JP7309972B1 - 紙類処理剤とそれを用いた紙類並びに紙類の風合いを向上する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保湿性能を付与した紙類に使用者の嗜好に合う特異的な風合いを付与することができ、さらに高湿度環境下と低湿度環境下での紙類の水分量の変化が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制できる紙類処理剤とそれを用いた紙類並びに紙類の風合いを向上する方法を提供する。【解決手段】本発明の紙類処理剤は、(A)多価アルコール、(B)スルホン酸塩、及び(C)水を含有し、(B)スルホン酸塩の含有量が、水を除く全量に対して0.05質量%以上8.0質量%未満であることを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、紙類処理剤とそれを用いた紙類並びに紙類の風合いを向上する方法に関する。
トイレットペーパーやティッシュ等の紙類には、柔らかく、しっとりした風合いが求められており、柔らかな触感を有する保湿ティッシュ等の保湿成分を含む紙類処理剤で処理した紙類が通年で広く使用されている。この保湿ティッシュ等の紙類では、柔軟性を付与するために、グリセリン等の多価アルコールを配合した紙類処理剤が塗布されている。この柔軟性は、塗布紙の水分量の増加によるパルプ/パルプ間水素結合の減少によって発現しているため、高湿度環境下での紙力の低減による紙の破れ、低湿度環境下での風合い劣化が問題となっており、湿度環境依存性の低い保湿ティッシュ等の紙類が求められている。
また、保湿成分を含む紙類処理剤で処理した紙類のうち、保湿ティッシュは鼻かみに利用される場合が多く、肌への負担軽減のため、表面摩擦を低減するなど風合いのよい製品が求められている。保湿性能を付与した紙類には、商品として使用者の嗜好に合う風合いを付与することが望まれている。
湿度環境依存性の低いやわらかさの付与と風合いの向上という技術課題の解決を図るために、従来、様々な対策が講じられてきた。例えば、特許文献1には、繊維ウェブに含水ゲル組成物を含有させてなる繊維ウェブ製品が提案されている。しかし、塗布前からゲル状であるゲル組成物の紙類への均一な処理は煩雑な工程を伴い、またゲル組成物は移送が困難である等の問題があった。特許文献2では、親水性高分子の吸水性を利用してしっとり感の向上を図っているが、親水性高分子は均一分散に時間と労力を要するため、紙類処理剤の製造における工程が複雑化し、さらに親水性高分子は著しい増粘を引き起こす。そのため、親水性高分子の配合量を制限せざるを得ず、十分な効果が得られていなかった。特許文献3では、油類物質と水溶性ワックスを使用し、やわらかさの付与や摩擦の低減を図っているが、水溶性ワックスは粘度が高く、紙類処理剤の流動性や均一塗布性を損ない、操業性を悪化させるという問題があった。
特許文献4、5では、グリセリンと、分岐アルコールやショ糖脂肪酸エステルを配合し、低湿度環境下でのやわらかさや、肌触りの向上を図っている。これらの基剤は保湿剤中に配合しやすいという利点があり、低湿度環境下でのやわらかさ保持には寄与し得るものの、その効果は十分でなかった。
特許文献6~9には、紙類処理剤に配合する界面活性剤としてスルホン酸塩の記載がある。
特開2003-199685号公報 特開2009-263837号公報 特開平10-226986号公報 特開2007-107173号公報 特開2016-074999号公報 特開2019-099938号公報 特開2019-157307号公報 特開2008-073118号公報 特開2010-265562号公報
しかしながら、特許文献6~8では、実施例で任意成分として、あるいは複数種類の界面活性剤から任意に選択される成分としてスルホン酸塩が記載されているが、その配合量について検討を行っておらず、具体的な配合の開示においてはスルホン酸塩の量が多いため、紙類に芯のないやわらかさという特徴的な風合いを付与することは困難であり、また紙類処理剤の状態で流動性を保てなくなり、硬さが出てしまうという問題があった。
特許文献9では、界面活性剤から任意に選択される成分としてスルホン酸塩が記載されているが、スルホン酸塩を配合した具体的な配合の開示においては水を含んでいないことからその効果は十分ではなく、特徴的な風合いを出すことは困難であり、また低湿度環境下では風合いが劣化してしまうという問題があった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、保湿性能を付与した紙類に使用者の嗜好に合う特異的な風合いを付与することができ、さらに高湿度環境下と低湿度環境下での紙類の水分量の変化が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制できる紙類処理剤とそれを用いた紙類並びに紙類の風合いを向上する方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、多価アルコールと共に、特定範囲の量のスルホン酸塩及び水を配合した紙類処理剤は、紙類にシルクのような特異的なぬめりのある風合いを付与することを見出した。さらに、驚くべきことに、紙類に芯のないやわらかさを付与することや、高湿度環境下と低湿度環境下での紙類の水分量の変化が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制できることを見出し本発明を完成するに至った。ここで、シルクのような特異的なぬめりのある風合いとは、ゲルに触れているかのようなぬめり感をいう。
