JP6315363B2 - トイレットロールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状のトイレットペーパーが紙管に巻かれたトイレットロール、及びそのトイレットロールの製造方法に関する。
従来、トイレ空間の消臭を目的としてトイレットロールに消臭剤を付与することが提案されている。例えば、トイレットペーパーの巻終わりを接着するテールシール糊に消臭剤を含ませる方法や、紙管内面に消臭剤を塗布する方法等が提案されている。しかし、前者のものは使用開始と同時に消臭剤付与部分が使用されてしまうため、消臭効果の持続性に問題がある。後者のものは、消臭剤の付与位置が紙管という限られた部位であるため臭気成分との消臭剤との接触機会が十分ではなく、消臭機能のさらなる向上が求められるものであった。
一方、トイレットロールを構成するトイレットペーパーに消臭剤を付与することが考えられる。トイレットペーパーに消臭剤を付与することができれば、臭気成分との接触機会は格段に向上する。しかし、トイレットペーパーは、使用時に直接肌に触れるものであるため、使用時に消臭剤が肌に触れてしまうことを嫌う消費者がいる。
一方、消臭剤の中には、有機酸などアンモニア等のトイレ空間の主たる悪臭成分に対して優れた消臭効果を奏するものがあるが、このような酸はトイレットロールの製造装置内の鉄部材を錆びさせる。トイレットロールの製造装置には、トイレットペーパーの搬送路を構成するために表面平滑な鉄製のガイドロール(ペーパーロールとも称される)が設置されるが、係る有機酸はガイドロールの表面性に影響を与える。そして、ガイドロールの表面が消臭剤により荒らされると、紙粉増加の要因となる。これについては、ガイドロールをステンレスやクロムメッキ性製のものへ変更したり、清掃頻度を高めることによりある程度は防止できることであるが、多くのガイドロール等の部材を交換したり洗浄するのには費用や手間がかかる。また、トイレットロールでは、デザイン性を向上させるために模様印刷を施したり、柔らかさや嵩高さ、さらにデザイン性の向上のためにエンボスが付与されたりすることがよく行なわれるが、このような模様印刷やエンボスを付与するトイレットロールの製造過程では、より搬送路が複雑で多くのガイドロールを要する搬送路となるため、より消臭剤を付与したトイレットロールを製造することが困難となる。
このように、有機酸を有効成分とする消臭剤を十分な消臭効果を発揮する程度にトイレットペーパーに付与してトイレットロールを製造することは非常に困難であった。
特開2009−242107号公報 特開2009−242065号公報 特開2009−242019号公報 特開2012−213508号公報 特開2009−178454号公報 特開2012−170659号公報
そこで、本発明の主たる課題は、使用時に消臭剤が肌に触れがたく、しかも、製造が容易な、有機酸を含む消臭剤が付与されたトイレットペーパーが巻かれたトイレットロールを生産性よく製造することができるトイレットロールの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明及びその参考発明は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
トイレットロールの複数倍幅以上の幅の長尺の紙管を形成する紙管形成工程と、
一次原反ロールから繰出したトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙の一方面に消臭剤を付与した後、巻き取って有機酸を含む消臭剤が付与された二次原反ロールを形成する二次原反ロール形成工程と、
複数の二次原反ロールからトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙を繰出して積層し、トイレットロール複数倍幅以上の幅トイレットペーパーとした後に、これを長尺の紙管に巻いてログを形成する工程と、
ログを切断して個々のトイレットロールにするログ裁断工程と、を有し、
前記二次原反ロール形成工程において、トイレットペーパー原紙に有機酸を含む消臭剤を付与した後、その消臭剤付与面を前記消臭剤により酸化されるガイドロールに接触することなく搬送して、その消臭剤付与面が巻き取り内面となるようにして二次原反ロールを形成し、
前記ログ形成工程において、ワインダーにセットした前記消臭剤が付与された二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を、表面に多数のエンボス付与凸部が配されている金属製のエンボスロールとこのエンボスロールと対をなす表面樹脂製の受けロールとの間に通して、エンボスを付与することとし、そのエンボスを付与する際に、消臭剤付与面がロール面に接するようにして受けロールに巻き掛けて搬送する過程でエンボスロールとの間に通し、エンボスロールと受けロールとの間を通過したエンボスが付与されたトイレットペーパー原紙を、連続的に消臭剤付与面と反対の面をロール面に接するようにエンボスロールに巻き掛替えて搬送し、その後にエンボスロールからトイレットペーパー原紙を離すとともに、その消臭剤付与面を、別のトイレットペーパー原紙と対面させて積層し、消臭剤が付与されたトイレットペーパーする、ことを特徴とするトイレットロールの製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を二つ以上の消臭剤により酸化されるガイドロールに接することなく受けロールに巻き掛ける、請求項1記載のトイレットロールの製造方法
〔請求項3記載の発明〕
ワインダーにセットした消臭剤が付与された二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を、繰り出し直後にその消臭剤付与面を前記消臭剤により酸化されるガイドロールに接することなく、別のトイレットペーパー原紙と対面させて一時的に積層し、受けロールに巻き掛ける直前において再剥離して、受けロールに巻き掛ける、請求項1又は2記載のトイレットロールの製造方法。
