JP2006118089A - 薄葉紙処理剤および薄葉紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄葉紙処理剤と薄葉紙については、薄葉紙の風合いを向上させることができる技術を提供することを目的とする。そして、薄葉紙処理剤ついては、さらに経時安定性を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、(B)多価アルコールと、(C)界面活性剤[但し、(A)成分に該当する化合物を除く]を含有することを特徴とする薄葉紙処理剤およびこれを用いた薄葉紙。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、(B)多価アルコールと、(C)界面活性剤[但し、(A)成分に該当する化合物を除く]を含有することを特徴とする薄葉紙処理剤およびこれを用いた薄葉紙。
【選択図】 なし
Description
本発明は薄葉紙処理剤および薄葉紙に関する。
トイレットペーパーやティッシュなどの薄葉紙においては、よりソフトな使用感が求められている。
そのため、従来は製紙方法を工夫することにより使用感を向上させることが行われている。例えば、薄葉紙表面をクレープ(しわ付き)処理する方法が提案されている。しかし、この方法では表面の毛羽立ちがザラつきとして残る問題がある。そこで、カレンダー処理で平滑化する方法(例えば特許文献1)などが提案されている。しかし、クレープ処理による紙のボリューム低下が避けられず、全体的なソフト感が損なわれるという問題がある。
このような欠点を避ける手法として、通常の方法で抄紙した薄葉紙を、風合いを向上する薄葉紙処理剤にて処理する方法が試みられている。
例えば、グリセリンや糖類などの親水成分の塗布により、毛羽立ちを抑制する手法が広く知られている。しかし、グリセリンや糖類などの親水成分の塗布による方法は、しっとり感ややわらかさが付与されザラツキ感は軽減されるものの、べたつき感が強まってしまうという欠点が生じる。
そこで、近年、例えばパラフィンなどの鉱物油を併用する方法(例えば特許文献2)や動植物油を併用する方法(例えば特許文献3)など、親水性成分と親油性化合物を併用して、なめらかさを付与することにより、べたつき感を抑える提案がなされている。
さらに、両性界面活性剤やアミン化合物などの第三成分を併用することで、やわらかさ、なめらかさ、しっとり感などの風合いをより向上できる方法も提案されている(例えば特許文献4)。
特開平5−76464号公報(特許請求の範囲、実施例など)
特開平5−156596号公報(特許請求の範囲、実施例など)
特開平7―82662号公報(特許請求の範囲、実施例など)
特開平9−296389号公報(特許請求の範囲、実施例など)
そのため、従来は製紙方法を工夫することにより使用感を向上させることが行われている。例えば、薄葉紙表面をクレープ(しわ付き)処理する方法が提案されている。しかし、この方法では表面の毛羽立ちがザラつきとして残る問題がある。そこで、カレンダー処理で平滑化する方法(例えば特許文献1)などが提案されている。しかし、クレープ処理による紙のボリューム低下が避けられず、全体的なソフト感が損なわれるという問題がある。
このような欠点を避ける手法として、通常の方法で抄紙した薄葉紙を、風合いを向上する薄葉紙処理剤にて処理する方法が試みられている。
例えば、グリセリンや糖類などの親水成分の塗布により、毛羽立ちを抑制する手法が広く知られている。しかし、グリセリンや糖類などの親水成分の塗布による方法は、しっとり感ややわらかさが付与されザラツキ感は軽減されるものの、べたつき感が強まってしまうという欠点が生じる。
そこで、近年、例えばパラフィンなどの鉱物油を併用する方法(例えば特許文献2)や動植物油を併用する方法(例えば特許文献3)など、親水性成分と親油性化合物を併用して、なめらかさを付与することにより、べたつき感を抑える提案がなされている。
さらに、両性界面活性剤やアミン化合物などの第三成分を併用することで、やわらかさ、なめらかさ、しっとり感などの風合いをより向上できる方法も提案されている(例えば特許文献4)。
しかしながら、従来の薄葉紙処理剤によって処理した薄葉紙においては、さらに風合いの向上が望まれる。
また、従来の薄葉紙処理剤においては、経時安定性の向上が望まれる。
例えば薄葉紙処理剤の製造と、薄葉紙の処理は、一気通関で行われるわけでない。すなわち、薄葉紙処理剤は、通常、製造後、移送され、倉庫で保管等される。そのため、この様な移送、保管などの温度条件を考慮した経時安定性の確保が求められる。
また、従来の薄葉紙処理剤においては、経時安定性の向上が望まれる。
例えば薄葉紙処理剤の製造と、薄葉紙の処理は、一気通関で行われるわけでない。すなわち、薄葉紙処理剤は、通常、製造後、移送され、倉庫で保管等される。そのため、この様な移送、保管などの温度条件を考慮した経時安定性の確保が求められる。