即ち本発明の紙類処理剤は、(A)多価アルコール、(B)スルホン酸塩、及び(C)水を含有し、前記(B)スルホン酸塩の含有量が、水を除く全量に対して0.05質量%以上8.0質量%未満であることを特徴としている。
本発明の紙類は、前記紙類処理剤で処理したことを特徴としている。
本発明の紙類の風合いを向上する方法は、前記紙類処理剤で処理することを特徴としている。
本発明の紙類処理剤は、(A)多価アルコールと共に特定範囲の量で(B)スルホン酸塩を配合し、さらに(C)水を配合することによって、特に、特定範囲の量の(B)スルホン酸塩と(C)水との特異的な組み合わせによって、紙類にシルクのような特異的なぬめりのある風合いや芯のないやわらかさを付与し、さらに高湿度環境下と低湿度環境下での紙類の水分量の変化が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制できる。
さらに、(A)多価アルコールと共に特定範囲の量で(B)スルホン酸塩を配合し、さらに(C)水を配合することによって、特に、特定範囲の量の(B)スルホン酸塩と(C)水との特異的な組み合わせによって、本発明の紙類処理剤の水分が塗布紙上で適度に保持され、従来の紙類処理剤に比べてパルプの膨潤が抑制され、これにより発現する芯のないやわらかさを付与することができる。
このやわらかさの付与は、水分によるパルプ間の水素結合を遮断するだけでなく、パルプの膨潤の抑制によって紙類を適度にへたらせることによっても発現しているので、本発明の紙類処理剤で処理した紙類は湿度環境依存性が低い。水分への依存性が低いやわらかさのため、本発明の紙類処理剤で処理した紙類は柔らかく感じられるが紙力が下がらず、破れ等が発生しにくい。
本発明の紙類処理剤は、低湿度環境下においても紙の水分蒸散を抑制する。そのため低湿度環境下での風合い劣化が起こりにくい。
本発明によれば、保湿性能を付与した紙類にシルクのような特異的なぬめりのある風合いと芯のないやわらかさを付与することができ、さらに高湿度環境下と低湿度環境下での紙類の水分量の変化が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制できる。これらの効果は、本発明の構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明及び以下の記述において「風合い」の用語には、シルクのような特異的なぬめり感、及び、ふんわり感が少ないへたった感触であって、肌への負担を軽減し肌へのやさしさを想起させる、芯のないやわらかさを特に包含する。
(紙類処理剤)
本発明の紙類処理剤は、(A)多価アルコール、(B)スルホン酸塩、及び(C)水を必須としている。
(A)多価アルコール
本発明の紙類処理剤において(A)成分の多価アルコールは、紙類の吸湿性、保湿性を強化し、紙類にしっとり感、やわらかさを付与する保湿剤である。
(A)成分の多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリンエーテル、イソプレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
また、糖アルコール類や糖類であってもよく、糖アルコール類としては、例えば、ソルビトール、イノシトール、グルコシルトレハロース、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、フルクトース、オリゴ糖アルコール、マルチトール、還元パラチノース、還元水飴、還元澱粉加水分解物等が挙げられる。糖類としては、例えば、果糖、ブドウ糖、乳糖、キシロース、プシコース、麦芽糖、水飴、オリゴ糖、マルトース、トレハロース、ラクトース、パラチニット、ショ糖、異性化糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノース、ステビア、甘草、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース等が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、グリセリン、1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、ソルビトールが好ましく、グリセリンがより好ましい。
(A)多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、例えば、水を除く紙類処理剤の全量に対して1質量%以上が挙げられる。(A)多価アルコールの塗布紙上での吸湿による風合い向上の観点から、水を除く紙類処理剤の全量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、85質量%以上が特に好ましく、90質量%以上が最も好ましい。また、本発明に特有の風合い向上の観点から、水を除く全量に対して99.5質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましい。
(B)スルホン酸塩