〔請求項4記載の発明〕
トイレットロールの複数倍幅以上の幅の長尺の紙管を形成する紙管形成工程と、
一次原反ロールから繰出したトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙の一方面に消臭剤を付与した後、巻き取って有機酸を含む消臭剤が付与された二次原反ロールを形成する二次原反ロール形成工程と、
複数の二次原反ロールからトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙を繰出して積層し、トイレットロール複数倍幅以上の幅トイレットペーパーとした後に、これを長尺の紙管に巻いてログを形成する工程と、
ログを切断して個々のトイレットロールにするログ裁断工程と、を有し、
前記二次原反ロール形成工程において、トイレットペーパー原紙に有機酸を含む消臭剤を付与した後、その消臭剤付与面を前記消臭剤により酸化されるガイドロールに接触することなく搬送して、その消臭剤付与面が巻き取り内面となるようにして二次原反ロールを形成し、
前記ログ形成工程において、ワインダーにセットした消臭剤が付与された二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を、繰り出し直後にその消臭剤付与面をガイドロールに接することなく、別のトイレットペーパー原紙と対面させて積層してトイレットペーパーとする、ことを特徴とするトイレットロールの製造方法。
〔請求項5記載の発明〕
消臭剤が、有効成分としてポリフェノール及びその誘導体の少なくとも一方を含むポリフェノール系消臭剤であり、その有効成分を0.0001〜1.0g/m2付与する、請求項1〜4の何れか1項に記載のトイレットロールの製造方法。
〔請求項6記載の発明〕
二次原反ロール形成工程において、フレキソ印刷又はグラビア印刷により模様印刷をするとともに、消臭剤を付与する請求項1〜5の何れか1項に記載のトイレットロールの製造方法。
〔参考発明1〕
消臭剤が付与されたトイレットペーパーが紙管に巻かれたトイレットロールであって、
前記トイレットペーパーは、複数のトイレットペーパー原紙が、エンボスが付与されたトイレットペーパー原紙の凸部が積層内面に位置するようにして積層されているとともに前記凸部の頂部に付与されたラミネート糊によってトイレットペーパー原紙同士が接着されており、そのエンボスが付与されたトイレットペーパー原紙のエンボス凸部側面であって少なくとも前記凸部の頂部以外の部分に、ポリフェノール及びその誘導体の少なくとも一方を有効成分として含むポリフェノール系消臭剤が付与され、エンボスが付与されたトイレットペーパー原紙のエンボス凸部側面と反対面にポリフェノール系消臭剤が付与されておらず、前記ポリフェノール系消臭剤の有効成分の付与量が0.0001〜1.0g/m2である、ことを特徴とするトイレットロール。
〔参考発明2〕
ポリフェノール系消臭剤が、柿タンニン又はその誘導体を含む上記参考発明1に係るトイレットロール。
以上の本発明によれば、製造が容易な消臭剤が付与されたトイレットペーパーが巻かれたトイレットロールを生産性よく製造することができるトイレットロールの製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態のトイレットロールの製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る紙管の形成過程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る二次原反ロールの形成過程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る二次原反ロールの別の形成過程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るトイレットペーパーの形成過程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るトイレットペーパーの形成過程を説明するための断面図である。 本発明の本実施形態に係るトイレットロールの斜視図である。 本発明の本実施形態に係るトイレットペーパーの断面図である。
本発明の実施形態を図1〜8を参照しながら以下に説明する。但し、本発明は、この実施形態に限られない。
[トイレットロールの製造方法]
本発明の実施形態に係るトイレットロールの製造方法例を特に図1〜図6を参照しながら説明する。但し、本発明のトイレットロール及びトイレットペーパーの製造方法は、この方法に必ずしも限定されるわけではない。
本実施形態のトイレットロールの製造方法は、図1に示す、長尺の紙管30を製造する紙管形成工程(A)と、その長尺の紙管にトイレットペーパーを巻いてログを製造するログ形成工程(B)と、ログを裁断して個々のトイレットロールにするログ裁断工程(C)と、図3及び図4に例示される前記ログ形成工程においてトイレットペーパーを形成するための二次原反ロールの形成工程とを有している。
(紙管形成工程(A))
本実施形態の紙管形成工程は、図1中(A)、図2に示すように、原反ロール31A,32Aから繰出された二枚の帯状の紙管原紙31,32のうち一方の紙管原紙31の一方面に糊付けロール51によって接着糊44を付与し、前記一方の紙管原紙31の糊付けされた面に他方の紙管原紙32を幅方向に一部重ね、前記他方の紙管原紙32の糊付け面と接しない面をマンドレルシャフト52に対向する面、すなわち紙管内面となる面にして、各紙管原紙31,32をマンドレルシャフト52に螺旋状に巻き付けて連続的に筒状部分3を形成し、その筒状部分3をトイレットロールの複数倍幅以上の幅でカッター58によりカットして長尺のスパイラル紙管30(スパイラル式紙管とも称される)を形成している。このスパイラル紙管は、一方の紙管原紙31が紙管外面側、他方の紙管原紙32が紙管内面側となる態様の二層積層構造となる。なお、本実施形態では、2枚の紙管原紙31,32をスパイラル巻きしているが、3枚以上の紙管原紙をスパイラル巻きして長尺の紙管を形成してもよい。また、本発明では、スパイラル紙管ではなく平巻き紙管とすることもできる。
