JP5258354B2 - 衛生薄葉紙 - Google Patents

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Description

本発明は、トイレットペーパー等の衛生薄葉紙に関する。
トイレットペーパーに代表される衛生薄葉紙においては、複数枚を積層してプライ構造とし裏抜け防止や拭き取り時の手肉感を向上させるとともに、柔らかさや肌触りなどの風合いをも向上させるべく薄葉紙処理剤を塗布等して含有させることが行われている。
しかし、従来の薄葉紙処理剤は、薄葉紙に塗布した際の紙力低下が著しく、かかる衛生薄葉紙を製造する際にその操業速度を低下させたり、含有量を低くしたりせざるを得なかった。
また、従来、この種の衛生薄葉紙に用いられる薄葉紙処理剤としては、有機成分の含有量が多く、例えば、グリセリンなどの多価アルコールを主成分とする処理剤や脂肪酸エステル系界面活性剤、乳化剤、流動パラフィン、スクワランオイルを主成分とする水溶性の処理剤が知られている。しかし、これらの処理剤を塗布した薄葉紙は経時的に、風合いが悪化したり、臭気が増加したり、紙力が低下したりするという種々の問題点があった。
特開2006−42883号公報 特許第3610337号公報 特開平9−154764号公報 特開2006−149952号公報
そこで、本発明の主たる課題は、操業速度の低下なく、また、薄葉紙に薄葉紙処理剤を塗布した際十分な含有量を確保できて、紙力の低下がなく、風合い向上効果を発揮し、しかも、経時的な風合いが悪化、臭気増加、紙力低下といった問題が生じ難い衛生薄葉紙を提供することにある。
上記課題を解決した本発明およびその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
2枚以上の薄葉紙が積層された衛生薄葉紙において、
少なくとも一枚の薄葉紙に対して薄葉紙処理剤が3〜20重量%含有され、
前記薄葉紙処理剤が、化合物(A)5〜35重量%、水30〜70重量%、グリセリン20〜50重量%、乳化分散剤1〜15重量%を含み、
前記化合物(A)は、下記一般式(1)で示される脂肪酸アミド化合物(1)と、炭素数4〜10の二塩基酸とが、前記脂肪酸アミド化合物(1)の2級アミノ基1個に対して前記二塩基酸を0.5〜1.0モルの割合で反応して得られた化合物である、ことを特徴とする衛生薄葉紙。
1CONH(−R2−NH)nOCR3 ・・・(1)
(但し、R1、R3は、それぞれ炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは2〜5の整数である。)
<請求項2記載の発明>
前記乳化分散剤は、HLB15以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び/又はアルキルリン酸エステル塩である請求項1記載の衛生薄葉紙。
<請求項3記載の発明>
前記薄葉紙処理剤は、消泡剤を含む請求項1又は2記載の衛生薄葉紙。
<請求項4記載の発明>
前記衛生薄葉紙の乾燥引張強度は、前記薄葉紙の乾燥引張強度の70〜100%である請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
<請求項5記載の発明>
前記基材紙としては、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)が、1プライで縦方向100〜250cN/25mmである請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
<請求項6記載の発明>
前記薄葉紙は、一枚あたりの米坪が10〜35g/m2である請求項1〜5の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
<請求項7記載の発明>
2枚の帯状の薄葉紙が積層された状態で円筒状に巻き取られ、
その常にロール外周側に位置する薄葉紙に薬液が含有され、
その薬液が含有された薄葉紙に隣接する薄葉紙に模様が付与されている、請求項1〜6の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
<請求項8記載の発明>
前記模様は、薄葉紙処理剤を含む薄葉紙に対面する面に付与されている請求項1〜7の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
<請求項9記載の発明>
前記模様は、薄葉紙の地色と異なる色に着色された部分を有する請求項1〜8の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
以上の本発明によれば、操業速度の低下なく、また、薄葉紙に薄葉紙処理剤を塗布した際十分な含有量を確保できて、紙力の低下がなく、風合い向上効果を発揮し、しかも、経時的な風合いが悪化・臭気増加・紙力低下といった問題が生じ難い衛生薄葉紙が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳説する。
〔構造例〕