したがって、本発明においては、薄葉紙処理剤と、当該薄葉紙処理剤にて処理した薄葉紙に関して、薄葉紙の風合いを向上させることができる技術を提供することを目的とする。
そして、薄葉紙処理剤ついては、さらに経時安定性を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
そして、薄葉紙処理剤ついては、さらに経時安定性を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
本発明においては、前記課題を解決するために以下の手段を提案する。
第1の発明は、(A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、(B)多価アルコールと、(C)界面活性剤[但し、(A)成分に該当する化合物を除く]を含有することを特徴とする薄葉紙処理剤である。
第2の発明は、第1の発明の薄葉紙処理剤において、(B)成分がグリセリンを含む薄葉紙処理剤である。
第3の発明は、第1または第2の発明の薄葉紙処理剤において、(C)成分がアニオン界面活性剤を含む薄葉紙処理剤である。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明の薄葉紙処理剤にて処理してなる薄葉紙である。
第1の発明は、(A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、(B)多価アルコールと、(C)界面活性剤[但し、(A)成分に該当する化合物を除く]を含有することを特徴とする薄葉紙処理剤である。
第2の発明は、第1の発明の薄葉紙処理剤において、(B)成分がグリセリンを含む薄葉紙処理剤である。
第3の発明は、第1または第2の発明の薄葉紙処理剤において、(C)成分がアニオン界面活性剤を含む薄葉紙処理剤である。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明の薄葉紙処理剤にて処理してなる薄葉紙である。
本発明においては、薄葉紙処理剤と、当該薄葉紙処理剤にて処理した薄葉紙に関して、薄葉紙の風合いを向上させることができる技術を提供することができる。
そして、薄葉紙処理剤ついては、さらに経時安定性を向上させることができる技術を提供することができる。
そして、薄葉紙処理剤ついては、さらに経時安定性を向上させることができる技術を提供することができる。
[薄葉紙処理剤]
本発明の薄葉紙処理剤は、(A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、(B)多価アルコールと、(C)界面活性剤[但し、(A)成分に該当する化合物を除く]を含有する。
なお、薄葉紙処理剤は、通常、これをそのまま薄葉紙に適用するが、水(好ましくはイオン交換水)を用いて適当な濃度に希釈した二次処理剤とされ、これを用いて薄葉紙を処理する場合もある。
本発明の薄葉紙処理剤は、(A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、(B)多価アルコールと、(C)界面活性剤[但し、(A)成分に該当する化合物を除く]を含有する。
なお、薄葉紙処理剤は、通常、これをそのまま薄葉紙に適用するが、水(好ましくはイオン交換水)を用いて適当な濃度に希釈した二次処理剤とされ、これを用いて薄葉紙を処理する場合もある。
(A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物
本発明において、「ラノリン」は、水素添加などの処理をしていないラノリン(以下「無処理のラノリン」という場合がある)、およびラノリンに水素添加してなる、いわゆる「還元ラノリン」も包括する概念とする。以下、「ラノリン」は、特段の記載がない限り、この包括的な概念を示すものとする。
ラノリンは水酸基を有し、ラノリンのアルキレンオキシド付加物(以下、「アルキレンオキシド付加物」を、「AO付加物」と略記することがある。)は、当該水酸基にアルキレンオキシドが付加された化合物である。アルキレンオキシドは通常2つ以上が付加した状態で、ラノリンに結合している。そのため、AO付加物は、ポリアルキレンオキシド付加物とも呼ばれる。
アルキレンオキシドにおいて、アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜4程度とされ、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドであり、特に好ましくはエチレンオキシドである。
アルキレンオキシドの付加量は、ラノリン1質量部あたり、0.1〜15質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。下限値以上とすることにより、親油性が強くなりすぎて液安定性が低下することを防ぐことができ、上限値以下にすることにより、風合い向上効果が得られる。