本発明の紙類処理剤において(B)成分のスルホン酸塩は、(A)多価アルコールと共に特定範囲の量で配合し、さらに(C)水を配合することによって、シルクのような特異的なぬめりのある風合いと芯のないやわらかさを紙類に付与し、さらに高湿度環境下と低湿度環境下での紙類の水分量の変化が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制する。
(B)スルホン酸塩は、スルホン酸塩構造(-SO3X)を1つ以上有し、好ましくは、疎水基及び親水基を有し、親水基がスルホン酸塩構造(-SO3X)であることにより界面活性を有する。疎水基は、好ましくはアルキル基を含む。
スルホン酸塩のアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、例えば、4~30(C4~C30)が挙げられる。シルクのような特異的なぬめり感と芯のないやわらかさ、特にシルクのような特異的なぬめり感が向上するという観点から、アルキル基の炭素数は10以上が好ましく、14以上がより好ましく、16以上がさらに好ましい。多価アルコールに溶解しやすくなり、本発明の効果をより発揮させやすくするという観点から、アルキル基の炭素数は24以下が好ましく、22以下がより好ましく、18以下がさらに好ましい。ここでアルキル基の炭素数は、整数を示す。なお、これらのアルキル基は、不飽和型、飽和型のいずれであってもよく、直鎖型、分岐型のいずれであってもよい。
本発明に用いられる(B)成分のスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩、スルホ脂肪酸エステル塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、本発明の効果を発揮させる観点から、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩、スルホ脂肪酸エステル塩が好ましく、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩がより好ましい。
(B)スルホン酸塩におけるスルホン酸アニオンの対カチオンとしては、特に限定されないが、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン等が挙げられる。
(B)スルホン酸塩の含有量は、水を除く紙類処理剤の全量に対して0.05質量%以上8.0質量%未満であるが、シルクのような特異的なぬめり感や、芯のないやわらかさを向上させる観点から水を除く全量に対して0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましく、0.7質量%以上がより一層好ましく、1.5質量%以上がさらに一層好ましく、2.0質量%以上が特に好ましい。また、紙類処理剤の流動性を向上させる観点から、水を除く紙類処理剤の全量に対して7.9質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下がさらに好ましい。
本発明の紙類処理剤における、(A)多価アルコールに対する(B)スルホン酸塩の質量比((B)成分/(A)成分)は、シルクのような特異的なぬめり感や、芯のないやわらかさが向上するという観点の観点から、0.001以上が好ましく、0.007以上がより好ましく、0.015以上がさらに好ましく、0.02以上が特に好ましい。処理剤の流動性の観点から、0.085以下が好ましく、0.07以下がより好ましく、0.053以下がさらに好ましい。
(C)水
本発明の紙類処理剤において(C)成分の水は、(B)成分のスルホン酸塩との組み合わせにより、本発明の効果を発揮させる必須成分である。
(C)成分の水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、水道水、滅菌水等が挙げられる。
(C)水の含有量は、特に限定されないが、例えば、紙類処理剤の全量に対して0.1~90質量%が挙げられる。紙類処理剤の安定性と粘度を考慮すると、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましい。生産効率や、塗布機の種類によって粘度調整しやすい点を考慮すると、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
(D)その他の成分
本発明の紙類処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記以外の他の成分(D)を原料として添加することができる。このような他の成分としては、特に限定されないが、例えば、油性成分、界面活性剤(非イオン性界面活性剤、(B)成分以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤)、(A)成分以外の保湿成分、増粘剤、防カビ剤、防腐剤、消泡剤、香料、色素類、pH調整剤、エキス類、抗酸化剤、抗炎症剤、無機鉱物、無機塩、水溶性高分子等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
油性成分