本発明に係る衛生薄葉紙の特に好ましい実施の形態は、2枚以上の帯状の薄葉紙(以下、原紙シートともいう。)が積層されたプライ構造の連続シートを円筒状に巻き取った構造としたものである。
連続シートにおいて、重ねられる薄葉紙の枚数は、構造例1と同様に、特に限定されるものではなく、例えば2枚(2プライ)、3枚(3プライ)、4枚(4プライ)、又はそれ以上の複数枚と適宜変更することができる。特に、2枚又は3枚が効果が顕著であり望ましい。
以下に、なかでも特に好ましい、3枚の薄葉紙が重ねられた構造例を主として、図1を参照しながらより詳述する。ただし、本発明はこの枚数及び構造に限定されるわけではない。
この本形態のロール状の衛生薄葉紙X1(以下、単に衛生薄葉紙ロールともいう。)は、中層に位置する帯状の薄葉紙1(中層薄葉紙という)に模様が付与され、その表裏に薬剤を含有した帯状の薄葉紙2,3(表面薄葉紙2、裏面薄葉紙3という)が積層された三層構造の連続シート10を巻き取って形成されている。連続シート10の巻き取り技術や各層の積層技術は既知の技術による。
そして、この衛生薄葉紙ロールX1は、前記表面薄葉紙2が常に巻き取り外周面となるように巻かれており、従って、衛生薄葉紙ロールX1の外周面Rは表面薄葉紙2によって構成され、また、その外周面Rを構成する表面薄葉紙2を透して、前記中層薄葉紙1に付与された模様が外方から認識されるように構成されている。
本形態の衛生薄葉紙ロールX1はこのように層構造及び巻き構造によって、中層薄葉紙1の模様が、一枚の薄紙である表面薄葉紙2を透して視認されるため、従来の衛生薄葉紙ロールのように外周面に直接的にインキなどによって模様が付与されているものと比較して、模様を構成する図案・図柄の縁等が適度にぼやけて視認され、すかし模様、ぼかし模様のような淡く、やわらかな印象を想起させるこれまでにない意匠性を呈する。
本形態の衛生薄葉紙ロールX1では、中層薄葉紙1に付与された模様は、着色インキ等により所定の図柄Pや図案Pを描くことで形成されている。これは、例えば、既知の印刷技術により形成することができる。
模様の自由度や付与の容易性から印刷による模様形成が特に好適であるが、模様付与の他の例として、混抄技術により薄葉紙の主原料パルプと相違する着色長繊維など混抄する方法や、当該帯状の衛生薄葉紙に着色された紙片等を貼着する方法が例示できる。
なお、模様を構成する具体的な図案Pや図柄Pの形成範囲、大きさ、形状などは特に限定されるものではなく、ロゴマーク、数字、文字、幾何学模様など図案、適宜の大きさを選択することができる。
他方、模様を構成する図案Pや図柄Pなどのうち、着色されている部分は、薄葉紙の地色と明確に相違しているのがよい。模様の形成に用いるインキとしては、染料インキ、顔料インキを問わず、トイレットペーパー、ティシュペーパーなどの薄葉紙の印刷に用いられている既知のインキが利用できる。これらのインキによって印刷して模様を形成すれば、地色と異なる図案を付与することができる。
限定はされないが着色部分と地の部分とのL*a*b*表色系におけるL*値の差ΔL*は3.0以上あるのが望ましい。なお、L*値の測定は、例えば日本電色工業製の測定装置「PF−10」を用いて行うことができる。
他方、本形態の衛生薄葉紙ロールX1は、上述のとおり外周面Rとなる表面薄葉紙2を透してそれに隣接する中層薄葉紙1の模様が透けて視認できるものである。従って、模様(図案)の透過による視認性を高めるべく、インキの印刷等によって中層衛生薄葉紙1の一方面に模様を付与する場合、その付与面を表面薄葉紙2と対面する側の面とするのがよい。
また、前記表面薄葉紙2は、中層薄葉紙1に付与した模様が明瞭に視認されるように、JIS P 8149に基づく不透明度が30〜55%、望ましくは35〜45%とするのが望ましい。この程度の不透明度とすると、ロール外方から中層薄葉紙の模様(図案P)が透けて見えるようになり、そこに付与された模様が視識しやすくなる。
他方、前記表面薄葉紙2は、本発明の課題に鑑みて、インキなどの印刷、塗布、塗工によって形成される模様を有しないのが望ましい。ただし、エンボスによる模様はこの限りでない。
他方、使用時に直接肌に触れる面を構成する表面薄葉紙2には、下記に詳述する本発明の特徴的な薄葉紙処理剤が含有されている。
薄葉紙処理剤を含ませる方法は、スプレー塗布、ロール転写等の既知の外添方法が採用できる。薄葉紙処理剤の塗布量等は適宜調整する。
他方、裏面薄葉紙3に関しては、本形態では好ましい形態として存在させているが、必ずしも必要ではない。裏面衛生薄葉紙3を配すると中層衛生薄葉紙1が表裏の薄葉紙に被覆されることになり、インキが確実に外面に露出しなくなり、肌への接触が防止されるので設けるのが望ましい。
また、裏面薄葉紙3に関しても、表面薄葉紙2と同じように適宜の薄葉紙処理剤を含有させることができる。この薄葉紙処理剤に関しては、必ずしも表面薄葉紙と同じものである必要はなく、適宜異なるものとすることができる。
以上、本発明にかかる衛生薄葉紙の好適な形態として、3層積層の連続シート10を巻き取った衛生薄葉紙ロールX1を例として説明したが、本発明の衛生薄葉紙は、このようなロール状に限られるわけではない。本発明はこれに限定されず、枚葉のものであってもよいし、ポップアップ形式に折り畳み積層したものとすることができる。