本発明において、「ラノリン」は、水素添加などの処理をしていないラノリン(以下「無処理のラノリン」という場合がある)、およびラノリンに水素添加してなる、いわゆる「還元ラノリン」も包括する概念とする。以下、「ラノリン」は、特段の記載がない限り、この包括的な概念を示すものとする。
ラノリンは水酸基を有し、ラノリンのアルキレンオキシド付加物(以下、「アルキレンオキシド付加物」を、「AO付加物」と略記することがある。)は、当該水酸基にアルキレンオキシドが付加された化合物である。アルキレンオキシドは通常2つ以上が付加した状態で、ラノリンに結合している。そのため、AO付加物は、ポリアルキレンオキシド付加物とも呼ばれる。
アルキレンオキシドにおいて、アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜4程度とされ、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドであり、特に好ましくはエチレンオキシドである。
アルキレンオキシドの付加量は、ラノリン1質量部あたり、0.1〜15質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。下限値以上とすることにより、親油性が強くなりすぎて液安定性が低下することを防ぐことができ、上限値以下にすることにより、風合い向上効果が得られる。
本発明において、「ひまし油」は、水素添加などの処理をしていないひまし油(以下「無処理のひまし油」という場合がある)、およびひまし油に水素添加されてなる、いわゆる「硬化ひまし油」も含むものとする。以下、「ひまし油」は、特段の記載がない限り、この包括的な概念を示すものとする。
ひまし油は、ラノリンと同様に水酸基を有し、ひまし油のAO付加物は、当該水酸基にアルキレンオキシドが付加した化合物である。アルキレンオキシドは通常2つ以上が付加した状態で、ひまし油に結合している。
アルキレンオキシドのアルキレン基の炭素数は2〜4程度であり、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドであり、特に好ましくはエチレンオキシドである。アルキレンオキシドの付加モル数はひまし油1モルあたり、5〜100の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜60である。
ひまし油は、ラノリンと同様に水酸基を有し、ひまし油のAO付加物は、当該水酸基にアルキレンオキシドが付加した化合物である。アルキレンオキシドは通常2つ以上が付加した状態で、ひまし油に結合している。
アルキレンオキシドのアルキレン基の炭素数は2〜4程度であり、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドであり、特に好ましくはエチレンオキシドである。アルキレンオキシドの付加モル数はひまし油1モルあたり、5〜100の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜60である。
(A)成分の具体例としては以下のものが挙げられる。
ラノリンのAO付加物の具体例は以下の通りである。これらはエチレンオキシド付加物である。
無処理のラノリンのAO付加物としては、化粧品原料として用いられるものであれば特に限定されないが、日光ケミカルズ株式会社製NIKKOL TW−10、TW−20、TW−30;日本精化株式会社製 ベルポールL−30、L−50(以上、すべて商品名)などが用いられる。
還元ラノリンのAO付加物としては、クローダー・ジャパン社製 POLYCHOLWH−50、POLYCHOL WH−150、POLYCHOL WH−200、POLYCHOL WH−400;日光ケミカルズ社製 NIKKOL BW−10、BW−20、 BW−30;新日本理化製 リカラノールRE−14(以上、すべて商品名)などが用いられる。
ラノリンのAO付加物の具体例は以下の通りである。これらはエチレンオキシド付加物である。
無処理のラノリンのAO付加物としては、化粧品原料として用いられるものであれば特に限定されないが、日光ケミカルズ株式会社製NIKKOL TW−10、TW−20、TW−30;日本精化株式会社製 ベルポールL−30、L−50(以上、すべて商品名)などが用いられる。
還元ラノリンのAO付加物としては、クローダー・ジャパン社製 POLYCHOLWH−50、POLYCHOL WH−150、POLYCHOL WH−200、POLYCHOL WH−400;日光ケミカルズ社製 NIKKOL BW−10、BW−20、 BW−30;新日本理化製 リカラノールRE−14(以上、すべて商品名)などが用いられる。
ひまし油のAO付加物の具体例は以下の通りである。これらはエチレンオキシド付加物である。これらの例には無処理のひまし油のAO付加物と、硬化ひまし油のAO付加物の両方が含まれている。