油性成分は、主に油性感のあるしっとり感、処理した紙類における表面の感触(滑らかさ)といった風合いを向上させる。油性成分としては、例えば、炭化水素類、油脂類、エステル類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、ロウ類、ステロイド類等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、固形パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、スクワラン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、水添ポリイソブテン、エチレン・α-オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレンポリマー等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、アボガド油、アーモンド油、アマニ油、オリーブ油、カカオ油、エゴマ油、ツバキ油、ヒマシ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、パーム核油、ヤシ油、パーム油、牛脂、豚脂、馬脂、羊脂、シア脂、カカオ脂、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーセリン油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、グレープシード油、マカデミアナッツ油、綿実油、メドウホーム油、ヤシ油、落花生油、タラ肝油、ローズヒップ油、牛脂硬化油、牛脂極度硬化油、硬化ヒマシ油、パーム極度硬化油等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、ステアリン酸アルキルエステル、パルミチン酸アルキルエステル、ミリスチン酸アルキルエステル、ラウリン酸アルキルエステル、ベヘニン酸アルキルエステル、オレイン酸アルキルエステル、イソステアリン酸アルキルエステル、12-ヒドロキシステアリン酸アルキルエステル、ウンデシレン酸アルキルエステル、ラノリン脂肪酸アルキルエステル、エルカ酸アルキルエステル、ヤシ油脂肪酸アルキルエステル、ステアロイルオキシステアリン酸アルキルエステル、イソノナン酸アルキルエステル、ジメチルオクタン酸アルキルエステル、オクタン酸アルキルエステル、乳酸アルキルエステル、エチルヘキサン酸アルキルエステル、ネオペンタン酸アルキルエステル、リンゴ酸アルキルエステル、フタル酸アルキルエステル、クエン酸アルキルエステル、マロン酸アルキルエステル、アジピン酸アルキルエステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロパンジオール脂肪酸エステル、ブタンジール脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、トレハロース脂肪酸エステル、ペンチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、エルカ酸、ステアロイルオキシステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、ミリスチルアルコール、アラキルアルコール、フィトステロール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
シリコーン油類としては、例えば、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性オイル、ポリグリセリン変性シリコーンオイル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シリコーン樹脂、ジメチコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、テトラメチルヘキサシロキサン、高重合メチルポリシロキサン等が挙げられる。
ロウ類としては、例えば、モクロウ、ミツロウ、ハゼロウ、ウルシロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ラノリン、鯨蝋、還元ラノリン、液状ラノリン、硬質ラノリン、セレシン、オゾケライト等が挙げられる。
ステロイド類としては、例えば、コレステロール、ジヒドロコレステロール、コレステロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
界面活性剤
界面活性剤のうち、非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ヒマシ油脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエタノールアミド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリン酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ピログルタミン酸脂肪酸ジエステル、ピログルタミン酸脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレングリセリルピログルタミン酸脂肪酸ジエステル、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