また、ロール状とする場合にも、上述のように中層薄葉紙に模様を付与する必要はない。さらには、前記中層薄葉紙と裏面薄葉紙との間に適宜の枚数の帯状の衛生薄葉紙を介在させた3層以上としてもよい。
〔薄葉紙〕
他方、本発明に係る衛生薄葉紙を構成する薄葉紙(原紙シート)の原料パルプは、特に限定されない。水解性衛生薄葉紙の用途に応じて適宜の原料パルプを選択して使用することができる。原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
特には、原料パルプは、トイレットペーパー、ティシュペーパーとするのであれば、NBKPとLBKPとを配合したものが好ましい。適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=30:70〜50:50がよく、特に、NBKP:LBKP=40:60が望ましい。
パルプ繊維等の原料は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、基紙とする。
この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
他方、原紙シートは、例えば、前記図案エンボスを明瞭に見せる効果、あるいは全体として高級感等のあるように見せる効果を得るために、地色が白色に限らず薄いピンクやブルーであってもよい。着色されないパルプ自体の色が現出したものでもよい。
原紙シートの地色の調整は、技術に従って着色した抄紙原料を用いて抄紙するなど既知の技術により達成できる。
〔薄葉紙処理剤〕
他方、本発明の衛生薄葉紙は、複数積層されている薄葉紙のうちの少なくとも一枚の薄葉紙に対して薄葉紙処理剤が3〜20重量%含有されている。上記構造例で示した例においては、好ましく表面薄葉紙2にこの薄葉紙処理剤が含有される。
薄葉紙処理剤の含有量が3重量%未満であると、さらさら感や滑らかさ感等の風合い向上効果、柔軟効果が乏しくなるなど効果が十分に発揮されない。20重量%を超えると風合いの悪化や操業性の悪化をもたらすおそれがある。なお、後述する本発明にかかる薄葉紙処理剤は、その成分及び配合に起因して、従来の薄葉紙処理剤と比較して20重量%以下という極めて低い含有量において、しっとり感、滑らかさ感、ふんわり感、さらさら感などの優れた風合い向上効果を奏する。
この本発明の特徴的な薄葉紙処理剤は、化合物(A)5〜35重量%、水30〜70重量%、グリセリン20〜50重量%、乳化分散剤1〜15重量%を含み、好ましくは、化合物(A)5〜15重量%、水40〜60重量%、グリセリン25〜50重量%、乳化分散剤1〜10重量%とからなる。
前記化合物(A)は、下記一般式(1)で示される脂肪酸アミド化合物(1)と、炭素数4〜10の二塩基酸とを、前記脂肪酸アミド化合物(1)の2級アミノ基1個に対して前記二塩基酸を0.5〜1.0モルの割合で反応させて得られた化合物である。
1CONH(−R2−NH)nOCR3 ・・・(1)
(但し、R1、R3は、それぞれ炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは2〜5の整数である。)
上記一般式(1)において、R1およびR3の炭素数が11〜21のアルキル基又はアルケニル基としては、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、トリデセニル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ペンタデセニル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘニコシル基、ヘニコセニル基などが挙げられる。中でも、直鎖アルキル基のペンタデシル基、ヘプタデシル基、ノナデシル基、ヘニコシル基が特に好ましい。
炭素数が11未満の場合は、薄葉紙の風合い向上、経時安定性が得られないおそれがあり、炭素数が21を超える場合は、得られる化合物(A)の融点が高くなり、薄葉紙処理剤としての粘度が上昇し、操業性の悪化や薄葉紙の風合いの悪化をもたらすおそれがある。
上記一般式(1)において、R2の炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。中でも、エチレン基が好ましい。
上記一般式(1)において、nは2が好ましく、5を超える場合は、得られる化合物(A)の融点が高くなり、薄葉紙処理剤としての粘度が上昇し、操業性の悪化や薄葉紙の風合いの悪化をもたらすおそれがある。