すなわち、日光ケミカルズ社製 CO−20(HLB値:10.5)、HCO−40(HLB値:12.5)、CO−50TX(HLB値:14.0)、CO−60TX(HLB値:14.0)、HCO−50(HLB値:13.5)、HCO−60(HLB値:14.0)、HCO−80(HLB値:15.0)、HCO−100(HLB値:16.5)(以上、すべて商品名)などが挙げられる。
すなわち、日光ケミカルズ社製 CO−20(HLB値:10.5)、HCO−40(HLB値:12.5)、CO−50TX(HLB値:14.0)、CO−60TX(HLB値:14.0)、HCO−50(HLB値:13.5)、HCO−60(HLB値:14.0)、HCO−80(HLB値:15.0)、HCO−100(HLB値:16.5)(以上、すべて商品名)などが挙げられる。
(A)成分においては、特に薄葉紙になめらかさを付与する点から、ラノリンのAO付加物を用いることが好ましく、さらにはラノリンのエチレンオキシド付加物を用いることが好ましい。ラノリンのAO付加物においては、還元ラノリンよりも、無処理のラノリンを用いたものが好ましい。
(A)成分は1種または2種以上混合して用いることができる。
(A)成分の薄葉紙処理剤全体における配合比率は、好ましくは0.05〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜20.0質量%、さらには0.5〜10質量%である。
下限値以上とすることにより、目的とするなめらかさや柔軟性を充分に得ることができ、上限値以下とすることにより、保湿成分量の不足によりしっとり感が低下する傾向を抑制することができる。
(A)成分の薄葉紙処理剤全体における配合比率は、好ましくは0.05〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜20.0質量%、さらには0.5〜10質量%である。
下限値以上とすることにより、目的とするなめらかさや柔軟性を充分に得ることができ、上限値以下とすることにより、保湿成分量の不足によりしっとり感が低下する傾向を抑制することができる。
(B)多価アルコール
(B)成分としては、特に限定するものではないが、炭素数2〜20、好ましくは 2〜10のものが好ましく、水酸基の数は2〜10が好ましく、より好ましくは2〜6である。
(B)成分は1種または2種以上を混合して用いることができる。
(B)成分としては、特に限定するものではないが、炭素数2〜20、好ましくは 2〜10のものが好ましく、水酸基の数は2〜10が好ましく、より好ましくは2〜6である。
(B)成分は1種または2種以上を混合して用いることができる。
(B)成分として、具体的には、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどが挙げられる。そして、中でも(B)成分がグリセリンを含むことが好ましい。
また、経時安定性の点から、グリセリンとともに、プロピレングリコール、ソルビトールをさらに併用することも好ましい。
グリセリンは、(B)成分全体に対して40質量%以上用いることが望ましく、より好ましくは60質量%以上であり、100質量%であってもよい。下限値以上とすることにより、薄葉紙において、保湿性向上によるなめらかさの向上を図ることができる。また、やわらかさを向上させることができる。
また、経時安定性の点から、グリセリンとともに、プロピレングリコール、ソルビトールをさらに併用することも好ましい。
グリセリンは、(B)成分全体に対して40質量%以上用いることが望ましく、より好ましくは60質量%以上であり、100質量%であってもよい。下限値以上とすることにより、薄葉紙において、保湿性向上によるなめらかさの向上を図ることができる。また、やわらかさを向上させることができる。
(B)成分の配合量は、水を除いた薄葉紙処理剤の有効成分全体中、40.0〜99.5質量%、さらに好ましくは50.0〜99.0質量%、さらには60.0〜99.0質量%である。
下限値以上とすることにより、保湿力を向上させて、しっとり感を向上させることができる。上限値以下にすることにより、相対的に(A)成分の含有量を確保しやすくなり、結果として薄葉紙のなめらかさや、やわらかさの向上を図ることができる。
下限値以上とすることにより、保湿力を向上させて、しっとり感を向上させることができる。上限値以下にすることにより、相対的に(A)成分の含有量を確保しやすくなり、結果として薄葉紙のなめらかさや、やわらかさの向上を図ることができる。
(C)界面活性剤
(C)成分は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよい。ただし(A)成分に該当しない成分であることが必要である。そして、経時安定性維持の点から、特に(C)成分がアニオン界面活性剤を含むことが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N−アルキル−N−メチル−β−アラニン塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、などが挙げられる。中でも親水基がカルボン酸塩ものが好ましい。アニオン界面活性剤の対イオンはカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属が好ましく、ナトリウムがより好ましい。
カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、N,N−ジアルキロイルオキシエチル−N−メチル、N−ヒドロキシエチルアンモニウム塩などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、脂肪酸アミドプロピルベタイン、N−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどを用いることができる。
(C)成分は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよい。ただし(A)成分に該当しない成分であることが必要である。そして、経時安定性維持の点から、特に(C)成分がアニオン界面活性剤を含むことが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N−アルキル−N−メチル−β−アラニン塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、などが挙げられる。中でも親水基がカルボン酸塩ものが好ましい。アニオン界面活性剤の対イオンはカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属が好ましく、ナトリウムがより好ましい。
カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、N,N−ジアルキロイルオキシエチル−N−メチル、N−ヒドロキシエチルアンモニウム塩などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、脂肪酸アミドプロピルベタイン、N−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどを用いることができる。
(C)成分は、薄葉紙処理剤全体中に好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%配合することが好ましい。下限値以上とすることにより、経時安定性が良好となり、上限値以下とすることにより、経時安定性が良好となるとともに、経済的にも有利である。
その他の成分
薄葉紙処理剤においては、水を用いることが経時安定性の点で好ましい。
水は、例えば、イオン交換水を使用することが望ましい。
水の配合比率は、好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。実質的には5質量%以上とすることが、経時安定性の点から好ましい。
上限値以下とすることにより、塗布などの薄葉紙の処理を行う際に、泡立ちを抑制することができ、塗布直後の薄葉紙のシワの発生を抑制することができる。
薄葉紙処理剤においては、水を用いることが経時安定性の点で好ましい。
水は、例えば、イオン交換水を使用することが望ましい。
水の配合比率は、好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。実質的には5質量%以上とすることが、経時安定性の点から好ましい。
上限値以下とすることにより、塗布などの薄葉紙の処理を行う際に、泡立ちを抑制することができ、塗布直後の薄葉紙のシワの発生を抑制することができる。
また、薄葉紙処理剤には、防腐剤を使用してもよい。
防腐剤としては、例えば、安息香酸塩、メチルパラベンなどのオキシ安息香酸系;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジンに代表される有機窒素系;1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロー2−メチルー4−イソチアゾリンー3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどに代表される有機窒素硫黄系;1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、ビストリブロモメチルスルホンに代表されるような有機ブロム系;または、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンに代表されるような有機硫黄系などの化合物を用いた防腐剤を用いることができる。
防腐剤は、薄葉紙処理剤全体中に0.01〜10質量%好ましくは0.05〜2質量%配合される。