紙管原紙31に対する接着糊44の付与量は特に限定されないが、塗布直後で8.0〜80g/m2程度である。また、接着糊44は、既知の紙管用のものを用いることができ、アクリル系接着剤、ホットメルト接着剤、澱粉糊、PVA(ポリビニルアルコール)等が例示できる。
図示の形態では、各紙管原紙31,32のマンドレルシャフト52への巻き付けは、一対のプーリー53,53間に巻き掛けられた平ベルト54により、マンドレルシャフト52上の所定部分に位置する筒状部分3に回転力を与え、その回転により紙管原紙31,32をマンドレルシャフト52の軸心に対して所定角度で引き込んで、螺旋状に巻くようにしている。図示例では、一対のプーリー53,53を二機配置して二つの平ベルト54,54により、筒状部分3に回転力を与えているが、一機の一対のプーリーと平ベルトにより筒状部分に回転力を与えるようにしてもよい。また、図示しないが、筒状部分3に平ベルト54ではなくロールを当接させて回転力を与えるようにしても、各紙管原紙31,32をマンドレルシャフト52に巻き付けることができる。
このようにして長尺紙管30を形成した後には、この長尺紙管30をコンベア55に供給して適宜の搬送経路で連続的又は断続的に次段のログ形成工程(B)におけるワインダーX2に供給していく。
(二次原反ロール形成工程)
本実施形態の二次原反ロール形成工程は、図3及び図4に示すように、一次原反ロール60から繰出したトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙61の一方面に塗布装置65Aによって消臭剤を付与した後、巻き取り装置66で巻き取って有機酸を含む消臭剤が付与された二次原反ロール70とする。
一次原反ロール60は、例えば、抄紙原料を抄紙設備で抄紙したトイレットペーパー原紙を巻き取ったロールや、抄紙設備で巻き取ったロールからトイレットペーパー原紙を一旦、繰出して適宜の幅にスリットした後、再巻き取りして形成されるロール、さらには抄紙原料を抄紙設備で抄紙したトイレットペーパー原紙を巻き取った複数のロールやこれをスリットして巻き取った複数のロールから、トイレットペーパー原紙を繰出して積層のトイレットペーパー原紙として再度巻き取ったロールなどである。これらの一次原反ロールの製造方法は公知の方法による。一次原反ロールとは、要するに消臭剤が付与される前のトイレットペーパー原紙が巻かれてロール状とされたものである。
本実施形態では、特にこの一次原反ロール60から繰出したトイレットペーパー原紙に有機酸を含む消臭剤を付与した後、その消臭剤付与面61Aを前記消臭剤により酸化されるガイドロール6,6…に接触することなく搬送して、その消臭剤付与面が巻き取り内面となるようにして二次原反ロール70に巻き取る。このように搬送する具体的な搬送経路は、特に限定されないが、例えば、図3、4に示すように搬送経路を構築すれば、一次原反ロール60から繰出したトイレットペーパー原紙61に消臭剤を付与した後、その消臭剤付与面をガイドロール6,6…に接触することなく搬送して、その消臭剤付与面61Aが巻き取り内面となるようにして巻き取って二次原反ロール70にすることができる。
なお、本発明にいうガイドロール6,6…とは、トイレットペーパーの製造過程で、連続する帯状のトイレットペーパー原紙又はトイレットペーパーを流れ方向に搬送する搬送経路に、その流れ方向と非平行に配されてトイレットペーパー原紙等の紙面に接触して搬送を補助するための鉄製のロール全般を意味し、例えば、テンションロールなどとも称される、トイレットペーパー原紙等の皺を伸ばしたり、搬送時のトイレットペーパー原紙等のテンションをコントロールするために配されるものも含む。
他方、本実施形態において、トイレットペーパー原紙61に対して消臭剤を付与する消臭剤付与装置65Aとしては、公知のロール転写式の塗工機や印刷機、スプレー塗布装置を用いることができる。図3は、ロール転写式の消臭剤塗布装置を用いて消臭剤を付与する例を示しており、図4は、スプレー塗布装置を用いて消臭剤を付与する例を示している。消臭剤を付与する装置は、フレキソ印刷装置、グラビア印刷装置、二流体方式のスプレー塗布装置、ローターダンプニング噴霧方式のスプレー塗布装置が望ましい。特に、好ましいのは、フレキソ印刷装置である。フレキソ印刷装置は、印圧の調整がしやすく、トイレットペーパー原紙特有の表面のクレープがあってもムラのない塗布が可能で、トイレットペーパー原紙にシワが入り難くなる。また、一つのロールで幅広い薬液の粘度に対応でき、管理、設備メンテナンスの点で利点がある。
また、本実施形態では、好ましく、その消臭剤を付与する際に、トイレットペーパー原紙に模様印刷を行なっている。図3の形態では、一つの圧胴65Cに対して複数の刷版ロール65B,65aが配された多色刷り印刷装置65を用いて、消臭剤付与装置65Aに係る刷版ロール65aによる消臭剤の付与と同時に、刷版ロール65Bによって模様印刷を行い、消臭剤付与面と同一面に模様印刷を行なっている。図4の例では、ロール転写式の印刷機65の圧胴ロール65Dの近傍に消臭剤付与装置であるスプレー塗布装置65Aを設けて、圧胴65Cから離れた直後のトイレットペーパー原紙に対してその印刷面と反対の面に消臭剤を付与するようにしている。本実施形態では、このように消臭剤の付与と模様印刷を同一設備或いは近接に位置させてほぼ同時に付与することができ、模様印刷によりトイレットペーパーの意匠性を向上させることが容易に行える。また、その印刷面と消臭剤付与面を適宜に設計することができる。なお、印刷装置により消臭剤を付与する場合には、消臭剤を着色インクに混合して付与してもよい。特に、図3に示すような多色刷り印刷装置を用いる場合には、模様を形成するための一部の色の着色インキ中に消臭剤を混合して付与するようにしてもよいし、全ての色の着色インキ中に消臭剤を混合するようにしてもよい。