一般式(1)で示される脂肪酸アミド化合物(1)としては、具体的には、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジドデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジテトラデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジヘキサデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジオクタデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジドコサンアミド、N,N′‐[1,2‐エタンジイルビス(イミノ‐2,1‐エタンジイル)]ビスオクタデカンアミド、N,N′‐[イミノビス[2,1‐エタンジイルイミノ(2,1‐エタンジイル)]]ビスオクタデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(3,1‐プロパンジイル)]ビスオクタデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(4,1‐ブタンジイル)]ビスオクタデカンアミド等が挙げられる。中でも、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジヘキサデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジオクタデカンアミド、N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジドコサンアミドが特に好ましい。
炭素数4〜10の二塩基酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。中でも、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸が特に好ましい。炭素数が4未満の場合は、薄葉紙の風合い向上、経時安定性が得られないおそれがあり、炭素数が10を超える場合は、得られる化合物(A)の融点が高くなり、薄葉紙処理剤としての粘度が上昇し、操業性の悪化や薄葉紙の風合いの悪化をもたらすおそれがある。
化合物(A)を得るための反応は、反応器中に上記脂肪酸アミド化合物(1)と上記二塩基酸とを仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら昇温し、生成する水を除去しながら数時間保持することによって行われる。脂肪酸アミド化合物(1)の2級アミノ基1個に対して二塩基酸を反応させる割合が、0.5モル未満の場合は、薄葉紙の風合い向上効果が十分発揮されないおそれがあり、1.0モルを超える場合は、融点が高くなり薄葉紙処理剤としての粘度が上昇し、操業性の悪化や薄葉紙の風合いの悪化をもたらすおそれがある。
脂肪酸アミド化合物(1)と二塩基酸との反応物は、ジアミド生成架橋型とモノアミド生成モノカルボン酸型を生成し、反応比率、反応時間、並びに一方の反応原料を反応器に仕込み、反応進行と平行して他方を経時的に仕込むこと等によって、生成物中のジアミド生成架橋型とモノアミド生成モノカルボン酸型の含有割合を調整することができる。
特に好ましい反応割合は、一般式(1)におけるR1、R2、R3および特にnにもよるが、脂肪酸アミド化合物(1)の2級アミノ基1個に対して、二塩基酸が0.85〜1.0モルの割合である。ジアミド生成架橋型は高分子化することから、融点が高くなり薄葉紙処理剤としての粘度が上昇し、操業性の悪化や薄葉紙の風合いの悪化をもたらすおそれがあることから、モノアミド生成モノカルボン酸型の生成をリッチにし、高分子量のジアミド生成架橋型の生成を抑制する条件にて反応することが望ましい。
前記薄葉紙処理剤における、より好ましい化合物(A)の含有量は、5〜15重量%である。そして、薄葉紙処理剤中における化合物(A)の割合が5重量%未満であると、薄葉紙の風合い向上効果が十分発揮されなかったり、紙力が低下したりするおそれがあり、35重量%を超えると処理剤の粘度が高くなり操業性の悪化をもたらすおそれがあり、風合いが悪化する。
他方、本発明にかかる薄葉紙処理剤は、上記化合物(A)と相まって、従来処理剤と比較して、水の含有量が30〜70重量%と極めて多くできる。より好ましい水の含有量は、40〜60重量%である。そして、水の含有量が、30重量%未満であると処理剤の粘度が高くなり操業性の悪化をもたらすおそれがあり、70重量%を超えると薄葉紙に処理剤を含ませた工程以降で断紙したり、乾燥紙力が低下し、操業性の悪化、風合い向上効果が十分発揮されないおそれがある。
他方、薄葉紙処理剤における、より好ましいグリセリンの含有量は、25〜50重量%である。そして、グリセリンの含有量が20重量%未満であると、薄葉紙の風合い向上効果が十分発揮されないおそれがあり、50重量%を超えると処理剤の粘度が高くなり操業性の悪化や経時的に薄葉紙の風合いが悪化したり、臭気が増加したり、紙力が低下したりするおそれがある。
他方、本発明にかかる薄葉紙処理剤における、より好ましい乳化分散剤の含有量は、1〜10重量%である。そして、乳化分散剤の含有量が1重量%未満であると、薄葉紙処理剤が均一な溶液あるいは安定な乳化分散液として得られず、相分離するおそれがあり、15重量%を超えると薄葉紙処理剤が相分離したり、薄葉紙の紙力が低下したり、風合い向上効果が得られなかったりするおそれがある。
ここで、前記乳化分散剤は、従来既知のものの中から適宜に選択して使用することも可能であるが、好ましい乳化分散剤は、HLB15以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び/又はアルキルリン酸エステル塩である。