防腐剤としては、例えば、安息香酸塩、メチルパラベンなどのオキシ安息香酸系;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジンに代表される有機窒素系;1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロー2−メチルー4−イソチアゾリンー3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどに代表される有機窒素硫黄系;1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、ビストリブロモメチルスルホンに代表されるような有機ブロム系;または、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンに代表されるような有機硫黄系などの化合物を用いた防腐剤を用いることができる。
防腐剤は、薄葉紙処理剤全体中に0.01〜10質量%好ましくは0.05〜2質量%配合される。
また、薄葉紙処理剤には、他
の任意成分として果糖、ブドウ糖、オリゴ糖などの糖類や、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化剤、香料、消臭剤、色素、エキス類などを配合することができる。
の任意成分として果糖、ブドウ糖、オリゴ糖などの糖類や、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化剤、香料、消臭剤、色素、エキス類などを配合することができる。
薄葉紙処理剤の製造方法
薄葉紙処理剤は、各配合成分を常法に従い、均一に混合すればよく、従来公知の方法で製造することができる。
薄葉紙処理剤は、各配合成分を常法に従い、均一に混合すればよく、従来公知の方法で製造することができる。
[薄葉紙]
薄葉紙処理剤を適用する薄葉紙には特に限定はなく、従来公知の抄紙法で得られた紙を用いることができる。
ここで、薄葉紙とは、ごく薄く漉いた紙(和紙、洋紙)を意味し、好ましくは秤量40g/m2以下、さらに好ましくは20g/m2以下のものがよい。トイレットペーパーやティッシュペーパー、ペーパータオルなどの用の家庭用、食器、包装、衛生などの業務用に用いるものであるが、好ましくは家庭用である。
そして、好ましくは本発明の薄葉紙処理剤を、そのまま、または必要に応じて水(好ましくはイオン交換水)で適宜希釈して二次処理剤とし、これを薄葉紙の表面に塗布し、乾燥すると、本発明の薄葉紙処理剤にて処理してなる薄葉紙が得られる。
薄葉紙処理剤の塗布量は、水を除いた有効成分換算質量で、薄葉紙の乾燥重量に対して1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%、さらには10〜25質量%とすることが好ましい。下限値以上とすることにより、目的とする風合い向上効果が向上する。上限値以下にすることにより、シワなど薄葉紙の外観を損なう傾向を抑制できる。また、経済的に有利である。
塗布方法は、従来公知の方法、例えば、ロール転写法、スプレー塗布法などの任意の方法を採用できる。
薄葉紙処理剤を適用する薄葉紙には特に限定はなく、従来公知の抄紙法で得られた紙を用いることができる。
ここで、薄葉紙とは、ごく薄く漉いた紙(和紙、洋紙)を意味し、好ましくは秤量40g/m2以下、さらに好ましくは20g/m2以下のものがよい。トイレットペーパーやティッシュペーパー、ペーパータオルなどの用の家庭用、食器、包装、衛生などの業務用に用いるものであるが、好ましくは家庭用である。
そして、好ましくは本発明の薄葉紙処理剤を、そのまま、または必要に応じて水(好ましくはイオン交換水)で適宜希釈して二次処理剤とし、これを薄葉紙の表面に塗布し、乾燥すると、本発明の薄葉紙処理剤にて処理してなる薄葉紙が得られる。
薄葉紙処理剤の塗布量は、水を除いた有効成分換算質量で、薄葉紙の乾燥重量に対して1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%、さらには10〜25質量%とすることが好ましい。下限値以上とすることにより、目的とする風合い向上効果が向上する。上限値以下にすることにより、シワなど薄葉紙の外観を損なう傾向を抑制できる。また、経済的に有利である。
塗布方法は、従来公知の方法、例えば、ロール転写法、スプレー塗布法などの任意の方法を採用できる。
この様に本発明の薄葉紙処理剤を用いて処理すると、薄葉紙の風合いを向上させることができる。具体的には、しっとり感、なめらかさ、やわらかさを少なくとも1つ以上、好ましくは全て向上させることができる。
また、本発明の薄葉紙処理剤は、経時安定性が良好である。そのため、移送時、保管時、製造時においても、経時安定性が確保される。そして、特に特性の異なる複数の成分からなる場合には、経時安定性の維持が難しいが、本発明においては、親水性が高く、比重が重い傾向にある(B)成分と、(A)成分の様な比較的、親油性の化合物とをともに含んでいても、経時安定性を実現することができる。
