JP2010126860A - 衛生薄葉紙製品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔らかさや滑らかさがあり、しかも水分の裏抜け防止と水解性とが両立されたトイレットペーパーを提供する。
【解決手段】
乾燥パルプ原料1トン当たり、サイズ剤を1.2〜3.6kg、柔軟剤を0.1〜2.0kg含む抄紙原料を抄紙してなる原紙からなる水解性衛生薄葉紙により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、複数枚の折り畳まれた衛生薄葉紙の束を収納箱内に収納してなる衛生薄葉紙製品に関する。
トイレットペーパーは、肌の清拭を主たる用途とすることから、表面の滑らかさや柔らかさ等が求められる。このような需用者の要求に応じて、トイレットペーパーにおいては、親水性の柔軟剤等を担持させて表面の滑らかさや柔らかさを改善させたものが商品化されている。しかし、この柔らかさや滑らかさといった特性は、消費者においては、常により好ましいものが求められることから、トイレットペーパー等の衛生薄葉紙の製造業界では、これらの特性についてのさらなる向上を図ることが課題とされる。
他方、トイレットペーパーは、使用後にトイレの排水系に廃棄されることから、迅速な吸水性や高い水解性も求められてきた。
そして、従来、柔らかさや滑らかさを改善するための柔軟剤は、一般に水解性に影響を与えないか若しくは紙力の低下や親水機能による作用によって水解性が良化するものであるから使用時になんら問題となることはなかった。
しかしながら、近年、シャワートイレットの普及に伴って、トイレットペーパーにおいて、水分の裏抜け防止性が重要となってきており、この裏抜け防止性と上記水解性との両立が困難となっていた。
そこで、このような問題に対処すべく、トイレットペーパーにおいては、原紙積層数(プライ数)を3プライ以上と多層構造とするとともに、原紙の原料となるパルプ繊維の叩解を進めて繊維密度を高めるなどの技術が開示されているが、かかる多層構造は紙厚の増加をともない、ロール状のトイレットペーパーにおいては巻き長さ(全長)が短くなり減りの早い製品となる問題や、パルプの高密度化も製造時における脱水性の悪化などの製造上の問題や、何より、積層数の増加やパルプ密度の高まりは、水解性と柔らかさ及び滑らかさを悪化させるという問題がある。
特開2005−225562号公報
そこで、本発明が解決しようとする主たる課題は、柔らかさや滑らかさがあり、しかも水分の裏抜け防止と水解性とが両立されたトイレットペーパーを提供することにある。
上記課題を解決した本発明及びその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
乾燥パルプ原料1トン当たり、サイズ剤を1.2〜3.6kg、柔軟剤を0.1〜2.0kg含む抄紙原料を抄紙してなる原紙からなることを特徴とする水解性衛生薄葉紙。
<請求項2記載の発明>
乾燥パルプ原料1トン当たり、保湿剤を0.1〜2.0kg含む抄紙原料を抄紙してなる請求項1記載の水解性衛生薄葉紙。
<請求項3記載の発明>
2プライ以上の積層構造を有する請求項1又は2記載の水解性衛生薄葉紙。
<請求項4記載の発明>
JIS P 8124に基づく米坪が15g/m2以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の水解性衛生薄葉紙。
<請求項5記載の発明>
ソフトネスが2.80gf以下、表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)が11.0以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の水解性衛生薄葉紙。
<請求項6記載の発明>
乾燥パルプ原料1トン当たり、柔軟剤を0.1〜2.0kg、サイズ剤を1.2〜3.6kg含む抄紙原料を抄紙することを特徴とする水解性衛生薄葉紙の製造方法。
<請求項7記載の発明>
乾燥パルプ原料1トン当たり、保湿剤を0.1〜2.0kg含む抄紙原料を抄紙する請求項6記載の水解性衛生薄葉紙の製造方法。
以上の本発明によれば、柔らかさや滑らかさがあり、しかも水分の裏抜け防止と水解性とが両立されたトイレットペーパーが提供される。
次いで、本発明に係る水解性衛生薄葉紙の特に好ましい実施の形態をトイレットペーパーを例に説明する。なお、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
〔構造例〕
本形態におけるトイレットペーパーは、製品形態において一般的に採られるトイレットロールとも称されるロール状の形態を好ましく採ることができる。
また、本形態のトイレットペーパーは、原紙である帯状の連続シートをそのまま用いるプライ構造を有さない所謂シングルタイプであってもよいし、2枚以上を重ねた2プライ以上の構造としてもよいが、水解性と裏抜け防止性の両立の点からは2プライ構造であるのが望ましい。