HLB15以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤としては、炭素数12〜18の直鎖あるいは分岐鎖アルコールのエチレンオキサイド20〜60モル付加物や、炭素数12〜18の直鎖あるいは分岐鎖アルコールのエチレンオキサイド20〜70モル、プロピレンオキサイド1〜5モルのランダムあるいはブロック付加物が好ましい。ブロック付加物の場合は乳化分散効果の点で末端エチレンオキサイド付加物が好ましい。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせることができる。
アルキルリン酸エステル塩としては、炭素数12〜18の直鎖あるいは分岐鎖アルコールに五酸化燐、塩化ホスホリル等のリン酸化剤を反応させて得られるリン酸エステルに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリを反応させて得られる化合物が好ましい。リン酸エステルとしては、モノエステル、ジエステル、トリエステルがあり、特にモノエステル、ジエステルが好ましい。アルコールとリン酸化剤との反応比率、反応時間等によって、反応生成物中のモノエステル、ジエステル、トリエステルの含有割合を調整することができる。通常、アルコールとリン酸化剤とを反応させて得られる反応生成物は、モノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物として得られるが、アルカリと反応させてリン酸エステル塩とすることができるのは、モノエステルとジエステルである。しかしながら反応生成物中にトリエステルが存在していても、トリエステルを分離除去することなくアルカリと反応させることができ、処理剤中にトリエステルが含有されていても何ら支障はない。
これらの乳化分散剤は、薄葉紙の地色や異なる色に着色された部分への色相影響のおそれがないとともに、親水性一親油性バランス、乳化作用の観点から、特に優れた分散効果が発揮され、より少量で均一な溶液あるいは安定な乳化分散液が得られ、ゆえに薄葉紙の紙力低下抑制及び風合い向上効果が有効に発揮される。
薄葉紙処理剤を含ませる工程において、泡立つ場合があり、操業速度の低下を回避するために、処理剤効果に影響を及ぼさない範囲で消泡剤を使用することができる。
消泡剤としては、従来既知のものの中から適宜に選択して使用することが可能であるが、好ましい消泡剤としては、溶剤系ではイソプロピルアルコール、プロピレングリコール等、活性剤系ではプルロニック型非イオン活性剤、脂肪酸エステル系活性剤、またポリシロキサン、無機フィラー複合コンパウンド型シリコーンまたはそれらのエマルション、ポリオキシエチレン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が用いられる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせることができる。
〔接着剤〕
本発明において各薄葉紙を接合する手段としてはエッジエンボスが好ましいが、接着剤を用いたラミネートエンボスを採用することもできる。エッジエンボスは既知の方法による。ラミネートエンボスであれば、衛生薄葉紙を水解性とするか否かを考慮し、水解性とするのであれば、水性の接着剤を用いるのが望ましい。接着剤の具体例としては、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等が挙げられる。特に好ましくは、セルロース系の水性接着剤であり、具体例としてCMCが挙げられる。
〔紙力残存率〕
他方、前記薄葉紙処理剤は、紙力残存率に優れる。具体的には、本処理剤を用いることにより、これまで達成しえなかった、紙力残存率70〜100%を達成可能である。
従って、本発明の衛生薄葉紙は、紙力残存率70〜100%であるのが望ましい。ここで、紙力残存率とは、((衛生薄葉紙の縦方向の乾燥引張強度)/(処理剤含有前の薄葉紙(原紙シート)の縦方向の乾燥引張強度))×100で算出される値である。
〔乾燥引張強度〕
他方、本発明の衛生薄葉紙は、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度が、1プライで縦方向100〜250cN/25mmである。より好ましくは、120〜200cN/25mmである。
ここで、本発明における乾燥引張強度とは、JIS P 8113に準じて測定した値である。
乾燥引張強度が、100cN/25mm未満であると、処理剤を塗布際に薄葉紙の乾燥強度が弱くなり、風合いの悪化や操業性の悪化をもたらすおそれがあり、250cN/mmを超えると薄葉紙を加工する際の操業性の悪化の原因となる。
また、基材紙は、その伸び率が10〜35%、特に好ましくは15〜30%であるのが望ましい。基材紙自体の伸び率がこの範囲にあれば、薄葉紙処理剤を含有させたとしても前記薄葉紙の所望の伸び率を達成できる。なお、伸び率の測定方法は、前述の薄葉紙の伸び率の測定方法と同様である。