また、本発明の薄葉紙処理剤は、経時安定性が良好である。そのため、移送時、保管時、製造時においても、経時安定性が確保される。そして、特に特性の異なる複数の成分からなる場合には、経時安定性の維持が難しいが、本発明においては、親水性が高く、比重が重い傾向にある(B)成分と、(A)成分の様な比較的、親油性の化合物とをともに含んでいても、経時安定性を実現することができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
(1)薄葉紙処理剤の製造
表1に示す材料を、表2〜3に示す割合で用いた。表2〜3に示した各成分の組成の単位は質量%である。
薄葉紙処理剤の製造においては、まず、はじめに(B)成分に水を加え、常温で攪拌・混合した後、(C)成分を添加して、均一で透明な状態になるまでさらに攪拌した。
ついで、(A)成分または硬化ひまし油を添加し、常温で攪拌・混合して薄葉紙処理剤を得た。
(1)薄葉紙処理剤の製造
表1に示す材料を、表2〜3に示す割合で用いた。表2〜3に示した各成分の組成の単位は質量%である。
薄葉紙処理剤の製造においては、まず、はじめに(B)成分に水を加え、常温で攪拌・混合した後、(C)成分を添加して、均一で透明な状態になるまでさらに攪拌した。
ついで、(A)成分または硬化ひまし油を添加し、常温で攪拌・混合して薄葉紙処理剤を得た。
(2)薄葉紙の処理
薄葉紙処理剤を、常温で2週間静置した。
このとき、分離や沈殿が生じていた処理剤は、実用性に問題ありと見なし、『塗布不能』と判断し、薄葉紙の処理を中止した。なお、『塗布不能』であった比較例3、4については、表2の風合いの評価の欄に『塗布不能』と記載した。
外観が均一透明であることを確認できた、その他の薄葉紙処理剤については、有効成分(水を除いた成分)換算で40質量%となるように、イオン交換水で希釈し、二次処理剤を調整した。
ついで、二次処理剤を、未処理のティッシュペーパーに対して50質量%となるようにスプレー塗布し、恒温恒湿室(温度20℃、湿度65%RH)内で24時間放置した後、ティッシュペーパーの風合いを評価した。
薄葉紙処理剤を、常温で2週間静置した。
このとき、分離や沈殿が生じていた処理剤は、実用性に問題ありと見なし、『塗布不能』と判断し、薄葉紙の処理を中止した。なお、『塗布不能』であった比較例3、4については、表2の風合いの評価の欄に『塗布不能』と記載した。
外観が均一透明であることを確認できた、その他の薄葉紙処理剤については、有効成分(水を除いた成分)換算で40質量%となるように、イオン交換水で希釈し、二次処理剤を調整した。
ついで、二次処理剤を、未処理のティッシュペーパーに対して50質量%となるようにスプレー塗布し、恒温恒湿室(温度20℃、湿度65%RH)内で24時間放置した後、ティッシュペーパーの風合いを評価した。
(3)風合いの評価
処理後のティッシュペーパーの風合いについて、なめらかさ、しっとり感、やわらかさのそれぞれを、未処理品と処理品について左右の点で同時に触り、その官能評価を、下記の基準で実施した。
処理後のティッシュペーパーの風合いについて、なめらかさ、しっとり感、やわらかさのそれぞれを、未処理品と処理品について左右の点で同時に触り、その官能評価を、下記の基準で実施した。
さらに、パネラー5名の合計点により、下記の基準で判定した。結果を表2、3にあわせて示した。
(4)経時安定性の評価
薄葉紙処理剤を25℃および40℃条件下で、それぞれ1ヶ月保存し、分離の有無を、以下の基準で目視で判定した。結果を表2、3にあわせて示した。
○:透明で均一
△:僅かに分離または沈殿が認められる
×:著しい分離または沈殿が認めれる
薄葉紙処理剤を25℃および40℃条件下で、それぞれ1ヶ月保存し、分離の有無を、以下の基準で目視で判定した。結果を表2、3にあわせて示した。
○:透明で均一
△:僅かに分離または沈殿が認められる
×:著しい分離または沈殿が認めれる
表2、3から明らかな様に、本発明に係る実施例はいずれにおいても良好な結果が得られた。
Claims (4)
- (A)ラノリンのアルキレンオキシド付加物、およびひまし油のアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、(B)多価アルコールと、(C)界面活性剤[但し、(A)成分に該当する化合物を除く]を含有することを特徴とする薄葉紙処理剤。
- 請求項1記載の薄葉紙処理剤において、(B)成分がグリセリンを含む薄葉紙処理剤。
- 請求項1または2に記載の薄葉紙処理剤において、(C)成分がアニオン界面活性剤を含む薄葉紙処理剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄葉紙処理剤にて処理してなる薄葉紙。
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