一方、本実施形態において消臭剤を付与するにあたっては、消臭剤を適宜の溶媒等と混合して、付与に適した液体状やスラリー状の消臭剤液として付与することができる。消臭剤液中の、消臭剤の含有量は、有効成分を固形成分として0.5〜30重量%であるのが望ましい。この範囲であれば、フレキソ印刷装置やスプレー塗布装置で、トイレットペーパー原紙71A,71Bに消臭剤を問題なく付与することができる。また、係る固形成分量とすることで、過度に紙面から浸透してトイレットペーパー原紙の反対面に浸透することが防止される。
ここで、本発明に係る消臭剤は、有機酸を含むものであるが、特に、その有機酸が、ポリフェノール又はポリフェノールの誘導体であり、これを有効成分とするポリフェノール系消臭剤であるのが望ましい。消臭剤のトイレットペーパー原紙61Aへの付与量は、消臭剤の種類により適宜変更することができるが、上記ポリフェノール系消臭剤であれば、有効成分の固形分量で0.0001〜1g/m2であり、好ましくは0.003〜0.5g/m2である。
ポリフェノール系消臭剤は、茶 柿、ブドウ等の植物及び植物の加工品から抽出されるポリフェノール、及びそのポリフェノールの誘導体を有効成分とするものであり、フェノール系水酸基による反応性により、悪臭成分の一つであるアンモニアに対して高い消臭機能を有するものの、鉄を酸化させるものであるため、本発明に係るトイレットロールの製造方法に使用するに特に適する。
ポリフェノール系消臭剤のなかには、アンモニアに加えて、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミンに対して反応性を有して消臭機能を有するものも存在するが、もちろん本発明に用いるポリフェノール系消臭剤はそのようなものであってもよい。なお、ポリフェノール系消臭剤は、ポリフェノール、ポリフェノール誘導体の何れか一方を含むものに限定されるわけではなく、双方が含まれていてもよい。また、数種のポリフェノール、ポリフェノール誘導体を含むものでもよい。また、ポリフェノール系消臭剤のなかでも、特にタンニン及びその誘導体の少なくとも一方を有効成分として含むものが望ましい。タンニン及びタンニン誘導体は、分子量が大きくフェノール系水酸基を多く有するため消臭機能に優れるが、タンニン酸によって鉄を酸化させやすいため、本発明に用いるポリフェノール系消臭剤としては特に望ましいものである。また、タンニンのなかでも、柿由来の柿タンニンは、分子量が非常に大きく、消臭効果に極めて優れるため、ポリフェノール系消臭剤としては、この柿タンニン及び柿タンニン誘導体の少なくとも一方を含むようにするのがよい。柿タンニン及び柿タンニン誘導体の場合の好適な付与量は、固形分量で0.0001〜1g/m2、好ましくは0.003〜0.5g/m2である。特に柿タンニン及び柿タンニン誘導体は、濃度が高まると特有の茶褐色の色が顕著となるため、1g/m2を超えて付与するとトイレットペーパー原紙が茶褐色に染色して、清潔感を低下させるおそれがある。
他方、本実施形態では、トイレットペーパー原紙61を巻き取る巻き取り装置66は公知のものを用いることができる。但し、本発明では、トイレットペーパー原紙61を巻き取って二次原反ロール70を形成するにあたっては、図3、4に示されるように、その消臭剤付与面61Aが巻き取り内面となるようにして巻き取る。このようにして巻き取ることで、二次原反ロール70の外周面に消臭剤付与面61Aが露出されないため、二次原反ロール70を巻き取り装置66から排出する際や、次段のログ形成工程に移送する際に、消臭剤が設備や移送機器に触れることがなく、係る設備や移送機器の鉄製部材を消臭剤により酸化することがない。
(ログ形成工程(B))
本実施形態では、上記の長尺の紙管30の製造、二次原反ロール70の製造と平行して又はその後において、ログ形成工程(図1中(B)でワインダーX2によりログ75を製造する。なお、ログ75とは、最終製品であるトイレットロールの直径と同径でありかつ幅が最終製品の複数倍幅以上ある中間製品である。ログ75の形成は、紙管形成工程(A)で製造した長尺の紙管30をワインダーX2の巻き取り部85にセットし、これと実質的に同幅又はそれよりも若干幅狭のトイレットペーパー7を巻き付けるようにして行なう。
本実施形態では、長尺紙管30に巻き付けるトイレットペーパー7を、ワインダーX2において、複数のトイレットペーパー原紙71A,71Bを積層して、連続的に形成していく。特に本実施形態では、エンボスが付与されたトイレットペーパー7、特に、エンボスの凸部が積層される他のトイレットペーパー原紙に対面するようにして配置されている、所謂ダブルエンボスとも称される態様でエンボスが付与されたトイレットペーパー7を形成してく。
本実施形態では、図5に示すように、まず、二次原反ロール形成工程で製造した二つの二次原反ロール70A,70Bを、上下方向の最下点からトイレットペーパー原紙を水平に引き出した際に、その方向が異なる方向となるようにして、対面配置する。この時、二次原反ロール70A,70Bは、上述のとおり外周面は消臭剤非付与面となっている。そして、各原反ロールか70A,70Bらトイレットペーパー原紙71A,71Bを繰出し、その直後に各トイレットペーパー原紙71A,71Bの消臭剤非付与面にテンションロール8aを接するように配置して、繰り出し時にテンションを調整するとともに、そのテンションロールの後段の重ね合わせガイドロール8bで各トイレットペーパー原紙71A,71Bの消臭剤付与面61Aが対面するようにして一次的に積層して、下流に搬送して、エンボスを付与するためのエンボス付与装置20A,20Bに導く。このように、二次原反ロール70A,70Bから繰出した一方面に消臭剤が付与されたトイレットペーパー原紙71A,71Bを消臭剤付与面61Aが対面するようにして一次的に積層することにより、消臭剤付与面61Aが積層内面となり、その状態で搬送される限り、ガイドロールをシートの表裏どちらの面に接するように配しても、消臭剤付与面61Aがガイドロールに接することがなくなる。