上記ロール形態及び連続シートのプライ構造は、既知の巻き取り技術、既知のプライボンディング技術によって達成できる。
他方、本発明のトイレットペーパーは、高級感のあるものとすべく、好ましく印刷によって模様が付与されたものとすることができる。
ここで、模様を構成する具体的な図案Pや図柄Pの形成範囲、大きさ、形状などは特に限定されるものではなく、ロゴマーク、数字、文字、幾何学模様など図案、適宜の大きさを選択することができる。
模様の形成に用いるインキとしては、染料インキ、顔料インキを問わず、トイレットペーパー、ティシュペーパーなどの薄葉紙の印刷に用いられている既知のインキが利用できる。これらのインキによって印刷して模様を形成すれば、地色と異なる図案を付与することができる。
限定はされないが着色部分と地の部分とのL*a*b*表色系におけるL*値の差ΔL*は3.0以上あるのが望ましい。なお、L*値の測定は、例えば日本電色工業製の測定装置「PF−10」を用いて行うことができる。
他方、本形態のトイレットペーパーを構成する原紙である連続シートは、パルプを主原料とする抄紙原料から製造される。
原料となるパルプは、特に限定されない。水解性衛生薄葉紙の用途に応じて適宜の原料パルプを選択して使用することができる。具体的に例示すれば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
特には、パルプは、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=30:70〜50:50がよく、特に、NBKP:LBKP=40:60が望ましい。
上記パルプを主原料とする抄紙原料は、公知の薄葉紙の抄紙工程、具体的には、抄紙原料を抄紙網に載せて搬送するワイヤパート、脱水を行なうプレスパート、ヤンキードライヤー等のドライヤーとの接触によって乾燥させたのちクレーピンドクターでクレープを設けつつ前記ドライヤーから剥離するドライヤパートを経て抄造し連続シートとする。
なお、この抄紙に際しては、分散剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜既知の薬液を用いることができる。
ここで、本発明にかかるトイレットペーパーでは、特徴的に、これを構成する上述の連続シートが、乾燥原料パルプ1トン当たり、柔軟剤0.1〜2.0kg、サイズ剤1.2〜3.6kgを配合した抄紙原料から抄造されたものとなっている。なお、抄紙原料中におけるより好ましい、前記柔軟剤の配合量は、乾燥原料パルプ1トン当たり、0.3〜0.7kgであり、サイズ剤の配合量は1.8〜2.5kgである。
このような連続シートでは、柔軟剤によって、繊維間の結合のフレキシビリティや繊維内部への浸透による繊維自身のフレキシビリティの増化によって使用者における柔らかさの評価が向上するものとなる。
また、サイズ剤の親水基と親油基とを有することから、連続シートの表面において親水基側が繊維側に位置し、親油基側が外側に配向するため、繊維表面の表面エネルギーが低下し連続シート表面を触わったときに滑らかに感じるようになり、使用者における滑らかさ感の評価が向上するものとなる。
そして、特に本発明にかかるトイレットペーパーでは、このサイズ剤による滑らかさ感の向上と前記柔軟剤による柔らかさ向上の効果が相乗的に発揮されて、使用者において両効果の向上が極めてよく感じされるものとなる。
そのうえ、サイズ剤のおける外側に向けて配向された親油基により、水や水溶性物質の滲みを防止し、連続シートの表面に沿う方向やシート内方向へ広がりにくく、また、水溶性物質のシート内部方向への浸透が幾分抑制され、裏抜け防止効果も高まる。
すなわち、本発明の構成をとることで、柔らかさ及び滑らかさが一層向上するとともに、裏抜け防止効果も発揮されるのである。
なお、サイズ剤の添加量が、上記範囲未満であると連続シートの表面性改善の効果が低く従来例との評価の差異が明確ではないものとなり、上記範囲を超えるとドライヤパートにおけるヤンキードライヤーからの剥離性が悪化し品質が安定しない製造上のトラブルのおそれが高まる。
ここで上述の裏抜け防止効果は、特にトイレットペーパーが連続シートを2プライ以上積層したときに、より一層、顕著に発揮される。これについて説明すると、図1に示されるとおり、まず図1中(A)に示すように、積層された連続シートの一方1に多量の水分Wが接触するとサイズ剤の水分浸透抑制効果によって連続シート1の表面に沿って広がるようになる(図1中の点線矢印は水分の移動を示し、線の太さは水分量を表す)。それからまもなく、図1中(B)に示すように連続シート1の最初に水分が触れた部分において連続シート1の深さ方向の浸透が進む。さらに、それとほぼ同時に前記連続シート1の表面に沿って広がった水分が積層された他の連続シート2との積層内面10側に水分が到達する。このとき、水分の多くは、先の連続シート1に吸収され他の連続シート2側へと移行する量が少なくなっている。そして、図1中(C)に示すように、その量的に減少した水分は他の連続シート2に対しては、積層内面10側で広範に接触するとともに、その接触面においては他の連続シート2に沿うように広がるため、当該他の連続シート2の積層外面15側にまで至り難く、もって裏抜けが防止される。