(B)成分以外のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、硫酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩等が挙げられる。硫酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。リン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、リン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。カルボン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸塩(N-アシル-L-グルタミン酸塩、N-アシル-L-アルギニンエチル-DL-ピロリドンカルボン酸塩等)、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、N,N-ジアルキロイルオキシエチル-N-メチル,N-ヒドロキシエチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン、水添レシチン、アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン塩酸塩、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリミノジプロピオン酸、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノジフ酢酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N-[3-アルキルオキシ-2-ヒドロキシプロピル]-L-アルギニン塩酸塩、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ジヒドロキシアルキルメチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等が挙げられる。
(A)成分以外の保湿成分としては、特に限定されないが、例えば、アミノ酸類、吸湿性を有するアルカリ類・酸類とそれらの塩類が挙げられる。アミノ酸類としては、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。吸湿性を有するアルカリ類・酸類とそれらの塩類としては、例えば、トリメチルグリシン、ベタイン、ピロリン酸、ピロリン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸塩、ピロリン酸カリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の含有量は、水を除く紙類処理剤の全量に対して90質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
本発明の紙類処理剤は、常法に従って各原料を均一に混合することによって製造することができ、例えば、各原料が溶解する温度で撹拌混合することにより得ることができる。
本発明の紙類処理剤は、(A)、(B)、及び(C)成分が、また(D)成分を配合する場合には(A)、(B)、(C)、及び(D)成分が均一に混合されていればよく、例えば、溶融している状態でも、可溶化している状態でも、乳化している状態でも、分散している状態でもよい。
本発明の紙類処理剤は、(A)、(B)、及び(C)成分を含有することで、紙類を塗布する前は低粘度で、紙類へ塗布した後、塗布紙上に水分が適度に保持されることにより本発明の効果を発揮する。このように本発明の紙類処理剤は低粘度であるため、移送が容易でハンドリング性が良く、処理紙に対する処理剤付着量の管理が平易で、操業性が良好となる。紙類の風合いに関わる紙類処理剤の紙類への均一塗布性も良好である。
本発明の紙類処理剤は、B型粘度計を用いて60rpm、40℃において測定した粘度が2000mPa・s未満であることが好ましく、500mPa・s未満であることがより好ましい。
さらに本発明の紙類処理剤は、経時でも均一な状態を維持し安定性が高い。すなわち紙類処理剤の経時安定性が良好で、時間が経過しても粘度も適正に保つことができる。
本発明の紙類処理剤の好ましい一例としては、水を除く紙類処理剤の全量に対して、(A)成分を50質量%以上98質量%以下、(B)成分として、炭素数12~26のアルキル基を有するアルキルスルホン酸塩を0.7質量%以上7.9質量%以下含み、紙類処理剤の全量に対して、(C)成分を5質量%以上50質量%以下含む紙類処理剤や、水を除く紙類処理剤の全量に対して、(A)成分を50質量%以上98質量%以下、(B)成分として、炭素数12~26のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.7質量%以上7.9質量%以下含み、紙類処理剤の全量に対して、(C)成分を5質量%以上50質量%以下含む紙類処理剤、水を除く紙類処理剤の全量に対して、(A)成分を50質量%以上98質量%以下、(B)成分として、炭素数12~26のアルキル基を有するスルホコハク酸エステル塩を0.7質量%以上7.9質量%以下含み、紙類処理剤の全量に対して、(C)成分を5質量%以上50質量%以下含む紙類処理剤等が挙げられる。
(紙類)