なお、図示の形態では、二次原反ロール70A,70Aの上下方向の最下点からトイレットペーパー原紙71A,71Bを繰出しているが必ずしもこのように繰出する必要はない。また、重ね合わせガイドロール8bまでのガイドロール構成は、図示の形態に限定されない。但し、重ね合わせガイドロール8bに至るまでの経路に鉄製のガイドロールは配置しないのが望ましい。
消臭剤付与面61Aが積層内面となるようにした状態のトイレットペーパー原紙71A,71Bは、エンボス付与装置20A,20Bの直前で再剥離して、各トイレットペーパー原紙71A,71Bをそれぞれ別途に、表面のエンボス形状に対応する多数のエンボス付与凸部が形成されたエンボスロール21A,21Bと、このエンボスロール21A,21Bを受ける受けロール22A,22Bとで構成されるエンボス付与装置20A,20Bに導いて、それらエンボスロール21A,21Bと受けロール22A,22Bとの間にトイレットペーパー原紙71A,71Bを通して、各々のトイレットペーパー原紙71A,71Bに別途にエンボスを付与する。
トイレットペーパー原紙を再剥離するにあたっては、図5に示すとおり、エンボス付与装置に直前のガイドロール8cから各トイレットペーパー原紙71A,71Bを分離させて、各々エンボス付与装置20A,20Bを構成するロールに導くようにすればよい。但し、各エンボス付与装置20A,20Bへ導くためにトイレットペーパー原紙の消臭剤付与面61Aに接するガイドロール8dが必要ならばそのように配して搬送路8xを構成してもよい。もちろん、このガイドロール8dを消臭剤により酸化されない素材とすることができる。
分離されたトイレットペーパー原紙71A,71Bをそれぞれ別途にエンボス付与装置に供給するにあたっては、特に図5に示すように、トイレットペーパー原紙71A,71Bを、その消臭剤付与面61Aが表面弾性の受けロール22A,22Bの表面に対面するようにして巻き掛けるようにする。そして、その受けロール22A、22B上を搬送する過程でエンボスロール21A,21Bとの間に通してエンボスを付与するようにし、そのエンボス付与後からトイレットペーパー原紙71A,71Bがエンボスロール21A,21Bに巻き掛けられた状態で下流へ搬送するようにする。このようにすると、金属製のエンボスロール21A,21Bに消臭剤付与面を接触させることなくエンボスを付与することができる。
また、本実施形態では、好ましく、トイレットペーパー原紙71Aがエンボスロール21A上を搬送されている際に、このエンボスロール21Aのエンボス付与凸部の頂部のみに接するように配置した転写ロールを有するロール転写設備25Aによってトイレットペーパー原紙71Aの表面にラミネート糊を付与している。トイレットペーパー原紙71Aは、エンボス付与時における押圧によってエンボスロール21Aの表面凹凸形状に応じた形状に変形された状態でエンボスロール表面に配されているため、このようにするとトイレットペーパー原紙71Aのエンボス凸部頂部の位置のみにラミネート糊29が付与される。ラミネート糊は、公知のものが利用でき、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロール、澱粉などが例示できる。
このようにしてエンボスが付与されたトイレットペーパー原紙71A,71Bは、前記エンボスロール21A,21Bから離すとともに、図6にも示すように、その消臭剤が付与された面を、他の原反ロール70A(70B)から繰り出され他のエンボス付与装置20A(20B)で消臭剤を付与したトイレットペーパー原紙71A(71B)に、消臭剤付与面を対面させて積層し、積層内面に消臭剤が付与されたトイレットペーパー7とする。特に本実施形態では、一方のトイレットペーパー原紙71Aのエンボス凸部頂部にラミネート糊29が付与されているため、各トイレットペーパー原紙71A,71Bがそのラミネート糊29により接着された態様で積層一体化されトイレットペーパーとされる。
なお、図示の形態では、一方のエンボスロール21Bから離れたトイレットペーパー原紙71Bを他方のエンボスロール21Aに隣接して配されたマリッジロール23に導いて、そのマリッジロール23上で積層一体化するようにしている。但し、この図示の形態に限らず、エンボスロール21A,21B同士をその周面が対面するように近接配置し、各エンボスロール21A,21Bの周面が対面する位置において各トイレットペーパー原紙71A,71Bの消臭剤塗布面が付き合わせられて積層一体化されるようにしてもよい。
積層一体化の態様については、特に、図6(b)に示すように、各トイレットペーパー原紙71A,71Bのエンボス凸部の頂部26A,26B同士が対面一致するようにして、所謂「Tip To Tip」の形態で積層するようにしてもよいし、図には示さないが、エンボス凸部の頂部同士が対面一致していない所謂「Nested」の形態で積層してもよい。これらは、エンボスのパターンを「Tip To Tip」用、「Nested」用として選択して実施することができる。なお、図6中において消臭剤付与位置は符号27A,27Bで示されている。
ここで、図示の形態は、2つの原反ロール70A、70Bからそれぞれ一枚のトイレットペーパー原紙71A、71Bを繰り出し、積層して2プライ構造のトイレットペーパー7を形成する過程を示しているが、本発明に係るトイレットペーパー原紙は、一枚に限られるものではない。例えば、二次原反ロール形成工程の欄でも述べたように、二次原反ロールを形成するための一次原反ロール60が、予め積層されたシートを巻き取ったものであれば、二次原反ロール70は、複数枚重ねられたトイレットペーパー原紙が巻かれたものとなる。本発明ではそのようなトイレットペーパー原紙を二次原反ロールから繰出すようにしてもよい。また、図示はしないが、3プライ以上の原反ロールから3プライ以上のトイレットペーパー原紙を繰出して、消臭剤付与面が外面とならないように一次的に積層するようにしてもよい。このように、本発明のトイレットペーパー7は、2プライに限定されず、3プライ以上とすることができる。さらには、複数プライ構造とする場合には、各プライの米坪や物性等は同じである必要もない。また、ワインダーにセットする複数の二次原反ロールのうちいくつかを消臭剤が付与されていないものとすることもできる。この場合には、消臭剤が付与されたトイレットペーパー原紙と、消臭剤が付与されていないトイレットペーパー原紙が積層一体化されたトイレットペーパーとなる。