このような効果からして、本発明にかかるトイレットペーパーでは、2プライ構造以上、特に水解性を考慮すれば、2プライとするのが望ましい。
ここで、上記サイズ剤の具体例としては、アルキルケテンダイマー、脂肪酸アミド系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、無水ステアリン酸等の中性サイズ剤、けん化天然ロジン、強化ロジン等の酸性サイズ剤などが挙げられる。好ましくは、アルキルケテンダイマーである。
また、上記柔軟剤の具体例としては、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性イオン界面活性剤が挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸塩系、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、燐酸エステル塩系のものなどを用いることができる。ただし、アルキル燐酸エステル塩が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレート、プロピレングリコールモノステアレートなどの多価アルコールモノ脂肪酸エステル、N−(3−オレイロシキ−2−ヒドロキシプロピル)ジエタノールアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット密ロウ、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが例示できる。
カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、アミン塩、アミンなどが例示できる。
両性イオン界面活性剤としては、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する第2級若しくは第3級アミンの脂肪族誘導体、又は複素環式第2級若しくは第3級アミンの脂肪族誘導体などが例示できる。
他方、本形態のトイレットペーパーにおいては、好ましく、前記連続シートを乾燥原料パルプ1トン当たり、保湿剤0.1〜2.0kg、より好ましくは1.0〜1.5kg配合した抄紙原料から抄造されたものとするのがよい。
保湿剤によって、上記柔らかさや滑らかさとともにしっとり感といった風合いが向上し使用者における風合い評価が高いものとなる。
また、保湿剤は水分や水性物質との親和性が高いため、シート自体の水分保持量を高める効果もそうする。これは、上記サイズ剤添加に伴う連続シートの浸透の遅さと相まって裏抜け防止効果を高めることになる。
ここで、保湿剤の具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類、グリコール系溶剤及びその誘導体のうちの少なくとも1種を含むものを用いてなるものが挙げられる。
他方、本発明に係るトイレットペーパーは、JIS P 8124に基づく米坪が、好ましく15g/m2であるのが望ましい。下限は適宜定められるが、13g/m2未満となると裏抜け防止の効果が期待できなくなる。なお、積層構造と採る場合には積層シートの米坪の総和が本発明にいう衛生薄葉紙の米坪である。この米坪は、従来製品と比較すると低米坪である。本発明のトイレットペーパーでは、上述のとおり裏抜け防止性が高いために、このような低米坪とすることができる。そして低米坪のトイレットペーパーは、少ない抄紙原料で製造できるためコストメリットがある。また、柔らかさの点でも有利な効果をそうする。 なお、本発明及び明細書中における米坪は、JIS P 8124の米坪測定方法に基づいて測定した値とする。
他方、本発明にかかるトイレットペーパーの紙厚は、一般的なトイレットペーパーと同等の紙厚とすることができる。すなわち、本発明にかかるトイレットペーパーでは、裏抜け防止効果があるため、シャワートイレに対応すべく過度に紙厚を厚くする必要がない。なお、具体的な紙厚としては150〜300μmとすることができる。
この紙厚の測定方法としては、JIS P 8111の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)、例えば「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定することができる。具体的な測定手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料(例えば、トイレットペーパー。)を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