なお伸び率は、クレープ率との相関が大きく、当該伸び率を好適に達成するために、基材紙の製造時のクレープ率を12.0〜26.0%にするのが望ましい。なお、クレープ率は、式(((製紙時のドライヤーの周速)−(リール周速))/(製紙時のドライヤーの周速)×100)により算出される値である。この乾燥引張強度は、原紙シート製造時に抄紙原料に対して乾燥紙力剤の添加したり、クレープ率を調整して適宜調整することができる。
なお、当然であるが構造例に示したロール状の衛生薄葉紙における乾燥引張強度は、シート状にして測定する。
〔米坪〕
他方、本発明に係る衛生薄葉紙の米坪は、その用途によって適宜調整することができるが、好適には、各層あたり10〜35g/m2。好ましくは、15〜25g/m2である。10g/m2未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、強度を適正に確保することができない。また、35g/m2超では、硬くなりすぎて、肌触りが悪いものとなり、また、十分な水解性を確保することが困難となる。そして、この範囲は、水解性衛生薄葉紙の用途として、トイレットペーパー、ティシュペーパーとする場合に、特に適する。なお、米坪は、JIS P 8124の米坪測定方法による。
〔紙厚〕
紙厚もまた、衛生薄葉紙の用途によって適宜調整することができる。トイレットペーパー、ティシュペーパーの場合、50〜450μmとするのが好ましい。なお、ここでいう紙厚は原紙シートの紙厚ではなく、衛生薄葉紙の紙厚である。紙厚が50μm未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、トイレットペーパーとしての強度を適正に確保することができないためである。また、450μm超では、トイレットペーパーが硬くなりすぎて、トイレットペーパーの肌触りが悪化するだけでなく、使用時にゴワツキ感が生じるためである。なお、各層を構成する原紙シートの紙厚は、すべて統一する必要はない。
前記紙厚の測定方法としては、JIS P 8111の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料(例えば、トイレットペーパー。)を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
本発明に係る衛生薄葉紙の引張強度は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて行う。その中でJIS P 8111に規定された標準条件下で、縦方向及び横方向に幅25mmに裁断するものとする。
〔水解性〕
本発明に係る衛生薄葉紙は、トイレットロール、トイレットペーパーとすて好適に用いることができ、この場合、水解性とすることができる。水解性とするのであれば、少なくともJIS P 4501で規定される、ほぐれやすさの試験方法における結果が80秒以下のものであるであるのが望ましい。80秒を超えると、水解性が遅く、例えば水洗トイレ等に廃棄したときに排水管に詰まるおそれがある。水解性とするためには、薄葉紙の紙力の調整など適宜の方法が採用できる。なお、本発明の特徴的な薄葉紙処理剤をもちいても十分な水解性とすることができる。
〔プライ剥離強度〕
原紙シートのプライ剥離強度[cN/50mm]としては5〜100cN/50mmであることが好ましい。5cN/50mmを下回ると、原紙シートどうしの貼り合わせが十分ではなく、意図せず剥離することがあり、100cN/50mmを上回ると、水解性衛生薄葉紙として硬くなりすぎて肌触りが悪化するためである。プライ剥離強度の測定方法は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて行う。その中でJIS P 8111に規定された標準条件下で、縦方向に幅50mmに裁断するものとする。裁断した後、試料を縦方向に剥離し、剥離試験用ロードセル(TG200N、ミネビア社製)に対して、剥離した一方を上側のつかみ具に、他方を下側のつかみ具にそれぞれ固定し、その間隔を8cmとする。次に、垂直方向に100mm/分の速度で引張り、さらに5cm剥離させて、その時の強度を測定するものである。
以下、実施例を挙げて本発明の効果を確認すべく処理剤の状態、紙力残存率、水解性、風合い、経時安定性について比較試験を行ったのでその結果について説明する。
本発明例及び比較例で用いた化合物(A)及び化合物(B)は以下の通りである。
化合物(A−1):N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジオクタデカンアミド(1モル)とアジピン酸(1モル)との反応物。
化合物(A−2):N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジヘキサデカンアミド(1モル)とコハク酸(1モル)との反応物。
化合物(A−3):N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジドコサンアミド(1モル)とセバシン酸(1モル)との反応物
化合物(A−4):N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジオクタデカンアミド(1モル)とアジピン酸(0.5モル)との反応物。