また、本実施形態では、各原反ロール70A,70Bから各トイレットペーパー原紙71A,71Bを繰出した後に重ね合わせガイドロール8bで一度積層した後、エンボス付与装置20A,20Bの直前で再剥離するように構成されているが、本発明では、このように搬送路を構成せずに、原反ロール70A,70Bから各トイレットペーパー原紙71A,71Bを一時的に積層することなく各エンボス付与装置20A,20Bに別途に導いて、表面弾性の受けロール22A,22Bに巻き掛けるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、各原反ロール70A,70Aから繰出されたトイレットペーパー原紙71A,71Bのそれぞれにエンボスの付与を行なっているが、エンボス付与装置を一機のみとして、一方のトイレットペーパー原紙のみにエンボスを付与するようにしてもよい。
また、本発明では、各原反ロール70A,70Bから各トイレットペーパー原紙71A,71Bを繰出した後に重ね合わせガイドロール8bで一度積層した後、エンボスを付与することなくそのままトイレットペーパー7としてもよい。この場合には、エンボスが付与されていないトイレットペーパーとなる。さらに、本発明では、各原反ロール70A,70Bから各トイレットペーパー原紙71A,71Bを繰出して重ね合わせガイドロール8bで一度積層した後、その重ね合わせたままの状態で一機のエンボス付与装置によりエンボスを付与して、一方面にエンボス凸部、その反対面にその凸部に対応する凹部が形成される所謂シングルエンボスの態様のトイレットペーパー7としてもよい。
ここで、本発明に係るトイレットペーパー7は、1プライ当り米坪が11.0〜25.0g/m2とするのが望ましい。この範囲であれば使用時の柔らかさや吸水性を確保できる。また、本発明に係るトイレットペーパー7は、パルプ繊維を90%以上含むものであり、好ましくは98%以上、より好ましくは100%である。パルプ繊維としては、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)が最も好ましく、特にLBKPとNBKPとから構成され、LBKPの配合割合が50%以上、好適には70%以上であるのがよい。
他方、本実施形態のうちエンボスを付与する例においては、その具体的なエンボス柄、エンボス深さ、エンボス密度、エンボスを構成する個々の単位エンボスの形状、エンボス付与面積は限定されるものではない。消臭剤の効力、消臭剤液の性状、その付与量、エンボスによるデザイン性、嵩高性、柔らかさの向上性を考慮して、適宜定めることができる。好ましい例を示せば、紙面全体に、エンボス密度30〜100個/cm2、エンボス深さ0.2〜2.0mmで付与された所謂マイクロエンボスの形態、エンボス密度で0.1〜25個/cm2、エンボス深さ0.3〜2.5mmで図柄を描くように付与されたマクロエンボス或いはデザインエンボスとも称されるエンボス形態である。なかでもマクロエンボス或いはデザインエンボスとも称されるエンボスは、頂部が広くラミネート糊を適量容易に付与でき、デザイン性の向上の効果も得られることから特に望ましい。
以上のようにトイレットペーパー原紙71A,71Bを積層してトイレットペーパー7を形成した後には、本実施形態では、ミシン目線形成装置82にてミシン目線の形成を行ない、その後に、巻き取り部85において長尺紙管30に巻き付けて2プライのログを形成する。但し、本発明では必ずしもミシン目線形成装置及びミシン目線の付与は必須ではない。また、本実施形態において、図示はしないが、ミシン目線付与装置82の前段に既知のコンタクトエンボス付与装置を設けてコンタクトエンボスを付与してもよい。
本実施形態に係るトイレットペーパー7の形成は、ワインダーX2におけるログ製造工程の一連の流れのなかで、そのワインダー中に設置された金属製のエンボスロールや、ガイドロールに消臭剤付与面を接触させることなく、消臭剤付与面が積層内面とされたトイレットペーパーを連続的に形成するため、トイレットロールの生産性を低下させることがない。また、原反ロールからエンボスを付与してトイレットペーパーとするまで、また、それ以降において、設備の金属部材を酸化・腐食・変色させたり、傷めたりするおそれがない。もちろん、消臭剤が付着することによる機材の洗浄の手間も低減される。
<ログ裁断工程(C)>
以上のように、積層内面に消臭剤が付与されたトイレットペーパー7が長尺紙管30に巻かれたログ75を製造したならば、図1に示すように、このログ75を既知のログアキュームレーターX3で複数本をストックしつつ後段のログカッター設備X4へと移動させる。そして、その後に特に図1中(C)に示すように、既知のログカッター91でログ75を製品幅に裁断し、図7に示すような、個々のトイレットロール10,10…とする。本実施形態に係るログ75は、その表面に消臭剤が露出されていないため、ログ形成後以降の工程においても消臭剤が製造設備を傷めるおそれがない。
かくして形成されたトイレットロール10は、上記ログ形成工程の欄で説明した種々の利点の他に、トイレットロールからトイレットペーパーを引き出して使用する際においても、使用時に消臭剤が肌に触れ難い。そして、トイレットロール10とした際には、トイレットペーパーを使用する毎に、トイレットロールの周面に新しいトイレットペーパーが露出されることになるため、その毎に新たな消臭剤も周面に位置されるようになるため消臭効果の持続性に優れるものとなる。