(実施例)
次いで、本発明にかかる衛生薄葉紙と比較例とについて、それぞれ物性の測定と官能試験を行なった。各例にかかる物性及び試験結果は、下記表1に示すとおりである。なお、各例においては、柔軟剤、サイズ剤、保湿剤は抄紙原料に内添して含有せしめた。
試験において、米坪はJIS P 8124に従って測定し、紙厚の測定方法は上述の測定手順にしたがってダイヤルシックネスゲージにより測定した。
乾燥紙力は、JIS P 8113に準じて測定した。
表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)は、JIS P 8111に規定される条件下でカトーテック株式会社製「摩擦感テスター KES SE」を用いて測定した。MMDは、紙と接触子との摩擦係数の平均偏差であり、一般的に測定値の100倍値で表される。なお、測定に用いた接触子の接触面は10mm×10mmであり、接触面はピアノ線を複数密に配列して形成したものを使用した。MMDは、その値が大きいほど滑らかさに劣ることを意味する。
ソフトネスは、JAPAN TAPPI No.34に記載のハンドルオメータ法に準じて試料受皿クリアランスを5mmとして測定した。
浸透試験は、3cm×4cmの大きさのボード上に1000μlの水をほぼ均一に濡らし、試料15枚を重ねたものを1セットとしてこれを上記ボード上に静置させた直後に錘を載せ、その後直ちに錘を外したときに、ボード上の水が何枚目の試料まで到達したかを枚数で評価したものである。表中の評価値は、試験5回の平均値である。
官能試験は、被験者10人に実際に実施例及び比較例にかかるトイレットペーパーを使用してもらい、柔らかさ及び表面の滑らかさの感じ方を1〜5点の点数を付けて評価する方法により行なった。なお、点数が高いほうが優れているものである。
Figure 2010126860
表1中のソフトネス、MMDの試験結果のとおり、実施例1〜3では、比較例1と柔らかさ、滑らかさともに優れている。また、実施例4については、柔らかさ、滑らかさに関してほぼ同等となっている。
また、浸透試験の結果のとおり、本発明の実施例1〜4は、米坪が高い比較例1とほぼ同等であり、また、実施例3については全く遜色がない。このことより、本実施例については裏抜け防止性が高められていることが理解できる。
さらに、紙厚や紙力は、実施例と比較例ともに一般的なトイレットロールに用いられる薄葉紙として十分な範囲である。
また、本発明の実施例1〜3については、比較例1よりも優れた水解性を有している。実施例4についても、比較例1とほぼ同等である。
してみると、本願発明にかかるトイレットペーパーは、柔らかさ、滑らかさに優れ、しかも裏抜け防止性と水解性がともに高まっている。さらには低米坪として原料コストを低いものとすることいえる。これらの効果は、特に好ましい実施例1〜3、特に実施例2と3については顕著にその効果が読み取れる。
以上のことから、本発明によれば、柔らかさや滑らかさがあり、しかも水分の裏抜け防止と水解性とが両立されたトイレットペーパーが提供される。
本発明の衛生薄葉紙の水分の裏抜け防止の作用を説明するための図である。
符号の説明
1,2…連続シート、10…積層内面、15…積層外面、X1…トイレットペーパー、W…多水分、Wx…浸透した水分。

Claims (7)

  1. 乾燥パルプ原料1トン当たり、サイズ剤を1.2〜3.6kg、柔軟剤を0.1〜2.0kg含む抄紙原料を抄紙してなる原紙からなることを特徴とする水解性衛生薄葉紙。
  2. 乾燥パルプ原料1トン当たり、保湿剤を0.1〜2.0kg含む抄紙原料を抄紙してなる請求項1記載の水解性衛生薄葉紙。
  3. 2プライ以上の積層構造を有する請求項1又は2記載の水解性衛生薄葉紙。
  4. JIS P 8124に基づく米坪が15g/m2以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の水解性衛生薄葉紙。
  5. ソフトネスが2.80gf以下、表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)が11.0以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の水解性衛生薄葉紙。
  6. 乾燥パルプ原料1トン当たり、柔軟剤を0.1〜2.0kg、サイズ剤を1.2〜3.6kg含む抄紙原料を抄紙することを特徴とする水解性衛生薄葉紙の製造方法。
  7. 乾燥パルプ原料1トン当たり、保湿剤を0.1〜2.0kg含む抄紙原料を抄紙する請求項6記載の水解性衛生薄葉紙の製造方法。
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