化合物(A−5):N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジオクタデカンアミド(1モル)とアジピン酸(0.85モル)との反応物。
化合物(A−6)N,N′‐[イミノビス[2,1‐エタンジイルイミノ(2,1‐エタンジイル)]]ビスオクタデカンアミド(1モル)、とアジピン酸(0.5モル×3)との化合物
化合物(B−1):N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジオクタデカンアミド(1モル)とアジピン酸(0.4モル)との反応物。
化合物(B−2):N,N′‐[イミノビス(2,1‐エタンジイル)]ジオクタデカンアミド(1モル)とアジピン酸(1.2モル)との反応物。
また、本発明例、比較例で用いた乳化分散剤は以下の通りである。
乳化分散剤A:ポリオキシエチレン(50モル)ポリオキシプロピレン(3モル)ドデシルエーテル(末端EOブロック共重合体、HLB=17.2)
乳化分散剤B:アルキル(C14:C15=47:53)リン酸エステルカリウム塩
乳化分散剤C:ポリオキシエチレン(35モル)セチルステアリルエーテル(HLB=17.1)
処理剤の状態、紙力残存率、水解性、風合い、経時安定性の評価については下記のとおりとした。
〔処理剤の状態〕
○:乳化分散液状で粘性はなく、分散粒子は非常に細かく均一である。×:乳化分散粘性液であるか、もしくは粘性はなくても分散粒子が粗く不均一であり経時により分離する。
〔紙力残存率〕
上述のごとくJIS P 8113に準じて測定した乾燥引張強度より算出し、ブランク試料の乾燥引張り強度に対する、塗布後試料の乾燥引張強度の割合である。
〔水解性〕
JIS P 4501で規定される、ほぐれやすさの試験方法に基づき測定し、以下のように水解性を評価した。
○:80秒以下
×:80秒を超える
〔風合い〕
(しっとり感)、(滑らかさ感)、(ふんわり感)、(さらさら感)、について、被験者30名が、薄葉紙処理剤の塗布されていないものを3点として、これを基準として各例につき5段階で評価する官能評価を行い、その平均点を官能評価点として、更にその官能評価点の平均点を総合評価点とし、総合評価点から以下のように風合い評価をした。
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が4.0点以上4.5点未満
△:平均点が3.5点以上4.0点未満
×:平均点が3.5点未満
尚、各評価項目については、被験者が以下の点を基準として評価することとした。
(しっとり感)
試料を触る、顔にあてる等してしっとり感について、どのように感じるかをブランク試料を基準として比較することで行った。点数は、
1点:ブランクと比べると明らかに劣ると感じる。
2点:ブランクと比べると若干劣ると感じる。
3点:ブランクと変わらないと感じる。
4点:ブランクと比べると若干勝ると感じる。
5点:ブランクと比べると明らかに勝ると感じる。
(滑らかさ感)
試料を触る、顔にあてる等して滑らかさについて、どのように感じるかをブランク試料を基準として比較することで行った。点数は、
1点:ブランクと比べると明らかに劣ると感じる。
2点:ブランクと比べると若干劣ると感じる。
3点:ブランクと変わらないと感じる。
4点:ブランクと比べると若干勝ると感じる。
5点:ブランクと比べると明らかに勝ると感じる。
(ふんわり感)
試料を触る、顔にあてる等してふんわり感について、どのように感じるかをブランク試料を基準として比較することで行った。点数は、
1点:ブランクと比べると明らかに劣ると感じる。
2点:ブランクと比べると若干劣ると感じる。
3点:ブランクと変わらないと感じる。
4点:ブランクと比べると若干勝ると感じる。
5点:ブランクと比べると明らかに勝ると感じる。
(さらさら感)
試料を触る、顔にあてる等してさらさら感について、どのように感じるかをブランク試料を基準として比較することで行った。点数は、
1点:ブランクと比べると明らかに劣ると感じる。
2点:ブランクと比べると若干劣ると感じる。
3点:ブランクと変わらないと感じる。
4点:ブランクと比べると若干勝ると感じる。
5点:ブランクと比べると明らかに勝ると感じる。
〔経時安定性〕
紙力残存率、風合い、臭気について、試験試料作成から1ケ月間、40℃の恒温槽内にガラス容器に密閉保管した試料を測定、評価し、以下のように総合的に経時安定性評価をした。尚、風合い、臭気は被験者30名が官能評価した。
○:作成時評価に比べ紙力残存率、風合い、臭気はほとんど差異がない。
×:作成時評価に比べ紙力残存率、風合い、臭気のいずれかが著しく悪化した。
<試験1>
本発明例1〜4、および比較例1〜4にかかる薄葉紙処理剤を用いた試料を作成し、紙力残存率、水解性、風合い、経時安定性、処理剤の状態について試験した。
まず、本発明例1〜4は、表1に示すブランク試料(原紙シート)に異なる含有量で、グリセリン38重量%、水50重量%、化合物(A−1)8重量%、乳化分散剤A4重量%で構成される薄葉紙処理剤を塗布して作成した。同様にグリセリンベースの比較例1〜4は、ブランク試料に異なる含有量で、グリセリン87重量%、水10重量%、乳化分散剤B3重量%で構成される薄葉紙処理剤を塗布して作成した。