[トイレットロール]
次いで、本発明に係るトイレットロールの実施形態を図7及び図8を参照しながら説明する。本実施形態に係るトイレットロール10は、長尺のトイレットペーパー12が紙管11に巻かれたものであり、そのトイレットペーパー12に消臭剤が付与されてものである。本実施形態に係るトイレットロール10は、上記トイレットロールの製造方法の欄で説明した製造方法により製造することができる。
本実施形態に係るトイレットロール10は、その大きさ等が、幅L1が100〜115mm、直径L2が100〜120mm、巻き長さ(トイレットペーパーの全長)が18〜70m、紙管内径L3が35〜50mmであるのが望ましい。この大きさであれば一般的なトイレットロール用のペーパーホルダーが利用でき、トイレットペーパー12の長さも十分である。
本発明に係るトイレットペーパー12は、紙厚が、100〜350μm、1プライ当り米坪が11.0〜25.0g/m2であるのが望ましい。この範囲であれば使用時の柔らかさや吸水性を確保できる。なお、本発明に係る米坪とは、JIS P 8124(1998)の米坪測定方法によるものであり、紙厚とは、JIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて5回測定した平均値をいう。なお、紙厚は、複数プライのものは、その複数プライのまま測定する。
また、本実施形態に係るトイレットペーパー12は、パルプ繊維を90%以上含むものであり、好ましくは98%以上、より好ましくは100%である。パルプ繊維としては、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)が最も好ましく、特にLBKPとNBKPとから構成され、LBKPの配合割合が50%以上、好適には70%以上であるのがよい。
ここで、本実施形態のトイレットペーパー12は、特徴的に、複数のトイレットペーパー原紙13が積層されたプライ構造を有しており、その積層内面13Aにポリフェノール系消臭剤が付与されている(図中、ポリフェノール系消臭剤の付与位置を符号15で示す)。消臭剤付与位置15が積層内面13Aに位置していることで、使用時に消臭剤が肌に触れがたくなる。
また、この本実施形態に係るトイレットロール10では、トイレットペーパー12に消臭剤が付与されていることから、トイレットロール10の露出する部分の広範な範囲を占める周面12Aに消臭剤が位置されているため、紙管11などの狭い範囲にのみに消臭剤が付与されているものと比較してトイレ空間内の悪臭成分との接触機会が多くなり、消臭効果に優れる。但し、本発明に係るトイレットロール10は、紙管に消臭剤が付与されていることを否定しない。
さらに、このトイレットロール10は、トイレットペーパー12を使用する毎に、トイレットロールの周面12Aに新しいトイレットペーパー12が露出されることになるため、その毎に新たな消臭剤も周面に位置されるようになるため消臭効果の持続性も優れる。
ここで、ポリフェノール系消臭剤の例は、上記トイレットロールの製造方法で示したとおりである。本実施形態に係るトイレットロールにおいても好ましいポリフェノール系消臭剤は、柿タンニン又はその誘導体を含むものである。
消臭剤の付与量は、有効性分(固形成分)で0.0001〜1.0g/m2とする。より好ましくは、好ましくは0.003〜0.5g/m2である。0.0001g/m2未満であると十分な消臭効果が得られない。また、1.0g/m2を超えて付与しても消臭効果の向上が期待できず、却ってコストが高くなる。
また、特に柿タンニン又はその誘導体が付与されている場合においては、その柿タンニン又はその誘導体の付与量が0.0001〜1.0g/m2であるのが望ましい。より望ましくは、好ましくは0.003〜0.5g/m2である。柿タンニン又はその誘導体が、0.0001〜1.0g/m2の範囲で付与されていると高い消臭効果が確実に得られる。また、柿タンニン又はその誘導体を付与したものである場合には、1.0g/m2を超えると柿タンニンに由来する茶褐色の色が顕著になり、衛生的な印象が低下する。
他方、本発明に係るトイレットロール10では、エンボス14が付与されているのが望ましい。エンボス14の付与態様としては、図8に示すように、一方のトイレットペーパー原紙13のエンボス凸部14Aが他方のトイレットペーパー原紙に対面するようにして配置されている所謂ダブルエンボスの形態、図示はしないが、トイレットペーパー12の一方面にエンボス凸部のみが存在し、他方の面にそのエンボス凸部に対応する凹部のみが形成されている、所謂シングルエンボスの形態のいずれであってもよい。エンボス14が付与されていることにより嵩高となるとともに、紙面の面積が増加して消臭剤と外気との接触機会がより増加する。特に、図8に示される、プライを構成するトイレットペーパー原紙13のうちエンボスが付与されているものが、そのエンボス凸部頂部14Aが積層内面側に位置するようにして積層されているダブルエンボスが望ましい。このエンボス態様では、エンボスによって各プライ間に空隙ができるため、通気性に優れ、より消臭剤と外気とが接触しやすくなり、高い消臭効果が得られる。
また、上記ダブルエンボスの場合には、図示例の如く、エンボス凸部頂部14Aにラミネート糊16が配され、これによってトイレットペーパー原紙同士が接着されているのが望ましい。このようにするとプライ剥離が好適に防止される。
以上の本実施形態のトイレットロール10は、上記のトイレットロール及びトイレットペーパーの製造方法の欄で説明した製造方法により製造することができるため、上記説明の製造上の利点をも有する。