本発明の紙類は、以上に説明した紙類処理剤で処理したものである。本発明の紙類処理剤で紙類を処理することにより、紙類にシルクのような特異的なぬめりのある風合いと芯のないやわらかさを付与することができ、さらに高湿度環境下と低湿度環境下での紙類の水分量の変化が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制できる。
紙類としては、例えば、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、ポケットティッシュ、紙ハンカチ、紙タオル等が挙げられる。
紙類の坪量は、特に限定されないが、1~50g/m2が好ましく、5~20g/m2がより好ましい。ply数(原紙の積層枚数)は、特に限定されないが、1~5が好ましく、2~3がより好ましい。
紙類処理剤で紙類を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、紙類に塗布する方法等が挙げられる。紙類に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、転写、噴霧等が挙げられる。これらの方法で紙類に塗布する方式としては、例えば、フレキソ印刷方式、グラビア印刷方式、スプレー方式、ローターダンプニング方式等が挙げられる。フレキソ印刷方式では、凸版印刷機の一種であるフレキソ印刷機を使用し、表面を彫刻したゴムや合成樹脂等の刷版を装着したローラーで紙類処理剤を紙類に転写する。グラビア印刷方式では、凹版印刷機の一種であるグラビア印刷機を使用し、表面に製版を施した金属のシリンダで装着したローラーで紙類処理剤を紙類に転写する。スプレー方式では、圧縮空気によりノズルから紙類処理剤を霧状に紙類へ噴霧する。ローターダンプニング方式では、高速回転する円盤で紙類処理剤を霧状に紙類へ噴霧する。
紙類への紙類処理剤の塗布量は、特に限定されないが、水を除いた紙類処理剤の質量で換算すると1~7g/m2が好ましく、1.5~6g/m2がより好ましい。
(紙類の風合いを向上する方法)
本発明の紙類の風合いを向上する方法は、以上に説明した紙類処理剤で処理することを特徴としている。紙類処理剤による紙類の処理の具体的な態様は前記したとおりである。本発明の紙類処理剤で紙類を処理することにより、シルクのような特異的なぬめり感、及び、ふんわり感が少ないへたった感触であって、肌への負担を軽減し肌へのやさしさを想起させる、芯のないやわらかさを紙類に付与し、風合いを向上することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)紙類処理剤の調製
次の手順により紙類処理剤を調製した。
ビーカーに各配合原料を表1~表5に記載した添加量で仕込み、各原料が溶解する温度で攪拌混合し、紙類処理剤を調製した。表1~表5に示す各成分の配合量は、有姿量が水分を含む場合、水分を除いた有効分を示している。なお、有姿量の水分量は、表中の加水量に含まれる。
(2)塗布紙の作製
上記の方法により得られた紙類処理剤を、ドライティッシュ(ply数2、坪量12~14g/m2)の両面に水を除いた紙類処理剤の質量が原紙の質量に対して25質量%±3%となるように均一に塗布し、その後、3時間風乾させた。
(3)評価
上記において作製した各実施例及び比較例の紙類処理剤及び塗布紙について以下の評価を行った。
[シルクのような特異的なぬめり感(官能評価)]
官能評価として、上記(2)の手順により作製した塗布紙を、熟練したパネル10名により、以下の評価点に基づいて1~3点のいずれかの点数で評価し、その平均値よりシルクのような特異的なぬめり感を以下の基準で評価した。
評価点
3点:シルクのような特異的なぬめりを感じる。
2点:ややシルクのような特異的なぬめりを感じる。
1点:シルクのようなぬめりを感じない。
評価基準
◎+:パネル10名の平均点が2.5点以上
◎:パネル10名の平均点が2.0点以上2.5点未満
○:パネル10名の平均点が1.5点以上2.0点未満
×:パネル10名の平均点が1.5点未満
[芯のないやわらかさ(官能評価)]
官能評価として、上記(2)の手順により作製した塗布紙を、熟練したパネル10名により以下の評価点に基づいて1~3点のいずれかの点数で評価し、その平均値より芯のないやわらかさを以下の基準で評価した。
評価点
3点:芯のないやわらかさを感じる。
2点:やや芯のないやわらかさを感じる。
1点:芯のないやわらかさを感じない。
評価基準
◎+:パネル10名の平均点が2.5点以上
◎:パネル10名の平均点が2.0点以上2.5点未満
○:パネル10名の平均点が1.5点以上2.0点未満
×:パネル10名の平均点が1.5点未満
[芯のないやわらかさ(T0/Tm値)]
試験機器としてKES-G5ハンディー圧縮試験機(カトーテック株式会社製)を用い、塗布紙2枚(1組)のT0:荷重0.5gf/cm2の時の厚さ(mm)と、Tm:荷重50gf/cm2の時の厚さ(mm)を測定した。
このT0値とTm値の比であるT0/Tm値が低いほど荷重を掛けていないときと掛けた時の厚さに差がなく、ふんわり感が少ないへたった塗布紙となっていることを示す。この紙のへたりを示すT0/Tm値は、上記官能評価における芯のないやわらかさと相関があり、T0/Tm値が低いほど、芯のないやわらかさが感じられる。このため芯のないやわらかさをT0/Tm値によって以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:T0/Tm値が1.8未満