表1に、各例の含有量とともに乾燥引張強度、紙力残存率、水解性、風合い、経時安定性、処理剤の状態の結果を示す。
Figure 0005258354
表1に示される本発明例と比較例とを比較すると、本発明例では、いずれの含有量においても風合い向上効果を発揮し、水解性、経時安定性を維持し、含有量が10%を超えても縦方向の乾燥引張強度の低下は小さく紙力を維持しているのに対して、比較例では、含有量15%で本発明例の含有量5%の風合いと同等であり、10%を超えると縦方向の乾燥引張強度の低下が著しく紙力は低下し、経時安定性を維持することもできないことが理解できる。このことから、本発明の薄葉紙処理剤は、薄葉紙に十分な量を塗布した際の紙力の低下はなく、風合い向上効果を発揮し、経時安定性を維持させることが可能であり、また、そのような水解性衛生薄葉紙であることが理解できる。
<試験2>
本発明例5〜12、および比較例5〜15にかかる組成の相違する薄葉紙処理剤を用いて、上記試験1と同様にブランク試料(原紙シート)に塗布して試料を作成した。
表2(本発明例)及び表3(比較例)に各例の含有量とともに乾燥引張強度、紙力残存率、水解性、風合い、経時安定性、処理剤の状態の結果を示す。
Figure 0005258354
Figure 0005258354
以上の試験から、本発明は低含有量でも風合いに優れるし、また、十分多量に塗布しても紙力残存率に優れ、また、経時による風合いの劣化、臭気の増加等の変化もない事が理解できる。従って、柔らかさ等の風合いに影響する原紙シートの坪量等を低くするなどの設計が可能であって、風合いを極めて効果的に向上することが可能であることが示された。
また、本発明によれば、操業速度の低下なく、また、薄葉紙に薄葉紙処理剤を塗布した際十分な含有量を確保できて、紙力の低下がなく、風合い向上効果を発揮し、しかも、経時的な風合いが悪化、臭気増加、紙力低下といった問題が生じ難い水解性衛生薄葉紙が提供される。
本発明の薄葉紙は、衛生用途に用いられる衛生薄葉紙として、特には、トイレットペーパー、ティシュペーパーとして使用することができる。

Claims (9)

  1. 2枚以上の薄葉紙が積層された衛生薄葉紙において、
    少なくとも一枚の薄葉紙に対して薄葉紙処理剤が3〜20重量%含有され、
    前記薄葉紙処理剤が、化合物(A)5〜35重量%、水30〜70重量%、グリセリン20〜50重量%、乳化分散剤1〜15重量%を含み、
    前記化合物(A)は、下記一般式(1)で示される脂肪酸アミド化合物(1)と、炭素数4〜10の二塩基酸とが、前記脂肪酸アミド化合物(1)の2級アミノ基1個に対して前記二塩基酸を0.5〜1.0モルの割合で反応して得られた化合物である、ことを特徴とする衛生薄葉紙。
    1CONH(−R2−NH)nOCR3 ・・・(1)
    (但し、R1、R3は、それぞれ炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは2〜5の整数である。)
  2. 前記乳化分散剤は、HLB15以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、及び/又はアルキルリン酸エステル塩である請求項1記載の衛生薄葉紙。
  3. 前記薄葉紙処理剤は、消泡剤を含む請求項1又は2記載の衛生薄葉紙。
  4. 前記衛生薄葉紙の乾燥引張強度は、前記薄葉紙の乾燥引張強度の70〜100%である請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
  5. 前記基材紙としては、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)が、1プライで縦方向100〜250cN/25mmである請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
  6. 前記薄葉紙は、一枚あたりの米坪が10〜35g/m2である請求項1〜5の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
  7. 2枚の帯状の薄葉紙が積層された状態で円筒状に巻き取られ、
    その常にロール外周側に位置する薄葉紙に薬液が含有され、
    その薬液が含有された薄葉紙に隣接する薄葉紙に模様が付与されている、請求項1〜6の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
  8. 前記模様は、薄葉紙処理剤を含む薄葉紙に対面する面に付与されている請求項1〜7の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
  9. 前記模様は、薄葉紙の地色と異なる色に着色された部分を有する請求項1〜8の何れか1項に記載の衛生薄葉紙。
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