31A,32A…原反ロール、31,32…長尺の紙管原紙、51…糊付けロール、44…接着糊、52…マンドレルシャフト、58…カッター、53…プーリー、54…平ベルト、3…筒状部分、55…コンベア、X2…ワインダー、60…一次原反ロール、61…トイレットペーパー原紙、61A…消臭剤付与面、65A…消臭剤塗布装置、65B…フレキソ版、65C…圧胴、66…巻き取り装置、70…二次原反ロール、6…ガイドロール、75…ログ、70A,70B…トイレットペーパー原紙、7…トイレットペーパー、71A,71B…トイレットペーパー原紙、8a…テンションロール、8b…重ね合わせガイドロール、8c…エンボスロール直前のガイドロール、20A,20B…エンボス付与装置、21A,21B…エンボスロール、22A,22B…受けロール、25A…ロール転写設備、29…ラミネート糊、27A,27B…消臭剤付与位置、23…マリッジロール、82…ミシン目線形成装置、85…巻き取り部、91…ログカッター、10…トイレットロール、11…紙管、12…トイレットペーパー、13…トイレットペーパー原紙、13A…トイレットペーパー原紙の積層内面、15…ポリフェノール系消臭剤の付与部分、12A…トイレットロールの周面、14…エンボス、14A…エンボス凸部、16…ラミネート糊、L1…ロールペーパーの幅、L2…ロールペーパーの直径、L3…紙管内径。

Claims (6)

  1. トイレットロールの複数倍幅以上の幅の長尺の紙管を形成する紙管形成工程と、
    一次原反ロールから繰出したトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙の一方面に消臭剤を付与した後、巻き取って有機酸を含む消臭剤が付与された二次原反ロールを形成する二次原反ロール形成工程と、
    複数の二次原反ロールからトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙を繰出して積層し、トイレットロール複数倍幅以上の幅トイレットペーパーとした後に、これを長尺の紙管に巻いてログを形成する工程と、
    ログを切断して個々のトイレットロールにするログ裁断工程と、を有し、
    前記二次原反ロール形成工程において、トイレットペーパー原紙に有機酸を含む消臭剤を付与した後、その消臭剤付与面を前記消臭剤により酸化されるガイドロールに接触することなく搬送して、その消臭剤付与面が巻き取り内面となるようにして二次原反ロールを形成し、
    前記ログ形成工程において、ワインダーにセットした前記消臭剤が付与された二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を、表面に多数のエンボス付与凸部が配されている金属製のエンボスロールとこのエンボスロールと対をなす表面樹脂製の受けロールとの間に通して、エンボスを付与することとし、そのエンボスを付与する際に、消臭剤付与面がロール面に接するようにして受けロールに巻き掛けて搬送する過程でエンボスロールとの間に通し、エンボスロールと受けロールとの間を通過したエンボスが付与されたトイレットペーパー原紙を、連続的に消臭剤付与面と反対の面をロール面に接するようにエンボスロールに巻き掛替えて搬送し、その後にエンボスロールからトイレットペーパー原紙を離すとともに、その消臭剤付与面を、別のトイレットペーパー原紙と対面させて積層し、消臭剤が付与されたトイレットペーパーする、ことを特徴とするトイレットロールの製造方法。
  2. 前記二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を二つ以上の消臭剤により酸化されるガイドロールに接することなく受けロールに巻き掛ける、請求項1記載のトイレットロールの製造方法
  3. ワインダーにセットした消臭剤が付与された二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を、繰り出し直後にその消臭剤付与面を前記消臭剤により酸化されるガイドロールに接することなく、別のトイレットペーパー原紙と対面させて一時的に積層し、受けロールに巻き掛ける直前において再剥離して、受けロールに巻き掛ける、請求項1又は2記載のトイレットロールの製造方法。
  4. トイレットロールの複数倍幅以上の幅の長尺の紙管を形成する紙管形成工程と、
    一次原反ロールから繰出したトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙の一方面に消臭剤を付与した後、巻き取って有機酸を含む消臭剤が付与された二次原反ロールを形成する二次原反ロール形成工程と、
    複数の二次原反ロールからトイレットロールの複数倍幅以上の幅のトイレットロール原紙を繰出して積層し、トイレットロール複数倍幅以上の幅トイレットペーパーとした後に、これを長尺の紙管に巻いてログを形成する工程と、
    ログを切断して個々のトイレットロールにするログ裁断工程と、を有し、
    前記二次原反ロール形成工程において、トイレットペーパー原紙に有機酸を含む消臭剤を付与した後、その消臭剤付与面を前記消臭剤により酸化されるガイドロールに接触することなく搬送して、その消臭剤付与面が巻き取り内面となるようにして二次原反ロールを形成し、
    前記ログ形成工程において、ワインダーにセットした消臭剤が付与された二次原反ロールから繰出したトイレットペーパー原紙を、繰り出し直後にその消臭剤付与面をガイドロールに接することなく、別のトイレットペーパー原紙と対面させて積層してトイレットペーパーとする、ことを特徴とするトイレットロールの製造方法。
  5. 消臭剤が、有効成分としてポリフェノール及びその誘導体の少なくとも一方を含むポリフェノール系消臭剤であり、その有効成分を0.0001〜1.0g/m2付与する、請求項1〜4の何れか1項に記載のトイレットロールの製造方法。
  6. 二次原反ロール形成工程において、フレキソ印刷又はグラビア印刷により模様印刷をするとともに、消臭剤を付与する請求項1〜5の何れか1項に記載のトイレットロールの製造方法。
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