◎:T0/Tm値が1.8以上2.0未満
○:T0/Tm値が2.0以上2.2未満
×:T0/Tm値が2.2以上
[湿度環境依存性]
上記(2)の手順により作製した塗布紙について、40%RH及び70%RH、25℃の環境下にそれぞれ24時間静置した場合における紙の質量と、80℃で1.5時間静置した場合における紙の絶乾の質量を測定し、その値より40%RH及び70%RH、25℃での紙の絶乾の質量に対する水の割合を算出した。
この値より、25℃、40%RHの場合と25℃、70%RHの場合の、紙の絶乾の質量に対する水の割合の差を算出し、湿度環境依存性について、以下の基準により評価した。
評価基準
◎+:40%RHの場合と70%RHの場合の紙の絶乾の質量に対する水の割合の差が7.0%未満
◎:40%RHの場合と70%RHの場合の紙の絶乾の質量に対する水の割合の差が7.0%以上8.0%未満
〇:40%RHの場合と70%RHの場合の紙の絶乾の質量に対する水の割合の差が8.0%以上9.0%未満
×:40%RHの場合と70%RHの場合の紙の絶乾の質量に対する水の割合の差が9.0%超
[低湿度環境下での水分量]
上記(2)の手順により作製した塗布紙について、25%RH、25℃の環境下に24時間静置した場合における紙の質量と、80℃で1.5時間静置した場合における紙の絶乾の質量を測定し、その差より25%RH、25℃での紙の絶乾の質量に対する水の割合を算出し、これを25%RHにおける水分量として、低湿度環境下での水分量について以下の基準で評価した。
評価基準
◎+:25%RHにおける水分量が5.1%以上
◎:25%RHにおける水分量が4.7%以上5.1%未満
〇:25%RHにおける水分量が4.5%以上4.7%未満
×:25%RHにおける水分量が4.5%未満
[紙類処理剤の粘度]
上記(1)の手順により調製した紙類処理剤について、B型粘度計を用いて60rpm、40℃において粘度を測定し、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:紙類処理剤の粘度が500mPa・s未満
○:紙類処理剤の粘度が500mPa・s以上2000mPa・s未満
×:紙類処理剤の粘度が2000mPa・s以上又は測定不能(均一な状態を保てない)
[紙類処理剤の安定性]
上記(1)の手順により調製した紙類処理剤について、調製直後及び室温で1ヶ月静置して保存した時の状態を確認し、実際の使用に適することを考慮し以下の基準で評価した。
評価基準
◎:調製直後から1ヶ月後も均一な状態を維持
〇:調製直後から1ヶ月後もやや状態に変化はあるものの均一な状態を維持
×:調製直後から不均一、又は一か月間均一な状態を保てない
各実施例及び比較例の配合と各項目の評価結果を表1~表5に示す。表1~表5において各成分の配合量は質量部で示している。
表1~表4の各項目における評価において、シルクのような特異的なぬめり感(官能評価)、芯のないやわらかさ(官能評価)、芯のないやわらかさ(T0/Tm値)、湿度環境依存性、低湿度環境下での水分量の評価では〇、◎、◎+は発明の課題解決において良好であり、この順により良好であることを示す。またこれらの評価では全てのうち×が1つ以上の場合、発明の課題を解決しないと判断した。
表中、(B)スルホン塩のCはアルキル基の炭素数を示している。
Figure 0007309972000001
Figure 0007309972000002
Figure 0007309972000003
Figure 0007309972000004
Figure 0007309972000005
表1~表5より、実施例1~35は、(A)多価アルコール、(B)スルホン酸塩、及び(C)水を含有し、(B)スルホン酸塩の含有量が、水を除く全量に対して0.05質量%以上8.0質量%未満である紙類処理剤を用いた。これらの紙類処理剤は、シルクのような特異的なぬめり感と芯のないやわらかさを有し、湿度環境依存性が少なく、低湿度環境下においても紙類の水分蒸散を抑制した。紙類処理剤は低粘度で、経時での紙類処理剤の安定性も良好であった。また、T0/Tm値が低く、ふんわり感が少ないへたった塗布紙は、官能評価において、芯のないやわらかさが良好であったことから、T0/Tm値と官能評価における芯のないやわらかさと相関していることが確認できた。
比較例1は(A)成分と(C)成分を配合したが(B)成分を配合せず、比較例2は(B)成分も配合したが配合量が多く、比較例3、4は(B)成分と(C)成分を配合したが(A)成分を配合せず、比較例5、6は(B)成分に代えて別のアニオン性界面活性剤を配合し、比較例7~9は、(A)成分と(B)成分を配合したが(C)成分を配合しなかった。これらはいずれも実施例のような効果が得られなかった。

Claims (3)

  1. (A)多価アルコール、(B)スルホン酸塩、及び(C)水を含有し、
    前記(B)スルホン酸塩の含有量が、水を除く全量に対して0.05質量%以上8.0質量%未満であり、
    前記(B)スルホン酸塩は、炭素数4~30のアルキル基を有する紙類処理剤。
  2. 請求項1に記載の紙類処理剤で処理した紙類。
  3. 請求項1に記載の紙類処理剤で紙類を処理し、紙類の風合いを向上する方法。
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