製作所製)を用いて、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろした時の値を読み取った。測定圧は50kPaとした。なお、紙厚の測定は2プライのサンプル10組を用意して、各1組につき3ヶ所ずつ測定し、合計30か所の厚さを平均した。紙厚の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。
(密度)
実施例及び比較例で得られた衛生用紙の密度は、1プライの坪量および2プライの板厚の測定値を用い、以下の式で算出した。
(1プライの坪量(g/m2)×2)/2プライの紙厚(μm)=衛生用紙の密度(g/cm3
(HF値)
実施例及び比較例で得られた2プライの衛生用紙のHF値は、ティシューソフトネスアナライザー(Emtec Electronic GmbH社製)を用いて測定した。
まず、ティシューソフトネスアナライザーのサンプル台に、直径112.8mmの円形にカットしたサンプルを設置した。サンプルは2プライのまま使用した。サンプルを円形にカットする際は、大体円形の中心がティシュ製品の中央部に位置するようにカットした。このサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力をかけて上方から押し込み、ブレード付きローターを回転数が2.0回転/秒となるように回転させ、その時の振動周波数を測定した。
また、直径112.8mmの円形にカットした別のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNと、600mNの圧力で押し込んだ際の上下方向の変形変位量を算出した。HF値は、振動周波数と変形変位量から算出される値であり、計算のアルゴリズムはFacialIIを用いた。
HF値を算出する際は、各水準ごとに10組のサンプルを用意した。10組のサンプルを1組ずつ使用し、表面を1回測定した。合計10個の測定データを得て、平均値を算出した。
なお、上記サンプルの測定はISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。また、測定の際には、付属の説明書に従い標準サンプル(emetec ref.2X(nn.n))で校正し、アルゴリズムをFacialIIに設定した。計算ソフトウェアとしてはemetec measurement system ver.3.22を使用した。
(全体の手触り感)
実施例及び比較例で得られた2プライの衛生用紙の手触り感(肌触り感)を下記の評価基準で評価を行った。具体的には、男女各20人ずつ(合計40人)の試験者に衛生用紙の手触り感(肌触り感)を評価させ、その平均値を求めた。
<評価基準>
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
(クレム吸水度)
実施例及び比較例で得られた2プライの衛生用紙のクレム吸水度は、JIS P 8141:2004に準拠して測定した。まず、縦217mm×横197mmの衛生用紙を準備した。そして、衛生用紙の下端辺から1.5cm部分に印をつけ、クレム吸水度測定用装置にセットした。衛生用紙の1.5cm部分の印までの領域を水に浸漬させ、10分間静置した。その後、衛生用紙の幅方向における中央線上と、幅方向における左右端から1cm内側線上の吸水線の高さを記録した。測定は10回行い、全ての値(中央線上、左右端から1cm内側線上の合計30個の値)の平均値を算出した。
(引張強度)
実施例及び比較例で得られた2プライの衛生用紙全体の引張強度は、以下の測定方法で測定した。測定には、2プライ品の衛生用紙を10組使用して、2プライ品としての引張強度を測定した。
縦方向の強度を測定する場合は、縦219mm×横197mmの衛生用紙を準備した。次に、縦方向における中心線より上下100mmの部分がそれぞれ残るように上下端を切り落とし、縦200mm×横197mmのサンプルとした。その後、この衛生用紙を幅方向(横方向)における中央線で半分に折り、縦200mm×横98.5mmとした。次いで、縦方向の両端10mmをテンシロン引張測定器のつかみ具ではさみ、スパン長を180mmとし、引張速度10mm/minで引張強度を測定した。
横方向の強度を測定する場合は、縦219mm×横197mmの衛生用紙を準備し、この衛生用紙を縦方向における中央線で半分に折り、縦109.5mm×横197mmとした。次いで、横方向の両端8.5mmをテンシロン引張測定器のつかみ具ではさみ、スパン長を180mmとし、引張速度は20mm/minで引張強度を測定した。
各測定は10回行い、平均値を算出した。引張強度の測定は、ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)で行った。引張強度は、株式会社オリエンテック社製のテンシロン万能材料試験機を用いた。
(比引張強度)
実施例及び比較例で得られた2プライの衛生用紙全体の比引張強度は、以下の式で算出した。
縦方向の比引張強度(N・m/g)=縦方向の引張強度(N/197mm)/(坪量(g/m2)×2×(引張強度測定時のサンプル幅(197mm)/1000))
横方向の比引張強度(N・m/g)=横方向の引張強度(N/217mm)/(坪量(g/m2)×2×(引張強度測定時のサンプル幅(217mm)/1000))
Figure 0007124319000001
実施例で得られた衛生用紙は、全体の手触り感に優れ、かつ引張強度も高いレベルで発揮されていた。一方、比較例では、全体の肌触り感と引張強度が両立されていなかった。
10 衛生用紙
p 中央領域
q 角部領域
r 幅方向端部領域

Claims (9)

  1. 薬剤を含有する衛生用紙であって、
    前記衛生用紙を面方向において前記衛生用紙の横方向に3等分することで形成される縦3列と前記衛生用紙の縦方向に3等分することで形成される横3列とに9分割した場合、
    前記衛生用紙の中心点を含む中央領域の薬剤含有量が、前記衛生用紙の角隅部を含む4つの角部領域の平均薬剤含有量よりも多い、衛生用紙。
  2. 前記中央領域の薬剤含有量をPとし、前記4つの角部領域の平均薬剤含有量をQとした場合、P/Q≧1.17である請求項に記載の衛生用紙。
  3. 前記中央領域の薬剤含有量をPとし、前記中央領域の横方向に隣接する2つの幅方向端部領域の平均薬剤含有量をRとした場合、P/R≧1.17である請求項1又は2に記載の衛生用紙。
  4. 前記衛生用紙全体の縦方向の比引張強度と、前記衛生用紙全体の横方向の比引張強度の2乗平均値が1.6N・m/g以上である請求項1~のいずれか1項に記載の衛生用紙。
  5. 前記衛生用紙全体の縦方向の比引張強度が2.5~10N・m/gであり、前記衛生用紙全体の横方向の比引張強度が1.0~5.0N・m/gである請求項1~のいずれか1項に記載の衛生用紙。
  6. 前記薬剤が保湿剤を含む請求項1~のいずれか1項に記載の衛生用紙。
  7. ティシュペーパー製品である請求項1~のいずれか1項に記載の衛生用紙。
  8. 薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程を含む衛生用紙の製造方法であって、
    前記衛生用紙を面方向において前記衛生用紙の横方向に3等分することで形成される縦3列と前記衛生用紙の縦方向に3等分することで形成される横3列とに9分割した場合、
    前記衛生用紙の中心点を含む中央領域の薬剤含有量が、前記衛生用紙の角隅部を含む4つの角部領域の平均薬剤含有量よりも多い、衛生用紙の製造方法。
  9. 前記薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に塗布する工程は、薬剤含有組成物を衛生用紙基材の一部に噴霧塗布する工程である請求項に記載の衛生用紙の製造方法。
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